JPH0811051B2 - 魚肉すり身 - Google Patents

魚肉すり身

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JPH0811051B2
JPH0811051B2 JP2256628A JP25662890A JPH0811051B2 JP H0811051 B2 JPH0811051 B2 JP H0811051B2 JP 2256628 A JP2256628 A JP 2256628A JP 25662890 A JP25662890 A JP 25662890A JP H0811051 B2 JPH0811051 B2 JP H0811051B2
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正也 宮川
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ナマズ肉を主原料とする魚肉すり身に関す
る。
[従来の技術] かまぼこ、はんぺん、ちくわ等に代表される水産ねり
製品は一定の処理を施した魚肉に食塩、副資材を加えて
塩ずり(らいかい)し、成型、加熱したもので、その品
質の如何は原料魚に負うところが大きい。
例えば、かまぼこ特有の食感として“足”と呼ばれる
ものがある。これはかまぼこを切った時の弾力の強さ、
噛んだ時の歯切れのよさなどをいい、足の強いかまぼこ
はよいかまぼことされている。足の強さは原料魚種によ
って違い、グチ、クロカワエジキ、エソ、オキギスなど
は足の強いかまぼこをつくる。一方、サンマ、アジなど
赤身の魚からは足の弱い製品しかできない。足が強いと
いうことは製品が良質なゲル構造を有していることを示
す。ゲル構造は筋肉たんぱく質中のアクトミオシンが溶
出して網状構造を形成することによる。このほかにも、
製品としては色の白いものが消費者に好まれる傾向にあ
る。
かかるねり製品は、以前はグチ、ハモ、エソ等の生鮮
原料魚から直接加工、製造されていた。しかし、近時の
沿岸漁獲の不振等から、現在では原料の大部分を冷凍す
り身に依存している。
冷凍すり身の原料魚としてスケトウダラ、ホキ、ミナ
ミダラ、グチ、イトヨリ、キンメ、アジ、ハモ等が用い
られているが、なかでもスケトウダラが多く用いられて
いる。その理由は、スケトウダラの筋肉がほかの回遊性
魚類のそれに比べてゲル強度が強いため足の強いかまぼ
こをつくることができ、しかも肉質の白色度が高いこと
から色の白い製品が得られやすいことなどによる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、近年、スケトウダラが減少してきてい
るといわれ、原料魚の確保が難しくなってきている。こ
のように資源減少に伴い、漁獲船団の航海日数が長引く
ことなどにより、製造コストの高騰を招きがちになって
いた。そのため、スケトウダラに代わるべき代替原料に
よるすり身の開発が望まれていた。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、上記の問題点を解決すべく鋭意検討した
結果、スケトウダラに代わり、淡水魚類のナマズを代替
原料魚種として用いることにより、スケトウダラに比べ
て遜色のない弾力性をもち、かつ、製造工程を簡便化す
ることができると共に、製造コストを低廉に抑えた魚肉
すり身を提供することができることを見い出した。
本発明は、かかる知見に基づきなされたもので、ナマ
ズ肉を主原料とする魚肉すり身を提供することによっ
て、前記の問題点を解決したものである。
以下、本発明の魚肉すり身について詳述する。
本発明の魚肉すり身は原料魚種は、淡水魚類のなかの
ナマズである。ナマズ肉がすり身に適するのは以下の理
由による。
(1)ナマズ肉糊はスケトウダラ肉糊に比べて熱安定性
が著しく高い。
魚肉すり身は一般に落とし身(魚肉採取機でとった細
砕肉)を十分水さらしした後、脱水し、変性を抑制する
ため糖類および縮合リン酸塩を添加してすりあわせた
後、冷凍して保存される。水産ねり製品は、かかる冷凍
すり身から塩ずりして肉糊とした後、坐りを起こさせて
から加熱することにより製造される。そして、良質なゲ
ル構造を有する製品を得るためには、魚肉すり身を塩ず
り前に低温で管理することが必要条件とされている。従
って原料魚肉の熱安定性が高いことが望ましく、すり身
の製造上温度管理を行うに有利であり、水産ねり製品の
製造管理も行いやすい。ナマズ肉糊の熱安定性の高さに
ついては、実施例にて後述する。
また筋肉たんぱく質(アクトミオシン)のMg-ATPase
は、スケトウダラでは25℃、ナマズでは35℃に最大活性
がみられ、ナマズの熱安定性の高いことがわかる。
(2)肉糊が弾力性に富む ねり製品の製造工程における加熱は、弾力に富むゲル
を形成するためである。冷凍すり身から塩ずりして肉糊
とした後、坐りを起こさせてから加熱すると足の強いね
り製品が得られる。従って、高温時においてゲル強度が
高い肉糊が得られる魚種が望ましい。ナマズ肉糊のゲル
強度(70、80℃ 20分間加熱)については、実施例にて
後述する。
なお、ゲル形成能は魚種によってそれぞれに異なる。
後述の実施例並びに第1表に示すように、ナマズ肉は水
産ねり製品のための典型的な魚であるスケトウダラより
も高いゲル形成能をもっている。しかし、「日本水産学
会誌」、40(2)、175-179頁(1974)に記載されてい
るように、同じ淡水魚類でもコイやフナのゲル形成能は
極めて低い。同誌178頁の表1は50℃と90℃における数
種の魚のゲル形成能力についてであり、イシモチ、ム
ツ、エソなど水産ねり製品に適した主要原料として当業
者によく知られている魚は高いゲル形成能力を有する
が、フナやコイ等の淡水魚では極めて低いということを
示している。同頁の図4は30℃と90℃おける魚肉のゲル
形成能の関係を示しているが、同図からも同様にコイや
フナのゲル形成能が極めて低いことがわかる。
(3)水分含量の低いすり身が得られやすい。
すり身は、水さらし後、脱水をおこなうが、ナマズの
ほうがスケトウダラに比べて水しぼりが容易である。ス
ケトウダラでは水分含量77%のすり身を得るのに脱水装
置を連動させる必要があるが、ナマズでは簡単な遠心分
離機で水分含量75〜76%のすり身を得ることができる。
したがって製造工程の簡便化ができる。
(4)肉の白色度が高い ナマズ肉はアジ、イワシ、トビウオ等の回遊性魚類の
肉質に比べ白色度が高く、スケトウダラに劣らない。し
たがって色の白いねり製品をつくることができる。
また、上記の他にも、ナマズは他魚種に比べて養殖時
の成長が速く、大量の原料を必要とするすり身製造にお
いて産業経済上有利であるということができる。たとえ
ば、蚕のさなぎを餌としてコイ(淡水魚)の稚魚を養殖
したところ、1年間で体重約800g、2年間で約1-2kg程
度にしか成長しなかった(東京、水元水産試験場調
べ)。これに対し、タイ、バンコクにおいてナマズを稚
魚から養殖したところ10カ月で体重約4kgになったとい
う報告がある。しかもこのときの餌は養鶏のこぼれ餌と
鶏糞であったが、養鶏飼料のみで養殖すると6カ月で体
重4kg以上になるだろうといわれる。気温等の環境差を
考慮しても、ナマズの成長速度がかなり速いということ
ができ、養殖によって短期間に大量のナマズ肉を得るこ
とができる。
かかるナマズの肉を用いておこなうすり身の製造は、
従来の一般的なすり身の製造工程、製造方法によること
ができる。すなわち、原料魚(ナマズ)の頭部、内蔵、
骨などを除去して前処理をおこない、これを魚肉採取機
で落とし身を採取する。この肉を水槽に入れ、数倍量の
水と共にかきまぜ、数回水を変えて水さらし後脱水し、
水しぼりをする。これを裏漉機にかけて裏漉し、糖類、
縮合リン酸塩等の副資材を添加、混練後、袋詰して凍結
保存する。
上記一連の各工程はすり身を製造するのために必須の
工程である。例えば、水さらしによって血液や脂肪が除
去され白色かつ臭いのないすり身とすることができ、か
つゲル構造形成の妨げとなる水溶性タンパク質が除去さ
れ、高いゲル強度のすり身を得ることができる。従っ
て、水さらしが不十分な場合、最終水産ねり製品の品質
が低下してしまう。水さらし後の脱水によって余分な水
分をしぼり、さらに裏漉機にかけて裏漉する。その後、
糖類、縮合リン酸塩を他の副資材とともに変性防止のた
めに加える。これらの工程はすべて高品質のすり身を製
造するのに必要である。
(実施例) ナマズ3kgの頭部および内臓を除き、水洗いした後、
魚肉採取機を用いて落とし身(1.2kg)を取り、これを
水槽に入れ、8倍量の水と共にかきまぜ、2回水を変え
て水さらしをした。これを遠心分離機にかけて脱水し
た。この肉を裏漉機にかけて裏漉し、たんぱく質の変性
を抑制するために常法により糖類、縮合リン酸塩を添
加、混練し、1kgのすり身を得た。
このようにして得たナマズすり身に対し、食塩2.5%
を加えて塩ずりして肉糊とし、これを用いて以下の特性
試験をおこなった。
〈熱安定性試験〉 上記のナマズ肉糊と、従来のスケトウダラすり身を塩
ずり(食塩2.5%)して得た肉糊とを用いて熱安定性試
験をおこなった。
第1図および第2図は、それぞれナマズ肉糊およびス
ケトウダラ肉糊の熱ゲル化反応(30〜80℃、0〜100分
間)を示す図である。図から明らかなように、ナマズ肉
糊では50℃前後でようやくゲル強度が上昇するに対し、
スケトウダラ肉糊では30〜40℃でゲル強度の上昇がみら
れた。すなわち、ナマズ肉はスケトウダラに比べて熱安
定性が高いことがわかる。このため、原料魚としてナマ
ズを用いればスケトウダラに比べてねり製品の製造管理
がしやすい。
また従来スケトウダラすり身(陸上すり身)では冷凍
変性抑制剤として糖類3〜4%、縮合リン酸塩約0.2%
を添加していたが、ナマズ肉は熱安定性が高いため冷凍
変性が起こりにくく、冷凍変性抑制剤の添加量が従来の
すり身に比べて約1/2量ですむ。
〈加熱特性試験〉 上記試験で用いたナマズ、スケトウダラ普通筋(肉
糊)をそれぞれ70℃、80℃で20分間加熱したものをプラ
ンジャー押し込み試験(1kg)に供してゼリー強度を測
定した。結果を第1表に示す。
表から明らかなように、70℃、80℃のいずれにおいて
も、ナマズ肉糊のほうがスケトウダラ肉糊に比べてゲル
強度の高いことがわかる。したがって、ナマズを原料魚
とすれば足の強いねり製品を得ることができる。
[発明の効果] 上述したように、ナマズ肉を用いることによって、ス
ケトウダラに劣らないゲル強度および白色度をもったす
り身を得ることができる。また、従来のように大掛かり
な漁獲船団を組む必要もなく、製造工程の簡便化、製造
コストの低廉化ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はナマズ肉糊の熱ゲル化反応を示すグラフであ
る。 第2図はスケトウダラ肉糊の熱ゲル化反応を示すグラフ
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナマズ肉を主原料とすることを特徴とする
    魚肉すり身。
  2. 【請求項2】前記すり身は冷凍凍結されて成る、請求項
    1記載の魚肉すり身。
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