JPH0790365B2 - 溶接線倣い制御装置 - Google Patents
溶接線倣い制御装置Info
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- JPH0790365B2 JPH0790365B2 JP4292433A JP29243392A JPH0790365B2 JP H0790365 B2 JPH0790365 B2 JP H0790365B2 JP 4292433 A JP4292433 A JP 4292433A JP 29243392 A JP29243392 A JP 29243392A JP H0790365 B2 JPH0790365 B2 JP H0790365B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は開先きのある突合せ溶
接、あるいは隅肉溶接等に利用されるものであって、と
くに溶接トーチに流れるアーク電流もしくは電圧、すな
わちアークに対応する電気量を検出し、その溶接トーチ
の位置を制御する溶接線倣い制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】溶接トーチに流れるアーク電流を検出
し、溶接トーチの位置を所定の溶接線から外れないよう
に倣い制御することはすでに知られている。ひとつの具
体的な方法はアーク電流の検出値を予め定めた一定量の
基準値と比較し、その結果にもとずいて溶接トーチの位
置を制御するやり方である。もしも、溶接トーチがウイ
ービングするのであれば、たとえばそのウイービングパ
ターンの中心におけるアーク電流の検出値を、これに対
応する一定量の基準値と比較し、その結果に基づいて溶
接トーチの位置を制御するやり方である。別の具体的な
方法は溶接トーチのウイービングに着目したものであっ
て、ウイービングパターンの両端におけるアーク電流の
検出値を互いに一方を基準量として相互に比較し、この
結果にもとずいて制御する方式である。これは例えば開
先に沿った溶接線の右側(左側)に溶接トーチの進路が
逸れれば、ウイービングパターンにおける右側(左端)
のアーク電流が他端のそれよりも大きくなるという現象
を利用したものである。 【0003】図1および図2は溶接線に倣うよう予め設
定された溶接トーチの移動経路に対し、これを電気量の
検出に基づいて当該溶接トーチの位置ずれを修正制御す
る従来の制御系の特性図である。この図は溶接トーチの
アークに対応する電気量として、溶接トーチのアーク電
流を使用する場合について示してある。これらの図にお
いて、横軸△Iは偏差であり、例えばアーク電流の検出
値と予め定めた一定量の基準値との差、あるいはウイー
ビングパターンの中心におけるアーク電流の検出値とこ
れに対する基準値との差、もしくはウイービングパター
ンの両端におけるアーク電流検出値との相互の差がこれ
に当る。これらの差とは、値の差分である場合もある
し、比である場合もある。縦軸xは溶接トーチの修正量
である。図1に示すものは、偏差△Iが△I0あるいは
−△I0を超えたとき初めて溶接トーチに所定の修正を
加えるようにしたものである。この場合、修正量xは常
に一定量aである。このようなものにおいて、修正量x
が零である偏差△I0と偏差−△I0との間の帯域を一般
には不感帯と称している。図2に示すものは、偏差△I
に比例して所定の修正を加えるようにしたものである。
この図において、特性線の傾きG0は制御系の性質によ
り任意に決定可能である。 【0004】ところで、シールドガスに炭酸ガスを使用
したものは、安価であることからその需要も多い。しか
しながら、アーク切れが発生し易いという欠点があっ
た。これは特に溶接電流が例えば200〔A〕以下、あ
るいは300〔A〕以上といったアークの安定度の低い
条件において著しい。そこで、このようにアーク切れの
発生し易い条件下において、溶接トーチを図1あるいは
図2に示すような制御系で制御する場合について考えて
みる。まず、図2に示す制御系について考える。図3、
図4、図5はこのための説明図であり、図3はウイービ
ング波形、図4は溶接電流、図5は溶接トーチのウイー
ビング中心位置の軌跡を示す。なお、各々の図は時間軸
tを同一にしてある。図5において、時間軸tは溶接線
WLとみなすことができる。図4においては時間t1 、
t2 、t3 、t4 、t5 でアーク切れが発生している様
子を示してある。また、この場合、ワークの溶接線WL
と、修正なしのときのウイービング中心位置が一致する
ように予め設定してあった。しかし、図5に示すよう
に、アーク切れが起こるたびに制御系は偏差△Iが生じ
たものと判断し、a1 、a2 、a3 のような修正量を溶
接トーチに加えてしまう。この修正が不必要なものであ
ることは、以上の説明および図3、図4、図5からも明
らかであろう。この現象は図1に示す特性を有する制御
系を利用した場合も、修正量a1、a2、a3 が一定量a
となることを除けば同様である。 【0005】アーク安定度が低い溶接条件の下において
は、非定常時なアーク切れが発生する。この現象が発生
すると、従来の制御系は、溶接トーチが溶接線から外れ
ていないにもかかわらず、これによる電気量の変化によ
り、溶接トーチと溶接線との相対位置を修正してしま
う。したがって、このようなアーク切れが多く発生する
条件下において、特にこの条件が長時間連続する場合、
溶接トーチが溶接線WLから大きく外れ、最悪の場合に
はこれが完全に外れ、溶接線WLの追従が困難になって
しまう場合がある。図4からも明らかなように、アーク
切れが生じると、溶接トーチのアーク長に対する電気量
は定常時のそれに比べ大きく変化する。したがって、特
に図2に示すような、偏差△Iに比例した所定量の修正
量xを出力する制御系を利用した場合、溶接トーチと溶
接線WLとは大きく修正され、そのため溶接線WLから
溶接トーチが外れる割り合いはかなり高くなる 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みて成されたものであり、その目的とするところはアー
クの安定度が低い条件下においても、追従性の良好な溶
接線倣い制御装置を得ることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記したように、アーク
切れが発生すると、溶接トーチのアークに対応する電気
量は、定常溶接時のそれに比べ大きく変化する。本発明
はこの点に着目して成されたものであり、その特徴とす
るところは、ワークを介して溶接トーチに溶接電力を供
給する電力供給手段と、前記ワークと前記溶接トーチの
間に発生するアークに対応する電流または電圧を検出す
る手段と、前記検出された電流または電圧に基づいて前
記溶接トーチの上下方向位置の修正量を演算して出力す
る修正制御手段と、前記修正制御手段の出力に基づいて
前記ワークと前記溶接トーチの間の上下方向の位置を相
対的に制御する移動制御手段を備えた溶接線倣い制御装
置において、予め定めた基準範囲を所定の基準値により
設定する設定手段と、前記検出された電流または電圧に
応じた値が前記基準値と比較され該電流または電圧が前
記基準範囲外であることが検出されたとき前記修正制御
手段の出力を前記検出された電流または電圧に基づいた
修正量より小さい量に制限する制限手段を備えたことを
特徴とするものである。 【0008】 【作用】電力供給手段がワークを介して溶接トーチに溶
接電力が供給され、前記ワークと前記溶接トーチの間に
アークが発生すると、このアークに対応する電流または
電圧が検出される。この検出された電流または電圧に基
づいて前記溶接トーチの上下方向位置の修正量が修正制
御手段により演算されて、前記ワークと前記溶接トーチ
の間の上下方向の位置を相対的に制御する移動制御手段
に出力される。このとき前記検出された電流または電圧
に応じた値が予め定めた基準値と比較され該電流または
電圧が予め定めた基準範囲外であることが検出されたと
きは前記修正制御手段の出力を前記検出された電流また
は電圧に基づいた修正量より小さい量に前記制限手段に
よって制限し前記溶接トーチはアーク発生が不安定でも
安定な位置を保つように作用する。 【0009】 【実施例】以下本発明の一実施例を図を用いて説明す
る。図7は本発明を実施する自動溶接装置の全体図であ
る。1は制御装置であり、可動部2の各サーボモータの
制御、及び本発明による制御を実現する。可動部2は上
下スライド部5、左右移動部6、前後移動部3、前後移
動用レール4とを備え、各移動部は各々サーボモータに
よって駆動される。溶接系統は電力供給手段としての電
源装置12、ワイヤ送給装置8、溶接トーチ7とを備え
ている。9はワークであり、10はこのワーク9の位置
決めするワーク固定台である。前後移動部3はレール4
に沿って矢印Zで示す前後方向に移動可能であり、左右
移動部6は上下スライド部5に対し矢印yで示す上下方
向に移動可能で、しかも矢印Xで示す左右方向に移動可
能である。可動部2はこれら各部分を当該部分の駆動源
を成す適当なサーボモータの駆動により、左右移動部6
の先端に取り付けた溶接トーチ7に、その運行、ないし
はウイービングに必要な動きを与える。制御装置1と電
源装置12とは、信号線11によって接続し、溶接作業
中のアーク電流値を制御装置1に入力し得るように構成
してある。ワーク9はその溶接線WLがレール4にほぼ
平行になるようワーク固定台10上に配置する。以上の
構成によれば、ワーク9の溶接速度は、前後移動部3の
移動速度により決定される。当該実施例においては、上
下スライド部5、左右移動部6を制御して精度の良好な
溶接を行う。以後説明の便宜上、前記した上下方向yを
Y軸、左右方向をX軸、前後方向zをZ軸と呼ぶ。 【0010】図8は本発明の主要部を示す制御回路図で
あり、定常状態においては図2に示す特性を備えたもの
について示してある。以下、この図について説明する。
20は修正手段であり、以下のように構成する。21は
シャント抵抗であり、これは図7における溶接電源12
の内部に組み込まれており、溶接中のアーク電流を制御
装置1に適した小電圧に変換し、これを当該制御装置1
に送る。22はローパスフィルタであって、シャント抵
抗21により検出されたアーク電流検出値の中から、ア
ーク特有の高周波成分をノイズとして除去する。23は
ウイービング信号発生器であり、一般的には10〔H
z〕以下の低周波発信器が使用される。このウイービン
グ信号発生器23は2系統の出力を持つ。その1つは、
出力波形をそのままX軸サーボモータXSに送り、溶接
トーチ7にウイービング動作を生じさせる。他の1つ
は、スイッチングロジック24に送り、後述する各積分
器の入出力の同期をとる等の用途に使用する。スイッチ
ングロジック24はウイービング信号発生器23からの
ウイービング信号WSを入力し、これを基準にして、図
9に示す所定のタイミング信号T1、T2 、T3 、T4
を発生する。25は基準値設定器であり、図示しない設
定手段と、その設定値を記憶する記憶装置とを備え、適
性な溶接電流値等に見合った値を出力する。積分器2
6、27、28はスイッチングロジック24によって同期
がとられる。Y軸積分器26はタイミング信号T1 が入
力されている間、すなわちウイービング波形WSのほぼ
1周期全体に渡って、検出されたアーク電流値の積分を
行う。右積分器27はタイミング信号T2 を入力し、ウ
イービング波形WSの右端付近で、一定時間TSだけ積
分を行う。左積分器28はタイミング信号T3 を入力
し、ウイービング左端付近で、同様に一定時間TSだけ
積分を行う。比較器29及び30は、基準値設定器25
とY軸積分器26、及び右積分器27と左積分器28の
各々の出力値の引き算を行ないこれを偏差△Iとして出
力する。31、32はゲート回路であり、各々はスイッ
チングロジック24からのタイミング信号T4 を入力
し、この信号T4 が入力されている間、そのゲートを開
き、比較器29、30からの出力信号を通す。33、3
4は増幅器であり、各々は倍率GY、GXを有する乗算
器で構成してある。 【0011】35、36は本発明の主要部である制御手
段を構成するリミッタ回路であり、各々のリミッタ回路
35、36は図10に示すように構成してある。以下、
この図について説明する。40は基準値設定器であり、
構成は図8に示す基準値設定器25と同様であるが、設
定手段にて設定する設定値に差異がある。すなわち、こ
の場合の設定値は、定常状態におけるアーク電流値とア
ーク切れが生じた場合におけるアーク電流値とを区別で
きる予定値とする。これは、予め実験等で決定すること
ができる。41、42は比較器であり、43、44はダ
イオードである。前記の説明から理解できることである
が、増幅器33、34からの出力信号は正負方向に振れ
る。そこで、増幅器41、42のそれぞれに対し、ダイ
オード43、44を逆並列に接続し、ダイオード41に
よって正方向成分を、そしてダイオード44によって負
方向成分を抽出する。更に、負方向成分はインバータ4
5によって方向を反転する。そして、正方向成分はゲー
ト回路46を介して出力し、負方向成分はゲート回路4
7およびインバータ48を介して出力する。比較器41
はダイオード43の出力、すなわちアーク電流値の正方
向成分が基準値設定器40に設定した予定値を越えたか
否かを判定し、越えた場合にはそれに応じた信号を出力
し、ゲート回路46を閉じる。また、比較器42はダイ
オード44の出力をインバータ45で反転した値が前記
予定値を越えたか否かを判定し、越えた場合にはそれに
応じた信号を出力し、ゲート回路47を閉じる。ゲート
回路46からの出力はそのまま、またゲート回路47の
出力はインバータ48を介しリミッタ回路35、36の
出力として送出される。増幅器33、34からリミッタ
回路35、36を介して出力された修正量xは、Y軸サ
ーボモータYS、X軸サーボモータXSに各々入力す
る。Y軸サーボモータYSは図7に示す上下スライド部
5内に組み込まれており、指令信号等に応じた高さに溶
接トーチ7を移動駆動する。X軸サーボモータXSは図
7に示す左右移動部6を駆動し、溶接トーチ7をウイー
ビング操作、およびX軸方向に移動駆動する。なお、図
示しないが、サーボモータとしては他に前記移動部3を
制御装置1からの指令信号に基づいて、Z軸方向に移動
駆動するZ軸サーボモータを備えている。これらX、
Y、Z軸サーボモータは、溶接トーチ7を溶接線WLに
沿って移動制御する主駆動源を成す。また、図8におい
ては移動制御手段として、サーボモータYS、XSおよ
びウイービング信号発生器23のみしか示していない
が、移動制御手段としては従来と同様、溶接トーチ7の
移動経路を予め設定する設定部としての例えば記憶部、
当該記憶部の記憶内容に基づいて各サーボモータを駆動
制御する制御部等が含まれている。更に、図8において
はリミッタ回路35、36の出力を直接サーボモータY
S、XSに加えるようにしているが、これは本来、制御
回路を介して各サーボモータYS、XSに加わるもので
あり、これも説明の簡単化の為、省略して示してあるこ
とを理解されたい。 【0012】図10の説明から明らかなように、リミッ
タ回路35、36は入力信号をゲート回路46、47を介
して出力するようにしている。そして、当該ゲート回路
46、47は比較器41、42の出力によって開閉制御
される。したがって、入力信号の値が設定器40に設定
した値以内であればゲート回路46、47は開かれ、入
力信号はそのまま出力される。しかしながら、入力信号
の値が設定器40に設定した値を越えるとゲート回路4
6、47は閉じられ、入出信号は遮断され、当該リミッ
タ回路46、47の出力は零となる。図11は当該リミ
ッタ回路35、36を組み込んだ図8に示す制御回路の
制御特性図であり、設定器40に設定値I1を設定した
場合について示してある。設定値I1は前記したよう
に、定常状態におけるアーク電流値と、アーク切れが生
じた場合におけるアーク電流値とを区別できる予定値で
あり、これは予め実験等で決定可能な値である。すなわ
ち、本実施例のものによる制御系は、偏差△Iが△I1
から−△I1までの範囲内においては図2のものと同
様、偏差△Iに比例して修正量xは増大する。しかしな
がら、この範囲を越えると、すなわちアーク切れが発生
すると、修正量xを強制的に零とする。なお、リミッタ
回路35の設定器40の設定値と、リミッタ回路36の
設定器40の設定値とは具体的には異なっているが、こ
れは説明の簡単化のため、以後は同一であるとして説明
する。 【0013】以下、図3、図4、図6を参照して実施例
のものの動作を説明する。図3は前記した通り、ウイー
ビング信号波形であり図8のウイービング信号発生器2
3の出力に対応する。図4は溶接電流、すなわちアーク
電流波形であり、図8におけるローパスフィルタ22の
出力に対応する。図6は本実施例のものにおける溶接ト
ーチ7のウイービング中心位置の軌跡を示す。まず、定
常状態において、溶接トーチ7は制御装置1に予め設定
した移動経路情報に基づき、当該制御装置1によって移
動制御される可動部2により移動駆動される。ここで、
図9のta時点においてスイッチングロジック24から
タイミング信号T1が出力されると、Y軸積分器26は
この信号T1により、このta時点からtf時点までの
期間、ローパルフィルタ22からのアーク電流を積分す
る。右積分器27はtb時点においてスイッチングロジ
ック24からタイミング信号T2が出力されることによ
り、tc時点までの期間Tsの間、ローパスフィルタ2
2からのアーク電流を積分する。同様に、左積分器28
はtd時点においてスイッチングロジック24からタイ
ミング信号T3が出力されることにより、teまでの期
間Tsの間、ローパルフィルタ22からのアーク電流を
積分する。以上のようにして積分されたY軸積分器26
の積分値と基準値設定器25の設定値、および右積分器
27の積分値と左積分器28の積分値とは、常時比較器
29、30により比較され、その偏差は常時出力され
る。しかしながら、この偏差はゲート回路31、32に
よって遮断され増幅器33、34には入力されない。Y
軸積分器26、右積分器27、左積分器28がそれぞれ
所定期間におけるアーク電流の積分が終了した後のtg
時点において、スイッチングロジック24からタイミン
グ信号T4 が出力されると、ゲート回路31、32が共
に開かれ、比較器29、30からの出力は増幅器33、
34に入力される。そして、増幅された偏差はリミッタ
35、36を介してそれぞれY軸サーボモータYS、X
軸サーボモータXSに入力され、偏差に対応した修正量
だけ溶接トーチ7が修正駆動される。ここで、溶接線W
Lに対し溶接トーチ7がY軸方向に所望の距離よりも接
近、あるいは離間すると、設定器25の設定値とY軸積
分器26の積分値との間に差が生じ、比較器29は両者
の偏差を検出する。そうすると、この偏差に基づきY軸
サーボモータYSが溶接トーチ7のY軸方向の距離を調
整し、この調整は偏差が零になるよう働らく。また、溶
接線WLに対しウイービングパターンの中心位置が右側
あるいは左側のいづれか一方にずれたとすると、右積分
器27と左積分器28との間の積分値に差が生じる。そ
うすると、比較器30はこの両者の偏差を検出し、この
検出値によってX軸サーボモータXSが駆動制御され
る。そして、この制御は溶接線WLとウイービングパタ
ーンの中心位置とが一致するまで続けられる。このよう
にして、溶接トーチ7は溶接線WLに沿って倣い制御さ
れる。なお、説明において省略したが、各積分器26、
27、28はタイミング信号T4 が消失してから、タイ
ミング信号T1 が立上るまでの間にクリアされることは
勿論である。 【0014】以上は、アーク切れが生じない一般的な場
合、すなわち偏差△Iが図11における△I1 から−△
I1 の範囲内について示した。この場合、増幅器33、
34の出力は、設定器40の設定値I1 を越えないた
め、ゲート回路46、47は共に開き、当該増幅器3
3、34の出力はリミッタ回路35、36を通り、サー
ボモータYS、XSにそのまま加わる。ここで、図4の
t1、t2、t3、t4、t5時点で示すように、アーク切れ
が生じたとする。そうすると、まず、t1 時点における
アーク切れの影響は、図6に示すようにタイミング信号
T4 が発生するT41時点以後に表われる。t1 信号での
アーク切れにより、設定器25の設定値とY軸積分器2
6の積分値、および右積分器27の積分値と左積分器2
8の積分値との間には差異が生じる。本来ならば、この
差に応じ、サーボモータYS、XSが制御される。しか
しながら、この差はアーク切れにより発生したものであ
り、この差はかなり大きな値となる。すなわち、図10
における設定値I1 を越えてしまう。比較器41、42
はこれを検出し、ゲート回路46、47を閉じる。した
がって、この偏差に基づく信号はリミッタ回路からは出
力されず、サーボモータYS、XSは何ら移動制御され
ず、過去の状態を維持する。以下同様に、t2 、t3 、
t4 、t5 時点におけるアーク切れに対しても、リミッ
タ回路35、36が出力を制限するように働き、これに
よる偏差は無視される。すなわち、図6に示すように、
ウィービングパターンの中心位置の軌跡はアーク切れに
影響されず溶接線WLに倣って運行される。 【0015】以上、実施例においては、溶接線WLを有
するワークを固定とし、この溶接線WLに対し溶接トー
チ7を移動制御する場合について説明したが、これは逆
に溶接トーチ7を固定し、溶接線WLを移動制御するよ
うにしてもよい。又、実施例に示したものは、偏差△I
が予定量△I1 を越えることにより、修正量xを零とす
る場合について説明したが、これは零でなく、偏差に対
応する修正量よりも小さい値であれば充分本発明の効果
は達成可能である。図12はその一例を示したものであ
り、偏差△Iが予定量△I1 を越えることにより修正量
xを修正量a1としたものである。更に、制限された修
正量xは常に一定の値でなく、第13図に示すように漸減
するようにしてもよい。又、図14は修正制御手段の制
御特性が不感帯を備えたものであり、修正制御手段がど
のような特性を有していても本発明の適用は可能であ
る。この制限された修正量をどのような値、あるいは特
性に選定するかは、本発明を適用する自動溶接装置ある
いはワークの特質等によって決定されるものであるが、
一般的には零であることが望ましい。 【0016】また、実施例においては、偏差△Iの絶対
値が予定値I1以下の場合においては偏差△Iにほぼ比
例して修正量xが増大するものについて説明したが、こ
れは偏差△Iの大きさによって一定の修正量xを出力す
る図1のものにもその適用は可能である。図15はこの
場合の特性図を示す。なお、この場合においても、偏差
△Iが予定値I1を越えたことにより、修正量xを零で
なく、前記したような値に選定してもよい。例えば、図
16は修正量をa1 に制限する場合について示してあ
る。更に、第17図は修正量xを漸減する場合について示
してある。 【0017】更に、実施例においては、検出された電気
量と予め定めた基準量との偏差が、予定値を越えたか否
かを、修正制御手段20の出力位置における偏差によっ
て判定するようにした場合について示したが、これは他
の位置、例えば比較器31、32の出力部分における偏
差を利用してもよく、又本発明はそれらの位置に限定さ
れるものではない。 【0018】また、溶接トーチのアークに対応する電気
量の検出は、アーク電流をその例にとって説明したが、
これは前記したように溶接トーチの電圧を検出するもの
であってもよい。 【0019】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によればアークの安定度が低い条件下においてもこれに
よる修正量への影響を小さく抑えることができ、溶接ト
ーチの上下方向の位置を目標値に安定に保つことができ
る溶接線倣い制御装置を得ることができる。
接、あるいは隅肉溶接等に利用されるものであって、と
くに溶接トーチに流れるアーク電流もしくは電圧、すな
わちアークに対応する電気量を検出し、その溶接トーチ
の位置を制御する溶接線倣い制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】溶接トーチに流れるアーク電流を検出
し、溶接トーチの位置を所定の溶接線から外れないよう
に倣い制御することはすでに知られている。ひとつの具
体的な方法はアーク電流の検出値を予め定めた一定量の
基準値と比較し、その結果にもとずいて溶接トーチの位
置を制御するやり方である。もしも、溶接トーチがウイ
ービングするのであれば、たとえばそのウイービングパ
ターンの中心におけるアーク電流の検出値を、これに対
応する一定量の基準値と比較し、その結果に基づいて溶
接トーチの位置を制御するやり方である。別の具体的な
方法は溶接トーチのウイービングに着目したものであっ
て、ウイービングパターンの両端におけるアーク電流の
検出値を互いに一方を基準量として相互に比較し、この
結果にもとずいて制御する方式である。これは例えば開
先に沿った溶接線の右側(左側)に溶接トーチの進路が
逸れれば、ウイービングパターンにおける右側(左端)
のアーク電流が他端のそれよりも大きくなるという現象
を利用したものである。 【0003】図1および図2は溶接線に倣うよう予め設
定された溶接トーチの移動経路に対し、これを電気量の
検出に基づいて当該溶接トーチの位置ずれを修正制御す
る従来の制御系の特性図である。この図は溶接トーチの
アークに対応する電気量として、溶接トーチのアーク電
流を使用する場合について示してある。これらの図にお
いて、横軸△Iは偏差であり、例えばアーク電流の検出
値と予め定めた一定量の基準値との差、あるいはウイー
ビングパターンの中心におけるアーク電流の検出値とこ
れに対する基準値との差、もしくはウイービングパター
ンの両端におけるアーク電流検出値との相互の差がこれ
に当る。これらの差とは、値の差分である場合もある
し、比である場合もある。縦軸xは溶接トーチの修正量
である。図1に示すものは、偏差△Iが△I0あるいは
−△I0を超えたとき初めて溶接トーチに所定の修正を
加えるようにしたものである。この場合、修正量xは常
に一定量aである。このようなものにおいて、修正量x
が零である偏差△I0と偏差−△I0との間の帯域を一般
には不感帯と称している。図2に示すものは、偏差△I
に比例して所定の修正を加えるようにしたものである。
この図において、特性線の傾きG0は制御系の性質によ
り任意に決定可能である。 【0004】ところで、シールドガスに炭酸ガスを使用
したものは、安価であることからその需要も多い。しか
しながら、アーク切れが発生し易いという欠点があっ
た。これは特に溶接電流が例えば200〔A〕以下、あ
るいは300〔A〕以上といったアークの安定度の低い
条件において著しい。そこで、このようにアーク切れの
発生し易い条件下において、溶接トーチを図1あるいは
図2に示すような制御系で制御する場合について考えて
みる。まず、図2に示す制御系について考える。図3、
図4、図5はこのための説明図であり、図3はウイービ
ング波形、図4は溶接電流、図5は溶接トーチのウイー
ビング中心位置の軌跡を示す。なお、各々の図は時間軸
tを同一にしてある。図5において、時間軸tは溶接線
WLとみなすことができる。図4においては時間t1 、
t2 、t3 、t4 、t5 でアーク切れが発生している様
子を示してある。また、この場合、ワークの溶接線WL
と、修正なしのときのウイービング中心位置が一致する
ように予め設定してあった。しかし、図5に示すよう
に、アーク切れが起こるたびに制御系は偏差△Iが生じ
たものと判断し、a1 、a2 、a3 のような修正量を溶
接トーチに加えてしまう。この修正が不必要なものであ
ることは、以上の説明および図3、図4、図5からも明
らかであろう。この現象は図1に示す特性を有する制御
系を利用した場合も、修正量a1、a2、a3 が一定量a
となることを除けば同様である。 【0005】アーク安定度が低い溶接条件の下において
は、非定常時なアーク切れが発生する。この現象が発生
すると、従来の制御系は、溶接トーチが溶接線から外れ
ていないにもかかわらず、これによる電気量の変化によ
り、溶接トーチと溶接線との相対位置を修正してしま
う。したがって、このようなアーク切れが多く発生する
条件下において、特にこの条件が長時間連続する場合、
溶接トーチが溶接線WLから大きく外れ、最悪の場合に
はこれが完全に外れ、溶接線WLの追従が困難になって
しまう場合がある。図4からも明らかなように、アーク
切れが生じると、溶接トーチのアーク長に対する電気量
は定常時のそれに比べ大きく変化する。したがって、特
に図2に示すような、偏差△Iに比例した所定量の修正
量xを出力する制御系を利用した場合、溶接トーチと溶
接線WLとは大きく修正され、そのため溶接線WLから
溶接トーチが外れる割り合いはかなり高くなる 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みて成されたものであり、その目的とするところはアー
クの安定度が低い条件下においても、追従性の良好な溶
接線倣い制御装置を得ることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記したように、アーク
切れが発生すると、溶接トーチのアークに対応する電気
量は、定常溶接時のそれに比べ大きく変化する。本発明
はこの点に着目して成されたものであり、その特徴とす
るところは、ワークを介して溶接トーチに溶接電力を供
給する電力供給手段と、前記ワークと前記溶接トーチの
間に発生するアークに対応する電流または電圧を検出す
る手段と、前記検出された電流または電圧に基づいて前
記溶接トーチの上下方向位置の修正量を演算して出力す
る修正制御手段と、前記修正制御手段の出力に基づいて
前記ワークと前記溶接トーチの間の上下方向の位置を相
対的に制御する移動制御手段を備えた溶接線倣い制御装
置において、予め定めた基準範囲を所定の基準値により
設定する設定手段と、前記検出された電流または電圧に
応じた値が前記基準値と比較され該電流または電圧が前
記基準範囲外であることが検出されたとき前記修正制御
手段の出力を前記検出された電流または電圧に基づいた
修正量より小さい量に制限する制限手段を備えたことを
特徴とするものである。 【0008】 【作用】電力供給手段がワークを介して溶接トーチに溶
接電力が供給され、前記ワークと前記溶接トーチの間に
アークが発生すると、このアークに対応する電流または
電圧が検出される。この検出された電流または電圧に基
づいて前記溶接トーチの上下方向位置の修正量が修正制
御手段により演算されて、前記ワークと前記溶接トーチ
の間の上下方向の位置を相対的に制御する移動制御手段
に出力される。このとき前記検出された電流または電圧
に応じた値が予め定めた基準値と比較され該電流または
電圧が予め定めた基準範囲外であることが検出されたと
きは前記修正制御手段の出力を前記検出された電流また
は電圧に基づいた修正量より小さい量に前記制限手段に
よって制限し前記溶接トーチはアーク発生が不安定でも
安定な位置を保つように作用する。 【0009】 【実施例】以下本発明の一実施例を図を用いて説明す
る。図7は本発明を実施する自動溶接装置の全体図であ
る。1は制御装置であり、可動部2の各サーボモータの
制御、及び本発明による制御を実現する。可動部2は上
下スライド部5、左右移動部6、前後移動部3、前後移
動用レール4とを備え、各移動部は各々サーボモータに
よって駆動される。溶接系統は電力供給手段としての電
源装置12、ワイヤ送給装置8、溶接トーチ7とを備え
ている。9はワークであり、10はこのワーク9の位置
決めするワーク固定台である。前後移動部3はレール4
に沿って矢印Zで示す前後方向に移動可能であり、左右
移動部6は上下スライド部5に対し矢印yで示す上下方
向に移動可能で、しかも矢印Xで示す左右方向に移動可
能である。可動部2はこれら各部分を当該部分の駆動源
を成す適当なサーボモータの駆動により、左右移動部6
の先端に取り付けた溶接トーチ7に、その運行、ないし
はウイービングに必要な動きを与える。制御装置1と電
源装置12とは、信号線11によって接続し、溶接作業
中のアーク電流値を制御装置1に入力し得るように構成
してある。ワーク9はその溶接線WLがレール4にほぼ
平行になるようワーク固定台10上に配置する。以上の
構成によれば、ワーク9の溶接速度は、前後移動部3の
移動速度により決定される。当該実施例においては、上
下スライド部5、左右移動部6を制御して精度の良好な
溶接を行う。以後説明の便宜上、前記した上下方向yを
Y軸、左右方向をX軸、前後方向zをZ軸と呼ぶ。 【0010】図8は本発明の主要部を示す制御回路図で
あり、定常状態においては図2に示す特性を備えたもの
について示してある。以下、この図について説明する。
20は修正手段であり、以下のように構成する。21は
シャント抵抗であり、これは図7における溶接電源12
の内部に組み込まれており、溶接中のアーク電流を制御
装置1に適した小電圧に変換し、これを当該制御装置1
に送る。22はローパスフィルタであって、シャント抵
抗21により検出されたアーク電流検出値の中から、ア
ーク特有の高周波成分をノイズとして除去する。23は
ウイービング信号発生器であり、一般的には10〔H
z〕以下の低周波発信器が使用される。このウイービン
グ信号発生器23は2系統の出力を持つ。その1つは、
出力波形をそのままX軸サーボモータXSに送り、溶接
トーチ7にウイービング動作を生じさせる。他の1つ
は、スイッチングロジック24に送り、後述する各積分
器の入出力の同期をとる等の用途に使用する。スイッチ
ングロジック24はウイービング信号発生器23からの
ウイービング信号WSを入力し、これを基準にして、図
9に示す所定のタイミング信号T1、T2 、T3 、T4
を発生する。25は基準値設定器であり、図示しない設
定手段と、その設定値を記憶する記憶装置とを備え、適
性な溶接電流値等に見合った値を出力する。積分器2
6、27、28はスイッチングロジック24によって同期
がとられる。Y軸積分器26はタイミング信号T1 が入
力されている間、すなわちウイービング波形WSのほぼ
1周期全体に渡って、検出されたアーク電流値の積分を
行う。右積分器27はタイミング信号T2 を入力し、ウ
イービング波形WSの右端付近で、一定時間TSだけ積
分を行う。左積分器28はタイミング信号T3 を入力
し、ウイービング左端付近で、同様に一定時間TSだけ
積分を行う。比較器29及び30は、基準値設定器25
とY軸積分器26、及び右積分器27と左積分器28の
各々の出力値の引き算を行ないこれを偏差△Iとして出
力する。31、32はゲート回路であり、各々はスイッ
チングロジック24からのタイミング信号T4 を入力
し、この信号T4 が入力されている間、そのゲートを開
き、比較器29、30からの出力信号を通す。33、3
4は増幅器であり、各々は倍率GY、GXを有する乗算
器で構成してある。 【0011】35、36は本発明の主要部である制御手
段を構成するリミッタ回路であり、各々のリミッタ回路
35、36は図10に示すように構成してある。以下、
この図について説明する。40は基準値設定器であり、
構成は図8に示す基準値設定器25と同様であるが、設
定手段にて設定する設定値に差異がある。すなわち、こ
の場合の設定値は、定常状態におけるアーク電流値とア
ーク切れが生じた場合におけるアーク電流値とを区別で
きる予定値とする。これは、予め実験等で決定すること
ができる。41、42は比較器であり、43、44はダ
イオードである。前記の説明から理解できることである
が、増幅器33、34からの出力信号は正負方向に振れ
る。そこで、増幅器41、42のそれぞれに対し、ダイ
オード43、44を逆並列に接続し、ダイオード41に
よって正方向成分を、そしてダイオード44によって負
方向成分を抽出する。更に、負方向成分はインバータ4
5によって方向を反転する。そして、正方向成分はゲー
ト回路46を介して出力し、負方向成分はゲート回路4
7およびインバータ48を介して出力する。比較器41
はダイオード43の出力、すなわちアーク電流値の正方
向成分が基準値設定器40に設定した予定値を越えたか
否かを判定し、越えた場合にはそれに応じた信号を出力
し、ゲート回路46を閉じる。また、比較器42はダイ
オード44の出力をインバータ45で反転した値が前記
予定値を越えたか否かを判定し、越えた場合にはそれに
応じた信号を出力し、ゲート回路47を閉じる。ゲート
回路46からの出力はそのまま、またゲート回路47の
出力はインバータ48を介しリミッタ回路35、36の
出力として送出される。増幅器33、34からリミッタ
回路35、36を介して出力された修正量xは、Y軸サ
ーボモータYS、X軸サーボモータXSに各々入力す
る。Y軸サーボモータYSは図7に示す上下スライド部
5内に組み込まれており、指令信号等に応じた高さに溶
接トーチ7を移動駆動する。X軸サーボモータXSは図
7に示す左右移動部6を駆動し、溶接トーチ7をウイー
ビング操作、およびX軸方向に移動駆動する。なお、図
示しないが、サーボモータとしては他に前記移動部3を
制御装置1からの指令信号に基づいて、Z軸方向に移動
駆動するZ軸サーボモータを備えている。これらX、
Y、Z軸サーボモータは、溶接トーチ7を溶接線WLに
沿って移動制御する主駆動源を成す。また、図8におい
ては移動制御手段として、サーボモータYS、XSおよ
びウイービング信号発生器23のみしか示していない
が、移動制御手段としては従来と同様、溶接トーチ7の
移動経路を予め設定する設定部としての例えば記憶部、
当該記憶部の記憶内容に基づいて各サーボモータを駆動
制御する制御部等が含まれている。更に、図8において
はリミッタ回路35、36の出力を直接サーボモータY
S、XSに加えるようにしているが、これは本来、制御
回路を介して各サーボモータYS、XSに加わるもので
あり、これも説明の簡単化の為、省略して示してあるこ
とを理解されたい。 【0012】図10の説明から明らかなように、リミッ
タ回路35、36は入力信号をゲート回路46、47を介
して出力するようにしている。そして、当該ゲート回路
46、47は比較器41、42の出力によって開閉制御
される。したがって、入力信号の値が設定器40に設定
した値以内であればゲート回路46、47は開かれ、入
力信号はそのまま出力される。しかしながら、入力信号
の値が設定器40に設定した値を越えるとゲート回路4
6、47は閉じられ、入出信号は遮断され、当該リミッ
タ回路46、47の出力は零となる。図11は当該リミ
ッタ回路35、36を組み込んだ図8に示す制御回路の
制御特性図であり、設定器40に設定値I1を設定した
場合について示してある。設定値I1は前記したよう
に、定常状態におけるアーク電流値と、アーク切れが生
じた場合におけるアーク電流値とを区別できる予定値で
あり、これは予め実験等で決定可能な値である。すなわ
ち、本実施例のものによる制御系は、偏差△Iが△I1
から−△I1までの範囲内においては図2のものと同
様、偏差△Iに比例して修正量xは増大する。しかしな
がら、この範囲を越えると、すなわちアーク切れが発生
すると、修正量xを強制的に零とする。なお、リミッタ
回路35の設定器40の設定値と、リミッタ回路36の
設定器40の設定値とは具体的には異なっているが、こ
れは説明の簡単化のため、以後は同一であるとして説明
する。 【0013】以下、図3、図4、図6を参照して実施例
のものの動作を説明する。図3は前記した通り、ウイー
ビング信号波形であり図8のウイービング信号発生器2
3の出力に対応する。図4は溶接電流、すなわちアーク
電流波形であり、図8におけるローパスフィルタ22の
出力に対応する。図6は本実施例のものにおける溶接ト
ーチ7のウイービング中心位置の軌跡を示す。まず、定
常状態において、溶接トーチ7は制御装置1に予め設定
した移動経路情報に基づき、当該制御装置1によって移
動制御される可動部2により移動駆動される。ここで、
図9のta時点においてスイッチングロジック24から
タイミング信号T1が出力されると、Y軸積分器26は
この信号T1により、このta時点からtf時点までの
期間、ローパルフィルタ22からのアーク電流を積分す
る。右積分器27はtb時点においてスイッチングロジ
ック24からタイミング信号T2が出力されることによ
り、tc時点までの期間Tsの間、ローパスフィルタ2
2からのアーク電流を積分する。同様に、左積分器28
はtd時点においてスイッチングロジック24からタイ
ミング信号T3が出力されることにより、teまでの期
間Tsの間、ローパルフィルタ22からのアーク電流を
積分する。以上のようにして積分されたY軸積分器26
の積分値と基準値設定器25の設定値、および右積分器
27の積分値と左積分器28の積分値とは、常時比較器
29、30により比較され、その偏差は常時出力され
る。しかしながら、この偏差はゲート回路31、32に
よって遮断され増幅器33、34には入力されない。Y
軸積分器26、右積分器27、左積分器28がそれぞれ
所定期間におけるアーク電流の積分が終了した後のtg
時点において、スイッチングロジック24からタイミン
グ信号T4 が出力されると、ゲート回路31、32が共
に開かれ、比較器29、30からの出力は増幅器33、
34に入力される。そして、増幅された偏差はリミッタ
35、36を介してそれぞれY軸サーボモータYS、X
軸サーボモータXSに入力され、偏差に対応した修正量
だけ溶接トーチ7が修正駆動される。ここで、溶接線W
Lに対し溶接トーチ7がY軸方向に所望の距離よりも接
近、あるいは離間すると、設定器25の設定値とY軸積
分器26の積分値との間に差が生じ、比較器29は両者
の偏差を検出する。そうすると、この偏差に基づきY軸
サーボモータYSが溶接トーチ7のY軸方向の距離を調
整し、この調整は偏差が零になるよう働らく。また、溶
接線WLに対しウイービングパターンの中心位置が右側
あるいは左側のいづれか一方にずれたとすると、右積分
器27と左積分器28との間の積分値に差が生じる。そ
うすると、比較器30はこの両者の偏差を検出し、この
検出値によってX軸サーボモータXSが駆動制御され
る。そして、この制御は溶接線WLとウイービングパタ
ーンの中心位置とが一致するまで続けられる。このよう
にして、溶接トーチ7は溶接線WLに沿って倣い制御さ
れる。なお、説明において省略したが、各積分器26、
27、28はタイミング信号T4 が消失してから、タイ
ミング信号T1 が立上るまでの間にクリアされることは
勿論である。 【0014】以上は、アーク切れが生じない一般的な場
合、すなわち偏差△Iが図11における△I1 から−△
I1 の範囲内について示した。この場合、増幅器33、
34の出力は、設定器40の設定値I1 を越えないた
め、ゲート回路46、47は共に開き、当該増幅器3
3、34の出力はリミッタ回路35、36を通り、サー
ボモータYS、XSにそのまま加わる。ここで、図4の
t1、t2、t3、t4、t5時点で示すように、アーク切れ
が生じたとする。そうすると、まず、t1 時点における
アーク切れの影響は、図6に示すようにタイミング信号
T4 が発生するT41時点以後に表われる。t1 信号での
アーク切れにより、設定器25の設定値とY軸積分器2
6の積分値、および右積分器27の積分値と左積分器2
8の積分値との間には差異が生じる。本来ならば、この
差に応じ、サーボモータYS、XSが制御される。しか
しながら、この差はアーク切れにより発生したものであ
り、この差はかなり大きな値となる。すなわち、図10
における設定値I1 を越えてしまう。比較器41、42
はこれを検出し、ゲート回路46、47を閉じる。した
がって、この偏差に基づく信号はリミッタ回路からは出
力されず、サーボモータYS、XSは何ら移動制御され
ず、過去の状態を維持する。以下同様に、t2 、t3 、
t4 、t5 時点におけるアーク切れに対しても、リミッ
タ回路35、36が出力を制限するように働き、これに
よる偏差は無視される。すなわち、図6に示すように、
ウィービングパターンの中心位置の軌跡はアーク切れに
影響されず溶接線WLに倣って運行される。 【0015】以上、実施例においては、溶接線WLを有
するワークを固定とし、この溶接線WLに対し溶接トー
チ7を移動制御する場合について説明したが、これは逆
に溶接トーチ7を固定し、溶接線WLを移動制御するよ
うにしてもよい。又、実施例に示したものは、偏差△I
が予定量△I1 を越えることにより、修正量xを零とす
る場合について説明したが、これは零でなく、偏差に対
応する修正量よりも小さい値であれば充分本発明の効果
は達成可能である。図12はその一例を示したものであ
り、偏差△Iが予定量△I1 を越えることにより修正量
xを修正量a1としたものである。更に、制限された修
正量xは常に一定の値でなく、第13図に示すように漸減
するようにしてもよい。又、図14は修正制御手段の制
御特性が不感帯を備えたものであり、修正制御手段がど
のような特性を有していても本発明の適用は可能であ
る。この制限された修正量をどのような値、あるいは特
性に選定するかは、本発明を適用する自動溶接装置ある
いはワークの特質等によって決定されるものであるが、
一般的には零であることが望ましい。 【0016】また、実施例においては、偏差△Iの絶対
値が予定値I1以下の場合においては偏差△Iにほぼ比
例して修正量xが増大するものについて説明したが、こ
れは偏差△Iの大きさによって一定の修正量xを出力す
る図1のものにもその適用は可能である。図15はこの
場合の特性図を示す。なお、この場合においても、偏差
△Iが予定値I1を越えたことにより、修正量xを零で
なく、前記したような値に選定してもよい。例えば、図
16は修正量をa1 に制限する場合について示してあ
る。更に、第17図は修正量xを漸減する場合について示
してある。 【0017】更に、実施例においては、検出された電気
量と予め定めた基準量との偏差が、予定値を越えたか否
かを、修正制御手段20の出力位置における偏差によっ
て判定するようにした場合について示したが、これは他
の位置、例えば比較器31、32の出力部分における偏
差を利用してもよく、又本発明はそれらの位置に限定さ
れるものではない。 【0018】また、溶接トーチのアークに対応する電気
量の検出は、アーク電流をその例にとって説明したが、
これは前記したように溶接トーチの電圧を検出するもの
であってもよい。 【0019】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によればアークの安定度が低い条件下においてもこれに
よる修正量への影響を小さく抑えることができ、溶接ト
ーチの上下方向の位置を目標値に安定に保つことができ
る溶接線倣い制御装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来装置の制御特性図である。
【図2】従来装置の制御特性図である。
【図3】ウィービング信号波形図である。
【図4】アーク電流波形図である。
【図5】従来装置のものにおけるウィービング中心位置
の軌跡を示す図である。 【図6】実施例のものにおけるウィービング中心位置の
軌跡を示す図である。 【図7】本発明を適用する自動溶接装置の全体の概略図
である。 【図8】本発明の一実施例を示すブロック図である。 【図9】図8を説明するための各部の信号を示すタイム
チャートである。 【図10】制限手段の一例を示すブロック図である。 【図11】本発明の実施例の制御特性図(第1例)であ
る。 【図12】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第2
例)である。 【図13】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第3
例)である。 【図14】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第4
例)である。 【図15】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第5
例)である。 【図16】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第6
例)である。 【図17】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第7
例)である。 【符号の説明】 7…溶接トーチ、 12…電力供給手段、 20…修正
制御手段、 21…シャ ント抵抗、 23…ウィービング信号発生器、 25…
基準値設定器、 24ス イッチングロジック、 26…Y軸積分器、 27…右
積分器、 28…左積分 器、 29…比較器、 30…比較器、 35…制限手
段、 36…制限手段、 WL…溶接線、 YS…Y軸サーボモータ、 XS…軸
サーボモータ。
の軌跡を示す図である。 【図6】実施例のものにおけるウィービング中心位置の
軌跡を示す図である。 【図7】本発明を適用する自動溶接装置の全体の概略図
である。 【図8】本発明の一実施例を示すブロック図である。 【図9】図8を説明するための各部の信号を示すタイム
チャートである。 【図10】制限手段の一例を示すブロック図である。 【図11】本発明の実施例の制御特性図(第1例)であ
る。 【図12】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第2
例)である。 【図13】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第3
例)である。 【図14】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第4
例)である。 【図15】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第5
例)である。 【図16】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第6
例)である。 【図17】本発明の他の実施例を示す制御特性図(第7
例)である。 【符号の説明】 7…溶接トーチ、 12…電力供給手段、 20…修正
制御手段、 21…シャ ント抵抗、 23…ウィービング信号発生器、 25…
基準値設定器、 24ス イッチングロジック、 26…Y軸積分器、 27…右
積分器、 28…左積分 器、 29…比較器、 30…比較器、 35…制限手
段、 36…制限手段、 WL…溶接線、 YS…Y軸サーボモータ、 XS…軸
サーボモータ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】ワークを 介して溶接トーチに溶接電力を供給する電力供
給手段と、 前記ワークと前記溶接トーチの間に発生するアークに対
応する電流または電圧を検出する手段と、 前記検出された電流または電圧に基づいて前記溶接トー
チの上下方向位置の修正量を演算して出力する修正制御
手段と、 前記修正制御手段の出力に基づいて前記ワークと前記溶
接トーチの間の上下方向の位置を相対的に制御する移動
制御手段を備えた溶接線倣い制御装置において、予め定
めた基準範囲を所定の基準値により設定する設定手段
と、 前記検出された電流または電圧に応じた値が前記基準値
と比較され該電流または電圧が前記基準範囲外であるこ
とが検出されたとき前記修正制御手段の出力を前記検出
された電流または電圧に基づいた修正量より小さい量に
制限する制限手段を備えたことを特徴とする溶接線倣い
制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4292433A JPH0790365B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 溶接線倣い制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4292433A JPH0790365B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 溶接線倣い制御装置 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58154874A Division JPS6046870A (ja) | 1983-08-26 | 1983-08-26 | 溶接線倣い制御装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0687077A JPH0687077A (ja) | 1994-03-29 |
| JPH0790365B2 true JPH0790365B2 (ja) | 1995-10-04 |
Family
ID=17781732
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4292433A Expired - Lifetime JPH0790365B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 溶接線倣い制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0790365B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6046870A (ja) * | 1983-08-26 | 1985-03-13 | Hitachi Ltd | 溶接線倣い制御装置 |
-
1992
- 1992-10-30 JP JP4292433A patent/JPH0790365B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0687077A (ja) | 1994-03-29 |
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