JPH078747B2 - 陶磁器製品の製造方法 - Google Patents

陶磁器製品の製造方法

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JPH078747B2
JPH078747B2 JP62193053A JP19305387A JPH078747B2 JP H078747 B2 JPH078747 B2 JP H078747B2 JP 62193053 A JP62193053 A JP 62193053A JP 19305387 A JP19305387 A JP 19305387A JP H078747 B2 JPH078747 B2 JP H078747B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、セメントを水和硬化させると共に、焼結して
硬化させる陶磁器製品の製造方法に関し、特に、焼結後
直ちに充分な強度がある陶磁器製品の製造方法に関す
る。
【従来の技術】
陶磁器製品は、成形された後、乾燥して焼成して硬化さ
せている。ところがこの方法で製造される陶磁器製品
は、焼結前に充分な強度がなく、軟弱で取り扱いに不便
な欠点があった。また、陶磁器製品は、乾燥と焼結工程
の収縮が大きく、製品に反りや歪が大きい欠点もあっ
た。 この欠点を解消することを目的に、原料にセメントを混
合し、成形後、セメントを水和硬化させて焼結前に取り
扱いに充分な強度をもたせ、その後、焼結してさらに水
和硬化させる陶磁器製品の製造方法が開発されている
(特公昭61-4829号公報)。 この陶磁器製品の製造方法は、セメント等の水硬性基材
100重量部に、シラス、火山灰、ガラス粉等のフラック
スを30〜1500重量部混合して、焼結の前後に水和硬化さ
せ、水和硬化と焼成時の焼結とで強固に硬化させてい
る。ところが、この製造方法は、焼結後にさらに充分に
水和硬化処理させて陶磁器製品に強度を持たせているの
で、焼成後の後処理に時間と手間とがかかり、また、充
分な強度の陶磁器製品が実現出来ない欠点があった。 すなわち、この陶磁器製品の製造方法は、焼成後の本格
的な水和硬化処理に、水中養生の場合で50℃×3日〜60
℃×7日もの処理日数と温度とが必要で、しかも、水和
硬化処理後の曲げ強度も、約100〜180kgf/cm2程度であ
った。 さらにまた、セメントにフラックスを混合して、焼成後
水和硬化させるセメント製品の製造方法も開発されてい
る。この方法は、例えば特開昭52-121019号公報、特開
昭54-41916号公報、特開昭59-73482号公報、特開昭57-6
7087号公報に記載される。これ等の公報に記載される製
造方法は、セメント含有焼成材を焼成すると共に、水和
硬化させて硬化するものである。しかしながら、これ等
の方法も、焼成後に水和硬化させることによって、所定
の強度を得るものであって、焼成後直ちに充分な強度が
得られず、焼成後の水和硬化処理に手間と、時間と、加
熱エネルギーを必要とする欠点があった。 さらに、骨材に、セメント、ガラス等の焼結材を水と共
に混合し、成型養生した後に、1050〜1150℃で焼結する
セメント焼結体の製造方法も開発されている(特開昭50
-121305号公報)。この方法は、セメントで成型養生し
たものを焼結するので、焼結後にセメントを水和反応さ
せる必要がない。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法は、1050〜1150℃と極めて高温
で焼成するので、セメントを十分な強度にできない欠点
がある。セメントは、100℃以下では自由水が気化する
のみであるから、この温度領域においては強度は全く低
下しない。約260℃付近からはセメント水和物中の結晶
水の脱水が始まって強度は次第に低下するようになる。
500℃を越えるとCa(OH)2の脱水分解が激しくなり、強
度はさらに低下する。さらに750℃を越える温度になる
と、CaCO3のガス分解が発生して強度は著しく低下す
る。第1図の曲線Aは、温度に対するコンクリートの強
度変化を示している。 この図から明かなように、コンクリートは、加熱温度が
高くなるにしたがって、強度が著しく低下する性質があ
る。したがって、焼結混合物に相当量のセメントを混合
するにもかかわらず、高温焼成された陶磁器製品は、セ
メントによる強度をほとんど期待できない。セメント
は、焼結混合物を予備成形するために使用されるにすぎ
ない。 ところで、陶磁器製品は、焼結混合物に、ガラス粉や珪
酸質原料等の陶磁器原料を混合して焼成して製造され
る。陶磁器原料は焼結温度を高くすると強度が次第に増
加する性質がある。焼成工程で陶磁器原料が十分に溶融
して強く焼結されるからである。 第1図の曲線Bは、焼成温度に対する陶磁器原料の強度
変化を示している。この曲線に示すように、陶磁器原料
は、焼成温度が高くなるにしたがって強度が増加する。
すなわち、セメントと逆の物性がある。セメントと陶磁
器原料とを混合して焼成した陶磁器製品は、言うまでも
なくセメントと、陶磁器原料の両方で十分な強度するこ
とが大切である。しかしながら、第1図の曲線AとBと
で示すように、セメントと陶磁器原料とは互いに相反す
る物性を示し、セメントの陶磁器原料の両方の強度を加
算して強靱にすることができない。 本発明は、これ等従来の陶磁器製品の製造方法が有する
欠点を除去することを目的に開発されたもので、この発
明の重要な目的は、従来は表面処理用の釉薬に混合され
ていたフリットをセメントに混合することによって、低
温焼成できると共に、焼成後に極めて強靱な強度が得ら
れ、焼成後の水和硬化処理を省略することも可能で、製
造コストを低廉にでき、しかも、短時間に陶磁器製品が
多量生産できる製造方法も提供するにある。 また、この発明の他の重要な目的は、焼成後の強度が極
めて強靱で、しかも、焼成工程での収縮率が小さいた
め、大型パネルが製造でき、また、表面にはほとんどの
種類の釉薬処理が出来る陶磁器製品の製造方法を提供す
るにある。
【課題を解決するための手段】
本発明の陶磁器製品の製造方法は、製造方法と陶磁器原
料の両方で充分な強度を持たせるために、特定の屈伏点
のフリットを添加する。すなわち、本発明の陶磁器製品
の製造方法は、セメント25〜60重量部に、従来セメント
の骨剤として添加混合されていた、シラス、火山灰、ガ
ラス粉、水滓、磁器質シャモット等に代わって、釉薬に
使用されていたフリット10〜60重量部を添加混合し、さ
らに、これに、40重量部以下のガラス粉と、40重量部以
下の珪酸質原料のいずれかまたは両方を添加して水で混
練りし、これを所望の形状に成形している。 フリットは、特定の屈伏点のもの、すなわち、屈伏点を
500〜700℃とするものを使用する。フリットには、例え
ば、下記のものを下記の重量比で混合して溶融して粉砕
したものが使用できる。 鉛白116、長石111、珪砂28、石灰石20、亜鉛華12、
粘土21 珪砂60、硝石22、食塩7.2、みょうばん3.6、ソーダ
灰3.6、石膏3.6 フリットは、混合材料でもって融点が調整できる。 フリットの混合量が少なすぎると、焼成温度が高くな
り、焼成された陶磁器製品の反りや歪が大きくなり、反
対に多すぎると、実質的にセメント混合量が低下するこ
とにより焼成前の強度が低下する。 成形された製品は、予備成形工程に於て、含有セメント
を水和硬化させてそれ自体で保形できる強度に養生し
て、焼成前の取り扱いを著しく簡素化している。予備成
形された製品は、750℃〜1000℃で焼結して、その後
に、水和硬化させなくとも充分な強度としている。 本発明の陶磁器製品の製造方法に使用するセメントに
は、ポルトランドセメント、アルミナセメント、高炉ス
ラグセメント、フライアッシュセメント等が使用でき
る。 本発明の陶磁器製品に含まれるセメントは、成形してか
ら焼成する前に、成形品の取り扱いに便利な強度を持た
せるために混合している。このセメントの混合量が少な
すぎると、焼成前の水和硬化処理工程で、取り扱いに便
利な強度に硬化できず、反対に、多すぎると、焼成後の
陶磁器製品の強度が弱い欠点がある。 セメントに加えて、セメント100重量部に対して、0.5〜
3重量部の減水剤や流動化剤を混合することも出来る。
減水剤には、例えば、花王石鹸株式会社のマイティー15
0、流動化剤には、三洋化成株式会社のレベロン等が使
用できる。 陶磁器製品に、ガラス粉を混合する場合、混合されるガ
ラスの種類と混合量とを変更して膨張率を調整し、焼成
工程に於ける割れや狂いを防止でき、また、フリットに
比べて安価なガラス粉で原料コストを低減できる。ガラ
ス粉は、必ずしも混合する必要はないが、この混合量が
多すぎると、フリットとセメント混合量が低下するの
で、焼成温度が高くなり、あるいは、焼成前に軟弱にな
る欠点がある。 ガラス粉に代わって、あるいは、これに加えて混合され
る珪酸質原料には、長石、カオリナイト、白土、ろう
石、ベントナイト、無機粉粒体にけつ岩を原料として焼
成した粉粒体等が使用できる。珪酸質原料もガラス粉と
同様に、混合量が多すぎるとフリットとセメント混合量
が低下するので、焼成温度が高くなり、あるいは、焼成
前に軟弱になる欠点がある。 これ等の原料は、焼成前後の強度を考慮して、セメント
とフリットとガラス粉と珪酸質原料の混合量は、前述の
範囲に特定されている。
【作用】
本発明の陶磁器製品の製造方法は、特定の屈伏点のフリ
ットを使用することによって、セメントと陶磁器原料の
両方で十分な強度を実現する。本発明の陶磁器製品の製
造方法は、屈伏点を500〜700℃の範囲とするフリットを
使用する。フリットを含む陶磁器原料は、第1図の曲線
Cで示すように、焼成温度を高くするにしたがって強く
なる。ただ、セメントの強度は曲線Aで示すように、焼
成温度が高くなるにしたがって、弱くなる。本発明の陶
磁器製品の製造方法は、曲線Aと曲線Cとが十分にクロ
スオーバーするように、フリットの屈伏点を特定の温度
に設定し、かつ、曲線Aと曲線Cの両方が強度のある温
度範囲で焼成することを特徴とする。したがって、本発
明の方法で製造した陶磁器製品は、セメントによる強度
と、陶磁器原料を焼成してできる強度との相乗効果で極
めて強靱にできる特徴がある。第1図において、曲線D
は、曲線Aのセメントによる強度と、曲線Cの焼結体に
よる強度の和を示す。本発明の方法で製造した陶磁器製
品は、750〜1000℃で焼成する。したがって、矢印で示
すように、セメントと焼結体単独では到底実現できない
強度にできる。
【実施例】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。但
し、以下に示す実施例は、この発明の技術思想を具体化
するための具体例を示すものであって、この発明の陶磁
器製品の製造方法は、下記のものに特定するものでな
い。この発明の製造方法は、特許請求の範囲に記載の範
囲に於て、種々の変更が加えられる。 [実施例1] 瓶ガラスを粉砕してガラス粉30重量部と、フリット30重
量部とを微粉砕機でもって微粉砕して、ガラスとフリッ
トの微粉砕されたガラス含有混合物を製造する。得られ
たガラス含有混合物に、40重量部のポルトランドセメン
トと、30重量部の水を混合して、充分に混合する。 フリットには、日本フリット株式会社のXT-172(体膨張
係数222×10-7、屈伏点670℃)と、日本フェロー株式会
社のフリット番号3907(体膨−係数334×10-7、屈伏点5
10℃)とを混合して、屈伏点が580℃のものを使用す
る。 得られた混練物を板状に成形して、水和硬化処理して取
り扱いに便利な強度に硬化させる。混練物の成形は、上
方が開口された金型を水平に置き、これに、均一な厚さ
に混練物を充填する。上方が開発された金型内で成形さ
れた製品は、そのままの状態で、数時間ないし20時間静
置し、その後、脱型して1〜8日常温で気中養生して水
和硬化させる。 水和硬化された製品は、ネットコンベアキルンで3時間
焼成する。ネットコンベアキルンのコンベアネットは、
混合原料を幅900mmとして均一の厚さに置き、入口から
出口までの時間を3時間、焼成温度を850℃とした。 得られた板状の陶磁器製品は、下記の〜の極めて優
れた特性を備えていた。ちなみに、従来の方法、すな
ち、予備水和硬化−焼成−本格水和硬化の工程で処理さ
れた陶磁器製品の曲げ強度は100〜180kgf/cm2であっ
た。 曲げ強度……235kgf/cm2 引張強度……93kgf/cm2 圧縮強度……826kgf/cm2 せん断強度…164kgf/cm2 衝撃強度……1.26kg・cm/cm2 吸水率……13〜19重量% [実施例2] ロータキルンの焼成温度を850℃から900℃に高くする以
外、実施例1と同様にして板状の陶磁器製品を製作し
た。 得られた陶磁器製品は、実施例1と同様に焼成後に水和
硬化処理しないにもかかわらず、下記の極めて優れた特
性を示した。 曲げ強度……334kgf/cm2 (従来品の約2〜3倍も強靱) 引張強度……96kgf/cm2 圧縮強度……1173kgf/cm2 せん断強度…345kgf/cm2 (測定装置の測定限界が345kgf/cm2で、これより強靱で
あった) 衝撃強度は1.39kg・cm/cm2 吸水率……13〜19重量% [実施例3] セメントの混合量を50重量部、ガラス粉を20重量部とす
る以外、実施例1と同様にして板状の陶磁器製品を製造
した。 この製造方法に於ては、ガラス粉の混合量を減少してセ
メントの混合量を増加しているので、焼成後の曲げ強度
は267kgf/cm2と、実施例2で得られた陶磁器製品80%程
度になったが、従来の陶磁器製品の約2〜2.5倍の強度
があった。 [実施例4] さらに、セメントの混合量を50重量部、ガラス粉の混合
量を30重量部、フリットの混合量を20重量部とする以
外、実施例1と同様にして板状の陶磁器製品を製造し
た。この陶磁器製品の製法に於ては、セメントの混合量
を増加して、フリットの混合量を減少しているので、曲
げ強度は201kgf/cm2となった。 [実施例5] ガラス粉30重量部を、白土とソーダー灰と硝酸ソーダと
を発泡焼結してこれを粉砕した焼成無機粉粒体であって
SiO2を58.36wt%とAl2O3を10.49wt%含有する珪酸質原
料を30重量部に変更する以外、実施例1と同様にして板
状の陶磁器製品を製作した。 得られた陶磁器製品は、焼成後に水和硬化処理しないに
もかかわらず下記の優れた特性を示した。 曲げ強度……211kgf/cm2 引張強度は86kgf/cm2 圧縮強度が786kgf/cm2 せん断強度が154kgf/cm2 衝撃強度が1.11kg・cm/cm2 吸水率が13〜19重量% [実施例6] 珪酸質原料を、SiO2含有量が92.5wt%でAl2O3含有量が
5.7wt%である人工軽量骨材に代える以外、実施例4と
同様にして板状の陶磁器製品を製造した。 得られた陶磁器製品は、焼成後に水和硬化処理しないに
もかかわらず下記の優れた特性を示した。 曲げ強度が218kgf/cm2 引張強度は82kgf/cm2 圧縮強度が752kgf/cm2 せん断強度が147kgf/cm2 衝撃強度が1.13kg・cm/cm2 吸水率が13〜19重量% [実施例7] ガラス粉30重量部を、ガラス粉15重量部と、SiO277.65w
t%とAl2O316.84wt%とを含有する珪酸質原料15重量部
を使用する以外、実施例1と同様の方法で板状の陶磁器
製品を製作した。 得られた陶磁器製品は、焼成後に水和硬化処理しないに
もかかわらず、下記の特性を示した。 曲げ強度……223kgf/cm2 引張強度は89kgf/cm2 圧縮強度が801kgf/cm2 せん断強度が157kgf/cm2 衝撃強度が1.20kg・cm/cm2 吸水率が13〜19重量% 実施例5ないし実施例7で製造された陶磁器製品は、ガ
ラス粉に代わって、あるいは、ガラス粉の混合量を減少
して珪酸質原料を使用しているが、この陶磁器製品は、
ガラス粉を使用した製品に比べると強度が多少低下する
が、釉薬処理が美しく仕上げられる特長がある。 ところで、セメントとフリットとガラス粉および/また
は珪酸質原料と水とが混合された混練物は、必ずしも上
方が開口した金型に充填して成形する必要はなく、例え
ば、型締めできる金型に混練物を充填して、加圧脱水成
形して所定の形状、例えば、板状に成形することも可能
である。金型で加圧脱水して成形される製品は、数秒な
いし数十分型締め状態を保持した後、金型を開いて、下
に敷かれた金型に載せた状態で数時間〜数日静置し、そ
の後に脱型して1〜7日常温で気中養生して水和硬化さ
せ、その後焼成する。 水和硬化処理されて、取り扱いに便利な強度、例えば、
板状の場合、両端を持って殆ど変形しない強度に硬化し
た製品の焼成温度は、通常750〜1000℃、好ましくは800
〜950℃の範囲に調整される。最適焼成温度は、フリッ
トの種類と混合量、要求される強度および寸法精度など
を考慮して決定される。焼成温度が高いと、焼成後の強
度は向上するが、寸法精度が低下する。フリットに融点
の低いものを使用し、かつフリットの混合量を多くすれ
ば、低温焼成で高い強度の陶磁器製品が得られる。 焼成時間は、焼成温度、加熱冷却の温度勾配、混合原
料、要求される強度、焼成に用いる燃料消費量等を考慮
して決定されるが、通常20分〜8時間、好ましくは1〜
5時間の範囲に調整される。 以上の実施例は、セメントにポルトランドセメントを使
用したが、他の種類のセメントを使用できる。例えば、
実施例1と同様の原料および製造方法で、ポルトランド
セメントを早強セメントに代える以外同様の条件で製造
された陶磁器製品は、焼成後に水和硬化処理しないにも
かかわらず、曲げ強度が211kgf/cm2と著しく強靱で、さ
らに、引張強度は77kgf/cm2、圧縮強度が685kgf/cm2
せん断強度が202kgf/cm2、衝撃強度が1.29kg・cm/cm2
吸水率が13〜19重量%と他の特性も著しく優れたもので
あった。 さらに、実施例2と同様の原料および製造方法で、ポル
トランドセメントを早強セメントに代える以外同様の条
件で製造された陶磁器製品は、焼成後に水和硬化処理し
ないにもかかわらず、曲げ強度が282kgf/cm2と著しく強
靱で、さらに、引張強度は80kgf/cm2、圧縮強度が819kg
f/cm2、せん断強度が297kgf/cm2、衝撃強度が1.30kg・c
m/cm2と著しく優れたものであった。
【発明の効果】
本発明の陶磁器製品の製造方法は、セメントに変えて、
屈伏点が500℃〜700℃であるフリットを特定の割合で混
合する。フリットを混合したセメントは、セメントを水
和反応させることによって予備成形した後、750〜1000
℃で焼結する。すなわち、本発明の陶磁器製品の製造方
法は、焼成温度が高くなると強度が低下するセメントの
強度曲線Aと、焼成温度が高くなると強度が向上する焼
結体の強度曲線Cとが十分にクロスオーバーするよう
に、フリットの屈伏点を特定の範囲に調整するととも
に、特定の温度範囲で焼成することによって、セメント
と焼結体の強度の両方で著しく強靱にすることを特長と
する。すなわち、本発明の陶磁器製品の製造方法は、曲
線Dの矢印で示す温度範囲で焼成することによって、セ
メントで予備成形した後に焼成する従来の方法で製造し
た陶磁器製品を卓越する優れた強度とすることができ
る。 ところで、セメントを予備成形した後、焼結した陶磁器
製品を製造する方法は、予備成形した製品の焼成温度を
低くすることが極めて大切である。それは、この方法
が、大きな陶磁器製品の製造に適しているからである。
小さい陶磁器製品は、セメント等を使用して予備成形す
る必要がない。小さいものは陶磁器材料を水に混練り
し、これを成型した状態で、焼成できるに充分な保形強
度を有するからである。大型の陶磁器製品は、水で混練
りして成型した状態で、充分な保形強度がなく、焼成炉
に搬入するときに変形する欠点がある。このために、大
型の陶磁器製品は、セメントで予備成形し、焼成炉に搬
入するときに変形しない保形強度としている。ところ
で、無機質材を焼結した陶磁器製品は、接着剤やセメン
ト等のバインダーで粉粒体を結合した製品では実現でき
ない優れた物性を備える。それは、優れた耐候性と、ほ
とんど無視できる経時変化等である。このため、長い年
月使用しても、劣化しない特長がある。ただ、この方法
で製造される陶磁器製品の最大の欠点は、寸法精度を高
くできないことである。寸法精度は陶磁器製品の用途を
相当に制限している。このため、陶磁器製品の寸法精度
を高くすることは極めて大切なことである。本発明の製
造方法は、製造コストを低減することに加えて、寸法精
度を高くできる特長も実現できる。それは、セメントを
混合して予備成形することによって充分な保形強度と
し、この状態で低温焼成してセメントを焼結するからで
ある。予備成形することによって保形強度を向上した成
型品は、焼成工程における歪が防止される。さらに、焼
成温度を低くすることによって、焼成時における歪を少
なくできる。このため、本発明の陶磁器製品の製造方法
は、大きな製品を製造して、安価に能率よく多量生産で
き、さらに、製品の寸法精度を高くできるという極めて
優れた特長を実現する。
【図面の簡単な説明】
第1図は製造方法と陶磁器原料の温度に対する強度変化
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−121305(JP,A) 特開 昭61−31347(JP,A) 特開 昭62−148361(JP,A) 特開 昭60−161368(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント25〜60重量部と、40重量部以下の
    ガラス粉及び40重量部以下の珪酸質原料の少なくともい
    ずれかと、屈伏点が500〜700℃であるフリット10〜60重
    量部と、所要量の水とを含む焼結混合物を所望の形状に
    成形する工程と、 成形された製品に含まれるセメントを水和硬化させて、
    製品それ自体で保形できる強度に養生する予備成形工程
    と、 予備成形された製品を750℃〜1000℃の温度で焼結する
    焼結工程とからなり、焼結工程で焼結混合物を所望の強
    度に硬化させる陶磁器製品の製造方法。
JP62193053A 1987-08-01 1987-08-01 陶磁器製品の製造方法 Expired - Lifetime JPH078747B2 (ja)

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