JPH0786138B2 - 芳香族ポリカーボネート製造法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート製造法

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JPH0786138B2
JPH0786138B2 JP2181553A JP18155390A JPH0786138B2 JP H0786138 B2 JPH0786138 B2 JP H0786138B2 JP 2181553 A JP2181553 A JP 2181553A JP 18155390 A JP18155390 A JP 18155390A JP H0786138 B2 JPH0786138 B2 JP H0786138B2
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強介 小宮
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は芳香族ポリカーボネートの製造法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、固相重合による芳香族ポリ
カーボネートの製造法に関する。
(従来の技術) 近年、芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃性、
透明性などに優れたエンジニアリングプラスチックスと
して、多くの分野において幅広く用いられている。この
芳香族ポリカーボネートの製造方法については、従来種
々の研究が行われ、その中で芳香族ジヒドロキシ化合
物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(以下、ビスフェノールAという)とホスゲンとの
界面重縮合法が工業化されている。
しかしながら、このホスゲンを用いる界面重縮合法にお
いては、有毒なホスゲンを用いなければならないこと、
副生する塩化水素や塩化ナトリウムなどの含塩素化合物
により装置が腐食すること、樹脂中に混入する塩化ナト
リウムなどのポリマー物性に悪影響を及ぼす不純物の分
離が困難なことなどの問題があり、さらには、反応溶媒
として通常用いられている塩化メチレンは、ポリカーボ
ネートの良溶媒であって、親和性が極めて高いために、
生成したポリカーボネート中に、該塩化メチレンが残存
するのを免れず、その結果成形時の加熱などによって、
該残存塩化メチレンが分解して塩化水素を発生し、成形
機の腐食やポリマーの品質低下をもたらす恐れがある。
この残存塩化メチレン量を低下させることを工業的に実
施するには多大の費用を要し、しかも該残存塩化メチレ
ンを完全に除去することは不可能に近い。
さらに、塩化メチレンは、環境、衛生上の問題がある化
学物質であり、その取扱には充分な注意が必要である
が、その沸点が40℃と非常に低いため、芳香族ポリカー
ボネートの製造時に使用した塩化メチレンを完全にリサ
イクルできる閉鎖系にすることは多大の費用がかかる。
このように、ホスゲン法においては、工業的に実施する
場合、多くの問題を伴っている。
一方、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネ
ートとから、芳香族ポリカーボネートを製造する方法
も、以前から知られており、例えばビスフェノールAと
ジフェニルカーボネートとの溶融状態におけるエステル
交換反応によってフェノールを脱離してポリカーボネー
トを製造する方法が、いわゆるエステル交換法あるいは
別名溶融法として、工業化されていた。しかしながら、
この方法においては、高粘度のポリカーボネートの溶融
体の中から、フェノール及び最終的にはジフェニルカー
ボネートを留去していかなければ重合度が上がらないこ
とから、通常280〜310℃の高温下で、かつ1mmHg以下の
高真空下で長時間反応させる必要があり、したがって、
(1) 高温・高真空下に適した特殊な装置と、生成物
の高粘性による強力なかきまぜ装置を必要とすること、
(2) 生成物の高粘性のために、プラスチック工業界
で通常使用されている反応機及びかきまぜ形式のもので
は、重量平均分子量が30,000程度の重合体しか得られな
いこと、(3) 高温で反応させるため、副反応によっ
て分岐や架橋が起こり易く、品質の良好なポリマーが得
にくいこと、(4) 高温での長時間滞留によって着色
を免れないことなどの種々の欠点を有している〔松金幹
夫他、プラスチック材料講座〔5〕「ポリカーボネート
樹脂」日刊工業新聞社刊行(昭和44年)、第62〜67ペー
ジ参照〕。
さらには、この溶融法によって得られたポリカーボネー
トは、構造的にみてヒドロキシル末端基(−OH基)が多
く含まれていること、分子量分布が広いこと、分岐構造
が多いことなどが知られており、そのためにホスゲン法
で製造されたポリカーボネートに比べて、例えば強度的
にやや劣ること、特に脆性破壊性が大きいこと、流動挙
動が非ニュートン性であることなど、物性面で劣ること
が指摘されている〔「高分子」第27巻、第521ページ(1
978年)参照〕。殊に、ポリマー末端基としてヒドロキ
シル基を多く含有していることは、該溶融法で得られた
ポリカーボネートが、耐熱性や耐熱水性などのエンジニ
アリングプラスチックとしての基本的物性に劣っている
ことを意味している。
ところで、縮合系ポリマーとして最も一般的なポリヘキ
サメチレンアジパミド(ナイロン66)やポリエチレンテ
レフタレート(PET)などは、プラスチックや繊維とし
て充分な機械的特性を有する分子量まで、通常、溶融重
合法によって重合が行われているが、このようにして製
造された高分子量のポリマーを減圧下又は乾燥窒素など
の流通下に、固相状態を保持しうる温度に加熱すること
によって固相重合を行い、さらに重合度を高めることが
可能であることは、すでに知られている。
この固相重合においては、固体ポリマー中で、末端カル
ボキシル基が近くに存在する末端アミノ基又は末端ヒド
ロキシル基と反応して、脱水縮合が進行しているものと
思われる。また、ポリエチレンテレフタレートの場合に
は、脱エチレングリコールによる縮合反応も一部併発し
ている。
このように、ナイロン66やポリエチレンテレフタレート
が固相重合によって高重合度化が可能であるのは、これ
らのポリマーが高い融点(それぞれ265℃及び260℃)を
有する元来結晶性のポリマーであり、固相重合が進行す
る温度(例えば230〜250℃)で十分に固相状態を保持し
得るからである。さらに重要なことは、脱離すべき化合
物が水やエチレングリコールのように分子量が小さく
て、沸点の比較的低い物質であって、それらが固体のポ
リマー中を容易に移動し、気体として系外に除去されう
るからである。
しかしながら、ビスフェノールAのようなジヒドロキシ
ジアリールアルカンを主成分とする実質的に非晶性のポ
リマーである芳香族ポリカーボネートを比較的低分子量
のプレポリマーの固相重合によって製造しようとする試
みは全くなされていなかった。このことは、ビスフェノ
ールAのポリカーボネートが、ガラス転移温度(Tg)14
9〜150℃の非晶性のポリマーであるため、固相重合を行
うことが不可能であると考えられていたことによる。
すなわち、一般的に固相重合を可能にするには、ガラス
転移温度以上の温度で、そのポリマーが融着などを起こ
さないで固相状態を保持しうることが必要であるが、非
晶性の該ポリカーボネートの場合、150℃以上の温度で
は融着などが起こり、そのままでは固相重合が実質的に
不可能であったためである。
本発明者らは、このような芳香族ポリカーボネートが、
固相重合によって製造できる新しい方法を見出し、先に
出願した(特開平1−158033号公報)。
この方法は、末端ヒドロキシル基と末端アリールカーボ
ネート基を有する実質的に非晶性のポリカーボネートプ
レポリマーを結晶化させ、次いで、この結晶性ポリカー
ボネートプレポリマーを固相重合させるものであり、こ
の方法によって高品質の芳香族ポリカーボネートを製造
できることを初めて見出した。
該発明の中で、固相重合については、窒素、アルゴン、
ヘリウム、二酸化炭素などの不活性ガス等を導入し、副
生する芳香族モノヒドロキシ化合物やジアリールカーボ
ネートで同伴させて重合反応を有利に進められることを
開示した。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、従来のホスゲン法や溶融法が有している種々
の欠点を克服し、塩素化合物を含まない高品質の芳香族
ポリカーボネートを不活性ガスの使用量が少なくハンド
リングも容易な、工業的に有利な固相重合法により製造
する方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、特定の構造を有する結晶性ポリカーボネ
ートプレポリマーを不活性ガス流通下に固相重合せし
め、高重合度の芳香族ポリカーボネートを製造する方法
について鋭意研究した結果、たて型の多段重合装置を用
いて半連続的に重合させることにより、上記課題を解決
できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
させるに至った。
本発明の方法を図によって説明する。
第1図は、本発明方法を実施するに適した装置の一例を
示すものである。
図中1は、ガス分散板6(1段目)〜8(N段目)によ
って、第1室9〜第N室11に分割されたたて型の多段重
合装置である(Nは段数を示す。)。不活性ガスは4か
ら供給され、5から排出される。分散板6(1段目)〜
8(N段目)には、下部からの不活性ガスは通し、ポリ
マー粒子は通さない多数の細孔が設けてある。結晶性ポ
リカーボネートプレポリマーは、2から供給され、第1
室9で所定時間重合された後、第2室10に移送され、さ
らに重合される。移送の方法としては、分散板を回転さ
せる方法(第2図)、分散板を下方に開く方法(第3
図)、連結管を設けて落とす方法(第4図)等が可能で
ある。
第1室9のポリマーが第2室10に移送された後、新たな
結晶性プレポリマーが2から供給される。第1室9及び
第2室10で所定時間重合された後、第2室のポリマーは
第3室へ、第1室のポリマーは第2室へ移送され、新た
な結晶性プレポリマーが2から供給される。この操作を
繰り返すことによって、ポリマーは順次、下段に移送さ
れる。下段のポリマー程、分子量は高くなり、N室で重
合されて目標の分子量に達したポリマーは3から排出さ
れる。
本発明の多段重合装置の段数は2段以上である。2段以
上とすること事によって、1段の場合に比べ、少量の不
活性ガス使用量で高分子量の芳香族ポリカーボネートを
得られることが明らかになった。
本発明の方法によれば、芳香族ポリカーボネート1kgを
製造する際の不活性ガス使用量は、通常1.5〜20Nm3の範
囲である。また、段数の上限については、特に制限はな
いが、設備コストの点から20段以下とすることが好まし
い。
本発明において各段で重合されるポリマーは、固定床状
態でも流動床状態でもかまわない。流動床状態で重合さ
せることは、ポリマー同士の融着が起こりにくくなる点
で有利な方法である。固定床状態で重合させる場合で
も、例えば間けつ的に不活性ガス流量を増加させる等の
方法によってポリマー同士の融着を防ぐこと事が可能で
ある。
本発明の不活性ガスの流速は、ポリマーが飛散しない範
囲で選ばれる。ポリマーの粒径によって異なるが、通常
0.01〜5m/secの範囲である。
本発明で用いられる不活性ガスとしては、窒素ネオン、
アルゴン、CO2及び反応に悪影響を及ぼさない低級炭化
水素等の有機化合物のガス等が挙げられる。人手の容易
さという点で特に窒素が好ましい。
本発明の固相重合は、結晶性ポリカーボネートプレポリ
マーのガラス転移温度以上、融点以下の温度で行われ、
通常150℃〜260℃の範囲である。
固相重合の圧力は特に制限はなく、減圧、常圧、加圧の
いずれでも実施できる。
本発明の多段重合装置に設ける分散板の細孔の形状に
は、特に制限はなく、円形、長円形、不定形等いずれも
可能である。細孔の断面積は、7×10-3mm2〜70mm2の範
囲が好ましい。また、開孔比、すなわち、分散板面積に
対する開孔部の面積割合は、流動中の粉体層の圧損に対
して分散板の圧損が2〜30%の範囲、好ましくは4〜20
%の範囲となる様に設定される。通常、開孔比は、0.01
〜0.30の範囲である。
本発明において、各段での重合時間は、段数や重合条件
によって異なり特に制限はないが、通常0.5〜5時間の
範囲である。
本発明で出発原料として用いる結晶性ポリカーボネート
プレポリマーは、 式: (式中、Pは繰り返し数を表す。Ar1は2価の芳香族残
基を表す。
Xは−H−または または−Ar1−OHである。R1は、水素、アルキル基、ア
ラルキル基またはアルコキシ基を表す。) R1の具体例としては、−H,−CH3, 等が挙げられる。
で表されるものである。
このような芳香族残基としては、例えばフェニレン(各
種)、ナフチレン(各種)、ビフェニレン(各種)ピリ
ジレン(各種)、及び一般式; −Ar2−Z−Ar3− ・・・(II) で表される2価の芳香族基が挙げられる。
ここで、Ar2及びAr3は同一であっても、異なっていても
よい2価の芳香族基であって、例えば、フェニレン(各
種)、ナフチレン(各種)、ビフェニレン(各種)、ピ
リジレン(各種)などの基を表す。
Zは単なる結合、又は−O−、−CO−、−S−、−SO2
−、−CO2−、−CON(R1)−、 などの2価の基を表す。
(ここで、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なってい
てもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、シクロアルキル基を表し、kは3〜11の整数を表
し、上式 の水素原子は、低級アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子
等によって置換されていてもよい。) さらには、このような2価の芳香族基(すなわち、A
r1、又はAr2、Ar3)において、1つ以上の水素原子が、
反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲ
ン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル
基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、
アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであっ
てもよい。
芳香族残基Ar1の具体例としては、例えば、 で表される置換又は比置換のフェニレン基: で表される置換又は比置換のビフェニレン基: (式中のR2及びR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級ア
ルコキシ基、シクロアルキル基又はフェニル基であっ
て、これらは同じであってもよいし互いに異なっていて
もよく、m及びnは1〜4の整数で、mが2以上の場合
にはR2はそれぞれ異なるものであってもよいし、nが2
以上の場合にはR3はそれぞれ異なるものであってもよ
い) で表される置換又は非置換の二価芳香族基等が挙げられ
る。
これらの構造の中でAr1としては、 が好ましい。
さらに、 の繰り返し単位を85モル%以上含むものが好ましい。
又、本発明の結晶性ポリカーボネートプレポリマーは、
Ar1全体に対して約0.01〜3モル%の範囲内で、3価の
芳香族基を含んでいてもよい。
本発明の結晶性ポリカーボネートプレポリマーの結晶化
度については特に制限はないが、通常5〜55%の範囲
(X線解析法)が好ましい。
本発明に用いる結晶性ポリカーボネートプレポリマーの
数平均分子量は、1,500以上、好ましくは、2,000〜20,0
00である。
また、結晶性ポリカーボネートプレポリマーの末端基は
ヒドロキシル基とアリールカーボネート基からなってい
る。ヒドロキシル基とアリールカーボネート基の比率は
特に制限はないが、重合速度の点から10:90〜90:10、特
に20:80〜80:20の範囲が好ましい。
本発明の結晶性ポリカーボネートプレポリマーの形状に
特に制限はない。不定形の粉状や粒状でもかまわない
が、押出造粒法、圧縮成形法等、公知の種々の方法で成
形された柱状、ペレット状、タブレット状等のものが特
に好ましい。
本発明に用いる結晶性ポリカーボネートプレポリマーを
得る方法としては、通常まず非晶性ポリカーボネートプ
レポリマーを合成し、次いで、この非晶性ポリカーボネ
ートプレポリマーを結晶化する方法がとられる。
非晶性ポリカーボネートプレポリマーの合成方法として
は特に限定はなく、下記の種々の方法で合成される。
即ち、エステル交換法により、ビスフェノールA等のビ
スフェノールとジアリールカーボネートの溶融重合によ
り合成する方法、末端停止剤としてフェノールやt−ブ
チルフェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物の存在
下に芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを界面重縮
合させて合成する方法、芳香族ジヒドロキシ化合物とジ
アリールカーボネートのモル比1:2の縮合物をあらかじ
め合成しておき、これと芳香族ジヒドロキシ化合物を溶
融重合する方法、界面重縮合において芳香族ジヒドロキ
シ化合物に対して過剰のホスゲンとフェノールを反応さ
せて得られるフェニルカーボネート末端ポリカーボネー
トオリゴマーに新たに芳香族ジヒドロキシ化合物を加え
て溶融重合する方法等が挙げられる。
本発明においては、実質的に塩素化合物を含まない芳香
族ポリカーボネートを得ることができる。
例えば、エステル交換法により得た非晶性ポリカーボネ
ートを用いる場合は、原料中に塩素化合物がないため、
全く塩素を含まない芳香族ポリカーボネートを製造でき
る。
又、ホスゲン等を使用して非晶性ポリカーボネートプレ
ポリマーを製造した場合でも、低分子量の非晶性プレポ
リマーから塩素を除くことは容易であるため、本発明の
場合、実質的に塩素を含まない芳香族ポリカーボネート
を得ることができる。
非晶性ポリカーボネートプレポリマーを結晶化させる方
法は特に制限はないが、通常溶媒処理法及び加熱結晶化
法が好ましく用いられる。
前者の溶媒処理法は、適当な溶媒を用いてプレポリマー
を結晶化させる方法であり、具体的には非晶性プレポリ
マーを溶媒に溶解させたのち、この溶液から結晶性プレ
ポリマーを析出させる方法や、プレポリマーに対する溶
解力の小さい溶媒を用いて、その溶媒が非晶性プレポリ
マー中に浸透して、非晶性プレポリマーを結晶化させる
のに必要な時間、該プレポリマーを液状の溶媒又は溶媒
蒸気に接触させる方法などが好ましく用いられる。
このような非晶性プレポリマーの溶媒処理のために使用
できる溶媒としては、例えばクロロメタン、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロ
ロエタン(各種)、トリクロロエタン(各種)、トリク
ロロエチレン、テトラクロロエタン(各種)等の脂肪族
ハロゲン化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼンなどの芳香族ハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸
エチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素類などが挙げられる。高品質のポリマ
ーを得るためには、ハロゲンを含まない溶媒が特に好ま
しい。これらの溶媒は1種用いてもよいし、2種以上を
混合して用いてもよい。
一方、加熱結晶化法は、該プレポリマーを目的とする芳
香族ポリカーボネートのガラス転移温度以上で、かつ該
プレポリマーが溶融しはじめる温度未満の範囲の温度に
おいて加熱することによって、結晶化させる方法であ
る。この方法は、単にプレポリマーを加熱下で保持する
のみで結晶化させることができるので、極めて容易に工
業的に実施しうる。
固相重合して得られる芳香族ポリカーボネートの数平均
分子量としては、原料として用いた結晶性ポリカーボネ
ートプレポリマーより重合度が高められたものであり、
通常6,000〜200,000である。
なお、固相重合は、触媒の存在下もしくは不存在下のど
ちらも可能であるが、無触媒重合の方が得られるポリマ
ーのカラー、耐熱性、耐熱水性が格段に優れるので好ま
しい。
重合触媒としてはポリカーボネートあるいはポリエステ
ルに使われる公知の各種のエステル交換触媒等の重合触
媒が使用できる。例えば、ビスフェノールAのアルカリ
金属塩、スズ、鉛の化合物等が挙げられる。
(実施例) 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)で測定した数平均分子量である。
プレポリマー中の末端基は、高速液体クロマトグラフィ
ーによる分析又はNMRによる分析で求めた。
結晶化度は、粉末X線回折より特開平1−158033号公報
に記載の方法で求めた。
実施例1 ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを原料とし
て溶融法により重合した非晶性プレポリマーをアセトン
により結晶化し、数平均分子量3,800、末端ヒドロキシ
ル基29%、末端フェニルカーボネート基71%、結晶化度
25%の結晶性ポリカーボネートプレポリマーを得た。こ
れを回転型造粒機により成形し、直径2mm、長さ約3mmの
ペレットを得た。
このペレットの固相重合をたて型6段の重合装置を用い
て行った。重合装置は、内径200mmのSUS304製で6個の
回転可能な分散板によって、6室に仕切られている。
上記ペレット12kgを第1室に供給し、210℃の加熱窒素6
0Nm3/Hrを下部から流して流動床状態で重合を行った。
1時間後、分散板を回転させ、第1室から第2室にペレ
ットを落とし、第1室には新たなペレット12kgを供給し
た。以下、1時間毎に、ペレットを順次下方に移送し、
かつ新しいペレットを供給した。6時間目以降は、重合
装置下部よりペレットが排出される様になった。10時間
後、15時間後、20時間後に排出されたペレットの数平均
分子量は各々13,200、13,300、13,200であり、10時間か
ら20時間にかけて重合は定常的に行われていることがわ
かる。ペレット1kg当たりの窒素使用量は、5Nm3であっ
た。
比較例1 実施例1と同様のペレット及び流動床装置を用いて固相
重合を行った。ただし、分散板は最上段の1段のみを用
い、残りの5段は開放したままで使用した。最上段にペ
レット16kgを仕込み、210℃の加熱窒素60Nm3/Hrを下部
から供給して固相重合を行ったところ、6時間後、数平
均分子量は13,200に達した。ペレット1kg当たりの窒素
使用量は22.5Nm3であり、実施例1の4倍以上となっ
た。
実施例2〜4 実施例1と同様のペレット及び重合装置を用いて固相重
合を行った。ただし、使用する段数、1段当たりのペレ
ット量、ペレットの1段当たりの滞留時間、加熱窒素の
量及び温度を変化させた。
結果をまとめて表1に示す。いずれもペレット1kg当た
りの窒素使用量は、15Nm3/Hr以下である。
実施例5 実施例1と同様のペレットを用い、1段当たりのペレッ
ト量を2kg、加熱窒素の流量を7Nm3/Hrとする以外は、実
施例1と同様に固相重合を行った。各段のペレットは、
固定床状態で重合された。15時間後に排出されたペレッ
トの数平均分子量は12,500であった。
実施例6 ビスフェノールAとホスゲンをフェノールの存在下に界
面重縮合により合成した後、アセトンによる溶媒結晶化
法で得られた数平均分子量3,400、末端ヒドロキシ基38
%、末端フェニルカーボネート基62%、結晶化度25%の
結晶性ポリカーボネートプレポリマーを実施例1と同様
の方法でペレット化し、固相重合を行った。20時間後に
流動床装置下部から排出されたペレットの数平均分子量
は、13,000であった。
(発明の効果) 本発明は、比較的少ない不活性ガス使用量で、高品質の
芳香族ポリカーボネートを製造することが可能な、工業
的に有利な固相重合プロセスである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法を実施するに適したたて型多段
重合装置の1例を示す模式図である。 第2〜4図は、各段階で生成したポリマーを移送する分
散板の各種形態を示す模式図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: (式中、Pは繰返し数を表す。Ar1は2価の芳香族残基
    を表し、Xは−H−または または−O−Ar1−OHである。R1は水素、アルキル基、
    アラルキル基またはアルコキシ基を表す。)で表されか
    つ分子量1500以上の結晶性ポリカーボネートプレポリマ
    ーを不活性ガス流通下に固相重合せしめ、高重合度の芳
    香族ポリカーボネートを製造するに当たり、たて型の多
    段重合装置を用いて半連続的に重合させることを特徴と
    する、芳香族ポリカーボネートの製造方法。
JP2181553A 1990-07-11 1990-07-11 芳香族ポリカーボネート製造法 Expired - Lifetime JPH0786138B2 (ja)

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