JPH0794530B2 - エポキシ樹脂の硬化方法 - Google Patents

エポキシ樹脂の硬化方法

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JPH0794530B2
JPH0794530B2 JP62125822A JP12582287A JPH0794530B2 JP H0794530 B2 JPH0794530 B2 JP H0794530B2 JP 62125822 A JP62125822 A JP 62125822A JP 12582287 A JP12582287 A JP 12582287A JP H0794530 B2 JPH0794530 B2 JP H0794530B2
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紀夫 岡田
淳一 竹崎
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日本原子力研究所
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエポキシ樹脂の硬化方法に関する。
エポキシ樹脂は、分子中に反応性に富んだエポキシ基を
持った化合物であり、化学構造の異なった多くのものが
知られている。このうち、ビスフェノールA型のエポキ
シ樹脂は市場の75%を占め、最も広く利用されている。
この樹脂は比較的低分子量のオリゴマーの混合物であ
り、分子量が500以下の常温で液状、又は半固体状の樹
脂から、分子量が6000程度の固体状の樹脂まで、分子量
の異なる各種のグレードのものが得られる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、種々の硬化剤を加
えて硬化反応を行って硬化物として使用されている。エ
ポキシ樹脂の硬化物は、強靭性、接着性、耐薬品性、強
度的性質、高温特性に優れているので、接着剤、積層板
用バインダー、塗装材などに広く利用されている。
(従来の技術) エポキシ樹脂の硬化はアミン類などの硬化剤を添加して
加熱によって行われるのが普通である。最近のプリント
配線基板、チップなど電子部品の封止剤、保護塗装材と
して応用が拡大しつつある。しかしながら、このような
製品は、高い温度に曝すことは好ましくないので、硬化
剤を加えて加熱硬化する方法は採用できない。そこで、
エポキシ樹脂にトリフェニルスルホニウムヘキサフォス
フェートなどのオニウム塩を光カチオン反応開始剤とし
て添加して紫外線を照射する方法が開発された。この方
法では、特に加熱することなく、室温の照射により硬化
反応を行うことができるからである。また、加熱による
硬化反応に比べて短い時間の紫外線照射で硬化反応を行
うことができるという利点もある。
このようなプロセスにおいては、硬化に先立って目的物
にエポキシ樹脂を塗布し、その後紫外線を照射する。し
かしながら、液状のビスフェノールA型のエポキシ樹脂
は、最も広く使用されている平均分子量が300〜400程度
の樹脂でも、室温では100〜200ポイズの粘度のかなり粘
稠な液体であり、そのままでは塗布することは困難であ
る。そのため塗布時には50〜80℃に加熱せねばならな
い。或いは室温で塗布を円滑に行うためには、アセト
ン、メチルエチルケトンのような溶剤で希釈することが
必要である。この場合、塗布後、或いは硬化後に溶剤を
除去回収する必要がある。第3の方法は、反応性希釈剤
を用いる方法であり、例えばアルキルモノグリシジルエ
ーテルなどを用いて希釈する方法である。この場合に
は、希釈剤が硬化時に反応して樹脂成分となるのである
が、一般に硬化速度が低下するという欠点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、このような問題点のないエポキシ樹脂
の硬化方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本願発明者は、この目的達成のため、エポキシ樹脂に対
して有効な反応性希釈剤を鋭意探索の結果、エポキシ樹
脂の優れた溶剤であるテトラヒドロフランが、光カチオ
ン反応開始剤の添加下において室温、空気の存在下の放
射線照射によって高い速度で硬化し、テトラヒドロフラ
ンはエポキシオリゴマーと共重合し、硬さの優れた硬化
物が得られることを見出し、本発明に到達した。
エポキシ樹脂に光カチオン反応開始剤の存在下に放射線
を照射して、硬化物を製造する方法において、常温で液
状のビスフェノールAジグリジルエーテル型のエポキシ
樹脂にトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフ
ェートなどの光カチオン反応開始剤を添加して放射線を
照射してエポキシ樹脂の硬化物を製造する際、該エボキ
シ樹脂100部(重量標準)に対して、精製しないままの
市販のテトラヒドロフランを最大量50部を加えることを
特徴とするエポキシ樹脂の硬化方法である。
本発明の方法においては、テトラヒドロフランは、重量
基準でエポキシ樹脂100部に対し、最大量50部までが用
いられる。この際、テトラヒドロフランの量が多すぎる
と、塗布時に樹脂液の粘度が下がりすぎ、また、テトラ
ヒドロフランの揮発性が増し、取扱が厄介になる。さら
に、硬化生成物の硬さが低下するので好ましくない。テ
トラヒドロフランの配合量は、エポキシ樹脂の分子量、
硬化生成物の所望の性質によって調節することができ
る。
本発明の方法に用いられるエポキシ樹脂には特別の制限
はないが、好ましくは、液状のビスフェノールAジグリ
シジルエーテル型のエポキシ樹脂 が用いられる。
本発明に用いられるテトラヒドロフランは、特に厳重に
精製する必要はない。テトラヒドロフランのカチオン重
合は微量の水分、その他の不純分によって禁止されるこ
とが知られている。重合を円滑に行うには充分に精製す
ることが必要であるが、本発明の方法では、市販のテト
ラヒドロフランを、特に精製することはなくそのまま用
いることができる。これは本発明の大きな利点である。
本発明に用いられる光カチオン反応開始剤としては、 アリールジアゾニウム塩 ArN N X-、 Ar:アリール基、 X-:PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、BF4 -など、 例えば、メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロ
フォスフェートなど、 ジアリルヨードニウム塩 ArI X-、 例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォス
フェート、ビス(4−メチルフェニル)−ヨードニウム
ヘキサフルオロアンチモネートなど、 トリアリールスルホニウム塩 Ar3S X-、 例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォ
スフェート、トリス(4−メチルフェニル)−スルホニ
ウムヘキサフルオロアルセネートなど、さらに、ビス
〔(4−ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィド
−ビス−ヘキサフルオロフォスフェートなどのジスルフ
ォニウム塩等の周知のオニウム塩がある。
光カチオン反応開始剤は、エポキシ樹脂の量に対して0.
05〜8%、好ましくは0.2〜3%が用いられる。
放射線としては、放射性同位体よりのα線、β線、γ
線、加速器よりの電子線が用いられるが、コバルト60よ
りのγ線、特に加速器よりの電子線が好ましく用いられ
る。
電子線加速器としては、種々のタイプのものを用いるこ
とができるが、1cmのオーダーの厚さのものであれば、
ファン・デ・グラーフ加速器、コッククロフトワルトン
型加速器のように0.5〜2MeVのエネルギーのもの、1mm以
下であれば、変圧器型加速器のように、0.1〜0.7MeVの
エネルギーのもの、1μmのオーダーの薄膜であれば、
0.1〜0.3MeVのリニアフィラメントタイプの加速器、例
えばエレクトロカーテンなどが便利に用いられる。
照射線量は、主として線量率によって変化し、特に制限
はないが、通常は0.1〜50Mradの範囲が用いられる。照
射温度についても、特に制限はないが、室温が好ましく
用いられる。
(実施例) 以下実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
実施例 1 液状エポキシ樹脂としてエピコート828〔前記の式にお
いてn=0.1、油化シェルエポキシ社製品〕100g、テト
ラヒドロフラン〔市販特級品、安定剤を含む〕50g、光
カチオン反応開始剤としてトリフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロフォスフェート2gを混合した。この樹脂混
合液約1gを内法7cm×1.5cmのアルミ枠に厚さ約1mmに流
延した。この際、エポキシ樹脂単独では室温25℃でアル
ミ枠に簡単に流延できないが、上記組成の樹脂液は容易
に流延できた。これを速度0.48m/分のベルトコンベアに
のせ、バンデ・グラーク加速器よりの1.5McV、50μAの
電子線を18Mrad照射した。照射によって樹脂液は全体が
完全に固化した。この固化硬化物をアルミ枠より取り外
し、重量を測定した後、室温でアセトン中に浸漬した。
アセトンを24時間毎に新しいものと交換し、10日間浸漬
し、照射生成物から可溶部分の抽出を行った。抽出操作
の終了後、照射生成物を80℃で真空乾燥した。重量測定
によりゲル含有率を計算したところ、98.5%であった。
すなわち、テトラヒドロフランを含む樹脂液はほぼ完全
に重合架橋し、テロラヒドロフランはエポキシ樹脂と共
重合したことがわかった。
この硬化物について、動的粘弾性測定を行い、硬さの目
安として動的弾性率を決定した。25℃における動的弾性
率は1.0×1010dyne/cm2であった。
比較のため、テトラヒドロフランを含まない液状エポキ
シ樹脂について、全く同一の操作で電子線照射による硬
化の実験を行った。ゲル含有率は98.4%であった。この
硬化物の動的弾性率は1.4×1010dyne/cm2であった。す
なわち、テトラヒドロフランを含むエポキシ樹脂の硬化
物もほぼ同程度の硬さを示すことがわかった。
さらに比較のために、エポキシ樹脂を配合しない2重量
%の光カチオン反応開始剤のみを含むテトラヒドロフラ
ンに電子線を照射した。この場合テトラヒドロフランの
蒸発を防ぐために厚さ25μmのポリエステルフイルムで
アルミ枠に収容されているテトラヒドロフラン液を被覆
した。電子線のエネルギーは、1.5MeVで透過性が大きい
ので、この被覆の照射線量に対する影響は無視できる。
18Mradの照射の後にも、テトラヒドロフランの重合は全
く起こらなかった。すなわち、エポキシ樹脂とテトラヒ
ドロフランの混合下の照射においてのみ、テトラヒドロ
フランがエポキシ樹脂と共重合して固化することが分か
る。
実施例 2 実施例1において、エポキシ樹脂100gに対してテトラヒ
ドロフランを12gとする以外は、全く同一条件で照射し
て硬化反応を行った。照射生成物のゲル含有率は98.3%
であった。また照射物の動的弾性率は1.3×1010dyne/cm
2であった。
実施例 3 実施例2において、照射線量を10Mradとする以外は、全
く同一条件で、エポキシ樹脂−テトラヒドロフラン混合
物に電子線照射を行った。照射生成物のゲル含有率は9
8.8%であり、照射物の動的弾性率は1.4×1010dyne/cm2
であった。
比較例 1 実施例1において、エポキシ樹脂100gに配合するテトラ
ヒドロフランの量を70gとする以外は、全く同一条件で
エボキシ樹脂−テトラヒドロフラン混合物の電子線照射
を行った。照射生成物のゲル含有率は91.2%であり、テ
トラヒドロフランはエボキシ樹脂と共重合していること
は明らかである。しかしながら、取扱いの際テトラヒド
ロフランの揮発が多く、また照射物の動的弾性率は5.9
×109dyne/cm2であり、硬さを若干低下するので、この
組成は好ましくない。
実施例 4 エピコート828 100gに対し、テトラヒドロフラン30g、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェー
ト1gの割合で混合した。この樹脂液からその20gを50ml
の三角フラスコに入れ、空気の共存下にガラス栓をし
て、線量率1.5×105rad/hのγ線を20時間、すなわち3Mr
adの照射を行った。樹脂混合物は完全に固化したので、
フラスコを割って生成物を取り出した。この照射生成物
のアセトン抽出によって決定したゲル分率は99.2%であ
った。エポキシ樹脂・テトラヒドロフラン硬化物は300
℃に過熱しても全く溶融しなかった。
比較のために、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオ
ロフォスフェート1重量%を含むテトラヒドロフラン溶
液に対し、上記と全く同一条件でγ線を照射したが、テ
トラヒドロフランの重合は全く起こらなかった。γ線照
射においてもエポキシ樹脂の共存しない場合はテトラヒ
ドロフランの重合が全く起こらないことは明らかであ
る。
実施例 5 半固形液状エポキシ樹脂としてエピコート834〔前記の
式においてn=1.0、油化シェルエポキシ社製品〕100
g、テトラヒドロフラン50g、ジフェニルヨードニウムヘ
キサフルオロアンチモネート2gの割合の樹脂液を作っ
た。以下実施例1と同様にアルミ枠に流延し、実施例1
と同様の照射条件で電子線を18Mrad照射した。アセトン
抽出試験によって決定したゲル分率は97.6%であった。
すなわち、硬化物にテトラヒドロフランが共重合してい
ることがわかる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温で液状のビスフェノールAジグリジル
    エーテル型のエポキシ樹脂100部(重量標準)に対し
    て、精製しないままの市販のテトラヒドロフラン50部
    (重量標準)までを加え、光カチオン反応開始剤の存在
    下で室温において、放射線を照射することを特徴とする
    エポキシ樹脂の硬化方法。
  2. 【請求項2】該光カチオン反応開始剤は、トリフェニス
    ルホニウムヘキサフルオロフォスフェートである第1項
    に記載のエポキシ樹脂の硬化方法。
  3. 【請求項3】該放射線として、コバルト60よりのγ線、
    特に加速器よりの電子線を照射することを特徴とする第
    1項に記載のエポキシ樹脂の硬化方法。
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