JPH078367B2 - 圧延機用作業ロ−ルの製造方法 - Google Patents
圧延機用作業ロ−ルの製造方法Info
- Publication number
- JPH078367B2 JPH078367B2 JP60074908A JP7490885A JPH078367B2 JP H078367 B2 JPH078367 B2 JP H078367B2 JP 60074908 A JP60074908 A JP 60074908A JP 7490885 A JP7490885 A JP 7490885A JP H078367 B2 JPH078367 B2 JP H078367B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- tempering
- temperature
- work roll
- hardness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B27/00—Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、圧延機用作業ロールに係り、特に胴径の大き
い使用初期において、噛み込み性と耐事故性を要求され
る第1スタンドに用いるに好適で、かつ使用径の途中か
ら他のスタンドに使用可能な性能を兼ね備えた圧延機用
作業ロールの製造方法に関する。
い使用初期において、噛み込み性と耐事故性を要求され
る第1スタンドに用いるに好適で、かつ使用径の途中か
ら他のスタンドに使用可能な性能を兼ね備えた圧延機用
作業ロールの製造方法に関する。
一般に冷間圧延機用作業ロールには、例えば「鉄と鋼」
VO7,57,No.5に示す如くあらかじめ球状化処理を施した
ロール素材の胴部を焼き入れした後、所定の表面硬さと
深さ方向の硬さ分布や安定したマルテンサイト組織、望
ましい残留応用分布等を得るために1回ないし複数回胴
部全体の焼き戻し処理が施される。焼き入れ時の加熱温
度と焼き戻し時の加熱温度は素材を構成する化学成分比
率や加熱方法あるいはまた得ようとする仕様によつて異
なるが、例えば重量比率がC=0.8%,Si=0.6%,Mn=0.
5%,Ni=0.2%,Cr=3.0%,Mo=0.2%と若干の不純物及
び残部がFeからなる素材の場合には、前者が950℃前
後、後者は120℃前後が一般的な温度である。このよう
に熱処理が施されたロール胴部の深さ方向硬さ分布は、
表面側で最も高い値を示し、深さが増すにつれて徐々に
硬さが低下する形態を示す。
VO7,57,No.5に示す如くあらかじめ球状化処理を施した
ロール素材の胴部を焼き入れした後、所定の表面硬さと
深さ方向の硬さ分布や安定したマルテンサイト組織、望
ましい残留応用分布等を得るために1回ないし複数回胴
部全体の焼き戻し処理が施される。焼き入れ時の加熱温
度と焼き戻し時の加熱温度は素材を構成する化学成分比
率や加熱方法あるいはまた得ようとする仕様によつて異
なるが、例えば重量比率がC=0.8%,Si=0.6%,Mn=0.
5%,Ni=0.2%,Cr=3.0%,Mo=0.2%と若干の不純物及
び残部がFeからなる素材の場合には、前者が950℃前
後、後者は120℃前後が一般的な温度である。このよう
に熱処理が施されたロール胴部の深さ方向硬さ分布は、
表面側で最も高い値を示し、深さが増すにつれて徐々に
硬さが低下する形態を示す。
一方、複数のスタンドを有し、連続的に圧延する冷間タ
ンデム圧延機において、被圧延材を美麗に、かつ精度良
い寸法に仕上げる都合上後段スタンドほど耐摩耗性,耐
肌荒れ性が必要となる。この観点からいえば、作業ロー
ルは硬さが高い使用初期のうちは最終スタンドに、使用
径が進み、硬さが低下するにつれて段階的に順次前後の
スタンドに、そして硬さが最も低目になつた時点に至つ
て第1スタンドに用いることが望ましい。
ンデム圧延機において、被圧延材を美麗に、かつ精度良
い寸法に仕上げる都合上後段スタンドほど耐摩耗性,耐
肌荒れ性が必要となる。この観点からいえば、作業ロー
ルは硬さが高い使用初期のうちは最終スタンドに、使用
径が進み、硬さが低下するにつれて段階的に順次前後の
スタンドに、そして硬さが最も低目になつた時点に至つ
て第1スタンドに用いることが望ましい。
ところが、第1スタンドに用いられる作業ロールでは、
被圧延材をスムースに圧延に導くところのいわゆる噛み
込み性の良好なることが極めて重要である。このため実
際には胴径の大きい使用初期のうちに第1スタンドに用
いられる例が多い。これは、ロールと被圧延材との接触
角をθ,ロールと被圧延材間での摩擦係数をμとした
時、μ>tan θの条件下にないと被圧延材はロールに噛
み込まれないことは公知である。ここで、ロール半径を
R,圧下量をΔhとし、tanθ≒sinθと近似的にみなせ
ば、 と示すことができる。したがつて、ロール半径Rが大な
る程、また、摩擦係数μが大きい程噛み込み性に対して
有利なことは明らかである。また、研削の際、ロールの
かたさが高い程研削砥石は目詰まりをきたし易く、研作
削しにくくなる傾向にあるため、研削されたロール表面
のあらさは小さな値となつて摩擦係数μを低める結果と
なる。従つて、摩擦係数μを確保して有利な噛み込み性
を保持する観点からいえば、ロールのかたさは低い方が
有利である。
被圧延材をスムースに圧延に導くところのいわゆる噛み
込み性の良好なることが極めて重要である。このため実
際には胴径の大きい使用初期のうちに第1スタンドに用
いられる例が多い。これは、ロールと被圧延材との接触
角をθ,ロールと被圧延材間での摩擦係数をμとした
時、μ>tan θの条件下にないと被圧延材はロールに噛
み込まれないことは公知である。ここで、ロール半径を
R,圧下量をΔhとし、tanθ≒sinθと近似的にみなせ
ば、 と示すことができる。したがつて、ロール半径Rが大な
る程、また、摩擦係数μが大きい程噛み込み性に対して
有利なことは明らかである。また、研削の際、ロールの
かたさが高い程研削砥石は目詰まりをきたし易く、研作
削しにくくなる傾向にあるため、研削されたロール表面
のあらさは小さな値となつて摩擦係数μを低める結果と
なる。従つて、摩擦係数μを確保して有利な噛み込み性
を保持する観点からいえば、ロールのかたさは低い方が
有利である。
一方、冷間圧延が施される被圧延圧は熱間圧延作業を経
たものであるため、板幅方向、圧延方向ともにその板厚
変動が比較的大きいのが普通である。この板厚変動によ
り、第1スタンドでは噛み込み性が低下することで被圧
延材とロール表面とに部分的なスリツプを生じることが
かなりの頻度で起こることは事実である。この種スリツ
プは、厚みや幅あるいは材質の異なる被圧延材が溶接等
にて接続されている場合の圧延の際など、圧延条件が急
変する場合にも生じることがある。このようなスリツプ
の際には、被圧延材の塑性変形熱に加え、ロール表面と
被圧延材間の圧延油膜に油膜切れをきたして直接接触に
よる摩擦熱をもたらす結果となる。このようなスリツプ
による熱衝撃に対してもまた、公知の事実(「日立評
論」Vol,58,No9(1976-91)ではあるが第4図に示す実
験結果のごとく、かたさが高い程ヒートラツクを生じ易
く、かたさが低い程ヒートラツクを生じにくいという特
性があることから、ロールのかたさは低い方が有利であ
る。
たものであるため、板幅方向、圧延方向ともにその板厚
変動が比較的大きいのが普通である。この板厚変動によ
り、第1スタンドでは噛み込み性が低下することで被圧
延材とロール表面とに部分的なスリツプを生じることが
かなりの頻度で起こることは事実である。この種スリツ
プは、厚みや幅あるいは材質の異なる被圧延材が溶接等
にて接続されている場合の圧延の際など、圧延条件が急
変する場合にも生じることがある。このようなスリツプ
の際には、被圧延材の塑性変形熱に加え、ロール表面と
被圧延材間の圧延油膜に油膜切れをきたして直接接触に
よる摩擦熱をもたらす結果となる。このようなスリツプ
による熱衝撃に対してもまた、公知の事実(「日立評
論」Vol,58,No9(1976-91)ではあるが第4図に示す実
験結果のごとく、かたさが高い程ヒートラツクを生じ易
く、かたさが低い程ヒートラツクを生じにくいという特
性があることから、ロールのかたさは低い方が有利であ
る。
噛み込み性不良やスリツプをきたすと、ロール表面には
組織変化やヒートラツクを生じるが、組織変化部はその
周囲の正常部に比較すると強度的に劣り、かつ、局部的
な熱的残留応力の再分布により、被圧延材や作業ロール
を支持する補強ロール等との接触ヘルツ圧と重畳して稼
動中にクラツクを生じ易く、また、一旦発生したクラツ
クは表層下へと進展して、ついには第5図に示すごとく
作業ロールの胴部に大きな剥離をきたすことでロールの
寿命を著しく損ねる結果を招くことが多い。冷間圧延機
第1のスタンドには噛み込み性を確保するためにかたさ
の高い初径時の作業ロールが用いられることが多いが、
このスタンドでは、被圧延材にスリツプを頻発し、ロー
ルが被害を受けるほか、圧延生産効率的にも損害が大き
い。
組織変化やヒートラツクを生じるが、組織変化部はその
周囲の正常部に比較すると強度的に劣り、かつ、局部的
な熱的残留応力の再分布により、被圧延材や作業ロール
を支持する補強ロール等との接触ヘルツ圧と重畳して稼
動中にクラツクを生じ易く、また、一旦発生したクラツ
クは表層下へと進展して、ついには第5図に示すごとく
作業ロールの胴部に大きな剥離をきたすことでロールの
寿命を著しく損ねる結果を招くことが多い。冷間圧延機
第1のスタンドには噛み込み性を確保するためにかたさ
の高い初径時の作業ロールが用いられることが多いが、
このスタンドでは、被圧延材にスリツプを頻発し、ロー
ルが被害を受けるほか、圧延生産効率的にも損害が大き
い。
これらの現象は、硬さが高い時点ほど靱性が劣ると共
に、従来ロール自体が有する残留応力も大きく使用初期
ほど顕著となり易い欠点があつた。併せて、第1スタン
ドであるため全スタンドを通過して冷間圧延が完了した
圧延製品の表面・裏面観察からは第1スタンドに用いら
れている作業ロール胴部表面のスリツプの痕跡やクラツ
クの早期発見は困難であり、第1スタンドでのスリツプ
現象はある程度止むを得ないとする考え方もあるもの
の、これら作業ロールの使用初期におけるトラブルは結
果的にロール原単位を著しく悪化させるとともに、点検
・削除業務に多大な労力と時間を費やし、かつ、圧延製
品の歩留りや生産効率に大幅な低下をもたらす重大な欠
点があつた。そしてまた、新品時から第1スタンドに適
した性能を有する作業ロールを従来の焼き戻し処理法に
より製造すると、使用径が進んだ途中からはかたさの低
下し過ぎとなつて、第1スタンドのみならず、他のいず
れのスタンドにも使用できないという欠点があつた。
に、従来ロール自体が有する残留応力も大きく使用初期
ほど顕著となり易い欠点があつた。併せて、第1スタン
ドであるため全スタンドを通過して冷間圧延が完了した
圧延製品の表面・裏面観察からは第1スタンドに用いら
れている作業ロール胴部表面のスリツプの痕跡やクラツ
クの早期発見は困難であり、第1スタンドでのスリツプ
現象はある程度止むを得ないとする考え方もあるもの
の、これら作業ロールの使用初期におけるトラブルは結
果的にロール原単位を著しく悪化させるとともに、点検
・削除業務に多大な労力と時間を費やし、かつ、圧延製
品の歩留りや生産効率に大幅な低下をもたらす重大な欠
点があつた。そしてまた、新品時から第1スタンドに適
した性能を有する作業ロールを従来の焼き戻し処理法に
より製造すると、使用径が進んだ途中からはかたさの低
下し過ぎとなつて、第1スタンドのみならず、他のいず
れのスタンドにも使用できないという欠点があつた。
ロールの熱感受性は焼き戻し温度が高い程鈍くなり、か
つ靱性も富むことから、まずロールの表層部のみに高温
焼き戻しを施し、次いで従来通りの焼き戻しを施すこと
により、噛み込み性のよい、他スタンドに使用可能な性
能を兼ね備えることに着目した。
つ靱性も富むことから、まずロールの表層部のみに高温
焼き戻しを施し、次いで従来通りの焼き戻しを施すこと
により、噛み込み性のよい、他スタンドに使用可能な性
能を兼ね備えることに着目した。
なお、深い硬化層を有するロールの製造法として、低周
波誘導加熱コイルを併置することで可能とすることが
「鉄と鋼」第57年第5号にて「2重周波移動式誘導加熱
による焼入れロール」と題して久保,中野らにより論じ
られている。また、焼き戻し温度が高い程圧延事故に遭
遇した際有利であることを併せて記述されている。しか
し、この論文は焼き入れ時の加熱方法上の技術を述べた
ものであるとともに、焼き戻し温度が高い程良いという
記述も胴部全体についての一般的な焼き戻しについての
公知の考え方を述べたものである。
波誘導加熱コイルを併置することで可能とすることが
「鉄と鋼」第57年第5号にて「2重周波移動式誘導加熱
による焼入れロール」と題して久保,中野らにより論じ
られている。また、焼き戻し温度が高い程圧延事故に遭
遇した際有利であることを併せて記述されている。しか
し、この論文は焼き入れ時の加熱方法上の技術を述べた
ものであるとともに、焼き戻し温度が高い程良いという
記述も胴部全体についての一般的な焼き戻しについての
公知の考え方を述べたものである。
本発明の目的は、ロール胴径の大きい使用初期に、第1
スタンドに用い良好な噛み込み性を有しつつ、スリツプ
に対する耐熱影響性,耐熱衝撃性及び靱性を兼ね備え、
かつ、第1スタンドに使用したのちは他スタンドに使用
可能な圧延機用作業ロールの製造方法を提供することに
ある。
スタンドに用い良好な噛み込み性を有しつつ、スリツプ
に対する耐熱影響性,耐熱衝撃性及び靱性を兼ね備え、
かつ、第1スタンドに使用したのちは他スタンドに使用
可能な圧延機用作業ロールの製造方法を提供することに
ある。
本発明の概要は次のとおりである。すなわち、定常圧延
におけるロール胴部表面と被圧延材との接触幅部におい
ては、被圧延材の塑性変形熱や相対すべり摩擦熱によ
り、被圧延材はロールの焼き戻し温度を上廻る150〜250
℃の発熱をきたす。しかし、潤滑剤を兼ねた冷却液によ
り、接触幅部以外のロール胴部表面は約50〜80℃程度に
冷却されていることと、冷却液の潤滑膜の存在のため、
接触幅部の周囲と内部への熱伝導により、ロール胴部表
面の接触幅部は前記150〜250℃のおよそ1/2の昇温に抑
えられているのが現実である。言い換えればこれは定常
状態における圧延時には、ロールへの冷却液の効果によ
り、ロール胴部表面はロールの焼き戻し温度のおよそ2
倍にあたる被圧延材の昇温に耐えると見做すことができ
る。
におけるロール胴部表面と被圧延材との接触幅部におい
ては、被圧延材の塑性変形熱や相対すべり摩擦熱によ
り、被圧延材はロールの焼き戻し温度を上廻る150〜250
℃の発熱をきたす。しかし、潤滑剤を兼ねた冷却液によ
り、接触幅部以外のロール胴部表面は約50〜80℃程度に
冷却されていることと、冷却液の潤滑膜の存在のため、
接触幅部の周囲と内部への熱伝導により、ロール胴部表
面の接触幅部は前記150〜250℃のおよそ1/2の昇温に抑
えられているのが現実である。言い換えればこれは定常
状態における圧延時には、ロールへの冷却液の効果によ
り、ロール胴部表面はロールの焼き戻し温度のおよそ2
倍にあたる被圧延材の昇温に耐えると見做すことができ
る。
したがつて、定常圧延時における被圧延材の150〜250℃
の昇温温度は従来ロールが許容できる上限温度にほぼ等
しいかやや下廻る値といえる。
の昇温温度は従来ロールが許容できる上限温度にほぼ等
しいかやや下廻る値といえる。
しかしながら、非定常圧延時の発熱の著しいスリツプな
どに遭遇すれば、ロール表面は許容できる温度以上にさ
らされることになり、その部分は極めて短時間だが冷却
速度の速い焼き戻し効果(この際の温度がロールの焼き
入れ温度を上廻れば再焼入れ効果)を受けることにな
る。
どに遭遇すれば、ロール表面は許容できる温度以上にさ
らされることになり、その部分は極めて短時間だが冷却
速度の速い焼き戻し効果(この際の温度がロールの焼き
入れ温度を上廻れば再焼入れ効果)を受けることにな
る。
これらのことから、ロール胴部表層側のみに可能な限り
従来より高い焼き戻し温度を適用することにより、最も
遭遇する機会の多い板厚変動等に起因するスリツプ時の
局部的昇温に耐える性質を付与できることに着目したも
のである。そしてその方法としては、従来の焼き戻しを
施す前に、昇温温度や昇温深さ及び昇温速度を電気的に
制御し易い中周波もしくは高周波の電磁誘導加熱コイル
中でロール胴部の利用径層のうち外層側の表層部のみを
急速昇温させた後放冷して1次焼き戻しとし、その後従
来ロールと同様の胴部全体焼き戻しを1回ないし複数回
施すことにより前述性能が付与され、同一ロールにて使
用初期には第1スタンドに用いるに好適でかつ、使用径
が進んだ途中段階からは他スタンドに用いることが可能
な性能を付与できることは着目したものである。
従来より高い焼き戻し温度を適用することにより、最も
遭遇する機会の多い板厚変動等に起因するスリツプ時の
局部的昇温に耐える性質を付与できることに着目したも
のである。そしてその方法としては、従来の焼き戻しを
施す前に、昇温温度や昇温深さ及び昇温速度を電気的に
制御し易い中周波もしくは高周波の電磁誘導加熱コイル
中でロール胴部の利用径層のうち外層側の表層部のみを
急速昇温させた後放冷して1次焼き戻しとし、その後従
来ロールと同様の胴部全体焼き戻しを1回ないし複数回
施すことにより前述性能が付与され、同一ロールにて使
用初期には第1スタンドに用いるに好適でかつ、使用径
が進んだ途中段階からは他スタンドに用いることが可能
な性能を付与できることは着目したものである。
すなわち、本発明は、胴部と軸部とよりなる作業ロール
に、焼き入れ処理を施した後に作業ロール全体を加熱し
冷却する焼き戻しを施す圧延機用作業ロールの製造方法
において、焼き入れ処理を施した後、胴部の表層部のみ
に焼き戻しより高い温度の210℃±10℃で加熱し冷却す
る高温焼き戻しを施し、高温焼き戻しの後、作業ロール
全体に120℃±5℃の温度で加熱し冷却する焼き戻しを
施し、表層部の深さ方向に所定硬さ以下の硬さ分布を確
保することを特徴とするものである。
に、焼き入れ処理を施した後に作業ロール全体を加熱し
冷却する焼き戻しを施す圧延機用作業ロールの製造方法
において、焼き入れ処理を施した後、胴部の表層部のみ
に焼き戻しより高い温度の210℃±10℃で加熱し冷却す
る高温焼き戻しを施し、高温焼き戻しの後、作業ロール
全体に120℃±5℃の温度で加熱し冷却する焼き戻しを
施し、表層部の深さ方向に所定硬さ以下の硬さ分布を確
保することを特徴とするものである。
以下、本発明の実施例について説明する。
第1図には初胴径620mm,廃却径530mm,胴長1420mm,全長3
450mmの4タンデム冷間圧延機用作業ロールの概略形状
が示されている。この第1図図示本ロールは総利用胴径
90mmの中間時点即ち、シヨア硬さがおよそHS87に低下し
た時点まで使用された後、再度熱処理が施されて廃却径
まで再使用されるものである。
450mmの4タンデム冷間圧延機用作業ロールの概略形状
が示されている。この第1図図示本ロールは総利用胴径
90mmの中間時点即ち、シヨア硬さがおよそHS87に低下し
た時点まで使用された後、再度熱処理が施されて廃却径
まで再使用されるものである。
本実施例による焼き戻し処理は次のように行なう。
まず、第1図図示点線で示したごとく胴部の一端に250m
mの余長を付した焼き入れ処理及び焼き戻し前の深冷処
理済みの本ロール素材胴部を第2図に示す如く1000ヘル
ツの中間波の電磁誘導コイル内に位置させ、昇温むらを
きたさぬようロール素材を回転させつつ上下させながら
電磁誘導コイルに通電し、ロール胴部の表面側深さ約5m
mまでを目途に210℃±10℃に急速昇温させ,1分間保持し
た後室温まで放冷して1次表層焼き戻しとした。この時
点での表層部は不完全焼き戻しの組織状態にあるが、次
いでロール素材全体を油槽に浸漬し、ロール素材温度が
120℃±5℃にて30時間保持の焼き戻しを1回、さらに
同温にて25時間保持の焼き戻しを2回繰り返えすことで
全体的に十分なる焼き戻し効果を付与した。これらの熱
処理完了後、あらかじめ胴部の一端に付した余長部を数
回に分けて削り込んでいくと、第3図に実線Aに示す如
き深さ方向硬さ分布曲線を有する高温焼き戻し域が得ら
れた。すなわち、表面から約5mm深さまでシヨア硬さがH
s88程度で、次いで約8mm深さまではシヨア硬さがHs92ま
で急速に上昇した後は同図中点線Bで示される従来の焼
き戻し方法での深さ方向硬さ分布曲線に等しい分布形態
が得られたことを示している。つまり表層部の深さ方向
の硬さ分布が、少なくとも被圧延材の噛み込み性を確保
するHs92の所定硬さ以下に形成されている。
mの余長を付した焼き入れ処理及び焼き戻し前の深冷処
理済みの本ロール素材胴部を第2図に示す如く1000ヘル
ツの中間波の電磁誘導コイル内に位置させ、昇温むらを
きたさぬようロール素材を回転させつつ上下させながら
電磁誘導コイルに通電し、ロール胴部の表面側深さ約5m
mまでを目途に210℃±10℃に急速昇温させ,1分間保持し
た後室温まで放冷して1次表層焼き戻しとした。この時
点での表層部は不完全焼き戻しの組織状態にあるが、次
いでロール素材全体を油槽に浸漬し、ロール素材温度が
120℃±5℃にて30時間保持の焼き戻しを1回、さらに
同温にて25時間保持の焼き戻しを2回繰り返えすことで
全体的に十分なる焼き戻し効果を付与した。これらの熱
処理完了後、あらかじめ胴部の一端に付した余長部を数
回に分けて削り込んでいくと、第3図に実線Aに示す如
き深さ方向硬さ分布曲線を有する高温焼き戻し域が得ら
れた。すなわち、表面から約5mm深さまでシヨア硬さがH
s88程度で、次いで約8mm深さまではシヨア硬さがHs92ま
で急速に上昇した後は同図中点線Bで示される従来の焼
き戻し方法での深さ方向硬さ分布曲線に等しい分布形態
が得られたことを示している。つまり表層部の深さ方向
の硬さ分布が、少なくとも被圧延材の噛み込み性を確保
するHs92の所定硬さ以下に形成されている。
なお、作業ロールの寸法や胴径の総利用量、あるいは第
1スタンドに使用したい胴径量などは圧延機によつて種
々異なるため、電磁誘導加熱コイルに用いる電源として
は周波数を変換可能なる方式を採用することで対処する
ことができる。
1スタンドに使用したい胴径量などは圧延機によつて種
々異なるため、電磁誘導加熱コイルに用いる電源として
は周波数を変換可能なる方式を採用することで対処する
ことができる。
以上説明したように、本発明によれば、作業ロールに焼
き入れ処理を施した後、作業ロール全体の焼き戻しを施
す前に胴部の表層部に、作業ロール全体の焼き戻し温度
より高い温度で高温焼き戻しを施し、その後作業ロール
全体の焼き戻しを施すため、十分な焼戻し効果が得ら
れ、表層部の深さ方向の硬さ分布が所定硬さ以下になっ
て表層部の熱感受性が鈍くなり、従来胴径の大きい使用
初期の第1スタンドでかなりの頻度で発生したスリップ
現象を起因としたロール損傷によるトラブルを大幅に減
少させることができ、この結果として、直接的には点検
・削除業務に費やす労力と時間及びロール原単位が大幅
に低減でき、間接的には圧延製品の歩留まり、生産効率
のいずれをも大幅に改善することができる。本来なら第
1スタンドにおいて噛み込み性の限界を若干上廻る板厚
部分が原因となつたかなりの頻度のスリツプによる熱影
響の発生を、従来ロールの場合の50〜70%を回避するこ
とが、また、比較的重度のスリツプに遭遇しても従来ロ
ールの場合の面積比で30〜50%に、深さに比で50〜70%
に軽減させることができる。それとともに、仮にかなり
の重度のスリツプに遭遇してヒートクラツクを発生した
場合でも、その被害程度は前述の理由で従来ロールより
頻度であり、かつ、クラツクの進展速度も従来ロールの
場合よりも鈍くできることは、表面層には靱性に富む性
質が付与されていることからも明らかであり、結果とし
て直接的にはロール原単位を従来の約70%に、ロールト
ラブルに伴う点検・削除業務を約50%に低減することが
できる。そして、表面側の高温焼き戻し域を第1スタン
ドにて消耗した後は、従来ロールと同様の性能を有する
層が露出するために、以後、同一ロールにて第1スタン
ド以外の任意のスタンドに使用することが可能である。
き入れ処理を施した後、作業ロール全体の焼き戻しを施
す前に胴部の表層部に、作業ロール全体の焼き戻し温度
より高い温度で高温焼き戻しを施し、その後作業ロール
全体の焼き戻しを施すため、十分な焼戻し効果が得ら
れ、表層部の深さ方向の硬さ分布が所定硬さ以下になっ
て表層部の熱感受性が鈍くなり、従来胴径の大きい使用
初期の第1スタンドでかなりの頻度で発生したスリップ
現象を起因としたロール損傷によるトラブルを大幅に減
少させることができ、この結果として、直接的には点検
・削除業務に費やす労力と時間及びロール原単位が大幅
に低減でき、間接的には圧延製品の歩留まり、生産効率
のいずれをも大幅に改善することができる。本来なら第
1スタンドにおいて噛み込み性の限界を若干上廻る板厚
部分が原因となつたかなりの頻度のスリツプによる熱影
響の発生を、従来ロールの場合の50〜70%を回避するこ
とが、また、比較的重度のスリツプに遭遇しても従来ロ
ールの場合の面積比で30〜50%に、深さに比で50〜70%
に軽減させることができる。それとともに、仮にかなり
の重度のスリツプに遭遇してヒートクラツクを発生した
場合でも、その被害程度は前述の理由で従来ロールより
頻度であり、かつ、クラツクの進展速度も従来ロールの
場合よりも鈍くできることは、表面層には靱性に富む性
質が付与されていることからも明らかであり、結果とし
て直接的にはロール原単位を従来の約70%に、ロールト
ラブルに伴う点検・削除業務を約50%に低減することが
できる。そして、表面側の高温焼き戻し域を第1スタン
ドにて消耗した後は、従来ロールと同様の性能を有する
層が露出するために、以後、同一ロールにて第1スタン
ド以外の任意のスタンドに使用することが可能である。
また、本発明の方法は、冷間タンデム圧延機作業ロール
のみならず、スタンド毎にパスラインの関係から胴径の
大小が定められ、かつ、それぞれに好適なかたさに選択
が望ましい場合の一般的なタンデム圧延機用各種ロール
にも適用することが可能であることも大きな利点であ
る。
のみならず、スタンド毎にパスラインの関係から胴径の
大小が定められ、かつ、それぞれに好適なかたさに選択
が望ましい場合の一般的なタンデム圧延機用各種ロール
にも適用することが可能であることも大きな利点であ
る。
第1図は本発明の実施例を適用した作業ロールの概略寸
法と胴部の1端に余長を付した形状を示す正面図、第2
図は本発明による第1次焼き戻しの際の加熱法を示す正
面図、第3図は本発明による深さ方向にかたさ分布曲線
を従来法との比較で示すグラフ図、第4図はロール材の
かたさと熱衝撃によつて発生するクラツクとの関係を示
す実験結果のグラフ、第5図はスリツプに遭遇して発生
した表面クラツクが継続使用によつて表層下を進展した
後スポーリングに至つた例を示す外観図である。 1……胴部、2……軸部、3……使用層、4……余長
部、5……電磁誘導加熱コイル、6……中周波(もしく
は高周波)電源。
法と胴部の1端に余長を付した形状を示す正面図、第2
図は本発明による第1次焼き戻しの際の加熱法を示す正
面図、第3図は本発明による深さ方向にかたさ分布曲線
を従来法との比較で示すグラフ図、第4図はロール材の
かたさと熱衝撃によつて発生するクラツクとの関係を示
す実験結果のグラフ、第5図はスリツプに遭遇して発生
した表面クラツクが継続使用によつて表層下を進展した
後スポーリングに至つた例を示す外観図である。 1……胴部、2……軸部、3……使用層、4……余長
部、5……電磁誘導加熱コイル、6……中周波(もしく
は高周波)電源。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−165211(JP,A) 特開 昭56−65929(JP,A) 特公 平1−19444(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】胴部と軸部とよりなる作業ロールに、焼き
入れ処理を施した後に前記作業ロール全体を加熱し冷却
する焼き戻しを施す圧延機用作業ロールの製造方法にお
いて、前記焼き入れ処理を施した後、前記胴部の表層部
のみに前記焼き戻しより高い温度の210℃±10℃で加熱
し冷却する高温焼き戻しを施し、該高温焼き戻しの後、
前記作業ロール全体に120℃±5℃の温度で加熱し冷却
する前記焼き戻しを施し、前記表層部の深さ方向に所定
硬さ以下の硬さ分布を確保することを特徴とする圧延機
用作業ロールの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60074908A JPH078367B2 (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | 圧延機用作業ロ−ルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60074908A JPH078367B2 (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | 圧延機用作業ロ−ルの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61232009A JPS61232009A (ja) | 1986-10-16 |
| JPH078367B2 true JPH078367B2 (ja) | 1995-02-01 |
Family
ID=13560954
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60074908A Expired - Lifetime JPH078367B2 (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | 圧延機用作業ロ−ルの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH078367B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019055419A (ja) * | 2017-09-22 | 2019-04-11 | 新日鐵住金株式会社 | 冷間圧延用ロール |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5835577B2 (ja) * | 1979-10-30 | 1983-08-03 | 川崎製鉄株式会社 | ホツトレベラ−用ロ−ルの製造方法 |
-
1985
- 1985-04-09 JP JP60074908A patent/JPH078367B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61232009A (ja) | 1986-10-16 |
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