JPH078832B2 - ジクロロフルオロ酢酸エステルの製造方法 - Google Patents

ジクロロフルオロ酢酸エステルの製造方法

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JPH078832B2
JPH078832B2 JP14090290A JP14090290A JPH078832B2 JP H078832 B2 JPH078832 B2 JP H078832B2 JP 14090290 A JP14090290 A JP 14090290A JP 14090290 A JP14090290 A JP 14090290A JP H078832 B2 JPH078832 B2 JP H078832B2
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俊和 河合
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はハロアルデヒドポリマーの原料であるジクロロ
フルオロアセトアルデヒドの前駆体等として極めて有用
なジクロロフルオロ酢酸エステルの製造法に関するもの
である。
[従来の技術] ジクロロフルオロ酢酸エステルの製造法としては、例え
ばRec.trav.chim.,66,413(1947)によるとメチルジク
ロロフルオロアセテートの場合、メチルトリクロロアセ
テートと三弗化アンチモンの系を120℃に加熱し、攪拌
しながら臭素を少量ずつ加えて製造する方法が知られて
いる。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながらこの方法は、メチルトリクロロアセテート
に対してほぼ当量の臭素および三弗化アンチモンを使用
するため製造費が高く、反応後の臭素及び三弗化アンチ
モンの回収もしくは処理を行なわなければならない問題
点があり、工業的製法としては適さない。さらにこの系
においてはメチルクロロジフルオロアセテートが10〜30
%副生するため実質的なメチルジクロロフルオロアセテ
ートの収率においても満足できないという問題がある。
[問題点を解決するための具体的手段] 本発明者らは、かかる問題点を解決すべく検討した結
果、ヘキサクロロアセトン(以下HCAと略す)をフッ素
化して得られる低次フッ素化アセトンを非プロトン性極
性溶媒および無機塩基の存在下にハロホルム化すること
によりジクロロフルオロ酢酸エステルが容易に得られる
ことを見出し本発明に到達したものである。すなわち本
発明はヘキサクロロアセトンを弗酸によりフッ素化して
得られる低次フッ素化アセトン、すなわち、1,1,1,3,3
−ペンタクロロ−3−フルオロ−2−プロパノン(以
下、「CCl2FCOCCl3」と表示する。)および/または1,
1,3,3−テトラクロロ−1,2−ジフルオロ−2−プロパノ
ン(以下、「CCl2FCOCCl2F」と表示する。)を非プロト
ン性極性溶媒および無機塩基の存在下にハロホルム化す
ることを特徴とするジクロロフルオロ酢酸エステルの製
造方法である。これらの低次フッ素化アセトンの製造方
法はとくに限定されない。
従来HCAをフッ素化反応に処する場合、HCAの6個の塩素
原子が逐次フッ素化されるため目的とする低次フッ素化
物を選択的に製造することは困難であり、そのためには
例えば米国特許2,853,524(1958)にみられる様にフッ
素化剤として高価な三フッ化アンチモンを用いるなどの
手法をとる方法がある。しかしフッ素化剤として安価な
弗酸を用いた場合は目的とする低次フッ素化アセトンを
選択的に製造することは極めて困難であり、低次フッ素
化アセトンは混合物で得られる。本発明によればこの低
次フッ素化アセトン混合物を精製することなく直接ハロ
ホルム化させることができるため目的とするジクロロフ
ルオロアセテートを容易に、安価に製造できるという利
点がある。
本発明において使用する低次フッ素化アセトン混合物と
しては、HCAの弗酸によるフッ素化、例えば常法に従い
五塩化アンチモンのごとき安価な触媒を用いることによ
り容易に製造可能であり、弗酸の使用量をHCAに対して
1〜5倍当量、五塩化アンチモンの使用量をHCAに対し
て1〜20mol%としてHCAをフッ素化することにより得ら
れる主成分がCCl2FCOCCl3とCCl2FCOCCl2Fからなる混合
物を使用できる。
ハロホルム化反応においてはアルコールとして、メタノ
ール、エタノールなどのアルコール類を低次フッ素化ア
セトンに対し当モル以上使用するが、溶媒として非プロ
トン性極性溶媒を用いるものである。非プロトン性極性
溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,
N−ジメチルアセトアミド(DMA)、ピリジン、ジメチル
スルホキシドなどがあげられるが、これらの使用量は特
に制限はないが、HCAに対し2〜200wt%の範囲が通常適
用され、より好ましくは5〜20wt%の範囲である。この
範囲未満では反応速度が十分でなく、この範囲を越える
と装置効率が悪くなるため好ましくない。
HCAのフッ素化物が、CCl2FCOCCl3のみの場合にはこの系
で十分反応が進行するが、CCl2FCOCCl2Fが存在する場
合、このものが反応性に劣るため、そのままでは全体の
収率が低下するものである。
本発明においては、かかるHCAの混合低次フッ素化物を
原料としても収率よく反応をおこなうことができるもの
であり、反応系に無機塩基を触媒量添加するものであ
る。無機塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウムなどがあげられるが、それらの使
用量はHCAに対し、0.001〜10wt%で効果がある。この範
囲未満では反応促進の効果が少なく、また、この範囲を
越えても特にその添加量に見合った効果の増大がないた
め、この範囲内での使用が好ましい。
なお、ハロホルム化反応は20〜150℃の範囲内で反応系
の還流温度で実施することが望ましく、反応をより効率
的に実施するためには、反応で副生するクロロホルムや
ジクロロフルオロメタンなどの低沸点化合物を反応の進
行に応じて留去することにより、より高い還流温度を維
持することができるため、反応促進の点から望ましい。
しかし同反応を圧力下で還流温度を著しく越えた温度条
件下で実施することは、生成物であるジクロロフルオロ
酢酸エステルが一部分解するため得策ではない。
また、本発明における反応時間は特に限定されない。
HCAのフッ素化反応において得られる反応生成物は通
常、水を加えて有機層を分取し、乾燥したのち次行程の
ハロホルム化反応に供される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 HCAのフッ素化 HCA 60kg、HF 15kg、SbCl5 3.5kgを100l反応器に仕込
み、80℃、16kg/cm2で6.5hr反応する。反応後水に加え
有機層を分取する。有機物の回収量は52.0kgで、組成は
CCl2FCOCCl3/CCl2FCOCCl2F=85.8/14.2であった。モレ
キュラーシーブで乾燥後次工程に使用した。有機物の回
収率は93.4%であった。
CCl2FCOCCl3/CCl2FCOCCl2F=85.8/14.2混合物のハロホ
ルム化 10l反応器にCCl2FCOCCl3/CCl2FCOCCl2F=85.8/14.2混合
物8.18kgを仕込み、MeOH 1.59kg、DMF 1.21kgの混合液
を滴下し還流下(66〜70℃)反応を継続する。還流温度
が66℃より低下した時点でNaOH 20gを加え、還流温度70
℃以上を維持する様に低沸点物を徐々に留去する。低沸
点物を留去し終えた時点で反応を停止したところ、CCl2
FCOCCl3およびCCl2FCOCCl2Fはいずれも転化率100%でハ
ロホルム化されていた。蒸留して目的物のCCl2FCO2CH3
4.60kg(純度99.8%)を得た。収率は86.0%であった。
実施例2 実施例1のHCAのフッ素化で得られたCCl2FCOCCl3/CCl2F
COCCl2F=85.8/14.2の混合物7.82kgを10l反応器に仕込
みEtOH 2.20kg,DMF 1.16kgの混合液を滴下し、NaOH 19
gを加えて、還留下(75〜80℃)にて反応を継続する。
還留温度が75℃より低下した時点で、還留温度80℃以上
を維持するように低沸点物を徐々に留去する。低沸点物
を留去し終えた時点で反応を停止したところ、CCl2FCOC
Cl3およびCCl2FCOCCl2Fはいずれも転化率100%でハロホ
ルム化されていた。蒸留して目的物であるCCl2FCO2CH2C
H3 4.56kg(純度99.7%)を得た。収率は82.0%であっ
た。
実施例3 実施例1のHCAのフッ素化と同様に反応して得られたCCl
2FCOCCl3/CCl2FCOCCl2F=32.6/67.4の混合物794gを1
反応器に仕込み、MeOH 161g,DMF 122gの混合液を適下
し、実施例1と同様にハロホルム化反応を行なった。還
留温度が66℃より低下した時点でNaOH 9.2gを加え、還
留温度70℃以上を維持するように低沸点物を徐々に留去
する。低沸点物を留去し終えた時点で反応を停止したと
ころ、CCl2FCOCCl3およびCCl2FCOCCl2Fはいずれも転化
率100%でハロホルム化されていた。蒸留して目的物で
あるCCl2FCO2CH3 426g(純度99.8%)を得た。収率は7
9.1%であった。
実施例4 実施例1のHCAのフッ素化で得られたCCl2FCOCCl3/CCl2F
COCCl2F=85.8/14.2の混合物805gを1反応器に仕込
み、MeOH 157g,ピリジン129gの混合液を滴下し、実施例
1と同様にハロホルム化反応を行なった。還留温度が66
℃より低下した時点でKOH 2.8gを加え、還留温度70℃以
上を維持するように低沸点物を徐々に留去する。低沸点
物を留去し終えた時点で反応を停止したところ、CCl2FC
OCCl3およびCCl2FCOCCl2Fはいずれも転化率100%でハロ
ホルム化されていた。蒸留して目的物であるCCl2FCO2CH
3 437g(純度99.8%)を得た。収率83.0%。
比較例1 実施例3のHCAのフッ素化で得られたCCl2FCOCCl3/CCl2F
COCCl2F=32.6/67.4の混合物750gを1反応器に仕込
み、MeOH 152g,DMF 115gの混合液を滴下し、実施例1と
同様にハロホルム化反応を行なった。還留温度が66℃よ
り低下した時点で還留温度70℃以上を維持するように低
沸点物を徐々に留去し、低沸点物を留去し終えた時点で
反応を停止したところ、CCl2FCOCCl3のみエステル化
(転化率89%)されていたが、CCl2FCOCCl2Fは全くエス
テル化されなていなかった。蒸留して目的物であるCCl2
FCO2CH3の回収を試みたが未反応原料と目的物の沸点が
近接しているためCCl2FCO2CH3 122g(純度97.1%)を得
たにすぎなかった。収率24.2%。
[発明の効果] 本発明の製造法によればヘキサクロロアセトンをフッ素
化して得られる低次フッ素化アセトンを精製することな
くハロホルム化させることができるため精製分離工程が
簡略化でき目的とするハロアルデヒドポリマーの原料と
して有用なジクロロフルオロ酢酸エステルを容易に高収
率で得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,1,1,3,3−ペンタクロロ−3−フルオロ
    −2−プロパノンおよび/または1,1,3,3−テトラクロ
    ロ−1,2−ジフルオロ−2−プロパノンを非プロトン性
    極性溶媒および無機塩基の存在下にハロホルム化するこ
    とを特徴とするジクロロフルオロ酢酸エステルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】1,1,1,3,3−ペンタクロロ−3−フルオロ
    −2−プロパノンおよび/または1,1,3,3−テトラクロ
    ロ−1,2−ジフルオロ−2−プロパノンが、ヘキサクロ
    ロアセトンをフッ化水素によりフッ素化して得られたも
    のであることを特徴とする請求項(1)記載のジクロロ
    フルオロ酢酸エステルの製造方法。
  3. 【請求項3】ヘキサクロロアセトンをフッ化水素により
    フッ素化して得られた、実質上1,1,1,3,3−ペンタクロ
    ロ−3−フルオロ−2−プロパノンおよび1,1,3,3−テ
    トラクロロ−1,2−ジフルオロ−2−プロパノンからな
    る混合物を非プロトン性極性溶媒および無機塩基の存在
    下にハロホルム化することを特徴とするジクロロフルオ
    ロ酢酸エステルの製造方法。
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