JPH0798864B2 - ポリアルコキシシリルで末端が停止したポリジオルガノシロキサン、その製造方法およびこれを含有する室温硬化性組成物 - Google Patents

ポリアルコキシシリルで末端が停止したポリジオルガノシロキサン、その製造方法およびこれを含有する室温硬化性組成物

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JPH0798864B2
JPH0798864B2 JP63210891A JP21089188A JPH0798864B2 JP H0798864 B2 JPH0798864 B2 JP H0798864B2 JP 63210891 A JP63210891 A JP 63210891A JP 21089188 A JP21089188 A JP 21089188A JP H0798864 B2 JPH0798864 B2 JP H0798864B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリジオルガノシロキサン組成物ならびにそ
の製造方法および使用方法に係る。さらに詳細にいう
と、本発明は、1群の新規なポリアルコキシで末端が停
止したポリジオルガノシロキサンを使用する改良された
室温で硬化可能な組成物に係る。
近年、改良された一液型の室温硬化可能な(室温硬化
性。本明細書中では「RTV」ということがある)組成物
の開発に多大な関心が向けられている。理想的な条件下
では、これらの組成物は、湿気のない状態で保存すると
無限に安定であり、大気中に存在する比較的に少量の水
蒸気などの湿気と接触すると速やかに硬化してタックフ
リーな(指触乾燥状態)のエラストマーになるはずであ
る。
典型的なRTV組成物の場合、主要な構成成分は、ポリア
ルコキシシリル末端基(通常はジアルコキシアルキルシ
リル基)を含有するポリジオルガノシロキサン(簡単の
ため本明細書中では「シリコーン」と称することがあ
る)である。これらの末端基は、RTV組成物中に、シラ
ノールで末端が停止したシリコーンと、末端キャッピン
グ用試薬として、反応によりポリアルコキシシリルで末
端が停止した分子種を生成するメチルトリメトキシシラ
ンやジメチルテトラメトキシジシラザンなどのようなポ
リアルコキシシリル化合物とを配合することによってそ
の場で形成させることができる。しかし、通常は、同じ
反応によってあらかじめ形成しておいたポリアルコキシ
シリルで末端が停止したシリコーンを使用する方が有効
である。
どちらの場合でも、ポリアルコキシシリルで末端が停止
した分子種は、適切な金属含有触媒(通常はアルミニウ
ム、チタンまたはスズの化合物)の存在下で大気中の湿
気によって架橋することができる。このタイプのRTV組
成物はたくさんの特許と刊行物に開示されている。
初期の一液型RTVでは、ポリアシルオキシシリル(通常
はポリアセトキシシリル)の末端基を含有するシリコー
ンを使用していた。これらの物質は硬化の際に酢酸など
のようなカルボン酸を放出するが、このカルボン酸は強
い臭気をもっており、したがってその存在は望ましくな
い。その後の開発でこのアシルオキシ基はアルコキシ基
によって置き換えられた。しかし、このようなアルコキ
シ基を含有する組成物は、この組成物を貯蔵しておくと
ヒドロキシ官能性の分子種に変換されることが判明し
た。このヒドロキシ官能性の分子種は、反応によって、
モノアルコキシジアルキルシリルで末端が停止したシリ
コーンなどのような副生物を生じ得るが、これらの副生
物は架橋することができない。またこれらは、硬化触媒
と接触した際にシリコーンを分解し得、触媒を不活化し
得る。その結果、硬化するにしてもゆっくりと硬化する
物質が得られることになる。
ポリアルコキシシリルで末端が停止したシリコーンを含
有する改良された1群のRTVが米国特許第4,395,526号に
開示されており、ヒドロキシ基用のスカベンジャー(捕
捉剤)として働く化合物、典型的にはケイ素−窒素化合
物またはエノキシシランを使用している。
RTV分野でのさらなり開発の代表として米国特許第4,51
5,932号があり、そこにはシラノールで末端が停止した
シリコーンを末端キャッピングしてポリアルコキシシリ
ルで末端が停止したシリコーンを形成する改良された方
法が記載されている。この方法では、末端キャッピング
用触媒として酸性の物質を使用しているが、場合によっ
て(好ましい場合が多いが)アミンと組合せて使用して
いる。この特許の実施例1では、ジ−n−ヘキシルアミ
ンおよびギ酸を始めとする各種の酸の存在下で、シラノ
ールで末端が停止したシリコーンをジメチルテトラメト
キシジシラザンと反応させることによって、このシリコ
ーンをキャッピングしている。このジメチルテトラメト
キシジシラザンは、これらの条件下で、末端キャッピン
グ剤として、最終的なRTV組成物中でヒドロキシ基用の
スカベンジャーとしてとの両方に機能する。しかし、ギ
酸では、21%までしか末端キャッピングされていない生
成物が得られるとされている。
上記の組成物中にスカベンジャーが存在することは、必
要ではあるが、やはり問題を生じる。ひとつの明白な問
題はスカベンジャーの価格である。すなわち、このよう
な化合物は容易には手に入らず、しかも製造するのには
かなり費用がかかる。もうひとつの問題は、捕捉反応の
副生物としてアンモニアやアセトンなどのような化合物
が形成されることである。アンモニアは不快な臭いをも
っており、装置や基板の腐蝕を起こし得る。アセトンは
いろいろな反応を経てRTV組成物中に着色不純物を混入
させる。
スカベンジャーを含まない一液型のRTV組成物が米国特
許第4,517,337号に開示されている。ジブチルスズビス
(アセチルアセトネート)などのような触媒が使用され
ているが、この触媒はメタノールおよびシラノールで末
端が停止したシリコーンなどのようなヒドロキシ分子種
の存在下で安定であり、したがってスカベンジャーなし
で使用できる。これはRTV分野における大きな進歩であ
る。
しかし、触媒として酸性物質とアミンを組合せて使用す
る末端キャッピング操作ではさらに別の問題に遭遇す
る。酢酸などのような入手が容易な酸をこの目的に使用
すると、RTV組成物中に配合するのに優れた粘度および
その他の性質をもったポリアルコキシシリルで末端が停
止したシリコーンが得られる。しかし、そのようなシリ
コーンの粘度は、通常、貯蔵しておくとかなり低下す
る。たとえば、典型的なシラノールで末端が停止したポ
リジメチルシロキサンをジ−n−ブチルアミンと酢酸の
存在下でメチルトリメトキシシランと反応させると末端
がキャッピングされた生成物が生成するが、この生成物
は3日間空気を遮断して100℃で促進老化させると粘度
が99%減少する。このような時間による粘度の損失のた
めに、RTV組成物は使用するのが困難かまたは不可能に
なることがある。
このような粘度低下は、一般に、末端キャッピング反応
が進行した後末端キャッピング用触媒を不活化すること
で抑制される。この不活化に有用であることが知られて
いる化合物の中には、上でスカベンジャーとして開示さ
れたものがあり、ヘキサメチルジシラザンが一般的であ
る。このような化合物をふくませると、まさしくスカベ
ンジャーによって引き起こされる問題に立ち帰ることに
なる。すなわち、望ましくない臭気をもち得るかあるい
はRTVを着色させることにより得る副生物が形成され
る。
また、多くの場合各種の給送に対するRTVの接着力を改
善する必要がある。特にアルミニウムや鋼などのような
金属に対する接着は悪いことが多い。
本発明は、長期の貯蔵期間に亘って粘度が比較的に安定
している、ポリアルコキシシリルで末端が停止したシリ
コーンの新規な1群を提供する。また、極めて効果的な
触媒を使用する、前記のごときシリコーンの製造方法
と、そのようなシリコーンを含有す、捕捉用および不活
化用の化合物を含まない貯蔵安定性の一液型RTVも提供
される。最後に、有効な接着促進剤を配合した一連のRT
Vが提供される。
本発明は、末端キャッピング用の反応混合物中で優勢な
条件下で、ポリアルコキシシリルで末端が停止したシリ
コーンの粘度を低下させることのない生成物に変換され
る末端キャッピング用触媒として有用な1群の化合物の
発見によるところが大きい。これらの生成物は通常カル
ボン酸のアミドおよび/またはエステルであり、一般に
これらは20〜25℃程度の低い温度で形成される。しか
し、上記のような変換はかなり遅いので前記の化合物は
触媒として充分有効に機能することができる。
したがって、本発明の一面は、少なくとも1種のシラノ
ールで末端が停止したポリジオルガノシロキサンと少な
くとも1種の下記式(I)のポリアルコキシシランの有
効量とからなる混合物の成分間の反応を実施することか
らなる、ポリアルコキシシリルで末端が停止したポリジ
オルガノシロキサンの製造方法である。
(I) (R1)aSi(OR2)4-a ここで、R1は炭素原子を1〜約13個含有する非置換また
は置換の炭化水素基であり、R2は炭素原子を1〜約8個
含有するアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルア
ルキル基、アシルオキシアルキル基もしくはシアノアル
キル基であるかまたは炭素原子を1〜約14個含有するア
ルアルキル基であり、aは0か1である。前記の反応
は、後に分解して実際上不活性な生成物になる触媒量の
酸性アミン塩の存在下で実施し、また前記混合物はケイ
素−窒素化合物とエノキシシランを含んでいない。
多くの場合、本発明で使用するシラノールで末端が停止
したポリジオルガノシロキサン(シリコーン)は次式を
有する。
ここで、R3は、それぞれ独立して、炭素原子を約1〜13
個含有する非置換か置換の炭化水素基であり、nは約5
〜5,000の範囲である。代表的なR3基は、メチル、エチ
ル、フェニル、トリフルオロプロピルおよびビニルであ
る。約4個までの炭素原子を有するアルキル基、特にメ
チル基が好ましい。
末端キャッピング用試薬として使用するポリアルコキシ
シランは式Iで表わされる。ただし、aは0か1であ
り、1の場合が最も多い。式I中のR1基は式II中のR3と
同じように定義でき、好ましい基も同じである。R2はア
ルキル基でもよく、あるいはアリール、エチル、エステ
ル、ケトンもしくはシアノ置換基を含有する上記の置換
されたアルキル基でもよい。これもC1-4のアルキル、特
にメチルであることが最も多い。このタイプの化合物を
例示すると、メチルトリメトキシシラン(普通はこれが
好ましい)、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、テトラエトキシシランおよびビニルトリ
メトキシシランがある。
本発明の本質的な特徴は、後に分解して、ポリアルコキ
シシリルで末端が停止したシリコーンと触媒したときに
ほとんど不活性である生成物になる酸性のアミン塩を末
端キャッピング用触媒として使用することである。「酸
性アミン塩」とは、実質的に純粋な形態で水に溶かした
ときにpHが7より低い溶液となるアミン塩を意味してい
る。この分解生成物自体は実質的に酸性ではない。とい
うのは、酸性の物質はこのようなシリコーン中でこれら
を接触させておいておくと物質の粘度を低下させること
が判明しているからである。しかし、この生成物が酸の
官能性誘導体であってもよい。さらに、使用できる酸性
の塩は不活性のためにケイ素−窒素化合物またはエノキ
シシランと接触させる必要がない。すなわち、本発明の
本質的な特徴はこれらの物質を含まないことだからであ
る。
好ましい酸性塩の1群はギ酸のアミン塩である。アミン
の種類は臨界的なものではないが、モノ−、ジ−および
トリアルキルアミンが好ましく、特にアルキル基が約3
〜8個の炭素原子を含有するものが好ましく、ジアルキ
ルアミンがさらに好ましい。最も好ましいアミンはジ−
n−ブチルアミンとジイソブチルアミンである。多くの
場合、ジイソブチルアミンなどのようなジ−(sec−ア
ルキル)アミンは、ジブチルスズビス(アセチルアセト
ネート)などのようなスズ錯体で硬化させたRTVの黄変
を引き起こす傾向がジ−(n−アルキル)アミンよりも
弱い。
ギ酸のアミン塩はあらかじめ作成しておいて反応混合物
中に混入してもよいし、あるいは、ギ酸と適切なアミン
とを添加することにより前記の混合物中のその場で製造
してもよい。どちらかの試薬を過剰に、最も普通の場合
には約15:1までのモル比で使用することは本発明の範囲
内である。アミンよりギ酸を過剰に使用する方が好まし
いことが多い。なぜならば、後述するようにギ酸はポリ
アルコキシシランとの反応によって無害なギ酸アルキル
に変換されるからである。過剰のアミンは時に生成物を
着色せしめる。
本発明のもうひとつの本質的な特徴は、反応混合物から
ケイ素−窒素化合物とエノキシシランを除いたことであ
る。別の言い方をすると、通常の捕捉用または不活化用
の化合物はまったく必要ないということである。
末端キャッピング反応は、上記の反応混合物を適切な時
間(約0.5〜2時間が典型的)約50〜100℃の範囲内の温
度に単に加熱するだけで実施できる。この反応は撹拌し
ながら行なうのが好ましい。希釈剤を使用することは本
発明の範囲内であるが、必要であることはめったにな
く、好ましいこともほとんどない。
本発明の方法で使用する試薬の割合には臨界的な意味は
ないが、通常はある一定の範囲の割合が好ましい。最も
普通の場合、シラノールで末端が停止したシリコーンの
100重量部毎に、約0.5〜10.0部のポリアルコキシシラン
および約0.005〜3.0部の酸性塩を使用する。触媒がその
場で調製されるギ酸のアミン塩である場合、シリコーン
の100部当たりのアミンおよびギ酸の割合は、それぞ
れ、約0.001〜1.0部および約0.001〜0.1部であることが
最も多い。ギ酸は市販の水溶液の形態で使用できる。
一般に、安定化された生成物粘度は、反応温度と直接に
関わって変化し、触媒および末端キャッピング用試薬の
割合とは逆の関係で変化する。高粘度の生成物に対して
は、約70〜100℃の範囲の温度を使用し、触媒およびポ
リアルコキシシランのレベルをシラノールで末端が停止
したシリコーンの100部当たりそれぞれ約0.05〜0.30部
および約0.5〜3.0部の範囲とするのが好ましいことが多
い。
末端キャッピング反応の完了の程度はケイ素29の核磁気
共鳴分光によって決定することができる。また、定性的
には、テトラアルキルチタネートまたはジルコネートを
添加して実施される「チタンカップリング試験」によっ
ても決定することができる。もしシラノールで末端が停
止したシリコーンが混合物中にかなりの割合(すなわち
約5%以上)で残っていると、添加したテトラアルキル
チタネートまたはジルコネートと反応してゲルを形成す
る。ゲルの生成がなければ、それは反応がほとんど完了
していることを示す。
本発明の方法によって製造されるポリアルコキシシリル
で末端が停止したシリコーンは次式で表わすことができ
る。
ここで、R1〜R3、aおよびnはすでに定義した通りであ
る。これらは、触媒不活性剤を使用しない方法によって
製造されたにもかかわらず、触媒として他の酸を用いて
製造されたものよりもずっと安定な粘度を維持してい
る。通常、100℃に3日間貯蔵したとき低下する粘度は2
5%以下である。このようなポリアルコキシシリルで末
端が停止したシリコーンは本発明の別の一面である。
本発明の条件下でギ酸のアミン塩が酸性ではなく無害の
生成物に変換されることは、数多くのモデル反応によっ
て確立されている。たとえば、ギ酸のジ−n−ブチルア
ンモニウム塩とメチルトリメトキシシランが反応すると
ジ−n−ブチルホルムアミド、メタノールおよびジメチ
ルテトラメトキシシロキサンが生成する。この反応は60
℃で6日後に完了するが、これに対応する酢酸を用いた
反応は100℃より低温では測定できる程に進行すること
はない。ギ酸の第三級アミン塩は同様な条件下でメタノ
ール、ジメチルテトラメトキシシラン、ギ酸メチルおよ
びトリアルキルアミンを形成する。
95℃でのジメチルアミンとギ酸との反応では、3時間後
に主要な生成物としてジメチルホルムアミドが生成する
ことが知られている。同様に、ギ酸は室温でメチルトリ
メトキシシランと反応してギ酸メチル、メタノールおよ
びジメチルテトラメトキシジシロキサンを生成するが、
これに対応する酢酸との反応では100℃の温度が必要で
ある。
最後に、次式のモデルシランは、 触媒量のギ酸ジ−n−ブチルアンモニウムの存在下で過
剰のメチルトリメトキシシラと反応して、70℃で1時間
後には、下記式の予想生成物の理論量の77%を含めて各
種の縮合したシリコーンを生成することが、ガスクロマ
トグラフィー分析によって判明した。
また、予期されたN,N−ジ−n−ブチルホルムアミドも
理論量の86%で得られた。
本発明のポリアルコキシシリルで末端が停止したシリコ
ーンの製造を次の実施例で例示する。以下の実施例中で
部とあるのはすべて重量に基づく。粘度は、25℃のブル
ックフィールド(Brookfield)粘度である。他に断わら
ない限りギ酸は希釈しなかった。
実施例1〜2 異なる2種のシラノールで末端が停止したポリジメチル
シロキサン100部、メチルトリメトキシシラン2部、ジ
−n−ブチルアミン0.3部(2.33ミリモル)および88%
ギ酸水溶液0.003部(0.57ミリモル)の混合物を、窒素
下で撹拌しながら1時間70〜80℃に加熱した後冷却し
た。チタンカップリング試験によって、この反応がほと
んど完了したことが示された。
この生成物を3日間100℃の密閉容器中で熱老化した。
この間、1日ずつの間隔ブルックフィールド粘度を測定
した。結果を次の対照と比較して表Iに示す。
対照A−酢酸0.05部(0.83ミリモル)を用いて製造した
類似の生成物、 対照B−酢酸0.05部を使用し、1時間の反応後不活化剤
としてヘキサメチルジシラザン1部を添加して製造した
類似の生成物。
表Iから分かるように、本発明の方法は、酢酸と不活化
剤のヘキサメチルジシラザンとを使用して製造されたポ
リマーとほぼ等価な末端がキャッピングされたポリマー
の製造に有効である。また、不活化剤を使用せずに酢酸
を用いると顕著な粘度低下も示されている。
実施例3〜7 粘度が280ポイズであるシラノールで末端が停止したポ
リジメチルシロキサン100部、メチルトリメトキシシラ
ン1.75部およびあらかじめ形成した各種のギ酸アミン塩
0.05部の混合物を、窒素下で撹拌しながら、3時間100
℃に加熱した。こうして得られた末端がキャッピングさ
れた生成物の最終粘度を表IIに示す。
実施例8 260ポイズの粘度を有するシラノールで末端が停止した
ポリジメチルシロキサン100部、メチルトリメトキシシ
ラン2部、ジイソブチルアミン0.074部(0.57ミリモ
ル)およびギ酸0.026部(0.57ミリモル)の混合物を、
窒素雰囲気中で撹拌しながら、1−1/2時間80℃に加熱
した。1−1/2時間後、ケイ素−29の核磁気共鳴分光に
よってシリコーンはポリメトキシシリルで末端が停止し
ていることが示された。その粘度は325ポイズであり、
密閉容器中で2日間100℃に熱老化した後も安定であっ
た。
実施例9 実施例2のシラノールで末端が停止したポリジメチルシ
ロキサン100部、メチルトリメトキシシラン2.25部およ
びギ酸のジイソブチルアミン塩0.01部の混合物を、チタ
ンカップリング試験によって示される末端キャッピング
が完了するまで、窒素雰囲気中で撹拌しながら100℃に
加熱した。
本発明のポリアルコキシシリルで末端が停止したシリコ
ーンは、RTV組成物の反応性シリコーン構成分として有
用であり、シラノールで末端が停止したシリコーンに代
わるものとしてポリアルコキシシリルで末端が停止した
シリコーンを使用する当業界で公知のいかなる組成物に
使用してもよい。
本発明のポリアルコキシシリルで末端が停止したシリコ
ーンの特に有利な応用分野は、各種の接着促進剤と組合
せて硬化触媒としての有機スズ錯体を含有しスカベンジ
ャーを含まないRTV組成物の製造である。したがって、
本発明のもうひとつの一面はフエノキシシランを含まな
い室温硬化性のポリジオルガノシロキサン組成物であ
り、この組成物は以下の(A)と(B)とからなる。
(A)本発明のポリアルコキシシリルで末端が停止した
ポリジオルガノシロキサンの少なくとも1種。
(B)触媒量の次式の有機スズ錯体。
ただし、R4は炭素原子を1〜約18個含有する非置換か置
換の炭化水素基であり、R5、R6、R7は各々独立して水
素、R4、Si(R4)3、アシルまたはニトリルである。
成分AとBからなるRTV組成物は、多くの目的に有用で
はあるが、アルミニウムや鋼の表面に対する接着力に欠
けることがある。本発明の好ましい一面では、この組成
物は、接着促進剤としての(C)有効量の、N−トリア
ルコキシシリルアルキルで置換されたアミドおよびイミ
ド、N−モノ(トリアルコキシシリルアルキル)で置換
された尿素、N,N′−ビス(トリアルコキシシリルアル
キル)で置換された尿素、トリアルコキシシリルアルキ
ルイソシアヌレートならびにモノ(N−トリアルコキシ
シリルアルキル)アルキレンジアミンより成る群の中か
ら選択された少なくとも1種の化合物も含有しており、
あるいは(C)と(D)シアノアルキルトリアルコキシ
シランとの組合せも含有している。この接着促進剤およ
びその反応生成物が、前記組成物中で唯一のケイ素−窒
素化合物である。
本発明のRTV組成物中の成分Bである有機スズ錯体で、R
4基は置換されていてもいなくてもよいが、通常は置換
されていない。アルキル基、特に炭素原子を約2〜8個
含有するものが好ましく、n−ブチル基が最も好まし
い。
成分Bの錯体部分は次式のジケトンから誘導される。
ここで、R5基とR7基はアルキル基、特にメチルであるこ
とが最も多く、R6は通常水素である。すなわち、好まし
いジケトンはアセチルアセトンである。このタイプの有
機スズ錯体とこれを触媒として使用するRTV組成物は前
述の米国特許第4,517,337号(ここで引用したことによ
りその開示内容は本明細書中に含まれるものとする)に
開示されている。
RTV接着促進剤として有用な数多くのオルガノシリル化
合物がこの業界で公知である。たとえば、米国特許第3,
888,815号、第4,472,590号および第4,483,973号(これ
らの開示内容はここで引用したことにより本明細書中に
含まれるものとする)を参照されたい。その最も広い意
味において本発明はそのような化合物のいずれを使用す
ることも包含する。しかし、ASTMのC794接着−剥離試験
法によって測定される、プライマー処理してないアルミ
ニウム面に対する接着力が35ミリパスカルより大きく凝
集破壊が45%より大きくなるという理由のために、前記
のような化合物を限られた範囲から選択すると特に有利
である。上で定義したように、成分Cを構成するのはこ
れらの化合物なのである。好ましい接着促進剤は、N−
(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、N,N′−ビ
ス(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、N−(3
−トリエトキシシリルプロピル)−p−ニトロベンズア
ミド、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソ
シアヌレート、N−(3−トリメトキシシリルプロピ
ル)マレイミドおよびN−(3−トリメトキシシリルプ
ロピル)エチレンジアミンである。
成分Bおよび好ましい場合には存在する成分Cは、本発
明のRTV組成物中で、それぞれ触媒および接着促進剤と
して機能するのに有効な割合で存在する。一般に、成分
Aの100部当たりに付き、成分Bを約0.1〜10.0重量部と
成分Cを約0.1〜5.0重量部使用すればよい。
成分Cと組合せて、(D)シアノアルキルトリアルコキ
シシラン、最も普通の場合は2−シアノエチルトリメト
キシシラン(以後「CETMS」と略す)または3−シアノ
プロピルトリメトキシシラン(これらは成分Cの相乗剤
してはたらく)を使用すると、最適な接着促進効果が得
られることが多い。成分Dを使用する場合、これは通常
成分Aの100部当たり約0.1〜5.0部の量で存在する。特
に成分Cがアミド、イミドまたはアミンである場合には
成分Dを存在させると有利であることが多い。
本発明のRTV組成物は、また、このような組成物によく
使用される他の構成成分、たとえば、硬化触媒助剤、ス
カベンジャー、可塑剤、顔料および充填材なども含有し
ていてもよい。特に、以下のものの少なくとも1種が存
在し得る。ただし、割合はすべて成分Aの100部当たり
である。
(E)式IVのジケトン約0.05〜5.0部。
(F)式Iのポリアルコキシシランの少なくとも1種約
0.01〜10.0部。
(G)可塑剤約1〜50部。
(H)少なくとも1種の充填材約5〜700部。
(J)硬化促進材としてのアミンまたはグアニジン約0.
1〜5.0部。
成分EとFは特に好ましい他の成分であることが多い。
これらが存在すると、湿気のない状態でのRTV組成物の
貯蔵安定性と湿気の存在する状態でのその硬度速度とに
貢献する。
成分Gの存在もまた好ましいことが多い。成分Gとして
有用な適した可塑剤としては、次式のトリアルキルシリ
ルで末端が停止したポリジオルガノシロキサンがある。
ここで、R3はすでに定義した通りであり、mは約25〜5,
000の範囲である。
成分Hの充填材を存在させるか否かはある程度そのRTV
組成物の目的とする用途に依存する。この組成物を建築
用のシーラントすなわちコーキング材として使用すると
きには、比較的多量の充填材を使用できる。他の用途の
場合には充填材は少量とするかまたはまったく使用しな
いことが勧められる。適切な充填材としては、シリカエ
ーロゲル、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、ガラス繊
維、二酸化チタン、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、炭酸
カルシウム、ケイソウ土およびカーボンブラックなどの
補強材、ならびに磨砕石英やポリ塩化ビニルなどの増量
材、さらにこれらの混合物がある。シリカ充填材は、オ
クタメチルシクロテトラシロキサンなどのような活性化
剤で前処理すると有利であることが多い。
硬化促進剤(成分J)としては各種のアミンとグアニジ
ン(場合によってはアルコキシシリルで置換されていて
もよい)が使用できる。適切な促進剤は前述の米国特許
第4,517,337号に開示されている。しかし、本発明の利
点は、通常そのような促進剤を必要としないということ
である。
本発明のRTV組成物の製造と特性を以下の実施例で例示
する。組成物はすべて、「ドライボックス」と均等な条
件下で、窒素雰囲気下通常の高剪断混合技術によって製
造した。タックフリータイム(指触乾燥に至るまでの時
間。以後「TFT」とする)および他の特性は業界で認め
られている試験法によって測定した。メートル法の単位
で表わされているものは英国の単位から計算した。
実施例10 実施例8のポリアルコキシシリルで末端が停止したシリ
コーン100部、メチルトリメトキシシラン0.68部、オク
タメチルシクロテトラシロキサンで処理したヒュームド
シリカ16部、およびブルックフィールド粘度が1ポイズ
(式Vに相当。ただし、R2がメチルで、nが約80)のト
リメチルシリルで末端が停止したポリジメチルシロキサ
ンオイル23部から、RTV組成物を製造した。次いで、ジ
ブチルスズビス(アセチルアセトネート)を0.92部、ア
セチルアセトンを0.35部およびメチルトリメトキシシラ
ンを1.05部加えた。100℃で48時間の熱老化の前と後のT
FT値を測定した。他の物理的特性は、相対湿度50%で14
日間硬化した後、同様な熱老化期間の直前と直後に測定
した。結果を表IIIに示す。
表に示した結果は、本発明のRTV組成物の重大な貯蔵安
定性を示している。
実施例11 実施例9のポリメトキシシリルで末端が停止したシリコ
ーンに、ジブチルスズビス(アセチルアセトネート)を
0.30部、アセチルアセトンを0.30部、およびメチルトリ
メトキシシランを0.50部添加した。混合直後と100℃で
いろいろな期間熱老化させた後、生成物のTFTと黄色度
指数(YI)を測定した。YI値は比色計を用いて測定し
た。視覚的には、YI値が2〜3程度では人間の目には無
色に見える材料を表わし、一方10の値は明らかに黄色で
ある材料を表わす。
結果は、実施例9と同様にポリメトキシシリルで末端が
停止したシリコーンと他の成分とを用いた対照と比較し
て、表IVに示す。対照は次の通り。
対照A−ギ酸のアミン塩をジ−n−ブチルアミン0.30部
で置き換えた。
対照B−ギ酸のアミン塩をジ−n−ブチルアミン0.30部
および酢酸0.05部で置き換えた。
対照C−末端キャッピングが完了してから対照Bにヘキ
サメチルジシラザン2部を添加した。
対照D−対照Cのジ−n−ブチルアミンの代わりにジイ
ソブチルアミン0.30部を用いた。
対照A以外の材料ではいずれも、末端キャッピングは10
0℃で1時間後には完了した。対照Aでは、12時間必要
であった。
試験結果を表IVに示す。
以上のことから、本発明のRTV組成物の貯蔵安定性が、T
FTとYIの両者に関して、対照よりかなり高いことが明ら
かである。
実施例12〜18 まず、実施例8のポリメトキシシリルで末端が停止した
シリコーン100部、メチルトリメトキシシラン0.68部、
オクタメチルシクロテトラシロキサンで処理したヒュー
ムドシリカ16部、および実施例10のトリメチルシリルで
末端が停止したシリコーンオイル23部をブレンドし、次
に、ジブチルスズビス(アセチルアセテート)0.42部、
アセチルアセトン0.35部、メチルトリメトキシシラン0.
35部、およびいろいろな割合の接着促進剤単独かまたは
これとCETMSとの組合せを添加することによって、RTV組
成物を製造した。最初と、100℃で48時間熱老化した後
とに、TFT値を測定した。50%の相対湿度で7〜14日硬
化した後、ASTM試験法D794に従って、プライマー処理し
ていないアルミニウム上での接着−剥離値を測定した。
その値をミリパスカルで示す。
結果を、接着促進剤を使用していない対照と比較して表
Vに示す。
表Vの結果から明らかなように、すでに記載した特定の
接着促進剤を使用する本発明のRTV組成物は対照と比べ
て、TFTについては同程度であるが、接着特性において
かなり優れている。広範囲の市販の接着促進剤を使用し
た数多くの他の対照実験例によると、接着値は35ミリパ
スカル未満であり、凝集破壊値は50%未満であった。
上に挙げた促進老化の結果は、長期間に亘って室温に貯
蔵した後に得られた結果とほとんど同様のようである。
たとえば、実施例12の組成物は室温で6か月後でも充分
に硬化した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジュディス・ステイン アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スケネ タデイ、ユニオン・ストリート、1005番 (72)発明者 ガリイ・モーガン・ルーカス アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スコテ ィア、エス・ティー・アンソニイ・レー ン、21番 (56)参考文献 特開 昭60−202152(JP,A) 特公 昭45−20915(JP,B1)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に純粋な形態で水に溶かしたときに
    pHが7より低い溶液となる酸性アミン塩をシラノールで
    末端が停止した当該ポリジオルガノシロキサンの100部
    に付き0.005〜3.0重量部の量で存在させて、少なくとも
    1種のシラノールで末端が停止したポリジオルガノシロ
    キサン、および該ポリジオルガノシロキサンの100部に
    つき0.5〜10.0重量部の、式 (I) (R1)aSi(OR2)4-a [式中、R1は炭素原子を1〜13個含有する非置換または
    置換の炭化水素基であり、R2は炭素原子を1〜8個含有
    するアルキル、アルコキシアルキル、アシルアルキル、
    アシルオキシアルキルもしくはシアノアルキル基または
    炭素原子を7〜14個含有するアルアルキル基であり、a
    は0または1である]のポリアルコキシシランの少なく
    とも1種からなりケイ素−窒素化合物およびエノキシシ
    ランを含まない混合物の成分間の反応を実施することか
    らなる、ポリアルコキシシランで末端が停止したポリジ
    オルガノシロキサンの製造方法。
  2. 【請求項2】酸性アミン塩がギ酸のアミン塩である請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】シラノールで末端が停止したポリジオルガ
    ノシロキサンが、式 (式中、各R3は、それぞれ独立して、炭素原子を1〜13
    個含有する非置換または置換の炭化水素基であり、nは
    5〜5,000の範囲である)を有する請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】アミンがジアルキルアミンである請求項3
    記載の方法。
  5. 【請求項5】各R3がメチルであり、ポリアルコキシシラ
    ンがメチルトリメトキシシランである請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】アミンがジ−n−ブチルアミンである請求
    項5記載の方法。
  7. 【請求項7】アミンがジイソブチルアミンである請求項
    5記載の方法。
  8. 【請求項8】アミン塩およびメチルトリメトキシシラン
    を、シラノールで末端が停止したポリジオルガノシロキ
    サンの100部に付きそれぞれ0.05〜0.30部および0.5〜3.
    0部の量で使用する請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】前記混合物中にギ酸およびアミンを添加す
    ることによって前記混合物中のその場でギ酸のアミン塩
    を調製する請求項5記載の方法。
  10. 【請求項10】アミンおよびギ酸を、シラノールで末端
    が停止したポリジオルガノシロキサンの100部に付きそ
    れぞれ0.001〜1.0重量部および0.001〜0.1重量部の量で
    使用する請求項9記載の方法。
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