JPH0786177B2 - コーティング用非沈降性シリカ組成物およびその製造法 - Google Patents

コーティング用非沈降性シリカ組成物およびその製造法

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JPH0786177B2
JPH0786177B2 JP61187835A JP18783586A JPH0786177B2 JP H0786177 B2 JPH0786177 B2 JP H0786177B2 JP 61187835 A JP61187835 A JP 61187835A JP 18783586 A JP18783586 A JP 18783586A JP H0786177 B2 JPH0786177 B2 JP H0786177B2
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純夫 斉藤
健二 溝口
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、透明で密着性が良く、しかも硬い被膜を基材
上に形成することができるようなコーティング用非沈降
性シリカ組成物及びその製造法に関する。
[従来の技術] プラスチック、ガラス、セラミック、金属等の基材上に
無機酸化物をコーティングして被膜を形成することが、
種々行われている。このようにして基材上に形成された
被膜は、膜中の無機酸化物に由来する金属元素による特
有の電気的特性、光学的特性、化学的特性あるいは機械
的特性等の機能を有し、この被膜の機能に応じて、導電
膜、絶縁膜、配向膜、フォトマスク、アルカリ溶出防止
膜、可視光線反射防止膜、赤外線反射膜、紫外線吸収
膜、機械的な保護膜等として、エレクトロニクス分野、
光学的機器分野を始めとする広範な分野において利用さ
れている。
とりわけ、透明でハードコート性を有する被膜を塗布法
により形成する方法として、熱分解法、アルコキシド加
水分解法、ゾルーゲル法、溶融法等が知られている。
このうち、熱分解法・溶融法は、基材の耐熱性によって
使用できる基材が制限されるという問題点があり、アル
コキシド加水分解法では、アルコキシドの加水分解条件
(温度、湿度、塗工速度等)によって、ゾルーゲル法で
は、ゾルとゲルのバランス等によって被膜の性状が左右
されるという問題点があった。また、アルコキシド加水
分解法およびゾルーゲル法では、これらの方法で用いら
れる原料が高価であるという問題点があった。
これら以外にも透明でハードコート性を有する被膜を塗
布法により形成する方法として、水ガラス等の珪酸アル
カリを主成分とした塗布液を用いる方法が知られてい
る。この方法では、形成された被膜中には多量のアルカ
リ(陽イオン)が残留し、形成された被膜の用途が制限
されるという問題点があった。
また、珪酸アルカリから陽イオンを除いて得られた珪酸
液を用いて透明でハードコート性を有する被膜を形成す
る方法も知られている。この方法では、珪酸液を製造す
る際に珪酸が重合してコロイド粒子が生成され、また、
非常に不安定であるために短時間のうちにゲル化してし
まい、塗布液として不適当であるという問題点があっ
た。
さらに上述したような従来の塗布法では、全般的に塗布
の仕方によって形成された被膜の性状が影響され、ま
た、塗布法に使用される塗布液は、周囲の環境に影響さ
れやすくて保存性が悪く、その多くはポットライフが短
かいし使用可能期間約1ケ月)という問題点があった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、雑木の様な従来技術に伴う問題点を解決する
ためになされたもので、安価で基材の形状に制限されず
容易に塗布することができ、しかも長期間保存可能であ
って、透明で密着性の良いハードコート膜が形成できる
ようなコーティング用非沈降性シリカ組成物及びその製
造法を提供することを目的としている。
[問題点を解決するための手段] 本発明に係るコーティング用非沈降性シリカ組成物は、
珪酸アルカリ水溶液からアルカリ(陽イオン)を除去し
て得られる下記のように定義される非沈降性シリカの水
溶液に、グリコール類またはそのモノエーテル・モノエ
ステル誘導体、ラクトン類またはその誘導体、モルホリ
ン類またはその誘導体、2−ピロリドンまたはその誘導
体、ジメチルスルホキシドまたはその誘導体から選ばれ
る少なくとも1種の成長防止剤を加え、次いで希釈剤を
加えてなることを特徴としている。非沈降性シリカ:2.0
重量%(SiO2換算)のシリカを含む水溶液を250,000Gで
1時間遠心沈降させた際に、沈降するシリカの量が水溶
液中に含まれている全SiO2に対して30重量%以下である
シリカ。
また、本発明に係るコーティング用非沈降性シリカ組成
物の製造方法は、珪酸アルカリ水溶液を水素型陽イオン
交換樹脂と接触させてアルカリを除去した後、グリコー
ル類またはそのモノエーテル・モノエステル誘導体、ラ
クトン類またはその誘導体、モルホリン類またはその誘
導体、2−ピロリドンまたはその誘導体、ジメチルスル
ホキシドまたはその誘導体から選ばれる少なくとも1種
の成長防止剤を添加し、次いで希釈剤を添加することを
特徴としている。
以下本発明に係るコーティング用非沈降性シリカ組成物
及びその製造法について具体的に説明する。
本発明で用いられる珪酸アルカリ水溶液は、珪酸リチウ
ム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、第四級アンモニウ
ムシリケートなどの珪酸アルカリの水溶液ある。これら
は一種又は二種以上を組合わせて用いることができる。
珪酸アルカリ水溶液中のSiO2/M2Oモル比は、MがNaのと
き0.5〜4であり、MがKのとき1〜4であり、MがLi
のとき2〜9であることが好ましい。
珪酸アルカリとして第四級アンモニウムシリケートを用
いる場合、本発明では、この第四級アンモニウムシリケ
ートは、下記式; X(NR1R2R3R42O・YSiO2・ZH2Oで表わされ、しかもX
=1、Y=0.5〜20、Z=0〜99であり、R1〜R4は、そ
れぞれ水素または炭素数1〜20のアルキル基またはアル
コキシ基であることが好ましい。
本発明で用いられる非沈降性シリカ水溶液は、上述した
ような珪酸アルカリ水溶液中のアルカリと水素とを交換
することで得られる。その方法としては公知の方法、例
えばイオン交換法あるいは透析法等を用いる事ができ
る。
本発明で用いられる非沈降性シリカ水溶液は、上記方法
で得られるが、この際珪酸アルカリ水溶液中のSiO2換算
濃度を0.1〜7重量%、温度を0〜35℃にすることが好
ましい。更に好ましくは珪酸アルカリ水溶液中のSiO2
算濃度を第1図の斜線で示される範囲になるように調整
する。珪酸アルカリ水溶液中のSiO2換算濃度が8重量%
以上であるか、あるいは珪酸アルカリ水溶液の温度が35
℃以上であると、上記方法でアルカリと水素とを交換し
ている最中に珪酸アルカリ水溶液がゲル化したり、ある
いは珪酸アルカリ水溶液中にコロイド粒子が多量に生成
される。また、珪酸アルカリ水溶液の温度が0℃未満で
は上記方法でアルカリと水素とを交換する際のイオン交
換速度が遅くなり、工業的でなく、さらに珪酸アルカリ
水溶液が凝固点以下の温度ではゲル化してしまう。
非沈降性シリカ水溶液中に残留するアルカリの量は、Si
O2/M2O(ただし、MLi、Na、KまたはNR1R2R3R4であり、
R1〜R4は、前記意味を表わす)モル比で200以上、好ま
しくは1000以上、更に好ましくは10000以上である。上
記SiO2/M2Oモル比が200未満であると、非沈降性シリカ
水溶液中に成長防止剤を加えても成長防止剤の効果がな
く、室温で非沈降性シリカが短時間でゲル化してしま
う。
上記のようにして得られた非沈降性シリカ水溶液中のシ
リカは不安定で、このため非沈降性シリカ水溶液中にコ
ロイド粒子が生成したり、あるいは非沈降性シリカがゲ
ル化し易い。
そこで本発明では、非沈降性シリカ水溶液に成長防止剤
を加え、液中の非沈降性シリカを安定化させている。液
中の非沈降性シリカが成長防止剤によって安定化される
のは、シリカの持つ水酸基が成長防止剤の持つ官能基と
水素結合することでシリカの水酸基同士の接触が防止さ
れるためと推測される。
本発明に係る成長防止剤としては、親水性有機溶剤また
は水溶性の結晶でシリカの水酸基と水素結合を起こす官
能基を有するものが用いられ、具体的にはエチレングリ
コール、プロピレングリコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテルなどのグリコール類およびそのモノエ
ーテル・モノエステル誘導体、ブチロラクトン、γ−バ
レロラクトン、γ−カプロラクトンなどのラクトン類お
よびその誘導体、モルホリン類およびその誘導体、2−
ピロリドンおよびその誘導体、ジメチルスルホキシドお
よびその誘導体が挙げられる。これらは一種または二種
以上組合わせて用いられる。
成長防止剤の量は、非沈降性シリカ水溶液中の非沈降性
シリカ(SiO2)1モルに対して少なくとも0.5モルであ
ればよい。この成長防止剤の量が0.5モル未満の場合に
は非沈降性シリカ水溶液中の非沈降性シリカの安定性が
悪くなる。成長防止剤の使用量を増大させることは、本
発明にとってなんら不都合をもたらさない。
このように成長防止剤を加えて安定化された非沈降性シ
リカを含む溶液と希釈剤とを混合すれば本発明のコーテ
ィング用非沈降性シリカ組成物が得られる。
コーティング用非沈降性シリカ組成物を塗布する基材の
種類によっては、この組成物中の水分により基材上にこ
の組成物を塗布して得られる塗膜・成型物に悪影響(均
質性・密着性・強度)をおよぼすことがあるので、成長
防止剤を加えて安定化された非沈降性シリカを含む溶液
に希釈剤を加える前に脱水しても良い。この成長防止剤
を加えて安定化された非沈降性シリカを含む溶液の脱水
には蒸溜法や限外膜法等の公知の方法が利用できる。こ
の際脱水を90℃以下の温度で行わないと液中の非沈降性
シリカの安定性が悪くなり、液中でコロイド粒子が生成
したり、あるいは非沈降性シリカがゲル化する。
希釈剤を加える前の非沈降性シリカ、成長防止剤および
水分の組成比は、成長防止剤が非沈降性シリカ1モル対
して0.5モル以上であるという条件を満たした上で、非
沈降性シリカ、成長防止剤および水の合計量に対して非
沈降性シリカが0.5〜25重量%であり、好ましくは0.5〜
15重量%であり、水分が0.1〜99.3重量%であり、成長
防止剤が0.2〜99.4重量であることが望ましい。非沈降
性シリカが15重量%以上であると非沈降性シリカを含む
液の安定性が短くなり、非沈降性シリカが25重量%以上
であると非沈降性シリカを含む液の安定性が更に短くな
って、容易に非沈降性シリカがゲル化してしまう。成長
防止剤が0.2重量%以下だと成長防止剤の効果がなくな
り、非沈降性シリカがゲル化しやすくなる。
上記非沈降性シリカ、成長防止剤および水の三成分を希
釈する希釈剤は、非沈降性シリカの安定性に影響を与え
ないものであれば良い。その希釈剤の混合量は、例えば
塗工法に合せて粘度や膜厚を調節できるように任意に選
ぶことができる。本発明で用いられる希釈剤としては、
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、
i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、
t−ブタノール等のアルコール、酢酸メチルエステル、
酢酸エチルエステル等の酸性エステル、ジエチルエーテ
ル等のエーテル、アセトンなどが挙げられる。これら
は、一種または二種以上組合わせて用いられる。
本発明のコーティング用非沈降性シリカ組成物をそのま
ま塗布液として用いるときは、この組成物を、スピンナ
ー法・スプレー法・ディップ法・バーコート法・ロール
コート法・印刷法等公知の方法で基材表面に塗工するこ
とができる。塗工後は組成物中の希釈材・水・成長防止
剤が蒸発又は分解する温度で焼成すればよい。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
[実施例] 実施例1 SiO2として5wt%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2O=
3mol/mol)4800gを15℃に保持したまま陽イオン交換樹
脂カラム中に空間速度SV=5で通過させて非沈降性シリ
カ水溶液(I)を得た。このようにして得られた非沈降
性シリカ水溶液(I)のうち100gにエチレングリコール
44gを添加して十分分散した後、ロータリーエバポレー
ターにて減圧しながら70℃に加熱して水94gを留去し、
分散液Iを得た。この分散液Iを冷却しさらにエタノー
ル200gを添加してコーティング用非沈降性シリカ組成物
を得た。
実施例2 実施例1で得られた非沈降性シリカ水溶液(I)のうち
100gにN−メチル−2−ピロリドン27gを添加して充分
分散させ、分散液IIを得た。この分散液IIにメタノール
/n−ブタノール(重量比1/1)123gを添加してコーティ
ング用非沈降性シリカ組成物を得た。
実施例3 SiO2として0.5wt%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2O
=3mol/mol)240gを25℃に保持したまま陽イオン交換樹
脂カラム中に空間速度SV=2で通過させて非沈降性シリ
カ水溶液を得た。このようにして得られた非沈降性シリ
カ水溶液のうち100gにN−メチル−2−ピロリドン9gを
添加して充分分散した後、ロータリーエバポレーターに
て減圧しながら70℃に加熱して水99gを留去し、分散液I
IIを得た。この分散液IIIを冷却しさらにエタノールを1
0g添加してコーティング用非沈降性シリカ組成物を得
た。
実施例4 SiO2として7wt%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2O=
3mol/mol)200gを15℃に保持したまま陽イオン交換樹脂
カラム中に空間速度SV=6で通過させて非沈降性シリカ
水溶液を得た。このようにして得られた非沈降性シリカ
水溶液のうち100gにN−メチル−2−ピロリドン600gを
添加して充分分散し、分散液IVを得た。この分散液IVに
メタノール/n−ブタノール(重量比1/1)を700g添加し
てコーティング用非沈降性シリカ組成物を得た。
実施例5 SiO2として5wt%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2O=
3mol/mol)200gを2℃に保持したまま陽イオン交換樹脂
カラム中に空間速度SV=4で通過させて非沈降性シリカ
水溶液を得た。このようにして得られた非沈降性シリカ
水溶液のうち100gにN−メチル−2−ピロリドン14.9g
を添加して充分分散した後、ロータリーエバポレーター
にて減圧しながら70℃に加熱して水94.9gを留去し、分
散液Vを得た。この分散液Vを冷却しさらにエタノール
を80g添加してコーティング用非沈降性シリカ組成物を
得た。
実施例6 SiO2として6wt%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2O=
3mol/mol)200gを25℃に保持したまま陽イオン交換樹脂
カラム中に空間速度SV=8で通過させて非沈降性シリカ
水溶液を得た。このようにして得られた非沈降性シリカ
水溶液のうち100gにN−メチル−2−ピロリドン900gを
添加して充分分散し、分散液VIを得た。この分散液VIに
メタノール/n−ブタノール(重量比1/1)を1000g添加し
てコーティング用非沈降性シリカ組成物を得た。
実施例7 SiO2として5wt%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/K2O=4
mol/mol)200gを15℃に保持したまま陽イオン交換樹脂
カラム中に空間速度SV=3で通過させて非沈降性シリカ
水溶液を得た。このようにして得られた非沈降性シリカ
水溶液のうち100gにエチレングリコールモノエチルエー
テル600gを添加して充分分散した後、限外濾過膜(旭化
成製、SIP−3013、15℃、ΔP=1kg/cm2)を用いて水9
3.3gを除去し、分散液VIIを得た。この分散液VIIを冷却
し、さらにエタノール300gを添加してコーティング用非
沈降性シリカ組成物を得た。
実施例8 SiO2として5wt%のテトラエチルアンモニウムシリケー
ト水溶液{(N(C2H52O・13.5SiO2}200gを15℃
に保持したまま陽イオン交換樹脂カラム中に空間速度SV
=5で通過させて非沈降性シリカ水溶液を得た。このよ
うにして得られた非沈降性シリカ水溶液100gにモルホリ
ン44gに添加して充分分散した以外は実施例1と同様に
して分散液VIIIおよびこの分散液VIIIを用いてコーティ
ング用非沈降性シリカ組成物を得た。
実施例9 実施例1で得られた非沈降性シリカ水溶液(I)のうち
100gにN−メチル−2−ピロリドン5gを添加して十分分
散した後、ロータリーエバポレーターに減圧しながら70
℃に加熱して水55gを留去し、分散液IXを得た。この分
散液IXを冷却しさらにメタノール/n−ブタノール(重量
比1/1)200gを添加してコーティング用非沈降性シリカ
組成物を得た。
実施例10 実施例1で得られた非沈降性シリカ水溶液(I)のうち
100gにN−メチル−2−ピロリドン20gを添加して充分
分散した後、ロータリーエバポレーターにて減圧しなが
ら70℃に加熱して水70gを留去し、分散液Xを得た。こ
の分散液Xを冷却しさらにエタノール/n−ブタノール
(重量比1/1)を200g添加してコーティング用非沈降性
シリカ組成物を得た。
実施例11 SiO2として5wt%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2O=
3mol/mol)480gを5℃に保持したまま陽イオン交換樹脂
カラム中に空間速度SV=15で通過させて非沈降性シリカ
水溶液を得た。このようにして得られた非沈降性シリカ
水溶液のうち100gにN−メチル−2−ピロリドン/エチ
レングリコール(重量比1/1)150gを添加して充分分散
し、分散液XIを得た。この分散液XIにエタノールを250g
添加してコーティング用非沈降性シリカ組成物を得た。
実施例12 SiO2として5wt%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2O=
3mol/mol)480gを10℃に保持したまま陽イオン交換樹脂
カラム中に空間速度SV=10で通過させて非沈降性シリカ
水溶液を得た。このようにして得られた非沈降性シリカ
水溶液のうち100gにN−メチル−2−ピロリドン150gを
添加して充分分散することにより得られた分散液XIIを
用いた以外は実施例11と同様にしてコーティング用非沈
降性シリカ組成物を得た。
比較例1 SiO2として5wt%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2O=
3mol/mol)480gを5℃に保持したまま陽イオン交換樹脂
カラム中に空間速度SV=10で通過させて非沈降性シリカ
水溶液を得た。このようにして得られた非沈降性シリカ
水溶液のうち100gにN−メチル−2−ピロリドン400gを
添加して充分分散したが、分散液は数分でゲル化した。
比較例2 実施例1で得られた非沈降性シリカ水溶液(I)のうち
100gにエタノール150gを添加し充分分散させてコーティ
ング用非沈降性シリカ組成物を得た。
比較例3 実施例1で得られた非沈降性シリカ水溶液(I)のうち
100gにN−メチル−2−ピロリドン72.5gを添加して充
分分散した後、ロータリーエバポレーターにて減圧しな
がら70℃に加熱して水947.5gを除去して分散液を得た。
このようにして得られた分散液は数分でゲル化した。
結果を表1に示す。
塗膜試験 以上、実施例・比較例で得られたコーティング用非沈降
性シリカ組成物を用いて、下記の基板、塗工法、乾燥・
焼成条件下で塗膜を得た。得られた塗膜は、外観・密着
性・膜硬度を評価した。
基板:PETTフィルム、アクリル板、ガラス板、アルミ
板、(形状、10cm×10cm) 塗工法:スピンナー法(2000r.p.m.)、バーコート法
(バーは#0を使用) 乾燥・焼成条件:PETフィルム・アクリル板は110℃・2
0分。ガラス板・アルミ板は、110℃・1時間乾燥した後
200℃・1時間焼成した。
<評価法> 外観:目視により膜のまだらやワレの有無を観察し、
1ケ所でも発生しているものを×とし、発生していない
ものを○とした。
透明性:全光線透過率(Tt)およびヘーズ(H)をヘ
ーズコンピューター(スガ試験機製)で測定した。
密着性:JIS D0202−71の碁盤目テストで測定した。
このテストでは塗膜を1mm間隔で100個のゴバン目にカッ
ターナイフで切り、市販の12mm巾のセロテープの一部を
貼り付けて同セロテープの残部を塗膜に直角に保ち、瞬
間的に引き剥がし、基板に残った切片の数を数えた。
硬度:JIS D0202−71の鉛筆硬度テストで測定した。
このテストでは塗膜に対して45゜の角度に市販の鉛筆を
置き、鉛筆を押して塗膜の傷を目視した。
結果を表2に示す。
[発明の効果] 本発明に係るコーティング用非沈降性シリカ組成物は、
珪酸アルカリ水溶液からアルカリ(陽イオン)を除去し
て得られる非沈降性シリカ水溶液に、成長防止剤を加え
て液中の非沈降性シリカを安定化しているので、安価で
ポットライフが長く(室温で3ケ月以上)基材の形状に
制限されることなく容易に基材上に塗工することができ
る。
また本発明に係るコーティング用非沈降性シリカ組成物
を、プラスティック、ガラス、セラミック、金属等に塗
工することにより、透明で密着性の良いハードコートを
有した塗膜を低温で容易に得ることができる。更に本発
明に係るコーティング用非沈降性シリカ組成物は、塗料
の無機バインダー組成物成分として従来の塗料と混合し
て用いることもできる。また、本発明に係るコーティン
グ用非沈降性シリカ組成物中に無機あるいは有機の金属
塩・コロイド粒子・無機繊維・平板状粒子等を混入すれ
ば、このコーティング用非沈降性シリカ組成物から得ら
れる塗膜に新たな機能を付与させることもできる。例え
ば、SnCl4、SbCl3、InCl3を混入すれば導電性を備えた
塗膜が得られ、酸化チタンのコロイド粒子を混入すれば
紫外線吸収機能を備えた塗膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は非沈降性シリカの好ましい生成条件を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝口 健二 福岡県北九州市若松区東二島2−21−20 (72)発明者 三原 恵一 千葉県松戸市六高台4―92 近鉄ハイツ六 実503号 (56)参考文献 特開 昭51−108696(JP,A) 特開 昭49−63696(JP,A) 特開 昭54−5835(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪酸アルカリ水溶液からアルカリを除去し
    て得られる下記のように定義される非沈降性シリカの水
    溶液に、グリコール類またはそのモノエーテル・モノエ
    ステル誘導体、ラクトン類またはその誘導体、モルホリ
    ン類またはその誘導体、2−ピロリドンまたはその誘導
    体、ジメチルスルホキシドまたはその誘導体から選ばれ
    る少なくとも1種の成長防止剤を加え、次いで希釈剤を
    加えてなることを特徴とするコーティング用非沈降性シ
    リカ組成物; 非沈降性シリカ:2.0重量%(SiO2換算)のシリカを含む
    水溶液を250,000Gで1時間遠心沈降させた際に、沈降す
    るシリカの量が水溶液中に含まれている全SiO2に対して
    30重量%以下であるシリカ。
  2. 【請求項2】成長防止剤がエチレングリコール、N−メ
    チル−2−ピロリドン、モルホリンおよびエチレングリ
    コールモノエチルエーテルから選ばれた1種または2種
    以上である特許請求の範囲第1項記載のコーティング用
    非沈降性シリカ組成物。
  3. 【請求項3】成長防止剤が非沈降性シリカ1モルに対し
    て少なくとも0.5モルである特許請求の範囲第1項又は
    第2項記載のコーティング用非沈降性シリカ組成物。
  4. 【請求項4】残留アルカリが、SiO2/M2Oモル比(ただ
    し、Mはアルカリ金属または4級アンモニウム基であ
    る)で200以上である特許請求の範囲第1項ないし第3
    項のいずれか1項に記載のコーティング用非沈降性シリ
    カ組成物。
  5. 【請求項5】珪酸アルカリ水溶液を水素型陽イオン交換
    樹脂と接触させてアルカリを除去した後、グリコール類
    またはそのモノエーテル・モノエステル誘導体、ラクト
    ン類またはその誘導体、モルホリン類またはその誘導
    体、2−ピロリドンまたはその誘導体、ジメチルスルホ
    キシドまたはその誘導体から選ばれる少なくとも1種の
    成長防止剤を添加し、次いで希釈剤を添加することを特
    徴とする、下記に定義される非沈降性シリカを含むコー
    ティング用非沈降性シリカ組成物の製造法; 非沈降性シリカ:2.0重量%(SiO2換算)のシリカを含む
    水溶液を250,000Gで1時間遠心沈降させた際に、沈降す
    るシリカの量が水溶液中に含まれている全SiO2に対して
    30重量%以下であるシリカ。
  6. 【請求項6】成長防止剤がエチレングリコール、N−メ
    チル−2−ピロリドン、モルホリンおよびエチレングリ
    コールモノエチルエーテルから選ばれた1種または2種
    以上である特許請求の範囲第5項記載の製造法。
  7. 【請求項7】珪酸アルカリ水溶液中のSiO2換算濃度が0.
    1〜7重量%であり、珪酸アルカリ水溶液を水素型陽イ
    オン交換樹脂と接触させてアルカリを除去する際の温度
    が0〜35℃である特許請求の範囲第5項又は第6項記載
    の製造法。
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