JPH0796032B2 - 血液処理器 - Google Patents

血液処理器

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JPH0796032B2
JPH0796032B2 JP2334293A JP33429390A JPH0796032B2 JP H0796032 B2 JPH0796032 B2 JP H0796032B2 JP 2334293 A JP2334293 A JP 2334293A JP 33429390 A JP33429390 A JP 33429390A JP H0796032 B2 JPH0796032 B2 JP H0796032B2
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剛 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は血液体外循環、輸血操作等の際の、血液に含ま
れる気泡等の異物を除去するための血液処理器に関す
る。
<従来の技術> 人工透析や人工肺を適用する治療等における血液体外循
環や、輸血に適用される輸血セット等においては、血液
に含まれる不純物等の異物を除去するための血液処理
器、いわゆる異物除去用のフィルタが配されている。
このような血液の異物除去用のフィルタには、フィルタ
としての性能に加え、高い血液適合性が要求される。フ
ィルタを血液適合性を有さない材料で構成すると、残
血、凝固等が発生し、血液を損傷して良好な治療を行う
ことができないばかりか、甚だしい場合には患者を危険
な状態に陥れてしまうこともある。
特に異物除去用のフィルタは、通常、各種のメッシュを
適用するので、残血や血液の凝固が発生しやすく、高い
血液適合性が要求される。
ところで、フィルタを初めとする医療用器具の血液適合
性は、その表面性状が重要な要因となる。そのため、医
療用材料の表面性状の改質方法が各種提案されており、
例えば、特開昭63−130069号公報には、反応性末端基を
有する脂溶性ビタミンあるいは脂肪酸誘導体を用い、こ
の反応性末端基に各種の基材を結合させた医療用器具が
開示されている。
<発明が解決しようとする課題> この医療用器具は、基材の医療用材料としての物性を遺
憾なく発揮しつつ、基材の表面性状を改質し、血液適合
性を付与するという点で優れた効果を有するものであっ
た。しかしながら、これを持ってしても十分な血液適合
性を得ることができたとは言い難く、特に、異物除去用
のフィルタのように残血、血液の凝固等が発生しやすい
用途では、さらなる血液適合性の向上が求められてい
る。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決すること
にあり、血液適合性が高く、長時間に渡る使用に際して
も残血、血液の凝固等の発生が極めて少なく、しかも優
れた異物除去性能をも有する血液処理器(異物除去用フ
ィルタ)を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 前記目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、
該ハウジングの上方に設けられた流入口と、該ハウジン
グの下方に設けられた排出口と、該排出口の上流側に、
該ハウジングに固定されてなる、高分子化合物より形成
されるメッシュ状物とからなる血液処理器であって、該
メッシュ状物に、脂肪酸および/または脂肪酸誘導体が
重合体を介して結合されてなることを特徴とする血液処
理器を提供する。
また、前記重合体がエポキシ基および/またはカルボキ
シル基を有するのが好ましい。
また、前記脂肪酸および/または脂肪酸誘導体がリノー
ル酸および/またはリノール酸誘導体であるのが好まし
い。
以下、本発明の血液処理器について詳細に説明する。
第1a図に、本発明の血液処理器の概略断面図が、第1b図
に同処理器の第1a図に対して直交方向の概略断面図が、
それぞれ示される。なお、第2図は同処理器の第1b図方
向の概略図である。
第1図に示される血液処理器1(以下、フィルタ1とす
る)は、人工透析器、人工肺等の血液回路や、輸血装置
等の血液流路中に組込まれて適用されるものであり、こ
れを通過する血液に含まれる異物を除去するものであ
る。
このようなフィルタ1は、基本的に、円筒状の本管2
と、血液の排出口3を有する底蓋4と、流入口5を有す
る蓋体6とから構成されるハウジングからなるものであ
り、本管2内には血液中の異物を除去するためのメッシ
ュ状物7が固定される。このフィルタ1は、その使用状
態においてハウジングの上方に流入口5、ハウジングの
下方に排出口3が設けられている。流入口5はハウジン
グの蓋体6において血液が蓋体6から本管2の内面の旋
回流で流れる方向、すなわち、蓋体6の水平断面におい
て蓋体内面の接線方向に設けられている。このようなフ
ィルタ1においては、血液は流入口5よりフィルタ1内
に流入して本管2内に貯留し、メッシュ状物7によって
血液凝集塊や気泡等の異物を除去され、排出口3より排
出される。
メッシュ状物7は、半長円状の2枚のメッシュシートを
その周縁でシールした袋状の形状を有する高分子化合物
より形成され、重合体を介して脂肪酸および/または脂
肪酸誘導体とが結合した構成(以下、重合体と、脂肪酸
および/または脂肪酸誘導体との結合体を高分子誘導体
とする)を有するものであり、メッシュ状物8の開口9
は本管2の全周に亘ってシールされ、フィルタ1内を通
過する血液すべてが必ずこのメッシュ状物7を通過する
ように構成される。
前述のようにメッシュ状物7は高分子化合物より形成さ
れるものである。適用可能な高分子化合物としては、ポ
リエステル、ポリプロピレンおよびその誘導体が最も好
適に使用され、その他、ポリビニルアルコール、ポリ酢
酸ビニルの部分けん化物、エチレンビニルアルコール系
共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体の部分ケン
化物、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸およびそ
れらの共重合体、ポリヒドロキシエチルメタクリレー
ト、キチン、キトサン、コラーゲン、ポリアクリルアミ
ド等も好適に適用可能である。
なお、本発明のフィルタ1においては、このようなメッ
シュ状物7に所定の高分子誘導体を結合した構成を有す
るので、その優れた血液適合性により残血、血液の凝固
等による血液の損傷が少なく、メッシュ状物7の目詰ま
りが極めて少なくすることができる。
血液中に含まれる異物を好適に除去するためには、メッ
シュ状物7の孔部の開口長(最長方向)は180〜300μm
程度である。より好ましくは開口長を200〜210μm程度
とすることにより、血液を損傷せず、かつ血液の流れを
妨害することなく好適に異物を除去することができ、よ
り良好な結果を得ることができる。なお、本発明に適用
されるメッシュ状物の孔部は、規則的に形成されたも
の、不規則的に形成されたもののいずれであってもよ
く、また、その形状も均一である必要はない。
また、メッシュ状物7におけるこのような孔部の面積率
は、特に限定はないが、血液の損傷、流れの妨害をする
ことなく、良好な異物除去を行うために、40〜80%程度
とするのが好ましい。より好ましくは50〜60%程度であ
る。
メッシュ状物7の厚さにも特に限定はないが、血液を損
傷することなく良好な異物除去を行うために、通常は10
0〜200μm程度、好ましくは120〜150μm程度である。
メッシュ状物7の形状は図示例の袋体に限定はされない
が、長時間に亘って安全に確実な異物除去を行うため
に、メッシュ状物7は図示例のような袋状形状であるの
が好ましい。
なお、メッシュ状物7の本管2への固定方法は、メッシ
ュ状物7および本管2の材質に応じて、各種の接着剤に
よる方法、熱融着等、各種の公知の方法によればよい。
ただし、血液に含まれる異物を確実に除去するために、
図示例のように、メッシュ状物7によって完全に本管2
を閉塞するような状態で固定されるのが好ましい。
本発明の血液処理器においては、このような高分子化合
物より形成されるメッシュ状物7には、重合体と脂肪酸
および/または脂肪酸誘導体とが結合した高分子誘導体
の重合体が結合してなる構成を有するものである。
つまり、本発明のフィルタ1においては、高分子化合物
よりなるメッシュ状物7に、共重合体を介して脂肪酸お
よび/または脂肪酸誘導体が結合される構成を有するの
で、高分子化合物(メッシュ状物7)の結合点に対して
多数の脂肪酸が結合されている状態となり、非常に優れ
た血液適合性を得ることができ、しかも、脂肪酸の遊離
もないので長時間に亘って安定した血液適合性を発揮す
ることができる。
特に、脂肪酸誘導体を用いたものであれば、脂肪酸と重
合体との間にスペーサとして分子鎖(誘導体部分)を存
在させることができるので、これにより血小板粘着の抑
制効果を期待することができるので、より高い血液適合
性を得ることができると共にスペーサ長の制御も容易に
行うことができ、安定した運動性を得ることもできる。
さらに、重合体が脂肪酸(脂肪酸誘導体)と好適に結合
する官能基と、高分子化合物と好適に結合する官能基
と、それぞれ異なる官能基を有するものであれば、重合
体に対する脂肪酸および/または脂肪酸誘導体、高分子
化合物の結合量を容易に調整することができる。なお、
脂肪酸(脂肪酸誘導体)と好適に結合する官能基として
はカルボキシル基が、高分子化合物と好適に結合する官
能基としてはエポキシ基およびカルボキシル基が、それ
ぞれ例示される。
重合体の有する官能基としては、エポキシ基、カルボキ
シル基、アルデヒド基等が挙げられ、前述のようにエポ
キシ基およびカルボキシル基が好適に例示され、少なく
ともエポキシ基、あるいはこの両者を有するのが好まし
い。
重合体にエポキシ基を導入する原料単量体としては、
(メタ)アクリル酸系グリシジルエステルが好適に例示
される。一方、重合体にカルボキシル基を与える原料単
量体としては、(メタ)アクリル酸が好ましく、重合体
として任意の組成の重合体を合成するため、(メタ)ア
クリル酸系エステル等のエステル類、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、および(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチルの一以上が好適に適用
される。
また、上述した単量体を用いて重合体を得る際、例えば
硝酸第2セリウムアンモニウム、過酸化水素−第1鉄塩
等の重合開始剤を用いてもよい。
重合体中にエポキシ基を有する場合、重合体中における
エポキシ基を導入する単位の重量比は、(メタ)クリレ
ート重合体中のグリシジルメタクリレート量として0.01
重量%〜60重量%が適当である。エポキシ基を導入する
単位の重量比が60重量%を超えると、合成時に高分子が
ゲル化しやすくなるため好ましくない。また、エポキシ
基は重合体中に一つ以上あれば表面改質は可能である
が、良好な表面改質を行なうためには、重合体中におけ
るエポキシ基を導入する単位は0.01重量%以上であるの
が好ましい。
このような重合体の分子量は500〜500,000とするのがよ
い。重合体の分子量がこの範囲にあると、たとえ前述の
高分子化合物との結合部が少なくても、重合体の表面面
積は大きいため、重合体による脂肪酸と高分子化合物と
の接続効果は十分に発揮される。具体的には、分子量が
500未満の低分子量では、効率良くメッシュ状物7(高
分子化合物)の表面全体を覆うことが難しく、500,000
を超える高分子量では重合体の溶解性および材料表面と
の反応性の低下のため用いにくくなる。
本発明において、このような重合体は脂肪酸および/ま
たは脂肪酸誘導体と共に高分子誘導体を構成し、重合体
がメッシュ状物7(高分子化合物)と結合することによ
り脂肪酸および/または脂肪酸誘導体とメッシュ状物7
とを結合させ、脂肪酸がリガンドとして作用し、良好な
血液適合性を与える。
本発明の血液処理器において、このような脂肪酸として
は、不飽和脂肪酸のエライジン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、アラキドン酸およびエイコサペンタ
エン酸、または飽和脂肪酸のラウリル酸、ミリスチン
酸、ペンタジル酸、パルミチン酸、ステアリン酸等があ
り、中でも特に、血液との適合性の良いリノール酸が好
ましく例示される。なお、本発明においては、これらの
脂肪酸は各々単独で使用してもよく、また混合物として
使用してもよい。
本発明においては、血液適合性を向上させるためには、
脂肪酸は脂肪酸誘導体、すなわちスペーサー、好ましく
は親水性のスペーサーを有する脂肪酸誘導体として前述
の重合体に結合されるのが好ましい。
脂肪酸誘導体においてスペーサーとなる誘導体としては
具体的には、両末端に反応性の高い官能基を有するアル
キレングリコール類が挙げられ、末端に官能基としてア
ミノ基を有するポリエチレングリコールジアミン、ポリ
プロピレングリコールジアミン、ポリテトラメチレング
リコールジアミンが好ましい。
例えばスペーサーがアルキレングリコール骨格を有する
ものである場合、その重合度は、アルキレンの種類によ
っても異なるが、約1〜100程度であることが好まし
く、また、特にアルキレングリコールとしては、ポリエ
チレングリコールおよびポリプロピレングリコールが望
ましく、重合度20〜90のポリエチレングリコールおよび
重合度10〜50のポリプロピレングリコールが特に好まし
い。
本発明において、重合体がエポキシ基を有する場合、こ
の重合体と脂肪酸および/または脂肪酸誘導体とは、前
記重合体のエポキシ基を介してグラフト共重合して高分
子誘導体となる。また、重合体がエポキシ基とカルボキ
シル基とを有する場合には、この重合体と脂肪酸および
/または脂肪酸誘導体とは、前記重合体のカルボキシル
基を介してグラフト共重合して高分子誘導体となる。
なお、前記高分子誘導体の合成反応は、一般的な合成反
応とすればよい。
本発明においては、このような高分子誘導体の重合体
が、前述のメッシュ状物7を構成する高分子化合物と結
合することにより、血液より異物を除去するフィルタと
なる。
高分子誘導体と高分子化合物との反応は、高分子誘導体
を適当な有機溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケト
ン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等に溶解し、これ
にルイス酸触媒および塩基性触媒、さらに高分子化合物
を加えることによって実施されう。具体的には、高分子
誘導体および触媒を溶解した溶液にメッシュ状物7を浸
漬することにより、高分子誘導体とメッシュ状物7を形
成する高分子化合物とを反応させ、重合させる。
なお、ルイス酸触媒としては、三弗化ホウ素、四塩化ス
ズ、塩化亜鉛などがあり、反応性の面から三弗化ホウ素
が好ましい。また、塩基性触媒としては、アルカリ土類
金属の中でも、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
ム、ラジウム等の水酸化物や水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化
セシウム、水酸化フランシウム等のアルカリ金属の水酸
化物が用いられ、その中でも水酸化ナトリウムが溶解
性、反応性の面から最も好ましい。
本発明の血液処理器は、このような構成とすることによ
り、血液から確実に異物を除去することを可能とし、し
かも、優れた血液適合性を確保して、残血、血液の凝固
等のない、血液の損傷が少なく、安全かつ清潔で良好な
血液処理を可能としたものであり、人工肺、人工透析
器、血液ろ過器、血漿分離器等において血液の流路中に
配され、血液中の異物除去に好適に適用される。
<実施例> 以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
[1]リノール酸マクロマーの合成 リノール酸20.0gを乾燥ベンゼン70mlに溶解し、フラス
コに入れ、これに窒素気流下で五塩化リン14.8gを5回
に分けて加えた。室温で12時間撹拌後、更に2時間還流
させた。次いで、ベンゼンと反応副生物の三塩化ホスホ
リル、および塩化水素を留去し、減圧蒸留によってリノ
ール酸クロライド14.0gを得た(沸点155℃/1.5mmHg、収
率76%)。
フラスコにポリエチレングリコールジアミン(東レ
(株)製PGD−40,分子量4114)50.4g、トリエチルアミ
ン1.48g、およびジクロロメタン120mlを入れ、窒素気流
下、これに氷冷下(0℃)でリノール酸クロライド3.66
gのジクロロメタン70ml溶液をゆっくり30分かけて滴下
した。その後、徐々に室温に戻しながら2時間撹拌し
た。
反応終了後、反応副生物のトリエチルアミン塩酸塩を濾
別し、減圧下でトリエチルアミン、ジクロロメタンを留
去し、残留物をクロロホルム100mlに溶解し、水100mlで
おだやかに洗浄した。有機層を分取後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥させた後、濃縮した。これをワコーゲルC−
300入りのフラッシュクロマト(分解溶離液:クロロホ
ルム/メタノール=9/1容積比)により精製を行なった
ところ、精製物13.7gを得た(収率26%)。
これを赤外分光法(IR法)、プロトン核磁気共鳴法(1H
−NMR法)にて構造を確認し、液体クロマトグラフィー
(GPCモード、溶離液THF)にてリノール酸及びPGD−40
が含まれていないことを確認した。この測定結果を下記
に示す。
IR法:1650cm-1アミドカルボニル伸縮振動 1540cm-1アミドNH変角振動 1100cm-1エーテルCO伸縮振動1 H−NMR法: δ 0.9 ppm リノール酸 −CH3 δ 1.3 ppm リノール酸 −CH2 − δ 3.7 ppm ポリエチレングリコール −OCH2 H2 O− δ 5.3 ppm リノール酸オレフィン −C=C− GPC 法:保持容量 精製物 11.4ml PGD−40 12.6ml リノール酸 15.1ml [2]重合体の合成 ガラス製重合管に重合開始剤として、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.15重量部、メタクリル酸メチル7.5重量
部、メタクリル酸グリシジルエステル15重量部、3−メ
タクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラ
ン(チッソ(株)製)6重量部、メタクリル酸1.5重量
部を仕込み、この重合管を液体窒素中で冷却固化して真
空ポンプで脱気、窒素置換、脱気を繰り返した後密封し
た。これを所定温度で、所定時間、恒温槽中で加熱し
た。その後、冷却して開封し、内容物をテトラヒドロフ
ランに溶解し、メタノールに再沈殿することにより、白
色の重合体を得た(重合体1)。
同様にして、メタクリル酸を含まない重合体の合成も行
なった(重合体2)。
これらの重合体をメチルエチルケトンに溶解し、臭化エ
チルトリメチルアンモニウムを触媒、クリスタルバイオ
レットを指示薬として、0.01Nの過塩素酸/酢酸溶液で
滴定することによってエポキシ当量を求め、そしてグリ
シジルメタクリレート組成を求めた。
下記第1表に、仕込みモノマー、重合条件およびグリシ
ジルメタクリレート組成を示す。
[3−I]高分子誘導体Iの合成(リノール酸マクロマ
ーと重合体1の反応) 前記[2]で得られた重合体1を4.00g、ジシクロヘキ
シルカルボジイミドを0.718g、および四塩化炭素/アセ
トニトリル(1対1容量比)の混合溶媒100mlをフラス
コにいれ、室温、窒素気流下で60分撹拌した後、前記
[1]で得られたリノール酸マクロマーを12.0gの四塩
化炭素/アセトニトリル(1対1容量比)20ml溶液を徐
々に滴下し、その後室温で60分撹拌させた後、さらに60
℃で60分撹拌した。
反応内容物を室温まで冷却後、内容物をガラスフィルタ
ーで濾過し、瀘液の溶媒を軽く留去したところ、黄色の
高粘性の粗生成物が得られた。
得られた粗生成物にメタノール200mlを加え、室温で約3
0分間、固まりがなくなるまで撹拌した後、遠心分離を
行ない、上澄みをデカンテーションにより除いた。同様
な操作を更に2回行なった後、真空乾燥を行ない、9.63
gの高分子誘導体Iが得られた。
[3−II]高分子誘導体IIの合成(リノール酸マクロマ
ーと重合体2の反応) 前記[2]で得られた重合体2を3.00g、前記[1]で
得られたリノール酸マクロマーを10.0g、およびベンゼ
ン/THF(4対3容量比)混合溶媒80mlをフラスコに入
れ、窒素雰囲気下、3時間還流させた。
反応内容物を室温まで冷却後、溶媒を軽く留去したとこ
ろ、黄色の高粘性の粗生成物が得られた。得られた粗生
成物にメタノール100mlを加え、室温で約30分間、固ま
りがなくなるまで撹拌した後、遠心分離を行い、上澄み
をデカンテーションにより除いた。同様な操作を更に2
回行なった後、真空乾燥を行ない、8.71gの高分子誘導
体IIが得られた。
[4]血液処理器の作製(高分子化合物からなるメッシ
ュ状物7への前記高分子誘導体IおよびIIの結合) 下記の物性を有するメッシュ状物7を用い、第1図に示
されるような血液処理器(フィルタ1)を作製した。
材 質 ポリエステル 糸 径 71μm±8% オープニング 208μm±10% 厚 さ 135μm±10% メッシュ 90メッシュ/in±5% なお、作製したメッシュ状物7の開口9の半径は18.2m
m、閉塞した側の半径は約10mm、さらに高さ(血液流方
向)は56.8mmとした。
まず、水酸化ナトリウム0.5(W/V)%水溶液100ml中
に、前記メッシュ状物7を30分間浸漬した。次に前記高
分子誘導体IおよびIIの各々の0.5(W/V)%のアセトン
溶液中に、前記メッシュ状物7を順次浸漬し、室温下で
24時間反応させた。
反応終了後、メッシュ状物7を取り出し、アセトン、エ
タノール、蒸留水の順に充分に洗浄して、血液に混入す
る異物を除去するためメッシュ状物7−Iおよび7−II
とした。
このような2種の本発明にかかるメッシュ状物7、およ
び高分子誘導体を有さない従来のメッシュ状物を、第1
図に示されるようにフィルタ1(血液処理器)に装着し
て、下記の試験を行った。なお、各メッシュ状物の本管
2への固定は高周波融着によって行った。
[5]体外循環試験 ウサギを、北島式固定台に背位固定した。ついで、電動
バリカンで術野の毛を刈り酒精綿で清拭した。ハサミで
顎下から鎖骨に入るまで正中線に沿って切開し、さらに
筋膜を開き、神経、分枝血管および周囲の組織を損傷し
ないように注意しながら右(左)総頚動脈を剥離した。
ついで左(右)顔面静脈を同様に注意しながら深く剥離
し、1IU/mlのヘパリン加生食水を満たした混注用ゴムキ
ャップを付けた留置カテーテル(テルモ(株)製サーフ
ロー)を挿入し、固定した。同様に、前記動脈にもカテ
ーテルを挿入し、固定した。
この様に準備したウサギを、第3図に示されるような血
液循環回路に供した。
すなわち、ウサギ20の動脈に連結されたカテーテル21を
ポンプ22に連結し、さらにチャンバー23とウサギ20の静
脈とをカテーテル25で連結した。ポンプ22とフィルタ1
とはチューブ26で連結し、このチューブ26はマノメータ
のイン27側に連通している。さらに、フィルタ1とマノ
メータ24のアウト側に連通したチャンバー23とはチュー
ブ28で連通した。
このような血液循環回路のフィルタ1として、本発明に
かかるフィルタ1、および従来のフィルタ(ブランク)
を配備し、ウサギ20の血液を循環して経過時間による血
小板数の変化を測定した。なお、血小板数の測定はSysm
ex NE−6000(東亜医用電子(株)製)によって行っ
た。また、血液循環回路(フィルタ1も含む)はヘパリ
ン処理を行っていないものである。
結果を下記第2表、および第4図に示す。なお、第2表
における表示は、従来例をブランク、本発明例を適用し
た血液処理器(7−I等)で示す。
<発明の効果> 本発明の血液処理器は、脂肪酸または/および脂肪酸誘
導体が、重合体を介して高分子化合物からなるメッシュ
状物に結合しているので、メッシュ状物の有する血液凝
固性が低減化され、補体系の活性化を抑制し、さらに血
小板粘着が抑制されるので、長時間にわたって安定した
血液適合性が高分子化合物を付与され、血液を損傷する
ことなく、安全かつ清潔な状態を保った状態で、血液中
に含まれる異物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
第1a図および第1b図は、本発明にかかる血液処理器の一
例を示す概略断面図である。 第2図は、第1a図および第1b図に示される血液処理器の
概略図である。 第3図は、血液循環回路の概念図である。 第4図は、血小板数の変化を示すグラフである。 符号の説明 1……フィルタ(血液処理器)、 2……本管、 3……排出入口、 4……底蓋、 5……流入口 6……蓋体、 7……メッシュ状物、 9……開口、 20……ウサギ、 21,25……カテーテル、 22……ポンプ、 23……チャンバー、 24……マノメータ、 26,28……チューブ、 27……マノメータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングと、該ハウジングの上方に設け
    られた流入口と、該ハウジングの下方に設けられた排出
    口と、該排出口の上流側に、該ハウジングに固定されて
    なる、高分子化合物より形成されるメッシュ状物とから
    なる血液処理器であって、 該メッシュ状物に、脂肪酸および/または脂肪酸誘導体
    が重合体を介して結合されてなることを特徴とする血液
    処理器。
  2. 【請求項2】前記重合体がエポキシ基および/またはカ
    ルボキシル基を有する請求項1に記載の血液処理器。
  3. 【請求項3】前記脂肪酸および/または脂肪酸誘導体が
    リノール酸およびまたはリノール酸誘導体である請求項
    1または2に記載の血液処理器。
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