JPH08109084A - 導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法 - Google Patents

導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法

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JPH08109084A
JPH08109084A JP6037555A JP3755594A JPH08109084A JP H08109084 A JPH08109084 A JP H08109084A JP 6037555 A JP6037555 A JP 6037555A JP 3755594 A JP3755594 A JP 3755594A JP H08109084 A JPH08109084 A JP H08109084A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、Mo,W,Taよりなる群から選ば
れた1種以上、Al,希土類元素よりなる群から選ばれ
た1種以上、Ti,Zr,Hfよりなる群から選ばれた
1種以上により構成された導電性メタライズ層を窒化ア
ルミニウム焼結体母材の表面の少なくとも一部に有する
ことを特徴とする導電性メタライズ層を有する窒化アル
ミニウム焼結体およびその製造方法である。 【効果】導電性メタライズ層は、窒化アルミニウム焼結
体表面との接合強度が高くまた耐熱性が優れており、か
つ熱膨張率も窒化アルミニウム焼結体と近似した値であ
るため熱衝撃層としての機能も有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性メタライズ層を有
する窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法に関
し、さらに詳しくは、窒化アルミニウム焼結体母材との
接合強度が高い導電性メタライズ層を有する窒化アルミ
ニウム焼結体とこのメタライズ層を窒化アルミニウム焼
結前駆体を焼結すると同時に形成する製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウム焼結体は熱伝導性が良
好で放熱性に優れ、かつ電気絶縁性を有するので、半導
体用の基板材料として注目を集めている。
【0003】この窒化アルミニウム焼結体は概ね次のよ
うにして製造される。すなわち、窒化アルミニウム粉末
にイットリア(Y2 3 ),サマリア(Sm2 3 ),
カルシア(CaO)のような焼結助剤を所定量配合し、
更に必要に応じてアクリル系樹脂バインダーなどを添加
して全体を充分に混合し、得られた混合体を例えば加圧
成型して所定形状の窒化アルミニウム焼結前駆体(生成
形体)としたのち、これを例えば窒素雰囲気中にて所定
温度で焼結する。
【0004】ところで、半導体用の基板として窒化アル
ミニウム焼結体を用いる場合には、この窒化アルミニウ
ム焼結体の表面に導電性の薄層を形成することが必要と
なる。従来、この薄層は窒化アルミニウム焼結体の表面
にDBC法(DirectBond Cupper法)
や厚膜法を適用して形成された銅(Cu)、金(A
u)、銀−パラジウム(Ag−Pd)のメタライズ層で
あった。
【0005】しかしながら、従来のこの基板においては
次のような問題がある。
【0006】その第1は、形成された上記メタライズ層
と窒化アルミニウム焼結体表面との接合強度が低く往々
にして両者間に剥離現象が発生して基板の信頼性が低い
ということである。
【0007】第2の問題は、形成したメタライズ層に所
定の半導体素子もしくはワイヤーをろう付けしたり高温
はんだ付けをしたりする際に生起する問題である。すな
わち、例えばろう付けの場合は水素−窒素混合ガス中に
おいて約800℃近辺の温度で行われるが、上記メタラ
イズ層焼付け処理時の温度は通常600〜1000℃程
度の低温であるため、このろう付け時にメタライズ層と
窒化アルミニウム焼結体表面との接合強度が著しく低下
してしまい、事実上ろう付けが不可能になるということ
である。また高温はんだ付けの場合も同様の問題が発生
する。
【0008】第3の問題は、窒化アルミニウム焼結体と
メタライズ層との熱膨張率の差異に基づく問題である。
すなわち、ろう付け、高温はんだ付けの場合もそうであ
るが、シリコンウェハーのような半導体素子をマウント
させた基板はその使用時に過酷な加熱−冷却の熱サイク
ルを経験する。その結果、窒化アルミニウム焼結体−メ
タライズ層−ろう付け層(またははんだ層)−半導体素
子のそれぞれの接合面では、各層の熱膨張率の差異に基
づく熱応力が発生してそれぞれを剥離させる作用が生ず
る。
【0009】上記したメタライズ層の場合、窒化アルミ
ニウム焼結体(熱膨張率は約4.6×10-6/℃)の熱
膨張率よりもその値が約2〜4倍大きく、またろう付け
層(またははんだ層)と同等の値から1/2位の値であ
って窒化アルミニウムとの差が大きいので、熱サイクル
時にメタライズ層またはろう付け層(またははんだ付け
層)と窒化アルミニウムの界面に微小なクラックが発生
しやすい。その結果、熱サイクルが加重されるにつれて
この微小クラックは徐々に発達し、最終的にはマウント
した半導体素子の剥離を招くことがある。
【0010】このような問題は半導体素子をマウントさ
せた基板を実装した装置の信頼性を低下させて極めて不
都合である。
【0011】第4の問題は、上記メタライズ層と窒化ア
ルミニウム焼結体との高温下における接合強度が小さ
く、第2の場合と同様に高温使用時の信頼性が低いとい
うことである。
【0012】第5の問題は、完成された基板からその製
作工程を逆視した場合、熱エネルギー使用の面で不経済
であるということである。すなわち、完成基板を得るた
めには、窒化アルミニウム焼結前駆体を焼結し、その上
でこの焼結したものをメタライズ層形成のために再び焼
成するということである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記したよう
な課題を解決し、メタライズ層と窒化アルミニウム焼結
体表面との接合強度が高く剥離現象が発生せず、またろ
う付けやはんだ付けを行う際に不都合が発生せず、また
熱サイクルにも強く信頼性の高い導電性メタライズ層を
有する窒化アルミニウム焼結体の提供を目的とし、かつ
窒化アルミニウム焼結前駆体を焼結すると同時にその表
面に窒化アルミニウム焼結体と熱膨張率が近似してお
り、耐熱性も高く、しかも接合強度が高い導電性メタラ
イズ層を形成する製造方法の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、後述する3つの群
から選ばれた成分でメタライズ層を形成すればこの目的
を達成できることを見出だし、本発明の導電性メタライ
ズ層を有する窒化アルミニウム焼結体を完成した。
【0015】すなわち本発明の導電性メタライズ層を有
する窒化アルミニウム焼結体は、モリブデン,タングス
テンおよびタンタルよりなる群(第1の群)から選ばれ
た1種または2種以上と、アルミニウムおよび希土類元
素よりなる群(第2の群)から選ばれた1種または2種
以上、ならびにチタン,ジルコニウムおよびハフニウム
よりなる群(第3の群)から選ばれた1種または2種以
上(ただしチタンおよび/またはジルコニウムの水素化
物または酸化物のみを選ぶ場合には、重量比で前記第1
の群の総量の10分の1を超えるものとする)により構
成された導電性メタライズ層を窒化アルミニウム焼結体
母材の表面の少なくとも一部に有し、かつ前記導電性メ
タライズ層と前記窒化アルミニウム焼結体母材とが同時
に焼結されていることを特徴とする。
【0016】ここで第1の群であるモリブデン(M
o),タングステン(W)およびタンタル(Ta)はい
ずれも高融点を有する金属であり、耐熱性に優れ、かつ
窒化アルミニウム焼結体母材の熱膨張率とほぼ近似した
熱膨張率を有するものであり、メタライズ層の耐熱性お
よび耐熱サイクル特性の向上に資する成分である。
【0017】なお第1の群としてはMo,Wが好まし
く、特に単体が好ましい。
【0018】また第2の群であるアルミニウム(Al)
および希土類元素(スカンジウム(Sc),イットリウ
ム(Y),ランタン(La),セリウム(Ce),プラ
セオジム(Pr),ネオジム(Nd),プロメチウム
(Pm),サマリウム(Sm),ユウロピウム(E
u),ガドリニウム(Gd),テルビウム(Tb),ジ
スプロシウム(Dy),ホルミウム(Ho),エルビウ
ム(Er),ツリウム(Tm),イッテルビウム(Y
b),ルテチウム(Lu))は、窒化アルミニウム母材
とのぬれ性が良く、メタライズ層・中間層の反応を保護
し、強固なメタライズ層を形成する成分である。この第
2の群に属する元素のうち、好ましいものはAl,Y,
Ce,Pr,Nd,Dy,Smなどであり、特に好まし
いものは、Al,Y,Dy,Smなどである。
【0019】なお第2の群の各元素のうちでも窒化物,
酸化物が特に好ましい。
【0020】また第3の群であるチタン(Ti),ジル
コニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)はメタライ
ズ層形成工程、すなわち加熱工程において、窒化アルミ
ニウム母材とのぬれ性に優れているため導電性メタライ
ズ層と窒化アルミニウム焼結体母材との密着性の向上に
資する成分である。なおこの第3の群に属する元素のう
ち、特に好ましいものはTi,Zrなどである。これら
の水素化物および/または窒化物のみを用いる場合に
は、重量比で第1の群の総量の10分の1を超える量を
用いる。
【0021】なお第3の群としてはTi,Zrなどが好
ましいが、その中でもTiの窒化物,酸化物であるTi
N,TiO2 は特に好ましい。
【0022】導電性メタライズ層としては、第1の群で
あるモリブデン,タングステンおよびタンタルよりなる
群から選ばれた1種または2種以上が、導電性メタライ
ズ層全体の50〜95重量%であると、上記した耐熱性
および耐熱サイクル特性の点で好適である。
【0023】また本発明の導電性メタライズ層を有する
窒化アルミニウム焼結体は、半導体用基板として特に好
適である。
【0024】さらに本発明者らは第5の問題とした点に
ついても鋭意研究を重ねた結果、焼結前の窒化アルミニ
ウム成形体に後述するペーストを塗布し、両者を同時に
焼結すると優れたメタライズ層を窒化アルミニウム焼結
体の表面に形成することができることを見出だし、本発
明の導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結
体の製造方法を完成した。
【0025】すなわち本発明の導電性メタライズ層を有
する窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、窒化アルミ
ニウム焼結前駆体に、モリブデン,タングステンおよび
タンタルよりなる群(第1の群)から選ばれた単体また
はそれらの化合物から選ばれた1種または2種以上と、
アルミニウムおよび希土類元素よりなる群(第2の群)
から選ばれた単体またはそれらの化合物から選ばれた1
種または2種以上と、チタン,ジルコニウムおよびハフ
ニウムよりなる群(第3の群)から選ばれた単体または
それらの化合物から選ばれた1種または2種以上(ただ
しチタンまたはジルコニウムの水素化物および/または
酸化物のみを選ぶ場合には、重量比で前記第1の群の総
量の10分の1を超えるものとする)とを含むペースト
を塗布し、ついで全体を同時に焼結することを特徴とす
る。
【0026】第1の群、第2の群および第3の群の各成
分については上述したとおりである。なお第1の群につ
いては耐熱性および耐熱サイクル特性などの特性を最も
よく示す単体を用いるのが好ましい。また第2の群につ
いては窒化アルミニウムとのぬれ性などの特性を最もよ
く示す窒化物および/または酸化物を用いるのが好まし
い。さらに第3の群については窒化アルミニウムとのぬ
れ性などの特性を最もよく示す窒化物および/または酸
化物を用いるのが好ましい。この際、チタンまたはジル
コニウムの水素化物および/または酸化物のみを用いる
場合には、重量比で前記第1の群の総量の10分の1を
超えるものとすることは、上述と同様である。
【0027】なお導電性メタライズ層となるペーストと
しては、第1の群であるモリブデン,タングステンおよ
びタンタルよりなる群から選ばれた1種または2種以上
が、第1の群ないし第3の群の総量の50〜95重量%
であると、上記した耐熱性および耐熱サイクル特性の点
で好適である。
【0028】まず本発明に適用される窒化アルミニウム
焼結前駆体は、例えば所定粒度の窒化アルミニウム粉末
と、Y2 3 、YF3 、Sm2 3 、CaCO3 のよう
な焼結助剤の粉末とワックス系またはプラスチック系の
ようなバインダー成分とを所定量比で混合し、この混合
体を室温下において加圧成形またはドクターブレードに
よりシート状に成形した成形体である。窒化アルミニウ
ム粉末、焼結助剤粉末の粒度、混合比、または成形圧な
どは目的とする窒化アルミニウム焼結体の特性との関係
で適宜選定される。
【0029】また本発明の製造方法においては、この窒
化アルミニウム焼結前駆体は焼結後にその熱伝導率が5
0W/m・K以上となるようなものであることが好まし
い。
【0030】この窒化アルミニウム焼結前駆体に、後述
する組成のペーストが塗布される。塗布方法としては、
例えばスクリーン印刷、刷毛塗り、スピンローラー塗り
など周知の方法を適用すればよい。
【0031】本発明の製造方法にかかるペーストは、焼
結後メタライズ層に転化する3つの群とそれらを分散せ
しめる媒体とで構成される。
【0032】ここで第1の群としては、モリブデン,タ
ングステンおよびタンタルよりなる群から選ばれた単体
またはそれらの化合物から選ばれた1種または2種以上
である。
【0033】具体的には次のような成分である。すなわ
ち、モリブデン,タングステンまたはタンタルの単体金
属;これらの各種酸化物;これらの各種窒化物;これら
の各種炭化物;これらの各種ホウ化物;これらの各種ケ
イ化物;これらの各種酸窒化物;これらの各種炭窒化
物;これらの各種ハロゲン化物;これらの各種水素化
物;これらの各種水酸化物;これらの各種亜硝酸塩,硝
酸塩,亜硫酸塩,硫酸塩,ホウ酸塩,炭酸塩,ケイ酸
塩,リン酸塩,亜リン酸塩,塩酸塩,塩素酸塩,シュウ
酸塩,アンモニウム塩のような各種の塩;アトロンNT
a/700(商品名:日本曹達(株)製)などのアルコ
キシド,ゾルーゲルのような各種の有機金属化合物;な
らびに上記した成分の2種以上を適宜に混合した混合物
をあげることができる。これらの成分はそれぞれ単独で
用いてもよいし、また適宜に選定した2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0034】形成するメタライズ層の導電性を高めると
いう点では、特にMo,W,Taの各単体金属であるこ
とが好ましい。また融点が高く、メタライズ層の高温に
おける安定性が優れている点でW,Moが特に好まし
い。
【0035】次に第2の群としては、アルミニウムおよ
び希土類元素よりなる群から選ばれた単体またはそれら
の化合物から選ばれた1種または2種以上である。
【0036】希土類元素としては、Sc,Y,La,C
e,Pr,Nd,Sm,Gd,Dyなどをあげることが
できる。このうち、Y,Ce,Pr,Nd,Sm,Dy
が効果的であり、Y,Smは特に好適である。
【0037】具体的には次のような成分である。すなわ
ち、アルミニウムまたは希土類元素のそれぞれの単体金
属;これらの各種酸化物;これらの各種窒化物;これら
の各種炭化物;これらの各種ホウ化物;これらの各種ケ
イ化物;これらの各種酸窒化物;これらの各種炭窒化
物;これらの各種ハロゲン化物;これらの各種水素化
物;これらの各種水酸化物;これらの各種亜硝酸塩,硝
酸塩,亜硫酸塩,硫酸塩,ホウ酸塩,炭酸塩,ケイ酸
塩,リン酸塩,亜リン酸塩,塩酸塩,塩素酸塩,シュウ
酸塩,アンモニウム塩のような各種の塩;アルコキシ
ド,ゾルーゲルのような各種の有機金属化合物;ならび
に上記した成分の2種以上を適宜に混合した混合物をあ
げることができる。これらの成分はそれぞれ単独で用い
てもよいし、また適宜に選定した2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0038】また第3の群としては、チタン,ジルコニ
ウムおよびハフニウムよりなる群から選ばれた単体また
はそれらの化合物から選ばれた1種または2種以上であ
る。
【0039】具体的には次のような成分である。すなわ
ち、チタン,ジルコニウムおよびハフニウムのそれぞれ
の単体金属;これらの各種酸化物;これらの各種窒化
物;これらの各種炭化物;これらの各種ホウ化物;これ
らの各種ケイ化物;これらの各種酸窒化物;これらの各
種炭窒化物;これらの各種ハロゲン化物;これらの各種
水素化物;これらの各種水酸化物;これらの各種亜硝酸
塩,硝酸塩,亜硫酸塩,硫酸塩,ホウ酸塩,炭酸塩,ケ
イ酸塩,リン酸塩,亜リン酸塩,塩酸塩,塩素酸塩,シ
ュウ酸塩,アンモニウム塩のような各種の塩;アトロン
NTi(商品名:日本曹達(株)製)などのアルコキシ
ド,ゾルーゲルのような各種の有機金属化合物;ならび
に上記した成分の2種以上を適宜に混合した混合物をあ
げることができる。これらの成分はそれぞれ単独で用い
てもよいし、また適宜に選定した2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0040】これら第1の群、第2の群および第3の群
の成分を媒体に均一分散させて本発明にかかるペースト
を調製する。用いる媒体としては、例えばエチルセルロ
ース、ニトロセルロースとそれらの溶剤としてテレピネ
オール、テトラリン、ブチルカルビトールなどをあげる
ことができる。
【0041】このとき第1の群の成分と第2の群の成分
および第3の群の成分の重量比は、それぞれに選定され
た成分の種類によって変動するが、通常、第1の群:第
2の群+第3の群=1:100〜100:1であればよ
い。特に95:5〜50:50であれば耐熱性および耐
熱サイクル特性の点で好適である。
【0042】第1の群の成分が第2の群の成分および第
3の群の成分よりもあまりに多すぎる場合、すなわち第
1の群/第2の群+第3の群>95/5の場合には形成
されたメタライズ層の強度が低下するため好ましくな
い。また少なすぎる場合、すなわち第1の群/第2の群
+第3の群<50/50の場合にはその導電性が低くな
り、やはり好ましくない。
【0043】また第2の群:第3の群=1:10〜2:
1であれば、窒化アルミニウム母材とのぬれ性において
特に好適である。
【0044】第1の群、第2の群および第3の群の成分
の媒体への分散量は、得られたペーストの粘稠性との関
係で適宜決められる。第1の群が過多量である場合は、
得られたペーストが高粘稠となり窒化アルミニウム焼結
前駆体の表面への均一塗布が困難となる。また、その逆
に第1の群が過少量である場合は、ペーストの粘度が低
くなり過ぎ、塗布したペーストは窒化アルミニウム焼結
前駆体の表面から流化してしまう。通常、ペースト粘度
が1.0×105 〜2.5×105 ポイズとなるように
第1の群を分散させればよい。
【0045】本発明の製造方法は、上記したペーストを
窒化アルミニウム焼結前駆体の表面に塗布したのち全体
を同時に焼結する。この同時焼結に先立ち、窒化アルミ
ニウム焼結前駆体のバインダ成分およびペーストの媒体
を除去するために、例えば50〜700℃というような
温度で脱脂処理を施してもよい。
【0046】焼結は非酸化性雰囲気中で行うが、窒素雰
囲気中で行うのが好ましい。焼結温度,焼結時間は、焼
結後の窒化アルミニウム焼結体が所望の特性、例えば熱
伝導率50W/m・k以上となるような条件として設定
される。具体的には、焼結温度1600〜2000℃、
好ましくは1700〜1800℃であり、焼結時間は
0.2〜5時間、好ましくは0.5〜1.5時間であ
る。
【0047】このようにして、窒化アルミニウム焼結体
の表面には塗布されたペーストが変化したメタライズ層
が導電性の薄層として形成される。
【0048】
【作用】本発明の導電性メタライズ層を有する窒化アル
ミニウム焼結体によれば、母材である窒化アルミニウム
焼結体との接合強度が高く、かつ耐熱性に優れ、熱膨張
率も窒化アルミニウム焼結体と近似したメタライズ層が
得られる。
【0049】さらに本発明の導電性メタライズ層を有す
る窒化アルミニウム焼結体の製造方法によれば、熱経済
的に有利であり、製造工程の簡素化も実現できる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 ・実施例1 (1)ペーストの調製 第1の群として粒径0.5〜1.0μmのモリブデン単
体の粉末を用意し、第2の群の成分として粒径1.0〜
2.0μmの窒化アルミニウム粉末を、また第3の群の
成分として粒径1.0〜2.0μmの窒化チタン粉末を
用意した。
【0051】そして重量比でモリブデン:窒化アルミニ
ウム:窒化チタン=2:1:1(50:25:25)で
混合した。
【0052】得られた混合粉100重量部に対してエチ
ルセルロース7重量部を分散させて粘度2.0×105
ポイズのペーストとした。 (2)メタライズ層の形成 焼結助剤として酸化イットリウムを3重量%含有する窒
化アルミニウムのグリーンシートの片面に、(1)で調
製したペーストを厚さ15μmでローラー塗布した。
【0053】ついで700℃の窒素雰囲気中で3時間焼
成して脱脂処理を施したのち、全体を窒素気流中、18
00℃で2時間焼結した。
【0054】得られた窒化アルミニウム焼結体シートの
表面には、メタライズ層が形成されていた。このメタラ
イズ層の構成相はMoとAlNとTiNであることがX
線回折によって確認された。 (3)メタライズ層と窒化アルミニウム焼結体シートと
の接合強度 (2)で得られたメタライズ層の上に無電解めっき法に
よって厚み約3〜5μmのニッケルめっき層を形成し
た。ついで、800℃のホーミングガス中でめっき層を
アニールしたのち、ここに線径0.5mm、引張り強度
55kg/mm2のコバール線を銀ろうを用いてろう付
けした。ろう付け温度は800℃、雰囲気は水素50V
ol%、窒素50Vol%の混合ガス雰囲気であった。
【0055】その後、窒化アルミニウム焼結体シートを
固定し室温(20℃)下でコバール線を引張り、メタラ
イズ層の剥離状態を観察した。
【0056】引張り強さ2kg/mm2 のときにメタラ
イズ層とコバール線のろう付け部分が引きちぎられた。
すなわち、窒化アルミニウム焼結体シートとメタライズ
層との接合強度は2kg/mm2 以上であることが判明
した。 ・実施例2〜15 第1の群、第2の群および第3の群の成分をそれぞれ表
1に示したように選定し、他は実施例1と同様に各種の
ペーストの調製、窒化アルミニウムグリーンシート表面
への塗布、脱脂処理を行い、表1に示した条件で焼結し
た。
【0057】得られた各種の焼結体シートにおけるメタ
ライズ層と窒化アルミニウム焼結体シートとの接合強度
を実施例1と同様の方法で測定した。その結果をまとめ
て表1に示す。
【0058】
【表1】 ・比較例1 熱伝導率が70〜130W/m・kである3枚の窒化ア
ルミニウム焼結板の表面に厚膜法を適用してそれぞれ
金,銅,銀−パラジウム層を焼き付けた。
【0059】得られたメタライズ層のそれぞれにニッケ
ルメッキを施した銅ピンをはんだ付けしたのち、このピ
ンを引っ張ってメタライズ層と窒化アルミニウム焼結板
表面との接合強度を測定した。いずれの場合にも、約1
kg/mm2 であった。 ・比較例2 熱伝導率が70〜130W/m・kである窒化アルミニ
ウム焼結板の表面に実施例3で用いたペーストを塗布し
1700℃で焼き付けた。得られたメタライズ層に70
0〜800℃でコバールピンをろう付けし、このピンを
引張ることによって接合強度を測定したところ、2kg
/mm2 であった。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体
は、窒化アルミニウム焼結体表面にそれとの接合強度
が高い導電性メタライズ層が形成できた。またそのメ
タライズ層はモリブデン,タングステンおよびタンタル
などの高融点金属を含有しているために耐熱性が優れて
おり、かつ熱膨張率も窒化アルミニウム焼結体と近似し
た値であるため熱衝撃層としての機能も有するものであ
る。
【0061】さらに本発明の導電性メタライズ層を有す
る窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、窒化アルミ
ニウム焼結前駆体を焼結するのと同時に塗布したペース
トをメタライズ層に転化させるので、熱経済的に有利と
なった、などの効果を奏するものである。
【0062】そして本発明の導電性メタライズ層を有す
る窒化アルミニウム焼結体は上記した効果を奏すること
から、イグナイター,高周波トランス,コンデンサーの
ような基板部材;レーザ管用絶縁管,電力管用絶縁外囲
器,高周波電磁波進行波管の窓,高エネルギービーム照
射用窓,マグネトロンのような部材,チューブヒータ
ー,面ヒーター,シーズヒーター,はんだごて,アイロ
ンのプレス板,灸用器具,コーヒーメーカー用のヒータ
ー,ズボンプレッサー,ホットプレート,便座,調理用
なべ,熱転写プリンターのヘッド,プラグ,熱電対の保
護管,るつぼばさみの先端部,金属溶融用るつぼ,単結
晶引上げ用るつぼなどの部材に適用することができ、大
変有用である。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モリブデン,タングステンおよびタンタル
    よりなる群(第1の群)から選ばれた1種または2種以
    上と、アルミニウムおよび希土類元素よりなる群(第2
    の群)から選ばれた1種または2種以上、ならびにチタ
    ン,ジルコニウムおよびハフニウムよりなる群(第3の
    群)から選ばれた1種または2種以上(ただしチタンま
    たはジルコニウムの水素化物および/または酸化物のみ
    を選ぶ場合には、重量比で前記第1の群の総量の10分
    の1を超えるものとする)により構成された導電性メタ
    ライズ層を窒化アルミニウム焼結体母材の表面の少なく
    とも一部に有し、かつ前記導電性メタライズ層と前記窒
    化アルミニウム焼結体母材とが同時に焼結されているこ
    とを特徴とする導電性メタライズ層を有する窒化アルミ
    ニウム焼結体。
  2. 【請求項2】前記第1の群から選ばれるのは単体である
    請求項1記載の導電性メタライズ層を有する窒化アルミ
    ニウム焼結体。
  3. 【請求項3】前記第2の群から選ばれるのは窒化物およ
    び/または酸化物である請求項1記載の導電性メタライ
    ズ層を有する窒化アルミニウム焼結体。
  4. 【請求項4】前記第3の群から選ばれるのは窒化物およ
    び/または酸化物である請求項1記載の導電性メタライ
    ズ層を有する窒化アルミニウム焼結体。
  5. 【請求項5】前記第3の群から選ばれるのはチタンまた
    はジルコニウムである請求項1または4記載の導電性メ
    タライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体。
  6. 【請求項6】前記第3の群から選ばれるのはTiNまた
    はTiO2 である請求項1,4または5記載の導電性メ
    タライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体。
  7. 【請求項7】前記第1の群は前記導電性メタライズ層の
    50〜95重量%である請求項1または2記載の導電性
    メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体。
  8. 【請求項8】前記導電性メタライズ層を有する窒化アル
    ミニウム焼結体が、半導体用基板である請求項1ないし
    7記載の導電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム
    焼結体。
  9. 【請求項9】窒化アルミニウム焼結前駆体に、モリブデ
    ン,タングステンおよびタンタルよりなる群(第1の
    群)から選ばれた単体またはそれらの化合物から選ばれ
    た1種または2種以上と、アルミニウムおよび希土類元
    素よりなる群(第2の群)から選ばれた単体またはそれ
    らの化合物から選ばれた1種または2種以上と、チタ
    ン,ジルコニウムおよびハフニウムよりなる群(第3の
    群)から選ばれた単体またはそれらの化合物から選ばれ
    た1種または2種以上(ただしチタンまたはジルコニウ
    ムの水素化物および/または酸化物のみを選ぶ場合に
    は、重量比で前記第1の群の総量の10分の1を超える
    ものとする)とを含むペーストを塗布し、ついで全体を
    同時に焼結することを特徴とする導電性メタライズ層を
    有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  10. 【請求項10】前記第1の群から選ばれるのは単体であ
    る請求項9記載の導電性メタライズ層を有する窒化アル
    ミニウム焼結体の製造方法。
  11. 【請求項11】前記第2の群から選ばれるのは窒化物ま
    たは酸化物である請求項9記載の導電性メタライズ層を
    有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  12. 【請求項12】前記第3の群から選ばれるのは窒化物ま
    たは酸化物である請求項9記載の導電性メタライズ層を
    有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  13. 【請求項13】前記第3の群から選ばれるのはチタンま
    たはジルコニウムである請求項9または12記載の導電
    性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造
    方法。
  14. 【請求項14】前記第3の群から選ばれるのはTiNま
    たはTiO2 である請求項9,12または13記載の導
    電性メタライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体の製
    造方法。
  15. 【請求項15】前記第1の群は前記ペースト全体の50
    〜95重量%である請求項9または10記載の導電性メ
    タライズ層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方
    法。
  16. 【請求項16】前記導電性メタライズ層を有する窒化ア
    ルミニウム焼結体が、半導体用基板である請求項9ない
    し15記載の導電性メタライズ層を有する窒化アルミニ
    ウム焼結体の製造方法。
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