JPH0810772B2 - セラミック超電導装置 - Google Patents

セラミック超電導装置

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JPH0810772B2
JPH0810772B2 JP63202351A JP20235188A JPH0810772B2 JP H0810772 B2 JPH0810772 B2 JP H0810772B2 JP 63202351 A JP63202351 A JP 63202351A JP 20235188 A JP20235188 A JP 20235188A JP H0810772 B2 JPH0810772 B2 JP H0810772B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、セラミック超電導体の特性を、近接して設
けた制御線に流した電流で発生する磁界で制御して論理
演算などを行なわせるセラミック超電導装置の制御線に
関するものである。
<従来の技術> 超電導の特性を用いた論理回路素子は、ジョセフソン
素子が知られている。使用されるジョセフソン素子は、
ニオブや、鉛,又は,それらの合金からなる超電導体の
間に極めて薄い絶縁膜を挾んだ構造である。
<発明が解決しようとする問題点> 上記のジョセフソン素子は、ジョセフソン効果を得る
ために数十Åの極めて薄い絶縁膜が必要であるが、この
極薄絶縁膜の作製は高度の製造技術を要し、特性の揃っ
た素子を製造するのは難しかった。
また、ジョセフソン素子は極めて早い動作をする一
方、出力レベルは小さいので雑音や、出力回路などから
実用化が難しい素子であった。
本発明は、上記の問題点を解決する製造が容易で、そ
の動作は超電導体の特有の高速な特性をもち、かつ、実
用的な出力レベルをもつ超電導体装置であり、特願昭63
−29526に示したAND,OR又はXORなどの論理演算をする素
子と基本的には同じであるが、小ない制御線の電流入力
で動作するよう改良したものである。
<問題点を解決するための手段> 本発明の目的を達成するため、両端に1対の電極を備
えたセラミック超電導素子に近接して設けられた導体に
電流を流すことにより発生する磁界を前記のセラミック
超電導体に作用させる制御線は、1本,又は,2本以上に
することもできるが、制御線の少なくとも一部を絶縁膜
を介して、前記のセラミック超電導素子と積層構成に
し、更に、Uの字の形状に形成して発生した磁界を効率
よく素子に印加するものである。上記の構成の制御線に
すれば少ない電流によっても、セラミック超電導素子に
必要な強さの発生磁界を印加することができる。また、
セラミック系の厚さが薄い超電導体で、その結晶粒界が
弱接合の構成では、弱い磁界の印加磁界でも素子の超電
導状態が破れるので少ない電流で制御することができ
る。
又、本発明によれば、上記の制御線を複数配置し、そ
れぞれ独立した電流を流す構成にすることもでき、これ
により各制御線に流す電流の大きさや、方向を変えるこ
とで、種々の論理出力をセラミック超電導素子の電圧電
極に出力する論理回路素子を構成することができる。
<作 用> 結晶流界が弱結合の構成の、セラミック超電導体は、
弱い磁界によってその超電導状態が破れ常電導の電気抵
抗をもつことを見出し、この現象を用いた磁界計測の発
明、特願昭62−233369号「超電導磁気抵抗システム」を
出願している。
本発明は、セラミック超電導体の上記の現象を利用す
るもので、超電導体の上に、積層又は、Uの字形の形成
した制御線を配置し、制御線に流した電流によって発生
する磁界を効率よくセラミック超電導体に作用させるの
で、少ない制御線の電流によってセラミック超電導素
子、又は超電導磁気抵抗素子が、電気抵抗をもつ状態に
することができる。
更に詳細に説明すると、セラミック系の結晶粒界を有
する超電導素子は、磁界が印加されない場合には、第10
図に示すように、素子の示す電気抵抗R0は完全に零の値
を示すが、ある臨界磁界Hcを加えると突然素子は電気抵
抗を示し、印加磁界の増大とともに、電気抵抗が急激に
増大する新しい現象を本出願人は先に見出して上記した
特許出願をしているが、この素子の初期抵抗R0に対する
抵抗の変化ΔRの比、ΔR/R0は無限大となって、従来の
磁気抵抗素子とは比較にならない高性能を示す素子であ
る。
即ち、最近多くの研究機関で進められているセラミッ
ク超電導体の研究の方向は、臨界温度(Tc)、臨界磁界
(Hc)、臨界電流(Jc)の向上を図ることにあるが、本
出願人も上記セラミック超電導体について種々研究した
ところ、この超電導体のある種のもの(超電導体の粒子
間に弱結合状態を持つもの)が上記第10図に示すように
極めて弱い磁界(数ガウス)で弱結合の超電導状態が破
れて電気抵抗を示し、印加磁界の強さとともに急激に増
加することを見出し、この低い臨界磁界現象を用いて新
規な論理回路素子として動作するセラミック超電導装置
を創案したものである。
上記第10図に示したような磁界の印加に対する電気抵
抗の変化特性は、セラミックス系の超電導体が多くの超
電導結晶微粒子より構成される結合体で、その粒子境界
に極めて薄い絶縁物あるいは抵抗体が存在するか、また
は、粒子間の接触がポイント状態になり、粒子と粒子が
点状の接触をなしている等、いわゆる超電導の弱結合状
態にあり、磁界などがない超電導状態では、トンネル効
果等により、電子が自由に移動して電気抵抗は零を示
す。つまりセラミック系等の結晶粒子の弱結合状態にあ
る超電導体は第11図に示すように等価的には無数のジョ
セフソン結合121,121,…の集合体とみなすことが出来
る。
このような超電導体の素子に磁界を印加すると、磁界
の影響により、ジョセフソン結合121,121,…の超電導性
が破れ、即ち、弱磁界の印加によって弱結合部から超電
導状態が破れて、素子は電気抵抗を示すようになり、磁
界の強さの増大と共に電気抵抗は急速に増大する。
この性質は、上記原理からも明らかなように、結晶粒
界はランダムに配置されているため、印加する磁界の方
向には依存せずに、磁界の強さの絶体値によって定まる
ものである。
<実施例> 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明の一実施例を示す平面図である。
第1図において、1はセラミック超電導体3の両端に
設けられた一対の電流電極21,21及びこの電極21,21の近
くに設けられた電圧電極22,22よりなる超電導磁気抵抗
素子であり、5はこの超電導磁気抵抗素子1の上に絶縁
膜10を介してUの字形に形成された制御線5が形成され
ている。
次に、上記第1図に示した装置の作製方法について詳
細に説明する。
まず、本装置に用いられるセラミック超電導体膜の磁
気抵抗素子を作製するために、第9図に概要を示す成膜
装置において、基板7を安定化ジルコニア(YSZ)と
し、ヒーター9で基板温度を400℃に保ちながら、Y(N
O3)3・6H2O,Ba(NO3)2,Cu(NO3)2・3H2OをY1Ba2Cu
3O7−xとなる様所定量秤量し、水で溶解した硝酸塩水
溶液を噴射装置11から断続的に、基板7に向けて、膜厚
5μmの一様な膜となる様にスプレイし、熱分解と酸化
でセラミックを成膜し、その後950℃で60分間と、500℃
で10時間の空気中アニールを行った。この様にして作製
したセラミック超電導体膜の抵抗は100kから下がりはじ
め、83kで完全に抵抗零を示している。
次に、このセラミック高温超電導体膜を幅50μm,長さ
30mmに加工して超電導体3とするために、レジストを塗
布し、通常のフォトリソグラフィ工程にて細いストライ
ブ状に加工し超電導磁気抵抗素子1の超電導体部分3を
作製した。このセラミック高温超電導体はリン酸系エッ
チング液で容易に加工することが出来た。
この超電導体3の上にポリイミド樹脂からなる絶縁膜
10を形成した後、電極21,22及び磁界を発生させるため
の制御線5を作製するため、再びフォトリソグラフィ工
程とTi蒸着膜のリフトオフ法により、Ti蒸着膜による配
線パターンを形成し、第1図に示す本発明のセラミック
超電導装置を作製した。
本実施例に用いたセラミック超電導磁気抵抗素子1
は、粒界に介在する絶縁層やポイントコンタクトが弱結
合になり、ジョセフソン結合の集合体と考えられ、印加
磁界と素子抵抗の関係は第2図に示す様に、抵抗零の状
態からある磁界において突然抵抗が現われ、しかもその
抵抗の変化率は極めて大きい。また、突然抵抗が現われ
る磁界の大きさ(閾値)と抵抗増加率は、このセラミッ
ク超電導磁気センサ1に流す定電流の大きさによって制
御することが出来る。
直線のTi導体線に10mAの電流を流すと、その導体線か
ら約50μm離れた所の磁界の強さは0.4ガウス程度にな
る。この磁界の強さを、第2図の超電導磁気抵抗素子の
特性グラフから見ると、セラミック超電導磁気抵抗素子
に2mAの定電流を流したとき20μVの出力が得られるこ
とが分った。
以上の実験から、第1の実施例では、第1図の形状の
ようにして、制御線5の幅を30μm,厚さを1μmとし、
その超電導磁気センサ1との平行部の両者の中心間距離
を50μmにした。絶縁膜10の厚さは約1μmであった。
上記のような構成において、少なくとも超電導磁気セ
ンサ1を83k以下の温度に冷却した状態において、導体
5に電流を流さず、超電導磁気抵抗素子1に磁界が加わ
らないときは、端子a,bを介してセンサ1にmA程度の電
流を流しても超電導状態のため、端子e,fを介して導体
に5mAの定電流Iを流すことにより、その電流の作る磁
界が超電導体3の超電導状態を破って抵抗性を示すの
で、第3図に示すように電流Iに対応して端子c,d間に
出力電圧として0.5ピコ秒程度の遅れで20μVの出力が
得られた。なお、このとき超電導磁気抵抗素子1に流す
端子a,b間の定電流は2mAとしていた。
前回の出願特願昭63−29526の制御線を備えた超電導
磁気センサに於ては、制御線を直線にし、前記素子との
中心距離を50μmにした。超電導磁気抵抗素子1に20mA
の定電流を流して、その出力電圧を20μVにするとき、
直線の並行制御線には10mAの電流を流す必要があった
が、本発明のUの字形の積層制御線にしたときは、電流
で発生する磁界が超電導磁気抵抗素子1に収束するの
で、制御線5に5mAの電流を流して、その素子1から20
μVの出力電圧を得ることができ、入力電流を半分に低
減できたことになる。
第4図に示した第2の実施例は、それぞれ1対の電流
電極21と、電圧電極22を設けた超電導体3の磁気抵抗素
子1に絶縁膜10を介して一部積層したUの字形の制御線
5と、その超電導体3に平行に配置した制御線6によっ
て構成した論理素子であり、基板7の上に成膜技術を用
いて作製してある。
上記の第4図の制御線5と6及び超電導体が平行にな
るところは、各々の中心間距離を50μmとし、またその
各々の線幅は30μm,30μm及び50μmにしてある。この
とき、前のように2mAの定電流を流した超電導磁気抵抗
素子から20μVの出力を得るのに、制御線6に20mAの電
流を流さなければならなかった。
また、制御線5及び6に流す電流I1及びI2を同方向と
し、制御線5に流した電流I1により超電導体3に作用す
る磁界をH1,制御線6に流した電流I2により超電導体3
に作用する磁界をH2,超電導磁気センサ1の所定の定電
流を流している状態での臨界磁界をH0として H1<H0,H2<H0,H1+H2>H0 …(1) の条件のとき、制御線5と6に同時に電流が流れたとき
だけ、第5図に示すように端子c,d間に出力電圧が発生
し、ANDの論理出力となる。例えばI1として3mA,I2とし
て15mAの電流を導体5,6にそれぞれ流した場合、電流I1
とI2が同時に流れている期間のみ端子c,d間に20μV以
上の出力電圧が得られた。
また、H1>H0,H2>H0,|H1−H2|<H0 …(2) の条件で、第6図に示すように制御線5と制御線6に流
す電流I1,I2の方向を反対にすると、第7図に示すよう
に端子c,d間に電流I1,I2のいずれか一方のみが存在する
期間のみ端子c,d間に出力電圧が得られ、イクスクルー
シブオアの論理出力が得られた。またこの電流条件のと
き、電流I1,I2を同方向に流すことにより、OR論理出力
が得られることになる。
なお、上記の実施例にあっては電流値I1及びI2の値を
適宜選定するようになしているが、本発明はこれに限定
されるものではなく、例えば制御線5及び6に流す電流
値I1及びI2を一定の値とし、超電導体3と制御線5また
は制御線6の間隔を適宜選定して、上記(1)または
(2)式を満足する位置に制御線5及び6を設けるよう
になしても良い。
また、本発明の装置を作製する場合、上記した方法に
限定されるものではなく、制御線5,6または超電導磁気
センサ1をスパッタやMOCVDあるいは電子ビーム蒸着法
等による薄膜で作成しても同様に結果を得ることが出
来、また加工形状の微細化をも期待することが出来る。
また、本発明の実施例に用いたセラミック高温超電導
体膜はY1Ba2Cu3O7−xとしたが、粒界を有するものであ
れば、他のBi−Sr−Ca−Cu−O系、又は、Tl−Ca−Ba−
Cu−O系などの成分の高温超電体を用いても同様の結果
が得られることは言うまでもない。
また超電導体3と制御線5,6の配置関係は上記の実施
例に限定されるものではなく、第8図に示すように超電
導体3を挾むUの字にして両側に制御線5を配置し、他
の制御線6は図のように超電導体3に平行に配置しても
よく、また、制御線5の上に積層しても良い。
以上の実施例により説明したように、制御線を積層又
は、形状をUの字にすれば、素子に近接した電流による
磁界は、Uの字形の内部に収束され、直線形の制御線よ
り少ない電流で同じ強さの磁界をセラミック超電導体に
印加でき、効率のよい制御線にすることができる。
粒界をもつセラミック超電導体膜を更に薄くすること
で制御磁界を小さくし、かつより大きい出力電圧にする
ことができる。
更に、制御線を薄い絶縁膜を介して超電導体に近接さ
せる構成にすれば制御線の電流による磁界を効果的に超
電導体に作用させることができる。
上記の改良を組合せることにより、少ない制御線の電
流による磁界を効果的に超電導体に作用させ種々の論理
動作を高速で行い、かつ実用的な出力レベルをもつセラ
ミック超電導装置にすることができる。
また、薄膜化,微細化と、制御線の電流の減少化によ
り周囲への磁気雑音が少なくなり、高密度の集積化が可
能になる。
<発明の効果> 以上のように本発明によれば、従来のように極めて薄
い絶縁層を人工的に作製するジョセフソン接合を用い
ず、セラミック超電導体の粒界に自然に介在する弱結合
を利用した超電導磁気抵抗効果を用いた論理演算などを
行なうものであり、実用的な出力電圧で、かつ、超電導
特有の極めて高速の動作速度をもつ装置を効率よく作動
させることができる。
又、本発明の実施例で説明したように制御線を、その
1部が超電導体に絶縁膜を介して積層,又はUの字形に
するので、その制御線の電流による磁界を超電導体に収
束させることができ、少ない入力電流での動作をさせる
ことができる。
更に、実施例で説明したように制御線を平面的に配置
することも、ポリイミド等の樹脂又はSiO2等の酸化物の
絶縁膜によって制御線を容易に多層にすることもでき、
効率よく高速で種々の論理演算などを行なう装置にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のセラミック超電導装置の一実施例の構
成を示す平面図、第2図はセラミック超電導磁気抵抗素
子の特性の一例を示す図、第3図は制御線に流す電流に
よる超電導磁気抵抗素子の出力応答を示す図、第4図は
本発明のセラミック超電導装置の他の実施例における磁
界を発生する制御線を複数本として各々の電流方向を同
じ方向とした場合の構成を示す平面図、第5図は第4図
の構成による制御線の電流方向が同じ方向の場合の出力
応答と制御線電流との関係を示す図、第6図は本発明の
他の実施例における磁界を発生する2本の制御線の電流
方向が互いに逆の場合の構成を示す図、第7図は第6図
の構成による本発明実施例装置の出力応答と制御線に流
す電流波形の関係を示す図、第8図は本発明のセラミッ
ク超電導装置の更に他の実施例の構成を示す平面図、第
9図は本発明の実施例装置の作製に用いたセラミック超
電導膜の作製装置の概略構成を示す図、第10図は超電導
磁気抵抗素子の特性の一例を示す図、第11図は超電導磁
気抵抗素子の等価回路を示す図である。 1……超電導磁気抵抗素子、21,21……電流電極、22,22
……電圧電極、3……超電導体、5,6……制御線,7……
基板,10……絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野島 秀雄 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−115881(JP,A) 特開 昭59−17175(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一対の電極を備え、極めて弱い
    磁界で結晶粒界の弱結合の超電導状態が破れて磁気抵抗
    特性を示すセラミック超電導素子と、 前記セラミック超電導素子に近接して設けた導体とから
    なり、 前記導体に流した電流で発生する磁界の作用で、前記セ
    ラミック超電導素子の導電性を制御する制御線の、少な
    くとも一部を、薄い絶縁膜を介した積層構成にしたこと
    を特徴とするセラミック超電導装置。
  2. 【請求項2】前記制御線がU字型の折り返し形状であ
    り、電流により各辺の導線で発生した磁界が前記セラミ
    ック超電導素子に作用することを特徴とする請求項1記
    載のセラミック超電導装置。
  3. 【請求項3】前記セラミック超電導素子に、個別の電流
    制御が可能な2本以上の制御線が設けられたことを特徴
    とする請求項1又は2記載のセラミック超電導装置。
  4. 【請求項4】前記セラミック超電導素子は、非磁性基板
    上に形成された膜状のセラミック超電導体から作製され
    たことを特徴とする請求項1,又は、2,又は3記載のセラ
    ミック超電導装置。
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