JPH0811004A - 高硬度複合被覆工具 - Google Patents
高硬度複合被覆工具Info
- Publication number
- JPH0811004A JPH0811004A JP6170397A JP17039794A JPH0811004A JP H0811004 A JPH0811004 A JP H0811004A JP 6170397 A JP6170397 A JP 6170397A JP 17039794 A JP17039794 A JP 17039794A JP H0811004 A JPH0811004 A JP H0811004A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- tool
- coating film
- components
- thickness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 工具上に直接にcBN膜を形成しようとする
ものではなく、混合層あるいは中間層を介在させて密着
性を高めて十分に工具に適用される性能を有する高硬度
な被覆膜を得ること。 【構成】 超硬合金、サ−メット、セラミックのいずれ
かが母材質となる工具に、被覆膜の成分がTiN、Ti
CN、TiC、TiCNOを含む膜厚が0.2μm〜
2.0μmの最下層を有し、その層上に、CBN、hB
N、wBN、アモルファス状BN、TiBN、または
TiB2 のうち2種以上の成分及びTiN、TiC
N、TiC、TiO、TiCNO成分の内1種乃至2種
を含む膜厚が0.3μm〜2.5μmで最上層を有し、
この2層間に金属あるいは硼素等の単体を含ませること
なく積層し、かつ全体の膜厚が0.5〜4.0μmの範
囲にある高硬度複合被覆工具。
ものではなく、混合層あるいは中間層を介在させて密着
性を高めて十分に工具に適用される性能を有する高硬度
な被覆膜を得ること。 【構成】 超硬合金、サ−メット、セラミックのいずれ
かが母材質となる工具に、被覆膜の成分がTiN、Ti
CN、TiC、TiCNOを含む膜厚が0.2μm〜
2.0μmの最下層を有し、その層上に、CBN、hB
N、wBN、アモルファス状BN、TiBN、または
TiB2 のうち2種以上の成分及びTiN、TiC
N、TiC、TiO、TiCNO成分の内1種乃至2種
を含む膜厚が0.3μm〜2.5μmで最上層を有し、
この2層間に金属あるいは硼素等の単体を含ませること
なく積層し、かつ全体の膜厚が0.5〜4.0μmの範
囲にある高硬度複合被覆工具。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物理蒸着法により積層被
覆を施した金属材料等の切削加工用の高硬度複合被覆工
具に関する。
覆を施した金属材料等の切削加工用の高硬度複合被覆工
具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の物理蒸着法による被覆工具はTi
Nを中心として各種の切削工具に応用されている。物理
蒸着法ではイオンプレ−ティングやスパッタイオンプレ
−ティングが用いられ、600℃以下といった低温での
被覆が可能なため熱処理を必要とする高速度工具鋼やダ
イス鋼にも用いられ、また薄膜であるため超硬合金やセ
ラミックスの最終工程でも処理が可能となり急速に用途
が広まりつつある。一方、窒化硼素いわゆるcBNはこ
れらの方法やあるいはイオンアシスト法等で成膜が試み
られているが実用的な工具に適用され市販されるに至っ
てはいない。
Nを中心として各種の切削工具に応用されている。物理
蒸着法ではイオンプレ−ティングやスパッタイオンプレ
−ティングが用いられ、600℃以下といった低温での
被覆が可能なため熱処理を必要とする高速度工具鋼やダ
イス鋼にも用いられ、また薄膜であるため超硬合金やセ
ラミックスの最終工程でも処理が可能となり急速に用途
が広まりつつある。一方、窒化硼素いわゆるcBNはこ
れらの方法やあるいはイオンアシスト法等で成膜が試み
られているが実用的な工具に適用され市販されるに至っ
てはいない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】cBNはダイヤモンド
に次ぐ硬度を有し、その工具への適用が期待されてい
る。しかしながら、密着性の問題やcBNと同時にhB
Nやアモルファス状の膜成分が混在し、十分に工具に適
用されて性能を得るには至っていない。特開平3−26
0054号公報にはcBNを平行磁界を利用して熱陰極
放電形イオンプレ−ティングにより成膜する方法が提示
されている。しかし、この方法でも赤外吸収分光線図に
は1400cm-1付近にhBNのピ−クが検出されてい
るので完全なものとは異なり、十分に工具に適用される
性能は期待できなかった。又、特開平6−33222号
公報で、イオンアシスト(ダイナミックミキシングある
いはイオンミキシングともいう)を用いた方法が提案さ
れている。しかし、この方法も特開平3−260054
号公報のものと同様に窒化硼素を主に成膜を試みるた
め、混合層あるいは中間層を介在させて密着性を高める
といった手法を用いたものであるが、十分に工具に適用
される性能は期待できなかった。
に次ぐ硬度を有し、その工具への適用が期待されてい
る。しかしながら、密着性の問題やcBNと同時にhB
Nやアモルファス状の膜成分が混在し、十分に工具に適
用されて性能を得るには至っていない。特開平3−26
0054号公報にはcBNを平行磁界を利用して熱陰極
放電形イオンプレ−ティングにより成膜する方法が提示
されている。しかし、この方法でも赤外吸収分光線図に
は1400cm-1付近にhBNのピ−クが検出されてい
るので完全なものとは異なり、十分に工具に適用される
性能は期待できなかった。又、特開平6−33222号
公報で、イオンアシスト(ダイナミックミキシングある
いはイオンミキシングともいう)を用いた方法が提案さ
れている。しかし、この方法も特開平3−260054
号公報のものと同様に窒化硼素を主に成膜を試みるた
め、混合層あるいは中間層を介在させて密着性を高める
といった手法を用いたものであるが、十分に工具に適用
される性能は期待できなかった。
【0004】本発明の課題は、工具上に直接にcBN膜
を形成しようとするものではなく、混合層あるいは中間
層を介在させて密着性を高めて十分に工具に適用される
性能を有する高硬度な被覆膜を得ることにある。
を形成しようとするものではなく、混合層あるいは中間
層を介在させて密着性を高めて十分に工具に適用される
性能を有する高硬度な被覆膜を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、超硬
合金、サ−メット、セラミックのいずれかが母材質とな
る工具において次の(a)から(d)の条件を満足させ
た、(a)被覆膜の成分がTiN、TiCN、TiC、
TiCNOを含む最下層を有し、その層上に、CBN、
hBN、wBN、アモルファス状BN、TiBN、また
は TiB2 のうち2種以上の成分及びTiN、Ti
CN、TiC、TiO、TiCNO成分の内1種乃至2
種を含む最上層を有する、(b)(a)の成分の最下層
は膜厚が0.2μm〜2.0μmであり、上層の膜厚は
0.3μm〜2.5μmであって、この2層間に金属あ
るいは硼素等の単体を含ませることなく積層し、かつ全
体の膜厚が0.5〜4.0μmの範囲にあること、
(c)前記被覆工具もしくはそれと同時処理した同母材
種のテストピ−スが工具部材の機能要部と同等の被覆が
施されている部分の特性が1.母材質は85HRA以上の
硬度を有し、被覆膜が 0.5μm〜4.0μmであ
り、50gのマイクロヴィッカ−ス硬度計で 2200
以上、8000HV以下、Ra5μm以下の面粗さとな
る。2.前記被覆膜に通常のロックウェル(Aスケ−ル)
硬度計を用いて押圧した場合に生ずる圧痕を100倍の
倍率で観察した結果、圧痕の周囲1mm以上(外側)の
範囲で膜の剥離が認められない、及び、(d)膜の構成
中最上層となる層の反応ガス成分を除く構成元素中硼素
成分の比率が25%以上75%以下となることこと、を
特徴とするTi系の高硬度複合被覆工具を提供すること
によって上述した従来技術の課題を解決した。
合金、サ−メット、セラミックのいずれかが母材質とな
る工具において次の(a)から(d)の条件を満足させ
た、(a)被覆膜の成分がTiN、TiCN、TiC、
TiCNOを含む最下層を有し、その層上に、CBN、
hBN、wBN、アモルファス状BN、TiBN、また
は TiB2 のうち2種以上の成分及びTiN、Ti
CN、TiC、TiO、TiCNO成分の内1種乃至2
種を含む最上層を有する、(b)(a)の成分の最下層
は膜厚が0.2μm〜2.0μmであり、上層の膜厚は
0.3μm〜2.5μmであって、この2層間に金属あ
るいは硼素等の単体を含ませることなく積層し、かつ全
体の膜厚が0.5〜4.0μmの範囲にあること、
(c)前記被覆工具もしくはそれと同時処理した同母材
種のテストピ−スが工具部材の機能要部と同等の被覆が
施されている部分の特性が1.母材質は85HRA以上の
硬度を有し、被覆膜が 0.5μm〜4.0μmであ
り、50gのマイクロヴィッカ−ス硬度計で 2200
以上、8000HV以下、Ra5μm以下の面粗さとな
る。2.前記被覆膜に通常のロックウェル(Aスケ−ル)
硬度計を用いて押圧した場合に生ずる圧痕を100倍の
倍率で観察した結果、圧痕の周囲1mm以上(外側)の
範囲で膜の剥離が認められない、及び、(d)膜の構成
中最上層となる層の反応ガス成分を除く構成元素中硼素
成分の比率が25%以上75%以下となることこと、を
特徴とするTi系の高硬度複合被覆工具を提供すること
によって上述した従来技術の課題を解決した。
【0006】本来cBN、あるいはTiBNといった硬
質膜は硬度がHV3000以上といわれており、このよ
うな高硬度の膜を工具に応用する場合には切削に関与す
る部分が十分な膜厚を有し、その大きさは通常母材の結
晶粒の大きさより十分大きくないとその物質としての性
能は発揮されにくいと考えられる。これは数μmの結晶
粒に対し、その数倍がひとつの目安となる。これは切削
時の工具にかかる応力が数十kg〜数百kgの応力を受
ける。このため数μmの膜で構成されるPVDの膜では
密着性以前に物質の破壊強度が硬質物質になるに従い小
さくなるため、切削時に破壊し切削に耐えない場合が多
かった。通常膜の場合破壊強度と密着強度は比較的近い
と考えられるが膜の特性として密着性を維持し、切削に
耐えるためには膜に十分な靭性が必要となる。
質膜は硬度がHV3000以上といわれており、このよ
うな高硬度の膜を工具に応用する場合には切削に関与す
る部分が十分な膜厚を有し、その大きさは通常母材の結
晶粒の大きさより十分大きくないとその物質としての性
能は発揮されにくいと考えられる。これは数μmの結晶
粒に対し、その数倍がひとつの目安となる。これは切削
時の工具にかかる応力が数十kg〜数百kgの応力を受
ける。このため数μmの膜で構成されるPVDの膜では
密着性以前に物質の破壊強度が硬質物質になるに従い小
さくなるため、切削時に破壊し切削に耐えない場合が多
かった。通常膜の場合破壊強度と密着強度は比較的近い
と考えられるが膜の特性として密着性を維持し、切削に
耐えるためには膜に十分な靭性が必要となる。
【0007】靭性を考慮する場合、多層化がひとつの方
策である『Surface Engineering(GBR)』 (1990)P.538 5
47ではマグネトロンスパッタ法によりTiB2 /Ti
N、TiB2 /Ti−B−Nの多層化が試みられてお
り、硬度も高い被覆膜が得られている。この場合、Ti
B2 /TiNを主体にしたものでありその強度がやや不
明確であったり、工具に適用したものではない。また、
Ti系の被覆膜が母材との密着性に優れることは知られ
ているがその上層に高硬度の被覆膜を形成すると、図3
に示すように積層間で上層の膜が破壊し剥離するような
現象が発生する。図3はTi系の被覆膜TiBx の上層
に高硬度の被覆膜TiNを形成した積層被膜と、本発明
のTiNの上層に高硬度の被覆膜Ti−B−Nを形成し
た積層被膜とをロックウエル圧痕による被覆膜の剥離情
況を示す。本発明はこのような問題を解決する手段とし
て反応性スパッタリングを用い硼素系の硬質物質とTi
系のセラミックが混在するような成分を持つ膜をTi系
被覆膜上に形成させる方法を開発した。
策である『Surface Engineering(GBR)』 (1990)P.538 5
47ではマグネトロンスパッタ法によりTiB2 /Ti
N、TiB2 /Ti−B−Nの多層化が試みられてお
り、硬度も高い被覆膜が得られている。この場合、Ti
B2 /TiNを主体にしたものでありその強度がやや不
明確であったり、工具に適用したものではない。また、
Ti系の被覆膜が母材との密着性に優れることは知られ
ているがその上層に高硬度の被覆膜を形成すると、図3
に示すように積層間で上層の膜が破壊し剥離するような
現象が発生する。図3はTi系の被覆膜TiBx の上層
に高硬度の被覆膜TiNを形成した積層被膜と、本発明
のTiNの上層に高硬度の被覆膜Ti−B−Nを形成し
た積層被膜とをロックウエル圧痕による被覆膜の剥離情
況を示す。本発明はこのような問題を解決する手段とし
て反応性スパッタリングを用い硼素系の硬質物質とTi
系のセラミックが混在するような成分を持つ膜をTi系
被覆膜上に形成させる方法を開発した。
【0008】通常、靭性の高いTiN膜でも物理蒸着
(PVD)では数μmの膜厚を越えると工具として使用
した場合、膜の破壊や剥離を生ずるし、膜厚が薄すぎて
も膜の破壊や剥離を生ずる。このため、最下層ならびに
最上層及び被覆膜の膜厚を上記(b)、(c)に示すよ
うに全体の膜厚が0.5〜4.0μmの範囲にあるよう
に限定した。物理蒸着で形成される膜は低温で成膜され
るため微細結晶となるが、この成膜は微細であるため欠
陥を多く含み膜に圧縮応力を生じさせ、工具の性能を伸
ばす働きがでるが、一方余りその応力状態が大きくなる
と成膜が困難であったり膜が割れやすくなるといわれ、
又膜厚が薄すぎても膜の破壊や剥離を生ずる。図4は硬
質膜の被覆状態によるロックウエル圧痕による被覆膜の
剥離情況を示す。そのため上記(b)に示すように最上
層膜の膜厚は0.3μm〜2.5μmの範囲にあるよう
に限定した。
(PVD)では数μmの膜厚を越えると工具として使用
した場合、膜の破壊や剥離を生ずるし、膜厚が薄すぎて
も膜の破壊や剥離を生ずる。このため、最下層ならびに
最上層及び被覆膜の膜厚を上記(b)、(c)に示すよ
うに全体の膜厚が0.5〜4.0μmの範囲にあるよう
に限定した。物理蒸着で形成される膜は低温で成膜され
るため微細結晶となるが、この成膜は微細であるため欠
陥を多く含み膜に圧縮応力を生じさせ、工具の性能を伸
ばす働きがでるが、一方余りその応力状態が大きくなる
と成膜が困難であったり膜が割れやすくなるといわれ、
又膜厚が薄すぎても膜の破壊や剥離を生ずる。図4は硬
質膜の被覆状態によるロックウエル圧痕による被覆膜の
剥離情況を示す。そのため上記(b)に示すように最上
層膜の膜厚は0.3μm〜2.5μmの範囲にあるよう
に限定した。
【0009】
【実施例】硼素を含むTi系被覆膜の製法ではイオンプ
レ−ティング特にア−ク法や電子銃等を有する多元蒸発
源を使用することも可能であるが硼素とTiのスパッタ
収量が比較的近いためスパッタリングを使用する方が容
易である。図1は本発明実施に使用する反応性スパッタ
イオンプレ−ティング装置の構成を示す略図である。こ
のような工具用途の類似のスパッタ装置の原理的な解説
はElsevier Sequoia社が1990年発行した雑誌『Surface
and Coatings Technology 』 Vol.61 (1993)P121-126、
P326-330に詳しい。本発明ではタ−ゲットはマグネトロ
ンソ−スを使用した。図1で、反応性マグネトロンイオ
ンスパッタリング装置10と、装置内にそれぞれ配置さ
れた、スパッタリング装置10内のほぼ中央に配置され
負電圧を印加された基板4、基板4上に図示しない装置
により公転又は自公転可能に支持された被覆部材7、基
板4に対向しかつ正電圧を印加された1対のアノード
3、及び、1対のアノード3を横切って基板4に対向し
かつ正電圧を印加された1対の蒸発源を形成する2種以
上の元素材料のうち1種類がタ−ゲット内に嵌め込まれ
るか又はタ−ゲット上に配置した合金複合タ−ゲット
1、2と、窒素、酸素、炭化水素系の一種又は二種以上
を含む反応ガスをスパッタリング装置内の穴6に選択的
に供給する図示しない反応ガス供給装置と、を含み、基
板4と合金複合タ−ゲット1、2とは合金複合タ−ゲッ
トの幅w以上に離隔して、反応性マグネトロンスパッタ
リングにより切削工具の表面に合金セラミック被覆膜を
形成するようにされている。
レ−ティング特にア−ク法や電子銃等を有する多元蒸発
源を使用することも可能であるが硼素とTiのスパッタ
収量が比較的近いためスパッタリングを使用する方が容
易である。図1は本発明実施に使用する反応性スパッタ
イオンプレ−ティング装置の構成を示す略図である。こ
のような工具用途の類似のスパッタ装置の原理的な解説
はElsevier Sequoia社が1990年発行した雑誌『Surface
and Coatings Technology 』 Vol.61 (1993)P121-126、
P326-330に詳しい。本発明ではタ−ゲットはマグネトロ
ンソ−スを使用した。図1で、反応性マグネトロンイオ
ンスパッタリング装置10と、装置内にそれぞれ配置さ
れた、スパッタリング装置10内のほぼ中央に配置され
負電圧を印加された基板4、基板4上に図示しない装置
により公転又は自公転可能に支持された被覆部材7、基
板4に対向しかつ正電圧を印加された1対のアノード
3、及び、1対のアノード3を横切って基板4に対向し
かつ正電圧を印加された1対の蒸発源を形成する2種以
上の元素材料のうち1種類がタ−ゲット内に嵌め込まれ
るか又はタ−ゲット上に配置した合金複合タ−ゲット
1、2と、窒素、酸素、炭化水素系の一種又は二種以上
を含む反応ガスをスパッタリング装置内の穴6に選択的
に供給する図示しない反応ガス供給装置と、を含み、基
板4と合金複合タ−ゲット1、2とは合金複合タ−ゲッ
トの幅w以上に離隔して、反応性マグネトロンスパッタ
リングにより切削工具の表面に合金セラミック被覆膜を
形成するようにされている。
【0010】通常合金タ−ゲットが使用されるがTi−
Bの合金は非常に高価であるため、図2に示すはめ込み
型の合金複合タ−ゲットを使用した。合金複合タ−ゲッ
ト1、2は、(a)乃至(d)に示すように、プレ−ナ
−型、即ち方形板形、のタ−ゲットホルダ−に装着する
ための枠として合金の一成分である単体元素材料に対
し、単体元素材料、合金元素材料及び/又は燒結体等が
嵌め込みにされており、タ−ゲットの基材材料としてT
i板を使用する、嵌め込みされる硼素源は、硼素の圧粉
体、cBN燒結体あるいはhBN燒結体等を用いるのが
良い。圧粉体は安価であるが蒸着を始めるとタ−ゲット
の発熱とスパッタリングによりガスを発生するため、前
処理が必要となる。図2(a′)乃至(d′)は(a)
乃至(d)の断面図を示す。
Bの合金は非常に高価であるため、図2に示すはめ込み
型の合金複合タ−ゲットを使用した。合金複合タ−ゲッ
ト1、2は、(a)乃至(d)に示すように、プレ−ナ
−型、即ち方形板形、のタ−ゲットホルダ−に装着する
ための枠として合金の一成分である単体元素材料に対
し、単体元素材料、合金元素材料及び/又は燒結体等が
嵌め込みにされており、タ−ゲットの基材材料としてT
i板を使用する、嵌め込みされる硼素源は、硼素の圧粉
体、cBN燒結体あるいはhBN燒結体等を用いるのが
良い。圧粉体は安価であるが蒸着を始めるとタ−ゲット
の発熱とスパッタリングによりガスを発生するため、前
処理が必要となる。図2(a′)乃至(d′)は(a)
乃至(d)の断面図を示す。
【0011】スパッタリング装置10は1.0 ×10-2Pa以
下の圧力まで排気し、1.0 ×10-2Pa以下の圧力を保持し
たまま処理物7を搭載する基板4を輻射加熱及び電子照
射、Heボンバ−ドあるいは金属ボンバ−ドにより40
0℃〜750℃に加熱後、数分〜数十分表面をArボン
バ−ドでクリ−ニングする。金属ボンバ−ドの場合はク
リ−ニングは不要である。その後、ガス導入口よりAr
を導入し、Tiよりなる第一タ−ゲット1を−200V
〜−1000V印加し、基板4に−20V〜−200V
印加して、N2,C2,H2 あるいはN2 とC2,H2 の混合
ガスを導入してTi系セラミックを基板に被覆する。そ
して、第一タ−ゲット1を停止させた上、第二タ−ゲッ
ト2を同様な手順で作動させることにより請求項1に相
当する膜を形成した。同様にTiB2 の第二タ−ゲット
2を用い最下層及び最上層それぞれ2μmのTiN+T
iBNなる被覆膜を超硬合金上に形成した。そのロック
ウエル圧痕剥離の状況を図3に示す。本発明品は極めて
靭性が高く剥離を生じていない。この膜の50gマイク
ロヴィッカ−ス硬度では数μm圧痕となるため、黒色に
近い膜では非常に硬度計測が難しくなる。その計測では
ほぼ HV2800 であった。また、タ−ゲット材料にTiと
は異なりNiもしくはCoを含有したものを使用したが
同じ特性の膜が得られた。これらの材料もしくはタ−ゲ
ットに含まれる燒結体の材料の含有する場合の特性の限
度として請求項2を付記した。上述の方法で得られた膜
についてESCAにより分析した結果硼素含有量は反応
性ガスを除くとほぼ57%であり、他はTiを検出し
た。
下の圧力まで排気し、1.0 ×10-2Pa以下の圧力を保持し
たまま処理物7を搭載する基板4を輻射加熱及び電子照
射、Heボンバ−ドあるいは金属ボンバ−ドにより40
0℃〜750℃に加熱後、数分〜数十分表面をArボン
バ−ドでクリ−ニングする。金属ボンバ−ドの場合はク
リ−ニングは不要である。その後、ガス導入口よりAr
を導入し、Tiよりなる第一タ−ゲット1を−200V
〜−1000V印加し、基板4に−20V〜−200V
印加して、N2,C2,H2 あるいはN2 とC2,H2 の混合
ガスを導入してTi系セラミックを基板に被覆する。そ
して、第一タ−ゲット1を停止させた上、第二タ−ゲッ
ト2を同様な手順で作動させることにより請求項1に相
当する膜を形成した。同様にTiB2 の第二タ−ゲット
2を用い最下層及び最上層それぞれ2μmのTiN+T
iBNなる被覆膜を超硬合金上に形成した。そのロック
ウエル圧痕剥離の状況を図3に示す。本発明品は極めて
靭性が高く剥離を生じていない。この膜の50gマイク
ロヴィッカ−ス硬度では数μm圧痕となるため、黒色に
近い膜では非常に硬度計測が難しくなる。その計測では
ほぼ HV2800 であった。また、タ−ゲット材料にTiと
は異なりNiもしくはCoを含有したものを使用したが
同じ特性の膜が得られた。これらの材料もしくはタ−ゲ
ットに含まれる燒結体の材料の含有する場合の特性の限
度として請求項2を付記した。上述の方法で得られた膜
についてESCAにより分析した結果硼素含有量は反応
性ガスを除くとほぼ57%であり、他はTiを検出し
た。
【0012】(実施例1) 5R超硬ボ−ルエンドミル
に上記製法によりTiN+(Ti−B−N)を成膜し、
この超硬ボ−ルエンドミルで、被削材:SKD11(HR
C 60)を切削速度: 150m/min(最外周314/min) 10000rp
m 、送り速度: 2000mm/min 、ピックフイード:0.5m、
切削方式:湿式・ダウンカットにより切削した結果を、
図5に示すように、境界摩耗計測:5m切削後(比較品
はそれぞれ2m、1m切削後)測定した結果、本発明品
は極めて高い性能を得た。
に上記製法によりTiN+(Ti−B−N)を成膜し、
この超硬ボ−ルエンドミルで、被削材:SKD11(HR
C 60)を切削速度: 150m/min(最外周314/min) 10000rp
m 、送り速度: 2000mm/min 、ピックフイード:0.5m、
切削方式:湿式・ダウンカットにより切削した結果を、
図5に示すように、境界摩耗計測:5m切削後(比較品
はそれぞれ2m、1m切削後)測定した結果、本発明品
は極めて高い性能を得た。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、超
硬合金、サ−メット、セラミックのいずれかが母材質と
なる工具に、被覆膜の成分がTiN、TiCN、Ti
C、TiCNOを含む最下層を有し、その層上に、CB
N、hBN、wBN、アモルファス状BN、TiBN、
または TiB2 のうち2種以上の成分及びTiN、
TiCN、TiC、TiO、TiCNO成分の内1種乃
至2種を含む最上層を有し、最下層は膜厚が0.2μm
〜2.0μmであり、上層の膜厚は0.3μm〜2.5
μmであって、この2層間に金属あるいは硼素等の単体
を含ませることなく積層し、かつ全体の膜厚が0.5〜
4.0μmの範囲にある高硬度複合被覆工具としたの
で、工具上に直接にcBN膜を形成しようとするもので
はなく、混合層あるいは中間層を介在させて密着性を高
めて十分に工具に適用される性能を有する高硬度な被覆
膜を得ることができる高硬度複合被覆工具を提供するも
のとなった。
硬合金、サ−メット、セラミックのいずれかが母材質と
なる工具に、被覆膜の成分がTiN、TiCN、Ti
C、TiCNOを含む最下層を有し、その層上に、CB
N、hBN、wBN、アモルファス状BN、TiBN、
または TiB2 のうち2種以上の成分及びTiN、
TiCN、TiC、TiO、TiCNO成分の内1種乃
至2種を含む最上層を有し、最下層は膜厚が0.2μm
〜2.0μmであり、上層の膜厚は0.3μm〜2.5
μmであって、この2層間に金属あるいは硼素等の単体
を含ませることなく積層し、かつ全体の膜厚が0.5〜
4.0μmの範囲にある高硬度複合被覆工具としたの
で、工具上に直接にcBN膜を形成しようとするもので
はなく、混合層あるいは中間層を介在させて密着性を高
めて十分に工具に適用される性能を有する高硬度な被覆
膜を得ることができる高硬度複合被覆工具を提供するも
のとなった。
【図1】本発明実施に使用する反応性マグネトロンイオ
ンスパッタリング装置の構成を示す略図。
ンスパッタリング装置の構成を示す略図。
【図2】図1の装置の、2種以上の元素材料のうち1種
類がタ−ゲット内に嵌め込まれるか又はタ−ゲット上に
配置した合金複合タ−ゲット1、2の製作例を示し、
(a)乃至(d)は各正面図、(a′)乃至(d′)は
対応した各断面図を示す。
類がタ−ゲット内に嵌め込まれるか又はタ−ゲット上に
配置した合金複合タ−ゲット1、2の製作例を示し、
(a)乃至(d)は各正面図、(a′)乃至(d′)は
対応した各断面図を示す。
【図3】Ti系の被覆膜TiBx の上層に高硬度の被覆
膜TiNを形成した積層被膜と、本発明のTiNの上層
に高硬度の被覆膜Ti−B−Nを形成した積層被膜とを
ロックウエル圧痕による被覆膜の剥離情況を示す図表。
膜TiNを形成した積層被膜と、本発明のTiNの上層
に高硬度の被覆膜Ti−B−Nを形成した積層被膜とを
ロックウエル圧痕による被覆膜の剥離情況を示す図表。
【図4】硬質膜の被覆状態によるロックウエル圧痕によ
る被覆膜の剥離情況を示す図表。
る被覆膜の剥離情況を示す図表。
【図5】5R超硬ボ−ルエンドミルに本発明によりTi
N+(Ti−B−N)を成膜したものを湿式・ダウンカ
ットにより切削した結果を境界摩耗計測: 5m 切削後
(比較品はそれぞれ2m、1m切削後)測定した結果を
示す図表。
N+(Ti−B−N)を成膜したものを湿式・ダウンカ
ットにより切削した結果を境界摩耗計測: 5m 切削後
(比較品はそれぞれ2m、1m切削後)測定した結果を
示す図表。
Claims (2)
- 【請求項1】超硬合金、サ−メット、セラミックのいず
れかが母材質となる工具において次の(a)から(d)
の条件を満足させたことを特徴とするTi系の高硬度複
合被覆工具。 (a)被覆膜の成分がTiN、TiCN、TiC、Ti
CNOを含む最下層を有し、その層上に、CBN、hB
N、wBN、アモルファス状BN、TiBN、または
TiB2 のうち2種以上の成分及びTiN、TiC
N、TiC、TiO、TiCNO成分の内1種乃至2種
を含む最上層を有する。 (b)(a)の成分の最下層は膜厚が0.2μm〜2.
0μmであり、上層の膜厚は0.3μm〜2.5μmで
あって、この2層間に金属あるいは硼素等の単体を含ま
せることなく積層し、かつ全体の膜厚が0.5〜4.0
μmの範囲にあること。 (c)前記被覆工具もしくはそれと同時処理した同母材
種のテストピ−スが工具部材の機能要部と同等の被覆が
施されている部分の特性が1.母材質は85HRA以上の
硬度を有し、被覆膜が 0.5μm〜4.0μmであ
り、50gのマイクロヴィッカ−ス硬度計で 2200
以上、8000HV以下、Ra5μm以下の面粗さとな
る。2.前記被覆膜に通常のロックウェル(Aスケ−ル)
硬度計を用いて押圧した場合に生ずる圧痕を100倍の
倍率で観察した結果、圧痕の周囲1mm以上(外側)の
範囲で膜の剥離が認められない。 (d)膜の構成中最上層となる層の反応ガス成分を除く
構成元素中硼素成分の比率が25%以上75%以下とな
ること。 - 【請求項2】物理蒸着を使用する請求項1の成分中に膜
中成分としてNiまたはCoを30%以下含み、それを
除く成分が請求項1(a)〜(d)を満足することを特
徴とする請求項1記載の高硬度複合被覆工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6170397A JPH0811004A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 高硬度複合被覆工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6170397A JPH0811004A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 高硬度複合被覆工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0811004A true JPH0811004A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15904177
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6170397A Pending JPH0811004A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 高硬度複合被覆工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0811004A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004283995A (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-14 | Nachi Fujikoshi Corp | 高機能ハイス工具 |
| JP2005153126A (ja) * | 2003-11-28 | 2005-06-16 | Nachi Fujikoshi Corp | プラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具 |
| JP2010228088A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Mitsubishi Materials Corp | 表面被覆切削工具 |
-
1994
- 1994-06-30 JP JP6170397A patent/JPH0811004A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004283995A (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-14 | Nachi Fujikoshi Corp | 高機能ハイス工具 |
| JP2005153126A (ja) * | 2003-11-28 | 2005-06-16 | Nachi Fujikoshi Corp | プラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具 |
| JP2010228088A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Mitsubishi Materials Corp | 表面被覆切削工具 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5679448A (en) | Method of coating the surface of a substrate and a coating material | |
| US5853873A (en) | Hard composite material for tools | |
| US20120090247A1 (en) | Coated Cubic Boron Nitride Sintered Body Tool | |
| JP2000508377A (ja) | ホウ素及び窒素を含む超硬質コーティングを有する基体及びその製造方法 | |
| SE453403B (sv) | Alster overdraget med hoggradigt hart material, forfarande for dess framstellning samt anvendning av alstret | |
| CN111270202B (zh) | 一种切削刀具用成分结构双梯度功能涂层及其制备方法 | |
| JP4028891B2 (ja) | 多成分系硬質物層の製造法および複合体 | |
| JPH07173608A (ja) | 耐摩耗性被覆部材 | |
| WO1991005076A1 (fr) | Element dur revêtu en surface pour outils de coupe et pour outils resistant a l'abrasion | |
| JPS59159983A (ja) | 硬質耐摩耗性表面層でコ−テイングされた基板からなる複合体 | |
| WO2012057000A1 (ja) | 硬質皮膜形成部材および硬質皮膜の形成方法 | |
| JPH0911004A (ja) | 硬質層被覆切削工具 | |
| JP2004211135A (ja) | 密着性に優れた硬質皮膜およびその製造方法 | |
| JPH10317123A (ja) | 結晶配向性硬質被覆部材 | |
| JP2926883B2 (ja) | 耐摩耗性に優れた表面被覆硬質部材 | |
| US12195837B2 (en) | Cutting tool with hard coating film formed thereon | |
| JP3249278B2 (ja) | 工具用被覆体 | |
| JP2926882B2 (ja) | 耐摩耗性に優れた表面被覆硬質部材 | |
| JPH0919806A (ja) | 硬質層被覆切削工具 | |
| JPH0250983B2 (ja) | ||
| JPH07145483A (ja) | 耐摩耗性被覆部材 | |
| JPH116056A (ja) | 金属間化合物含有ターゲット、およびこれを用いた硬質被覆部材の製造方法 | |
| JP3388006B2 (ja) | 耐剥離性被覆部材 | |
| JP3985413B2 (ja) | 耐摩耗性のすぐれた表面被覆超硬合金製切削工具 | |
| JP2001322006A (ja) | 耐摩耗性のすぐれた表面被覆超硬合金製切削工具 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020917 |