JPH078877B2 - 錫オキシドとβ−ジカルボニル化合物とから得られる、シリコーンエラストマー組成物用錫触媒 - Google Patents

錫オキシドとβ−ジカルボニル化合物とから得られる、シリコーンエラストマー組成物用錫触媒

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JPH078877B2
JPH078877B2 JP63153680A JP15368088A JPH078877B2 JP H078877 B2 JPH078877 B2 JP H078877B2 JP 63153680 A JP63153680 A JP 63153680A JP 15368088 A JP15368088 A JP 15368088A JP H078877 B2 JPH078877 B2 JP H078877B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、5配位錫(IV)モノキレート並びに錫オキ
シドとβ−ジカルボニル化合物と有機又は無機酸とを生
成水を除去しながら反応させることによる5配位錫(I
V)モノキレート製造方法に関する。また、この発明
は、前記触媒を含有するオルガノポリシロキサン組成物
にも関する。
[従来の技術] ポリオルガノシロキサン組成物、特に単一包装型又は二
包装型(単一構成型又は二構成型)のRTV組成物(室温
加硫性組成物)を架橋させるための触媒として、多くの
錫化合物がすでに提唱されている。
最も広く用いられている化合物は、トリブチル錫モノオ
レエート、錫2−エチルヘキサノエートのような錫カル
ボキシレート又はジブチル錫ジラウレート及びジブチル
錫ジアセテートのようなジアルキル錫ジカルボキシレー
トである[ノール(Noll)の著書、「ケミストリー・ア
ンド・テクノロジー・オブ・シリコーンズ(Chemistry
and Technology of Silicones)」{アカデミック・プ
レス(Academic Press)社、1968年}、第2版、第337
頁を参照されたい]。
米国特許第3,186,963号に提唱されている錫触媒は、ジ
アルキルジアルコキシシランとジアルキル錫カルボキシ
レートとの反応生成物である。
ベルギー国特許第842,305号に提唱されている触媒は、
珪酸アルキル又はアルキルトリアルコキシシランとジブ
チル錫ジアセテートとの反応生成物である。
米国特許第3,708,467号には、ある種の錫塩と特定のチ
タンキレートとの混合物から成る、単一構成型組成物に
おける触媒系が記載されている。
最後に、中性の単一構成型組成物(米国特許第4,517,33
7号及び同第4,554,310号)又は単一構成型及び二構成型
組成物(ヨーロッパ特許出願公開第147,323号)の架橋
にジオルガノ錫ビス(β−ジケトン)を使用することが
記載されている。
ヨーロッパ特許出願公開第147,323号によって、単一構
成型組成物と二構成型組成物との両方に使用することの
できる錫触媒の研究においてかなりの進歩を達成するこ
とができたが、しかし、ジオルガノ錫ビス(β−ジケト
ネート)は、特に二構成型組成物の場合に、芯まで硬化
させるのが少々遅いということがわかった。
単一構成型組成物の場合に一般に生じる問題点は、主と
して、貯蔵安定性の問題、組成物の物理化学的特性(押
出適性、注型適性、硬化時間)の維持の問題及び網状構
造によるこれらの特性(機械的特性、硬度、伸び、引裂
強さ、接着性等)の維持の問題である。
当業者は、大気中の湿分にさらした時に表面を非常に迅
速に架橋させるのと同時に全体をできる限り完全に架橋
させる触媒であって、錫を存在させた場合に固有の網状
構造の分解反応を最小限に減らしながら低使用量で活性
である触媒を求めている。
二構成型組成物の場合にも、得られる網状構造に関して
単一構成型組成物の場合と同じ問題があり、さらに、開
放期間、即ち組成物を混合した後に硬化することなく使
用できる期間は、この組成物を使用するのに充分に長く
なければならず且つ製造後24時間以内に取扱うことので
きる成形品を製造するのに充分に短くなければならな
い。
従って、この触媒は触媒処理した混合物の開放期間と成
形品を取扱うことができるようになるまでの時間との間
の良好な折衷点を得ることを可能にしなければならな
い。さらに、この触媒は、触媒処理した混合物に貯蔵期
間の関数として変化することのない流延時間を付与しな
ければならない。
[発明の目的] 本発明の目的は、単一構成型及び二構成型オルガノポリ
シロキサンエラストマー組成物の工業的製造を合理化す
るために、単一構成型及び二構成型エラストマー組成物
の両方の架橋に使用することのできる触媒系を提供する
ことにある。
本発明の他の目的は、上記のタイプの触媒系であって、
両方の型のエラストマー組成物に共通の貯蔵、使用及び
架橋の要件を同時に満足すると共に、それぞれのエラス
トマー組成物が有する特定的な問題点をいずれの場合に
おいても二次的な悪影響を及ぼすことなく解消する触媒
系を提供することにある。
[発明の概要] これらの目的及び他の目的は、本発明によって達成され
る。本発明は事実上、 ・周囲温度においてすでに重縮合反応によってエラスト
マーに硬化し得るシリコーンベース組成物 及び ・触媒的に有効量の次式: の5配位錫(IV)モノキレート を含むオルガノポリシロキサン組成物に関する。
[発明の具体的な説明] 式(1)において、記号R1及びR2は同一であっても異な
っていてもよく、ハロゲン化された又はされていないC1
〜C18の1価の炭化水素系有機基を表わす。
より特定的には、この有機基には、次のものが包含され
る: ・ハロゲン化された又はされていないC1〜C18のアルキ
ル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t−ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、オ
クチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、クロルメチ
ル及び2,5−ジクロルエチル基; ・ハロゲン化された又はされていないC2〜C18のアルケ
ニル基、例えばビニル、アリル、メタリル、2−ブテニ
ル、2−ペンテニル、3−オクテニル、5−フルオル−
2−ペンテニル及びペンタデセニル基; ・ハロゲン化された又はされていないC4〜C10のシクロ
アルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、
メチルシクロヘキシル、シクロオクチル、3,4−ジクロ
ルシクロヘキシル及び2,6−ジブロムシクロヘプチル
基; ・ハロゲン化された又はされていないC6〜C15の単核ア
リール基、例えばフェニル、トリル、キシリル、クメニ
ル、クロルフェニル、ジクロルフェニル、トリクロルフ
ェニル、ジフルオルフェニル及びトリフルオルメチルフ
ェニル基; ・ハロゲン化された又はされていないC7〜C15の単核ア
リールアルキル基、例えばフェニルメチル、フェニルエ
チル、フエェニルプロピル及びトリフルオルメチルフェ
ニルエチル基。
式(1)において、記号R3及びR5は同一であっても異な
っていてもよく、ハロゲン化された若しくはされていな
いC1〜C4アルキル基又はハロゲン化された若しくはされ
ていないフェニル、トリル、キシリル若しくはクメニル
基を表わす。
式(1)において、記号R4は水素原子又はC1〜C3の炭化
水素基を表わす。
より特定的には、この基には、アルキル基、例えばメチ
ル、エチル及びプロピル基が包含される。
式(1)において、記号Xは式R6COO (ここで、記号R6はハロゲン化された若しくはされてい
ないC1〜C12アルキル基又はフェニル基を表わす) のモノカルボキシレート基である。
本出願人が知る限り、式(1)のモノキレートは新規の
化合物である。
これらモノキレートは、NMR(119Sn、13C及び1H核磁気
共鳴)分光分析法、重量分析法及びモスバウア(Mossba
uer)効果測定によって同定することができる。
しかしながら、現時点の分析技術の知識においては、
119SnNMR分析法、特に、「NMR分光分析年報(Annual Re
ports on NMR Spectro-scopy)」、第8巻(アカデミッ
ク・プレス社、1978年)、第291頁〜に発表されたピー
ター・J・スミス(Peter J.Smith)の論文:『有機錫
化合物における119Sn核の化学シフト(Chemical Shifts
of 119Sn Nuclei in Organotin Compounds)』に記載
されたような分析法が単独で、混合物中、特に反応混合
物中に存在する種々の錫化合物を識別し、これらのほと
んどの化合物の化学式を確認するのに充分に正確な方法
であるとわかった。119 SnNMRによって評価される基本パラメーターは、基準
物質(一般的にはテトラメチル錫)に対する百万分率
(ppm)で表わした化学シフトの値である。
この化学シフトの値は、錫が有する基の電気陰性度及び
錫原子の配位数の変化に特に敏感である。119SnNMRを用
いた有機錫誘導体の識別の特異的な研究は特に、A.G.デ
イビーズ(Davies)及びP.J.スミスにより「コンプリヘ
ンシブ・オルガノメタリック・ケミストリー11、錫(Co
mprehensive Organo-metallic Chemistry 11 Tin)」、
第523〜529頁に、そしてJ.オテラ(Otera)により「ジ
ャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー
(Journal of Organometallic Chemistry)」、第221
巻、第57〜61頁(1981年)に記載されている。
これらのモノキレートは、 ・次式:R1R2SnO (2) の錫オキシド、 ・次式: のβ−ジカルボニル化合物(以下においては、略式CHの
記号で表わす) 並びに ・次式:XH (4) の有機酸 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びXは前記の定義を持
つ) を反応させることによって得られる。
この反応は、溶媒なしで実施することもでき、有機溶媒
(例えばシクロヘキサン)中で使用した溶媒の還流温度
において水を除去しながら実施することもできる。
この合成方法によれば、式(3)及び(4)の出発物質
は、モル比(3)/(4)=0.01〜100、好ましくは0.1
〜10、さらにより好ましくは0.4〜2.5において反応させ
る。
さらに、化合物(2)は、(2)/[(3)+(4)]
のモル比が1/0.8〜1/3の範囲になるようにして用いられ
る。
本発明の方法は、単に出発物質(1)、(2)及び
(3)を密閉容器中で大気中の湿分の不在下で水を除去
しながら混合することによって実施される。この反応は
周囲温度においてすでに起こり得る。しかしながら、反
応速度を高め且つ(又は)生成水を除去し且つ(又は)
周囲温度において固体状の出発原料を可溶化させるため
には、反応混合物の温度を一般に70〜120℃の範囲の値
まで上げるのが望ましい。
生成水は、任意の既知の方法によって、特に反応混合物
を0.01〜10kPaの範囲の減圧下でこの真空度に応じて変
化する期間蒸留することによって除去することができ
る。
また、生成水は、使用した触媒の還流温度において共沸
蒸留によって除去することもできる。
本発明の別の態様によれば、式(2)、(3)及び
(4)の化合物の反応は、1工程ではなくて2工程で実
施してもよい。
第1の工程の際に、式(2)の錫オキシドを式(4)の
酸と反応させ、生成水を除去した後に次式(5): XR1R2SnOSnR1R2X (5) (式中、X、R1及びR2は前記の意味を持つ) のジスタノキサンを得る。
第2工程の際に、式(5)のジスタノキサンを式(3)
のβ−ジカルボニル化合物と反応させ、生成水を除去し
た後に、式(1)の錫モノキレートを含む所望の反応混
合物が得られる。
これら2工程の実施条件は、1工程法の場合に用いるこ
とのできるものと同様である。
モル比(2)/(4)は、1と同等又はそれに非常に近
い値であるのが好ましく、モル比(5)/(3)は一般
的に1〜1.5の範囲である。
使用することのできる式(2)の錫オキシドの具体例と
しては、ジメチル錫オキシド、ジエチル錫オキシド、ジ
プロピル錫オキシド、ジブチル錫オキシド、ジ(2−エ
チルヘキシル)錫オキシド、ジラウリル錫オキシド、ジ
プロペニル錫オキシド、ジフェニル錫オキシド、ジトリ
ル錫オキシド、メチルエチル錫オキシド及びフェニルブ
チル錫オキシドを挙げることができる。
本発明に従う方法において使用することのできる式
(3)のβ−ジケトンの例としては、2,4−ヘプタンジ
オン、ベンゾイルアセトン、1−ベンゾイル−4−メチ
ル−2−ペンタノン、2−アリル−1−フェニル−1,3
−ブタンジオン、ジベンゾイルメタン、アセチルアセト
ン及び1,1,1−トリフルオル−3−ベンゾイルアセトン
を挙げることができる。
式(3)のこれら種々のβ−ジケトンは、R.アダムス
(Adams)らによって「オルガニック・リアクションズ
(Organic Reactions)」、1954年版、第VIII巻、第59
頁〜に記載された方法のような、種々の公知の方法によ
って慣用的に製造される。ある種のより特定的な合成
は、M.J.クレイマーズ(Kramers)によって「レキュイ
・デ・トラボー・シミーク・デ・ペイバ(Recueil des
Travaux Chimiques des Pays-Bas)(オランダ化学研究
論文集)」、第16巻(1897年)、第116頁〜に、G.T.モ
ーガン(Morgan)らによって「ジャーナル・オブ・ザ・
ケミカル・ソサエティー(Journal of the Chemical So
ciety)」、第127巻(1925年)、第2891頁〜に、又はR.
ロビンソン(Robinson)及びE.セイジョー(Seijo)に
よって「ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティ
ー」、1941年版、第1582頁〜に記載されている。
本発明の範囲内で使用することのできる式(4)の酸の
具体例としては、以下のものを挙げることができる: ・飽和酸、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イ
ソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバリン酸、ラウリン
酸、2−エチルヘキサン酸及びベルサチン酸{versatic
acid、登録商標名;これは、全体として同じ数(一般
的に8〜12個の範囲)の炭素原子を含有する飽和第3級
モノカルボン酸の混合物である}; ・環状カルボン酸、例えば安息香酸。
式(1)のモノキレートは、実質的に純粋な状態で得ら
れることもあり、出発物質及び(又は)反応副生成物と
の平衡状態で得られることもあり、後者の場合でも、こ
の平衡状態の反応混合物をシリコーンベース組成物を硬
化させるのに触媒的に有効量で使用することができると
いうことが本発明によって示された。119 SnNMRを用いて、一般にこの平衡状態の反応混合物
が、錫化合物として、5配位モノキレートR1R2SnCXに加
えて、ジスタノキサンXR1R2SnOSnR1R2X、ジオルガノ錫
ジカルボキシレート又はジハライドR1R2SnX2,及びジオ
ルガノ錫ビスキレートR1R2SnC2を含有することがわかっ
た。出発物質の(3)/(4)のモル比0.5〜1.5の範囲
及び(2)/[(3)+(4)]のモル比1/1〜1/2.5の
範囲を用いた場合、金属錫のグラム原子数で計算した反
応混合物の成分の濃度(モル%)は主として次の通りで
ある: R1R2SnCX・・・ 30〜95 R1R2SnX2・・・ 30〜5 R1R2SnC2・・・ 30〜0 XR1R2SnOSnR1R2X・・・ 10〜0。
本明細書において百分率及び部は、特に記載がない限り
重量によるものとする。
式(1)のモノキレート又は前記の平衡状態の反応混合
物(以下においては、これらを本発明に従う錫触媒と呼
ぶ)は、密閉容器中で周囲温度において貯蔵時に安定で
ある。
この触媒は、周囲温度においてすでにオルガノポリシロ
キサンベース組成物をシリコーンエラストマーに硬化さ
せ又はこれを促進するのに用いられる。
重縮合反応によって硬化(架橋)するこれらのベース組
成物は公知である。これらは、触媒処理、大抵の場合カ
ルボン酸の金属誘導体によって処理した後に、シール、
撥水性被膜、成形型、塗料材料の製造;極めて広範な材
料の接着及び組立て;有機及び無機繊維の被覆等に使用
される。
これらのベース組成物は特に多くの特許に詳細に記載さ
れており、商品として入手できる。
これらのシリコーンベース組成物は単一構成型(即ち1
つの包装体に包装された形)、即ち湿分の不在下で貯蔵
安定性であり且つ湿分の存在下、特に周囲の空気により
又は使用する際にベース組成物内で発生する水により供
給される湿分の存在下で硬化し得るものであってよい。
単一構成型のベース組成物は一般に下記に詳細に記載す
るような3つのタイプのものであり、触媒的に有効量の
式(1)のモノキレート又は式(1)の化合物を含有す
る平衡混合物を導入することによって触媒作用を受け
る。触媒的に有効量とは、単一構成型ベース組成物100
部につき約0.0001〜5部、好ましくは0.01〜3部であ
る。
単一構成型ベース組成物のほかに、錫触媒を導入すると
すぐに硬化する二構成型ベース組成物(即ち2つの包装
体に包装されたもの)を使用することもできる。これら
は2つの別々の画分として包装され、これら画分の一方
には、例えば錫触媒のみ又はこの触媒と架橋剤との混合
物を含有させることができる。
二構成型ベース組成物の場合の錫触媒の触媒的に有効量
は、二構成型ベース組成物100部につき約0.01〜10部、
好ましくは0.1〜5部である。
前記したように、重縮合反応によって硬化(架橋)する
単一構成型及び二構成型シリコーンベース組成物は文献
中に詳細に記載されており、商品として入手できる。
これらベース組成物は一般的に次の成分から製造され
る: A.25℃において500〜1,000,000mPa・sの粘度を有し、
(R2)SiO(ここで、記号Rは同一であっても異なって
いてもよく、1〜10個の炭素原子を含有し且つ随意にハ
ロゲン原子又はシアノ基で置換された炭化水素基を表わ
す)単位の連続より成るα,ω−ジヒドロキシポリジオ
ルガノシロキサン:100部 B.珪素原子に結合した加水分解し得る基を1分子当りに
2個以上含有する有機珪素化合物から選択される架橋
剤:0.5〜20部 C.無機充填剤:0〜250部 D.接着促進剤:0〜20部。
上記基Rは一般的に、メチル、エチル、プロピル、フェ
ニル、ビニル及び3,3,3−トリフルオルプロピル基から
選択され、但し基Rの少なくとも80%はメチル基であ
る。
第1のタイプの単一構成型ベース組成物は、ポリマーA
と次式: RaSi(Z)4-a (6) (式中、RはポリマーAについて前記した意味を持ち、 Zは一般的にN−置換アミノ、N−置換アミド、N,N−
二置換アミノキシ、ケチミノキシ、アルジミノキシ、ア
ルコキシ、アルコキシアルキレノキシ、エノキシ及びア
シルオキシ基から選択される加水分解し得る基であり、 aは0又は1を表わす) のシランである架橋剤Bとを混合することによって得ら
れるものである。
この種の単一構成型ベース組成物は、特にヨーロッパ特
許出願公開141,685号及び同第147,323号に詳細に記載さ
れている。
最も広く用いられている組成物はZがアシルオキシ及び
ケチミノキシ基であるものであり、これらは特にヨーロ
ッパ特許出願公開第102,268号により詳細に記載されて
いる。
ヨーロッパ特許出願公開第118,325号及び同第117,772号
にはZがアシルオキシ基である二構成型流動性組成物が
記載されており、この組成物においては、アルカリ土類
金属の水酸化物又は燐酸塩を添加することによって架橋
が促進される。
第2のタイプの単一構成型ベース組成物によれば、出発
点はAとBとの混合物ではなくてAとBとの反応生成物
A1である。一般的に、加水分解し得る基はエルコキシ基
であり、組成物は官能性ポリマーA1100部につき0〜15
部の架橋剤Bを追加的に含有する。
AとBとの反応は、有機アミン(米国特許第3,542,901
号)、有機チタン誘導体(米国特許第4,111,890号)、
カルバメート(ヨーロッパ特許出願公開第210,402号)
及びN,N−二置換ヒドロキシルアミン(ヨーロッパ特許
出願公開第70,786号)のような種々の触媒の存在下にお
いて行なうことができる。
これらの単一構成型ベース組成物に対して、 ・アミノ、ウレイド、イソシアネート、エポキシ、アル
ケニル、イソシアヌレート、ヒダントイル、グアニジノ
及びメルカプトエステル基より成る群から選択される基
で置換された有機基並びに ・加水分解し得る基(一般的には珪素原子に結合したア
ルコキシ基) を同時に含有する有機珪素化合物から選択される接着促
進剤Dを添加することができる。このような接着促進剤
の例は、米国特許第3,517,001号、同第4,115,356号、同
第4,180,642号、同第4,273,698号、同第4,356,116号、
ヨーロッパ特許出願公開第31,996号及び同第74,001号に
記載されている。
第3のタイプの単一構成型ベース組成物は、ポリマーA1
00部、式(6)においてZ=アルコキシ又はアルコキシ
アルキレノキシであるポリアルコキシシランである架橋
剤B0.5〜20部、無機充填剤0〜250部及び下記から選択
される化合物D10.5〜15部を混合することによって製造
されるものである: D1-a:水性媒体中で5より小さいpKbを有する第1級有
機アミン、Si-C結合によって珪素原子に結合したC1〜C
15の有機基であって少なくとも1個のアミノ基と少なく
とも1個のC1〜C5のアルコキシ又はC3〜C6のアルコキシ
アルキレノキシ基とで置換された前記有機基を1分子に
つき少なくとも1個含有するアミノオルガノシラン及び
アミノオルガノポリシロキサン D1-b:オルガノキシ及び(又は)β−ジケトナト基を有
する有機チタン及びジルコニウム誘導体。
D1-aを含有する単一構成型ベース組成物はヨーロッパ特
許出願公開第21,859号に記載されており、D1-bを含有す
るものは仏国特許第2,121,289号及び同第2,121,631号に
記載されている。
二構成型ベース組成物は、 a)ポリマー(A): 100部 b)式(6)のシラン及び式(6)のシランの部分加水
分解生成物から選択される架橋剤: 1〜20部 c)無機充填剤: 0〜150部 並びに d)接着促進剤: 0〜20部 を混合することによって形成される。
これらの組成物は公知である。これらは、特にヨーロッ
パ特許出願公開第10,478号、同第50,358号、同第184,96
6号、米国特許第3,801,572号及び同第3,888,815号に記
載されている。
用いられる接着促進剤は、単一構成型ベース組成物の場
合に用いられるシランD及びモルホリノ基(ヨーロッパ
特許出願公開第184,966号)又は第3級窒素原子を有す
る有機基(米国特許第3,801,572号及び同第3,888,815
号)を含有するシランである。
式(6)のアルコキシシランの部分加水分解生成物(通
常、ポリ珪酸アルキルと呼ばれる)は公知の化合物であ
り、トルエン、キシレン、シクロヘキサン及びメチルシ
クロヘキサンのような慣用の炭化水素溶媒に溶解する特
性を示す。最も広く用いられる化合物は、シリカ含有率
40%(エトキシ基全部を加水分解した後に得られる値)
を有するエチルポリシリケート40(登録商標名)であ
る。
単一構成及び二構成型ベース組成物の場合に用いられる
無機充填剤C及びc)は、平均粒径0.1μm以下の非常
に微細に粉砕された生成物である。これら充填剤には、
燃焼シリカ及び沈降法シリカが包含される。これらのBE
T比表面積は一般に40m2/gより大きい。
これら充填剤は、所望ならば、平均粒径が0.1μmより
大きいより粗大な生成物の形にあってもよい。このよう
な充填剤の例としては、石英粉末、珪藻土シリカ、炭酸
カルシウム、焼成クレー、ルチル型酸化チタン、酸化
鉄、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化マ
グネシウム、種々の形のアルミナ(水和物又はその他の
もの)、窒化硼素、リトポン、メタ硼酸バリウム、硫酸
バリウム及びバロチーニを挙げることができる。これら
の比表面積は一般に30m2/g以下である。
これらの充填剤は、種々の有機珪素化合物で処理するこ
とによって表面改質されていてよい。この有機珪素化合
物はこの目的に慣用的に用いられるものであり、しかし
て、これらはオルガノクロルシラン、ジオルガノシクロ
ポリシロキサン、ヘキサオルガノジシロキサン、ヘキサ
オルガノジシラザン又はジオルガノシクロポリシラザン
(仏国特許第1,126,884号、同第1,136,885号、同第1,23
6,505号及び英国特許第1,024,234号)であってよい。こ
の処理された充填剤は、大抵の場合、それらの重量の3
〜30%の有機珪素化合物を含有する。
これら充填剤は、粒子寸法分布の異なる多種の充填剤の
混合物から成っていてよい。しかして、例えばこれら
は、40m2/gより大きいBET比表面積を有する微細粉砕シ
リカ30〜70%と30m2/g以下の比表面積を有する粗大粉砕
シリカ70〜30%とから成っていてよい。
本発明に従う錫触媒は、式(6)の架橋剤Bが式R7O及
びR7OTO(ここで、R7はC1〜C4のアルキル基であり、T
はC2〜C4のアルキレン基である)のアルコキシ及びアル
コキシアルキレノキシ基から選択される同一であっても
異なっていてもよい基Zを含有するような単一構成型及
び二構成型シリコーンベース組成物の場合に、特に有効
である。
さらに、シリコーンベース組成物が2つの構成体を有す
る場合、架橋剤(B)の部分加水分解生成物を使用する
ことができる。
単一構成型及び二構成型ベース組成物の基本成分、即ち (1)ヒドロキシル基及び(又は)アルコキシ基で鎖部
の末端をブロックされたジオルガノポリシロキサンポリ
マーA及び(又は)A1 (2)加水分解し得る基を有する有機珪素架橋剤B (3)無機充填剤 並びに (4)接着促進剤D に加えて、他の成分を導入することができる。
これら他の成分には、本発明に従う組成物(ベース組成
物と錫触媒とを混合することによって形成されるもの)
の物理的特性及び(又は)これら組成物を用いて得られ
るシリコーンエラストマーの機械的特性に影響を及ぼし
得る有機珪素化合物(主にポリマー)が包含される。
これらの化合物は公知であり、例えば以下のものが包含
される: ・25℃において少なくとも10mPa・sの粘度を有する
α,ω−ビス(トリオルガノシロキシ)ジオルガノポリ
シロキサンポリマーであって、珪素原子に結合した有機
基がメチル、ビニル及びフェニル基から選択され、好ま
しくはこの基の少なくとも80%がメチル基であり且つ3
%以下がビニル基であるもの(好ましくは、25℃におい
て10〜1,500mPa・sの粘度を有するα,ω−ビス(トリ
メチルシロキシ)ジメチルポリシロキサンオイルが用い
られる); ・珪素原子に結合したヒドロキシル基0.1〜8%を含有
し且つ(CH33SiO0.5、(CH32SiO及びCH3SiO1.5の単
位から成る液状の分岐鎖状メチルポリシロキサンポリマ
ーであって、比(CH33SiO0.5/(CH32SiOが0.01〜
0.15になり且つ比CH3SiO1.5/(CH32SiOが0.1〜1.5に
なるようにこれら単位が分布されたもの; ・25℃において10〜300mPa・sの粘度を有するα,ω−
ジ(ヒドロキシ)ジメチルポリシロキサンオイル及び25
℃において200〜5,000mPa・sの粘度を有するα,ω−
ジ(ヒドロキシ)メチルフェニルポリシロキサンオイ
ル; 並びに ・ジフェニルシランジオール及び1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサンジオール。
上記のα,ω−ビス(トリオルガノシロキシ)ジオルガ
ノポリシロキサンポリマーの全部又は一部を、ベース組
成物の各成分に対して不活性であり且つ少なくともジオ
ルガノポリシロキサンポリマーA又はA1と混和性である
有機化合物に置き換えることもできる。これら有機化合
物の具体例としては、鉱油;石油留分;ベンゼンを長鎖
オレフィン(特にプロピレン重合によって得られる12個
の炭素原子を含有するオレフィン)でアルキル化するこ
とによって得られるポリアルキルベンゼンを挙げること
ができる。この種の有機化合物は、例えば、仏国特許第
2,392,476号及び同第2,446,849号に記載されている。
上記の有機珪素化合物はそれぞれ、ジオルガノポリシロ
キサンA又はA1100部につき1〜150部、好ましくは3〜
75部の割合で使用することができる。
また、有機珪素化合物でない成分、例えば熱安定化剤も
導入することができる。これらの化合物はシリコーンエ
ラストマーの耐熱性を改善する。これらはカルボン酸
塩、希土類の酸化物及び水酸化物、特にセリウムの酸化
物及び水酸化物、燃焼二酸化チタン並びに各種酸化鉄か
ら選択することができる。ジオルガノポリシロキサンA
又はA1100部につき0.1〜15部、好ましくは0.15〜12部の
熱安定化剤が有利に使用される。
本発明に従う組成物を製造するには、単一構成型組成物
の場合、所望により上記の助剤及び添加剤を添加した各
種の基本成分を湿分の不在下で加熱し又は加熱せずに緊
密に混合することのできる装置を使用する必要がある。
これら全部の成分は、任意の添加順序で装置内に装入す
ることができる。しかして、初めにジオルガノポリシロ
キサンポリマーA又はA1と充填剤Cとを混合し、次いで
得られたペーストに架橋剤B、化合物D及び錫触媒を添
加することができる。
また、ポリマーA又はA1、架橋剤B及び化合物Dを混合
し、次いで充填剤C及び錫触媒を添加することもでき
る。これらの操作の際に、水及び低分子量ポリマーのよ
うな揮発性物質の除去を促進するために、この混合物を
大気圧又は減圧下で50〜180℃の範囲の温度に加熱する
ことができる。
こうして製造された組成物は、そのまま使用することも
でき、有機希釈剤中の分散体の形で使用することもでき
る。これら希釈剤は好ましくは、下記のものから選択さ
れる慣用的な市販の製品である: ・ハロゲン化された又はされていない脂肪族、脂環式又
は芳香族炭化水素、例えばn−ヘプタン、n−オクタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、クメン、テトラリン、デカ
リン、ペルクロルエチレン、トリクロルエタン、テトラ
クロルエタン、クロルベンゼン及びo−ジクロルベンゼ
ン; ・脂肪族及び脂環式ケトン、例えばメチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びイ
ソホロン; ・エステル、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル及びエチル
グリコールアセテート。
希釈剤の導入量は、支持体上に容易に流延する安定な分
散体を生成するのに充分な量でなければならない。これ
らの量は主として初期のオルガノポリシロキサン組成物
の性質及び粘度に依存する。従って、これらは広い範囲
内で変化し得る。しかしながら、15〜85重量%の希釈剤
を含有する分散体を製造することが推奨される。
そのまま(即ち希釈せずに)又は希釈剤中の分散体の形
で使用される本発明の単一構成型組成物は、水の不在下
で貯蔵安定性であり且つ水の存在下で周囲温度において
(分散体の場合には溶媒を除去した後に)硬化してエラ
ストマーになる。
組成物をそのまま固体支持体上へ湿った雰囲気中で付着
させた後、アラストマーへの硬化が開始して付着物質の
外側から内部に向かって進行する過程が見られる。最初
に表皮層が形成し、次いで深部で架橋する。
表面が指触非粘着性であることによって示される表皮層
の完全な形成には、1分〜55分の範囲の時間が必要であ
る。この時間は、組成物の周囲雰囲気の相対湿度及びこ
の組成物の架橋し易さに依存する。
さらに、付着させた層の深部における硬化(これは、生
成したエラストマーを離型させ且つ取扱うのに充分でな
ければならない)には、より長い時間が必要である。こ
の期間は、実際、指触非粘着性の形成の場合に前記した
ファクターばかりでなく、付着層の厚さ(この厚さは一
般に0.5mm〜数cmの範囲に渡る)にも依存する。このよ
り長い時間は、10分〜20時間の範囲内であり得る。
単一構成型組成物は、建築産業におけるシール;極めて
広範な種類の材料(金属、プラスチック、天然及び合成
ゴム、木材、厚紙、陶器、煉瓦、セラミック、ガラス、
石材、コンクリート、組積造成分)の組み立て;電気導
体の絶縁;電子回路の被覆;並びに合成樹脂又はフォー
ムから成る物品の製造に用いられる成形用の型の製造の
ような多くの用途に使用することができる。
これら組成物を希釈剤中に分散させた前記分散体は、無
機、合成、有機、金属、織又は不織製品及び物品の薄層
含浸、並びに金属、プラスチック又はセルロースシート
の被覆に使用することができる。付着層は、例えば浸漬
することによって又は噴霧することによって製造するこ
とができる。噴霧の場合、厚さ5〜300μmの均一皮膜
を製造するスプレーガンが使用される。分散体を噴霧し
た後に、希釈剤が蒸発し、残った組成物が硬化してゴム
状フィルムになる。
また、本発明に従う二構成型組成物の製造も、好適な装
置中で各種成分を混合することによって実施される。均
質組成物を得るためには、初めにポリマーAと充填剤C
とを混合するのが好ましい。充填剤をオイルによって完
全に湿潤させるために、この組合せ物を少なくとも30分
間、80℃以上の温度に加熱してもよい。得られた混合物
に、好ましくは80℃より低い温度、例えばほぼ周囲温度
において、他の成分、即ち架橋剤B、有機錫誘導体並び
に随意としての各種添加剤及び助剤、そして水さえも添
加することができる。
この種の組成物は貯蔵安定性ではなく、従って例えば40
分以内に迅速に使用しなければならない。
上記の各種添加剤及び助剤は、単一構成型組成物に導入
されるものと同一である。この場合にも特に、25℃にお
いて少なくとも10mPa・sの粘度を有するα,ω−ビス
(トリオルガノシロキシ)ジオルガノポリシロキサンポ
リマーであって珪素原子に結合した有機基がメチル、ビ
ニル及びフェニル基から選択されるものを挙げる必要が
ある。一般的には、好ましくは25℃において20〜1,000m
Pa・sの粘度を有するα,ω‐(トリメチルシロキシ)
ジメチルポリシロキサンオイルが、ポリマーA100部につ
き150部を越えない割合で用いられる。
厚さが例えば2cm以上である厚い層として用いられる二
構成型組成物の硬化を促進するためには、ポリマーA100
部につき1部を越えない割合で水を導入することが推奨
される。
この水の添加は、充填剤Cが水を充分に含有している場
合には不必要である。水の混入を容易にするためには、
例えば前記のα,ω−ビス(トリオルガノシロキシ)ジ
オルガノポリシロキサンオイルと充填剤Cとから成るペ
ースト中に分散させた形で水を添加するのが好ましい。
従って、包装及び貯蔵のためには、二構成型組成物に基
本成分、即ちポリマーA、架橋剤B、充填剤C及び錫触
媒Eの全部を含有させることはできない。工業的規模の
場合、これらはそれぞれが貯蔵安定性である2つの構成
体の形で製造されなければならない。
第1の貯蔵安定性構成体は、例えば成分A、B及びCを
含むことができる。これは、ポリマーAと充填剤Cとを
配合することによって製造した均質混合物に架橋剤Bを
導入することによって製造するのが好ましい。
この場合、第2の構成体は錫触媒を含有する。
二構成型組成物を示す他の態様には、例えば、第1の構
成体がポリマーA及び充填剤Cを含有し且つ第2の構成
体が架橋剤B及び錫触媒を含有するものがある。
多くの用途において、混合した時に例えば25℃において
10,000〜800,000mPa・sの粘度を有する組成物を容易に
形成するように、2つの構成体がそれぞれ充分に流動性
であるのが好ましい。
2つの構成体を混合した後に少なくとも40分間、好まし
くは少なくとも80分間充分な流動性を維持する組成物
は、特にシリコーンエラストマー製の成形型の製造に用
いることができる。しかしながら、このような組成物
は、電子機器の被覆及び金属表面又は繊維若しくはセル
ロース基材の被覆のような他の用途に使用することもで
きる。
前記の製造された型は、有機ポリマーから成る気泡材料
又はその他の材料から製造される製品を複製するのに用
いられる。前記材料の中では、ポリウレタン、ポリエス
テル、ポリアミド及びポリ塩化ビニルを挙げることがで
きる。しかしながら、これらの型は、ポリウレタン材料
を製造するのに用いられる混合物の成分(特にポリイソ
シアネート)による侵食に対して充分に耐性があるの
で、ポリウレタン製品の複製に使用することが推奨され
る。
[発明の効果] 少なくとも部分的に錫キレートから成る本発明に従う触
媒を導入することによって、単一構成型及び二構成型組
成物の場合に最良の使用条件を得ることができる。従っ
て、組成物の配合後の時間経過及び貯蔵時間に依存せず
に経時的に安定な引張特性及び安定な使用特性を有する
エラストマーが得られる。
[実施例] 例1 中央撹拌機、冷却管及び温度計を備えた250mlの三つ口
丸底フラスコ内に、ジブチル錫オキシド0.1モル、ラウ
リン酸0.1モル(20.1g)、1−ベンゾイル−4−メチル
−2−ペンタノン21.33g及びシクロヘキサン130mlを順
次導入した。
この混合物を窒素雰囲気下で2時間加熱還流し、次いで
反応混合物が90℃になるまで大部分のシクロヘキサンを
留去させた。
シクロヘキサン100ml及び水2mlが採集された。
次いで、この反応混合物をロータリーエバポレーター中
で0.28kPaの圧力下、70℃において30分間濃縮して、明
黄色液体65gが得られた。これは、前記のピーター・J
・スミスによって報告された方法を用いる119SnNMRによ
って測定して53モル%(金属錫のグラム原子数で計算し
て)の5配位錫モノキレートを含有していた。
例2〜16 反応成分及び(又は)それらの導入量を変化させたこと
以外は、例1の操作方法を忠実に繰り返した。
得られた結果を下記の表1にまとめる。
この反応は、次のような式で表わすことができる: aR1R2SnO+bXH+cCH R1R2SnCX+R1R2SnC2+R1R2SnX2+H2O a、b及びcは、R2SnO、XH及びCHのそれぞれの導入モ
ル量である。
各例において導入したXH(酸)及びCHに関する表1中の
記号は、次の化合物を表わす: XH1:ラウリン酸 XH2:ベルサチン酸 XH3:ピバリン酸 XH4:2−エチルヘキサン酸 XH5:酢酸 XH6:安息香酸 XH7:クロル酢酸 CH1:1−ベンゾイル−4−メチル−2−ペンタノン CH2:アセチルアセトン CH3:ジベンゾイルメタン CH4:1,1,1−トリフルオル−3−ベンゾイルアセトン 表1において、PR1、PR2、PR3、及びPR4の欄は、反応混
合物中に存在する生成物について金属錫のグラム原子数
で計算したモル%を表わす。また、これらの記号PR1、P
R2、PR3、及びPR4は、次のものを表わす: PR1:R1R2SnCX PR2:R1R2SnX2 PR3:R1R2SnC2 PR4:XR1R2SnOSnR1R2X。
例1及び例6〜10において得られた生成物についての
119Sn−NMRデータは次の通りだった。
混合物中に存在する各種の錫化合物の構造は、従来公知
の錫化合物、特に前記したデイビーズ、スミス及びオテ
ラの文献中に記載された錫化合物について得られた化学
シフトの値(ppm)と本発明において得られた値とを比
較することによって導き出された。
これらの物質は、13C−NMR及び1H−NMR分析によって特
性決定することもできた。例えば、例1の生成物につい
ての1H−NMR分析(CDCl3使用)の結果は次の通りだっ
た。
例17 中央撹拌機、冷却管及び温度計を備えた1の三つ口丸
底フラスコ内に、ジ−n−オクチル錫オキシド1モル
(360g)、1−ベンゾイル−4−メチル−2−ペンタノ
ン1.2モル(244.8g)及び2−エチルヘキサン酸0.9モル
(129g)を装入した。
次の物理化学的特性を有する透明な黄色のオイルが得ら
れた: 25℃における粘度:163mPa・s 25℃における相対密度:1.081 25℃における屈折率:1.521 例18〜20 実施した操作は、反応成分のモル比a、b及びcを変え
たこと以外は例16と同じである。得られた結果を下記の
表2にまとめる。表中、R1、R2、a、XH、b、CH、c、
PR1、PR2、PR3及びPR4は表1におけるのと同じ意味を持
つ。
例21(比較例)及び例22〜26 下記のものを混合することによって組成物P1を製造し
た: ・25℃において10,000mPa・sの粘度を有するα,ω−
ジヒドロキシジメチルポリシロキサンオイル:100部 ・25℃において800mPa・sの粘度を有するα,ω−ビス
(トリメチルシロキシ)ジメチルポリシロキサンオイ
ル:70部 ・300m2/gの比表面積を有し且つヘキサメチルジシラザ
ンで処理した燃焼シリカ:55部 ・平均粒径5μmの石英粉末: 50部 及び ・前記の25℃において10,000mPa・sの粘度を有する
α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサンオイル90
部と150m2/gの比表面積を有する燃焼シリカ5部と水5
部とから成るペースト:10部。
この組成物P1を、上記の例の主題を構成するある種の触
媒と部分加水分解した珪酸エチルとを含有する架橋系を
用いて触媒処理した。
組成物P1100部を、触媒17.5重量%と部分加水分解した
珪酸エチル82.5重量%とから成る架橋系2部と混合する
ことによって、組成物P1を触媒処理した。この架橋系
は、新たに製造したもの(Δt=0)をそのままで、又
は70℃において72、168及び336時間の期間Δt老化させ
た後に使用した。
次いで、触媒処理した組成物の流延時間stを、この組成
物がそれ自体の重量の下で流延し且つ従ってこれを注入
する容器の内部空間の形状に適合するのに充分な流動状
態を維持する時間を記録することによって測定した。
この流延適性を評価するのに用いた試験は次の通りであ
る: 直径4cmの円筒状のアルミニウム製カプセル内に、新た
に触媒処理した組成物15gを注入する。5分を越えない
時間の後に、その表面が完全に水平にならなければなら
ない。
この触媒処理した組成物は、周囲温度において数時間後
にシリコーンエラストマーに転化する。この触媒処理し
た組成物の製造の24時間(1日)及び96時間(4日)後
に、生成されたエラストマーのショアーA硬度を測定す
る。流延時間st(分)及びショアーA硬度の値(SAH1
びSAH2)に関する結果を下記の表3にまとめる。
比較例における触媒は、ジ−n−オクチル錫ジ−2−エ
チルヘキサノエートである。
本発明に従う触媒は、対照用触媒とは違って、架橋系を
長期間老化させた後においてさえも、シリコーンエラス
トマーに充分な硬度及び流延時間を付与するということ
がわかった。
例27(比較例)及び例28 例27において対照例として使用した触媒がジ(n−オク
チル)−錫ジラウレートであり且つ例28における触媒が
例15において合成したものであること以外は、前記例21
〜26の操作方法を繰り返した。
得られた結果を、下記の表4にまとめる。
例28において使用した触媒は例27の対照用触媒と比較し
て、長期間老化させた後においてさえも、シリコーンエ
ラストマーに充分な硬度及び流延時間を付与するという
ことがわかった。
例29(比較例)及び例30〜32 これらの例の目的は、例21に記載の組成物P1100部を触
媒17.5重量%及び部分加水分解した珪酸エチル82.5重量
%から成る架橋系5部で触媒処理することによって得ら
れたエラストマーの良好な自然老化挙動を示すことであ
る。
触媒処理した組成物を厚さ2mmの層の形でポリエチレン
製のプラックの上に付着させた。周囲雰囲気において24
時間放置した後に、得られたエラストマーフィルムを離
型し、20℃においてさまざまな時間(月)老化させた。
上記の老化させたフィルムのショアーA硬度及び引裂抵
抗TN(kN/m)を測定した。
その結果を下記の表5にまとめる。比較例29における対
照用触媒は、ジ−n−オクチル錫ジ−2−エチルヘキサ
ノエートである。
表5から、本発明に従う触媒によってエラストマーの良
好な安定性が得られるということがわかる。
例33(比較例)及び例34 以下のものを混練機中で粉砕する: ・25℃において70,000mPa・sの粘度を有するα,ω−
ジヒドロキシジメチルポリシロキサンオイル:100部 ・25℃において100mPa・sの粘度を有するビス(トリメ
チルシロキシ)ジメチルポリシロキサンオイル:20部 ・平均粒径5μmの炭酸カルシウム:130部 ・比表面積150m2/gの燃焼シリカ:10部。
この混合物が均質になったらこれに、下記の成分を混合
することによって製造した溶液全部を添加する: ・式Si(OCH2CH2OC2H54のシラン:5.5部 ・式(CH3O)3Si(CH23NHCH2CH2NH2のシラン:2.5部 ・前記の例16の方法に従って製造した有機錫誘導体:0.
040部。
こうして得られた単一構成型組成物を、密閉したアルミ
ニウム管中で湿分の不在下で貯蔵した(例34)。
使用した有機錫誘導体がジブチル錫ジラウレートのみで
あること及びその使用量は同一、即ち0.040部であるこ
と以外は同一の方法で、他の組成物を製造した(比較用
の例33)。この組成物もまた密閉したアルミニウム管中
に包装した。
これら両方の組成物の貯蔵安定性を検査した。この目的
のために、これら組成物を含有する管を100℃に加熱さ
れたオーブン中に72時間放置時間放置した。
次いでこれらの管を冷却し、その内容物(並びに、これ
らと同様の組成物を装入して加熱せずに周囲温度におい
て1か月間貯蔵した間の内容物)を、ポリテトラフルオ
ルエチレン製のプレート上に開放空気中で厚さ2mmの層
の形で流延させた。付着層はゴム状フィルムに変化し
た。層付着の24時間後にエラストマーフィルムを分離
し、周囲温度において7日間老化させた後にこのエラス
トマーの引張特性を測定した。
その結果を下記の表6にまとめる。
この引張特性の値を検討すると、これら特性を経時的に
保持するためには、ジ−n−ブチル錫ジラウレート単独
よりもむしろ本発明に従う触媒混合物を使用するのが有
利であるということがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−202152(JP,A) 特開 昭60−228560(JP,A) 米国特許3186963(US,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式: {式中、記号R1及びR2は同一であっても異なっていても
    よく、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C18
    化水素基を表わし、 記号R3及びR5は同一であっても異なっていてもよく、ハ
    ロゲン化された若しくはされていないC1〜C4アルキル基
    又はハロゲン化された若しくはされていないフェニル、
    トリル、キシリル若しくはクメニル基を表わし、 記号R4は水素原子又はC1〜C3炭化水素基を表わし、 記号Xは式R6COO (ここで、記号R6はハロゲン化された若しくはされてい
    ないC1〜C12アルキル基又はフェニル基を表わす) のモノカルボキシレート基である} の5配位錫(IV)モノキレート。
  2. 【請求項2】・次式: R1R2SnO (2) の錫オキシド、 ・次式: のβ−ジカルボニル化合物 並びに ・次式:XH (4) の有機酸 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びXは、特許請求の範囲
    第1項記載の定義を持つ) を生成水を除去しながら反応させることによって特許請
    求の範囲第1項記載の錫モノキレートを製造する方法。
  3. 【請求項3】第1の工程の際に、式(2)の化合物と式
    (4)の化合物とを反応させて水を除去した後に次式: XR1R2SnOSnR1R2X (5) のジスタノキサンを得て、 第2工程の際に、式(5)のジスタノキサンを、水を除
    去しながら式(3)のβ−ジカルボニル化合物と反応さ
    せることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の方
    法。
  4. 【請求項4】重縮合反応によってシリコーンエラスト
    マーに硬化し得るベース組成物と、 特許請求の範囲第1項記載の式(1)のモノキレート
    及び特許請求の範囲第2又は3項記載の方法を用いて得
    られる反応生成物から選択される触媒的に有効量の触媒
    とを含有するオルガノポリシロキサン組成物。
  5. 【請求項5】前記ベース組成物が A.25℃において500〜1,000,000mPa・sの粘度を有し、
    (R2)SiO(ここで、記号Rは同一であっても異なって
    いてもよく、1〜10個の炭素原子を含有し且つ随意にハ
    ロゲン原子又はシアノ基で置換された炭化水素基を表わ
    す)単位の連続より成るα,ω−ジヒドロキシポリジオ
    ルガノシロキサンポリマー:100部 B.珪素原子に結合した加水分解し得る基を1分子当りに
    2個以上含有する有機珪素化合物から選択される架橋
    剤: 0.5〜20部 C.無機充填剤: 0〜250部 D.接着促進剤: 0〜20部 を含有することを特徴とする特許請求の範囲第4項記載
    の組成物。
JP63153680A 1987-06-25 1988-06-23 錫オキシドとβ−ジカルボニル化合物とから得られる、シリコーンエラストマー組成物用錫触媒 Expired - Lifetime JPH078877B2 (ja)

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