JPH0790293A - ステンレス鋼の熱間圧延用潤滑剤 - Google Patents
ステンレス鋼の熱間圧延用潤滑剤Info
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- JPH0790293A JPH0790293A JP32090593A JP32090593A JPH0790293A JP H0790293 A JPH0790293 A JP H0790293A JP 32090593 A JP32090593 A JP 32090593A JP 32090593 A JP32090593 A JP 32090593A JP H0790293 A JPH0790293 A JP H0790293A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ステンレス鋼の熱間圧延における圧延ロール
に対するステンレス鋼の焼付きを潤滑剤によって防止
し,表面疵のない製品を得る。 【構成】 平均粒径が 0.1μm以上1μm未満の Fe2O3
粉末または Fe3O4粉末の1種もしくは2種:5重量%〜
30重量%, アクリル酸系水溶性高分子:当該潤滑剤の粘
度を1000〜50000cP(センチポアズ) とする
に充分な量,残部水を混合してなるステンレス鋼の熱間
圧延用潤滑剤。
に対するステンレス鋼の焼付きを潤滑剤によって防止
し,表面疵のない製品を得る。 【構成】 平均粒径が 0.1μm以上1μm未満の Fe2O3
粉末または Fe3O4粉末の1種もしくは2種:5重量%〜
30重量%, アクリル酸系水溶性高分子:当該潤滑剤の粘
度を1000〜50000cP(センチポアズ) とする
に充分な量,残部水を混合してなるステンレス鋼の熱間
圧延用潤滑剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ステンレス鋼を熱間圧
延する際に,圧延ロールに対するステンレス鋼の焼付き
を防止し,良好な表面性状をもつ製品を得るのに適した
潤滑剤組成物に関する。
延する際に,圧延ロールに対するステンレス鋼の焼付き
を防止し,良好な表面性状をもつ製品を得るのに適した
潤滑剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼製品は美麗な表面肌が要求
されるから,その製造工程において表面疵の発生を極力
防止する必要がある。しかし,タンデムミル等の熱間圧
延設備でステンレス鋼を熱間圧延する際に,圧延ロール
に対するステンレス鋼の焼付きに起因した疵が鋼板表面
にしばしば発生していた。
されるから,その製造工程において表面疵の発生を極力
防止する必要がある。しかし,タンデムミル等の熱間圧
延設備でステンレス鋼を熱間圧延する際に,圧延ロール
に対するステンレス鋼の焼付きに起因した疵が鋼板表面
にしばしば発生していた。
【0003】この焼付きは熱延ロールの金属面と熱延材
の金属面とが密着する(メタルタッチする)ことによっ
て引き起こされるとされている。とくにステンレス鋼で
は酸化被膜(スケール)が形成し難く,形成する場合で
もその生成速度が遅いため,多段圧延のさいにメタルタ
ッチが起きる機会が多くなって焼付きが多発する。
の金属面とが密着する(メタルタッチする)ことによっ
て引き起こされるとされている。とくにステンレス鋼で
は酸化被膜(スケール)が形成し難く,形成する場合で
もその生成速度が遅いため,多段圧延のさいにメタルタ
ッチが起きる機会が多くなって焼付きが多発する。
【0004】この焼付きに起因してステンレス鋼熱延板
の表面に疵が発生すると,たとえ軽度な疵であっても鏡
面仕上げ用途には不適合になる。その結果,得られたス
テンレス鋼板の用途に制約を受ける。また表面疵のある
ステンレス鋼板は研磨等の表面手入れを別途必要とす
る。更に,疵の程度が著しいものは製品として利用でき
ずスクラップとなる。このように,鋼板表面の疵は歩留
りの低下を来し,製造コストを上昇させる原因となる。
の表面に疵が発生すると,たとえ軽度な疵であっても鏡
面仕上げ用途には不適合になる。その結果,得られたス
テンレス鋼板の用途に制約を受ける。また表面疵のある
ステンレス鋼板は研磨等の表面手入れを別途必要とす
る。更に,疵の程度が著しいものは製品として利用でき
ずスクラップとなる。このように,鋼板表面の疵は歩留
りの低下を来し,製造コストを上昇させる原因となる。
【0005】このようなことから,熱延時における表面
疵の発生を極力抑制するために,圧延ロールに対する負
荷の軽減,圧延条件の選択,ロール材質の選定,潤滑剤
の改良等の手段が種々試みられてきた。例えば潤滑剤に
ついては,動物性油脂類,植物性油脂類,鉱物系潤滑
油,合成系潤滑油等を圧延ロール表面に供給して焼付き
を防止する方法が種々提案されている。また,圧延油に
潤滑性を有する粉体を分散混合したうえでインジェクシ
ョン方式で圧延ロール表面に供給する方法も検討されて
いる。
疵の発生を極力抑制するために,圧延ロールに対する負
荷の軽減,圧延条件の選択,ロール材質の選定,潤滑剤
の改良等の手段が種々試みられてきた。例えば潤滑剤に
ついては,動物性油脂類,植物性油脂類,鉱物系潤滑
油,合成系潤滑油等を圧延ロール表面に供給して焼付き
を防止する方法が種々提案されている。また,圧延油に
潤滑性を有する粉体を分散混合したうえでインジェクシ
ョン方式で圧延ロール表面に供給する方法も検討されて
いる。
【0006】だがこれらの方法では,ステンレス鋼の熱
間圧延が過酷な条件下にあることもあって焼付きを完全
に防止できず,表面疵が発生する事態を招来していたの
が実状である。
間圧延が過酷な条件下にあることもあって焼付きを完全
に防止できず,表面疵が発生する事態を招来していたの
が実状である。
【0007】一方,同一出願人に係る特開昭64─83309
号公報には, 粘性水溶液中に酸化鉄粉末を1〜30重量
%の量で分散させてなるステンレス鋼の熱間圧延用潤滑
剤が記載されている。この公報の発明は,該公報中にも
記載されているとおり,酸化スケールが生じ難いことが
ステンレス鋼熱延時の焼付きの原因となるならば,外部
から酸化鉄を積極的に補給すればこの原因が解消される
であろうという着想に基いている。
号公報には, 粘性水溶液中に酸化鉄粉末を1〜30重量
%の量で分散させてなるステンレス鋼の熱間圧延用潤滑
剤が記載されている。この公報の発明は,該公報中にも
記載されているとおり,酸化スケールが生じ難いことが
ステンレス鋼熱延時の焼付きの原因となるならば,外部
から酸化鉄を積極的に補給すればこの原因が解消される
であろうという着想に基いている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは特開昭64
─83309号公報に提案された発明について,前記の着想
のもとにその後も試験研究を続けたが,当該公報に記載
された潤滑剤にあっては粘性水溶液に酸化鉄粉末を混合
した直後は均一な分散が得られるが, 潤滑剤を保存する
と貯蓄浴槽内で酸化鉄粉末の沈降が生じ, 長時間安定し
た酸化鉄粉末の分散保持が得られない場合があった。
─83309号公報に提案された発明について,前記の着想
のもとにその後も試験研究を続けたが,当該公報に記載
された潤滑剤にあっては粘性水溶液に酸化鉄粉末を混合
した直後は均一な分散が得られるが, 潤滑剤を保存する
と貯蓄浴槽内で酸化鉄粉末の沈降が生じ, 長時間安定し
た酸化鉄粉末の分散保持が得られない場合があった。
【0009】酸化鉄粉末の分散保持が不安定であると,
熱間圧延の際に圧延ロール表面に酸化鉄粉末を安定して
供給できなくなる。このために焼付きが生じてステンレ
ス鋼に疵が発生するおそれがある。また, 当該潤滑剤を
供給する導管の継ぎ目部分などに酸化鉄が堆積し, 管の
詰りや潤滑剤の供給不足といった問題も生じることがわ
かった。
熱間圧延の際に圧延ロール表面に酸化鉄粉末を安定して
供給できなくなる。このために焼付きが生じてステンレ
ス鋼に疵が発生するおそれがある。また, 当該潤滑剤を
供給する導管の継ぎ目部分などに酸化鉄が堆積し, 管の
詰りや潤滑剤の供給不足といった問題も生じることがわ
かった。
【0010】他方,近年では成分的にCr当量の高い耐
高温酸化性に優れたステンレス鋼が自動車用排ガス部材
等に用いられる傾向にある。Cr当量が高いと,それだ
け熱間圧延で生成するスケール厚が薄くなり, 焼付き疵
の発生が顕著となる。このようなCr当量の高い材料に
対しても完全に焼付きを防止できる潤滑剤は,特開昭64
─83309号公報のものを含めて,これまで開発されてい
ない。
高温酸化性に優れたステンレス鋼が自動車用排ガス部材
等に用いられる傾向にある。Cr当量が高いと,それだ
け熱間圧延で生成するスケール厚が薄くなり, 焼付き疵
の発生が顕著となる。このようなCr当量の高い材料に
対しても完全に焼付きを防止できる潤滑剤は,特開昭64
─83309号公報のものを含めて,これまで開発されてい
ない。
【0011】したがって本発明は, 従来のものよりも一
層焼付き疵防止効果を高め, とくにCr当量の高いステ
ンレス鋼に対しても焼付きを起こさないで熱延できる潤
滑剤を得ることを目的とするものである。
層焼付き疵防止効果を高め, とくにCr当量の高いステ
ンレス鋼に対しても焼付きを起こさないで熱延できる潤
滑剤を得ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は,平均粒径が
0.1μm以上1μm未満の Fe2O3粉末または Fe3O4粉末
の1種もしくは2種:5重量%〜30重量%, アクリル系
水溶性高分子:混合後の潤滑剤組成物の粘度が1000
〜50000cP(センチポアズ) となるに充分な量,
残部:水,を混合してなる粘度が1000〜50000
cPのステンレス鋼熱間圧延用の潤滑剤を提供する。
0.1μm以上1μm未満の Fe2O3粉末または Fe3O4粉末
の1種もしくは2種:5重量%〜30重量%, アクリル系
水溶性高分子:混合後の潤滑剤組成物の粘度が1000
〜50000cP(センチポアズ) となるに充分な量,
残部:水,を混合してなる粘度が1000〜50000
cPのステンレス鋼熱間圧延用の潤滑剤を提供する。
【0013】
【作用】特開昭64─83309号公報に提案されたような粘
性水溶液中に酸化鉄粉末を分散させる潤滑剤の場合,粘
性水溶液中への酸化鉄粉末の分散保持特性と,圧延ロー
ルに塗布された場合に被圧延材とのメタルタッチを全面
的に防止するに必要な潤滑剤の巻込特性(厳密にはロー
ルへの付着性並びにロールバイト内への巻込性)が,焼
付き完全防止のキーポイントになるとの観点にたって,
本発明者らは増粘剤の種類,酸化鉄の粉体特性,潤滑剤
の物理化学的性質等について広範な試験研究を行った。
性水溶液中に酸化鉄粉末を分散させる潤滑剤の場合,粘
性水溶液中への酸化鉄粉末の分散保持特性と,圧延ロー
ルに塗布された場合に被圧延材とのメタルタッチを全面
的に防止するに必要な潤滑剤の巻込特性(厳密にはロー
ルへの付着性並びにロールバイト内への巻込性)が,焼
付き完全防止のキーポイントになるとの観点にたって,
本発明者らは増粘剤の種類,酸化鉄の粉体特性,潤滑剤
の物理化学的性質等について広範な試験研究を行った。
【0014】その結果,多種多様な水溶性増粘剤のう
ち,架橋型アクリル酸重合体は他のものに比べて,前記
の分散保持特性と潤滑剤の巻込特性を顕著に向上させる
作用があることがわかった。そして,使用する酸化鉄粉
末としては 0.1μm以上1μm未満の Fe2O3または Fe3
O4の粉末であるのがよいことも明らかとなった。
ち,架橋型アクリル酸重合体は他のものに比べて,前記
の分散保持特性と潤滑剤の巻込特性を顕著に向上させる
作用があることがわかった。そして,使用する酸化鉄粉
末としては 0.1μm以上1μm未満の Fe2O3または Fe3
O4の粉末であるのがよいことも明らかとなった。
【0015】なお,酸化鉄粉末を供給する媒体として,
油脂類や潤滑油等も考えられるが,酸化鉄粉末が必ずし
も親油性を有していないため均一分散が困難である。
油脂類や潤滑油等も考えられるが,酸化鉄粉末が必ずし
も親油性を有していないため均一分散が困難である。
【0016】以下に,本発明のステンレス鋼の熱間圧延
用潤滑剤を構成する各要素の作用効果を個別に説明し,
それらの数値限定の根拠を明らかにする。
用潤滑剤を構成する各要素の作用効果を個別に説明し,
それらの数値限定の根拠を明らかにする。
【0017】〔酸化鉄の種類〕一般に酸化鉄は FeO, Fe
3O4,Fe2O3 の化学式で表されるものがある。これらの中
では Fe2O3は硬さが最も高い。したがって,ロールの磨
耗等に関与する硬さの面では FeOやFe3O4の方がやや好
ましいが,ロールの焼付き防止という点から見れば Fe2
O3を用いても差支えない。一方, FeOは工業的に安定し
て得るのが困難である。このため酸化鉄としては Fe3O4
か Fe2O3或いはこれらの混合物を用いるのがコスト的な
面も含めて実用的である。なお, その純度は必ずしも高
純度である必要はなく, SiO2や MnO等の酸化物や金属鉄
等を不純物程度として含むものを用いることができる。
3O4,Fe2O3 の化学式で表されるものがある。これらの中
では Fe2O3は硬さが最も高い。したがって,ロールの磨
耗等に関与する硬さの面では FeOやFe3O4の方がやや好
ましいが,ロールの焼付き防止という点から見れば Fe2
O3を用いても差支えない。一方, FeOは工業的に安定し
て得るのが困難である。このため酸化鉄としては Fe3O4
か Fe2O3或いはこれらの混合物を用いるのがコスト的な
面も含めて実用的である。なお, その純度は必ずしも高
純度である必要はなく, SiO2や MnO等の酸化物や金属鉄
等を不純物程度として含むものを用いることができる。
【0018】〔酸化鉄の粒径〕酸化鉄粉末の粒径は,粘
性水溶液への均一分散や分散の経時的安定性の点で,さ
らには圧延ロールに供給した場合における供給面への均
一散布性に対して重要な作用を及ぼす。酸化鉄の平均粒
径が1μm以上の場合において,10μm以下であれ
ば, 粘性水溶液の粘度を調整すれば潤滑剤混合時には均
一な分散が得られる。しかし, 潤滑剤を長期間保存した
場合に貯蔵槽内で酸化鉄粉末の沈降が生じたり, 長期間
の内には潤滑剤供給の導管の継ぎ目部等に酸化鉄の堆積
を生じるという問題が発生する。また, 供給面を被覆す
る面積の比率は粗粒ほど小さくなるため, 同一重量の酸
化鉄を供給した場合の供給面の被覆効率は低下する。こ
のため, 酸化鉄粉末の平均粒径は1μm未満とする必要
がある。
性水溶液への均一分散や分散の経時的安定性の点で,さ
らには圧延ロールに供給した場合における供給面への均
一散布性に対して重要な作用を及ぼす。酸化鉄の平均粒
径が1μm以上の場合において,10μm以下であれ
ば, 粘性水溶液の粘度を調整すれば潤滑剤混合時には均
一な分散が得られる。しかし, 潤滑剤を長期間保存した
場合に貯蔵槽内で酸化鉄粉末の沈降が生じたり, 長期間
の内には潤滑剤供給の導管の継ぎ目部等に酸化鉄の堆積
を生じるという問題が発生する。また, 供給面を被覆す
る面積の比率は粗粒ほど小さくなるため, 同一重量の酸
化鉄を供給した場合の供給面の被覆効率は低下する。こ
のため, 酸化鉄粉末の平均粒径は1μm未満とする必要
がある。
【0019】前記のように, 平均粒径が小さいと均一分
散性や供給面への被覆効率等の面で有利となるが, 平均
粒径が0.1μmを下回る場合には,粘性水溶液に混合す
る場合には, 微細粉末の凝集力が強いことから逆に均一
に分散させるのが極めて困難となる。このため, 酸化鉄
粉末の平均粒径は0.1μm以上とする必要がある。
散性や供給面への被覆効率等の面で有利となるが, 平均
粒径が0.1μmを下回る場合には,粘性水溶液に混合す
る場合には, 微細粉末の凝集力が強いことから逆に均一
に分散させるのが極めて困難となる。このため, 酸化鉄
粉末の平均粒径は0.1μm以上とする必要がある。
【0020】〔酸化鉄粉末の粒子形状〕酸化鉄粉末の個
々の粒子は,直方体,針状,8面体,球状等,種々の形
状を有するものがあり,何れの形状であっても潤滑剤と
しての効果は得られるが,球状の酸化鉄を用いることで
より一層焼付き防止効果が得られることがわかった。球
状とは必ずしも球面を有することを意味するものではな
く,角の少ない丸みを帯びた粒子形状を言う。
々の粒子は,直方体,針状,8面体,球状等,種々の形
状を有するものがあり,何れの形状であっても潤滑剤と
しての効果は得られるが,球状の酸化鉄を用いることで
より一層焼付き防止効果が得られることがわかった。球
状とは必ずしも球面を有することを意味するものではな
く,角の少ない丸みを帯びた粒子形状を言う。
【0021】〔酸化鉄の配合量〕潤滑剤組成物中の酸化
鉄の含有量は,所望のロール焼付効果を得ると同時に潤
滑剤の安定供給性を確保するために適正な範囲に規制さ
れる。酸化鉄の含有量が1重量%以上であれば,焼付き
防止効果が現れるが実際的には圧延条件の変動等により
焼付きが発生することがあり,安定した焼付き防止効果
を得るためには5重量%以上の含有量が必要となる。一
方,30重量%を越える含有量では供給安定性が経時的
に低下する傾向となり,また圧延ロール表面に潤滑剤を
吹付ける場合には過大な吐出エネルギーを必要とするこ
とになって実用上の問題が生ずる。このため,酸化鉄の
含有量は重量%で5〜30%とする必要がある。
鉄の含有量は,所望のロール焼付効果を得ると同時に潤
滑剤の安定供給性を確保するために適正な範囲に規制さ
れる。酸化鉄の含有量が1重量%以上であれば,焼付き
防止効果が現れるが実際的には圧延条件の変動等により
焼付きが発生することがあり,安定した焼付き防止効果
を得るためには5重量%以上の含有量が必要となる。一
方,30重量%を越える含有量では供給安定性が経時的
に低下する傾向となり,また圧延ロール表面に潤滑剤を
吹付ける場合には過大な吐出エネルギーを必要とするこ
とになって実用上の問題が生ずる。このため,酸化鉄の
含有量は重量%で5〜30%とする必要がある。
【0022】〔増粘剤の種類〕本発明の潤滑剤組成物に
おいて,増粘剤としてアクリル酸系水溶性高分子,とり
わけ架橋型アクリル酸重合体を使用する点は特徴的な要
件である。
おいて,増粘剤としてアクリル酸系水溶性高分子,とり
わけ架橋型アクリル酸重合体を使用する点は特徴的な要
件である。
【0023】粘性水溶液を得るための増粘剤として工業
的に使用できるものとしては各種のものが知られている
が,本発明者らは各種の増粘剤を用いて多数の試験を行
なった結果,増粘作用のある多数の水溶性高分子のうち
前記の架橋型アクリル酸重合体が酸化鉄粉末の分散保持
性とステンレス鋼の熱延時の焼付防止性に特異な作用が
あることを知った。
的に使用できるものとしては各種のものが知られている
が,本発明者らは各種の増粘剤を用いて多数の試験を行
なった結果,増粘作用のある多数の水溶性高分子のうち
前記の架橋型アクリル酸重合体が酸化鉄粉末の分散保持
性とステンレス鋼の熱延時の焼付防止性に特異な作用が
あることを知った。
【0024】メチルセルロースやカルボキシメチルセル
ロース等の水溶性セルロース誘導体類を使用した場合で
も一応の粘性は得られるが,酸化鉄粉末の分散保持性は
必ずしも良好ではなく,安定した分散保持を得るために
添加量を増して粘度を高くすることが必要となる。高粘
度では酸化鉄粉末の混合が困難化するとともに潤滑剤の
送液性が著しく低下する。これに対し,架橋型アクリル
酸重合体等は後述の粘度範囲において極めて安定した酸
化鉄粉末の分散保持が得られ,且つ圧延ロールに対する
付着性においても優れている。
ロース等の水溶性セルロース誘導体類を使用した場合で
も一応の粘性は得られるが,酸化鉄粉末の分散保持性は
必ずしも良好ではなく,安定した分散保持を得るために
添加量を増して粘度を高くすることが必要となる。高粘
度では酸化鉄粉末の混合が困難化するとともに潤滑剤の
送液性が著しく低下する。これに対し,架橋型アクリル
酸重合体等は後述の粘度範囲において極めて安定した酸
化鉄粉末の分散保持が得られ,且つ圧延ロールに対する
付着性においても優れている。
【0025】ここで,架橋型アクリル酸重合体は,よく
知られているように,ポリアクリル酸に架橋反応を施し
たものとアクリル酸モノマーと架橋剤とを共重合させた
ものがあるが,いずれも直鎖状ポリアクリル酸とは区別
されるものである。この架橋型アクリル酸重合体のう
ち,特殊なものでは水に溶解しないか,水を膨潤させな
いものもあるが,このようなものは本発明の潤滑剤には
使用できないことは勿論であり,本発明では水溶性の架
橋型アクリル酸重合体を使用する。
知られているように,ポリアクリル酸に架橋反応を施し
たものとアクリル酸モノマーと架橋剤とを共重合させた
ものがあるが,いずれも直鎖状ポリアクリル酸とは区別
されるものである。この架橋型アクリル酸重合体のう
ち,特殊なものでは水に溶解しないか,水を膨潤させな
いものもあるが,このようなものは本発明の潤滑剤には
使用できないことは勿論であり,本発明では水溶性の架
橋型アクリル酸重合体を使用する。
【0026】本発明で使用できる代表的な架橋型アクリ
ル酸重合体には,主成分がポリアクリル酸であるものの
ほか,主成分がポリアクリル酸ソーダまたはその共重合
体であるもの,主成分がポリアクリル酸アンモニウム等
のものがある。したがって,本発明で言う架橋型アクリ
ル酸重合体とは,ポリアクリル酸またはその塩類を主成
分とするか,それらの共重合体を主成分としてして架橋
しているもののうち水溶性のものを言う。本発明潤滑剤
において,架橋型アクリル酸重合体の配合量は酸化鉄粉
末を配合したあとの潤滑剤の粘度が1000〜5000
0cP(センチポアズ) となるに必要な量である。
ル酸重合体には,主成分がポリアクリル酸であるものの
ほか,主成分がポリアクリル酸ソーダまたはその共重合
体であるもの,主成分がポリアクリル酸アンモニウム等
のものがある。したがって,本発明で言う架橋型アクリ
ル酸重合体とは,ポリアクリル酸またはその塩類を主成
分とするか,それらの共重合体を主成分としてして架橋
しているもののうち水溶性のものを言う。本発明潤滑剤
において,架橋型アクリル酸重合体の配合量は酸化鉄粉
末を配合したあとの潤滑剤の粘度が1000〜5000
0cP(センチポアズ) となるに必要な量である。
【0027】〔潤滑剤の粘度〕本発明潤滑剤は,酸化鉄
粉末の分散保持性と潤滑剤の送液性との観点から100
0〜50000cPとすることが必要である。粘度が1
000cP未満では酸化鉄の均一分散保持が困難であ
り,潤滑剤貯蔵槽内での酸化鉄の沈降や潤滑剤供給導管
内での堆積等の問題が生じる。一方,粘度が高くなるほ
ど酸化鉄粉末の分散保持にとって有利となるが,いたず
らに粘度が高まると,酸化鉄粉末を混合する上において
均一に分散させることが著しく困難となるのみならず,
潤滑剤の供給において多大な供給エネルギーが必要とな
り,それに要する設備費用も増大して実用性が失われ
る。このため,本発明では潤滑剤粘度は1000〜50
000cPの範囲とする。
粉末の分散保持性と潤滑剤の送液性との観点から100
0〜50000cPとすることが必要である。粘度が1
000cP未満では酸化鉄の均一分散保持が困難であ
り,潤滑剤貯蔵槽内での酸化鉄の沈降や潤滑剤供給導管
内での堆積等の問題が生じる。一方,粘度が高くなるほ
ど酸化鉄粉末の分散保持にとって有利となるが,いたず
らに粘度が高まると,酸化鉄粉末を混合する上において
均一に分散させることが著しく困難となるのみならず,
潤滑剤の供給において多大な供給エネルギーが必要とな
り,それに要する設備費用も増大して実用性が失われ
る。このため,本発明では潤滑剤粘度は1000〜50
000cPの範囲とする。
【0028】〔pH調整〕本発明潤滑剤は,架橋型アク
リル酸重合体を使用する関係上,そのままでは若干酸性
を示す。このため圧延設備に対する腐食性を考慮する
と,中性ないし弱アルカリ性にpH調整するのが好まし
い。しかし,アルカリ添加によって,架橋型アクリル酸
重合体の本来の作用が望ましくない方向に変化する場合
には,アルカリ剤の種類と添加量を充分に考慮すること
が必要である。
リル酸重合体を使用する関係上,そのままでは若干酸性
を示す。このため圧延設備に対する腐食性を考慮する
と,中性ないし弱アルカリ性にpH調整するのが好まし
い。しかし,アルカリ添加によって,架橋型アクリル酸
重合体の本来の作用が望ましくない方向に変化する場合
には,アルカリ剤の種類と添加量を充分に考慮すること
が必要である。
【0029】〔潤滑剤の適用方法〕本発明に係る潤滑剤
をステンレス鋼熱間圧延に適用する場合には,次のよう
に行なうのが実際的である。
をステンレス鋼熱間圧延に適用する場合には,次のよう
に行なうのが実際的である。
【0030】本潤滑剤は混合後に槽に貯留させておき,
この槽からポンプを通じて圧延ロールへ通ずる導管に送
液する。ポンプは適宜選定すればよいが,単純な水に比
べると粘度が高いことから通常数10kgf/cm2程度以上
の圧力が必要となるので, プランジャータイプ等のポン
プを用いるのが適している。
この槽からポンプを通じて圧延ロールへ通ずる導管に送
液する。ポンプは適宜選定すればよいが,単純な水に比
べると粘度が高いことから通常数10kgf/cm2程度以上
の圧力が必要となるので, プランジャータイプ等のポン
プを用いるのが適している。
【0031】該導管の先端にはノズルを取付けておき,
このノズルから圧延スタンド内のロール表面に潤滑剤を
吹付ける。本潤滑剤を吹付ける圧延スタンドは特に限定
されるものではなく, ホットストリップミルにおける仕
上圧延スタンドおよび粗圧延スタンドの中から適宜選定
し,どのロールに吹付けるかはその効果の度合いを勘案
しながら選定すればよい。吹付けにあたっては,圧延材
と接する幅全域のロール表面に吹付けても良いし, 粗圧
延時の幅方向圧延での塑性変形挙動に関連して酸化スケ
ールの剥離が顕著なことが関与して比較的焼付きが発生
し易いと考えられる圧延材エッジ部近傍に選択的に吹付
けてもよい。
このノズルから圧延スタンド内のロール表面に潤滑剤を
吹付ける。本潤滑剤を吹付ける圧延スタンドは特に限定
されるものではなく, ホットストリップミルにおける仕
上圧延スタンドおよび粗圧延スタンドの中から適宜選定
し,どのロールに吹付けるかはその効果の度合いを勘案
しながら選定すればよい。吹付けにあたっては,圧延材
と接する幅全域のロール表面に吹付けても良いし, 粗圧
延時の幅方向圧延での塑性変形挙動に関連して酸化スケ
ールの剥離が顕著なことが関与して比較的焼付きが発生
し易いと考えられる圧延材エッジ部近傍に選択的に吹付
けてもよい。
【0032】圧延ロールに供給する潤滑剤量は, 送液圧
力と導管先端のノズルの容量,並びに圧延ロールの回転
速度等を勘案しながら適切に調節する。例えば圧延ロー
ルが圧延材と接触する面積に対して0.1リットル/m2程度
から数リットル/m2程度となるように調節するのがよ
い。
力と導管先端のノズルの容量,並びに圧延ロールの回転
速度等を勘案しながら適切に調節する。例えば圧延ロー
ルが圧延材と接触する面積に対して0.1リットル/m2程度
から数リットル/m2程度となるように調節するのがよ
い。
【0033】なお, ステンレス鋼の熱間圧延において通
常の圧延潤滑油が使用されることもあるが, 本発明に係
る潤滑剤を用いる上で, 潤滑油の併用を妨げるものでは
なく圧延荷重の低減等を目的とした潤滑油を併用しても
構わない。
常の圧延潤滑油が使用されることもあるが, 本発明に係
る潤滑剤を用いる上で, 潤滑油の併用を妨げるものでは
なく圧延荷重の低減等を目的とした潤滑油を併用しても
構わない。
【0034】
(実施例1)供試した代表的な潤滑剤を表1に示した。
表1に示すように,酸化鉄は各種の粒径を有する Fe2O3
または Fe3O4を単独または混合して使用し,これを,増
粘剤を添加した粘性水溶液に分散させで番号1〜13の
潤滑剤を作成した。
表1に示すように,酸化鉄は各種の粒径を有する Fe2O3
または Fe3O4を単独または混合して使用し,これを,増
粘剤を添加した粘性水溶液に分散させで番号1〜13の
潤滑剤を作成した。
【0035】使用した架橋型アクリル酸重合体は,表中
に(○)印を付したものは日本純薬株式会社製の商品名
レオジック(主成分がポリアクリル酸ソーダである架橋
型アクリル酸重合体)であり,(●)印を付したものは
和光純薬株式会社製の商品名ハイビスワコー(主成分が
ポリアクリル酸である架橋型アクリル酸重合体)であ
る。
に(○)印を付したものは日本純薬株式会社製の商品名
レオジック(主成分がポリアクリル酸ソーダである架橋
型アクリル酸重合体)であり,(●)印を付したものは
和光純薬株式会社製の商品名ハイビスワコー(主成分が
ポリアクリル酸である架橋型アクリル酸重合体)であ
る。
【0036】また,比較例として使用したメチルセルロ
ースは信越化学工業株式会社製の商品名メトローズ,カ
ルボキシメチルセルロースはダイセル化学工業株式会社
製の商品名CMCダイセルである。
ースは信越化学工業株式会社製の商品名メトローズ,カ
ルボキシメチルセルロースはダイセル化学工業株式会社
製の商品名CMCダイセルである。
【0037】
【表1】
【0038】各潤滑剤の分散・保持性の試験を次のよう
にして行った。先ず,水に各増粘剤を撹拌溶解させて水
溶性の粘性液を得,それに所定の酸化鉄粉末を加えてさ
らに撹拌し,混合分散させて潤滑剤を作製し,こうして
得られた撹拌直後の潤滑剤を1リットルづつビーカーに
移し,ビーカー中の上層部,中央部,下層部においてそ
れぞれ潤滑剤を採取して,各位置(上層部,中央部,下
層部)における酸化鉄の含有量を測定した。その後,こ
のビーカーを1週間静置した。
にして行った。先ず,水に各増粘剤を撹拌溶解させて水
溶性の粘性液を得,それに所定の酸化鉄粉末を加えてさ
らに撹拌し,混合分散させて潤滑剤を作製し,こうして
得られた撹拌直後の潤滑剤を1リットルづつビーカーに
移し,ビーカー中の上層部,中央部,下層部においてそ
れぞれ潤滑剤を採取して,各位置(上層部,中央部,下
層部)における酸化鉄の含有量を測定した。その後,こ
のビーカーを1週間静置した。
【0039】1週間後静置後,ビーカー内部の潤滑剤を
撹拌しないようにしながら,再び,ビーカー中の上層
部,中央部,下層部においてそれぞれ潤滑剤を採取し,
各位置(上層部,中央部,下層部)における酸化鉄の含
有量を測定した。その結果を表2に示す。
撹拌しないようにしながら,再び,ビーカー中の上層
部,中央部,下層部においてそれぞれ潤滑剤を採取し,
各位置(上層部,中央部,下層部)における酸化鉄の含
有量を測定した。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】本発明範囲内の潤滑剤は,1週間静置後に
おいても,上層部,中央部,下層部の各位置の酸化鉄の
含有量が撹拌直後のものとほぼ等しく,長期間静置して
も,酸化鉄の分散状態が安定していることが分かる。
おいても,上層部,中央部,下層部の各位置の酸化鉄の
含有量が撹拌直後のものとほぼ等しく,長期間静置して
も,酸化鉄の分散状態が安定していることが分かる。
【0042】一方,本発明範囲外である比較例の潤滑剤
は,混合直後には酸化鉄が均一に分散していたものの,
1週間静置した後では,番号12の潤滑剤を除き,上層
部よりも下層部の方が酸化鉄の含有量が高くなった。従
って,比較例の潤滑剤は時間が経つと酸化鉄が貯蔵槽内
の底に沈降したり,圧延ロールへの供給導管中に酸化鉄
が堆積する心配がある。
は,混合直後には酸化鉄が均一に分散していたものの,
1週間静置した後では,番号12の潤滑剤を除き,上層
部よりも下層部の方が酸化鉄の含有量が高くなった。従
って,比較例の潤滑剤は時間が経つと酸化鉄が貯蔵槽内
の底に沈降したり,圧延ロールへの供給導管中に酸化鉄
が堆積する心配がある。
【0043】そして,番号1,11,12の潤滑剤(何
れも比較例)は,混合直後においてすでに酸化鉄の含有
量が部分的に偏って不均一であったり,酸化鉄粉末の凝
集が生じたりした。
れも比較例)は,混合直後においてすでに酸化鉄の含有
量が部分的に偏って不均一であったり,酸化鉄粉末の凝
集が生じたりした。
【0044】(実施例2)厚さ200mm,幅1030
〜1240mm,単重10〜14tonのフェライト系
ステンレス鋼(化学成分:0.01〜0.02%C,0.
46〜0.57%Si,0.20〜0.30%Mn,18.
3〜19.6%Cr,0.11〜0.13%Ni,0.41
〜0.49%Nb,0.46〜0.58%Cu)のスラブ
を,ホットストリップミルにて熱間圧延した。先ず,ス
ラブを1200〜1250℃に加熱後,厚さ25mmの
ラフバーに粗圧延し,その後,7スタンドからなる仕上
げ圧延機群にて,厚さ3.0mmのホットコイルに圧延
した。仕上げ圧延機群のワークロール替え(研削仕上げ
したロールへの交換)を行った後,14〜41本のスラ
ブ(1圧延サイクル分のスラブ)を連続的に熱間圧延
し,この1サイクル間では潤滑条件を一定にした。
〜1240mm,単重10〜14tonのフェライト系
ステンレス鋼(化学成分:0.01〜0.02%C,0.
46〜0.57%Si,0.20〜0.30%Mn,18.
3〜19.6%Cr,0.11〜0.13%Ni,0.41
〜0.49%Nb,0.46〜0.58%Cu)のスラブ
を,ホットストリップミルにて熱間圧延した。先ず,ス
ラブを1200〜1250℃に加熱後,厚さ25mmの
ラフバーに粗圧延し,その後,7スタンドからなる仕上
げ圧延機群にて,厚さ3.0mmのホットコイルに圧延
した。仕上げ圧延機群のワークロール替え(研削仕上げ
したロールへの交換)を行った後,14〜41本のスラ
ブ(1圧延サイクル分のスラブ)を連続的に熱間圧延
し,この1サイクル間では潤滑条件を一定にした。
【0045】仕上げ圧延機群の第1〜3スタンドのワー
クロールに,潤滑剤を供給するように配管し,圧延スタ
ンドに設けた上下それぞれ3〜4個のノズルから圧延ロ
ールに潤滑剤を吹き付けた。そのさい,貯蔵槽の潤滑剤
を,プランジャー方式のポンプを稼働して40kgf/
mm2の圧力で送液し,各ノズルから潤滑剤を噴出させ
た。ノズルからロールへの潤滑剤の供給量は,ロール面
に対し約0.3リットル/m2となるように流量調整し
た。
クロールに,潤滑剤を供給するように配管し,圧延スタ
ンドに設けた上下それぞれ3〜4個のノズルから圧延ロ
ールに潤滑剤を吹き付けた。そのさい,貯蔵槽の潤滑剤
を,プランジャー方式のポンプを稼働して40kgf/
mm2の圧力で送液し,各ノズルから潤滑剤を噴出させ
た。ノズルからロールへの潤滑剤の供給量は,ロール面
に対し約0.3リットル/m2となるように流量調整し
た。
【0046】このとき用いた各潤滑剤の粘度(cP),
Fe3O4とFe2O3の組成比(重量%),平均粒径(μ
m),含有量(重量%)並びに増粘剤の種類は表3に示
す通りである。増粘剤の種類に付した印は,実施例1で
説明したとおりである。
Fe3O4とFe2O3の組成比(重量%),平均粒径(μ
m),含有量(重量%)並びに増粘剤の種類は表3に示
す通りである。増粘剤の種類に付した印は,実施例1で
説明したとおりである。
【0047】なお,これらの圧延において,バックアッ
プロールには従来から用いられている圧延油をウォータ
ーインジェクションにより供給した。また第1〜3の仕
上げ圧延機のワークロールの材質はハイクロムロールと
した。番号14は,圧延油の供給のみで,潤滑剤は供給
しなかった。
プロールには従来から用いられている圧延油をウォータ
ーインジェクションにより供給した。また第1〜3の仕
上げ圧延機のワークロールの材質はハイクロムロールと
した。番号14は,圧延油の供給のみで,潤滑剤は供給
しなかった。
【0048】熱間圧延後のコイルは,いずれも連続焼鈍
酸洗ラインに通板し,デスケール後の各コイルについて
表面肌を観察して,ロール焼付きに起因する表面疵の発
生状況を調査した。その結果を表4に示す。
酸洗ラインに通板し,デスケール後の各コイルについて
表面肌を観察して,ロール焼付きに起因する表面疵の発
生状況を調査した。その結果を表4に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】表4の結果から,本発明の潤滑剤を用いた
番号17,18,22,24は,何れも圧延ロール替え
後26本目以上においても表面疵は発生せず,効果的に
ロール焼付きが防止されていることが分かる。
番号17,18,22,24は,何れも圧延ロール替え
後26本目以上においても表面疵は発生せず,効果的に
ロール焼付きが防止されていることが分かる。
【0052】これに対し,圧延油の供給のみで潤滑剤は
供給しなかった場合や,本発明の範囲外の潤滑剤を用い
た場合は,表面疵が発生し,必ずしも有効に焼付きを防
止できなかった。
供給しなかった場合や,本発明の範囲外の潤滑剤を用い
た場合は,表面疵が発生し,必ずしも有効に焼付きを防
止できなかった。
【0053】即ち,潤滑剤なしの番号14は2本目から
ロール焼付きに起因した表面疵が発生し,その後,焼付
きが発生したロールで圧延したコイルのすべてに表面疵
が発生した。また酸化鉄の含有量が低い潤滑剤を用いた
番号16と21は若干の焼付き防止効果が認められたも
のの,5〜7本まで圧延が進むと表面疵が発生した。
ロール焼付きに起因した表面疵が発生し,その後,焼付
きが発生したロールで圧延したコイルのすべてに表面疵
が発生した。また酸化鉄の含有量が低い潤滑剤を用いた
番号16と21は若干の焼付き防止効果が認められたも
のの,5〜7本まで圧延が進むと表面疵が発生した。
【0054】また過度に微細な酸化鉄を含む番号15
や,過度に粘度が高い番号19と23は9〜13本目の
コイルから表面疵が発生した。この原因は,酸化鉄が均
一に分散していないことによるものと考えられるが,1
サイクル分のスラブを熱延した後でノズルを観察したと
ころ,ノズル先端に詰まりが生じている場合が見受けら
れた。表面疵が発生した10本目辺りの熱延において
は,潤滑剤が十分に供給されていなかったことが予想さ
れる。
や,過度に粘度が高い番号19と23は9〜13本目の
コイルから表面疵が発生した。この原因は,酸化鉄が均
一に分散していないことによるものと考えられるが,1
サイクル分のスラブを熱延した後でノズルを観察したと
ころ,ノズル先端に詰まりが生じている場合が見受けら
れた。表面疵が発生した10本目辺りの熱延において
は,潤滑剤が十分に供給されていなかったことが予想さ
れる。
【0055】さらに粒径が過大な酸化鉄を用いた番号2
0は5本目から表面疵が発生した。この原因は,ロール
面を酸化鉄で充分に被覆できなかったために焼付きが生
じたものと考えられる。
0は5本目から表面疵が発生した。この原因は,ロール
面を酸化鉄で充分に被覆できなかったために焼付きが生
じたものと考えられる。
【0056】
【発明の効果】本発明の潤滑剤によれば,酸化鉄粉末を
長期間安定して分散保持できるので,貯蓄槽内に潤滑剤
を長期保存しても沈降することがなく,圧延ロール表面
に酸化鉄粉末を均一に供給でき,ステンレス鋼を熱間圧
延するときのロール焼付きを効果的に防止して,表面疵
のない高品質の製品を得ることができる。
長期間安定して分散保持できるので,貯蓄槽内に潤滑剤
を長期保存しても沈降することがなく,圧延ロール表面
に酸化鉄粉末を均一に供給でき,ステンレス鋼を熱間圧
延するときのロール焼付きを効果的に防止して,表面疵
のない高品質の製品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 107:28) C10N 10:16 20:02 20:06 40:24 (72)発明者 肥後 裕一 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 平松 昭史 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社鉄鋼研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】平均粒径が 0.1μm以上1μm未満の Fe2
O3粉末または Fe3O4粉末の1種もしくは2種:5重量%
〜30重量%, アクリル酸系水溶性高分子:当該潤滑剤の粘度を100
0〜50000cP(センチポアズ) とするに充分な
量, 残部:水を混合してなるステンレス鋼の熱間圧延用潤滑
剤。 - 【請求項2】アクリル酸系水溶性高分子は架橋型アクリ
ル酸重合体である請求項1に記載の潤滑剤。 - 【請求項3】当該潤滑剤は,ステンレス鋼熱間圧延時の
ロール表面に供給されるものである請求項1または2に
記載の潤滑剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32090593A JPH0790293A (ja) | 1993-07-27 | 1993-11-29 | ステンレス鋼の熱間圧延用潤滑剤 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5-203699 | 1993-07-27 | ||
| JP20369993 | 1993-07-27 | ||
| JP32090593A JPH0790293A (ja) | 1993-07-27 | 1993-11-29 | ステンレス鋼の熱間圧延用潤滑剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0790293A true JPH0790293A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=26514065
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32090593A Withdrawn JPH0790293A (ja) | 1993-07-27 | 1993-11-29 | ステンレス鋼の熱間圧延用潤滑剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0790293A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101787320A (zh) * | 2010-03-15 | 2010-07-28 | 四川大学 | 用于钛合金冷挤压的润滑剂及其制备方法与应用 |
-
1993
- 1993-11-29 JP JP32090593A patent/JPH0790293A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101787320A (zh) * | 2010-03-15 | 2010-07-28 | 四川大学 | 用于钛合金冷挤压的润滑剂及其制备方法与应用 |
| CN101787320B (zh) | 2010-03-15 | 2013-02-27 | 四川大学 | 用于钛合金冷挤压的润滑剂及其制备方法与应用 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010130 |