JPH08104005A - インクジェット記録ヘッド、その製造方法、及びインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、その製造方法、及びインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置

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JPH08104005A
JPH08104005A JP6241192A JP24119294A JPH08104005A JP H08104005 A JPH08104005 A JP H08104005A JP 6241192 A JP6241192 A JP 6241192A JP 24119294 A JP24119294 A JP 24119294A JP H08104005 A JPH08104005 A JP H08104005A
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JP
Japan
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ink
silicone resin
group
inkjet
head
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JP6241192A
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Shigeo Togano
滋雄 戸叶
Akihiko Shimomura
明彦 下村
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェットヘッドにおいて、気泡発生に
よる不吐出の発生を防ぐことにより、前記インクジェッ
トヘッドの信頼性を向上する。 【構成】 インクジェットヘッドにおいて、封止材とし
てシリコーン変性の一液湿気硬化型シリコーン樹脂を使
用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットヘッド、
その製造方法、及びそのヘッドを用いるインクジェット
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクの小滴を発生させそれを紙などの
被プリント材に付着させプリントを行うインクジェット
方式は、記録時の騒音の発生が極めて小さく、かつ高速
プリントが可能であり、しかも普通紙にプリントを行う
ことのできるプリント方式である。その中でもインクを
吐出するためのエネルギー発生体に発熱素子を用いた、
いわゆるバブルジェット方式は、特に最近注目されてい
る。
【0003】このバブルジェットヘッドを製造する方法
としては、例えばシリコン基板上に発熱素子、発熱素子
用配線を薄膜形成技術を用いて形成し、さらに樹脂であ
る感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィー等の工程に
より、インク通路の溝壁及び共通インク室壁を形成す
る。ついで他のガラス等の平板の覆いを前記シリコン基
板に接合して、いわゆるバブルジェット記録ヘッドの主
要部である吐出エレメントを形成する方法が知られてい
る。この吐出エレメントは、共通インク室入口部にフィ
ルターが接着され、ベースプレート上にPCBとともに
固定される。吐出エレメントとPCBとの間の電気的接
続はワイヤーボンディングなどの方法がとられる。最後
にフロントカバー、インク取入れ部材が固定され、それ
ぞれの接合部には液密の目的でシリコーン樹脂等の封止
材が充填される。図1から図3は上記バブルジェットヘ
ッドの構成を示すものである。
【0004】図1は吐出エレメントの構成を表してい
る。シリコン基板101上に発熱素子103と発熱素子
用配線102が薄膜形成技術を用いて形成されており、
さらに感光性樹脂等の樹脂により形成されたインク通路
の溝壁及び共通インク室壁104がある。その上に共通
インク入口部107が開いたガラス板105が接着され
ており、また、ガラス基板105に設けられた共通イン
ク入口部はガラス板に接着されたフィルター106によ
って覆われている。
【0005】図2はバブルジェットヘッドの構成を示す
概略図である。吐出エレメント201とPCB202と
が吐出エレメントを支持する支持体としてのベースプレ
ート203上に接着固定され、両者はワイヤーボンディ
ング206によって電気的に接続されている。これにイ
ンク取入れ部材205、及び吐出口207が取付けられ
たフロントカバー204を接合させ、液密の目的でシリ
コーン樹脂301を充填させたものが図3に示される。
【0006】従来、前述のように、吐出エレメントとベ
ースプレートとの接着、フロントカバーとベースプレー
トとの接合によって生じる空隙の封止のための封止材と
してシリコーンRTV(室温硬化型シリコーン)が用い
られてきた。その理由としては、シリコーンRTVは
ゴム状態で硬化するため、熱衝撃等による吐出エレメン
トの破損を防ぐ、表面から迅速に硬化が始まるため、
液だれ、逆流等によるフィルターやノズルの詰まりがな
い、一液性であり、しかも常温、常湿下で数時間のう
ちに硬化が完了するため、操作性に優れる等の利点が挙
げられる。
【0007】また、このようなインクジェットヘッド内
の前記共通インク室やインク通路に気泡が入り込んでい
ると、この気泡が吐出エネルギーを減少させ不安定な吐
出が行われることがある。そして、最悪の場合は吐出が
行われない場合もある。このような記録ヘッド内の気泡
の除去は、プリンター本体に設けられたタイマー及びマ
ニュアル操作で動作する吸引ポンプ等の回復手段により
行われるが、特にエネルギー発生体よりインクの供給方
向上流側に気泡が滞留していると相当の吸引力をもって
回復処理を行う必要が生じる。一方、近年、装置の小型
化が要求されていることからインクタンクの容量も少な
くなる傾向がある。特にインクタンクをキャリッジ上に
搭載するカートリッジタイプにおいてはこの傾向が顕著
である。このようにインクタンクの容量が少ない場合、
記録に使用される以外には出来るだけインクを吐出しな
いようにすることが必要である。従って上述のような回
復処理は必要最小限とすることが好ましい。インクジェ
ットヘッド内に上述のような気泡が混入する原因として
は、インクジェットヘッドの製造工程中に混入する場合
と、インク中に溶存していた気体が吐出時の温度上昇等
によって遊離する場合が考えられるが、これらは製品出
荷前に一度回復処理を行っておけば、使用中に気泡が混
入していることはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の様にして製作したバブルジェットヘッドの中に
は、吐出性能が不安定で、製造不良品となるものがあ
り、解決すべき課題となっていた。
【0009】本発明者は吐出性能不安定や不良の原因を
詳細に検討した結果、次の事実を見出した。即ち、封止
材として用いられるシリコーンRTVの一成分である低
分子シロキサンが硬化過程あるいは硬化後において微小
量発散し、発熱素子上等に付着する。このため、インク
滴の吐出速度のバラツキ、吐出体積のバラツキ等が生
じ、正常なインク発泡が阻害される。その結果、ドット
位置精度の悪化(いわゆるヨレ)、ドットサイズ不良等
が引き起こされ、安定なプリントが妨げられることがわ
かった。
【0010】現在、市販されており、また一般に使用さ
れているシリコーンRTVにおいては、硬化中又は硬化
後、低分子シロキサンがまったく発散しないものはな
い。
【0011】また、回復処理済のインクジェットヘッド
を長時間使用していたところインクジェットヘッド内に
気泡が発生していることがわかった。そして本発明者ら
がこの原因を追及したところインクジェットヘッドの部
品の接合部分から空気が入り込んでいることがわかっ
た。前記接合部分にはノズル等の閉塞を防ぐために接着
剤はできるかぎり使わないように構成されることが好ま
しいため接合部分の液密性や気密性は充分であるとは言
えない。そのため、前記接合部分には前述のように封止
材が設けられているが、この封止材は主に液密性を維持
するものでありインクジェットヘッドの液密性を長期間
確保するものではなかった。即ち、封止材として従来用
いられるシリコーンRTVはガス透過性が高いため、シ
リコーンRTVで気密性を保持している共通インク室壁
とシリコン基板の間や、共通インク入口部とインク供給
部材の継ぎ目部分等からインクの蒸気が蒸発し、蒸発し
た分の圧力差を補うため代わりに空気が侵入してくるた
め気泡が発生し、ひいては不吐出を引き起こすことがわ
かった。
【0012】そこで、本発明の目的は上記問題点を解決
し、インクの異常発泡による吐出不良が無く、吐出性能
の優れた、また、気泡発生による不吐出をほとんど起こ
さないインクジェットヘッド、その製造方法、及びその
ヘッドを備えたインクジェット装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明者は多種多様な樹脂材料を研究した結果、封
止材として、主成分が少なくとも1つの加水分解性基を
もつシリル基を少なくとも1つの末端に有し、主鎖が本
質的にポリエーテルまたはポリエステルである変性シリ
コーン系樹脂を使用することにより、インクの異常発泡
による吐出不良が無く、吐出性能に優れ、また、気泡発
生による不吐出をほとんど起こさないインクジェットヘ
ッドが得られることを発見し、本発明の完成に至った。
【0014】即ち、本発明は、インク滴を吐出させるた
めのエネルギー発生体として発熱素子を用いた吐出エレ
メントをベースプレートの一端側に貼着すると共に、ベ
ースプレート電極を有するベースプレートに吐出エレメ
ントを覆って吐出口を有するフロントカバーを装着する
と共に、ベースプレートの一端側及び吐出エレメントと
フロントカバーとの間にシリコーン樹脂を充填封止して
なるインクジェットヘッドにおいて、前記貼着及び/又
は充填封止に用いる樹脂が、主成分が少なくとも1つの
加水分解性基をもつシリル基を少なくとも1つの末端に
有し、主鎖が本質的にポリエーテルまたはポリエステル
である変性シリコーン系樹脂であるインクジェットヘッ
ドである。
【0015】更に、上記発熱素子は電気熱変換体であ
る。
【0016】また、本発明は、プリント媒体のプリント
領域の全幅にわたってインク吐出口が複数設けられてい
るフルラインタイプのものであるインクジェットヘッド
である。
【0017】また、本発明は、上述インクジェットヘッ
ドの製造方法である。
【0018】更に、本発明は、プリント媒体の被記録面
に対向してインク吐出口が設けられているインクジェッ
トヘッドと、該ヘッドを載置するための部材とを少なく
とも具備するインクジェット装置である。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明は、液状インクを用いるインク使用
部材の封止部分に、主成分が少なくとも1つの加水分解
性基をもつシリル基を少なくとも1つの末端に有し、主
鎖が本質的にポリエーテルまたはポリエステルである変
性シリコーン系樹脂を用いたインクジェット装置に関す
るものである。
【0021】本発明に使用する変性シリコーン系樹脂
は、
【0022】
【外1】 (ここでR1はアルキル基およびアリール基より選ばれ
る炭素数1〜12の1価の炭化水素基;R2は水素また
は炭素数1〜20の1価の有機基;R3は炭素数1〜2
0の2価の有機基;Xはハイドライド基、ハロゲン基、
アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、ア
ミド基、酸アミド基、アミノオキシ基およびメルカプト
基より選ばれる基;aは0、1または2の整数;bは0
または1の整数)で示されるシリル基を少なくとも1つ
の末端に有し、主鎖が本質的にポリエーテル又はポリエ
ステルである分子量500〜15,000の重合体を有
効成分として含有するものである。
【0023】本発明に使用される(1)式で示されるシ
リル基を末端に有するポリエーテル又はポリエステルは
【0024】
【外2】 で示される水素化珪素化合物と
【0025】
【外3】 で示される末端不飽和基を有するポリエーテル又はポリ
エステルとを白金系触媒を用いて付加反応させることに
より基本的には製造される。
【0026】(3)式で示される末端不飽和基を有する
ポリエーテル又はポリエステルは、ポリエーテル又はポ
リエステルの末端ヒドロキシ基を不飽和化合物と反応さ
せることにより本質的には製造される。それ故、(3)
式の末端基はエーテル結合、エステル結合、ウレタン結
合およびカーボネート結合から選ばれる結合基によりポ
リエーテル又はポリエステルと結合されている。
【0027】変性シリコーン系樹脂の中間体として使用
される式(3)の末端基を有するポリエーテル又はポリ
エステルにおいて、(3)式中R2は水素又は炭素数1
〜20の1価の有機基である。1価の有機基としてはア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基が好ましい。特に、R2としては水素が好ましい。
(3)式中R3は炭素数1〜20の2価の有機基であ
る。R3としては特にカルボニル基、炭素数1〜20の
2価の炭化水素基、エーテル結合、エステル結合、カー
ボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、およびアミド
結合から選ばれる結合を含有する炭素数1〜20の2価
の有機基が好ましい。
【0028】変性シリコーン系樹脂の主鎖として使用さ
れるポリエーテルは本質的に、 式 −R4−O− (10) で示される化学的に結合された繰り返し単位を含んでい
る。例えば−CH2CH2O−、
【0029】
【外4】 −CH2CH2CH2CH2O−などが具体的に挙げられる
が、これらが1種類又は2種類以上混合された形で含ま
れているアルキレンオキシド重合体が使用される。これ
らアルキレンオキシド重合体はエチレンオキシド、プロ
ピレンオキシド、ブテンオキシド、テトラヒドロフラン
等を原料物質としてカチオン重合、アニオン重合の方法
を用いて製造される。特に、プロピレンオキシドを主原
料物質として製造されるアルキレンオキシド重合体がポ
リエーテル主鎖としては好ましい。アルキレンオキシド
重合体の分子量は、500〜10,000の任意のもの
が使用出来るが、好ましくは1,000〜6,000の
分子量を有するものがよい。例えばアルキレンオキシド
重合体としては、具体的に以下のものが挙げられる。 (a)ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチ
レントリオール、ポリオキシエチレンテトラオール、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン
トリオール、ポリオキシプロピレンテトラオール、ポリ
オキシブチレングリコール、ポリオキシテトラメチレン
グリコールなどのポリオキシアルキレンポリオール類。 (b)アリルアルコールを開始剤としてエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシドなどのようなアルキレンオキシ
ドのアニオン重合を行って得られる片末端にアリルエー
テル基を有するアルキレンオキシド重合体。 (c)多価アルコールを開始剤としてエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシドなどのようなアルキレンオキシ
ドのアニオン重合(触媒として例えば苛性カリ、苛性ソ
ーダなどのような苛性アルカリ、カリウム、ナトリウム
などのようなアルカリ金属)を行うことにより得られる
大部分の末端がアリルエーテル基、プロペニルエーテル
基、金属アルコキシド(例えばNaO−、KO−)であ
るアルキレンオキシド重合体。
【0030】アルキレンオキシド重合体としては以上の
(a)、(b)、(c)に限定されないし、また単独使
用のみに限らず2種類以上の混合使用も可能である。
【0031】変性シリコーン系樹脂の主鎖として使用さ
れるポリエステルは、マレイン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸などのポリカル
ボン酸、その無水物、そのエステル又はそのハロゲン化
物と化学量論的過剰のエチレングリコール、プロピレン
グリコール、グリセリンなどの如きポリオールとを反応
させることにより調整されるポリエステルポリオール
類、また、ラクトン類の開環重合により得られるラクト
ンポリオール類などが有用なポリエステル主鎖として使
用される。該ポリエステルポリオール類、ラクトンポリ
オール類の分子量は500〜10,000の任意のもの
が使用出来るが、好ましくは1,000〜5,000の
分子量を有するものがよい。
【0032】変性シリコーン系樹脂の主鎖としては本質
的にはポリエーテル又はポリエステルが使用されるが、
アルキレンオキシド重合体、ポリエステルポリオール、
およびラクトンポリオールの分子量が低い場合が多いの
で該重合体の末端ヒドロキシ基の反応性を利用し、該ヒ
ドロキシ基と反応し得る反応基を1分子中に2個以上含
む化合物と反応させることにより分子量を増大させて使
用する方が単独で使用するよりも好ましい結果が得られ
る。
【0033】変性シリコーン系樹脂は、式(3)で示さ
れる末端不飽和基を有するポリエーテル又はポリエステ
ルに(2)式で示される水素化珪素化合物を反応させる
ことにより(1)式で示されるシリル基を末端に有する
ポリエーテル又はポリエステルが製造される。
【0034】式(2)に示される水素化珪素化合物にお
いて、R$1はアルキル基およびアリール基より選ばれ
た1価の炭化水素基である。水素化珪素化合物を具体的
に例示するとトリクロルシラン、メチルジクロルシラ
ン、ジメチルクロルシランおよびフェニルジクロルシラ
ンの如きハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、ト
リエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジ
メトキシシランおよびフェニルジメトキシシランの如き
アルコキシシラン類;メチルジアセトキシシランおよび
フェニルジアセトキシシランの如きアシロキシシラン
類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシランおよ
びビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシラン
の如きケトキシメートシラン類などが挙げられる。特に
ハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましい。
【0035】ハロゲン化シラン類を反応させることによ
り得られるハロゲン化珪素末端重合体は空気中に暴露さ
れると水分により加水分解を受けて塩化水素を発生しな
がら常温にて速やかに硬化する。塩化水素による刺激臭
や腐食に問題がある場合は、ヒドロシリル化反応後、更
にハロゲン官能基を他の加水分解性官能基に変換すれば
好ましいポリマーが得られる。変換し得る加水分解性官
能基としては、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキ
シメート基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基お
よびメルカプト基などが挙げられる。
【0036】本発明に使用される珪素末端ポリエーテル
又はポリエステルは、大気中に暴露されると水分の作用
により、3次元的に網状組織を形成し、ゴム状弾性を有
する固体へと硬化する。硬化速度は大気温度、相対湿
度、および加水分解性基の種類により変化するので、使
用にあたっては、特に加水分解性基の種類を十分考慮す
る必要がある。加水分解性基Xとしては、すでに述べた
様に種々のものが使用されるが、特にアルコキシ基が好
ましい。アルコキシ基の中でもメトキシ基が更に好まし
い。
【0037】本発明に使用する組成物においてシリル基
末端ポリエーテル又はポリエステル硬化物の強度、伸び
などの物性を調節するのに、1分子中に少なくとも1個
のY基(Y基は珪素原子に結合されており、ハロゲン
基、ハイドライド基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、
アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミ
ド基、アミノオキシ基およびメルカプト基より選ばれる
基)を有し珪素原子が1〜20のシリコン化合物が有用
に使用され得る。Y基としては特にヒドロキシル基、ア
ルコキシ基が好ましい。該シリコン化合物としては具体
的には市販されているシランカップリング剤、線状、分
枝状、網状、または環状のオルガノポリシロキサン化合
物などが挙げられる。該シリコン化合物はシリル末端ポ
リエーテル又はポリエステル100重量部に対して0〜
20重量部の範囲で使用される。特に0〜10重量部で
使用するのが好ましい。該シリコン化合物は1種類のみ
で使用してもよいし、2種類以上を混合使用しても良
い。
【0038】本発明に使用する組成物を硬化させるにあ
たっては、シラノール縮合触媒を使用してもしなくても
よい。縮合触媒を使用する場合には、アルキルチタン酸
塩;有機珪素チタン酸塩;オクチル酸錫、ジブチル錫ラ
ウレート、およびジブチル錫マレエート、ジブチル錫フ
タレートなどの如きカルボン酸の金属塩;ジブチルアミ
ン−2−エチルヘキソエートなどの如きアミン塩;並び
に他の酸性触媒および塩基性触媒公知のシラノール縮合
触媒が有効に使用される。これら縮合触媒の量は珪素末
端ポリエーテルに対して、0〜10重量%で使用するの
が好ましい。加水分解性基Xとして、アルコキシ基が使
用される場合にはこの重合体のみでは硬化速度が遅いの
で、縮合触媒を使用することが好ましい。この場合、縮
合触媒としては錫のカルボン酸塩、錫のカルボン酸塩と
活性亜鉛華を組合わせた系が特に好ましい。
【0039】本発明に使用する珪素末端ポリエーテル又
はポリエステルは、種々の充填剤を混入することにより
変性し得る。充填剤としては、フュームシリカ、沈降性
シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラッ
クの如き補強性充填剤;炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化
チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二
鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、およびシラスバルーンなど
の如き充填剤;石綿、ガラス繊維およびフィラメントの
如き繊維状充填剤が使用出来る。
【0040】これら充填剤で強度の高い硬化組成物を得
たい場合には、主にフュームシリカ、沈降性シリカ、無
水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、表面処理微
細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、および活性亜
鉛華などから選ばれる充填剤を珪素末端ポリエーテル1
00重量部に対して、1〜100重量部の範囲で使用す
れば好ましい結果が得られる。また、低強度で伸びが大
である硬化組成物を得たい場合には、主に酸化チタン、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化第二
鉄、酸化亜鉛、およびシラスバルーンなどから選ばれる
充填剤を珪素末端ポリエーテル100重量部に対して5
〜200重量部の範囲で使用すれば好ましい結果が得ら
れる。もちろんこれら充填剤は、1種類のみで使用して
もよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0041】本発明に使用する組成物は、可塑剤を充填
剤と併用して使用すると硬化物の伸びを大きく出来た
り、多量の充填剤を混入出来たりするのでより有効であ
る。該可塑剤としては、一般的によく使用されているも
のである。例えばジオクチルフタレート、ジブチルフタ
レート、ブチルベンジルフタレートなどの如きフタル酸
エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシ
ル、セバシン酸ジブチルなどの如き脂肪族二塩基酸エス
テル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタ
エリスリトールエステルなどの如きグリコールエステル
類;オレイン酸ブチルアセチルリシノール酸メチルなど
の如き脂肪族エステル類;リン酸トリクレジル、リン酸
トリオクチル、リン酸オクチルジフェニルなどの如きリ
ン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリ
ン酸ベンジルなどの如きエポキシ可塑剤類;塩素化パラ
フィンなどの可塑剤が単独または2種類以上の混合物の
形で任意に使用できる。可塑剤量は、珪素末端ポリエー
テル100重量部に対して、0〜100重量部の範囲で
使用すると好ましい結果が得られる。
【0042】本発明に使用される配合組成物では充填
剤、可塑剤、縮合触媒が主に使用されるが、フェノール
樹脂およびエポキシ樹脂などの如き接着付与剤、顔料、
老化防止剤、紫外線吸収剤などの如き添加剤も任意に使
用することも出来る。
【0043】本発明に使用される組成物においては、一
液型組成物および二液型組成物のいずれも可能である。
二液型組成物として使用する場合には、例えば珪素末端
ポリエーテル、充填剤および可塑剤からなる成分と充填
剤、可塑剤および縮合触媒からなる成分とに分け、使用
直前に両成分を混合して使用すれば良好な結果が得られ
る。一液型組成物として使用する場合には、珪素末端ポ
リエーテル、充填剤、可塑剤および縮合触媒を充分脱水
乾燥してから水分非存在下で混合し、カートリッジなど
に保存しておけば保存安定性良好な一液型組成物として
も使用出来る。二液型組成物は封止装置が複雑になるた
め、本発明に使用する封止剤としては一液型組成物が好
ましい。
【0044】インクジェットヘッドおよび装置において
は、非常に細かい部分にまで封止材を設ける必要がある
ため、作業性の点で封止材の粘度は非常に重要である。
インクジェットヘッドおよび装置に用いられる封止材の
粘度は2,000〜50,000cpの範囲が好ましい
が、より好ましくは2,000〜18,000cpであ
る。好ましい粘度範囲に調整する方法としては、前述の
変性シリコーン系樹脂に、1分子中に少なくとも1個の
Y基(Y基は前述と同じ)を有し珪素原子が1〜20の
シリコン化合物、充填剤、可塑剤などを適宜組合わせる
ことにより調整することが出来る。
【0045】また、この封止材が例えばアルミニウム配
線等の封止にも用いられる場合には、配線等を腐食させ
ない非腐食性が求められる。この非腐食性の点では硬化
触媒の濃度が関係することがわかった。主に硬化触媒と
して含まれる錫の濃度は2000ppm以下、好ましく
は1000ppm以下、より好ましくは500ppm以
下であるが、錫濃度の低さは硬化速度の高さとトレード
オフ関係にある。同様に硬化触媒としてアミンを用いる
ことができ、濃度は0.1重量%以下、好ましくは0.
6重量%以下、より好ましくは0.4重量%以下で、ア
ミンは触媒活性の高いものは腐食を起こしやすいことが
あり、信頼性の度合いに応じて選択することが好まし
い。
【0046】触媒の濃度は硬化速度を左右し、量産タク
トに影響を与えるが、硬化速度は高すぎても低すぎても
好ましくなく、樹脂の粘度によって変えることが好まし
い。すなわち、粘度が高い場合は記録ヘッドの各透き間
へ流れ込むのに時間がかかるため、タックフリータイム
を長くする。逆に粘度が低い場合は速やかに流れるた
め、ノズル内まで流れ込むことを防止するためにタック
フリータイムを短くする。タックフリータイムを短くす
るためには硬化触媒の量を増やす必要があるが、粘度が
低いということは変性シリコーン系樹脂の分子量が小さ
いということであり、同じ触媒量では粘度の高い樹脂よ
りも硬化速度が低いということであるため、更に触媒量
を増やす。触媒の量を極端に増やすと長期保存において
アルミワイヤーボンディング等の金属を腐食する場合が
あるため、注意を要する。ただし、硬化触媒としては錫
系や3級アミン系のものに限らず、スタナスオクトエイ
トやフェニル水銀プロピオン酸塩などの有機金属化合物
形の触媒を用いることが出来る。本実施例の360dp
iのインクジェットヘッドでは粘度が2000〜600
0cpでタックフリータイムが5〜15分、6000〜
10000cpで15〜30分、10000〜1800
0cpで30〜45分くらいとなるように触媒の量を調
整することにより、高い作業性と歩留りを得ることが可
能となった。
【0047】また、本発明の変性シリコーン系樹脂はイ
ンクジェットヘッドのみに限らず、インクタンクとイン
クタンクふたの継ぎ目の封止や、インクジェット装置の
廃インクタンクと吸引ポンプとの継ぎ目部分の封止等に
も使用することが出来る。更には一般にガスバリヤー性
が低い材料を用いている部分、例えばインク供給チュー
ブ等に本発明の変性シリコーン系樹脂をコーティングし
てやることによってインクジェット装置の気密性を更に
高めることが出来る。このコーティングは部材の内面で
あっても外面であっても構わない。また、本発明の変性
シリコーン系樹脂自体でインクジェットヘッドやインク
ジェット装置のインク供給系の部品を形成しても構わな
い。
【0048】以下、本発明のインクジェットヘッド、及
び該インクジェットヘッドを用いたインクジェット装置
について更に詳細に説明する。
【0049】本発明は、特にインクジェット方式の中で
も、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を
行うインクジェット方式のヘッド、装置において、優れ
た効果をもたらすものである。
【0050】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、米国特許第4
740796号明細書に開示されており、本発明はこれ
らの基本的な原理を用いて行うものが好ましい。このプ
リント方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型
のいずれにも適用可能である。
【0051】このプリント方式を簡単に説明すると、液
体(インク)が保持されているシートや液路に対応して
配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液
体(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じる
様な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せ
しめ、インクジェットヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じ
させる。この様に液体(インク)から電気熱変換体に付
与する駆動信号に一対一対応した気泡を形成出来るた
め、特にオンデマンド型のプリント法には有効であく。
この気泡の成長、収縮により吐出口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状
の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書、米国特許第4345262号明細書に記載されてい
る様なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上
昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書
に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を
行うことが出来る。
【0052】また、本発明は吐出エネルギー発生体とし
て電気機械変換素子を用いたものについても適用出来る
のはもちろんである。
【0053】インクジェットヘッドの構成としては、上
述の各明細書に開示されているような吐出口、液流路、
電気熱変換体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直
角液流路)の他に、米国特許第4558333号明細
書、米国特許第4459600号明細書に開示されてい
る様に、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を持
つものも本発明に含まれる。
【0054】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
においても本発明は有効である。
【0055】さらに、本発明が有効に利用されるインク
ジェットヘッドとしては、インクジェット装置がプリン
トできるプリント媒体の最大幅に対応した長さのフルラ
インタイプのインクジェットヘッドがある。このフルラ
インヘッドは、上述した明細書に開示されているような
インクジェットヘッドを複数組み合わせることによって
フルライン構成にしたものや、一体的に形成された一個
のフルラインインクジェットヘッドであっても良い。
【0056】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプのインクジェットヘッドを用いた場合にも本発
明は有効である。
【0057】又、本発明のインクジェット装置に、予備
的な補助手段等を付加することは、本発明の記録装置を
一層安定にすることが出来るので好ましいものである。
これらを具体的に挙げれば、電気熱変換体あるいはこれ
とは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行う予備吐出モ
ードを行う手段を付加することも安定したプリントを行
うために有効である。
【0058】更に、インクジェット装置のプリントモー
ドとしては黒色等の主流色のみをプリントするモードだ
けではなく、インクジェットヘッドを一体的に構成した
ものか、複数個を組み合わせて構成したものかのいずれ
でも良いが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は有
効である。
【0059】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘度を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用プ
リント信号付与時にインクが液状をなすものであれば良
い。
【0060】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることも出来る。いずれにし
ても熱エネルギーのプリント信号に応じた付与によって
インクが液化して液状インクとして吐出するものやプリ
ント媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
の様な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性
質を持つインクの使用も本発明には適用可能である。こ
のようなインクは、特開昭54−56847号公報ある
いは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状又は固形物と
して保持された状態で、電気熱変換体に対して対向する
様な形態としても良い。
【0061】本発明において、上述した各インクに対し
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0062】また、本発明のインクジェットヘッド及び
インクジェット装置はプリンターに限らず、インクを布
に吐出することで染色する捺染装置やペンプロッタ等に
も適用が可能である。
【0063】更に、本発明の封止材は充填剤等の組み合
わせにより半導体の分野においても用いることが出来
る。
【0064】図6は本発明により得られたインクジェッ
トヘッドをインクジェットヘッドカートリッジ(IJ
C)として装着したインクジェット装置(IJA)の一
例を示す外観斜視図である。
【0065】図において、20はプラテン24上に送紙
されてきたプリント媒体であるプリント紙のプリント面
に対向してインク吐出を行うノズル群を具えたインクジ
ェットヘッドカートリッジ(IJC)である。16はI
JC20を保持するキャリッジHCであり、駆動モータ
17の駆動力を伝達する駆動ベルト18の一部と連結
し、互いに平行に配設された2本のガイドシャフト19
A及び19Bと摺動可能とすることにより、IJC20
のプリント紙の全幅にわたる往復運動が可能となる。
【0066】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、IJC20のキャッピングを行う。ま
た、プリント終了時等にキャッピングを施すことにより
IJCが保護される。
【0067】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコーンゴムで形成されるワイピング部材として
のブレードである。ブレード30はブレード保持部材3
0Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置2
6と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴ってIJC20の吐出面
における結露、濡れあるいは塵埃等を拭き取るものであ
る。
【0068】以下に本発明の実施例を示す。
【0069】
【実施例】変性シリコーン系樹脂として主鎖が本質的に
ポリエーテルであり、末端に架橋可能な加水分解性シリ
ル基を有する室温硬化性の重合体としての鐘淵化学社製
「サイリル5A03」(分子量8,500)100重量
部に、ジブチル錫ラウレート2重量部を混合して室温硬
化性組成物を調整した。まず、この材料の耐インク性
(材料からの溶出、材料の劣化)を調べるため、プレッ
シャークッカーを使用して耐インク性加速テストを実施
した。比較としてシリコーン樹脂も実施した。評果は硬
化後の材料をキヤノンBJカートリッジBC−01のイ
ンクに浸漬し、PCTを用いて120℃、10hr加熱
してインク中の溶出物、材料の外観変化を調べた。変性
シリコーン系樹脂、シリコーン樹脂ともに問題となる無
機物、有機物の溶出は無く、外観の変化も認められなか
った。
【0070】次に本発明の封止材をバブルジェット記録
ヘッドに適用した場合について説明する。
【0071】実施例1 図4は本発明の実施例に用いたバブルジェットヘッドの
構成図である。図中203はベースプレートであり、2
01は吐出エレメントである。204は吐出口207を
設けたフロントカバーである。該バブルジェットヘッド
は吐出エレメントを貼着させたベースプレートの一端側
とフロントカバーとの間に本発明の変性シリコーン系樹
脂401を充填封止してなるものである。
【0072】上記バブルジェットヘッドは下記仕様 ドットピッチ 360DPI 駆動周波数 4.0kHz ノズル数 48ノズル であり、インク滴を吐出させるエネルギー発生体として
電気熱変換体を使用している。
【0073】図4で示される構成のインクジェットヘッ
ドの封止材401として、上記の一液湿気硬化型変性シ
リコーン系樹脂を用いた、該バブルジェットヘッドを2
0個作製した。
【0074】このようにして作製したバブルジェットヘ
ッドはインクの異常発泡が無く、いずれのバブルジェッ
トヘッドも正常に吐出した。更に上記のバブルジェット
ヘッドをあらかじめ吸引回復により気泡を取り除き、イ
ンクジェット装置に装着し、35℃、相対湿度10%の
環境中に放置した。これらのバブルジェットヘッドを途
中に回復動作を作動させずに毎日A4版の紙1枚分の印
字を行い、気泡の発生によって不吐出が起こる日まで続
けた。
【0075】比較例として封止材をシリコーン樹脂にし
た以外は実施例1と同様にバブルジェットヘッドを20
個作製したところ、20個中3個のヘッドにインクの異
常発泡が認められた。また、同様の条件でバブルジェッ
トヘッドの不吐出試験を実施した。
【0076】以上のようにして求めた本発明の変性シリ
コーン系樹脂とシンコーン樹脂との、気泡発生による不
吐出の発生日数を調べた結果を表1に示した。
【0077】
【表1】
【0078】表1より、本発明の実施例1である変性シ
リコーン系樹脂を用いたバブルジェットヘッドでは気泡
発生が起こることはほとんどないことが判る。
【0079】さらに、これらのバブルジェットヘッドの
気泡発生による不吐出を調べた結果、本発明の変性シリ
コーン系樹脂を用いたバブルジェットヘッドにおいては
気泡発生による不吐出は認められなかった。
【0080】実施例2 図8で示した断面構造を持つインクジェットヘッドの封
止材801として一液湿気硬化型の変性シリコーン系樹
脂を用いた。本実施例では、変性シリコーン系樹脂はア
ルミワイヤーボンディング808の外部応力からの保
護、インク供給部材802とインクタンク803の継ぎ
目部分の封止、溝付き天板805とベースプレート80
7との間の封止の役目を負っている。このインクジェッ
トヘッドでは共通インク室811及びインク供給路81
2に気泡が発生して不吐出が起こることはなかった。さ
らに配線等が封止材によって腐食されることもなく断線
も発生しなかった。
【0081】実施例3 図7ではインクジェット装置のキャップ部分の断面図を
示しており、吸引ポンプに接続されているチューブ70
3とキャップ701の継ぎ目部分の封止に本発明による
ところの変性シリコーン系樹脂系樹脂702を用いたキ
ャップ部品となっている。
【0082】実施例4 図10aで示した交換タンク方式のインクタンクでは、
使用途中のインクタンクをヘッドユニットから取り外し
た際に、10bのようにインク供給口部分及び大気連通
口部分にキャップをし、キャップの回りに変性シリコー
ン系樹脂を塗布した。又、10cのように供給口部分及
び大気連通口部分にシールを貼り、シールの縁に変性シ
リコーン系樹脂を塗布した。交換タンク方式のインクタ
ンクを使用途中に取り外しておく場合には、インクの蒸
発、増粘、及び固着を防止するために保管するための箱
を必要とするが、10b及び10cの状態でインクタン
クを保管したところ、インクの蒸発量は保管箱内にて保
存した場合よりも少なかった。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、バ
ブルジェットヘッドにおいて、一液湿気硬化型変性シリ
コーン系樹脂を使用することでインクの異常発泡を防止
することができ、更に、気泡発生による不吐出の発生を
防ぐことにより、前記バブルジェットヘッドの信頼性を
上げることができ、かつ、インクジェット装置の小型
化、低コスト化を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドの吐出エレメン
ト部の構成を示す概略図である。
【図2】本発明のインクジェットヘッドの構成を示す概
略図である。
【図3】シリコーン樹脂によって封止されたインクジェ
ットヘッドの構成を示す部分拡大図である。
【図4】本発明に係るインクジェットヘッドの構成の一
例を示す概略図である。
【図5】インクジェットヘッドの模式的側面図である。
【図6】本発明により得られたインクジェットヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジとして装着したイン
クジェット装置の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るインクジェット装置のキャップ部
品の断面図である。
【図8】本発明に係るインクジェットヘッドの断面図で
ある。
【図9】本発明のインクジェットヘッドの構成を示す斜
視図である。
【図10】本発明の封止材をインクカートリッジに適用
した説明図である。
【符号の説明】
16 キャリッジ 17 駆動モータ 18 駆動ベルト 19A、19B ガイドシャフト 20 インクジェットヘッドカートリッジ 22 クリーニング用モータ 23 伝動機構 24 プラテン 26 ヘッド回復装置 26A キャップ部 30 ブレード 30A ブレード保持部材 101 シリコン基板 102 発熱素子用配線 103 発熱素子 104 インク通路の溝壁及び共通インク室 105 ガラス板 106 フィルター 107 共通インク入口部 201 吐出エレメント 202 PCB 203 ベースプレート 204 フロントカバー 205 インク供給部材 206 ワイヤーボンディング 207 吐出窓 301 シリコーン樹脂 401 変性シリコーン系樹脂 501 ベースプレート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 3/04 103 H

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状インクを用いるインク使用部材の封
    止部分に、主成分が少なくとも1つの加水分解性基をも
    つシリル基を少なくとも1つの末端に有し、主鎖が本質
    的にポリエーテルまたはポリエステルである変性シリコ
    ーン系樹脂を用いることを特徴とするインクジェット装
    置。
  2. 【請求項2】 前記インク使用部材が、インクタンク、
    インクジェットヘッド、キャップ、排インク吸収体、イ
    ンク経路部材であることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェット装置。
  3. 【請求項3】 インクジェットヘッドのインクを保持す
    るためのインク通路およびインクを吐出するための吐出
    口を形成する部材の接合部分が、主成分が少なくとも1
    つの加水分解性基をもつシリル基を少なくとも1つの末
    端に有し、主鎖が本質的にポリエーテルまたはポリエス
    テルである変性シリコーン系樹脂によって封止されてい
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 インクジェットヘッドの配線封止材とし
    て、主成分が少なくとも1つの加水分解性基をもつシリ
    ル基を少なくとも1つの末端に有し、主鎖が本質的にポ
    リエーテルまたはポリエステルである変性シリコーン系
    樹脂を用いることを特徴とするインクジェット装置。
  5. 【請求項5】 インク液滴を吐出させるためのエネルギ
    ー発生体を備えた吐出エレメントの周囲の少なくとも一
    部を樹脂で封止してなるインクジェットヘッドにおい
    て、前記封止に用いる樹脂が、主成分が少なくとも1つ
    の加水分解性基をもつシリル基を少なくとも1つの末端
    に有し、主鎖が本質的にポリエーテルまたはポリエステ
    ルである変性シリコーン系樹脂であることを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 前記吐出エレメントは支持体上に支持さ
    れており、該支持体の少なくとも一部と共に吐出エレメ
    ントの少なくとも一部が前記変性シリコーン系樹脂によ
    って封止されている請求項5記載のインクジェットヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 前記支持体には前記吐出エレメントを少
    なくともインクを吐出する吐出口部分を除いて覆うフロ
    ントカバーが装着されており、支持体の一端側及び吐出
    エレメントとフロントカバーとの間に前記変性シリコー
    ン系樹脂が充填されている請求項5記載のインクジェッ
    トヘッド。
  8. 【請求項8】 前記支持体上に配された支持体電極と互
    いに連結する接続電極を備えたフレキシブルプリント基
    板の接続電極と前記支持体電極との連結部に介装する樹
    脂が、主成分が少なくとも1つの加水分解性基をもつシ
    リル基を少なくとも1つの末端に有し、主鎖が本質的に
    ポリエーテルまたはポリエステルである変性シリコーン
    系樹脂である請求項5記載のインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 前記エネルギー発生体が電気熱変換体で
    あることを特徴とする請求項3あるいは5記載のインク
    ジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 被プリント媒体のプリント領域の全幅
    にわたってインク吐出口が設けられているフルラインタ
    イプのものであることを特徴とする請求項3あるいは5
    記載のインクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 被プリント媒体の被プリント面に対向
    してインク吐出口が設けられている請求項3あるいは5
    記載のインクジェットヘッドと、該ヘッドを載置するた
    めの部材とを少なくとも具備することを特徴とするイン
    クジェット装置。
  12. 【請求項12】 インク液滴を吐出させるためのエネル
    ギー発生体を備えた吐出エレメントの周囲の少なくとも
    一部を樹脂で封止するインクジェットヘッドの製造方法
    において、前記封止に用いる樹脂が、主成分が少なくと
    も1つの加水分解性基をもつシリル基を少なくとも1つ
    の末端に有し、主鎖が本質的にポリエーテルまたはポリ
    エステルである変性シリコーン系樹脂からなることを特
    徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7059703B2 (en) 2001-05-31 2006-06-13 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink jet recording head
JP2006224532A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Seiko Epson Corp チューブポンプ及び液体噴射装置
JP2006264254A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Seiko Epson Corp 廃液チューブおよびその製造方法、ならびにインクジェット式プリンタ
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