JPH08109315A - 樹脂組成物、その樹脂組成物で被覆された電子部品、およびその樹脂組成物で被覆された圧電セラミック部品 - Google Patents

樹脂組成物、その樹脂組成物で被覆された電子部品、およびその樹脂組成物で被覆された圧電セラミック部品

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JPH08109315A
JPH08109315A JP24586794A JP24586794A JPH08109315A JP H08109315 A JPH08109315 A JP H08109315A JP 24586794 A JP24586794 A JP 24586794A JP 24586794 A JP24586794 A JP 24586794A JP H08109315 A JPH08109315 A JP H08109315A
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resin
resin composition
piezoelectric ceramic
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parts
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JP24586794A
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Akihiko Kawakami
章彦 川上
Katsuaki Azuma
克明 東
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度を備えた上層部と可撓性を備えた下層部
との二層構造を容易に形成することが可能な樹脂組成物
を提供する。また、本発明の樹脂組成物で被覆された電
子部品は、物理的外力に耐えることができる機械的強度
を有するとともに電気的特性および品質を維持すること
が可能である。さらに、本発明の樹脂組成物で被覆され
た圧電セラミック部品は、圧電セラミック板を物理的外
力や外装樹脂の締め付けから保護するとともに、圧電セ
ラミック板への不要振動の反射を吸収し、かつ外部電極
のメッキを確実にすることが可能である。 【構成】 ベース樹脂のビスフェノールF型エポキシ樹
脂およびダイマー酸変性エポキシ樹脂と、充填剤の中空
ガラスと、硬化剤とを含むことを特徴とする樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂組成物、その樹脂組
成物で被覆された電子部品、およびその樹脂組成物で被
覆された圧電セラミック部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子部品はその機能を維持す
る目的で、色々な樹脂でポッティング、キャスティング
またはコーティング等の処理が施されている。例えば、
セラミックフィルターには圧電セラミック板を外部環境
から保護する目的で外装樹脂が塗装されている。
【0003】ところが、混成集積回路、セラミックフィ
ルター、コンデンサ等の電子部品においては、樹脂の残
留応力が電気特性や機械的特性に大きな影響を及ぼす。
例えば、セラミックフィルターの場合には、次のような
問題を有していた。
【0004】(1)外装樹脂の締め付けが大きいと、圧
電セラミック板に応力が加わり、セラミックフィルター
の電気的特性が低下し、ひどい場合には圧電セラミック
板にクラックが発生する。
【0005】(2)圧電セラミック板で発生した振動が
外装樹脂に伝播するとき、その振動を外装樹脂で吸収で
きないと圧電セラミック板に反射して電気的特性の低下
が生じる。
【0006】そこで、電子部品に樹脂を用いる際には、
樹脂の可撓性が重要な機能となるとともに、樹脂の低応
力化が重要となっている。
【0007】しかし、樹脂の可撓性を大きくすればする
ほど、樹脂の機械的強度や耐湿性の低下が生じる。例え
ば、可撓性樹脂を外装樹脂に用いた場合、この樹脂だけ
では樹脂強度が低いため、内部の素子を強度的に補強す
る効果がなく、また、耐湿信頼性も得ることができな
い。
【0008】これらの問題を解決するための方法とし
て、特開平1−165195号や実開昭60−2744
0号等で樹脂の二層構造が示されている。これらは例え
ばシリコーン樹脂のような柔らかい樹脂をはじめにコー
ティングし、次にエポキシ樹脂のような硬い樹脂をコー
ティングするといったものである。
【0009】また、樹脂を低応力化する方法は、現状で
はダイマー酸変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレ
タン樹脂あるいはアクリロニトリルブタジエン共重合体
等を配合して弾性率を下げるか、無機充填剤を多量に配
合して線膨張係数を下げる等の方法が行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来の樹脂組成物では次のような問題点があった。 (1)樹脂を二層構造にする方法では、例えばシリコー
ン樹脂とエポキシ樹脂のような異種材料の組み合わせに
おいては、樹脂同士の界面における密着性やなじみ等の
問題があり、樹脂同士のマッチングを考慮しなければな
らない。また、2種類の樹脂を用いることは、樹脂の管
理、硬化、注型、および塗布などを樹脂毎に行わねばな
らず、生産工程が煩雑になってしまう。
【0011】(2)樹脂を低応力化する方法において、
樹脂の弾性率を下げる前者の方法では、樹脂の耐熱性、
耐湿性、および機械的強度が大きく低下するため電子部
品の信頼性を損なってしまい、また、線膨張係数を低下
させる後者の方法では、無機充填剤を樹脂に高充填させ
るため、粘度が高くなり作業性が著しく低下する。
【0012】また、上記のような従来の樹脂組成物で被
覆された電子部品およびセラミックフィルターでは次の
ような問題点があった。 (3)樹脂を低応力化する方法において、前者の樹脂の
弾性率を下げる方法による樹脂組成物を用いる場合に
は、外装樹脂の強度低下が著しく、圧電セラミック板な
どのエレメントを物理的な外力から保護することができ
ない。
【0013】(4)後者の線膨張係数を低下させる方法
による樹脂組成物を用いる場合には、マトリックスであ
る樹脂の比率が小さく外装樹脂がポーラスになるため、
チップフィルターなどでは樹脂にメッキ液が吸収され、
外部電極のメッキができない。また、耐湿信頼性が低
い。
【0014】本発明は、可撓性を備えた下層部と、強度
を備えた上層部との二層構造を容易に形成することがで
きる樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0015】また、本発明は、物理的外力に耐えること
ができる機械的強度を有するとともに、電気的特性およ
び品質を維持することが可能な樹脂組成物およびその樹
脂組成物で被覆された電子部品を提供することを目的と
する。
【0016】さらに、本発明は、圧電セラミック板を物
理的外力や外装樹脂の締め付けから保護するとともに、
圧電セラミック板への振動の反射を吸収し、かつ外部電
極のメッキを確実にすることが可能な圧電セラミック部
品を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂組成物は、
上記のような問題点を解決するためになされたもので、
可撓性を有するベース樹脂と、中空状の充填剤と、硬化
剤とを含むことを特徴とするものである。
【0018】また、本発明の樹脂組成物は、前記可撓性
を有するベース樹脂は、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂とダイマー酸変性エポキシ樹脂とを含むことを特徴と
するものである。
【0019】また、本発明の樹脂組成物は、前記中空状
の充填剤は、ガラスからなることを特徴とするものであ
る。
【0020】さらに、本発明の樹脂組成物は、シリコー
ン系消泡剤からなる添加剤を含むことを特徴とするもの
である。
【0021】また、本発明の樹脂組成物で被覆された電
子部品は、電子部品用基板と、前記電子部品用基板の少
なくとも一部を覆うようにして設けられた外装樹脂とを
備えている電子部品であって、前記外装樹脂は、請求項
1から請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物からな
り、少なくともベース樹脂からなる下層部と、少なくと
も中空状の充填剤およびベース樹脂とからなる上層部と
の層構造を形成していることを特徴とするものである。
【0022】また、本発明の樹脂組成物で被覆された圧
電セラミック部品は、圧電セラミック板と、前記圧電セ
ラミック板の対向平面に設けられた圧電共振電極と、前
記圧電セラミック板を覆うように上下に設けられた外装
樹脂と、前記圧電共振電極に導通する外部電極とを備え
ているとともに、前記外装樹脂は、請求項1から請求項
4のいずれかに記載の樹脂組成物からなり、少なくとも
ベース樹脂からなる下層部と、少なくとも中空状の充填
剤およびベース樹脂とからなる上層部との層構造を形成
していることを特徴とするものである。
【0023】
【作用】本発明の樹脂組成物では、ベース樹脂と中空状
の充填剤との比重の差により、一種類の樹脂組成物で少
なくともベース樹脂からなる可撓性を備えた下層部と、
少なくとも中空状の充填剤とベース樹脂とからなる強度
を備えた上層部との二層構造を形成することができる。
【0024】また、ベース樹脂がビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂とダイマー酸変性エポキシ樹脂とを含む場合
には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とダイマー酸変
性エポキシ樹脂とは共に粘度が低いので、充填剤の配合
による粘度の上昇を防止することができる。
【0025】また、充填剤がガラスからなる場合には、
ガラスは線膨張係数が低いのでガラスを含む上層部の膨
張を低減させることができる。
【0026】さらに、シリコーン系消泡剤からなる添加
剤を含む場合には、ベース樹脂を硬化させるときに巻き
込まれる空気を除去することができる。
【0027】また、本発明の樹脂組成物で被覆された電
子部品では、電子部品用基板を少なくともベース樹脂か
らなる可撓性を備えた下層部と、少なくとも中空状の充
填剤とベース樹脂とからなる強度を備えた上層部との二
層構造を形成する外装樹脂で覆うことによって、上層部
で電子部品用基板を物理的外力から保護し、下層部で外
装樹脂による締め付けを低減し、電子部品用基板に対す
る応力を弱めることができる。
【0028】また、本発明の樹脂組成物で被覆された圧
電セラミック部品では、少なくとも中空状の充填剤とベ
ース樹脂とからなる強度を備えた上層部によって圧電セ
ラミック板を物理的外力から保護し、かつ、メッキ液の
吸収を防止できる。また、少なくともベース樹脂からな
る可撓性を備えた下層部によって外装樹脂による締め付
けを低減し、かつ、圧電セラミック板の不要振動を吸収
することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の樹脂組成物、その樹脂組成物
で被覆された電子部品、およびその樹脂組成物で被覆さ
れた圧電セラミック部品の実施例について説明する。 (実施例1)表1に、本発明の樹脂組成物である実施例
1−1ないし実施例1−3の組成を示す。実施例1−1
は、ベース樹脂であるビスフェノールF型エポキシ樹脂
(エポキシ当量180)が100重量部、ベース樹脂で
あり、かつ可撓性付与剤であるダイマー酸変性エポキシ
樹脂(エポキシ当量430)が100重量部、添加剤で
あるシリコーン系消泡剤が0.02重量部、充填剤であ
る中空ガラス(比重0.24)が13重量部、硬化剤で
ある変性脂肪族ポリアミンが30重量部からなってい
る。
【0030】実施例1−2は、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂が100重量部、ダイマー酸変性エポキシ樹脂
が100重量部、シリコーン系消泡剤が0.02重量
部、中空ガラスが26重量部、変性脂肪族ポリアミンが
30重量部からなっている。
【0031】実施例1−3は、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂が100重量部、ダイマー酸変性エポキシ樹脂
が100重量部、シリコーン系消泡剤が0.02重量
部、中空ガラスが40重量部、変性脂肪族ポリアミンが
30重量部からなっている。
【0032】なお、比較のために、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂が100重量部、ダイマー酸変性エポキシ
樹脂が100重量部、シリコーン系消泡剤が0.02重
量部、変性脂肪族ポリアミンが30重量部からなり、充
填剤である中空ガラスを含んでいない比較例1−1を表
1に併せて示す。
【0033】
【表1】
【0034】また、上述した実施例1−1ないし比較例
1−1の樹脂組成物を用いて樹脂硬化物を作成する。樹
脂硬化物は、深さ4mm、縦および横100mmの金型
に樹脂を注型し、150℃、1時間加熱して作製した。
この樹脂硬化物を所望するサイズに切り出して物性評価
用サンプルを得た。この樹脂硬化物の断面図を図1に示
す。
【0035】図1において、1は上層部であり、3は下
層部である。樹脂と中空ガラスとの比重差により、上層
部1には樹脂成分と中空ガラスとが含まれており、また
下層部3には樹脂成分のみが含まれている。
【0036】さらに、実施例1−1ないし比較例1−1
の組成で作成されたこの樹脂硬化物を用いて、樹脂硬化
物の曲げ強度(MPa)と硬度(ショアーD)との特性
を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】なお、表2中の硬度のガラス側は図1の上
層部であり、樹脂と中空ガラスとで形成されており、ま
た、硬度の樹脂側は図1の下層部であり、中空ガラスを
含んでいない樹脂のみで形成されている。さらに、曲げ
強度はJISK6911に準拠して測定している。
【0039】表2の結果から、本発明の樹脂組成物を用
いた実施例1−1ないし実施例1−3の樹脂硬化物で
は、比較例1−1に比べて、低い硬度を保ちながら高い
曲げ強度を有することが分かる。
【0040】ところで、上記実施例ではベース樹脂とし
てビスフェノールF型エポキシ樹脂とダイマー酸変性エ
ポキシ樹脂とを用いたが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、エポキシ樹脂以外のウレタン樹脂、アクリ
ル樹脂、エステル樹脂、シリコーン樹脂等でもよい。ま
た、固形の樹脂でも溶剤で溶解して液体にすれば、本発
明を妨げるものではない。
【0041】また、上記実施例では硬化剤として変性脂
肪族ポリアミンを用いたが、これは酸無水物の硬化剤に
比べて少ない添加量で硬化させることができるためであ
って、本発明はこれに限定されるものではなく、硬化剤
は主剤を硬化させるものであれば特に限定されない。
【0042】さらに、上記実施例では充填剤として比重
0.24、平均粒径65μmの中空ガラスを用いたが、
本発明の液体樹脂よりも比重が小さく、かつ、目的とす
る樹脂強度以上の強度を有するものであれば、無機材
料、有機材料、金属材料等特に限定されるものではない
が、その比重は中空ガラスが図1の上層部1に浮き上が
って完全に含まれるためにも、液体樹脂の比重に対し5
0%以下が望ましい。
【0043】(実施例2)表3に、本発明の樹脂組成物
である実施例2−1の組成を示す。実施例2−1は、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂が50重量部、ダイマー
酸変性エポキシ樹脂が50重量部、表面処理剤が1重量
部、シリコーン系消泡剤が0.03重量部、中空ガラス
(比重:0.24)が13.3重量部、変性脂肪族ポリ
アミンが29.7重量部からなっている。
【0044】なお、比較のために、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂が50重量部、ダイマー酸変性エポキシ樹
脂が50重量部、表面処理剤が1重量部、シリコーン系
消泡剤が0.03重量部、シリカ(比重:2.2)が1
22.9重量部、変性脂肪族ポリアミンが29.7重量
部からなる比較例2−1と、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂が50重量部、ダイマー酸変性エポキシ樹脂が5
0重量部、表面処理剤が1重量部、シリコーン系消泡剤
が0.03重量部、変性脂肪族ポリアミンが29.7重
量部からなる比較例2−2とを表3に併せて示す。比較
例2−1は中空ガラスを含まず、シリカを含んでいる。
比較例2−2は中空ガラス、シリカともに含んでいな
い。
【0045】
【表3】
【0046】なお、実施例2−1で配合した中空ガラス
と比較例2−1で配合したシリカとは同体積である。ま
た、実施例2−1ないし比較例2−2で配合した表面処
理剤は、樹脂成分と中空ガラスとのなじみをよくするた
めのものであり、耐湿性、強度を向上させることができ
る。
【0047】また、上述した実施例2−1ないし比較例
2−2の樹脂組成物を用いて樹脂硬化物を作成する。樹
脂硬化物は、深さ4mm、縦および横100mmの金型
に樹脂を注型し、150℃、1時間加熱して作製した。
この樹脂硬化物を所望するサイズに切り出して物性評価
用サンプルを得た。
【0048】ここで、実施例2−1ないし比較例2−2
の組成で作成されたこの樹脂硬化物を用いて、樹脂硬化
物の物理的特性として曲げ弾性率を、熱的特性としてガ
ラス転移点および線膨張係数を測定した。また、完成品
にして評価した耐ヒートショック性(耐H/S性)の評
価を行った。これらを表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】なお、表4中の耐ヒートショック性評価
は、−55℃/30分、85℃/30分を1サイクルと
する冷熱サイクルを25回繰り返し、試験数10個の内
1つでもクラックが発生した場合はNGと判断した。
【0051】表4の結果から、本発明の樹脂組成物を用
いた実施例2−1では、中空ガラスを配合しているため
に比較例2−1および比較例2−2に比べて残留応力が
少なく、耐ヒートショック性に優れた外装樹脂を形成す
ることができる。
【0052】ところで、上記実施例ではベース樹脂とし
てビスフェノールF型エポキシ樹脂とダイマー酸変性エ
ポキシ樹脂とを用いたが、特にこれに限定されるもので
はなく、エポキシ樹脂以外のウレタン樹脂、アクリル樹
脂、エステル樹脂、シリコーン樹脂等でもよい。また、
固形の樹脂においても中空の充填剤を破損せずに混練す
れば本発明を妨げるものではない。
【0053】また、上記実施例では硬化剤として変性脂
肪族ポリアミンを用いたが、本発明はこれに限定される
ものではなく、硬化剤は主剤を硬化させるものであれば
特に限定されない。
【0054】さらに、上記実施例では充填剤として中空
ガラスを用いたが、中空の材料であれば材質はカーボ
ン、アルミナ、ジルコニア、フェノール、塩化ビニリデ
ン等、特に限定されず、また必要に応じてこれらを混合
して用いてもよい。
【0055】また、充填剤は中空のものを樹脂中に5v
ol%以上配合すれば発明の効果が得られるが、望まし
くは10〜60vol%の範囲内がよい。中空の充填剤
の配合量が5vol%より少ないと残留応力を十分に低
下できず、80vol%以上だと樹脂の粘度が大きく増
加し、作業性が著しく低下する。
【0056】(実施例3)表5に、本発明の樹脂組成物
である実施例3−1の組成を示す。実施例3−1は、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂が100重量部、ダイマ
ー酸変性エポキシ樹脂が100重量部、シリコーン系消
泡剤が0.04重量部、中空ガラスが26重量部、変性
脂肪族ポリアミンが30重量部からなっている。
【0057】なお、比較のために、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂が100重量部、ダイマー酸変性エポキシ
樹脂が100重量部、シリコーン系消泡剤が0.04重
量部、変性脂肪族ポリアミンが30重量部からなる比較
例3−1を表5に併せて示す。比較例3−1は中空ガラ
スを含んでいない。
【0058】
【表5】
【0059】次に、実施例3−1の樹脂組成物を用いて
形成されたセラミックフィルターの断面図を図2に示
す。このセラミックフィルターは、断面中央付近に圧電
セラミック板5を有し、圧電セラミック板5の対向平面
には圧電共振電極7が設けられている。また、圧電セラ
ミック板5の中央付近には振動空間用の空洞部6が形成
されており、圧電セラミック板5の上下部は圧電共振電
極7を介して実施例3−1の樹脂組成物からなる外装樹
脂8で覆われている。そして、圧電共振電極7に導通す
る外部電極9が圧電セラミック板5および外装樹脂8で
形成される上下面の少なくとも一方、または側面に付与
されている。
【0060】この外装樹脂8は上層部1と下層部3とか
らなる層構造を形成している。上層部1は、実施例3−
1の樹脂組成物を加熱硬化させると、樹脂よりも比重が
小さい中空ガラスが浮きでて硬化するため、樹脂と中空
ガラスとを含んでいる。また、下層部3は、樹脂成分の
みが含まれている。なお、外装樹脂8の注型は、金型枠
の中央にエレメントを保持し、片面ずつ注型する。
【0061】さらに、圧電セラミック板5の両端には外
部電極9が設けられている。図2においては外部電極9
は中央部にも設けられており、左右で同様の構造となっ
ている。
【0062】さらに、実施例3−1および比較例3−1
の組成で形成されたセラミックフィルターの電気的特
性、たわみ強度、および外装樹脂の強度の評価を表6に
示す。
【0063】
【表6】
【0064】なお、表6中のたわみ強度は、45mm×
100mm×0.8mmのガラエポ基板の中央部にセラ
ミックフィルターをはんだ付けし、支点間距離900m
m、たわみ速度3mm/minでセラミックフィルター
を実装した裏側からガラエポ基板に荷重を加えてたわま
せ、3mmたわんだ時にフィルターの機能を有している
かで判断した。また、樹脂強度は実施例3−1と比較例
3−1との相対的な判断であり、電気的特性は従来のも
のと比較した場合の判断である。
【0065】表6の結果から、実施例3−1の樹脂組成
物を用いたセラミックフィルターでは、比較例3−1に
比べて、樹脂強度とたわみ強度とが良好である結果が得
られた。
【0066】ところで、上記実施例ではセラミックフィ
ルターについて説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、セラミック共振子等の圧電セラミック部
品でもよい。
【0067】(実施例4)表7に、本発明の樹脂組成物
である実施例4−1および実施例4−2の組成を示す。
実施例4−1は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が3
0重量部、ダイマー酸変性エポキシ樹脂が70重量部、
シリコーン系消泡剤が0.02重量部、中空ガラスが3
4重量部、変性脂肪族ポリアミンが22重量部からなっ
ている。
【0068】実施例4−2は、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂が30重量部、ダイマー酸変性エポキシ樹脂が
70重量部、シリコーン系消泡剤が0.02重量部、中
空ガラスが54重量部、変性脂肪族ポリアミンが20重
量部からなっている。
【0069】
【表7】
【0070】なお、比較のために、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂が100重量部、硬化剤であるフェノール
樹脂が78重量部、シリカが500重量部、酸化チタン
が21重量部、有機溶剤であるキシレンが67重量部か
らなる比較例4−1を表8に示す。
【0071】
【表8】
【0072】次に、表7、表8に示した実施例4−1な
いし比較例4−1の樹脂組成物をプラネタリーミキサー
に投入し、60分間混練させて外装樹脂を得た。ただ
し、中空ガラスは混練時のせん断力で破壊される恐れが
あるため、60分間混練後に投入して、5分間混練を行
った。
【0073】実施例4−1ないし比較例4−1の組成で
得られた外装樹脂をセラミックフィルターに実装し、電
気的特性の評価を行った。
【0074】その結果、中空ガラスが比較例4−1のよ
うな溶剤型外装樹脂の気泡と同様な効果を発揮し、実施
例4−1および実施例4−2は、比較例4−1のような
溶剤型外装樹脂と同様の電気的特性が得られた。
【0075】ところで、比較例4−1のような溶剤型外
装樹脂は、シリカのような充填剤を多量に充填しておけ
ば、その硬化物中には比較的簡単に多数の気泡が形成さ
れる。この気泡は例えばセラミックフィルター等の圧電
セラミック部品では圧電セラミック板の不要振動を吸収
する働きがあり、それによって圧電セラミック部品の電
気的特性を向上させることができる。実施例4−1およ
び実施例4−2では、中空状の充填剤である中空ガラス
が外装樹脂内に充填されることによって、多数の気泡が
形成されるのと同様の効果を得ることができ、圧電セラ
ミック部品の電気的特性を向上させることができる。
【0076】ところが、比較例4−1のような有機溶剤
を用いた外装樹脂は、有機溶剤が揮発することで粘度が
変化して作業性が安定しないことや、消防上の危険性あ
るいは安全衛生上の作業者への有害性が問題となる。さ
らに、近年では環境問題により外装樹脂に有機溶剤を用
いないことが望まれるため、実施例4−1および実施例
4−2を用いることは効果的である。
【0077】ここで、上記実施例では、充填剤として中
空ガラス(グレースジャパン(株)製、商品名:FTD
−202)を用いたが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、市販されているカーボンバルーンやアクリル
バルーン等でもよい。中空の充填剤の配合量は特に限定
されるものではないが、5vol%以下では発明の効果
が望めず、85vol%を越えると外装樹脂の粘度が高
くなりすぎて作業性が悪くなるため、30vol%〜6
0vol%が望ましい。
【0078】また、上記実施例では、ベース樹脂として
可撓性付与剤であるダイマー酸変性エポキシ樹脂を配合
し、弾性率を下げることでエレメントのクラックを防止
したが、従来の溶剤型外装樹脂のように、シリカ等の充
填剤を多量に配合する手段でエレメントのクラックを防
止してもよい。
【0079】さらに、上記実施例ではセラミックフィル
ターについて説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、セラミック共振子等の圧電セラミック装置
でもよい。
【0080】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物では、一種類の樹脂
組成物で、強度を備えた上層部と可撓性を備えた下層部
との二層構造を形成できるので、容易に製造することが
可能である。また、上層部が強度を備えることにより、
物理的外力に耐えることができる機械的強度を有すると
ともに、下層部が可撓性を有することにより、電気的特
性および品質を維持することが可能である。
【0081】また、ベース樹脂がビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂とダイマー酸変性エポキシ樹脂とを含む場合
には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とダイマー酸変
性エポキシ樹脂とは共に粘度が低いため、充填剤の配合
による粘度の上昇を防止することができるので、作業性
を向上させることが可能である。
【0082】また、充填剤がガラスからなる場合には、
ガラスは線膨張係数が低いのでガラスを含む上層部の膨
張を低減させることができるので、それによる下層部へ
の応力も低減させることが可能である。
【0083】また、シリコーン系消泡剤からなる添加剤
を含む場合には、樹脂を硬化させるときに巻き込まれる
空気を除去することができるため、より確実に樹脂組成
物を形成することが可能である。
【0084】また、本発明の樹脂組成物で被覆された電
子部品では、電子部品用基板を強度を備えた上層部と可
塑性を備えた下層部との二層構造を形成する樹脂組成物
で覆うことによって、上層部で電子部品用基板を物理的
外力から保護し、下層部で外装樹脂による締め付けを低
減し、電子部品用基板に対する応力を弱めることができ
るので、物理的外力に対する機械的強度を有するととも
に、電気的特性および品質を維持することが可能であ
る。
【0085】さらに、本発明の樹脂組成物で被覆された
圧電セラミック部品では、上層部によって圧電セラミッ
ク板を物理的外力から保護し、かつ、メッキ液の吸収を
防止できるので、外部電極のメッキが確実にすることが
可能である。また、下層部によって外装樹脂による締め
付けを低減し、かつ、圧電セラミック板の不要振動を吸
収することができるので、その振動が圧電セラミック板
に反射することを防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図。
【図2】本発明の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1 上層部 3 下層部 5 圧電セラミック板 6 空洞部 7 圧電共振電極 8 外装樹脂 9 外部電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有するベース樹脂と、中空状の
    充填剤と、硬化剤とを含むことを特徴とする樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記可撓性を有するベース樹脂は、ビス
    フェノールF型エポキシ樹脂とダイマー酸変性エポキシ
    樹脂とを含むことを特徴とする請求項1記載の樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記中空状の充填剤は、ガラスからなる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 シリコーン系消泡剤からなる添加剤を含
    むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに
    記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 電子部品用基板と、前記電子部品用基板
    の少なくとも一部を覆うようにして設けられた外装樹脂
    とを備えている電子部品であって、前記外装樹脂は、請
    求項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物から
    なり、少なくともベース樹脂からなる下層部と、少なく
    とも中空状の充填剤およびベース樹脂とからなる上層部
    との層構造を形成していることを特徴とする電子部品。
  6. 【請求項6】 圧電セラミック板と、前記圧電セラミッ
    ク板の対向平面に設けられた圧電共振電極と、前記圧電
    セラミック板を覆うように上下に設けられた外装樹脂
    と、前記圧電共振電極に導通する外部電極とを備えてい
    るとともに、前記外装樹脂は、請求項1から請求項4の
    いずれかに記載の樹脂組成物からなり、少なくともベー
    ス樹脂からなる下層部と、少なくとも中空状の充填剤お
    よびベース樹脂とからなる上層部との層構造を形成して
    いることを特徴とする圧電セラミック部品。
JP24586794A 1994-10-12 1994-10-12 樹脂組成物、その樹脂組成物で被覆された電子部品、およびその樹脂組成物で被覆された圧電セラミック部品 Pending JPH08109315A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000302841A (ja) * 1999-02-18 2000-10-31 Three Bond Co Ltd エポキシ樹脂組成物
JP2008530270A (ja) * 2005-02-08 2008-08-07 ピーアールシー−デソト インターナショナル,インコーポレイティド 燃料耐性を示す組成物およびその組成物を製造する方法
CN105176006A (zh) * 2015-07-20 2015-12-23 昆明理工大学 一种1-3型压电陶瓷/环氧树脂复合材料制备方法
JP2025036311A (ja) * 2023-08-29 2025-03-14 林園先進材料科技股▲フェン▼有限公司 カーボンブラック、それを含むシーラントおよびその応用

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