JPH08106631A - 磁気記録媒体の製造方法及び装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及び装置

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JPH08106631A
JPH08106631A JP26444294A JP26444294A JPH08106631A JP H08106631 A JPH08106631 A JP H08106631A JP 26444294 A JP26444294 A JP 26444294A JP 26444294 A JP26444294 A JP 26444294A JP H08106631 A JPH08106631 A JP H08106631A
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JP
Japan
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substrate
plasma flow
discharge plasma
reaction
gas
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JP26444294A
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English (en)
Inventor
Makoto Kashiwatani
誠 柏谷
Junji Nakada
純司 中田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウェブ状の基板の表面に対する高速成膜や大
面積成膜が可能で且つ、未反応のまま排出されてしまう
反応ガス量を大幅に低減することができると同時に、分
解された反応ガスの成分の付着による汚損の発生を防止
すること。 【構成】 真空槽4内に出射される放電プラズマ流5
を、放電プラズマ流5の流れ方向に沿って真空槽4内に
延設された反応管7内に通すとともに、該反応管7内に
前記反応ガスを供給して、該反応管内7で気相反応を生
ぜしめ、反応管7内の気相反応によって分解されたガス
成分を、基板2の表面と放電プラズマ流5とが対峙する
如く反応管7の管壁の一部に開口した成膜用開口9から
基板2の表面側に飛ばす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空槽内に出射される
シート状の放電プラズマ流に反応ガスを供給する一方
で、磁気記録媒体の構成要素であるウェブ状の基板を前
記放電プラズマ流の近傍に走行させ、前記放電プラズマ
流による前記反応ガスの気相反応によって前記放電プラ
ズマ流に面した前記基板の表面に所定成分の薄膜を形成
する磁気記録媒体の製造方法および装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体としての例えば磁気テープ
は、磁性層を塗布法によって形成したものと、蒸着法に
よって形成したものとに大別することができる。蒸着法
により形成した磁性層は、塗布法により形成したものと
比較して、高密度化、高画質化の点で優れているが、走
行耐久性が低い。そこで、蒸着法によって形成した磁性
層の走行耐久性を改善するため、磁性層の上にダイヤモ
ンド状カーボン膜を形成して保護層として活用する技術
が提案されている(特開昭61−210518号公報、
特開昭63−98825号公報参照)。
【0003】そして、前述のダイヤモンド状カーボン膜
を成膜する方法としては、これまで、グロー放電やアー
ク放電を利用したプラズマCVD(Chemical Vapor Dep
osition)法が種々提案されている。例えば、グロー放
電によるものでは、高周波グロー放電を利用するもの
(特開昭61−130487号公報や特開昭61−13
6678号公報参照)、あるいはマイクロ波グロー放電
を利用するものが提案され、アーク放電によるもので
は、直流アーク放電を利用するもの(特開平3−215
671号公報参照)などが種々提案されている。
【0004】しかし、高周波グロー放電を利用した場合
は、成膜速度が遅く、生産性が低下するという問題があ
った。そして、マイクロ波グロー放電を利用した場合
は、高周波グロー放電を利用した場合よりも成膜速度を
上げることができるが、成膜面積が小さく、そのため
に、やはり、生産性の向上が難しいという問題があっ
た。一方、直流アーク放電を利用する方法は、グロー放
電による場合と比較して、高速成膜や大面積成膜に適す
るが、その反面、金属と化合している物質の分離によっ
てプラズマ陰極の損傷等の不都合が生じる虞があった。
【0005】そこで、このような直流アーク放電のもつ
欠点を解消するべく、圧力勾配型放電によるプラズマC
VD法による成膜装置も提案されている(特開平1−2
52781号公報参照)。この圧力勾配型放電によるプ
ラズマCVD法による成膜装置は、通常、成膜処理用の
真空環境を提供する真空槽と、該真空槽内にシート状の
放電プラズマ流を形成するプラズマ流発生手段と、前記
真空槽の放電プラズマ流に反応ガスを供給するガス導入
手段と、前記真空槽内で前記放電プラズマ流に沿って成
膜対象の基板を移動させる基板搬送手段と、成膜対象と
なる基板の表面に電圧を印加する電圧印加手段とを備え
た構成とされ、高速成膜や大面積成膜に適すると同時
に、プラズマ陰極の損傷等を防止することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した直流
アーク放電や圧力勾配型放電を利用する従来の成膜装置
は、いずれも、円盤状の基板の表面に成膜することを前
提として考えられたもので、ウェブ状の基板の表面に所
定の成膜を施す磁気テープの製造等に流用するには、以
下の問題を解決する必要があった。
【0007】その一つは、シート状の放電プラズマ流に
供給した反応ガスが、反応前に放電プラズマ流の周囲の
広域に拡散してしまい、未反応のまま排気されてしまう
反応ガスの量が多く、未反応のまま排気されてしまう分
量を加算して大量の反応ガスを供給しなければならない
という問題である。また、一つは、放電プラズマ流に供
給した反応ガスが、反応前に放電プラズマ流の周囲の広
域に拡散してしまうことから、放電プラズマ流の近傍に
分布する反応ガスの濃度にばらつきが生じ易くなり、こ
れに起因して、基板表面の成膜の品位を高度に均一化す
ることが困難になるという問題である。また、一つは、
放電プラズマ流による気相反応で分解された反応ガスの
ガス成分が、成膜対象である基板の表面以外の範囲にも
飛散して、前記基板搬送手段として使用されているロー
ル等や前記基板の裏面に付着して、基板に擦り傷を形成
したり基板搬送手段を汚損するといった問題である。
【0008】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、ウェブ状の基板の表面に対する高速成膜
や大面積成膜に適し、また、放電プラズマ流に供給した
反応ガスの拡散を抑えると同時に放電プラズマ流の近傍
に分布する反応ガスの濃度を均一化して、これによっ
て、未反応のまま排出されてしまう反応ガス量を大幅に
低減し得ると共に、基板表面の成膜の品位を高度に均一
化することを容易にすることができ、さらには、放電プ
ラズマ流による気相反応で分解された反応ガスのガス成
分の付着によって基板に擦り傷が形成されたり基板搬送
手段が汚損されるといった不都合の発生を効果的に防止
することのできる磁気記録媒体の製造方法及び装置を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、真
空槽内に出射されるシート状の放電プラズマ流に反応ガ
スを供給する一方で、磁気記録媒体の構成要素であるウ
ェブ状の基板を前記放電プラズマ流の近傍に走行させ、
前記放電プラズマ流による前記反応ガスの気相反応によ
って前記放電プラズマ流に面した前記基板の表面に所定
成分の薄膜を形成する磁気記録媒体の製造方法であっ
て、前記真空槽内に出射される放電プラズマ流は該放電
プラズマ流の流れ方向に沿って真空槽内に延設された反
応管内に通すとともに、該反応管内に前記反応ガスを供
給して、該反応管内で気相反応を生ぜしめ、前記反応管
内の気相反応によって分解されたガス成分を、前記基板
表面と放電プラズマ流とが対峙する如く前記反応管の管
壁の一部に開口した成膜用開口から前記基板表面側に飛
ばすことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法により達
成される。
【0010】また、上記の磁気記録媒体の製造方法にお
いて、前記放電プラズマ流の近傍を走行させる基板の表
面は、電圧を印加させて帯電させたておく構成として
も、上記目的を達成することができるものである。
【0011】また、上記の磁気記録媒体の製造方法にお
いて、前記ウェブ状の基板は前記成膜用開口を介して放
電プラズマ流と対峙する表面に予め強磁性体からなる磁
性層が成膜された構成とし、前記反応管内に供給する反
応ガスとしては炭化水素を用いると共に、前記磁性層の
表面に電圧を印加することで、該基板の表面に炭素を主
成分とする保護膜を成膜する構成としても上記目的を達
成することができるものである。
【0012】また、真空槽内に出射されるシート状の放
電プラズマ流に反応ガスを供給する一方で、磁気記録媒
体の構成要素であるウェブ状の基板を前記放電プラズマ
流の近傍に走行させ、前記放電プラズマ流による前記反
応ガスの気相反応によって前記放電プラズマ流に面した
前記基板の表面に所定成分の薄膜を形成する磁気記録媒
体の製造装置であって、成膜処理用の真空環境を提供す
る真空槽と、該真空槽内にシート状の放電プラズマ流を
形成するプラズマ流発生手段と、前記真空槽内に設置さ
れて前記シート状の放電プラズマ流の周囲を囲う反応管
と、前記反応管内に反応ガスを供給するガス導入手段
と、前記ウェブ状の基板の表面が前記反応管の管壁の一
部に開口した成膜用開口を介して前記放電プラズマ流と
対峙するように、前記真空槽内で前記基板を走行させる
基板搬送手段とを備えたことを特徴とする磁気記録媒体
の製造装置によっても、上記目的を達成することができ
るものである。
【0013】さらに、上記の磁気記録媒体の製造装置に
おいて、前記基板搬送手段には、前記成膜用開口に搬送
される基板の鏡面に電圧を印加する電圧印加手段が装備
された構成によっても、上記目的を達成することができ
るものである。
【0014】また、上記の磁気記録媒体の製造装置にお
いて、前記基板搬送手段には、前記基板の表面を前記反
応管の成膜用開口に対向する位置に位置決め走行させる
成膜装置が設けられるとともに、前記真空槽内には、前
記反応管内の気相反応によって分解されて前記成膜用開
口から飛び出たガス成分の飛散範囲を抑えるために前記
成膜装置の近辺で真空槽内をほぼ気密に仕切る仕切壁が
設けられ、かつ、前記仕切壁で区画されたそれぞれの空
間を個別に所望の真空環境に設定する排気手段が装備さ
れた構成によっても、上記目的を達成することができる
ものである。
【0015】
【実施態様】以下、図面に基づいて本発明の実施態様を
説明するが、最初に本発明の磁気記録媒体の製造方法を
実現する装置の実施態様の構成について説明し、その後
に、その装置を利用した製造方法により処理手順を説明
する。
【0016】図1は、本発明に係る磁気記録媒体の製造
装置の一実施態様を示したものである。この実施態様の
磁気記録媒体の製造装置1は、磁気テープの構成要素で
あるウェブ状の基板2の表面に、プラズマCVD法によ
り所定成分の薄膜を形成するもので、成膜処理用の真空
環境を提供するための真空槽4と、該真空槽4内にシー
ト状の放電プラズマ流(シートプラズマ)5を形成する
プラズマ流発生手段6と、真空槽4内に設置されて前記
シート状の放電プラズマ流5の周囲を囲う反応管7と、
反応管7内に反応ガスを供給するガス導入手段8と、基
板2の表面102が反応管7の管壁の一部に開口した成
膜用開口9を介して放電プラズマ流5と対峙するように
真空槽4内で基板2を走行させる基板搬送手段10とを
備えた構成をなしている。
【0017】ここに、前記真空槽4は、非磁性材料で形
成された密封容器である。非磁性材料としては、例え
ば、SUS304、アルミニウム、銅などを利用するこ
とができるが、槽の大きさ、要求される強度等に応じ
て、材料の選定がなされる。この一実施態様の場合、真
空槽4の上部に、該真空槽4内の雰囲気を排気して真空
槽4内を所定の真空雰囲気に保つ排気手段である真空ポ
ンプ12が装備されている。前記真空ポンプ12は、膜
質を劣化させるような残留ガスを少なくするために、例
えば初期排気として、7×10ー5Torr以下まで、好
ましくは、5×10ー6Torr以下まで真空槽4内の雰
囲気を排気することができ、また、成膜中は、反応ガス
の導入で1×10ー1〜1×10ー4Torrに維持できる
排気性能を有したものが使用される。前記シート状の放
電プラズマ流5は、通常、基板2の幅に合せて幅寸法
(図1では紙面に直交する方向の寸法)が設定されるも
ので、例えば、通常は、200〜300mm程度の幅の
シート状に形成されている。
【0018】前記プラズマ流発生手段6は、電子密度が
1011個/cm3以上、好ましくは、1014個/cm3
上がよい。この実施態様の場合は、陰極14から陽極1
5に向うシート状の放電プラズマ流5を提供するもので
あるが、陰極14を有したプラズマガン16内には前記
陰極14と陽極15との中間に位置した中間電極を設け
て、陰極領域を放電ガスで1〜5Torr程度に、陽極
領域を10ー4〜10ー1Torr程度に保って陽極からの
逆流イオンによる陰極の損傷を著しく軽減すると共に、
放電ガスのイオン化効率を高く維持し得るようにした、
いわゆる圧力勾配型のプラズマ流発生装置(特開昭61
−121248号公報参照)を採用している。
【0019】なお、前記基板2のウェブが幅広の場合
は、前述したように、該基板2の幅に合せて前記シート
状の放電プラズマ流5の幅を調整することになるが、前
記プラズマガン16から出射されるプラズマ流は例えば
横断面形状が円形の軸流であり、これをシート状に偏平
に広げるには、真空槽4内に設置した永久磁石(図示
略)によってプラズマ流の上下方向に磁場を加える。ま
た、この実施態様では、前記真空槽4内での放電プラズ
マ流5の流れを安定した状態に維持するために、図示の
ように、外径が300〜500mmの空芯コイル(集束
コイル)18を真空槽4の両側に配置し、真空槽4の両
側の該空芯コイル18,18による磁場の中心軸と、対
向配置された前記陰極14および前記陽極15の中心軸
とが一致するように配置設定されている。
【0020】前記反応管7は、図2に示すように、シー
ト状の放電プラズマ流5が挿通し得るように偏平に成形
された両端開口の管部材で、前記シート状の放電プラズ
マ流5の周囲を囲う管壁の一部には、気相反応によって
分解された反応ガスのガス成分を基板2の表面に向けて
飛び出させるための前記成膜用開口9が装備されてい
る。
【0021】前記ガス導入手段8は、1〜2kgf/c
2の反応ガスを図示略のマスフロー・コントローラー
にて流量制御し、前記真空槽4内に挿通されたノズル2
0を介して前記反応管7内のシート状の放電プラズマ流
5に供給する。ここに、前記ノズル20は、シート状の
放電プラズマ流5の上流側に設置されている。なお、こ
のノズルの開口形状、大きさ、設置数、反応ガスの供給
量等は、前記基板2および放電プラズマ流5の幅寸法等
に応じて、最適値を選定する。
【0022】前記基板搬送手段10は、巻回されている
前記基板2を送り出す送り出し装置22と、前記送り出
し装置22から送り出された前記基板2を巻き取る巻き
取り装置23と、前記送り出し装置22から送り出され
て前記巻き取り装置23に巻き取られる前記基板2を、
該基板2の表面が前記成膜用開口9を介して反応管7内
の放電プラズマ流5と対峙するように前記成膜用開口9
の近傍に位置決めして走行させる成膜装置24と、前記
基板2が前記成膜装置24に密着して走行するように基
板2に適度の張力をかけるとともに、成膜が良好に進む
ように前記基板2の表面102に電圧を印加させて帯電
させる電圧印加手段である電極ロール25と、これらの
装置22,23,24およびロール25を回転駆動する
図示略の駆動手段と、この駆動手段の動作を制御する駆
動装置とを具備した構成とされている。
【0023】前記基板搬送手段10の駆動手段として
は、各種のモータを利用することができる。また、駆動
制御装置は、クラッチを使用し、駆動力を変化させる簡
易的な公知の装置の他、前記基板2に作用している張力
を検出して回転数等を制御するようにした張力制御式の
装置、あるいはダンサー・ロールを設置してその位置を
検出して各ドラム型の装置の回転数等を制御するダンサ
ー制御式の装置など、種々のものを利用することができ
る。また、走行する前記基板2の皺を無くすためのエキ
スパンダー・ロールや、前記送り出し装置22および前
記巻き取り装置23における前記基板2の状態を安定さ
せるコンタクトロールなどは、適宜、増設することがで
きる。
【0024】また、図示はしていないが、前記成膜装置
24には、該成膜装置24の内部に冷却液を循環させる
ことによって該成膜装置24の昇温を抑え、該成膜装置
24を介して成膜時に基板2が所定以上の温度に昇温す
ることを防止する冷却手段が装備されている。前記プラ
ズマ流発生手段6および電極ロール25に電圧を印加す
る電源27,28は、極性が負または正の0〜1000
ボルトの直流電圧を印加し得るバイアス電源である。
【0025】前記電極ロール25は、金属または導電性
材料によって形成されており、同じく金属または導電性
材料によって形成された支持体によって真空槽4内に支
持されている。この支持体自体は、絶縁性と真空シール
機能を有した導入端子29をかいして真空槽4に取り付
けられている。前記電源28は、前記導入端子29およ
び支持体を介して前記電極ロール25の表面に所定の電
圧を印加している。以上のように構成された前記製造装
置1により、本発明に係る磁気記録媒体の製造方法が実
施される。
【0026】図3は、前記製造装置1によって実施され
る成膜処理の開始時におけるプロセスを示したものであ
る。まず、ウェブ状の前記基板2を前記基板搬送手段1
0にセットして所定の張力をかけた状態で、前記真空ポ
ンプ12により真空槽4内を所定の真空度まで初期排気
する(ステップ201)。次いで、前記基板搬送手段1
0を動作させて、前記基板2を所定の速度で走行させる
(ステップ202)。次いで、前記プラズマ流発生手段
6により、シート状の放電プラズマ流5を所定の強度で
反応管7内に発生させる(ステップ203)。次いで、
ガス導入手段8により前記反応管7内に所定の反応ガス
を所定の流量で導入する(ステップ204)。次いで電
源28により前記電極ロール25を介して前記基板2の
表面102に所定の電圧を印加する(ステップ20
5)。以上のプロセスにより、成膜を実行するが、ステ
ップ202〜ステップ205の順序は図示例の順序に限
定されるものではなく、成膜が実行される前に多量の前
記基板2が走行しないように、装置性能等に合せて、適
宜に順序を入れ替えることができる。
【0027】以上に示した前記製造装置1による成膜で
は、前記放電プラズマ流5の周囲を囲う前記反応管7に
よって該放電プラズマ流5に供給される反応ガスの拡散
が抑制されると同時に該放電プラズマ流5の近傍に分布
する反応ガスの濃度が均一化され、これによって、未反
応のまま排出されてしまう反応ガス量が大幅に低減され
ると共に、前記基板2の表面の成膜の品位を高度に均一
化することが容易になる。
【0028】しかも、前記放電プラズマ流5による気相
反応で分解された反応ガスのガス成分の飛び出す方向
は、前記反応管7の成膜用開口9の開口幅等の選定によ
って、基板表面に向う一定の範囲に制限することがで
き、これによって、気相反応によって分解されたガス成
分が真空槽4内の広範囲に飛散することを防止し、ガス
成分の付着によって前記基板2に擦り傷が形成されたり
前記基板搬送手段10が汚損されるといった不都合の発
生を効果的に防止することも可能になる。
【0029】また、前記放電プラズマ流5の近傍を走行
させる前記基板2の表面に前記電極ロール25によって
電圧を印加して帯電させていて、高速成膜や大面積成膜
に適した圧力勾配型放電による成膜処理をさらに効率化
することができ、ウェブ状の前記基板2の表面に対する
高速成膜や大面積成膜を良好に実現し得るようになる。
そして、例えば、磁気テープの磁性層上へのダイヤモン
ド状カーボン膜の成膜に用いれば、ダイヤモンド状カー
ボン膜の高速成膜が可能になり、高密度化や高画質化だ
けでなく走行耐久性にも優れた磁気テープを高能率に生
産することが可能になる。
【0030】また、成膜時にウェブ状の前記基板2を支
えている前記成膜装置24に冷却手段が装備されている
ため、該基板2が熱に弱い高分子フィルム等の場合で
も、高密度の放電プラズマ流5によって前記基板2が過
熱されることを防止することができ、高密度の放電プラ
ズマ流を利用した高速な成膜処理を良好に続けることが
可能になる。
【0031】なお、前記製造装置1における前記反応管
7の成膜用開口9は、シート状の前記放電プラズマ流5
の幅方向に長い長円状の開口を前記反応管7の管壁を単
純に空けただけであるが、図4に示すように、横断面形
状が長円状で反応管7内に連通する端尺の筒体30によ
って成膜用開口9を提供するようにしてもよい。このよ
うにすると、気相反応で分解された反応ガスの成分の飛
び出す方向を制限して、反応ガスの成分の拡散を抑え
て、成膜の品位向上を図ることができる。
【0032】また、前記製造装置1の真空槽4の内部構
造や、排気手段の具体的な構成も、一実施態様のものに
限定するものではない。例えば、図5に示す製造装置3
1ように、基板搬送手段10には、前記基板2の表面を
前記反応管7の成膜用開口9に対向する位置に位置決め
走行させる成膜装置24が装備されているが、真空槽4
内には、前記反応管7内の気相反応によって分解されて
前記成膜用開口9から飛び出たガス成分の飛散範囲を抑
えるために前記成膜装置24の近辺で真空槽4内をほぼ
気密に仕切る仕切壁32を設け、さらに、真空槽4内を
真空環境にする排気手段34は、該仕切壁32で区画さ
れた搬送空間35および成膜空間36のそれぞれの空間
を個別に所望の真空環境に設定する構成としてもよい。
【0033】ここに、前記仕切壁32は、銅板38の背
面に銅パイプ39を沿わせ、該銅パイプ39に冷却水を
流すことで、昇温を防止する構成となっている。なお、
仕切壁32が跡切れて成膜装置24が反応管7に対向す
る範囲は、各空間35,36間のシール性能を向上させ
るために、開閉シャッタ40が装備されている。また、
基板搬送手段10は、走行する基板2の皺を無くすため
のエキスパンダー・ロール42や、送り出し装置22お
よび巻き取り装置23における基板2の状態を安定させ
るコンタクトロール43が増設された構成になってい
る。また、前記排気手段34は、排気能力が3000リ
ットル/secのターボ・ポンプ45が2台、2500
0リットル/minのメカニカル・ブースター・ポンプ
46が1台、1500リットル/minのロータリー・
ポンプ47を1台備え、搬送空間35には真空バルブ4
8を介してターボ・ポンプ45を接続し、成膜空間36
には真空バルブ48およびオリフィス・バルブ49を介
してターボ・ポンプ45を接続し、2つのターボ・ポン
プ45の出側をバルブを介して合流させてメカニカル・
ブースター・ポンプ46に接続した構成となっている。
【0034】このような構成では、前述した実施態様の
製造装置1と同様の効果が得られる他、前記搬送空間3
5と前記成膜空間36とを個別に最適の真空圧に設定で
きるため、プラズマCVD法による成膜処理に要求され
る真空環境をより高精度に維持管理して高品位の成膜を
可能にすることができると同時に、真空槽4内を所定の
真空環境に維持する排気手段34における排気能力を下
げて装置の小型化や装置コストの低減を図ることがで
き、さらに、前記仕切壁32が気相反応によって分解さ
れたガス成分の不要範囲への飛散を防止する隔壁(防着
板)として機能して、前述したガス成分の付着によって
前記基板2に擦り傷が形成されたり前記基板搬送手段1
0が汚損されるといった不都合の発生をさらに厳密に防
止することが可能になる。本願発明者等は、前述の実施
態様の製造装置1を用いて、実際に成膜テストを実施し
た。その時の条件は、以下の(1)乃至(5)に示す通
りである。
【0035】(1)放電ガス 次の3通りとした。 [1]ArまたはHeを使用し、20〜100sccm
を導入した。 [2]ArとH2の混合ガスを、H2/Arの比が0.0
1〜0.5の範囲として、20〜100sccmを導入
した。 [3]HeとH2との混合ガスを、H2/Heの比が0.
01〜0.5の範囲として、20〜100sccmを導
入した。 (2)放電電流 いずれも、100〜150Aとした。 (3)ウェブ状の基板2 厚さが5〜20μmのPETベースの上に、予め、Co
−O層を2000オングストロームの厚さに成膜したも
のを使用した。成膜面に正極性の200〜800V
の電圧を印加した。 搬送速度および張力は、20m/min、6kgf/W
とした。 (4)反応ガス CH4、C26、C38、C2 2 の炭化水素ガスを使
用し、その供給は20〜200sccm導入した。 (5)成膜装置 冷却水を流し、15〜40℃の温度に保持した。また、
シート状の放電プラズマ流5との離間距離は、50〜1
50mmにした。
【0036】以上の条件によって成膜したサンプルにつ
いて、膜厚、硬度、膜質、成膜速度の評価を行った。膜
厚は、TEM(Transmission Electron Microscopy)に
より断面観察を行い、基板2の幅方向での膜厚の最大、
最小値から(max−min)/(max+min)を
算出して、膜厚分布(単位:%)を算出した。硬度は、
薄膜硬度計を使用してビッカース硬さを計測した。膜質
はESCA(Electron Spectroscopyfor Chemical Ana
lycis)のプラズモン損失を利用した。これは予めアモ
ルファス、グラファイト、ダイヤモンドのプラズモン損
失を測定し、成膜サンプルがどの相になっているかを求
めたもので、今回は、磁気記録媒体用のカーボン保護膜
の最適値として25〜27eVを採用した。たを以下の
方法で評価した。成膜速度は、前記基板2の幅方向の中
心位置での膜厚と該基板2の搬送速度、成膜領域より算
出した。次の表1及び表2(表1のつづき)は、これら
の成膜条件と測定結果の一覧を示したものである。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1および表2にも示したように、前述の
製造装置1によって形成したカーボン保護膜は、磁気記
録媒体用のダイヤモンド状カーボン膜として十分な膜質
が得られた。そして、高周波グロー放電を利用した従来
の成膜による場合は、成膜速度が30〜40Å/sec
であるのに対し、この一実施態様のテストでは、50〜
150Å/secの成膜速度が得られ、高速成膜が可能
であることが判明した。また、膜厚分布もばらつきが少
なく、磁気記録媒体の製造等に良好に利用しうることが
判明した。
【0040】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体の製造方法及び装
置によれば、放電プラズマ流の周囲を囲う反応管によっ
て放電プラズマ流に供給される反応ガスの拡散が抑制さ
れると同時に放電プラズマ流の近傍に分布する反応ガス
の濃度が均一化され、これによって、未反応のまま排出
されてしまう反応ガス量が大幅に低減されると共に、基
板表面の成膜の品位を高度に均一化することが容易にな
る。さらに、管壁での電子反射によりプラズマの電子温
度が向上し反応ガスの分解を促進する。しかも、放電プ
ラズマ流による気相反応で分解された反応ガスのガス成
分の飛び出す方向は、前記反応管の成膜用開口の開口幅
等の選定によって、基板表面に向う一定の範囲に制限す
ることができ、これによって、気相反応によって分解さ
れたガス成分が真空槽内の広範囲に飛散することを防止
し、ガス成分の付着によって基板に擦り傷が形成された
り基板搬送手段が汚損されるといった不都合の発生を効
果的に防止することも可能になる。また、前記放電プラ
ズマ流の近傍を走行させる基板の表面に電圧を印加して
帯電させておく構成とすれば、高速成膜や大面積成膜に
適した圧力勾配型放電による成膜処理をさらに効率化す
ることができ、ウェブ状の基板の表面に対する高速成膜
や大面積成膜を良好に実現し得るようになる。そして、
例えば、磁気テープの磁性層上へのダイヤモンド状カー
ボン膜の成膜に用いれば、ダイヤモンド状カーボン膜の
高速成膜が可能になり、高密度化や高画質化だけでなく
走行耐久性にも優れた磁気テープを高能率に生産するこ
とが可能になる。また、真空槽内を成膜装置の近辺でほ
ぼ気密に仕切る仕切壁を装備し、該仕切壁で区画された
真空槽内のそれぞれの空間を個別に所望の真空環境に設
定する排気手段を装備した構成では、プラズマCVD法
による成膜処理に要求される真空環境をより高精度に維
持管理して高品位の成膜を可能にすることができると同
時に、真空槽内を所定の真空環境に維持する排気手段に
おける排気能力を下げて装置の小型化や装置コストの低
減を図ることができ、さらに、前記仕切壁が気相反応に
よって分解されたガス成分の不要範囲への飛散を防止す
る隔壁として機能して、前述したガス成分の付着によっ
て基板に擦り傷が形成されたり基板搬送手段が汚損され
るといった不都合の発生をさらに厳密に防止することが
可能になる。また、成膜時にウェブ状の基板を支えてい
る成膜装置に冷却手段が装備された構成では、前記基板
が熱に弱い高分子フィルム等の場合でも、高密度の放電
プラズマ流によって前記基板が過熱されることを防止す
ることができ、高密度の放電プラズマ流を利用した高速
な成膜処理を良好に続けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の製造装置の一実施
態様の概略構成図である。
【図2】図1に示した一実施態様の装置の反応管の斜視
図である。
【図3】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法の成膜実
行までのプロセスを示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る反応管の他の例を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明に係る磁気記録媒体の製造装置の他の実
施態様の概略構成図である。
【符号の説明】
1 製造装置 2 基板 4 真空槽 5 シート状の放電プラズマ流 6 プラズマ流発生手段 7 反応管 8 ガス導入手段 9 成膜用開口 10 基板搬送手段 12 真空ポンプ(排気手段) 14 陰極 15 陽極 16 プラズマガン 18 空芯コイル 20 ノズル 22 送り出し装置 23 巻き取り装置 24 成膜装置 25 電極ロール(電圧印加手段) 27 電源 28 電源(電圧印加手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽内に出射されるシート状の放電プ
    ラズマ流に反応ガスを供給する一方で、磁気記録媒体の
    構成要素であるウェブ状の基板を前記放電プラズマ流の
    近傍に走行させ、前記放電プラズマ流による前記反応ガ
    スの気相反応によって前記放電プラズマ流に面した前記
    基板の表面に所定成分の薄膜を形成する磁気記録媒体の
    製造方法であって、 前記真空槽内に出射される放電プラズマ流は該放電プラ
    ズマ流の流れ方向に沿って真空槽内に延設された反応管
    内に通すとともに、該反応管内に前記反応ガスを供給し
    て、該反応管内で気相反応を生ぜしめ、 前記反応管内の気相反応によって分解されたガス成分
    を、前記基板表面と放電プラズマ流とが対峙する如く前
    記反応管の管壁の一部に開口した成膜用開口から前記基
    板表面側に飛ばすことを特徴とする磁気記録媒体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記放電プラズマ流の近傍を走行させる
    基板の表面は、電圧を印加させて帯電させておくことを
    特徴とした請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ウェブ状の基板は前記成膜用開口を
    介して放電プラズマ流と対峙する表面に予め強磁性体か
    らなる磁性層が成膜された構成とし、前記反応管内に供
    給する反応ガスとしては炭化水素を用いると共に、前記
    磁性層の表面に電圧を印加することで、該基板の表面に
    炭素を主成分とする保護膜を成膜することを特徴とした
    請求項2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 真空槽内に出射されるシート状の放電プ
    ラズマ流に反応ガスを供給する一方で、磁気記録媒体の
    構成要素であるウェブ状の基板を前記放電プラズマ流の
    近傍に走行させ、前記放電プラズマ流による前記反応ガ
    スの気相反応によって前記放電プラズマ流に面した前記
    基板の表面に所定成分の薄膜を形成する磁気記録媒体の
    製造装置であって、 成膜処理用の真空環境を提供する真空槽と、該真空槽内
    にシート状の放電プラズマ流を形成するプラズマ流発生
    手段と、前記真空槽内に設置されて前記シート状の放電
    プラズマ流の周囲を囲う反応管と、前記反応管内に反応
    ガスを供給するガス導入手段と、前記ウェブ状の基板の
    表面が前記反応管の管壁の一部に開口した成膜用開口を
    介して前記放電プラズマ流と対峙するように、前記真空
    槽内で前記基板を走行させる基板搬送手段とを備えたこ
    とを特徴とする磁気記録媒体の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記基板搬送手段には、前記成膜用開口
    に搬送される基板の表面に電圧を印加する電圧印加手段
    が装備されていることを特徴とした請求項4に記載の磁
    気記録媒体の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記基板搬送手段には、前記基板の表面
    を前記反応管の成膜用開口に対向する位置に位置決め走
    行させる成膜装置が設けられるとともに、前記真空槽内
    には、前記反応管内の気相反応によって分解されて前記
    成膜用開口から飛び出たガス成分の飛散範囲を抑えるた
    めに前記成膜装置の近辺で真空槽内をほぼ気密に仕切る
    仕切壁が設けられ、 かつ、前記仕切壁で区画されたそれぞれの空間を個別に
    所望の真空環境に設定する排気手段が装備されたことを
    特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の磁気記
    録媒体の製造装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013037745A (ja) * 2011-08-09 2013-02-21 Fuji Electric Co Ltd 磁気記録媒体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013037745A (ja) * 2011-08-09 2013-02-21 Fuji Electric Co Ltd 磁気記録媒体
US9196282B2 (en) 2011-08-09 2015-11-24 Fuji Electric Co., Ltd. Magnetic recording medium

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