JPH0788558B2 - 成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法

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JPH0788558B2 JP9887290A JP9887290A JPH0788558B2 JP H0788558 B2 JPH0788558 B2 JP H0788558B2 JP 9887290 A JP9887290 A JP 9887290A JP 9887290 A JP9887290 A JP 9887290A JP H0788558 B2 JPH0788558 B2 JP H0788558B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウム合
金板の製造方法に係り、更に詳しくは、プレス等の成形
加工性に優れ、かつ成形加工後の塗装焼付時の加熱によ
る焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法に
関する。
(従来の技術) 従来、自動車用部品等及び他の用途に使用されるアルミ
ニウム合金板は、プレスや曲げ等の成形加工が行われ、
塗装工程において、塗装した塗膜に強度を保持させるた
めに加熱する処理(焼付、ベーキング)が行われ、併せ
てこの加熱を利用してアルミニウム合金板の強度を向上
させることが行われている。
近時、省エネルギー及びコストダウンの観点から、焼付
温度が低く、焼付時間が短くなる傾向にあり、この低温
短時間の焼付で強度が向上するアルミニウム合金板が強
く要望されている。
このような要請に応える技術として、例えば、特開平1
−111851号による提案がある。これは、Mg:0.3〜1.5%
及びSi:0.2〜2.0%を含むAl−Mg−Si系アルミニウム合
金につき、溶体化処理後、60〜130℃までを100℃/min以
上の冷却速度で冷却し、そのまま60〜130℃の範囲の温
度に0.5〜48時間保持することを特徴とする焼付硬化性
及び成形性に優れたアルミニウム合金の製造法である。
この方法により得られるアルミニウム合金板は、170℃
程度の比較的低い温度での短時間の焼付においても、著
しく強度が向上するという効果があるとされている。
(発明が解決しようとする課題) 一方、自動車用部品等の用途に使用される板材料には、
優れた成形加工性が要求される。
しかしながら、上記提案に係るAl−Mg−Si系(6000系)
アルミニウム合金板は、製品としての十分な強度を持た
せるために素材強度を一定以上に設定した場合には、成
形加工性が、一般的に鋼板或いは高成形性構造用アルミ
ニウム合金のAl−Mg系(5000系)よりも劣ると云われて
いる。
そのため、焼付硬化性に優れたAl−Mg−Si系合金板の成
形性の更なる改善が求められているのが現状である。
本発明は、かゝる要請に応えるべくなされたものであっ
て、先の提案に係る方法において更に成形加工性の向上
が可能であり、しかし低温短時間の焼付けによる焼付硬
化性を向上し得る方法を提供することを目的とするもの
である。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するために、本発明者は、先の提案に係
る方法を改良するべく鋭意研究を重ねた。
その結果、必須含有成分であるMg、Siに成形性の向上に
寄与する適正な含有量があることを知見した。すなわ
ち、Mg2Siの組成比よりもSi量を過剰にすることによ
り、成形加工性が改善されるという知見を得た。その理
由としては、過剰なSi粒子が分散することにより、加工
中に均一変形を起こし易くさせ、成形加工性を向上させ
るためであると考えられる。
本発明は、かゝる知見に基づき、更に他含有成分や製造
条件について詳細に研究を重ねて完成したものである。
すなわち、本発明は、必須成分として、Mg:0.2〜0.6%
及びSi:0.9〜1.6%を含有し、かつ、その含有量の比がS
i>0.58×Mg+0.8であり、更にCu:0.3%以下、Ti:0.1%
以下、B:0.06%以下、Be:0.2%以下、Mn:0.3%以下、C
r:0.4%以下、Fe:0.5%以下、Zr:0.2%以下及びV:0.2%
以下のうちの1種又は2種以上を含有し、残部が実質的
にAlからなるアルミニウム合金鋳塊につき、均質化処理
を施した後、熱間圧延を行い、次いで冷間圧延を行って
所望の板厚とした後、溶体化処理として100℃/分以上
の加熱速度で480〜560℃の温度に急速加熱し、この温度
域に3秒以上保持した後、冷却速度を300℃/分以上で5
0〜130℃の温度に焼入れする熱処理を施し、そのまま50
〜130℃の温度で1〜48時間の保持を行うことを特徴と
する成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板
の製造方法を要旨とするものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(作用) まず、本発明における化学成分の限定理由について説明
する。
Mg: MgはSiと共同して強度を付与する元素であるが、0.2%
未満では強度(以下、強度とは素材及び175℃の焼付後
の強度を云う)が低く、ミクロ割れが発生し易い。また
0.6%を超えて含有すると、素材強度が高くなりすぎて
成形性が低下する。したがって、Mg含有量は0.2〜0.6%
の範囲とする。
Si: SiはMgと共同して強度を付与する元素であり、且つMg2S
iの組成比よりも過剰に添加した場合には、Si粒子が分
散することにより成形加工中に均一変形を起こし易くな
り、成形性が向上する。しかし、0.9%未満では成形性
改善の効果は殆どなく、また1.6%を超えると素材強度
が高くなりすぎて成形性が低下し、且つミクロ割れも発
生し易くなる。したがって、Si含有量は0.9〜1.6%の範
囲とする。
但し、上述のように、SiをMg2Siの組成比よりも過剰に
含有させることにより成形性が向上するが、そのSiとMg
の含有量の比は、以下の式を満足する必要がある。
Si>0.58×Mg+0.8 本発明は、これらのMg及びSiを必須成分とするが、更
に、以下に説明する元素Cu、Ti、B、Be、Mn、Cr、Fe、
Zr及びVのうちの1種又は2種以上を含有するものであ
る。
Cu: Cuは強度向上に付与する元素であるが、0.3%を超える
と耐食性及び成形性が低下する。したがって、Cu含有量
は0.3%以下とする。
Ti: Tiは鋳塊の結晶粒を微細にし、且つ成形性を向上させる
元素であるが、0.1%を超えて含有すると、粗大な晶出
物を生成し、成形性を低下させる。したがって、Ti含有
量は0.1%以下とする。
B: BはTiと同様に鋳塊の結晶粒を微細にし、成形性を向上
させる元素であるが、0.06%を超えて含有すると、粗大
な晶出物を生成し、成形性を低下させる。したがって、
B含有量は0.06%以下とする。
Be: Beは熱間圧延性の向上及び製品の成形性の向上に効果が
ある元素であるが、0.2%を超えて含有するとその効果
は飽和する。したがって、Be含有量は0.2%以下とす
る。
Mn、Cr、Zr、V、Fe: Mn、Cr、Zr、Vはそれぞれ強度を向上させる効果がある
元素であるが、含有量が増加すると粗大な晶出物を生成
して、成形性を低下させることになり、また、Feは強度
向上効果は小さいが、同様の理由で成形性を低下させ
る。したがって、Mn含有量は0.3%以下、Cr含有量は0.4
%以下、Zr含有量は0.2%以下、V含有量は0.2%以下、
Fe含有量は0.5%以下とする。
次に、本発明の製造条件について説明する。
まず、上記化学成分を有するアルミニウム合金鋳塊に均
質化処理を施す。均質化処理は、バーニング温度以下の
温度で行うのがよく、特に成形性及び焼付硬化性を有す
る組成の場合の均質化処理は、目的の温度までの加熱速
度を200℃/hr以下とするか、又は2段以上の多段均質化
処理を行うのが望ましい。
続いて熱間圧延を行うが、この条件は、焼付硬化性に及
ぼす硬化は小さいので、特に限定する必要はない。
熱間圧延後、冷間圧延を行うが、熱間圧延後に荒焼鈍を
入れ、或いは冷間圧延開始後に中間焼鈍をそれぞれ入れ
てもよい。製品の加工状況によって高い成形性が要求さ
れる場合には、このような焼鈍工程を入れると成形性が
向上する。焼鈍の温度は300〜580℃の範囲とするのが望
ましい。300℃未満では成形性の向上の効果が少なく、
また580℃を超えるとバーニングを起こし、成形性が低
下するので好ましくない。
冷間圧延後は溶体化処理を施すが、この溶体化処理は、
急速加熱で高温短時間の加熱、続いて急速冷却を行うこ
とによって、素材強度の向上、高い成形性及び焼付け後
の強度を向上させるための処理であ。そのためには、ま
ず、100℃/分以上の加熱速度で480〜560℃の高温に急
速加熱し、この温度に3秒以上保持する。加熱温度が48
0℃未満の温度では強度の向上が少なく、また560℃を超
える温度ではバーニングを発生して成形性が低下するの
で望ましくない。また、加熱速度が100℃/分未満或い
は保持時間が3秒未満では上記効果が得られない。
次いで、急冷するが、冷却速度が300℃/分未満では焼
付後の強度向上が少なく、成形性も低下するので、冷却
速度は300℃/分以上とする。
本発明では、この冷却速度により、50〜130℃の温度に
焼入れし、この温度(焼入温度)にて1〜48時間の温度
保持を行う。この焼入温度並びに焼入後保持する温度
は、50℃未満では焼付後の強度向上の効果は少なく、ま
た130℃を超えると強度向上の効果は大きいが、成形性
が低下するので好ましくない。また、温度保持時間は、
1時間未満では強度向上の効果は少なく、また48時間を
超えると成形性が低下するので好ましくない。したがっ
て、焼入温度は50〜130℃の範囲とし、そのまま50〜130
℃の温度で1〜48時間の温度保持を行う。
(実施例) 次に本発明の実施例を示す。
実施例1 第1表に示す化学成分を有するアルミニウム合金を通常
の方法で溶解、鋳造し、得られた鋳塊について、加熱速
度40℃/hrで510℃の温度に4時間保持する均質化処理を
施した後、熱間圧延及び冷間圧延(冷間圧延率30%)を
行って、1.0mm厚の板とした。
この板を加熱速度300℃/分で530℃の温度に急速加熱し
て30秒間保持し、700℃/分の冷却速度で60℃の温度に
焼入れし、そのまま60℃の温度に24時間保持した。
得られた素材の特性並びに焼付(175℃×30分)後の焼
付硬化性(耐力)を第2表に示す。
第2表から明らかなように、本発明例No.1〜No.13、比
較例No.14〜No.26に比べて、強度と成形性の優れたバラ
ンスのよい材料であることがわかる。
一方、比較例は、いずれも強度と成形性を同時に満足し
ていない。
実施例2 実施例1の第1表に示したNo.8のアルミニウム合金(本
発明範囲内)を通常の方法により溶解、鋳造して得られ
た鋳塊について、加熱速度40℃/hrで510℃の温度に6時
間保持する均質化処理を施した後、熱間圧延及び冷間圧
延を行って1.0mm厚の板とした。
次いで、この板を、第3表に示すように、加熱速度300
℃/分で460〜580℃の温度に急速加熱して1〜60秒間保
持し、700℃/分の冷却速度で40〜140℃の温度に焼入れ
し、そのまま40〜140℃の温度に0.5〜60時間保持した。
得られた素材の特性並びに焼付(175℃×30分)後の焼
付硬化性(耐力)を第3表に併記する。
第3表から明らかなように、本発明例No.2〜No.4、No.7
〜No.8、No.10〜No.11、No.14は、いずれも強度と成形
性の優れたバランスのよい材料であることがわかる。
一方、比較例は、いずれも強度と成形性を同時に満足し
ていない。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、成形性に優れ、
且つ低温短時間の塗装焼付においても優れた強度向上性
を有するアルミニウム合金板を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で(以下、同じ)、必須成分とし
    て、Mg:0.2〜0.6%及びSi:0.9〜1.6%を含有し、且つそ
    の含有量の比がSi>0.58×Mg+0.8であり、更にCu:0.3
    %以下、Ti:0.1%以下、B:0.06%以下、Be:0.2%以下、
    Mn:0.3%以下、Cr:0.4%以下、Fe:0.5%以下、Zr:0.2%
    以下及びV:0.2%以下のうちの1種又は2種以上を含有
    し、残部が実質的にAlからなるアルミニウム合金鋳塊に
    つき、均質化処理を施した後、熱間圧延を行い、次いで
    冷間圧延を行って所望の板厚とした後、溶体化処理とし
    て100℃/分以上の加熱速度で480〜560℃の温度に急速
    加熱し、この温度域に3秒以上保持した後、冷却速度を
    300℃/分以上で50〜130℃の温度に焼入れする熱処理を
    施し、そのまま50〜130℃の温度で1〜48時間の保持を
    行うことを特徴とする成形性及び焼付硬化性に優れたア
    ルミニウム合金板の製造方法。
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