JPH081223B2 - 回転抵抗付与装置 - Google Patents

回転抵抗付与装置

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JPH081223B2
JPH081223B2 JP4164231A JP16423192A JPH081223B2 JP H081223 B2 JPH081223 B2 JP H081223B2 JP 4164231 A JP4164231 A JP 4164231A JP 16423192 A JP16423192 A JP 16423192A JP H081223 B2 JPH081223 B2 JP H081223B2
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信夫 高田
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株式会社テイエチケーメント研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転系に設けられ回転
系に回転抵抗を付与する回転抵抗付与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】回転系に於いては、常に一定の回転抵抗
が存在することが望ましい場合がある。又、駆動側と負
荷側との結合において、負荷トルクが一定以上の大きさ
になると、駆動側と負荷側との間に相対回転を生じさせ
て、定格トルク以上のトルクが駆動側にかからないよう
にし、回転系の安全を図りたい場合もある。更に、回転
慣性の大きい回転系では、系の停止時に一定の回転抵抗
を与えて所定時間内に系を停止する必要がある場合も多
い。そしてこのように回転抵抗を与えると、回転エネル
ギーの吸収に伴いその部分が発熱するため、この発熱に
よる温度を安全な範囲に押さえる必要がある。
【0003】このような場合に、ブレーキ等の従来の回
転抵抗付与装置では、すべり摩擦のみにより回転抵抗を
与えたり、流体の粘性抵抗を利用する方法が一般的であ
った。しかしながら、すべり摩擦のみを利用する場合に
は、静摩擦と動摩擦との差により付与する回転抵抗に大
きなばらつきが生じたり、流体抵抗を利用する場合に
は、温度による流体の粘度差により回転抵抗が異なって
きて、正確に安定して一定の回転抵抗を与えることがで
きなかった。又、回転抵抗に伴う発熱により生ずる温度
上昇の制御も困難であった。更に、摩擦等を利用したブ
レーキ装置は、大きな摩擦面を必要とするため、回転抵
抗の大きさに対して相対的に形状が大きなものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、請求項1の発明は、小形で大き
な回転抵抗を精度よく安定して付与することができる
共に、温度上昇がある程度以上大きくならず熱的に安定
した回転抵抗付与装置を提供することを課題とし、請求
2及び3の発明は、小形で大きな回転抵抗を精度よく
安定して付与することができると共に、回転抵抗を制御
することができる回転抵抗付与装置を提供することを課
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、内側回転体と、外輪
と、ころと、中間部材と、付勢手段と、を有し、前記内
側回転体は、その中心軸まわりの単葉回転双曲面をなす
内側軌道面を備え、前記外輪は、前記内側軌道面との間
で軌道を形成するように前記中心軸まわりの単葉回転双
曲面をなす外輪軌道面を備え、前記ころは、ころがり面
が円筒形状であり、前記軌道において該ころの中心線を
前記中心軸を含む断面から一定角度傾斜して前記軌道の
円周方向に複数個配設され、該ころの表面は前記内側軌
道面と前記外輪軌道面とに線状に接触し、前記中間部材
は、前記外輪が中心軸方向に移動自在なようにトルク伝
達手段を介して前記外輪を結合すると共に、中心軸方向
の一定位置で前記内側回転体との間で回転が自在なよう
に軸受を介して前記内側回転体を結合し、前記付勢手段
は、前記内側回転体と前記外輪との間が自由回転方向に
回転するときに所定の回転抵抗であって使用される最大
回転速度における温度上昇を一定値以内で飽和させる所
定の回転抵抗を与えるような付勢力で前記外輪を前記中
心軸方向であって前記軌道の間隔を狭くする方向に付勢
する、回転抵抗付与装置であることを特徴とし、請求項
2の発明は、内側回転体と、外輪と、ころと、中間部材
と、付勢手段と、を有し、前記内側回転体は、その中心
軸まわりの単葉回転双曲面をなす内側軌道面を備え、前
記外輪は、前記内側軌道面との間で軌道を形成するよう
に前記中心軸まわりの単葉回転双曲面をなす外輪軌道面
を備え、前記ころは、ころがり面が円筒形状であり、前
記軌道において該ころの中心線を前記中心軸を含む断面
から一定角度傾斜して前記軌道の円周方向に複数個配設
され、該ころの表面は前記内側軌道面と前記外輪軌道面
とに線状に接触し、前記中間部材は、前記外輪が中心軸
方向に移動自在なようにトルク伝達手段を介して前記外
輪を結合すると共に、中心軸方向の一定位置で前記内側
回転体との間で回転が自在なように軸受を介して前記内
側回転体を結合し、前記付勢手段は、前記内側回転体と
前記外輪との間が自由回転方向に回転するときに所定の
回転抵抗を与えるような付勢力で前記外輪を前記中心軸
方向であって前記軌道の間隔を狭くする方向に付勢し、
前記付勢手段が付勢する方向とは反対の方向に前記外輪
を付勢する第二付勢手段と、該第二付勢手段による付勢
を解除する解除手段と、を設けた、 回転抵抗付与装置で
あることを特徴とし、請求項3の発明は、内側回転体
と、外輪と、ころと、中間部材と、付勢手段と、を有
し、前記内側回転体は、その中心軸まわりの単葉回転双
曲面をなす内側軌道面を備え、前記外輪は、前記内側軌
道面との間で軌道を形成するように前記中心軸まわりの
単葉回転双曲面をなす外輪軌道面を備え、前記ころは、
ころがり面が円筒形状であり、前記軌道において該ころ
の中心線を前記中心軸を含む断面から一定角度傾斜して
前記軌道の円周方向に複数個配設され、該ころの表面は
前記内側軌道面と前記外輪軌道面とに線状に接触し、前
記中間部材は、前記外輪が中心軸方向に移動自在なよう
にトルク伝達手段を介して前記外輪を結合すると共に、
中心軸方向の一定位置で前記内側回転体との間で回転が
自在なように軸受を介して前記内側回転体を結合し、
記付勢手段は、前記外輪を前記中心軸方向であって前記
軌道の間隔を狭くする方向に付勢し、前記付勢手段が付
勢する方向とは反対の方向に前記外輪を付勢する第二付
勢手段と、該第二付勢手段による付勢を解除すると共に
前記軌道の間隔を狭くする方向への前記外輪の移動を所
定位置で停止させる解除停止手段と、を設けた、 回転抵
抗付与装置であることを特徴とする。
【0006】
【作 用】請求項1の発明によれば、次の作用が生ず
る。中間部材は、外輪が中心軸方向に移動自在なように
トルク伝達手段を介して外輪を結合すると共に、中心軸
方向の一定位置で内側回転体との間で回転が自在なよう
に軸受を介して内側回転体と結合されるので、内側回転
体と外輪との間の回転の関係は、内側回転体と中間部材
との間の回転の関係になる。
【0007】次に、内側回転体と外輪とが相対向するそ
れぞれの面を単葉回転双曲面とし、両面で形成した軌道
に複数個のころを傾斜させて両軌道面に線接触するよう
に構成しているので、内側回転体と外輪との間ではころ
がり軸受クラッチとしての作用が生ずる。例えば中間部
材を固定することにより外輪の回転を固定したときに、
外部回転系から内側回転体に入力トルクが伝達されて内
側回転体が自由回転側に回転すると、ころは内外軌道面
に案内されてそれぞれの上を自転しつつ公転する共に、
その傾斜により内側回転体及び外輪に対してそれぞれ軸
方向において反対方向に進む。その結果、ころの傾斜方
向及び内側回転体の回転方向の関係で、内側回転体と外
輪との間に引き離し力が発生する。そして、外輪が軸方
向に移動自在であるため外輪が軸方向に動いて軌道間隔
を広げようとする。ところが、付勢手段は、このときに
所定の回転抵抗を与えるような付勢力で軌道間隔を狭く
する方向に外輪を付勢しているので、軌道間隔は広がら
ず、内側回転体には所定の回転抵抗が与えられる。そし
てこの場合、この回転抵抗が回転系の駆動トルク以下で
あれば、回転系はこのような回転抵抗を付与されつつ回
転する。従って、このような回転抵抗付与装置は、一定
の張力を与えつつ行う作業や回転系のブレーキに適用す
ることができ、例えば、巻取り機、巻戻し機、伸線機、
より線機、圧延機、スリッタ、ねじ締め機等に有効に利
用される。一方、内側回転体と中間部材とが回転系の駆
動側と負荷側との間に結合される場合において、所定の
回転抵抗を駆動系の定格トルクと同じにしておけば、定
格トルクまでは駆動側と負荷側とが結合されるが、負荷
側のトルクが定格トルク以上になったときには、結合部
内外輪間にはそれ以上のトルク伝達能力がないため、
内外輪間の相対回転により駆動側と負荷側との間が相対
回転して回転抵抗に等しい定格トルクが伝達され、回転
系がオーバートルクから保護される。このような回転抵
抗付与装置は、例えば掘削機や巻取り機等に用いること
ができる。
【0008】ところでこのような回転抵抗は、付勢手段
により外輪が付勢されて軌道間隔が狭まり、ころと内外
軌道面との間に大きな面圧が生じ、この面圧下における
ころと内外軌道面との間のすべり摩擦及びころがり摩擦
により生ずる。このすべり摩擦及びころがり摩擦は面圧
に比例して発生し、又、外輪を付勢する力と面圧との間
には一定の関係が有る。従って、回転抵抗付与装置の諸
寸法が決まれば、所定の回転抵抗を与えるために必要な
付勢力を計算することができる。この場合、すべり摩擦
は、傾斜して配設されたころがその軸方向に動くときの
摩擦であるが、このときにはころが容易に回転するの
で、内外輪間に相対回転のない静止状態から内外輪間が
相対回転し始めるときの回転抵抗、内外輪間が相対回
転して動いている状態における回転抵抗とに差異が生じ
ないため、付勢手段による付勢力に対して常に正確で安
定した回転抵抗が生ずることになる。又、本装置が内外
輪間に複数のころを介在させたころがり軸受状構造であ
ることから許容面圧を大きくとることができ、従来のす
べり摩擦を利用したブレーキ装置のように大きな摺動部
分を必要としないため、その形状が小形化される。
【0009】次に、回転抵抗付与装置により回転抵抗を
与えるときには、その損失エネルギーは熱に変換され
る。即ち、回転抵抗付与装置で発生する単位時間当たり
の回転エネルギーは、付与する回転抵抗(トルク)と回
転速度との積である仕事率に対応して与えられ、これが
単位時間当たりに発生する熱量になる。一方、この発生
した熱は、装置の温度をある程度上昇させるが、その温
度、回転速度、周囲条件等と一定の関係をもって放散さ
れ、装置の温度がある温度まで上昇すると、単位時間当
たりの発生熱量と放熱量とがバランスしてその温度で運
転状態が維持されることになる。このような回転エネル
ギーと温度上昇との関係は、各種各サイズの回転抵抗付
与装置毎に、予め計算又は実験で把握しておくことがで
きる。そして請求項1の発明の付勢手段は、回転抵抗付
与装置の使用される最大回転速度における温度上昇を一
定値以内で飽和させる所定の回転抵抗を与えるように外
輪を付勢するので、回転抵抗付与装置の温度上昇を抑制
し、その熱的安全性を確保することができる。 ここで温
度上昇の上限である一定値は、通常50°C程度に定め
られるが、内側回転体、外輪、ころ等の回転抵抗付与装
置を構成する構成体の材質、回転抵抗付与装置が機械要
素として組み込まれる対象となる機械装置の種類、その
中における装着場所、等の諸条件を考慮して、実際の使
用に適合するように決定される。例えば、プラスチック
系の材料を用いる場合、発生する熱が機械装置の他の部
品等に悪影響を与える場合、人の手に触れやすい場所に
装着されている場合等には、温度上昇の一定値をより低
く決定することが望ましいこともある。
【0010】請求項2の発明によれば、内側回転体と外
輪とが自由回転方向に回転するときに所定の回転抵抗を
付与する付勢手段に加えて、付勢手段が付勢する方向と
は反対の方向に外輪を付勢する第二付勢手段と、この第
二付勢手段による付勢を解除する解除手段とを設けるの
で、解除手段を作動させない第一状態と、これを作動さ
せた第二状態との間で、2種類の回転転抵抗を選択して
付与することができる。例えば、第二付勢手段の付勢力
を付勢手段の付勢力より大きくしておけば、解除手段を
作動させないときには、回転抵抗の無い自由回転状態が
得られ、解除手段を作動させると、付勢手段の付勢力に
対応した回転抵抗が得られる。このような回転抵抗付与
装置は、例えば巻取り機等のブレーキ装置に利用でき
る。この場合、付勢手段の付勢力により正確に計算され
た回転抵抗を与えることができるので、回転系の回転慣
性と付与する回転抵抗との関係で、正確な制動時間を計
算することも可能になる。又、第二付勢手段の付勢力を
付勢手段の付勢力より小さくしておけば、解除手段の作
動/不作動により予め精度よく定められた2種類の回転
抵抗が得られる。この場合には、例えば、解除手段を
作動させたときの大きい回転抵抗と不作動時の小さい回
転抵抗との間に回転系の定格トルクを設定すれば、解除
手段の作動又は不作動により、回転系の駆動側と負荷側
とを結合して相対回転の無い運転状態と小さい方の回転
抵抗で相対回転する運転状態とを得ることができる。こ
のような回転抵抗付与装置は、例えば物を安全に吊り下
ろす装置に利用することができる。
【0011】請求項3の発明によれば、上記のような付
勢手段及び該付勢手段が付勢する方向とは反対の方向に
外輪を付勢する第二付勢手段と、第二付勢手段による付
勢を解除すると共に軌道間隔を狭くする方向への外輪の
移動を所定位置で停止させる解除停止手段とを設けるの
で、解除停止手段を作動させないときには、付勢手段が
付勢する付勢力より大きい付勢力で第二付勢手段が外輪
を付勢する場合には、軌道間隔が広がり自由回転が得ら
れ、付勢手段が付勢する付勢力より小さい付勢力で第二
付勢手段が外輪を付勢する場合には、解除停止手段が不
作動時に外輪を停止させる位置に対応した回転抵抗で内
外輪間が回転可能になる。又、解除停止手段を作動させ
るときには、解除停止手段が作動時に外輪を停止させる
位置に対応した回転抵抗で内外輪間を回転させることが
できる。
【実 施 例】図1は、本発明の回転抵抗付与装置の第
一実施例を示す。本実施例の装置は、内側回転体として
の内輪1と、外輪2と、ころ3と、中間部材としてのハ
ウジング4と、付勢手段としての予圧ばね5と、を有す
る。内輪1は、その中心軸1bまわりの単葉回転双曲面
をなす内輪軌道面1aを備えている。外輪2は、内輪軌
道面1aとの間で軌道6を形成するように中心軸1bま
わりの単葉回転双曲面をなす外輪軌道面2aを有する。
ころ3は、ころがり面が円筒形状であり、軌道6におい
てころ3の中心線を中心軸1bを含む断面から一定角度
β(例えば15°)傾斜して軌道の円周方向に複数個配
設され、その表面は内側軌道面1aと外輪軌道面2aと
に線状に接触するようになっている。又ころ3は、それ
ぞれが相互に干渉することなく円滑に回転するように、
保持器7によりそれぞれの間が位置保持されている。内
輪1及び外輪2の軌道面1a及び2aは、上記の如く、
ころ3と線状に接するように、それぞれ次式に示す双曲
線を中心線1b回りに回転させた単葉回転双曲面として
いる。 yi/ai−xi/bi=1 yo/ao−xo/bo=1 ここで、x、xは、それぞれ内輪軌道面1a、外輪
軌道面2aの原点から中心線1b方向への距離、y
は、それぞれ、中心線1bを含む任意断面における
内輪軌道面1a、外輪軌道面2aの中心線1bからの距
離、又、ai、bi、ao、boは定数である。今、内
外輪の小径側の基準面(双曲線の原点面)における中心
線1bから軌道8の中心までの距離をF、ころ3の半径
をr、傾斜角をβとして、F=9、r=1.5、β=1
5°の場合の計算を行うと(計算は複雑であるため省略
する)、ai、bi、ao、boの値はそれぞれ、約
7.5、30.1、10.5、37となり、内外輪軌道
面の単葉回転双曲面の形状が与えられる。ハウジング4
は、外輪2が中心軸1b方向に移動自在なようにトルク
伝達手段の一例であるボールスプライン8を介して外輪
2を結合すると共に、中心軸1b方向の一定位置で内輪
1との間で回転が自在なように軸受9を介して内輪1と
結合している。このような外輪2とハウジング4との結
合は、インボリュートスプラインやトルク伝達ピン等他
の手段であってもよい。予圧ばね5は、中心軸1b方向
において軌道6の間隔を狭くする方向(図において左か
ら右の方向)へ外輪2を付勢する。なお本実施例では、
予圧ばね5を皿ばねとして付勢手段にのみ用いている
が、その外輪2側及びハウジング4側の端部を外輪2及
びハウジング4に嵌合させることにより、外輪2の付勢
と共に両者間でトルクが伝達されるようにし、ボールス
プラインを省略するような構造にしてもよい。符号1
0は予圧ばね5の付勢力を調整、設定する調整ねじであ
る。そしてこの予圧ばね5の付勢力は、内輪1と外輪2
との間が自由回転方向に回転するときに目的とする所定
の回転抵抗が得られるような付勢力である。次に所定の
回転抵抗トルクを得るための予圧ばね5の付勢力につい
て説明する。図2に示す如く、予圧ばね5の付勢力を
P、ころ3の接触角をθとすると、ころ3と内外輪1、
2との間には垂直力N=P/sinθが作用する。同図
(b)は、付勢力Pが作用したときの内外輪の力の釣合
い状態を示す。ここでQは、内外輪間の面圧に対抗して
生ずる内外輪の剛性に基づく力である。この垂直力Nに
よって、ころ3と外輪2との間には、ころがり摩擦力μ
Nがころ3の転がり方向に生ずると共に、ころ3の軸
方向にすべり摩擦μNが生ずる。その結果、外輪2
の付勢力P方向の平面内では、ほぼ同図(c)のような
力がはたらき、その合力Fが内外輪間を回転させようと
する力F´と釣り合うことになる。従って、内外輪1、
2間で伝達されるトルクTは、外輪2ところ3とのころ
がり摩擦中心の距離をPCDとすると、T=F・PC
D/2となる。この場合摩擦係数μ及びμは実験等
で求めることができるが、ころがり摩擦が加わるため静
止状態と運動状態とで差の無い極めて安定した値であ
る。この式により、回転抵抗付与装置の構造によって定
まる諸角度、寸法等及び予圧ばね5による付勢力Pを一
定の関係に定めることにより、所望の回転抵抗トルクT
が得られる。なお、このような設定トルクを、摩擦クラ
ッチ等における如く滑り摩擦の作用のみにより得る場合
には、そのトルクは極めて不安定なものとなるが、本発
明ではころがり軸受クラッチ状構造体を用いるので、上
記の計算式により精度よく回転抵抗トルクを得ることが
できる。図3は、本装置を単体で運転したときに、温度
上昇が50゜Cで飽和して安定するような吸収トルク
(回転抵抗トルク)と入力回転数(内外輪間の相対回転
数)との関係を示す。回転数が大きくなると吸収エネル
ギー(吸収トルク×入力回転数)が大きくなるのは、放
熱効果の影響である。なお破線は、標準的な予圧ばね5
の付勢力の上限値による吸収トルクの制限を示す。従っ
て、計算や実験等でこのような吸収トルク特性を予め把
握しておき、使用する回転速度の上限に対して、この曲
線で与えられる吸収トルク以内のトルクを回転抵抗とし
て設定するように予圧ばね5の付勢力を定めることによ
り、熱的に安全な回転抵抗付与装置を設計することがで
きる。図4は他の実施例の回転抵抗付与装置を示す。こ
ろがり軸受クラッチを基本構造としている点は図1の実
施例のものと同じなので、同様の構造の部分については
説明を省略する。内輪1´は、ねじ11により取付部材
12に取り付けられ、取付部材12が外部の取付けフレ
ーム100にねじ101で取り付けられることにより、
回転及び中心軸1b方向の位置を固定されている。中間
部材としてのハウジング4´は、取付部材12及び軸受
9´を介して中心軸1b方向の一定位置で回転自在に内
輪1´と結合され、更に、トルク伝達手段としてのボー
ルスプライン8´を介して中心軸1b方向に移動自在で
一体として回転するように外輪2´を結合している。
又、内輪1´内には、操作軸13が中心軸1b方向に移
動自在に嵌入され、この操作軸13には、外輪2´の中
心軸1b方向の移動を所定位置で停止させる解除停止手
段としてのスラスト軸受14が取り付けられた支持板1
5が固設されている。更に操作軸13には、ばねホルダ
兼位置決部材16が固設され、その中に、一端側が内輪
1に圧接し他端側がばねホルダ兼位置決部材16に圧接
して操作軸13を付勢する第二付勢手段としてのコイル
ばね17が設けられている。ホルダ兼位置決部材16
は、操作軸13を操作しないときには、コイルばね17
を位置決めすることによりコイルばね17を介して外輪
2´の所定位置を定め、操作軸13を操作するときに
は、取付部材12との間の間隙cにより外輪2´の所定
位置を定める。なお、予圧ばね5´の付勢力とコイルば
ね17の付勢力とは、回転抵抗付与装置の用途に合わせ
て、それぞれの大小の関係を定める。以上において、操
作軸13、スラスト軸受14、支持板15、ばねホルダ
兼位置決部材16、及びコイルばね17は、相互に関連
して第二付勢手段、解除手段、解除停止手段の一例を構
成する。このような構造により、中心軸1bから上半分
の図に示す如く操作軸13を操作しない場合には、コイ
ルばね17がホルダ兼位置決部材16を介して操作軸1
3を図において左から右に付勢し、支持板15及びスラ
スト軸受14を介して外輪2´を同じ方向に付勢する。
その結果、予圧ばね5´の軌道間隔を狭くする方向への
付勢力を減殺する。そして、コイルばね17の付勢力が
予圧ばね5´の付勢力より大きい場合には、内外輪間
(従って外輪2´)は正逆何れの方向にも自由回転が可
能になる。一方、コイルばね17の付勢力が予圧ばね5
´の付勢力より小さい場合には、内外輪間がクラッチし
ない方向(正転側)に回転するときには、両付勢力の差
に対応した回転抵抗をもって内外輪間が相対回転し、
又、内外輪間がクラッチ方向(逆転側)に回転するとき
には、内外輪間がクラッチしてコイルばね17の付勢力
に対応した位置で外輪2´の移動が停止し、そのときの
回転抵抗で内外輪間が相対回転する。次に、中心軸1b
から下半分の図の如く操作軸13を操作した場合には、
コイルばね17の付勢力が解除され、外輪2´が正転側
に回転するときには、予圧ばね5´の付勢力に対応した
回転抵抗をもって内外輪間が回転し、一方、外輪2´が
逆転側に回転するときには、外輪2´が軌道間隔の狭ま
る方向に移動し、間隙cが無くなってスラスト軸受14
が位置決めされた位置に外輪2´が当たって停止した位
置に相当する回転抵抗が与えられ、内外輪間が相対回転
することになる。なおこのように逆転側に回転する場合
には、クラッチトルクはスラスト軸受14の位置により
定まるので、予圧ばね5´は内外輪間をクラッチ状態に
導くだけの付勢力のものでよく、従ってその付勢力を解
除するコイルばね17の付勢力も小さいものでよくなる
という利点がある。本実施例の回転抵抗付与装置は、例
えば、駆動手段とクラッチとを介して結合される図示し
ない巻取りドラムをハウジング4´に取り付け、駆動手
段を連続回転させ、クラッチを結合して操作軸13を操
作しない状態でドラムの自由回転(正転でも逆転でも何
れでもよい)により糸等を巻取り、所定量巻き取るとク
ラッチを切離し、操作軸13を操作して外輪2の回転に
所定の回転抵抗を付与してブレーキをかけ、設定された
早い一定時間内にドラムを停止させ、ドラムを取り替え
てクラッチを結合し再び同様な巻取りを行うような目的
に使用される。この場合、本回転抵抗付与装置によれ
ば、安定した一定の回転抵抗をブレーキとして確実に付
与することができるので、ドラムを含む回転部分の極慣
性モーメントと付与する回転抵抗トルクとから、制動時
間を正確に計算し、巻取り作業の高能率化を図ることが
できる。なお以上の回転抵抗付与装置において、操作軸
13は、人が必要に応じ直接これを手で操作してもよい
が、てこ等の倍力装置を介して操作するようにすること
もでき、又場合によっては、一定の条件でソレノイド等
により自動もしくは遠隔的に作動させるようにすること
も可能である。このようにすれば、例えばハウジング4
´にワイヤー等を巻き付けられるようにして、本装置を
機側もしくは遠隔操作することにより、物を安全に吊り
下ろす作業や、人の緊急避難用に用いることもできる。
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の
発明においては、大きな回転抵抗を精度よく安定して付
与すると共に、回転速度との関係で付与する回転抵抗を
制限することにより回転抵抗付与装置の温度上昇を規制
し熱的に安定させることができ、請求項の発明は、
きな回転抵抗を精度よく安定して付与すると共に、解除
手段を操作したときと操作しないときとの間で回転抵抗
を変化させることにより回転抵抗を制御することがで
き、請求項の発明は、請求項の発明と同様の効果を
得られると共に付勢手段の付勢力を大きくしなくても大
きな回転抵抗を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の回転抵抗付与装置の断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、付勢力と回転抵抗との関係
を説明する説明図である。
【図3】温度上昇を一定範囲に規制する場合の入力回転
数と吸収トルクとの関係を示す曲線図である。
【図4】他の実施例の回転抵抗付与装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1、1´ 内輪(内側回転体) 1a、1´a 内輪軌道面(内側軌道面) 1b 中心軸 2、2´ 外輪 2a、2´a 外輪軌道面 3 ころ 4、4´ ハウジング(中間部材) 5、5´ 予圧ばね(付勢手段) 6 軌道 8、8´ ボールスプライン(トルク伝達手
段) 9、9´ 軸受 13 操作軸(第二付勢手段、解除手段、
解除停止手段) 14 スラスト軸受(同上) 15 支持板(同上) 16 ばねホルダ兼位置決部材(同上) 17 コイルばね(同上)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側回転体と、外輪と、ころと、中間部
    材と、付勢手段と、を有し、 前記内側回転体は、その中心軸まわりの単葉回転双曲面
    をなす内側軌道面を備え、 前記外輪は、前記内側軌道面との間で軌道を形成するよ
    うに前記中心軸まわりの単葉回転双曲面をなす外輪軌道
    面を備え、 前記ころは、ころがり面が円筒形状であり、前記軌道に
    おいて該ころの中心線を前記中心軸を含む断面から一定
    角度傾斜して前記軌道の円周方向に複数個配設され、該
    ころの表面は前記内側軌道面と前記外輪軌道面とに線状
    に接触し、 前記中間部材は、前記外輪が中心軸方向に移動自在なよ
    うにトルク伝達手段を介して前記外輪を結合すると共
    に、中心軸方向の一定位置で前記内側回転体との間で回
    転が自在なように軸受を介して前記内側回転体を結合
    し、 前記付勢手段は、前記内側回転体と前記外輪との間が自
    由回転方向に回転するときに所定の回転抵抗であって使
    用される最大回転速度における温度上昇を一定値以内で
    飽和させる所定の回転抵抗を与えるような付勢力で前記
    外輪を前記中心軸方向であって前記軌道の間隔を狭くす
    る方向に付勢する、 ことを特徴とする回転抵抗付与装置。
  2. 【請求項2】 内側回転体と、外輪と、ころと、中間部
    材と、付勢手段と、を有し、 前記内側回転体は、その中心軸まわりの単葉回転双曲面
    をなす内側軌道面を備え、 前記外輪は、前記内側軌道面との間で軌道を形成するよ
    うに前記中心軸まわりの単葉回転双曲面をなす外輪軌道
    面を備え、 前記ころは、ころがり面が円筒形状であり、前記軌道に
    おいて該ころの中心線を前記中心軸を含む断面から一定
    角度傾斜して前記軌道の円周方向に複数個配設され、該
    ころの表面は前記内側軌道面と前記外輪軌道面とに線状
    に接触し、 前記中間部材は、前記外輪が中心軸方向に移動自在なよ
    うにトルク伝達手段を介して前記外輪を結合すると共
    に、中心軸方向の一定位置で前記内側回転体との間で回
    転が自在なように軸受を介して前記内側回転体を結合
    し、 前記付勢手段は、前記内側回転体と前記外輪との間が自
    由回転方向に回転するときに所定の回転抵抗を与えるよ
    うな付勢力で前記外輪を前記中心軸方向であって前記軌
    道の間隔を狭くする方向に付勢し、前記付勢手段が付勢する方向とは反対の方向に前記外輪
    を付勢する第二付勢手段と、該第二付勢手段による付勢
    を解除する解除手段と、を設けた ことを特徴とする回転
    抵抗付与装置。
  3. 【請求項3】 内側回転体と、外輪と、ころと、中間部
    材と、付勢手段と、を有し、 前記内側回転体は、その中心軸まわりの単葉回転双曲面
    をなす内側軌道面を備え、 前記外輪は、前記内側軌道面との間で軌道を形成するよ
    うに前記中心軸まわりの単葉回転双曲面をなす外輪軌道
    面を備え、 前記ころは、ころがり面が円筒形状であり、前記軌道に
    おいて該ころの中心線を前記中心軸を含む断面から一定
    角度傾斜して前記軌道の円周方向に複数個配設され、該
    ころの表面は前記内側軌道面と前記外輪軌道面とに線状
    に接触し、 前記中間部材は、前記外輪が中心軸方向に移動自在なよ
    うにトルク伝達手段を介して前記外輪を結合すると共
    に、中心軸方向の一定位置で前記内側回転体との間で回
    転が自在なように軸受を介して前記内側回転体を結合
    し、前記付勢手段は、前記外輪を前記中心軸方向であって前
    記軌道の間隔を狭くする方向に付勢し、 前記付勢手段が付勢する方向とは反対の方向に前記外輪
    を付勢する第二付勢手段と、 該第二付勢手段による付勢を解除すると共に前記軌道の
    間隔を狭くする方向への前記外輪の移動を所定位置で停
    止させる解除停止手段と、 を設けたことを特徴とする回転抵抗付与装置。
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