JPH08100231A - 高耐食性ジルコニウム合金およびその製造方法 - Google Patents
高耐食性ジルコニウム合金およびその製造方法Info
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- JPH08100231A JPH08100231A JP23651294A JP23651294A JPH08100231A JP H08100231 A JPH08100231 A JP H08100231A JP 23651294 A JP23651294 A JP 23651294A JP 23651294 A JP23651294 A JP 23651294A JP H08100231 A JPH08100231 A JP H08100231A
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- Japan
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- zirconium alloy
- alloy
- cold working
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Abstract
(57)【要約】
【目的】耐食性、特に耐一様腐食性に優れたジルコニウ
ム合金を提供する。 【構成】集合組織が合金表面に対して垂直方向に配向す
る集積度をKearnsの集積度因子fR 値で表すとき、合金
表面における(0001)面の fR 値が0.60以下である高耐食
性ジルコニウム合金。β処理後、熱間加工を行い、さら
に冷間加工および途中焼鈍を繰り返し、最終の冷間加工
後に最終焼鈍を行うジルコニウム合金の製造方法におい
て、少なくとも最終の冷間加工前の途中焼鈍を 750℃以
上で行う高耐食性ジルコニウム合金の製造方法。
ム合金を提供する。 【構成】集合組織が合金表面に対して垂直方向に配向す
る集積度をKearnsの集積度因子fR 値で表すとき、合金
表面における(0001)面の fR 値が0.60以下である高耐食
性ジルコニウム合金。β処理後、熱間加工を行い、さら
に冷間加工および途中焼鈍を繰り返し、最終の冷間加工
後に最終焼鈍を行うジルコニウム合金の製造方法におい
て、少なくとも最終の冷間加工前の途中焼鈍を 750℃以
上で行う高耐食性ジルコニウム合金の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】高温水、または高温水蒸気環境に
曝される機器、例えば、軽水炉の燃料被覆管等の構造部
材として用いられる耐食性、特に耐一様腐食性に優れた
ジルコニウム合金に関する。
曝される機器、例えば、軽水炉の燃料被覆管等の構造部
材として用いられる耐食性、特に耐一様腐食性に優れた
ジルコニウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】ジルコニウム合金は主として軽水炉の燃
料被覆管等の構成部材として用いられ、PWR(加圧水
型原子炉)用にはジルカロイ4(ASTM B353 UNS No.R60
804 )が、BWR(沸騰水型原子炉)用にはジルカロイ
2(ASTM B353 UNS No.R60802)が実用化されている。
これらの合金は、既に長年にわたり使用されてきており
使用実績については申し分のない材料と言える。近年、
さらに燃料の高燃焼度化や長寿命化が計画されてきてお
り、さらなる高耐食性を有するジルコニウム合金が求め
られている。
料被覆管等の構成部材として用いられ、PWR(加圧水
型原子炉)用にはジルカロイ4(ASTM B353 UNS No.R60
804 )が、BWR(沸騰水型原子炉)用にはジルカロイ
2(ASTM B353 UNS No.R60802)が実用化されている。
これらの合金は、既に長年にわたり使用されてきており
使用実績については申し分のない材料と言える。近年、
さらに燃料の高燃焼度化や長寿命化が計画されてきてお
り、さらなる高耐食性を有するジルコニウム合金が求め
られている。
【0003】ジルコニウム合金の腐食現象は、主として
BWRで認められているノジュラー腐食と主としてPW
Rで進行する一様腐食が代表的なものとして挙げられ
る。
BWRで認められているノジュラー腐食と主としてPW
Rで進行する一様腐食が代表的なものとして挙げられ
る。
【0004】その内、ノジュラー腐食に対しては種々の
検討がなされている。Chun T. Wangら、Investigation
of Nodular Corrosion Mechanism for Zircaloy Produc
ts、ASTM STP 1132(1991)p319-344 には、ASTM STP 754
(1982)p5やAIME and ASME 3(1972)p2879で紹介されたジ
ルコニウム六方格子(0001)面の垂直方向に配向する集積
度を表すいわゆるKearnsの集積度因子(以下、「 f
R 値」と呼ぶ。)が高いほどノジュラー腐食に対する耐
食性が良好であることが記載されている。また、(0001)
面を優先的に配向させる方法として、特公昭60-33891号
公報、特開昭59−232259号公報および特開昭60-67648号
公報には、材料に高加工度の冷間加工や、低温焼鈍を施
して集合組織を発達させて耐ノジュラー腐食性に優れた
ジルコニウム合金を得る技術が開示されている。
検討がなされている。Chun T. Wangら、Investigation
of Nodular Corrosion Mechanism for Zircaloy Produc
ts、ASTM STP 1132(1991)p319-344 には、ASTM STP 754
(1982)p5やAIME and ASME 3(1972)p2879で紹介されたジ
ルコニウム六方格子(0001)面の垂直方向に配向する集積
度を表すいわゆるKearnsの集積度因子(以下、「 f
R 値」と呼ぶ。)が高いほどノジュラー腐食に対する耐
食性が良好であることが記載されている。また、(0001)
面を優先的に配向させる方法として、特公昭60-33891号
公報、特開昭59−232259号公報および特開昭60-67648号
公報には、材料に高加工度の冷間加工や、低温焼鈍を施
して集合組織を発達させて耐ノジュラー腐食性に優れた
ジルコニウム合金を得る技術が開示されている。
【0005】すなわち、ジルコニウム合金の母相のジル
コニウムは六方晶金属であり、すべり系が限定されてい
るため、例えば管材や板材を冷間加工で製造する場合、
管材の断面積や板材の厚さを減少させていくに従って集
合組織が発達して管半径方向や板面の垂直方向に(0001)
面が集積し、 fR 値は 0.6〜0.7 と高い値となる。
コニウムは六方晶金属であり、すべり系が限定されてい
るため、例えば管材や板材を冷間加工で製造する場合、
管材の断面積や板材の厚さを減少させていくに従って集
合組織が発達して管半径方向や板面の垂直方向に(0001)
面が集積し、 fR 値は 0.6〜0.7 と高い値となる。
【0006】以上のように、ノジュラー腐食に対しては
種々の検討がなされているが、主としてPWR用途で問
題となる一様腐食に対しては結晶方位からの検討は今ま
でなされていなかった。
種々の検討がなされているが、主としてPWR用途で問
題となる一様腐食に対しては結晶方位からの検討は今ま
でなされていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐食
性、特に耐一様腐食性に優れたジルコニウム合金を提供
することにある。
性、特に耐一様腐食性に優れたジルコニウム合金を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、材料表面
の結晶方位と一様腐食との関連につき検討を行い、下記
の知見を得た。
の結晶方位と一様腐食との関連につき検討を行い、下記
の知見を得た。
【0009】ノジュラー腐食とは逆に、ジルコニウム
合金の(0001)面の垂直方向の集積度が低いほど耐一様腐
食性が改善される。
合金の(0001)面の垂直方向の集積度が低いほど耐一様腐
食性が改善される。
【0010】通常、製造での冷間加工を繰り返すこと
で集積度は高くなるが、少なくとも最終の冷間加工前の
途中焼鈍を、従来の焼鈍温度より高温の、α相の高温域
またはα+β相の温度以上で行うことで集積度を低くす
ることができる。
で集積度は高くなるが、少なくとも最終の冷間加工前の
途中焼鈍を、従来の焼鈍温度より高温の、α相の高温域
またはα+β相の温度以上で行うことで集積度を低くす
ることができる。
【0011】しかし、従来より高温域からの冷却のた
め、冷却速度が大きいと材料が硬くなるため、次工程の
冷間加工で材料表面に割れが発生する可能性があり、焼
鈍後の冷却速度を小さくするのが好ましい。
め、冷却速度が大きいと材料が硬くなるため、次工程の
冷間加工で材料表面に割れが発生する可能性があり、焼
鈍後の冷却速度を小さくするのが好ましい。
【0012】ここに本発明は、集合組織が合金表面に対
して垂直方向に配向する集積度をKearnsの集積度因子 f
R 値で表すとき、合金表面における(0001)面の fR 値が
0.60以下である高耐食性ジルコニウム合金である。
して垂直方向に配向する集積度をKearnsの集積度因子 f
R 値で表すとき、合金表面における(0001)面の fR 値が
0.60以下である高耐食性ジルコニウム合金である。
【0013】また、β処理後、熱間加工を行い、さらに
冷間加工および途中焼鈍を繰り返し、最終の冷間加工後
に最終焼鈍を行うジルコニウム合金の製造方法におい
て、少なくとも最終の冷間加工前の途中焼鈍を 750℃以
上で行う高耐食性ジルコニウム合金の製造方法であり、
加熱後 500℃までの冷却速度を40℃/秒以下として冷却
するのが好ましい。
冷間加工および途中焼鈍を繰り返し、最終の冷間加工後
に最終焼鈍を行うジルコニウム合金の製造方法におい
て、少なくとも最終の冷間加工前の途中焼鈍を 750℃以
上で行う高耐食性ジルコニウム合金の製造方法であり、
加熱後 500℃までの冷却速度を40℃/秒以下として冷却
するのが好ましい。
【0014】
【作用】本発明のジルコニウム合金は、高温水、または
高温水蒸気環境に曝される機器、例えば、軽水炉の燃料
被覆管等の構造部材として用いられるジルコニウム合金
である。
高温水蒸気環境に曝される機器、例えば、軽水炉の燃料
被覆管等の構造部材として用いられるジルコニウム合金
である。
【0015】また、化学組成の点からは、体積比で六方
晶であるα相が80%以上を占めるジルコニウム合金であ
り、α相が80%以上であれば集合組織制御により耐食性
の改善が可能である。例えば、合金元素としてSn、Fe、
Cr、Ni等を含有するジルコニウム合金やZr−Nb二元系の
合金が挙げられるが、各々の合金元素の含有量は重量%
で以下の範囲が好ましい。
晶であるα相が80%以上を占めるジルコニウム合金であ
り、α相が80%以上であれば集合組織制御により耐食性
の改善が可能である。例えば、合金元素としてSn、Fe、
Cr、Ni等を含有するジルコニウム合金やZr−Nb二元系の
合金が挙げられるが、各々の合金元素の含有量は重量%
で以下の範囲が好ましい。
【0016】Sn: 0.4〜 1.7% Snは耐食性の改善に有効な元素であり、機械的強度を確
保する働きもある。Sn含有量が 0.4%以上で効果が得ら
れ、 1.7%を超えると耐食性が劣化するため、0.4 〜
1.7%が好ましい。
保する働きもある。Sn含有量が 0.4%以上で効果が得ら
れ、 1.7%を超えると耐食性が劣化するため、0.4 〜
1.7%が好ましい。
【0017】Fe: 0.4%以下 Feは耐食性と強度確保のため必要に応じて含有させる
が、多量の添加は冷間加工性を劣化させるため 0.4%以
下が好ましい。
が、多量の添加は冷間加工性を劣化させるため 0.4%以
下が好ましい。
【0018】Cr: 0.2%以下 CrもFeと同様に耐食性と強度確保のため必要に応じて含
有させるが、多量の添加は冷間加工性を劣化させるため
0.2%以下が好ましい。
有させるが、多量の添加は冷間加工性を劣化させるため
0.2%以下が好ましい。
【0019】Ni: 0〜0.10% Niは耐食性の改善に大きく寄与する元素であり、必要に
応じて含有させてもよい。Niを積極的に含有させる場合
は 0.005%以上とするのが好ましい。また、水素吸収を
促進する働きもあるため過度の含有は機械的性質に悪影
響を及ぼすため0.10%以下の含有が好ましい。
応じて含有させてもよい。Niを積極的に含有させる場合
は 0.005%以上とするのが好ましい。また、水素吸収を
促進する働きもあるため過度の含有は機械的性質に悪影
響を及ぼすため0.10%以下の含有が好ましい。
【0020】Nb:15%以下 Nbは耐食性改善のため、Zr−Sn系の合金に含有させても
よい。また、Zr−Nb系合金としてもよい。Zr−Nb系合金
の場合にα相を形成し集合組織による耐食性の改善が認
められるのは15%以下である。
よい。また、Zr−Nb系合金としてもよい。Zr−Nb系合金
の場合にα相を形成し集合組織による耐食性の改善が認
められるのは15%以下である。
【0021】本発明では、集合組織が合金表面に対して
垂直方向に配向する集積度をKearnsの集積度因子
fR 値で表すとき、ジルコニウム合金表面における
(0001)面の fR値が0.60以下であることが重要である。
垂直方向に配向する集積度をKearnsの集積度因子
fR 値で表すとき、ジルコニウム合金表面における
(0001)面の fR値が0.60以下であることが重要である。
【0022】fR 値が低くなるにつれて一様腐食に対す
る耐食性が向上し、材料表面の fR値が0.60以下で優れ
た耐食性を得ることができる。なお、ここでいう材料表
面とは、材料表面から少なくとも5μmを言い、全厚に
わたって fR 値0.60以下であってもよい。
る耐食性が向上し、材料表面の fR値が0.60以下で優れ
た耐食性を得ることができる。なお、ここでいう材料表
面とは、材料表面から少なくとも5μmを言い、全厚に
わたって fR 値0.60以下であってもよい。
【0023】この知見は従来ノジュラー腐食に対する耐
食性とは全く逆の知見である。 fR値が0.60以下で耐一
様腐食性が改善される理由は、ノジュラー腐食は表面酸
化皮膜が部分的に成長する腐食であるのに対して一様腐
食は材料表面に形成された酸化皮膜が一様に成長する腐
食であり、材料表面に酸素の拡散の速い垂直方向の集合
組織を少なくすることにより酸化皮膜の成長が抑制され
るためと考えられる。
食性とは全く逆の知見である。 fR値が0.60以下で耐一
様腐食性が改善される理由は、ノジュラー腐食は表面酸
化皮膜が部分的に成長する腐食であるのに対して一様腐
食は材料表面に形成された酸化皮膜が一様に成長する腐
食であり、材料表面に酸素の拡散の速い垂直方向の集合
組織を少なくすることにより酸化皮膜の成長が抑制され
るためと考えられる。
【0024】図1に、管材を例として、ジルコニウム合
金管の製造工程を示す。ジルコニウム合金管はβ処理、
熱間加工、冷間加工および途中焼鈍の繰り返し、最終焼
鈍という工程で製造される。
金管の製造工程を示す。ジルコニウム合金管はβ処理、
熱間加工、冷間加工および途中焼鈍の繰り返し、最終焼
鈍という工程で製造される。
【0025】集合組織は、材料に冷間加工を施すことに
より(0001)面に垂直方向に集積するため、冷間加工の加
工度を少なくすることでも fR 値を低くすることができ
る。
より(0001)面に垂直方向に集積するため、冷間加工の加
工度を少なくすることでも fR 値を低くすることができ
る。
【0026】しかし、冷間加工の加工度を下げて fR 値
を0.60以下にすると機械的性質、特に引張り強度を低下
させるため、耐食性のみでなく機械的性質も合わせた性
能という観点からは好ましい方法とは言い難い。
を0.60以下にすると機械的性質、特に引張り強度を低下
させるため、耐食性のみでなく機械的性質も合わせた性
能という観点からは好ましい方法とは言い難い。
【0027】そこで本発明では、少なくとも最終の冷間
加工前の途中焼鈍を、 750℃以上で行うことを好ましい
製造条件とした。すなわち、集合組織の集積度を低下さ
せるには、冷間加工によって集積した組織を一旦相変態
を起こす温度域、α+β相の温度域以上まで加熱するこ
とで集合組織の集積度を低下させることができる。ま
た、α+β相の温度域より若干低温の 750℃以上のα相
でも結晶粒の成長や析出金属間化合物の再固溶等により
それまでに形成された集合組織の集積度は低下する。し
たがい、加熱温度は 750℃以上、好ましくはα+β相の
温度域である 830℃以上とした。また、加熱温度の上限
は特に設けないが、結晶粒の成長により冷間加工性を劣
化させることから1100℃以下が好ましい。
加工前の途中焼鈍を、 750℃以上で行うことを好ましい
製造条件とした。すなわち、集合組織の集積度を低下さ
せるには、冷間加工によって集積した組織を一旦相変態
を起こす温度域、α+β相の温度域以上まで加熱するこ
とで集合組織の集積度を低下させることができる。ま
た、α+β相の温度域より若干低温の 750℃以上のα相
でも結晶粒の成長や析出金属間化合物の再固溶等により
それまでに形成された集合組織の集積度は低下する。し
たがい、加熱温度は 750℃以上、好ましくはα+β相の
温度域である 830℃以上とした。また、加熱温度の上限
は特に設けないが、結晶粒の成長により冷間加工性を劣
化させることから1100℃以下が好ましい。
【0028】上記の温度域まで加熱することにより fR
値を0.60以下とすることができるが、その後の冷間加工
により、再度集合組織が集積するため、この焼鈍は少な
くとも最終の冷間加工の前の途中焼鈍で行う必要があ
る。最終でない冷間加工前の途中焼鈍は、本発明の 750
℃以上の焼鈍でも、従来から行われている冷間加工の前
処理を目的とした本発明より低温のα相での焼鈍でもよ
い。
値を0.60以下とすることができるが、その後の冷間加工
により、再度集合組織が集積するため、この焼鈍は少な
くとも最終の冷間加工の前の途中焼鈍で行う必要があ
る。最終でない冷間加工前の途中焼鈍は、本発明の 750
℃以上の焼鈍でも、従来から行われている冷間加工の前
処理を目的とした本発明より低温のα相での焼鈍でもよ
い。
【0029】集合組織の点からは高温に加熱後の冷却条
件によって fR 値や耐食性に影響を与えないが、焼鈍後
の冷間加工の点からは、急冷によって材料強度が上昇
し、その後の冷間加工で製品表面に割れが発生する可能
性があるため急冷を行うのは好ましくない。また、 500
℃以下では急冷の効果がなくなるので、加熱後の冷却条
件は、 500℃までの冷却速度を40℃/秒以下、より好ま
しくは20℃/秒以下とするのが好ましい。
件によって fR 値や耐食性に影響を与えないが、焼鈍後
の冷間加工の点からは、急冷によって材料強度が上昇
し、その後の冷間加工で製品表面に割れが発生する可能
性があるため急冷を行うのは好ましくない。また、 500
℃以下では急冷の効果がなくなるので、加熱後の冷却条
件は、 500℃までの冷却速度を40℃/秒以下、より好ま
しくは20℃/秒以下とするのが好ましい。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。
る。
【0031】表1に示す組成のジルコニウム合金を溶製
し、図1に示すように、β処理、熱管押出の後に、2回
の冷間圧延と途中焼鈍を行い、3回目の冷間圧延後最終
焼鈍を行い、10mm径× 0.8mm厚のジルコニウム合金管を
製作した。
し、図1に示すように、β処理、熱管押出の後に、2回
の冷間圧延と途中焼鈍を行い、3回目の冷間圧延後最終
焼鈍を行い、10mm径× 0.8mm厚のジルコニウム合金管を
製作した。
【0032】
【表1】
【0033】各組成のジルコニウム合金管について、3
回目の冷間圧延(最終の冷間圧延)前の途中焼鈍を、表
2に示すように条件を変更して行った。
回目の冷間圧延(最終の冷間圧延)前の途中焼鈍を、表
2に示すように条件を変更して行った。
【0034】条件イは従来例、条件ロ〜ホは本発明例、
条件ヘは比較例である。条件ロは2回目の冷間圧延後
に、高周波加熱装置により 900℃×10分間の連続焼鈍を
行い、高周波加熱装置の直後に冷却室を設けて 500℃ま
での冷却速度を20℃/秒に制御した。条件ハは通常の電
気炉で 770℃×60分間の連続焼鈍を行い、 5℃/秒で 5
00℃まで冷却した。条件ニは 770℃×20分間の連続焼鈍
を行い、35℃/秒で冷却した。条件ホは 900℃×10分間
の連続焼鈍を行った後、50℃/秒で冷却した。条件ヘは
本発明よりも低い 730℃で加熱した。
条件ヘは比較例である。条件ロは2回目の冷間圧延後
に、高周波加熱装置により 900℃×10分間の連続焼鈍を
行い、高周波加熱装置の直後に冷却室を設けて 500℃ま
での冷却速度を20℃/秒に制御した。条件ハは通常の電
気炉で 770℃×60分間の連続焼鈍を行い、 5℃/秒で 5
00℃まで冷却した。条件ニは 770℃×20分間の連続焼鈍
を行い、35℃/秒で冷却した。条件ホは 900℃×10分間
の連続焼鈍を行った後、50℃/秒で冷却した。条件ヘは
本発明よりも低い 730℃で加熱した。
【0035】得られたジルコニウム合金管を外表面部か
ら肉厚方向に 100μmの範囲にある集合組織をX線回折
法により測定して fR 値を求めた。
ら肉厚方向に 100μmの範囲にある集合組織をX線回折
法により測定して fR 値を求めた。
【0036】また、管より試験片を採取し、 360℃(200
kgf/cm2)、純水中にて 350日間のオートクレーブ試験を
行った後、管の横断面を顕微鏡観察して外表面の皮膜厚
さを測定した。さらに、管外表面の割れの有無を観察す
ることで、冷間加工時の加工性の評価を行った。 f
R 値、皮膜厚さ、加工性の試験結果を表2に併せて示
す。
kgf/cm2)、純水中にて 350日間のオートクレーブ試験を
行った後、管の横断面を顕微鏡観察して外表面の皮膜厚
さを測定した。さらに、管外表面の割れの有無を観察す
ることで、冷間加工時の加工性の評価を行った。 f
R 値、皮膜厚さ、加工性の試験結果を表2に併せて示
す。
【0037】なお、加工性の評価は、製品表面に割れが
認められなかったものを、「◎」、微小な割れが認めら
れたものを「○」とした。
認められなかったものを、「◎」、微小な割れが認めら
れたものを「○」とした。
【0038】
【表2】
【0039】表2から、 fR 値が 0.6以下では皮膜厚さ
が減少しており、 fR 値を従来のジルコニウム合金より
低くすることで一様腐食の耐食性が改善される。また、
焼鈍後の冷却速度が高い条件ホでは、皮膜厚さは減少し
ているが加工性が低下しており、冷却速度を低くするの
が好ましいことが分かる。
が減少しており、 fR 値を従来のジルコニウム合金より
低くすることで一様腐食の耐食性が改善される。また、
焼鈍後の冷却速度が高い条件ホでは、皮膜厚さは減少し
ているが加工性が低下しており、冷却速度を低くするの
が好ましいことが分かる。
【0040】
【発明の効果】本発明によるジルコニウム合金は、高温
水、または高温水蒸気環境に曝される環境で非常に良好
な耐食性を有し、軽水炉の燃料被覆管等の構造部材等の
機器に適用できる。
水、または高温水蒸気環境に曝される環境で非常に良好
な耐食性を有し、軽水炉の燃料被覆管等の構造部材等の
機器に適用できる。
【図1】ジルコニウム合金の製造工程を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】集合組織が合金表面に対して垂直方向に配
向する集積度をKearnsの集積度因子fR 値で表すとき、
合金表面における(0001)面の fR 値が0.60以下であるこ
とを特徴とする高耐食性ジルコニウム合金。 - 【請求項2】β処理後、熱間加工を行い、さらに冷間加
工および途中焼鈍を繰り返し、最終の冷間加工後に最終
焼鈍を行うジルコニウム合金の製造方法において、少な
くとも最終の冷間加工前の途中焼鈍を 750℃以上で行う
ことを特徴とする請求項1記載の高耐食性ジルコニウム
合金の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23651294A JPH08100231A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 高耐食性ジルコニウム合金およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23651294A JPH08100231A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 高耐食性ジルコニウム合金およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08100231A true JPH08100231A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=17001810
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23651294A Pending JPH08100231A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 高耐食性ジルコニウム合金およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08100231A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006028553A (ja) * | 2004-07-13 | 2006-02-02 | Toshiba Corp | ジルコニウム合金およびそれを利用したチャンネルボックス |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP23651294A patent/JPH08100231A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006028553A (ja) * | 2004-07-13 | 2006-02-02 | Toshiba Corp | ジルコニウム合金およびそれを利用したチャンネルボックス |
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