JPH0797986B2 - 耐熱性酢酸キナ−ゼ及びその製造法 - Google Patents
耐熱性酢酸キナ−ゼ及びその製造法Info
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- JPH0797986B2 JPH0797986B2 JP19229586A JP19229586A JPH0797986B2 JP H0797986 B2 JPH0797986 B2 JP H0797986B2 JP 19229586 A JP19229586 A JP 19229586A JP 19229586 A JP19229586 A JP 19229586A JP H0797986 B2 JPH0797986 B2 JP H0797986B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性酢酸キナーゼ及びその製造法に関する
もので、更に詳細には後述する諸性質を有する新規な耐
熱性酢酸キナーゼ及び諸酵素生産能を有するサーモアン
アエロビウム(Thermoanaerobium)属に属する細菌から
効率よく該酵素を製造する方法に関するものである。
もので、更に詳細には後述する諸性質を有する新規な耐
熱性酢酸キナーゼ及び諸酵素生産能を有するサーモアン
アエロビウム(Thermoanaerobium)属に属する細菌から
効率よく該酵素を製造する方法に関するものである。
(従来技術) 酢酸キナーゼ(EC2.7.2.1〕は微生物にのみその存在が
認められる酵素で、下記反応を触媒する。
認められる酵素で、下記反応を触媒する。
アデノシン三リン酸(ATP)+酢酸アデノシン二リン
酸(ADP)+アセチルリン酸 本酵素は、食品等の酢酸の定量に用いられるほか、バイ
オリアクターにおけるATP再生系への利用も試みられて
いる。
酸(ADP)+アセチルリン酸 本酵素は、食品等の酢酸の定量に用いられるほか、バイ
オリアクターにおけるATP再生系への利用も試みられて
いる。
従来、酢酸キナーゼについては、エシェリヒア・コリ
(Escherichia coli),クロストリジウム・アシディウ
リシ(Clostridium acidi−urici),クロストリジウム
・サーモアセチカム(C.thermoaceticum),デスルホビ
ブリオ・デスルフリカンス(Desulfovibrio desulfuric
ans),プロピオニバクテリウム・シャーマニ(Propion
ibacterium shermannii),プロピオニ バクテリウム
・フロィデンライヒ(P.freudenreichii),バチルス・
ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilu
s),ベイロネラ・アルカレッセンス(Veillonella alc
alescens),アコレプラスマ・ライデラビ(Acheleplas
ma laidlavii)で精製が試みられ、ベイロネラ・アル
カレッセンス〔アーカイブス オブ バイオケミストリ
ー アンド バイオフィジクス(Archives of Biochemi
stry and Biophysics)189 424,1978〕とバチルス・ス
テアロサーモフイルス〔ジャーナル オブ バイオケミ
ストリー(Journal of Biochemistry)84 193,1978〕
では高度に精製されている。
(Escherichia coli),クロストリジウム・アシディウ
リシ(Clostridium acidi−urici),クロストリジウム
・サーモアセチカム(C.thermoaceticum),デスルホビ
ブリオ・デスルフリカンス(Desulfovibrio desulfuric
ans),プロピオニバクテリウム・シャーマニ(Propion
ibacterium shermannii),プロピオニ バクテリウム
・フロィデンライヒ(P.freudenreichii),バチルス・
ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilu
s),ベイロネラ・アルカレッセンス(Veillonella alc
alescens),アコレプラスマ・ライデラビ(Acheleplas
ma laidlavii)で精製が試みられ、ベイロネラ・アル
カレッセンス〔アーカイブス オブ バイオケミストリ
ー アンド バイオフィジクス(Archives of Biochemi
stry and Biophysics)189 424,1978〕とバチルス・ス
テアロサーモフイルス〔ジャーナル オブ バイオケミ
ストリー(Journal of Biochemistry)84 193,1978〕
では高度に精製されている。
これらの中でバチルス・ステアロサーモフィルスの生産
する酢酸キナーゼはその熱安定性を利用してATPの関与
するバイオリアクターを構築する際のATP再生用酵素と
しての利用が検討されているが、(特公昭 59−3335
5)、より優れたバイオリアクターにおけるATP再生用酵
素としての酢酸キナーゼには、さらに高い温度及びpH安
定性などの性質が求められている。
する酢酸キナーゼはその熱安定性を利用してATPの関与
するバイオリアクターを構築する際のATP再生用酵素と
しての利用が検討されているが、(特公昭 59−3335
5)、より優れたバイオリアクターにおけるATP再生用酵
素としての酢酸キナーゼには、さらに高い温度及びpH安
定性などの性質が求められている。
(発明の目的) 本発明者等は、バイオリアクターにおけるATP再生系等
に利用できる安定性の優れた、しかも酵素活性の高い酢
酸キナーゼを得るべく、鋭意研究の結果、従来の酢酸キ
ナーゼとは種々の点で性質が異なりしかも温度及びpH安
定性に優れ酵素活性の高い酢酸キナーゼを偏性嫌気性好
熱菌サーモアンアエロビウムブロッキー(Thermoanaero
bium brockii)が生産することを見出し、本発明を完成
した。
に利用できる安定性の優れた、しかも酵素活性の高い酢
酸キナーゼを得るべく、鋭意研究の結果、従来の酢酸キ
ナーゼとは種々の点で性質が異なりしかも温度及びpH安
定性に優れ酵素活性の高い酢酸キナーゼを偏性嫌気性好
熱菌サーモアンアエロビウムブロッキー(Thermoanaero
bium brockii)が生産することを見出し、本発明を完成
した。
(発明の構成) すなわち本発明は、下記の理化学的性質を有する耐熱性
酢酸キナーゼ a.作用 正反応は、アデノシン三リン酸と酢酸からアデノシン二
リン酸とアセチルリン酸を生成し、逆反応は、アデノシ
ン二リン酸とアセチルリン酸から、アデノシン三リン酸
と酢酸を生成する。
酢酸キナーゼ a.作用 正反応は、アデノシン三リン酸と酢酸からアデノシン二
リン酸とアセチルリン酸を生成し、逆反応は、アデノシ
ン二リン酸とアセチルリン酸から、アデノシン三リン酸
と酢酸を生成する。
b.基質特異性 リン酸受容体となりうる有機酸は酢酸が最も良く、次い
でプロピオン酸そしてn−酪酸にもわずかに活性を有
し、リン酸供与体となりうるヌクレオチドとしてはグア
ノシン三リン酸(GTP)が最も有効で、ついでウリジン
三リン酸(UTP),シチジン三リン酸(CTP),アデノシ
ン三リン酸の順に作用する。
でプロピオン酸そしてn−酪酸にもわずかに活性を有
し、リン酸供与体となりうるヌクレオチドとしてはグア
ノシン三リン酸(GTP)が最も有効で、ついでウリジン
三リン酸(UTP),シチジン三リン酸(CTP),アデノシ
ン三リン酸の順に作用する。
c.Km値 アセチルリン酸に対するKm値:0.025mM,ADPに対するKm
値:1.25mM d.金属イオンの要求性:本酵素の活性発現にはマグネシ
ウムイオン,又はマンガンイオンを必要とする。
値:1.25mM d.金属イオンの要求性:本酵素の活性発現にはマグネシ
ウムイオン,又はマンガンイオンを必要とする。
e.安定pH範囲 pH4〜11で30℃16時間処理しても全く活性の低下は認め
られない。
られない。
f.作用最適温度:55〜60℃ g.耐熱性:75℃15分間の加熱に対し安定である。75℃2
時間の加熱で70%以上の活性が残存している。
時間の加熱で70%以上の活性が残存している。
h.分子量:約5万(セファデックスG−100を用いたゲ
ル過法) 及びサーモアンアエロビウム属に属し、上記理学的性質
(a)〜(h)を有してなる新規な耐熱性酢酸キナーゼ
生産能を有する菌株を培地に培養し、該培養物から、上
記性質(a)〜(h)を有してなる新規な耐熱性酢酸キ
ナーゼを採取することを特徴とする耐熱性酢酸キナーゼ
の製造法である。
ル過法) 及びサーモアンアエロビウム属に属し、上記理学的性質
(a)〜(h)を有してなる新規な耐熱性酢酸キナーゼ
生産能を有する菌株を培地に培養し、該培養物から、上
記性質(a)〜(h)を有してなる新規な耐熱性酢酸キ
ナーゼを採取することを特徴とする耐熱性酢酸キナーゼ
の製造法である。
本発明における使用菌としては、例えば上記のサーモア
ンアエロビウム属に属するサーモアンアエロビウム ブ
ロッキーDSM 1457が挙げられるが、この菌の外にもサ
ーモアンアエロビウム属に属し、この新規な耐熱性酢酸
キナーゼを生産する菌はすべて本発明において使用する
ことができる。
ンアエロビウム属に属するサーモアンアエロビウム ブ
ロッキーDSM 1457が挙げられるが、この菌の外にもサ
ーモアンアエロビウム属に属し、この新規な耐熱性酢酸
キナーゼを生産する菌はすべて本発明において使用する
ことができる。
本発明によれば、新規な耐熱性酢酸キナーゼは前記サー
モアンアエロビウム属に属する耐熱性酢酸キナーゼ生産
株を栄養培地で嫌気的に培養することにより菌体中に蓄
積されるので、公知の方法で抽出,精製,乾燥すること
により、酵素粉末を得ることができる。
モアンアエロビウム属に属する耐熱性酢酸キナーゼ生産
株を栄養培地で嫌気的に培養することにより菌体中に蓄
積されるので、公知の方法で抽出,精製,乾燥すること
により、酵素粉末を得ることができる。
更に具体的に説明すると前記サーモアンアエロビウム属
に属するサーモアンアエロビウムブロッキーDSM 1457
を適当な栄養培地、例えば適当な炭素源,窒素源,無機
塩類そして必要に応じて他の栄養素や微量要素を添加
し、嫌気的雰囲気にした培地で培養することにるり新規
な耐熱性酢酸キナーゼを菌体中に蓄積せしめることがで
きる。
に属するサーモアンアエロビウムブロッキーDSM 1457
を適当な栄養培地、例えば適当な炭素源,窒素源,無機
塩類そして必要に応じて他の栄養素や微量要素を添加
し、嫌気的雰囲気にした培地で培養することにるり新規
な耐熱性酢酸キナーゼを菌体中に蓄積せしめることがで
きる。
炭素源としてはグルコース,セロビオース,ラクトー
ス,シュクロース,マルトース,ピルビン酸、デンプン
など資化可能な炭素化合及びこれらを含有するものであ
ればすべて用いることができる。
ス,シュクロース,マルトース,ピルビン酸、デンプン
など資化可能な炭素化合及びこれらを含有するものであ
ればすべて用いることができる。
窒素源としては、通常の微生物の培養に用いられる硫酸
アンモニウム,塩化アンモニウム,リン酸アンモニウ
ム,尿素,硝酸アンモニウム,硝酸ナトリウム等が用い
られる。
アンモニウム,塩化アンモニウム,リン酸アンモニウ
ム,尿素,硝酸アンモニウム,硝酸ナトリウム等が用い
られる。
無機塩としては、リン酸カリウム,塩化マグネシウム,
塩化ナトリウム,硫酸第一鉄,塩化第二鉄のほか、マン
ガン,コバルト,カルシウム,亜鉛,銅,ホウ酸,モリ
ブデン,セレン等の金属塩の添加が有効である。
塩化ナトリウム,硫酸第一鉄,塩化第二鉄のほか、マン
ガン,コバルト,カルシウム,亜鉛,銅,ホウ酸,モリ
ブデン,セレン等の金属塩の添加が有効である。
微量要素としてはビオチン,葉酸,ビタミンB1,B2,B6,B
12,ニコチン酸,パントテン酸,p−アミノ安息香酸,リ
ポ酸などのビタミン類が用いられるほか、天然の栄養源
としてコーン・スティーブ・リカー,酵母エキス,ペプ
トンなども添加することができる。
12,ニコチン酸,パントテン酸,p−アミノ安息香酸,リ
ポ酸などのビタミン類が用いられるほか、天然の栄養源
としてコーン・スティーブ・リカー,酵母エキス,ペプ
トンなども添加することができる。
本発明において、培養は嫌気的に行う必要がある。培養
を嫌気的に行うには、培地中に硫化ナトリウム,L−シス
ティン,クエン酸チタニウム等の還元剤を加えるほか、
酸素を除去した窒素ガスや炭酸ガスあるいはこれらの混
合気体を培地中に通気し、更に、培養容器の気相に酸素
ガスが混入しないようにすることが望ましい。
を嫌気的に行うには、培地中に硫化ナトリウム,L−シス
ティン,クエン酸チタニウム等の還元剤を加えるほか、
酸素を除去した窒素ガスや炭酸ガスあるいはこれらの混
合気体を培地中に通気し、更に、培養容器の気相に酸素
ガスが混入しないようにすることが望ましい。
培養温度は35〜85℃で行えるが60〜75℃が望ましく、さ
らに好適には、65〜70℃が良い。pHは6〜9で行えるが
7〜8が好適である。又、培養中細胞が沈殿しない程度
に撹拌するのが好ましい。培養は通常6〜15時間で終了
するが、他の培養条件の変更に応じて適当にかえること
ができる。
らに好適には、65〜70℃が良い。pHは6〜9で行えるが
7〜8が好適である。又、培養中細胞が沈殿しない程度
に撹拌するのが好ましい。培養は通常6〜15時間で終了
するが、他の培養条件の変更に応じて適当にかえること
ができる。
このようにして得られた培養物から新規耐熱性酢酸キナ
ーゼを単離・精製するには、まず得られた培養物から、
例えば遠心分離や過などで菌体を集菌し、得られた菌
体を超音波処理やフレンチプレス処理等の常法により破
砕後遠心分離し無細胞抽出液を得る。さらにこの抽出液
から、硫安などの塩類やアセトン,メタノールなどの親
水性有機溶媒を添加する沈殿法,DEAE−セルロース等の
イオン交換クロマトグラフィー法,セファデックス等の
ゲル過クロマトグラフィー法,ヒドロキシアパタイト
等の吸着クロマトグラフィー法,その他等電点沈殿法,
電気泳動法などの分離法を適宜組合せて適用することに
よって、新規耐熱性酢酸キナーゼを単離・精製すること
ができる。
ーゼを単離・精製するには、まず得られた培養物から、
例えば遠心分離や過などで菌体を集菌し、得られた菌
体を超音波処理やフレンチプレス処理等の常法により破
砕後遠心分離し無細胞抽出液を得る。さらにこの抽出液
から、硫安などの塩類やアセトン,メタノールなどの親
水性有機溶媒を添加する沈殿法,DEAE−セルロース等の
イオン交換クロマトグラフィー法,セファデックス等の
ゲル過クロマトグラフィー法,ヒドロキシアパタイト
等の吸着クロマトグラフィー法,その他等電点沈殿法,
電気泳動法などの分離法を適宜組合せて適用することに
よって、新規耐熱性酢酸キナーゼを単離・精製すること
ができる。
次に本発明で得られる新規耐熱性酢酸キナーゼの理化学
的性質を示す。
的性質を示す。
a.作用 正反応は、アデノシン三リン酸と酢酸からアデノシン二
リン酸とアセチルリン酸を生成し、逆反応は、アデノシ
ン二リン酸とアセチルリン酸から、アデノシン三リン酸
と酢酸を生成する。
リン酸とアセチルリン酸を生成し、逆反応は、アデノシ
ン二リン酸とアセチルリン酸から、アデノシン三リン酸
と酢酸を生成する。
b.基質特異性 リン酸受容体となりうる有機酸は酢酸が最も良く、次い
でプロピオン酸そしてn−酪酸にもわずかに活性を有し
た。一方、リン酸供与体となりうるヌクレオチドとして
はグアノシン三リン酸が最も有効で、ついでウリジン三
リン酸,シチジン三リン酸,アデノシン三リン酸の順に
作用した。
でプロピオン酸そしてn−酪酸にもわずかに活性を有し
た。一方、リン酸供与体となりうるヌクレオチドとして
はグアノシン三リン酸が最も有効で、ついでウリジン三
リン酸,シチジン三リン酸,アデノシン三リン酸の順に
作用した。
各基質に体する相対活性は表1および2に示す通りであ
る。
る。
c.各種基質に対するKm値は以下の通りである。(表3) d.金属イオンの要求性は次の通りである。
本酵素の活性発現にはマンガン,マグネシウムの二価金
属イオンが必須で、特にマンガンイオンの添加効果が大
きかった。
属イオンが必須で、特にマンガンイオンの添加効果が大
きかった。
相対活性はマグネシウムイオンを100(%)とすると、
マンガンイオンが191%であった。
マンガンイオンが191%であった。
e.pH安定性 ブリトン−ロビンソン(Briton−Robinson)広域緩衝液
(pH2−14)を用いて本酵素のpH安定性を調べた。各pH
で16時間、30℃で保ったのち、それぞれの残存活性を測
定したところ、図1に示すようにpH4からpH11の範囲で
活性の低下は全く認められなかった。
(pH2−14)を用いて本酵素のpH安定性を調べた。各pH
で16時間、30℃で保ったのち、それぞれの残存活性を測
定したところ、図1に示すようにpH4からpH11の範囲で
活性の低下は全く認められなかった。
f.作用最適温度 酵素活性測定法(II)を用いて、本酵素活性に及ぼす反
応温度の影響を調べた結果、55℃から60℃の間で最大の
活性を示した(図2)。
応温度の影響を調べた結果、55℃から60℃の間で最大の
活性を示した(図2)。
g.耐熱性 0.2Mリン酸緩衝液(pH7.0)を含む酵素液を各温度で15
分間保ったのち、残存する活性を測定した(図3)。そ
の結果、本酵素は75℃まで全く安定であった。また、同
じ酵素液を75℃に保ち経時的に残存活性を測定したとこ
ろ(図4)、2時間の処理後でも70%以上の活性が認め
られた。
分間保ったのち、残存する活性を測定した(図3)。そ
の結果、本酵素は75℃まで全く安定であった。また、同
じ酵素液を75℃に保ち経時的に残存活性を測定したとこ
ろ(図4)、2時間の処理後でも70%以上の活性が認め
られた。
h.分子量 セファデックスG−100を用いたゲルろ過法により本酵
素の分子量を測定した結果、図5.に示すように約50,000
という値を得た。
素の分子量を測定した結果、図5.に示すように約50,000
という値を得た。
本発明において、酢酸キナーゼ活性の測定は、実験条件
に応じて次のI,IIの2法のうちいずれか一方を、あるい
は両法を併用することにより行った。
に応じて次のI,IIの2法のうちいずれか一方を、あるい
は両法を併用することにより行った。
酵素活性測定法(I) アセチルリン酸とADPから生成するATP量を、ヘキソース
キナーゼとグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを
共役させることにより定量し、1分間に1マイクロモル
のATPを生成する酵素量を1単位とした。すなわち、ア
セチルリン酸6.25μmol,塩化マグネシウム5μmol,ADP
1.9μmol,グルコース25μmol,NADP0.4μmol,ヘキソース
キナーゼ(シグマ社製)2.5単位,グルコース−6−リ
ン酸デヒドロゲナーゼ(シグマ社製)1単位、0.1Mトリ
ス・塩酸緩衝液(pH8.3),コハク酸ナトリウム10mM,塩
化カルシウム50mMを含む反応液に、適当量の酵素試料液
を加えて1mlとし、40℃で反応を行わせ、340nmの吸光度
を測定し吸光度の増加から、1分間当りのNADPHの生成
量をもとめ、これをもとにしてATP生成量をもとめ試料
中の酵素力価を算出する。
キナーゼとグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを
共役させることにより定量し、1分間に1マイクロモル
のATPを生成する酵素量を1単位とした。すなわち、ア
セチルリン酸6.25μmol,塩化マグネシウム5μmol,ADP
1.9μmol,グルコース25μmol,NADP0.4μmol,ヘキソース
キナーゼ(シグマ社製)2.5単位,グルコース−6−リ
ン酸デヒドロゲナーゼ(シグマ社製)1単位、0.1Mトリ
ス・塩酸緩衝液(pH8.3),コハク酸ナトリウム10mM,塩
化カルシウム50mMを含む反応液に、適当量の酵素試料液
を加えて1mlとし、40℃で反応を行わせ、340nmの吸光度
を測定し吸光度の増加から、1分間当りのNADPHの生成
量をもとめ、これをもとにしてATP生成量をもとめ試料
中の酵素力価を算出する。
酵素活性測定法(II) 酢酸とATPから生成するアセチルリン酸量を測定し、1
分間に1マイクロモルのアセチルリン酸を生成する酵素
量を1単位とした。すなわち、酢酸ナトリウム10mM、AT
P10mM、塩化マグネシウム10mM、ヒドロキシルアミン500
mM、コハク酸ナトリウム10mM、50mMトリス・塩酸緩衝液
(pH8.3)を含む反応液に適当量の酵素試料液を加えて
0.5mlとし、40℃で反応を行わせた。30分間反応後10%
塩化第二鉄,3%トリクロル酢酸,0.7N塩酸を含む溶液0.7
5mlを加え、激しく振盪後、生成した塩化第二鉄−ヒド
ロキサム酸複合体量を535nmの吸光度から算出し、これ
をもとにしてアセチルリン酸生成量をもとめ、試料中の
酵素力価を算出する。
分間に1マイクロモルのアセチルリン酸を生成する酵素
量を1単位とした。すなわち、酢酸ナトリウム10mM、AT
P10mM、塩化マグネシウム10mM、ヒドロキシルアミン500
mM、コハク酸ナトリウム10mM、50mMトリス・塩酸緩衝液
(pH8.3)を含む反応液に適当量の酵素試料液を加えて
0.5mlとし、40℃で反応を行わせた。30分間反応後10%
塩化第二鉄,3%トリクロル酢酸,0.7N塩酸を含む溶液0.7
5mlを加え、激しく振盪後、生成した塩化第二鉄−ヒド
ロキサム酸複合体量を535nmの吸光度から算出し、これ
をもとにしてアセチルリン酸生成量をもとめ、試料中の
酵素力価を算出する。
従来報告されている酢酸キナーゼで最も耐熱性に優れて
いうものは、バチルス・ステアロサーモフィルスから精
製された酢酸キナーゼである。本酵素は65℃15分間の処
理において100%の活性を保持し、70℃15分間の処理で
は約20%に活性は低下する。〔ジャーナル オブ バイ
オケミストリー 84193(1978)〕しかるに、本発明で
得られた耐熱性酢酸キナーゼは、75℃15分間処理でも全
く失活せず、75℃2時間処理でも70%以上の活性を保持
していた。又pHの安定性においても、バチルス・ステア
ロサーモフィルスの酢酸キナーゼの安定pH範囲が7〜9
(4℃24時間処理)であるのに対し、本発明の酢酸キナ
ーゼはpH4〜11(30℃16時間処理)で安定であった。
いうものは、バチルス・ステアロサーモフィルスから精
製された酢酸キナーゼである。本酵素は65℃15分間の処
理において100%の活性を保持し、70℃15分間の処理で
は約20%に活性は低下する。〔ジャーナル オブ バイ
オケミストリー 84193(1978)〕しかるに、本発明で
得られた耐熱性酢酸キナーゼは、75℃15分間処理でも全
く失活せず、75℃2時間処理でも70%以上の活性を保持
していた。又pHの安定性においても、バチルス・ステア
ロサーモフィルスの酢酸キナーゼの安定pH範囲が7〜9
(4℃24時間処理)であるのに対し、本発明の酢酸キナ
ーゼはpH4〜11(30℃16時間処理)で安定であった。
このように本発明で得られた酢酸キナーゼは従来報告さ
れている酢酸キナーゼよりも耐熱性及びpH安定性に優れ
た酵素である。
れている酢酸キナーゼよりも耐熱性及びpH安定性に優れ
た酵素である。
本発明で得られた酢酸キナーゼが温度及びpH安定性に優
れており、さらにアセチルリン酸に対し0.025mMと非常
に小さいKm値を有していることはアセチルリン酸とADP
からATPを合成する反応の利用、特にATP関与のバイオリ
アクター構築の際のATP再生用酵素として特に有効に利
用できることを示している。
れており、さらにアセチルリン酸に対し0.025mMと非常
に小さいKm値を有していることはアセチルリン酸とADP
からATPを合成する反応の利用、特にATP関与のバイオリ
アクター構築の際のATP再生用酵素として特に有効に利
用できることを示している。
本酵素は、水溶液の状態でまたは、固定化して用いるこ
とができる。
とができる。
(発明の効果) 本発明の耐熱性酢酸キナーゼの性質は、前述したとお
り、これまで知られている酢酸キナーゼよりも温度及び
pH安定性に非常に優れており、又、アセチルリン酸に対
し高い新和性を有している。このことから、本酵素は、
ATP関与のバイオリアクターを構築する際のATP再生用酵
素等として特に有効に利用することができる。
り、これまで知られている酢酸キナーゼよりも温度及び
pH安定性に非常に優れており、又、アセチルリン酸に対
し高い新和性を有している。このことから、本酵素は、
ATP関与のバイオリアクターを構築する際のATP再生用酵
素等として特に有効に利用することができる。
また、高温においても安定であることから、熱処理によ
って、酢酸キナーゼ活性を損なうことなく不純蛋白質を
変性沈殿させて除くことができ、非常に純度の高い酢酸
キナーゼを容易にかつ高収率で得ることができる。
って、酢酸キナーゼ活性を損なうことなく不純蛋白質を
変性沈殿させて除くことができ、非常に純度の高い酢酸
キナーゼを容易にかつ高収率で得ることができる。
(実施例) 次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに
限定されるものではない。
限定されるものではない。
表4に示した培地7を121℃15分間滅菌後、別途同様
に滅菌した同じ組成の培地で6時間前培養したサーモア
ンアエロビウム ブロッキー DSM 1457の培養物0.7
を該培地に接種した。培養容器の気相を窒素95%,二酸
化炭素5%の雰囲気にして嫌気状態とした後、65〜70℃
で6時間静置培養した。
に滅菌した同じ組成の培地で6時間前培養したサーモア
ンアエロビウム ブロッキー DSM 1457の培養物0.7
を該培地に接種した。培養容器の気相を窒素95%,二酸
化炭素5%の雰囲気にして嫌気状態とした後、65〜70℃
で6時間静置培養した。
培養後、培養物を遠心分離し、菌体を採取し、0.1Mリン
酸緩衝液(pH7.0)で3回洗浄し、約12gの湿菌体を得
た。
酸緩衝液(pH7.0)で3回洗浄し、約12gの湿菌体を得
た。
湿菌体3gを1Mのリン酸緩衝液(pH7.0)40mlに懸濁し、
超音波破砕機(200W)で5分間処理し、菌体を破砕し
た。この破砕液を遠心分離(15000rpm 30分間)し、細
胞片を除去し、酢酸キナーゼを含む無細胞抽出液を得
た。この抽出液に対し、硫酸アンモニウム分画を行い、
75%飽和硫酸アンモニウムでの沈殿物を得た。この酢酸
キナーゼを含む沈殿物を3mMのリン酸緩衝液(pH7.0)に
溶解し、同じ緩衝液に対し1晩4℃で透析した。透析内
液を3mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したDEAE−セ
ルロースカラムに通し、塩化ナトリウムを上記緩衝液に
加えた溶液で溶出させると0.15M付近で目的の酢酸キナ
ーゼが溶出した。更に3mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で平
衡化したセファデックスG−100カラムに通し、同じ緩
衝液で溶出させた。
超音波破砕機(200W)で5分間処理し、菌体を破砕し
た。この破砕液を遠心分離(15000rpm 30分間)し、細
胞片を除去し、酢酸キナーゼを含む無細胞抽出液を得
た。この抽出液に対し、硫酸アンモニウム分画を行い、
75%飽和硫酸アンモニウムでの沈殿物を得た。この酢酸
キナーゼを含む沈殿物を3mMのリン酸緩衝液(pH7.0)に
溶解し、同じ緩衝液に対し1晩4℃で透析した。透析内
液を3mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したDEAE−セ
ルロースカラムに通し、塩化ナトリウムを上記緩衝液に
加えた溶液で溶出させると0.15M付近で目的の酢酸キナ
ーゼが溶出した。更に3mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で平
衡化したセファデックスG−100カラムに通し、同じ緩
衝液で溶出させた。
溶出した活性画分を3mMリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化
した、ヒドロキシルアパタイトカラムに通し、3mMリン
酸緩衝液(pH7.0)から500mMリン酸緩衝液(pH7.0)の
直線勾配の溶出を行うと、200mM濃度付近で目的の酢酸
キナーゼが溶出した。本実施例で得られた耐熱性酢酸キ
ナーゼは、アクリルアミドデイスク電気泳動が単一なバ
ンドを与え、更にセファデックスG−100カラムクロマ
トグラフィーにおいて分子量約5万付近に単一のピーク
を与えた。
した、ヒドロキシルアパタイトカラムに通し、3mMリン
酸緩衝液(pH7.0)から500mMリン酸緩衝液(pH7.0)の
直線勾配の溶出を行うと、200mM濃度付近で目的の酢酸
キナーゼが溶出した。本実施例で得られた耐熱性酢酸キ
ナーゼは、アクリルアミドデイスク電気泳動が単一なバ
ンドを与え、更にセファデックスG−100カラムクロマ
トグラフィーにおいて分子量約5万付近に単一のピーク
を与えた。
本実施例において得られた酢酸キナーゼの収量は約20mg
で酵素タンパク1mg当り約155単位の力価(IIの方法で測
定)を示し、その精製度は無細胞抽出液を1とすると約
31倍であった。
で酵素タンパク1mg当り約155単位の力価(IIの方法で測
定)を示し、その精製度は無細胞抽出液を1とすると約
31倍であった。
得られた酢酸キナーゼのKm値は、アセチルリン酸に対し
て0.025mM(IIの方法で測定)、ADPに対して1.25mM(I
の方法で測定)であった。
て0.025mM(IIの方法で測定)、ADPに対して1.25mM(I
の方法で測定)であった。
Briton−Robinson広域緩衝液(pH2−14)を用いて本酵
素のpH安定性を調べ、各pHで16時間、30℃で保ったの
ち、それぞれの残存活性を測定したところ、図1に示す
ようにpH4からpH11の範囲で活性の低下は全く認められ
なかった。
素のpH安定性を調べ、各pHで16時間、30℃で保ったの
ち、それぞれの残存活性を測定したところ、図1に示す
ようにpH4からpH11の範囲で活性の低下は全く認められ
なかった。
また、酵素活性測定法(II)を用いて、本酵素活性に及
ぼす反応温度の影響を調べた結果、55℃から60℃の間で
最大の活性を示した(図2)。
ぼす反応温度の影響を調べた結果、55℃から60℃の間で
最大の活性を示した(図2)。
次に、0.2Mリン酸緩衝液(pH7.0)を含む酵素液を各温
度で15分間保ったのち、残存する活性を測定した(図
3)。その結果、本酵素は75℃まで全く安定であった。
また、同じ酵素液を75℃に保ち経時的に残存活性を測定
したところ(図4.)、2時間の処理後でも70%以上の活
性が認められた。
度で15分間保ったのち、残存する活性を測定した(図
3)。その結果、本酵素は75℃まで全く安定であった。
また、同じ酵素液を75℃に保ち経時的に残存活性を測定
したところ(図4.)、2時間の処理後でも70%以上の活
性が認められた。
【図面の簡単な説明】 図1は、本酵素のpH安定性を示す図である。 図2は、本酵素の作用最適温度を示す図である。 図3,図4は本酵素の耐熱性を示す図である。 図5は、本酵素のセファデックスG−100ゲル過法に
よる分子量決定結果を示す図である。
よる分子量決定結果を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】少なくとも下記の理化学的性質(a)〜
(h)を有する耐熱性酢酸キナーゼ a.作用 正反応は、アデノシン三リン酸と酢酸からアデノシン二
リン酸とアセチルリン酸を生成し、逆反応は、アデノシ
ン二リン酸とアセチルリン酸から、アデノシン三リン酸
と酢酸を生成する。 b.基質特異性 リン酸受容体となりうる有機酸は酢酸が最も良く、次い
でプロピオン酸そしてn−酪酸にもわずかに活性を有
し、リン酸供与体となりうるヌクレオチドとしてはグア
ノシン三リン酸が最も有効で、ついでウリジン三リン
酸,シチジン三リン酸,アデノシン三リン酸の順に作用
する。 c.Km値 アセチルリン酸に対するKm値:0.025mM,ADPに対するKm
値:1.25mM。 d.金属イオンの要求性:本酵素の活性発現にはマグネシ
ウムイオン,又はマンガンイオンを必要とする。 e.安定pH範囲 pH4〜11で30℃16時間処理しても全く活性の低下は認め
られない。 f.作用最適温度:55〜60℃ g.耐熱性:75℃15分間の加熱に対し安定である。 75℃2時間の加熱で70%以上の活残存が存する。 h.分子量:約5万(セファデックスG−100を用いたゲ
ル過法) - 【請求項2】サーモアンアエロビウム(Thermoanaerobi
um)属に属する下記性質(a)〜(h)を有してなる新
規な耐熱性酢酸キナーゼを生産する菌を培地に培養し、
その培養物から下記性質(a)〜(h)を有してなる新
規な耐熱性酢酸キナーゼを採取することを特徴とする酢
酸キナーゼの製造法。 a.作用 正反応は、アデノシン三リン酸と酢酸からアデノシン二
リン酸とアセチルリン酸を生成し、逆反応は、アデノシ
ン二リン酸とアセチルリン酸からアデノシン三リン酸と
酢酸を生成する。 b.基質特異性 リン酸受容体となりうる有機酸は酢酸が最も良く、次い
でプロピオン酸そしてn−酪酸にもわずかに活性を有
し、リン酸供与体となりうるヌクレオチドとしてはグア
ノシン三リン酸が最も有効で、ついでウリジン三リン
酸,シチジン三リン酸,アデノシン三リン酸の順に作用
する。 c.Km値 アセチルリン酸に対するKm値:0.025mM,ADPに対するKm
値:1.25mM。 d.金属イオンの要求性:本酵素の活性発現にはマグネシ
ウムイオン,又はマンガンイオンを必要とする。 e.安定pH範囲 pH4〜11で30℃16時間処理しても全く活性の低下は認め
られない。 f.作用最適温度:55〜60℃ g.耐熱性:75℃15分間の加熱に対して安定である。 75℃2時間の加熱で70%以上の活残存が存する。 h.分子量:約5万(セファデックスG−100を用いたゲ
ル過法)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19229586A JPH0797986B2 (ja) | 1986-08-18 | 1986-08-18 | 耐熱性酢酸キナ−ゼ及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19229586A JPH0797986B2 (ja) | 1986-08-18 | 1986-08-18 | 耐熱性酢酸キナ−ゼ及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6349079A JPS6349079A (ja) | 1988-03-01 |
| JPH0797986B2 true JPH0797986B2 (ja) | 1995-10-25 |
Family
ID=16288898
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19229586A Expired - Lifetime JPH0797986B2 (ja) | 1986-08-18 | 1986-08-18 | 耐熱性酢酸キナ−ゼ及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0797986B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62278992A (ja) * | 1986-05-28 | 1987-12-03 | Unitika Ltd | ジアデノシン四リン酸又はその誘導体の製造方法 |
-
1986
- 1986-08-18 JP JP19229586A patent/JPH0797986B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| J.Biochem.84P.193−203(1978) |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6349079A (ja) | 1988-03-01 |
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