JPH08102418A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体及びその製造方法Info
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- JPH08102418A JPH08102418A JP23805094A JP23805094A JPH08102418A JP H08102418 A JPH08102418 A JP H08102418A JP 23805094 A JP23805094 A JP 23805094A JP 23805094 A JP23805094 A JP 23805094A JP H08102418 A JPH08102418 A JP H08102418A
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- Thin Magnetic Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 真空源によりチャンバ1内を所定の真空雰囲
気とした後、巻き出しロール4から冷却キャンロール2
上を走行されるベースフィルム3に対し、電子銃8及び
9からルツボ6及び7への電子ビーム照射により、コバ
ルト蒸気VCo及びニッケル蒸気VNiが斜め方向に入射さ
れる。ルツボ6はルツボ7よりも右方、即ち上方を走行
するベースフィルム3の走行方向に見て上流側に配置さ
れているため、冷却キャンロール2上における蒸気の入
射領域Iにおけるコバルト蒸気の分布ピークはニッケル
蒸気の分布ピークよりも上流側に位置する。従ってコバ
ルト蒸気に対するニッケル蒸気の割合はベースフィルム
の走行方向に沿って漸増する。 【効果】 磁性層は底部近傍でコバルトに富み、表面に
行くにつれてニッケルに富むため、電磁変換特性と耐食
性のバランスの取れた磁気記録媒体が得られる。
気とした後、巻き出しロール4から冷却キャンロール2
上を走行されるベースフィルム3に対し、電子銃8及び
9からルツボ6及び7への電子ビーム照射により、コバ
ルト蒸気VCo及びニッケル蒸気VNiが斜め方向に入射さ
れる。ルツボ6はルツボ7よりも右方、即ち上方を走行
するベースフィルム3の走行方向に見て上流側に配置さ
れているため、冷却キャンロール2上における蒸気の入
射領域Iにおけるコバルト蒸気の分布ピークはニッケル
蒸気の分布ピークよりも上流側に位置する。従ってコバ
ルト蒸気に対するニッケル蒸気の割合はベースフィルム
の走行方向に沿って漸増する。 【効果】 磁性層は底部近傍でコバルトに富み、表面に
行くにつれてニッケルに富むため、電磁変換特性と耐食
性のバランスの取れた磁気記録媒体が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な磁気記録媒体及び
その製造方法に関し、より詳しくは電磁変換特性に優
れ、しかも耐食性の良好な蒸着型の磁気記録媒体及びそ
の製造方法に関する。
その製造方法に関し、より詳しくは電磁変換特性に優
れ、しかも耐食性の良好な蒸着型の磁気記録媒体及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸着型の磁気記録媒体は、塗布型の磁気
記録媒体等と比べて飽和磁化が大きく、高密度記録に適
したものであり、種々の応用分野において利用されてい
る。蒸着型磁気記録媒体の製造は一般に、PET等のベ
ースフィルムに対して、真空雰囲気内で強磁性材料を蒸
着して磁性層を形成することによって行われる。
記録媒体等と比べて飽和磁化が大きく、高密度記録に適
したものであり、種々の応用分野において利用されてい
る。蒸着型磁気記録媒体の製造は一般に、PET等のベ
ースフィルムに対して、真空雰囲気内で強磁性材料を蒸
着して磁性層を形成することによって行われる。
【0003】蒸着用の強磁性材料としては、鉄、コバル
ト、ニッケル、或いはこれらの合金が用いられるのが一
般的である。このうちコバルトは保持力、飽和磁化共に
優れた強磁性材料であるが、コバルト単体では耐食性に
問題がある。そのためコバルトを主成分としつつもニッ
ケル等との合金化により耐食性を高めるのが一般的であ
り、蒸着テープとしてはニッケルを20重量%程度含有す
るコバルト−ニッケル合金を使用しているのが実状であ
る。
ト、ニッケル、或いはこれらの合金が用いられるのが一
般的である。このうちコバルトは保持力、飽和磁化共に
優れた強磁性材料であるが、コバルト単体では耐食性に
問題がある。そのためコバルトを主成分としつつもニッ
ケル等との合金化により耐食性を高めるのが一般的であ
り、蒸着テープとしてはニッケルを20重量%程度含有す
るコバルト−ニッケル合金を使用しているのが実状であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高出
力、高C/N比の磁気記録媒体を作製する観点からは、
磁気エネルギーの高いコバルト100%の磁気記録媒体と
するのが好ましく、例えば家庭用デジタルDCRテープ
等においてはコバルト単体を蒸着した磁気テープの使用
が検討されている。そこで本発明の課題は、耐食性の問
題を解決しつつ、コバルト100%の場合と同様の優れた
電磁変換特性を有する磁気記録媒体、及びそのような磁
気記録媒体を製造するための方法を提供することであ
る。
力、高C/N比の磁気記録媒体を作製する観点からは、
磁気エネルギーの高いコバルト100%の磁気記録媒体と
するのが好ましく、例えば家庭用デジタルDCRテープ
等においてはコバルト単体を蒸着した磁気テープの使用
が検討されている。そこで本発明の課題は、耐食性の問
題を解決しつつ、コバルト100%の場合と同様の優れた
電磁変換特性を有する磁気記録媒体、及びそのような磁
気記録媒体を製造するための方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ベース
フィルム上に磁性層が蒸着されてなるカラム構造の磁気
記録媒体であって、磁性層がコバルトとニッケルとを含
み、磁性層中におけるコバルトに対するニッケルの割合
が磁性層の底部から表面に向かって漸増するものが提供
される。好ましくは磁性層の底部は実質的に、即ちほぼ
100%近くがコバルトからなり、また磁性層の表面は実
質的に、ほぼ100%近くがニッケルからなる。従って本
発明による磁気記録媒体においては、成膜された磁性層
は表面に近づくほどニッケルに富むが、逆にベースフィ
ルムに近づくほどコバルトに富むことになる。このよう
な磁性層はコバルト100%に近い、高い磁気エネルギー
を持つが、表面近傍はニッケルに富むため高い耐食性を
有する。
フィルム上に磁性層が蒸着されてなるカラム構造の磁気
記録媒体であって、磁性層がコバルトとニッケルとを含
み、磁性層中におけるコバルトに対するニッケルの割合
が磁性層の底部から表面に向かって漸増するものが提供
される。好ましくは磁性層の底部は実質的に、即ちほぼ
100%近くがコバルトからなり、また磁性層の表面は実
質的に、ほぼ100%近くがニッケルからなる。従って本
発明による磁気記録媒体においては、成膜された磁性層
は表面に近づくほどニッケルに富むが、逆にベースフィ
ルムに近づくほどコバルトに富むことになる。このよう
な磁性層はコバルト100%に近い、高い磁気エネルギー
を持つが、表面近傍はニッケルに富むため高い耐食性を
有する。
【0006】従来においても、磁性層の下方はコバルト
で、上方はニッケルで成膜するという考え方は存在した
が、このような場合には磁性層表面近傍の磁気エネルギ
ーが不十分であり、またコバルト−ニッケル界面を境に
保持力の分布にばらつきが生ずる。本発明においてはコ
バルトとニッケルとが一体となって磁性層のカラム構造
を形成しており、こうした従来の考え方と比べると、よ
り磁気的に安定した特性が得られる。また磁性層表面近
傍においてもコバルトが存在しており、磁性層表面がニ
ッケルで作製されている場合に比べて磁気エネルギーも
高くなる。
で、上方はニッケルで成膜するという考え方は存在した
が、このような場合には磁性層表面近傍の磁気エネルギ
ーが不十分であり、またコバルト−ニッケル界面を境に
保持力の分布にばらつきが生ずる。本発明においてはコ
バルトとニッケルとが一体となって磁性層のカラム構造
を形成しており、こうした従来の考え方と比べると、よ
り磁気的に安定した特性が得られる。また磁性層表面近
傍においてもコバルトが存在しており、磁性層表面がニ
ッケルで作製されている場合に比べて磁気エネルギーも
高くなる。
【0007】本発明によれば、磁性層はカラム構造の表
層部に酸化層を含むことができる。こうした場合には耐
食性がさらに向上すると共に、こうした磁性層は僅かな
酸素の存在下に成膜されるため、保持力も増大したもの
となる。
層部に酸化層を含むことができる。こうした場合には耐
食性がさらに向上すると共に、こうした磁性層は僅かな
酸素の存在下に成膜されるため、保持力も増大したもの
となる。
【0008】本発明による磁気記録媒体を製造するため
の、本発明の製造方法は、真空チャンバ内を走行するベ
ースフィルムに対し、所定の被着領域において磁性材料
を蒸着して磁性層を形成するに際して、被着領域にコバ
ルト蒸気及びニッケル蒸気を入射させ、被着領域におけ
るコバルト蒸気の分布のピークを被着領域におけるニッ
ケル蒸気の分布のピークよりも、ベースフィルムの走行
方向に見て上流側に位置させることからなる。即ちベー
スフィルムは真空チャンバ内において蒸着雰囲気内を走
行させられる訳であるが、この場合に本発明の製造方法
においては、蒸着雰囲気をコバルト蒸気とニッケル蒸気
から形成し、この蒸着雰囲気内におけるコバルト蒸気に
対するニッケル蒸気の割合をベースフィルムの走行方向
に沿って漸増させるものである。
の、本発明の製造方法は、真空チャンバ内を走行するベ
ースフィルムに対し、所定の被着領域において磁性材料
を蒸着して磁性層を形成するに際して、被着領域にコバ
ルト蒸気及びニッケル蒸気を入射させ、被着領域におけ
るコバルト蒸気の分布のピークを被着領域におけるニッ
ケル蒸気の分布のピークよりも、ベースフィルムの走行
方向に見て上流側に位置させることからなる。即ちベー
スフィルムは真空チャンバ内において蒸着雰囲気内を走
行させられる訳であるが、この場合に本発明の製造方法
においては、蒸着雰囲気をコバルト蒸気とニッケル蒸気
から形成し、この蒸着雰囲気内におけるコバルト蒸気に
対するニッケル蒸気の割合をベースフィルムの走行方向
に沿って漸増させるものである。
【0009】このような製造方法は、蒸着に関して一般
的に行われているように、ベースフィルムを冷却キャン
ロール上で走行させる装置を用いて実施することができ
る。被着領域は例えば遮蔽板を用いて、蒸発源からのコ
バルト及びニッケルのそれぞれの入射範囲を制限するこ
とによって画定することができる。被着領域におけるコ
バルト蒸気分布とニッケル蒸気分布の重なりの程度、分
布のピークのずれの程度は、所望とされる磁気記録媒体
に必要とされる特性に応じて適宜調節される。またコバ
ルト蒸気とニッケル蒸気の相対的な割合は、こうした分
布の調節と、蒸発源に対して照射される電子ビームのエ
ネルギーの調節によって制御することができる。さらに
蒸着に際しては、酸素等の酸化性ガスを導入して、磁性
層表面に対する酸化層の形成を行うことができる。
的に行われているように、ベースフィルムを冷却キャン
ロール上で走行させる装置を用いて実施することができ
る。被着領域は例えば遮蔽板を用いて、蒸発源からのコ
バルト及びニッケルのそれぞれの入射範囲を制限するこ
とによって画定することができる。被着領域におけるコ
バルト蒸気分布とニッケル蒸気分布の重なりの程度、分
布のピークのずれの程度は、所望とされる磁気記録媒体
に必要とされる特性に応じて適宜調節される。またコバ
ルト蒸気とニッケル蒸気の相対的な割合は、こうした分
布の調節と、蒸発源に対して照射される電子ビームのエ
ネルギーの調節によって制御することができる。さらに
蒸着に際しては、酸素等の酸化性ガスを導入して、磁性
層表面に対する酸化層の形成を行うことができる。
【0010】高密度記録のためには、遮蔽板によってベ
ースフィルムに対する蒸気の入射範囲、即ち被着領域を
斜め方向に限定する、いわゆる斜め蒸着によることが好
ましい。蒸着の際の真空度は10-4〜10-7Torr程度であ
る。本発明においては、蒸着に際して酸素等の酸化性ガ
スを導入しながら磁性層を成膜することができ、磁性層
の磁気特性、即ち保磁力、飽和磁束密度の向上がもたら
されると共に、表面酸化層の形成による耐食性の向上を
得ることができる。酸化性ガスの流量は装置によって異
なるので一般的には言えないが、基本的には目的の真空
度を保つようにしなければならない。
ースフィルムに対する蒸気の入射範囲、即ち被着領域を
斜め方向に限定する、いわゆる斜め蒸着によることが好
ましい。蒸着の際の真空度は10-4〜10-7Torr程度であ
る。本発明においては、蒸着に際して酸素等の酸化性ガ
スを導入しながら磁性層を成膜することができ、磁性層
の磁気特性、即ち保磁力、飽和磁束密度の向上がもたら
されると共に、表面酸化層の形成による耐食性の向上を
得ることができる。酸化性ガスの流量は装置によって異
なるので一般的には言えないが、基本的には目的の真空
度を保つようにしなければならない。
【0011】本発明において、ベースフィルムとして
は、一般にポリエチレンテレフタレートが好適である。
しかし他にも、ポリエチレンナフタレートのようなポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン、 セルローストリアセテート、セルロースジア
セテート等のセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポ
リ塩化ビニル、ポリイミド、芳香族ポリアミド等のプラ
スチックを使用することができる。これらの支持体の厚
さは2.5〜20μm 程度である。
は、一般にポリエチレンテレフタレートが好適である。
しかし他にも、ポリエチレンナフタレートのようなポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン、 セルローストリアセテート、セルロースジア
セテート等のセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポ
リ塩化ビニル、ポリイミド、芳香族ポリアミド等のプラ
スチックを使用することができる。これらの支持体の厚
さは2.5〜20μm 程度である。
【0012】なお、本発明により得られる磁気記録媒体
は、用途に応じまた必要に応じてバックコート層、潤滑
層などを有することができる。
は、用途に応じまた必要に応じてバックコート層、潤滑
層などを有することができる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の製造方法を実施するに適し
た製造装置の一例を示している。これは図示しない真空
源、例えば真空ポンプに接続された真空チャンバ1と、
真空チャンバ1内に設けられた冷却キャンロール2と、
この冷却キャンロール2上でPETフィルムなどのベー
スフィルム3を走行させるための巻き出しロール4及び
巻き取りロール5を含んでいる。冷却キャンロール2の
下方には、コバルトの蒸発源であるルツボ6と、ニッケ
ルの蒸発源であるルツボ7が順次配置されている。真空
チャンバ1には電子銃8及び9が配置されており、ルツ
ボ6及び7のそれぞれに向けて偏向された電子ビームを
照射し、ルツボ内のコバルト及びニッケルをそれぞれ蒸
発させるようになっている。ルツボ6及び7と冷却キャ
ンロール2の間には、電子ビームにより蒸発されそれぞ
れのルツボから冷却キャンロール2へと向かうコバルト
蒸気VCo及びニッケル蒸気VNiの入射範囲を斜め方向に
限定するための遮蔽板10が配置されている。また冷却キ
ャンロール2と遮蔽板10との間には、酸素ガスを供給す
るためのノズル11が配置されている。
た製造装置の一例を示している。これは図示しない真空
源、例えば真空ポンプに接続された真空チャンバ1と、
真空チャンバ1内に設けられた冷却キャンロール2と、
この冷却キャンロール2上でPETフィルムなどのベー
スフィルム3を走行させるための巻き出しロール4及び
巻き取りロール5を含んでいる。冷却キャンロール2の
下方には、コバルトの蒸発源であるルツボ6と、ニッケ
ルの蒸発源であるルツボ7が順次配置されている。真空
チャンバ1には電子銃8及び9が配置されており、ルツ
ボ6及び7のそれぞれに向けて偏向された電子ビームを
照射し、ルツボ内のコバルト及びニッケルをそれぞれ蒸
発させるようになっている。ルツボ6及び7と冷却キャ
ンロール2の間には、電子ビームにより蒸発されそれぞ
れのルツボから冷却キャンロール2へと向かうコバルト
蒸気VCo及びニッケル蒸気VNiの入射範囲を斜め方向に
限定するための遮蔽板10が配置されている。また冷却キ
ャンロール2と遮蔽板10との間には、酸素ガスを供給す
るためのノズル11が配置されている。
【0014】本発明により磁気記録媒体を製造するに
は、真空源によりチャンバ1内を所定の真空雰囲気とし
た後に、巻き出しロール4からベースフィルム3が冷却
キャンロール2上を走行される。電子銃8及び9からル
ツボ6及び7内のコバルト及びニッケルへと電子ビーム
が照射され、それぞれが融解蒸発されてベースフィルム
3に対して斜め方向に入射される。この場合、ルツボ6
はルツボ7よりも右方に、即ち上方を走行するベースフ
ィルム3の走行方向に見て上流側に配置されているた
め、冷却キャンロール2上における蒸気の被着領域、即
ち入射領域Iにおけるコバルト蒸気及びニッケル蒸気の
蒸気分布は図2に示すようになる。すなわち図2から明
らかなように、被着領域たる入射領域Iにおけるコバル
ト蒸気の分布のピークPCoは、被着領域におけるニッケ
ル蒸気の分布のピークPNiよりも、ベースフィルムの走
行方向に見て上流側に位置している。従って被着領域に
おける、コバルト蒸気とニッケル蒸気から形成された蒸
着雰囲気内において、コバルト蒸気に対するニッケル蒸
気の割合はベースフィルムの走行方向に沿って漸増する
ことになる。従って得られる磁性層は、蒸着初期におい
ては大部分がコバルトからなるが、蒸着の終わり近くで
はニッケルに富むようになる。
は、真空源によりチャンバ1内を所定の真空雰囲気とし
た後に、巻き出しロール4からベースフィルム3が冷却
キャンロール2上を走行される。電子銃8及び9からル
ツボ6及び7内のコバルト及びニッケルへと電子ビーム
が照射され、それぞれが融解蒸発されてベースフィルム
3に対して斜め方向に入射される。この場合、ルツボ6
はルツボ7よりも右方に、即ち上方を走行するベースフ
ィルム3の走行方向に見て上流側に配置されているた
め、冷却キャンロール2上における蒸気の被着領域、即
ち入射領域Iにおけるコバルト蒸気及びニッケル蒸気の
蒸気分布は図2に示すようになる。すなわち図2から明
らかなように、被着領域たる入射領域Iにおけるコバル
ト蒸気の分布のピークPCoは、被着領域におけるニッケ
ル蒸気の分布のピークPNiよりも、ベースフィルムの走
行方向に見て上流側に位置している。従って被着領域に
おける、コバルト蒸気とニッケル蒸気から形成された蒸
着雰囲気内において、コバルト蒸気に対するニッケル蒸
気の割合はベースフィルムの走行方向に沿って漸増する
ことになる。従って得られる磁性層は、蒸着初期におい
ては大部分がコバルトからなるが、蒸着の終わり近くで
はニッケルに富むようになる。
【0015】図3には、このようにして形成される磁性
層内のカラムの概略図である。カラムはコバルト−ニッ
ケルからなるが、矢印で示すように、カラム、従って磁
性層中におけるコバルトに対するニッケルの割合は、磁
性層の底部から表面に向かって増大していく。このよう
なカラムから構成される磁性層は、コバルト100%に近
い、高い磁気エネルギーを持ち、且つ表面がニッケルに
富むために、同時に高い耐食性をも達成することができ
る。このようにして得られた磁性層を有する処理フィル
ムは、巻き取りロール5上に巻き取られる。その後一般
的な方法によってスリッティング、巻き込み、カセット
組み込みなどが行われ、8ミリビデオやビデオテープと
して製品化される。
層内のカラムの概略図である。カラムはコバルト−ニッ
ケルからなるが、矢印で示すように、カラム、従って磁
性層中におけるコバルトに対するニッケルの割合は、磁
性層の底部から表面に向かって増大していく。このよう
なカラムから構成される磁性層は、コバルト100%に近
い、高い磁気エネルギーを持ち、且つ表面がニッケルに
富むために、同時に高い耐食性をも達成することができ
る。このようにして得られた磁性層を有する処理フィル
ムは、巻き取りロール5上に巻き取られる。その後一般
的な方法によってスリッティング、巻き込み、カセット
組み込みなどが行われ、8ミリビデオやビデオテープと
して製品化される。
【0016】実施例1 図1の装置を用い、真空チャンバ1内を10-6Torrまで排
気してから、電子銃8により16kWでルツボ6内のコバル
ト金属に電子ビームを照射して融解蒸発させ、また電子
銃9により10kWでルツボ7内のニッケル金属に電子ビー
ムを照射して融解蒸発させて、蒸着雰囲気とした。厚さ
6μmのPETフィルムを冷却キャンロール2上で2m
/分の速度で走行させ、厚さ1700オングストロームで斜
め蒸着により磁性層を成膜した。このときノズル11から
は酸素ガスを100SCCMで導入した。次いで得られたもの
にバックコート層及び潤滑層を塗布し、8mm幅に裁断
し、カセットに装填して8ミリビデオカセットを作製し
た。
気してから、電子銃8により16kWでルツボ6内のコバル
ト金属に電子ビームを照射して融解蒸発させ、また電子
銃9により10kWでルツボ7内のニッケル金属に電子ビー
ムを照射して融解蒸発させて、蒸着雰囲気とした。厚さ
6μmのPETフィルムを冷却キャンロール2上で2m
/分の速度で走行させ、厚さ1700オングストロームで斜
め蒸着により磁性層を成膜した。このときノズル11から
は酸素ガスを100SCCMで導入した。次いで得られたもの
にバックコート層及び潤滑層を塗布し、8mm幅に裁断
し、カセットに装填して8ミリビデオカセットを作製し
た。
【0017】実施例2 電子銃9からの電子ビーム出力を12kWとし、磁性層の膜
厚を1800オングストロームとした以外は実施例1と同じ
条件において成膜し、その後同様に処理して8ミリビデ
オカセットを作製した。
厚を1800オングストロームとした以外は実施例1と同じ
条件において成膜し、その後同様に処理して8ミリビデ
オカセットを作製した。
【0018】比較例1 図1の遮蔽板10を、図5で示すようにして入射領域を画
定する遮蔽板10'とし、また酸素ノズルを11'及び11”で
示すように配置した装置を用い、それ以外は実施例1と
同様の条件で成膜を行った。その後同様に処理して8ミ
リビデオカセットを作製した。
定する遮蔽板10'とし、また酸素ノズルを11'及び11”で
示すように配置した装置を用い、それ以外は実施例1と
同様の条件で成膜を行った。その後同様に処理して8ミ
リビデオカセットを作製した。
【0019】比較例2 実施例1において、ルツボ7からのニッケルの蒸着を行
わずに、それ以外は同様の条件で成膜を行った。その後
同様に処理して8ミリビデオカセットを作製した。
わずに、それ以外は同様の条件で成膜を行った。その後
同様に処理して8ミリビデオカセットを作製した。
【0020】実施例及び比較例で得られた8ミリビデオ
カセットを、市販のVTRデッキを改造した装置を用い
て、記録波長3MHz、5MHz及び10MHzにおける電磁変換
特性を測定した。また60℃、相対湿度90%で1週間放置
した後の飽和磁束密度の減少を測定した。結果を表1に
示す。表1において、出力は比較例を基準とする相対値
である。さらに、実施例1及び比較例1で得られたテー
プについて測定したオージェ分光分析の結果を概略的に
図4及び図6に示す。これらの図から明らかなように、
本発明によれば、磁性層表面までコバルトが存在するこ
とが看取される。従って比較例の場合のように、磁性層
表面がニッケルのみからなる磁気記録媒体に比べ、飽和
磁束密度を高く保つことができる。
カセットを、市販のVTRデッキを改造した装置を用い
て、記録波長3MHz、5MHz及び10MHzにおける電磁変換
特性を測定した。また60℃、相対湿度90%で1週間放置
した後の飽和磁束密度の減少を測定した。結果を表1に
示す。表1において、出力は比較例を基準とする相対値
である。さらに、実施例1及び比較例1で得られたテー
プについて測定したオージェ分光分析の結果を概略的に
図4及び図6に示す。これらの図から明らかなように、
本発明によれば、磁性層表面までコバルトが存在するこ
とが看取される。従って比較例の場合のように、磁性層
表面がニッケルのみからなる磁気記録媒体に比べ、飽和
磁束密度を高く保つことができる。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、電磁変換特
性に優れた蒸着型の磁気記録媒体を得ることができる。
この磁気記録媒体は表層が実質的にニッケルからなるた
め耐食性も良好であり、従って出力特性と耐食性とのバ
ランスのよい磁気記録媒体が提供されるものである。
性に優れた蒸着型の磁気記録媒体を得ることができる。
この磁気記録媒体は表層が実質的にニッケルからなるた
め耐食性も良好であり、従って出力特性と耐食性とのバ
ランスのよい磁気記録媒体が提供されるものである。
【図1】本発明の製造方法の一実施例を示す概略図であ
る。
る。
【図2】本発明の製造方法におけるコバルト及びニッケ
ルの例示的な蒸気分布を示す図である。
ルの例示的な蒸気分布を示す図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体のカラムを示す概略図で
ある。
ある。
【図4】実施例1により製造された磁気記録媒体のオー
ジェ電子分光分析結果を示す概略的なグラフである。
ジェ電子分光分析結果を示す概略的なグラフである。
【図5】本発明に対する比較実施例を示す概略図であ
る。
る。
【図6】比較例1により製造された磁気記録媒体のオー
ジェ電子分光分析結果を示す概略的なグラフである。
ジェ電子分光分析結果を示す概略的なグラフである。
1 真空チャンバ 2 冷却キャンロール 3 ベースフィルム 4 巻き出しロール 5 巻き取りロール 6 コバルト用ルツボ 7 ニッケル用ルツボ 8,9 電子銃 10 遮蔽板 11 ノズル I 入射領域 VCo コバルト蒸気 VNi ニッケル蒸気 PCo コバルト分布ピーク PNi ニッケル分布ピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 繁美 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606番地 花 王株式会社情報科学研究所内 (72)発明者 志賀 章 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606番地 花 王株式会社情報科学研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】 ベースフィルム上に磁性層が蒸着されて
なるカラム構造の磁気記録媒体において、前記磁性層が
コバルト−ニッケルからなり、前記磁性層中におけるコ
バルトに対するニッケルの割合が前記磁性層の底部から
表面に向かって漸増することを特徴とする、磁気記録媒
体。 - 【請求項2】 前記磁性層の底部が実質的にコバルトか
らなり、前記磁性層の表面が実質的にニッケルからな
る、請求項1の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 さらに酸化層をカラム構造の表層部に含
む、請求項1又は2の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 真空チャンバ内を走行するベースフィル
ムに対し、所定の被着領域において磁性材料を蒸着して
磁性層を形成することからなる磁気記録媒体の製造方法
において、前記被着領域にコバルト蒸気及びニッケル蒸
気を入射させ、前記被着領域におけるコバルト蒸気の分
布のピークを前記被着領域におけるニッケル蒸気の分布
のピークよりも、前記ベースフィルムの走行方向に見て
上流側に位置させることを特徴とする、磁気記録媒体の
製造方法。 - 【請求項5】 真空チャンバ内において、ベースフィル
ムを蒸着雰囲気内で走行させて前記ベースフィルム上に
磁性材料を蒸着して磁性層を形成することからなる磁気
記録媒体の製造方法において、前記蒸着雰囲気がコバル
ト蒸気とニッケル蒸気からなり、前記蒸着雰囲気内にお
けるコバルト蒸気に対するニッケル蒸気の割合を前記ベ
ースフィルムの走行方向に沿って漸増させることを特徴
とする、磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項6】 蒸着に際して酸化性ガスが導入される、
請求項4又は5の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23805094A JPH08102418A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23805094A JPH08102418A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08102418A true JPH08102418A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=17024426
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23805094A Pending JPH08102418A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08102418A (ja) |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP23805094A patent/JPH08102418A/ja active Pending
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