JPH0787061B2 - キーボード用基板 - Google Patents

キーボード用基板

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JPH0787061B2
JPH0787061B2 JP30141787A JP30141787A JPH0787061B2 JP H0787061 B2 JPH0787061 B2 JP H0787061B2 JP 30141787 A JP30141787 A JP 30141787A JP 30141787 A JP30141787 A JP 30141787A JP H0787061 B2 JPH0787061 B2 JP H0787061B2
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high molecular
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olefin resin
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武 白木
教治 村岡
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、キーボード用基板に関し、より詳細には、超
高分子量ポリエチレンを含有する組成物から成り、寸法
精度、軽量性、自己潤滑性、耐摩耗性に優れ且つキー打
込み操作の軽快性にも優れたキーボード用基板に関す
る。
(従来の技術) キーボード用基板は、頻繁なキー操作に耐えるために、
高い摺動性と耐摩耗性が必要であり、更に、精度機械を
収容するものであるので、ゆがみ等が防止された高い成
形性が要求され、そのため従来は、自己潤滑性を有する
プラスチック、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、
フェノール樹脂、アセタール樹脂等から成るものが使用
されていた。
超高分子量ポリエチレンが優れた自己潤滑性を有するこ
とも知られているが、このものをタイプライターやコン
ピュータやワードプロフェッサー等のキーボードに内の
基板として用いることは未だ実用化されるに至っていな
い。
(発明が解決すべき問題点) 即ち、超高分子量ポリエチレンは汎用のポリエチレンに
比較して溶融粘度が極めて高く流動性が悪いため、通常
の押出成形や射出成形によって成形することは非常に難
しく、その殆どは圧縮成形によって成形されており、一
部ロッド等が極めて低速で押出成形さているのが現状で
あった。
かかる溶融流動性に劣る超高分子量ポリエチレンを通常
の射出成形法によって成形すると、金型キャビティ内に
樹脂が充填される過程で剪断破壊流を生じ、成形品は雲
母状に層状剥離を起こし、超高分子量ポリエチレンの優
れた特性を発揮する成形品が得られないばかりか、むし
ろ汎用のポリエチレン成形品にも劣るという結果になる
のが常であった。
本出願人は先に層状剥離を生じない射出成形法として、
樹脂の射出成形前あるいは射出成形終了前に金型キャビ
ティ容積を僅かに大きくした後、所定容積まで圧縮する
方法(特公昭57-30067号公報、特公昭60-58010号公報)
提案した。かかる方法を採用することにより、層状剥離
を起こさず、超高分子量ポリエチレン本来の特徴である
耐衝撃性、耐摩耗性を具備した射出成形品を得ることが
可能になった。しかしながら、かかる方法で射出成形を
行うには、金型キャビティ可変機構等を具備した射出成
形機を用いる必要があり、いずれにしても汎用のポリエ
チレン射出機をそのまま使用することはできない。
一方、超高分子量ポリオレフィンの溶融流動性を改良す
る方法として、超高分子量ポリオレフィンと低分子量乃
至高分子量のポリオレフィンとを混合する方法が種々提
案されている。
しかしながら、これら従来の技術では、成形サイクルが
長くなると共に、機械的精度が要求されるキーボード用
基板を製造することは困難であった。本発明者等は、以
下に詳述する超高分子量ポリエチレン含有組成物が、高
い機械的精度をもったキーボード用基板として射出成形
可能であり、高い摺動性及び耐摩耗性との組合せを有す
ることを見出した。
即ち、本発明の目的は、超高分子量ポリオレフィンを成
分として含有していながら、射出成形により機械的精度
の高いキーボード用基板に容易に成形することができる
と共に、成形品が優れた自己潤滑性、耐摩耗性及び軽量
性の組合せを有し且つキー操作の軽快性にも優れたキー
ボード用基板を提供するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、プラスチックの射出成形で一体に形成
された平板部と平板部から垂直方向に突出したキーの嵌
合摺動部とから成るキーボード用基板において、該基板
が135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度が10〜40dl/
gである超高分子量ポリエチレンと、前記極限粘度が超
高分子量ポリエチレンよりも低い低分子量乃至高分子量
ポリエチレンとを含有し、超高分子量ポリエチレンの含
有量が両者の合計量当り15乃至40重量%であり、且つ全
体で測定して3.5〜15dl/gの極限粘度[η]であるオ
レフィン樹脂組成物から形成されていることを特徴とす
るキーボード用基板。が提供される。
(作用) 本発明のキーボード用基板において、超高分子量ポリエ
チレンは、低い動摩擦係数等の自己潤滑性能と低い摩耗
係数とを有し、且つ耐衝撃性、引張強度、耐薬品性等に
も優れていることから、必須不可欠の成分である。この
超高分子量ポリエチレンは135℃デカリン溶媒中で測定
した極限粘度(以下極限粘度とは、この測定法によるも
のを意味する)[η]が10〜40dl/g、特に15〜35dl/g
の範囲にあることも重要である。[η]が上記範囲よ
りも小さいと自己潤滑性、耐摩耗性、或いは機械的性質
が上記範囲内にあるものに比して劣るようになり、一方
[η]が上記範囲よりも大きくなると、以下に述べる
成分との組合せで用いた場合にさえ、射出成形性が低下
し、成形品としたときの外観不良、フローマークの発生
等が生じ且つ層状剥離等が発生し易くなる等耐摩耗性に
劣る。
本発明に用いる極限粘度が超高分子量ポリエチレンより
も低い低分子量乃至高分子量ポリエチレンは、超高分子
量ポリエチレンに射出成形性を与えるために必須不可欠
の成分である。組成物全体の極限粘度及び溶融トルクを
本発明で規定した範囲内とするには、後で詳述する方法
で求めた極限粘度[η]が一般に0.1〜5dl/g、特に0.
5〜3dl/gの範囲内にあるのがよい。[η]が上記範囲
よりも小さいと射出成形品の表面にブリードする等の不
都合を生じやすく、一方上記範囲を越えて大きくなる
と、溶融流動性が低下して組成物全体の成形性が低下す
る傾向がある。
本発明では、上記超高分子量ポリエチレンと低分子量乃
至高分子量ポリエチレンを、一定の条件のものに組成物
とすることにより、この組成物に優れた射出成形能を付
与しながら、しかも低い摩擦係数及び摩耗係数を有する
ようにすることができる。先ず、オレフィン樹脂組成物
全体当り超高分子量ポリエチレンは、15乃至40重量%、
特に20乃至35重量%の量で存在するべきである。超高分
子量ポリエチレンの量が上記範囲よりも少ない場合に
は、上記範囲内にあるものに比して摩擦係数や摩耗性等
が劣るようになる。また、この量が上記範囲よりも多い
と、成形性が低下し、層状剥離を生じる等摩耗性が低下
する。
次に、このオレフィン樹脂組成物は、全体として3.5〜1
5dl/g、特に4.0〜10dl/gの極限粘度[η]を有するべ
きである。即ち、この[η]が上記範囲よりも低い
と、上記範囲内にあるものに比して、自己潤滑性、耐摩
耗性が劣るようになり、上記範囲よりも高いと成形性が
低下し、耐摩耗性も低下するようになる。また、本発明
におけるオレフィン樹脂組成物は、上記の極限粘度の値
を有すると共に、溶融トルクTの値が4.5kg・cm以下で
あることが好ましい。
本発明において、溶融トルクTとは、JSRキュラストメ
ーター(今中機械工業KK製)を用いて、温度240℃、圧
力5kg/cm2が、振幅3°、振動数6CPMの条件で測定され
た値であり、溶融トルクTが4.5kg・cmを超えるものは
通常のスクリューに喰い込まず、射出成形機では射出成
形不能であることから、Tは4.5kg・cm以下であること
が好ましい。
本発明のキーボード用基板は、上述した超高分子量ポリ
エチレン−低分子量乃至高分子量ポリエチレンのオレフ
ィン樹脂組成物から成るが、それ以外にも、液体乃至固
体の潤滑剤を配合したり、無機充填剤を配合することも
可能である。
即ち、上記オレフィン樹脂組成物に液体乃至固体の潤滑
剤を配合することにより、前記オレフィン樹脂組成物が
有する優れた射出成形能や、自己潤滑性、耐摩耗性、耐
衝撃性、高強度等の特性を損なうことなしに、動摩擦係
数を更に減少させ、且つ摩耗係数をも著しく減少させる
ことができる。
潤滑剤は、オレフィン樹脂組成物当り0.5乃至20重量
%、特に2乃至5重量%の量で配合すべきである。この
配合量が上記範囲よりも少ないと、摺動性や耐摩耗性の
改善効果が上記範囲内にある場合に比して小さく、上記
範囲よりも多いとキーボード用基板としたときの機械的
強度や弾性率の低下が本発明範囲にあるものに比して顕
著となる。
更に、オレフィン樹脂組成物に無機充填剤を配合するこ
とにより、射出成形品の寸法安定性が向上し、また、射
出成形品に発生し易い所謂「ヒケ」や「ソリ」が減少し
て、成形品の外観特性や機械的精度が向上し、更に成形
サイクルを短縮し得る等、成形性の点で顕著な利点も得
られる。
無機充填剤は、オレフィン樹脂当り5乃至70重量%、特
に10乃至30重量%の量で配合することにより、射出成形
品の耐熱性及び剛性の向上がオレフィン樹脂組成物が本
来有する摺動特性を損なうことなく可能となる。この配
合量が上記範囲よりも少ないと、上記範囲内にある場合
に比して、成形性の改善効果が少なく、上記範囲よりも
多いと、摺動性や耐摩耗性の低下が上記範囲内にあるも
のに比して顕著となる。
(発明の好適態様) 本発明のキーボード用基板の一例を示す第1図におい
て、本発明のキーボード用基板1は射出成形により一体
に成形された平板部2と、平板部2から垂直方向に突出
したキーの嵌合摺動部3、平板部2の下面側のキーボー
ド用基板をケースに固定するための突起4から成ってい
る。更に、このキーボード用基板1には、ケース(図示
せず)との嵌合のためや、成形の際のゆがみを防止する
ための孔5が適宜設けられている。
このキーボード用基板1は、平板の下面側にスイッチ素
子及び配線が収容され、キー嵌合摺動部3には、キーが
嵌合され、外部からのキー操作により、キーが摺動し、
平板部2の下方のスイッチ素子を作動して、電子機器に
信号が送られるように成っている。
勿論、本発明のキーボード用基板の構造は、この例に限
定されず、従来公知のキーボード用基板の構造を採用す
ることができる。
オレフィン樹脂組成物 本発明に用いる超高分子量ポリエチレン及び低分子量乃
至高分子量ポリエチレンは、エチレンの対独共重合体ま
たはエチレンを主成分とするエチレンと他のα−オレフ
ィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペン
テン等との共重合体である。
本発明に用いるオレフィン樹脂組成物は、前述した超高
分子量ポリエチレンと低分子量乃至高分子量ポリエチレ
ンとを上記の割合で配合し、溶融混練することによって
も製造することができるが、両成分の均質な組成物を形
成するという見地から、多段重合法で製造することが特
に望ましい。即ち、高活性固体状チタン系触媒成分及び
有機アルミニウム化合物触媒成分から成るチーグラー型
触媒の存在下に且つ水素の非存在下にエチレンを主体と
するオレフィンを重合させて、低分子量乃至高分子量ポ
リエチレンを生成させる。高活性固体状チタン系触媒は
マグネシウム、チタン及びハロゲンを必須成分とするも
のが好ましい。
使用される特定のチーグラー型触媒は、基本的には固体
状チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分か
ら成形される特定の性状の触媒である。該固体状チタン
触媒成分としては、例えば粒度分布が狭く、平均粒径が
0.01乃至5μ程度であって、微小球体が数個固着したよ
うな高活性微粉末状触媒成分を用いるのが好適である。
かかる性状を有する高活性微粉末状チタン触媒成分は、
例えば特開昭56-811号公報開示の固体状チタン触媒成分
において、液体状態のマグネシウム化合物と液体状態の
チタン化合物を接触させて固体生成物を析出させる際に
析出条件を厳密に調整することによって製造することが
できる。例えば、該公報開示の方法において、塩化マグ
ネシウムと高級アルコールとを溶解した炭化水素溶液
と、四塩化チタンとを低温で混合し、次いで50乃至100
℃程度に昇温して固体生成物を析出させる際に塩化マグ
ネシウム1モルに対し、0.01乃至0.2モル程度の微量の
モノカルボン酸エステルを共存させるとともに、強力な
攪拌条件下に該析出を行うものである。更に必要ならば
四塩化チタンで洗浄してもよい。かくして、活性、粒子
状共に満足すべき固体触媒成分を得ることができる。か
かる触媒成分は、例えばチタンを約1乃至約6重量%程
度含有し、ハロゲン/チタン(原子比)が約4乃至約50
の範囲にある。
また、上記の如くして調整した該固体状チタン触媒成分
のスラリーを高速で剪断処理することにより得られる粒
度分布が狭く、平均粒径が通常0.01乃至5μ、好ましく
は0.05乃至3μの範囲の微小球体も高活性微粉末状チタ
ン触媒成分として好適に用いられる。高速剪断処理の方
法としては、具体的には例えば不活性ガス雰囲気中で固
体状チタン触媒の成分のスラリーを市販のホモミキサー
を用いて適宜時間処理する方法が採用されている。更
に、処理後のスラリーを篩で濾過し、粗粒を除去する方
法を採用することもできる。これらの方法によって、前
記微小径の高活性微小粉末状チタン触媒成分が得られ
る。
有機アルミニウム化合物触媒成分としては、例えばトリ
エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムのよ
うなトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウム
クロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリドのような
ジアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキク
ロリドのようなアルキルアルミニウムセスキクロリド、
あるいはこれらの混合物が好適に用いられる。
該超高分子ポリエチレンを生成させる重合工程では、触
媒として高活性チタン触媒成分(A)を例えば媒体1
当りのチタン原子として約0.001乃至約20ミリグラム原
子、特に約0.005乃至約10ミリグラム原子、有機アルミ
ニウム化合物触媒成分(B)をAl/Ti(原子比)が約0.1
乃至約1000、特に約1乃至約500となるような割合で使
用するのがよい。前記超高分子量ポリエチレンを生成さ
せる重合工程の温度は通常約−20乃至約120℃好ましく
は、約0乃至約100℃、特に好ましくは約5乃至約95℃
の範囲である。また、重合反応の際の圧力は、前記温度
で液相重合または気相重合が可能な圧力範囲であり、例
えば大気圧乃至約100kg/cm2、好ましくは大気圧乃至約5
0kg/cm2の範囲である。また、重合工程における重合時
間は、超高分子量ポリエチレンの生成量が該高活性チタ
ン触媒成分中のチタン1ミリグラム原子当り約1000g以
上、好ましくは約2000g以上となるように設定すればよ
い。また、該重合工程において、前記超高分子量ポリエ
チレンを生成させるためには、該重合反応を水素の非存
在下に実施するのが好ましい。更には、該重合反応を実
施後、重合体を不活性媒体雰囲気下で一旦単離し、保存
しておくことも可能である。
該超高分子量ポリエチレンを生成させる重合工程におい
て使用することのできる不活性媒体としては、例えばプ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペン
タン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ジクロル
エタン、メチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロ
ゲン化炭化水素;あるいはこれらの混合物などを挙げる
ことができる。特に脂肪族炭化水素の使用が好ましい。
本発明のオレフィン樹脂組成物の製造には、前記超高分
子量ポリオレフィンを生成させる重合工程以外の他の重
合工程においては水素の存在下に残余のオレフィンの重
合反応が実施される。前記超高分子量ポリオレフィン生
成重合工程以外の重合工程における水素の供給されるオ
レフィン1モルに対して通常は0.01乃至50モル、好まし
くは0.05乃至30モルの範囲である。
前記超高分子量ポリオレフィン生成重合工程以外の重合
工程における重合相内の重合生成液中の各触媒成分の濃
度は、重合容積1当り、前記処理した触媒をチタン原
子に換算して約0.001乃至約0.1ミリグラム原子、好まし
くは約0.005乃至約0.1ミリグラム原子とし、重合系のAl
/Ti(原子比)が約1乃至約1000、好ましくは約2乃至
約500となるように調製するのが好ましい。そのために
必要に応じ、有機アルミニウム化合物触媒成分(B)を
追加使用することができる。重合系には、他に分子量、
分子量分布等を調節する目的で水素・電子供与体、ハロ
ゲン化炭化水素などを共存させてもよい。
重合温度はスリラー重合、気相重合が可能な温度範囲
で、かつ約40℃、より好ましくは約50乃至約100℃の範
囲が好ましい。また、重合圧力は、例えば大気圧乃至約
100kg/cm2、特に、大気圧乃至約50kg/cm2の範囲が推奨
できる。そして重合体の生成量が、チタン触媒成分中の
チタン1ミリグラム原子当り約1000g以上、特に好まし
くは約5000g以上となるような重合時間を設定するのが
よい。
上記多段重合法で得られるオレフィン樹脂組成物中に含
まれる低分子量乃至高分子量ポリエチレンの極限粘度
[η]を直接求めることはできないが、超高分子量ポ
リエチレンの密度をDu、組成比をW1、低分子量乃至高分
子量ポリエチレンの密度をDh、組成比をW2、組成物の密
度をDcとすると、 の関係式が成立するので、この式(1)から低分子量乃
至高分子量ポリエチレンの密度Dhが求められ、この密度
DhからMFR(メルトフローレート)及びMFRから[η]
が求められる。
尚、前述した調製法では、一段目で超高分子量ポリエチ
レンへの重合を行い、二段目以降で低分子量乃至高分子
量ポリエチレンへの重合を行っているが、逆の順序の重
合も可能であることが理解されるべきである。
液体乃至固体の潤滑剤 本発明のキーボード用基板に用いるオレフィン樹脂に
は、自己潤滑性、耐摩耗性等を向上させるために液体乃
至固体の潤滑剤を用いることができる。液体の潤滑剤と
しては、石油系潤滑油及び合成潤滑油等が使用される。
石油系潤滑油としては、流動パラフィン、スピンドル
油、冷凍機油、ダイナモ油、タービン油、マシン油、シ
リンダー油等が使用され、合成潤滑油としては合成炭化
水素油、ポリグリコール油、ポリフェニルエーテル油、
エステル油、リン酸エステル油、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン油、フルオロエステル油、塩素化ビフェニル
油、シリコーン油等を使用することができる。
これらの潤滑油の内でも、前述したオレフィン樹脂組成
物へのなじみが良好で、潤滑性向上に特に有用なものと
して、エチレン含有量20乃至80モル%、特に30乃至70モ
ル%、数平均分子量500乃至10000、特に1000乃至5000で
あるエチレン−α−オレフィン共重合合成潤滑油が挙げ
られる。この合成潤滑油におけるα−オレフィン成分と
してはプロピレンが適当であるが、他に炭素数20迄、特
に14迄の他のα−オレフィンが使用される。この合成潤
滑油におけるQ値(重量平均分子量/数平均分子量の
比)は4以下、特に3以下であることが望ましい。この
合成潤滑油は、粘度指数が120以上で且つ100℃における
動粘度が10乃至2000cst(センチストークス)であると
いう特性を示す。この合成潤滑油の詳細な構造、特性及
び製法は、特開昭57-117595号公報に記載されている。
固体潤滑油としては、黒鉛、二硫化モリブテンが主に使
用されるが、他に窒化ホウ素、二硫化タングステン、酸
化鉛、ガラス粉、金属石鹸等を用いることができる。固
体潤滑剤は単独でも、或いは液体潤滑剤との組合せでも
用いることができ、例えば粉末、ゾル、ゲル、サスペン
ソイド等の形態でオレフィン樹脂組成物に配合すること
ができる。
無機充填剤 本発明のキーボード用基板に用いるオレフィン樹脂組成
物には、成形性等を向上させるために無機充填剤を用い
ることができる。
無機充填剤としては、乾式法非晶質シリカ(エアロジ
ル)、湿式法非晶質シリカ(ホワイトカーボン)、結晶
性シリカ(クリストバライト、クオルツ)、ケイソウ土
等のシリカ類;アルミナ(α−アルミナ)、水酸化アル
ミニウム乃至アルミナゲル(ギブサイト、ベーマイト)
等のアルミナ類;合成ケイ酸アルミニウム(非晶質)や
天然ケイ酸アルミニウム(カオリン、焼成カオリン)等
のケイ酸アルミニウム;天然ケイ酸マグネシウム、合成
塩基性ケイ酸マグネシウム;天然または合成のスメクタ
イト族粘土鉱物(ベントナイト、モンモリロナイト);
合成アルミノケイ酸塩(ゼオライト);炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等のアルカリ土類
金属塩;酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙
げられる。
本発明に用いる無機充填剤は、微粒子状のものが好まし
く、一般に、0.1乃至3μm、特に0.5乃至10μmのメジ
アン径(コールターカウンター法)を有することが好ま
しい。
特に好ましい微粒子無機充填剤は、滑沢剤として知られ
ているもの、例えば、タルク、酸化マグネシウム、ケイ
酸アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等
である。
その他の配合剤 本発明においては、前述した潤滑剤及び無機充填剤の他
に、酸化防止剤、離型剤、顔料等の公知のオレフィン樹
脂配合剤を用いることができる。
成形方法 本発明のキーボード用基板の製造に際しては、オレフィ
ン樹脂組成物中に前述した公知のオレフィン樹脂配合剤
を公知の処方に従って配合することができる。この場
合、これらの配合剤がオレフィン樹脂組成物と可及的に
微細に且つ一様に分散されていることを要し、このよう
な微細分散は、上記の配合剤とオレフィン樹脂組成物と
を、一軸または二軸の押出混練機に供給し、溶融混練す
ることにより達成される。
このブレンド物のキーボード用基板への成形は、汎用の
射出成形機を用いて行うことができるのが顕著な利点で
ある。射出成形条件は、特に限定されないが、一般に20
0乃至290℃のシリンダー温度及び1000乃至4000kg/cm2
射出圧で行うのがよい。射出成形は、勿論、一般或いは
多段で行うことも可能である。
(発明の効果) 本発明のキーボード用基板では、超高分子ポリエチレン
と低分子量乃至高分子量ポリエチレンから成る組成物を
用いることにより、超高分子量ポリエチレンが本来有す
る自己潤滑性、耐摩耗性、耐衝撃性、高強度等の性質を
保全しながら、機械的精度の高いキーボード用基板への
成形が可能となり、またこの基板はキー操作の軽快性、
低騒音性に優れているという利点がある。
(実施例) [η]が5.5dl/g,密度が0.968g/cc、溶融トルクが1.3
kg・cmの前記オレフィン樹脂組成物(リュブマーL4000:
三井石油化学工業(株)製)100重量部と、液体潤滑剤
として、数平均分子量が1300、100℃における動粘度が1
00cSt.のエチレン−α−オレフィン共重合合成油(ルー
カントHC-100:三井石油化学工業(株)製)2重量部と
をヘンシェルミキサーで混合し、単軸押出機でペレタイ
ズ後、射出成形機((株)東芝製IS-50)を用いて以下
の条件でキーボード用基板を作成し、更にその物性を下
記の試験法により評価した。
射出成形条件 シリンダー温度(℃) 200/230/270/270 射出圧力(kg/cm2) 1次/2次=1000/800 スクリュー回転数(rpm):97 金型温度(℃):水冷(27℃) 試験方法 曲げ強度(kg/cm2)、曲げ弾性率(kg/cm2) ASTM D 790に準じた。
動摩擦係数 松原式摩擦摩耗試験機(東洋ボールドウィン製)を用い
て、圧縮荷重7.5kg/cm2、すべり速度12m/minの条件下30
分間行い摩擦係数を求めた。相手材は、SUS 304、摺動
面粗度は6Sに加工して用いた。
摩擦摩耗試験 松原式摩擦摩耗試験機(東洋ボールドウィン製)を用い
て、圧縮荷重3.4kg/cm2、すべり速度30m/minの条件下16
8時間行い摩耗係数(×10-10cm3/kg・m)を求めた。相
手材は、SUS 304、摺動面粗度は6Sに加工して用いた。
本実施例によって、得られたキーボード用基板を用い
て、キーボードを作成したところ、基板のゆがみがな
く、寸法安定性にも優れていた。更に、そのキーボード
を使用したところ、キーの摺動性に優れ、長期にわたっ
て使用しても、摺動性の低下はみられず、耐久性にも優
れていた。
また、その物性は以下のようになった。
曲げ強度(kg/cm2) :410 曲げ弾性率(kg/cm2) :13000 動摩擦係数 :0.12 摩耗係数(×10-10cm3/kg・m):150
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のキーボード用基板の構造の一例を示
す図である。 1……キーボード用基板、2……平板部、3……キー嵌
合摺動部、4……突起、5……孔。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックの射出成形で一体に形成され
    た平板部と平板部から垂直方向に突出したキーの嵌合摺
    動部とから成るキーボード用基板において、 該基板が135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度が10
    〜40dl/gである超高分子量ポリエチレンと、前記極限粘
    度が超高分子量ポリエチレンよりも低い低分子量乃至高
    分子量ポリエチレンとを含有し、超高分子量ポリエチレ
    ンの含有量が両者の合計量当り15乃至40重量%であり、
    且つ全体で測定して3.5〜15dl/gの極限粘度[η]
    あるオレフィン樹脂組成物から形成されていることを特
    徴とするキーボード用基板。
  2. 【請求項2】樹脂組成物が4.5kg・cm以下の溶融トルク
    Tを有するオレフィン樹脂組成物である請求項1記載の
    キーボード用基板。
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