JPH0795922B2 - 高水分油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents

高水分油中水型乳化油脂組成物

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JPH0795922B2
JPH0795922B2 JP60282499A JP28249985A JPH0795922B2 JP H0795922 B2 JPH0795922 B2 JP H0795922B2 JP 60282499 A JP60282499 A JP 60282499A JP 28249985 A JP28249985 A JP 28249985A JP H0795922 B2 JPH0795922 B2 JP H0795922B2
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東雄 丹治
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高水分油中水型乳化油脂組成物に関する。すな
わち水相として70〜80重量%の特に高水分含量の油中水
型乳化油脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年食生活が向上し、食肉類或いはその加工食品や乳製
品の消費が増加する中で、運動不足や栄養過多による肥
満や成人病が増加し、また高齢化社会が進む中で、食品
のカロリーに対する関心が高まっている。
従ってマーガリンに関しても従来のものより、よりカロ
リーの少ないものへの要望が増加している。しかしなが
らローカロリーである高水分マーガリンでは、一般に分
散相である水相の比率が相対的に高く、その比率が高く
なる程、製造工程中または製品において、W/O型(油注
水型)からO/W型(水中油型)への転相、若しくは油相
或いは水相の分離を生じやすい欠点が常に内在してい
る。特に油相が40重量%以下、水相が60重量%以上の高
水分油中水型乳化油脂組成物においては、機械的な力や
温度条件の変化によりW/O型乳化が、O/W型乳化に転相す
る。つまり撹拌力を変えたり、少し長時間撹拌を続けた
り、また温度を高くすることにより簡単に転相が起こ
り、全く物性が変わってしまう。
これらの問題を解決することを目的として、種々の乳化
剤を用いることが提案されており、例えばショ糖脂肪酸
エステル(特公昭56−10014号)、ポリグリセリン縮合
リシノレイン酸エステルと脂肪酸モノグリセリド等で示
される飽和脂肪酸エステルの組み合わせ(特開昭58−17
0432号)、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル
と重合度7以上のポリグリセリン脂肪酸エステルの組合
わせ(特開昭58−198243号)、ポリグリセリン縮合リシ
ノレイン酸エステルとソルビタン不飽和脂肪酸エステル
及び/又はショ糖脂肪酸エステルの組合わせ(特開昭59
−130526号)を乳化剤として用いることが知られてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら上記の方法にても、未だ上述した欠点を解
消するいは至っていない。
つまり特公昭56−10014号のHLB1〜4のショ糖エステル
を乳化剤として使用した場合、予備乳化段階では特に乳
化剤に問題は見られないが、急冷混捏時の条件によって
乳化が破壊され、或いは水滴の合一等によると思われる
離水が見られる。また特開昭59−170432号、特開昭58−
198243号、特開昭59−130526号では、いずれもポリグリ
セリン縮合リシノレイン酸エステルを乳化剤として使用
しているが、どの場合も水相と油相の予備乳化段階で
は、若干分離が見られ、またこれを急冷し混練する段階
或いは製品として保存する段階において、先の引用にお
けると同様に離水が見られる。更にこれらの乳化剤を使
用しただけでは、特に高水分の油中水型乳化油脂組成物
の水中油型乳化への転相を防ぐことは出来ない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の欠点を解消すべく検討した結果、
食用油脂をベースとする油相20〜30重量%と水相70〜80
重量%とを乳化してなる高水分油水中型乳化油脂組成物
において、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル
0.1〜5.5重量%及びポリグリセリンの重合度が6以下の
ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル0.1〜4.5重量%を
乳化剤として併用して製造する乳化油脂組成物は、従来
の乳化油脂組成物に見られる上記欠点を示さず、また従
来のように特殊な製造装置或いは製造方法によらず、ご
く普通のマーガリン等の製造方法にて、安定な高水分油
中水型乳化油脂組成物が得られるとの知見を得て、本発
明をなすに至った。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、油相の20〜30重量%と水相70〜80重量%から
構成される高水分油中水型乳化油脂組成物において、ポ
リグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1〜5.5重量
%及びポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル0.1〜4.5重
量%からなる乳化剤を用いて乳化したものであることを
特徴とする。
本発明で用いる油脂としては、大豆油、菜種油、パーム
油、パーム核油、ヤシ油、綿実油、コーン油、サフラワ
ー油、ピーナッツ油、バターオイル、ラード、牛脂、魚
油等の動植物油脂或いは、それらに水素添加、エステル
交換、分別等を施した加工油脂等が挙げられ、これらを
1種或いは2種以上の組合せにて使用することができ
る。
本発明で用いるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エス
テルは、ポリグリセリン系の公知の乳化剤であり、ヒマ
シ油等を原料とした縮合リシノレイン酸とポリグリセリ
ンをエステル化することにより得られ、ポリグリセリン
のグリセリン重合度が3〜6で、縮合リシノール酸の縮
合度が3〜5であり、エステルとして、モノエステル、
ジエステル、トリエステルの混合物が用いられる。
上記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの添加
量は、全組成物に対して0.1〜5.5重量%であり、好まし
く0.2〜3.0重量%である。
また本発明に用いるポリグリセリン不飽和脂肪酸エステ
ルとは、グリセリンの重合度が6以下のポリグリセリン
の不飽和脂肪酸エステルである。また上記エステルを構
成している不飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸だけでもよい
が、それに飽和脂肪酸が含まれていても良く、ヨウ素価
として70以上の脂肪酸が好ましい。例えばオレイン酸、
リノール酸を使用することが出来る。特に上記ポリグリ
セリン不飽和脂肪酸を構成する脂肪酸としては、オレイ
ン酸が好ましい。
ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、HLBが12以下
のものが用いられるが、特に7以下のものが好ましい。
またポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成するポ
リグリセリンは、重合度6以下のものを使用するが、重
合度7以上のものを用いた場合、それが親水性のポリグ
リセリン不飽和脂肪酸エステルでは、急冷可塑化後、並
びに製品としての保存において乳化安定性が劣り、分離
が起る。また親油性のポリグリセリン不飽和脂肪酸エス
テルは、製品化後の保存において水相の分離が見られ等
の問題があり、重合度は2〜6が好ましい。ここに述べ
る重合度はガスクロマトグラフ法並びにヒドロキシル価
より求められるが、同定されない組成分があるため、10
%前後の誤差を含むものである。
上記ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルの添加量は、
通常0.1〜4.5重量%、好ましくは0.2〜2.5重量%であ
る。また上記の各乳化剤は水相または油相の一方か、或
いは両相に添加することができる。
本発明に用いる乳化剤は、上記ポリグリセリン縮合リシ
ノレイン酸エステルと、上記ポリグリセリン不飽和脂肪
酸エステルを必須成分とし、それぞれ単独で高水分油中
水型乳化油脂組成物の乳化剤として用いる場合には、前
述した欠点を解消できない。
すなわちポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル単
独では、常温で液状の油脂を用いると乳化安定性は保た
れるが、固形脂を含む場合は、製造条件によりその乳化
物が破壊され水相と油相が分離する等の欠点が見られ
る。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの添加量
は、0.1重量%未満では乳化を思う様に行えず、すぐ油
相と水相に分離が起こり、5.5重量%を越えると、乳化
は行い得て乳化安定性は良好であるが、添加して風味成
分の風味が外に出なくなると共に、乳化剤の風味が付与
されて好ましくない。
一方ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルのみの使用で
は、乳化性が不安定であり、また油中水難から水中油型
への転相を起こし易い欠点がある。
ポルグリセリン不飽和脂肪酸エステルの添加量は、0.1
重量%未満では、乳化性が不十分で分離を起こし易く、
4.5重量%を越えると、乳化安定性は向上し良好である
が、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの場合
と同様に風味が減殺され、製品として好ましくない。
この両者の欠点を補うことで両者を併用するのである
が、この両者の添加量を合計して、合計量が0.2重量%
より少ない場合には、乳化安定性が不良となり、一方添
加量が10.0重量%より多い場合には、乳化剤の影響によ
る風味の不良或いは、水相の風味が出にくい等の欠点が
見られ、またそれ以上の添加での性能の向上は特に見ら
れない。
本発明による高水分油中水型乳化剤組成物には、目的に
応じて、水相、油相の副成分として、多糖類、動植物性
蛋白質、乳製品、澱粉及び加工澱粉、呈味剤、着香料、
糖類、食塩等を使用することは何ら差し支えない。
また乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸
モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、レシチン等を併用することも出来る。更にクエン酸
等の酸味剤、燐酸塩等の緩衝剤を用いることもできる。
なお本発明の製造法に関しては、一般的に使用されてい
るマーガリン等の製造法で何ら差し支えない。次にその
一例を示す。
原料油脂に油相添加物を加え、油相とする。また水に水
相添加物を加え水相を調製する。また場合によっては、
乳化剤を水相に、或は油相に多糖類、動植物性蛋白質、
澱粉及び加工澱粉等を加えることも特に問題とはならな
い。
そして油相を50〜60℃に調温し、それに撹拌しながら同
温度の水相を加え、予備乳化液を得る。この乳化液をボ
テーター等の急冷冷却機により急冷可塑化し、高水分油
中水型乳化油脂組成物を得る。
〔実施例〕
次に実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明
する。
第1表に実施例1〜2及び比較例1〜9の組成を示す。
この組成による高水分油中水型乳化油脂組成物を次のよ
うにして得た。
油脂と乳化剤を混合槽に入れ、60℃前後に加熱し、均一
に溶解し、油相を調製した。別の槽に脱脂粉乳を溶解し
た後殺菌し、水相を調製した。水相をほぼ油相と同じ温
度にして油相に添加し、撹拌を行い、油中水型乳化物
(予備乳化物)を得た。これをボテーターにより急冷可
塑化し製品とした。得られた乳化油脂組成物についてボ
テーター通過前の予備乳化物について乳化安定性と転相
試験による状態と粘度を、ボテーター通過後の乳化油脂
組成物と2日後の製品について乳化安定性を各々測定
し、その結果を第2表に示した。
入安定性及び転相試験は次の方法により判定した。
i)予備乳化物の乳化安定性:撹拌入後、乳化槽よりサ
ンプルをビーカーに採取し、50℃にて5分間放置した後
の状態を次の基準により判定した。
A:均一に乳化している B:やや分離している C:はっきり分離が認められる ii)ボテーター通過後の組成物の乳化安定性:急冷可塑
化直後の乳化油脂組成物をボテーター出口よりビーカー
に採取した後、20℃で30分間静置後の状態を次の基準に
より測定した。更に20℃にて2日経過後の製品について
も同様の基準により測定した。
A:全く分離していない B:若干分離している C:かなり分離している iii)転相試験:上記の予備乳化物をホモミキサーを用
いて、60℃で3000rpmの下で10分間撹拌して、静置後肉
眼にて乳化状態を観察するとともに、B型粘度計を用い
て粘度を測定し、転相の状態を判定した。状態は次の基
準により判定した。
A:乳化物は黄色がかっていて、粘度高く、緩く流動する B:乳化物はやや白っぽくなり、流動性が増している C:乳化物は白く、粘度が低くなり、液状になっている iv)判定の結果:実施例1,2の様に水相部が70%以上の
場合で、且つポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステ
ル(以下「CR−310」と記す)とポリグリセリンオレイ
ン酸エステルを組合わせた場合には、水相及び油相の分
離は全く見られず、転相も起こらなかった。又特にPO−
500併用の場合は、乳化安定性は優れ、製品は非常に滑
らかで艶のあるものが得られた。
比較例1、2の様にCR−310とポリグリセリン飽和脂肪
酸エステルを組合わせた場合には、予備乳化段階で既に
やや不均一となり、また急冷可塑化直後においてもやや
分離が認められた。転相試験では、状態は白っぽくな
り、粘度が低下し、一部O/W型に転相していた。
比較例3、4は、CR−310とグリセリン重合度10のポリ
グリセリンオレイン酸エステルを併用した例では、予備
乳化では良いが、急例可塑化後で乳化安定性が低下す
る。また転相試験の状態は比較的良いが、粘度が低下気
味で転相が起こる傾向にある。
比較例5は、PO−310が少ない場合であるが、乳化安定
性も急冷可塑化後は低下し、転相試験でも悪くないが、
若干転相気味である。
比較例6は、CR−310のみを用いた場合であるが、乳化
安定性も悪く、転相が起こっている。
比較例7、8は、CR−310にモノグリセリドを併用した
例であるが、乳化安定性は悪く、完全に転相が起こって
いる。
比較例9は、油相が10%の場合であるが、予備乳化の段
階で転相を起こしており、急冷可塑化は不可能で、転相
試験では転相を起こしたままであった。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明の高水分油中水型乳化油脂組
成物は、油相が20〜30重量%と水相70〜80重量%よりな
り、該油相中に該水相を乳化するに際し、乳化剤として
ポリグリセリン縮合リシノレン酸エステルと、グリセリ
ン重合度が6以下のポリグリセリンの不飽和脂肪酸エス
テルとを、各々特定量用いるものであるが、両者を組合
わせることにより、従来ポリグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステルと他の乳化剤とを組合わせた場合の急冷可
塑化前の予備乳化における乳化安定性が改善され、同時
に急冷可塑化工程においても乳化安定性が良く、また転
相や乳化破壊も起こさず、極めて乳化安定性の高い製品
が得られ、保存中の乳化安定性も優れている。本発明の
高水分油中水型乳化脂肪組成物は、低脂肪であるので、
スプレッドとしてパン食や調理に用いて、また製菓製パ
ン練込み用の乳化性油脂組成物として利用してローカロ
リーの製品が得られ、それを食して肥満や成人病を予防
出来るという効果を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食用油脂をベースとする油相20〜30重量%
    と水をベースとする水相70〜80重量%とを乳化してなる
    高水分油中水型乳化油脂組成物において、該組成物中
    に、乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エ
    ステル0.1〜5.5重量%とポリグリセリン不飽和脂肪酸エ
    ステル0.1〜4.5重量%を含み、かつポリグリセリン不飽
    和脂肪酸エステルを構成するグリセリンの重合度が6以
    下であることを特徴とする高水分油中水型乳化油脂組成
    物。
JP60282499A 1985-12-16 1985-12-16 高水分油中水型乳化油脂組成物 Expired - Lifetime JPH0795922B2 (ja)

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