JPH07818B2 - 金属マトリツクス−繊維複合材の製造方法 - Google Patents

金属マトリツクス−繊維複合材の製造方法

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JPH07818B2
JPH07818B2 JP60260657A JP26065785A JPH07818B2 JP H07818 B2 JPH07818 B2 JP H07818B2 JP 60260657 A JP60260657 A JP 60260657A JP 26065785 A JP26065785 A JP 26065785A JP H07818 B2 JPH07818 B2 JP H07818B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属マトリツクス−繊維複合材の製造方法に
関する。本発明によつて製造される金属マトリツクス−
繊維複合材は、例えば部材間の熱膨張係数の調整に用い
られ、セラミツクスと金属の接合体である半導体基板の
間に装着,接合し、ろう付けあるいは冷熱サイクルのさ
い、放熱板金属と絶縁板セラミツクスとの熱膨張差によ
るセラミツクスと金属の剥れ、あるいはセラミツクスの
反り、割れを防止することができる。
〔従来の技術〕
金属をマトリツクスとし、このマトリツクス中に金属あ
るいはセラミツクスの繊維を埋め込んだ金属マトリツク
ス−繊維複合材(以下「FRM」という)は、繊維とマト
リツクスの両方の特性を具備し、さらに繊維の配向を一
方向,網状,うず巻状、あるいは無方向にすることによ
り、方向による特性の調整ができるため各種機器の構造
用あるいは機能用部材として用いられている。このよう
なFRMの一つに炭素〔C〕繊維と銅〔Cu〕のFRMがある。
炭素繊維は、黒鉛繊維或はカーボン繊維とも呼ばれる
が、以下ではこれらを総称して炭素繊維という。このC
繊維とCuのFRMは、炭素の負の熱膨張係数と、Cuの正の
膨張係数の中間の膨張係数を有し、部材間の熱膨張係数
の調整をおこなうことができる。
これらのFRMの製法に、含浸法とホツトプレス法が存在
する。含浸法は、マトリツクス構成用金属を溶湯とし、
これを繊維に含浸させて複合体とするものである。ホツ
トプレス法は、あらかじめ繊維に目的のマトリツクス構
成用金属をコーテイングし、これを高温加圧にして複合
体とするものである。このホツトプレス法におけるマト
リツクスのコーテイングは、電気メツキ,化学蒸着,イ
オンプレーテイング,溶射等による。そのほか、種々の
製法があり、対象となる金属マトリツクス繊維の種類に
よって適宜製法が選定される。たとえば、Cuマトリツク
スにC繊維を埋め込んだCu−C繊維複合材は、ホツトプ
レス法で製造され、含浸法は適用されない。これは、C
とCuが全くぬれず、本質的に含浸できないことによる。
他方、CuにW繊維を埋め込んだCu−W繊維複合材はホツ
トプレス法によつても複合化が可能であるが、CuとWは
ぬれ性に優れ、かつ化合物も生成しないので一般的には
含浸法が用いられている。
以上のごとく、複合系に適した任意製法が選ばれ、特に
繊維とマトリツクスがぬれ性を持たないか、あるいは繊
維とマトリツクスの間に化合物を生成するような複合系
では、マトリツクスを固相として扱うホツトプレス法で
用いられる。このホツトプレス法は、繊維とマトリツク
スを確実に複合できる等の好ましい点を有する。
上記FRMの製造法の違いは、耐熱性の差にも表われる。
たとえばCuとC繊維のぬれ性のないCu−C繊維複合材
は、加熱するとCuマトリツクスが軟化すると共に、C繊
維とCuマトリツクスが剥離し、複合材自体に脹れ現象が
生ずるなど耐熱性に十分でない。そこで、Cu−C繊維複
合材の耐熱性を向上させるため、CuマトリツクスにTi,Z
r,Cr,Nb等が添加されたCu−C繊維複合材が存在する。
上記CuにTi等を添加することによつてCu−C繊維FRMの
耐熱性が向上するのは、CとTiの間に金属間化合物が形
成されること、およびCuとTiの間で固溶体が形成されCu
とC界面の強化がされることによるものである。
このような界面が強化されたFRMを製造する従来例とし
て、特公昭52-53720号に記載されるように、添加元素
(Ti等)を粉末とし、これにメチルセルロース等を加え
てスラリとしたのち、繊維間に媒体させ、これをホツト
プレスする方法が知られている。この従来例では、C繊
維に対してぬれ性に関係なく、また反応も温度,時間に
よつて制御し得るので任意の元素の添加が可能である利
点をもつ。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、上記従来例では、粉末を用いているところから
粉末の粒径、メチルセルロースと添加元素粉による流動
性等の要因から、均一に添加元素を分散するのに高度の
技術を必要とする。特に、微量元素の均一化は難しく、
粉末粒径が大きいと均質なマトリツクスとならない虞れ
がある。添加元素の不均一な分散が存在すると、FRMに
耐熱性の劣る箇所が生じ、その結果熱上昇による脹れ現
象が発生する虞れがある。
また、上記従来例のようにスラリによつて添加元素をCu
マトリツクスに均一に分散させようとすると、多量の添
加元素を必要とする。その結果、FRMの熱伝導性及び導
伝性の低下が著しくなる。
そこで、繊維にTi等の添加元素とCuの合金をコーテイン
グしてホツトプレスをおこなう方法も考えられるが、合
金の場合はコーテイング可能な成分が限定され、またそ
の添加元素の含有量の制御等の点で製造上の難点を有す
る。
本発明は、係る問題点を解決するために、導電性,熱伝
導性を低下させることなく繊維と金属マトリツクスとの
界面を強化し、耐熱性に優れたFRMを提供することを目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、マトリツクス構成用金属がコーテイングされ
た繊維を多数本束ねた繊維束に、前記マトリツクス構成
用金属に固溶し、かつ前記繊維と反応する添加元素を含
んでなる金属細線を巻きつけ、これを高温高圧にするこ
とによりマトリツクス構成用金属と繊維との複合体とす
ることを特徴とする金属マトリツクス−繊維複合材の製
造方法である。
〔作用〕
上記本発明の構成において、添加元素はマトリツクス構
成用金属中に固溶し、かつ繊維との間で反応し金属間化
合物を形成できる。したがつてマトリツクス構成用金属
と繊維との界面が強化され、耐熱性が向上する。マトリ
ツクス構成用金属中に固溶する添加元素の量は、当該添
加元素が金属細線中から得られるものであるため微量で
すみ、かつマトリツクス構成用金属中を均質に拡散す
る。したがつて、熱伝導性,導電性の低下を防ぐことが
できる。
〔実施例〕
次に本発明に係る金属マトリツクス−繊維複合材の製造
方法の実施例について説明する。
まず、第1図に示すように繊維1に、マトリツクス用金
属を電気メツキ等によりあらかじめコーテイングし、コ
ーテイング層2を形成する。他方、繊維にコーテイング
されたマトリツクス構成用金属の量を考慮し、別途当該
マトリツクス構成用金属に固溶け、かつ繊維と反応する
添加元素を含む金属細線を製造する。金属細線は、必要
に応じて添加元素とマトリツクス構成用金属との合金ま
たは添加元素を単独とした金属細線とする。金属細線
は、熱間あるいは冷間等により細線化する。
第2図に示すように、金属細線3をマトリツクス構成用
金属がコーテイングされた繊維束に巻きつける。金属細
線3が巻きつけられる繊維束数は細線の元素含有量、細
線の機械的特性を考慮して選ばれ、たとえばCu−C繊維
複合体では、通常500〜6000本である。合金の細線は、
伸線が容易な0.1mm程度が好ましく、巻付密度は作業性
の点から15〜20ターン/mの条件が望ましい。
金属細線が巻きつけられた繊維束は、所定の繊維配向に
織られる。たとえば網状にしたり、交互に直交するよう
に積層する重ね状にする。これらを高温高圧(ホツトプ
レス)下におく。金属細線に含まれる添加元素は、ホツ
トプレスの際の高温で繊維にコーテイングされた主成分
金属中に拡散し、主成分金属との間で固溶体を形成す
る。また繊維と反応し、添加金属と繊維との間で金属間
化合物が形成される。この結果繊維と金属マトリツクス
の界面が強化され、第3図に示すような複合体が形成さ
れる。第3図において3は金属細線を示し、4は繊維を
示す。そして、金属細線が巻きつけられた繊維は網状に
なるように織り込まれている。第3図に示すような複合
体では金属細線から固溶する添加元素量が微量であり、
かつ均一に十分マトリツクス構成用金属中に拡散するた
め、複合体の熱伝導性及び導電性の劣化を防ぐことがで
きる。
上記金属細線中の添加元素量は次のようにして決められ
る。すなわち、金属細線中の添加元素は、マトリツクス
構成用金属すなわち主成分金属に固溶する固溶体である
ことから、その主成分金属に対する最大固溶限を上限と
して固溶するような量にすることが好ましい。なぜな
ら、最大固溶限を越えた添加元素量が主成分金属中に固
溶すると、マトリツクス中に晶出相が析出し、マトリツ
クスの本質的な均一性が得られないことによる。最大固
溶限以内の添加元素量であれば、繊維にコーテイングさ
れた成分金属に、ホツトプレスの際の温度および時間に
より、添加元素は容易に拡散し繊維と金属マトリツクス
との複合体となる。ただし、添加元素が最大固溶限以上
金属細線に含まれていた場合に発生するマトリツクス中
の部分的析出相が、複合体中に介在しても、複合体の特
性が著しい劣化を受けない場合には最大固溶限を越えた
添加元素量が含まれていても特別問題はない。あるい
は、部分的な晶出相の介在により他の特性が発揮される
場合もある。なお、実質的に発生する晶出相の分散は、
繊維束と細線の線径によつて調整できる。
金属細線が巻きつけられる繊維束の繊維束数は、部分的
な晶出相の析出を防ぐ意味からあるいは添加元素のマト
リツクス中への分散を均一にするために少ないほうが良
好である。また、金属細線の直径も小さいほど繊維束に
巻きつけが容易となり、かつ金属細線の添加元素のマト
リツクス中への分散も均一となるために、好ましい。
次に具体的な実施例について説明する。
(実施例1) 網状Cu−C繊維複合材の耐熱性を向上させるため、Crが
添加元素である網状Cu-Cr−C繊維複合材を作製した。
第1図に示すように、直径7μのC繊維1に、厚さ1.7
μのCu2を電気メツキによりコーテイングをほどこし
た。
他方、Cu-0.7wt%Crの合金を高周波加熱により溶解し、
直径30mmのインゴツトを作製した。これを熱間および冷
間圧延をぼどこし直径0.1mmの金属細線とした。
上記のCuメツキがほどこされたC繊維および合金細線
を、第2図に示すように、3000本からなるCuメツキ繊維
束1本当りに合金細線3の1本をC繊維束1mにつき15回
の頻度で巻きつけをおこなつた。次いで、織り密度(1
インチ当り10個)の値で手織りにし、織布化して織布を
形成した。この織布を2枚重ねて黒鉛製の鋳型に装入
し、温度1000℃、圧力250kgf/cm2を1時間かけ、ホツト
プレスをおこなつた。この結果第3図に示すように、Cu
マトリツクスに約0.16重量%のCrを含み、C繊維量が35
容量%の網状のCu-Cr−C複合体が作製できた。
(実施例2) 上記実施例1で作製したFRMを、Crを含まないCu−C繊
維FRMと比較して耐熱性試験をおこなつた。その結果を
第4図に示す。耐熱性試験は約0.16重量%のCrを含むFR
MとCrを含まないFRMを800℃に加熱し、FRM表面の脹れの
状態を観察することによつておこなつた。上記実施例1
のCrを含むFRM(1)では、800℃に加熱しても表面の脹
れが生じなかつた。一方、Crを含まない従来のFRMでは6
00℃で被合材表面の脹れが観察された。
また上記実施例1のCrを含むFRMは導伝率が48%で、RT-
200℃の平均熱膨張係数は8.8×10-6/℃で高導電性低熱
膨張の特性を示した。
さらにEPMAによる検討結果によれば、CrはCuメツキ中に
均一に拡散し、CrがCu中に固溶した固溶体Cuマトリツク
スであることが明らかとなつた。またCuマトリツクスと
C繊維の界面にCr濃度のピークが認められ、C繊維表面
にCrとC繊維の反応層の生成を示唆した。したがつて、
上記実施例1によれば、Crを含む合金細線をC繊維束に
介在させることにより、CrをCu中に均一に拡散でき、Cr
と繊維との間で金属間化合物が形成されることなど等に
より金属と繊維との界面が強化され耐熱性が向上する。
この際添加元素であるCrの量は微量であるため、FRMに
与える導電性および熱伝導率の低下の虞れがない。
(実施例3) 次に、実施例1で製造されたCu-Cr−C繊維FRMと、従来
のメチルセルロース+Cr粉スラリ法によつて得られたFR
Mとで導電率、および熱伝導率の違いについて検討し
た。
メチルセルロース+Cr粉スラリ法におけるCr粉は、200
メツシユのものを使用した。このようにメチルセルロー
ス+Cr粉スラリ法で形成されたFRM中のCr含有量はCuマ
トリツクスに対して25重量%である。一方、上記実施例
1で製造されたCu-Cr−C繊維FRM中のCr含有量は0.16重
量%である。両者の導伝率の違いについて次の第1表に
示す。
上記第1表からわかるように、実施例1によつて製造さ
れたFRMの導伝率48%は、従来のメチルセルロース+Cr
粉スラリ法によつて製造されたFRMの導電率27%に対し
て、かなりよい値を示していることがわかる。これは、
Crを合金細線によつてCu中に拡散するようにすれば、Cr
が微量でかつ十分にCuマトリツクス中に拡散することに
よるものである。なお、熱伝導率はマトリツクス中のCr
(添加元素)量に関係あり、導電率と同様Cr量(添加元
素量)が多くなれば熱伝導率も劣化することになる。な
お、本実施例では双方のFRMの耐熱基準を800℃とし、Cu
に対するC繊維量の割合は35容量%のものを使用した。
(実施例4) 上記実施例1と同様にCuメツキ繊維およびCu-Cr合金の
細線を準備し、C繊維量45容量%を含む網状のCu-Cr−
C繊維複合材を作製し、その耐熱性を検討した。その結
果耐熱性は800℃であり、すなわち800℃まで加熱しても
表面の脹れが観察されなかつた、また、導電率は36%、
熱膨張係数は6.2×10-6/℃を示し、かつCuマトリツク
スにCrが固溶した組織が観察された。本実施例によれ
ば、Cuマトリツクス量に対するC繊維含有量が多い場合
においても、実施例1と同様に導電率および熱伝導性を
低下させることなく耐熱性を向上できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明に係る金属マトリツクス−繊
維複合材の製造方法によれば、マトリツクス構成用金属
に固溶し、かつ繊維と反応する微量の添加元素を均一に
マトリツクス構成用金属に固溶することができる。その
ために、マトリツクス構成用金属と繊維との間の界面が
強化され、導電性および熱伝導性を低下させることなく
耐熱性を向上させることができる。
また、添加元素をマトリツクス構成用金属がコーテイン
グされた繊維の多数本を束ねてなる繊維束に金属細線と
して巻きつけ、その巻ピッチを変えることにより、簡単
に添加量を微調整して添加元素をマトリツクス中に固溶
させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はマトリツクス構成用金属がコーテイングされた
繊維の断面図、第2図は添加元素を含んでなる金属細線
をマトリツクス構成用金属がコーテイングされた繊維に
巻きつけた状態を示す側面図、第3図は繊維が網状に織
られた状態を示す複合材の構成図、第4図は加熱温度と
複合材の板圧増加率の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 敏美 茨城県勝田市堀口832番地の2 株式会社 日立製作所勝田工場内 (56)参考文献 特開 昭60−169534(JP,A) 特開 昭58−93834(JP,A) 特開 昭49−53119(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マトリックス構成用金属がコーティングさ
    れた繊維を多数本束ねた繊維束に、前記マトリックス構
    成用金属に固溶し、かつ前記繊維と反応する添加元素を
    含んでなる金属細線を巻きつけ、これを高温高圧にする
    ことによりマトリックス構成用金属と繊維との複合体と
    することを特徴とする金属マトリックス−繊維複合材の
    製造方法。
JP60260657A 1985-11-20 1985-11-20 金属マトリツクス−繊維複合材の製造方法 Expired - Lifetime JPH07818B2 (ja)

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