JPH0812390B2 - ハロゲン化銀写真乳剤 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真に関する。更に詳しくは、本発明はハロ
ゲン化銀粒子を含有する写真乳剤に関する。
〔従来の技術〕
ハロゲン化銀の写真は一世紀以上にわたって実施され
てきている。画像形成に最初に使用された放射線感受性
ハロゲン化銀組成物は、固相が存在しないと最初は理解
されていたので、乳剤と名付けられた。放射線感受性成
分は、分散した微結晶(代表的には粒子と称する)の形
で存在することがかなり前から知られてきているが、
「写真乳剤」という用語が依然として使用されている。
多年にわたって、ハロゲン化銀粒子は熱心な研究の主
題であった。銀を基準としてヨウ化物少なくとも90モル
%を含有する高ヨウ化物ハロゲン化銀粒子は公知であ
り、写真への利用が示唆されたが、実際には写真乳剤は
ほとんど常に、少量のヨウ化物を必要に応じて含有す
る、臭化物、塩化物、または塩化物と臭化物との混合物
から構成されたハロゲン化銀粒子を含有する。銀を基準
とした約40モル%までのヨウ化物は、分離したヨウ化銀
相を観測することなく、臭化銀結晶構造中に収容するこ
とができる。しかしながら、実際には、約15モル%より
多いヨウ化物を含有するハロゲン化銀乳剤は稀であり、
10モル%よりかなり少ないヨウ化物を含むものが最も普
通である。めったに用いられない高ヨウ化物ハロゲン化
銀粒子(以後の記載においては、特に断らない限り、考
慮に入れないものとする)を除けば、すべてのハロゲン
化銀粒子は、立方結晶格子構造を示す。
ハロゲン化銀粒子の表面積対粒子体積の比は一定でな
いことが、多年にわたって認識されてきた。ハロゲン化
銀粒子が微細になる程、粒子体積に対する粒子表面積が
広くなる〔これはより普通には間接的に塗布付着量(co
ating coverage)、例えば銀のg数/m2、と呼ばれ
る〕。ハロゲン化銀粒子の表面積対粒子体積の比(以
後、粒子表面積比と称する)が増加することは、表面作
用に依存する写真性能、例えば、処理剤との相互作用な
らびに吸着した添加物、例えば分光増感剤との相互作用
を改良するうえで有利なことがある。
しかしながら、最高の表面積比を有する、きわめて微
細な粒子乳剤例えばリップマン乳剤は低い写真感度を示
すので、ハロゲン化銀乳剤中の潜像の形成には用いられ
ないのが普通である。写真要素中に通常現われるハロゲ
ン化銀粒子の寸法の範囲内においては、最適増感におい
て得られる最高感度が粒子寸法の増加とともに直線的に
増加する。こうして、放射線感受性乳剤は、より大きい
粒子寸法を要求する写真感度の目的を満足することと、
粒子表面積比の増加、従って、より微細なハロゲン化銀
粒子の選択により利益を得る他の性能の基準を満足する
こととの間の妥協をしばしば表わすものであった。
種々の規則的および不規則的な粒子の形状が、ハロゲ
ン化銀写真乳剤において観察された。粒子はこれらの位
置におけるハロゲン化銀の可溶化のためのより低い活性
化エネルギーに帰因する角および縁が丸くなることを示
すことがあるが、一般にハロゲン化銀粒子は多面体であ
り、明確な結晶面で境界されている。
ハロゲン化銀は立方体または八面体の結晶学的面の形
成を好む。塩化銀は立方結晶面の形成を強く好む。臭化
銀は、また、立方体結晶面の形成を好むが、過剰の臭素
イオンの存在下では八面体結晶面の形成を好む。結晶構
造中のヨウ素イオンは、八面体の結晶面をもつ粒子の比
率を増加する傾向がある。1つの結晶学的形態の比率を
他の形態のそれより高くさせる因子は、次の文献におい
て考察されている:ジェイム(James)、写真処理の理
The Theory of the Photographic Process)、第4
版、マクミラン(Macmillan)、ニューヨーク、1977、9
8〜100ページ。
立方体結晶面によって境界される規則的なハロゲン化
銀粒子は、電子顕微鏡で検査すると、外観が立方体であ
る。規則的な立方体粒子(1)を第18図に示す。立方体
粒子は6つの同一結晶面によって囲まれている。写真関
係の文献において、これらの結晶面は、結晶面の表示に
ついて用いられるミラー指数を参照して、{100}結晶
面と通常呼ばれている。{100}結晶面の表示はハロゲ
ン化銀粒子に関連して最も普通に用いられるが、これら
の同一結晶面は時には{200}結晶面とも呼ばれる。こ
の表示の差は、結晶構造の基本単位の定義の差から生ず
る。立方晶の形状は規則的粒子において容易に視的に同
定されるが、不規則的粒子においては立方体結晶面は必
ずしも正方形ではない。より複雑な形状の粒子におい
て、立方体結晶面の存在は、視的検査と、隣接する立方
体結晶面によって形成される交差の90°の角度との組み
合わせによって確かめることができる。
立方体結晶面の実際的重要性は、それらの面が銀イオ
ンおよびハロゲンイオンの独特の表面配置を表わしてい
ることであり、この表面配置は写真の用途において典型
的に直面する粒子表面の反応および吸着に影響を及ぼ
す。理論的に推定したこの独特の表面配置を第2図に概
略的に示す。ここで、小球(2)は銀イオンを表わし、
一方大球(3)は臭素イオンを表示する。拡大してはあ
るが、銀イオンおよび臭素イオンの相対的寸法および位
置は正確に表わされている。塩素イオンを臭素イオンと
置換すると、塩素イオンは臭素イオンより小さいが、相
対的配置は同一に留まるであろう。線(4)で示される
複数の平行な列が存在し、各列は交互する銀イオンおよ
び臭素イオンによって形成される。第2図において、表
面層より下に横たわるイオンの次の層の一部分を示し
て、イオンの表面層に対する関係を説明する。
他の形態において、電子顕微鏡で観察するとき、規則
的ハロゲン化銀粒子は外観が八面体である。規則的八面
体の粒子(5)を第3図に示す。八面体の粒子は8つの
同一結晶面により囲まれている。これらの結晶面は八面
体または{111}の結晶面と称される。八面体結晶の形
状は規則的な粒子において容易に視的に同定されるが、
より複雑な形状の粒子において、八面体の結晶面の存在
は、視的検査と、隣接する八面体の結晶面により形成さ
れる交差の109.5°の角度との組み合わせによって確か
めることができる。
場合によって起り得るイオンの吸着を無視すると、イ
オンの表面層が銀イオンまたはハロゲンイオンから完全
に成っているものと理論的に推定できる点において、八
面体の結晶面は立方体の結晶面と異なる。第4図は、第
2図に類似する{111}結晶面の概略図であり、ここで
小球(2)は銀イオンを表わし、一方大球(3)は臭素
イオンを表示する。銀イオンは表面においてすべての利
用可能格子位置に存在することが示されているが、原子
の表面層における1つおきの利用可能格子位置において
のみ銀イオンを存在させることが表面電荷の中和とより
適合するであろうことが示唆された。銀イオンの表面層
の代わりに、イオンの表面層は交互に臭素イオンである
ことができる。表面の銀イオンのすぐ下のイオン層は臭
素イオンから成る。
第18図および第2図と第3図および第4図とを比較す
るとき、立方体の粒子および八面体の粒子の両者は正確
に同一の立方体結晶格子構造を有し、こうして正確に同
一の銀イオンとハロゲンイオンとの内部関係を有するこ
とに留意することが重要である。2種類の粒子は、それ
らの表面の結晶面のみが異なるだけである。第2図の立
方体結晶面において、表面の各銀イオンは隣接する5個
のハロゲンイオンに近接して存在し、一方第4図におい
て八面体の結晶面の銀イオンの各々は3個のみのハロゲ
ンイオンに隣接して存在することに注意すべきである。
ハロゲン化銀は立方結晶格子材料の5つの残りの実現
可能な結晶学的形態の形成を好まない。わずかの場合に
おいて、斜方晶系の十二面体の面を有するハロゲン化銀
粒子が観察された。塩化銀および塩化臭化銀の乳剤中の
斜方晶系形の十二面体の形態の結晶面は、クレアス(cl
aes)らの米国特許第3,817,756号により報告された。
イルシュ(Wyrsch)、1978年の写真科学の国際会議からの
論文 (Papers from the 1978 International Congress o
f Photographic Science)、ロチェスター(Rochester)
ニューヨーク、II-13,122ページには、2価のカドミウ
ムイオンおよびアンモニアの存在下に三重ジェット沈殿
法により調製された斜方晶系十二面体の塩化銀乳剤が報
告されている。ベリー(Berry)、「AgBr十二面体の表
面構造および反応性(Surface Structure and Reactivi
ty of AgBr Dodecahedra)」、写真の科学および工学 (P
hotographic Science and Engineering),Vol.19,No.3,5
月16日,1975年,171および172ページは、斜方晶系十二面
体の結晶学的形態の結晶学的面を有する臭化銀粒子を例
示している。
規則的な斜方晶系十二面体の粒子(7)を第5図に示
す。斜方晶系十二面体の粒子は、12の同一結晶面により
囲まれている。これらの結晶面は、斜方晶系十二面体ま
たは{110}(または、それほど普通ではないがハロゲ
ン化銀粒子、{220})結晶面と呼ばれる。斜方晶系十
二面体の結晶形状は規則的粒子において容易に視的に同
定されるが、より複雑な形状の粒子において、斜方晶系
十二面体結晶面の存在は、視的検査と、隣接する斜方晶
系十二面体結晶面の交差角度の測定との組み合わせによ
って確かめることができる。
斜方晶系十二面体結晶面は、銀イオンおよびハロゲン
イオンの交互する列から成ると理論的に推定することが
できる。第6図は第2図および第4図に類似する模式図
であり、ここでイオンの表面層はそれぞれ線(8a)およ
び(8b)により示される銀イオンおよび臭素イオンの平
行な列の反復対により形成される。第6図において、表
面層の下に存在するイオンの次の層の一部分を示し、イ
オンの表面層に対するそれらの関係を説明する。各表面
銀イオンは4個のハロゲンイオンに直ぐに隣接して存在
することに注意すべきである。
立方体結晶格子構造によって表わすことのできる更に
別の結晶学的形態が4種類存在するが、ハロゲン化銀に
ついて従来報告されていない。これらは六八面体,四六
面体,二十四面体および偏菱二十四面体の結晶形態であ
る。
立方体結晶格子構造材料についての7種類の可能な結
晶学的形態は、単一の結晶学的形態の面によって完全に
囲まれる規則的な結晶構造によって生成される多面体で
命名される。例えば、立方体の形態の結晶学的面によっ
て完全に囲まれる規則的なハロゲン化銀粒子は立方体で
あり、そして八面体形態の結晶学的面によって囲まれる
規則的なハロゲン化銀粒子は八面体である。
同一の結晶学的形態の結晶面により完全に囲まれるこ
とによって生成される多面体の形状の規則的な粒子に加
えて、立方体の面および八面体の面の両者によって囲ま
れる規則的なハロゲン化銀粒子を観察することは異常な
ことではない。このような粒子は立方八面体(cubo-oct
ohedral)であるという。これを第7図に示しており、
ここで立方八面体粒子(9)および(10)を、立方体粒
子(1)および八面体粒子(5)と一緒に示す。立方八
面体粒子は14の結晶面、6つの立方体結晶面および8つ
の八面体結晶面を有し、そしてその理由でそれらは時に
は十四面体粒子と呼ばれる。立方体および/または八面
体の結晶面および斜方晶系十二面体の結晶面の同様な組
み合わせは可能であり、立方体,八面体および斜方晶系
十二面体の結晶面を有する粒子の稀な例は、斜方晶系十
二面体の粒子に関連して上に引用した、ベリー(Berr
y)により提供された。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、表面積が増加したハロゲン化銀粒子
を有する放射線感受性乳剤(radiation sensitive emul
sion)を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記した目的は、本発明によれば、立方体結晶格子構
造のハロゲン化銀粒子を含み、その際、 前記ハロゲン化銀粒子は、第1の結晶学的形態の基面
からのハロゲン化銀結晶格子の延長部である突起による
ラッフル化(ruffled)面を有し、 前記基面下および前記突起中において前記基面に隣接
する前記粒子は、同一のハロゲン化銀組成を呈示し、そ
して 前記突起は、第2の結晶学的形態の表面を提供する、
放射線感受性乳剤によって達成することができる。
本発明は、ラッフル化面を有する立方体結晶格子構造
の放射線感受性粒子から構成されたハロゲン化銀写真乳
剤、およびこれらの乳剤を含む写真要素に関する。
ラッフル化されているため、これらの粒子面は対応す
る平坦な粒子面よりも大きい表面積を有する。第18図に
おける平坦な面により囲まれる規則的な多面体、例えば
立方体(1)または第3図における八面体(5)を考慮
すると、平坦な面の各々は多面体の大きさと一致する最
小表面積を表わすことが明らかである。
驚ろくべきことに、立方体結晶格子構造のハロゲン化
銀粒子の粒子表面積比を、粒子の全体の形状または寸法
を有意に変更することなく、大幅に増加することができ
ることが発見された。これは粒子が提供する表面を単に
かき乱す(ラッフル化する;ruffling)ことによって達
成される。粒子表面積比を増加する程度は、選択事項で
あり、わずかの増加からその粒子表面積比の2倍より大
きい増加まで変化させることができる。本発明の実施に
おいて使用する粒子面は、粒子表面積比を50%増加する
のに十分な程度にラッフル化するのが好ましい。これ
は、結晶面のランダム非均一性により従来実現される粒
子表面積の偶発的な増加、および複合体ハロゲン化粒子
を製造することにより実現される粒子表面積比の求めず
して得られる増加よりもかなり大きい。本発明のハロゲ
ン化銀乳剤は、同様な寸法および形状でラッフル面をも
たない粒子に比べて、粒子表面積比を少なくとも100
%、最適には少なくとも200%増加させるラッフル化粒
子面を示すことが最も好ましい。
ラッフル化面を有するハロゲン化銀粒子の形成は、ハ
ロゲン化銀が好む結晶学的形態の面を提供する立方体結
晶格子構造のハロゲン化銀粒子を含有する従来の任意の
乳剤から出発する。主として塩化銀である(銀を基準と
して50モル%より多い塩化物)ハロゲン化銀粒子および
特に少なくとも90モル%が塩化物である粒子において、
好適な結晶学的形態は立方体であり、従って、ラッフル
化すべき粒子面は立方体(すなわち、{100})の結晶
面である。他のハロゲン化銀、臭化銀、臭化ヨウ化銀、
塩化臭化銀および塩化臭化ヨウ化銀について、好適な結
晶学的形態、従って粒子面は立方体であるか、あるいは
過剰の臭素イオンの存在下で形成される場合は、八面体
(すなわち、{111})である。
使用するハロゲン化銀のための好適な結晶学的形態の
粒子面は、平坦な表面を提供し、そしてラッフル(突
起)を形成する追加のハロゲン化銀のための堆積部位と
しての役目をする。従って、宿主粒子(host grain)の
ハロゲン化銀が好む結晶学的形態の平坦表面はラッフル
の基面(base plane)を形成することが明らかである。
ラッフルは基面からの突起の形態を取り、そしてこれら
の突起は、下に存在する宿主粒子のハロゲン化銀の立方
体結晶格子構造の延長部である。基面に隣接するラッフ
ル内のハロゲン化銀は、基面を形成する宿主粒子のハロ
ゲン化銀と同一の結晶学的形態を好む組成である。
突起中および宿主粒子中の基面に隣接するハロゲン化
銀は、組成が同一であるかあるいは異なることができ、
各位置におけるハロゲン化銀の選択は、立方体結晶格子
構造を形成するという要件および基面の結晶学的形態に
相当する共通の結晶学的形態を各位置におけるハロゲン
化銀が好むという要件によってのみ制限される。こうし
て、基面に隣接する突起は、例えば、主として塩化銀の
基面上に堆積した、上に定義したような、主として塩化
銀;臭化銀または臭化ヨウ化銀の基面上に堆積した臭化
銀;臭化銀または臭化ヨウ化銀の基面上に堆積した臭化
ヨウ化銀;あるいは場合によりヨウ化物をも含有する塩
化臭化銀の基面上に堆積した、場合によりヨウ化物を含
有する塩化臭化銀、であるハロゲン化銀から形成するこ
とができる。主として塩化銀は{100}の臭化銀または
臭化ヨウ化銀の基面上に堆積することができる。しかし
ながら、{111}の臭化銀または臭化ヨウ化銀の基面上
に堆積した主として塩化銀である突起は、後述する理由
で本発明に対する応用性をもたない。基面に隣接しない
で存在する突起の部分、例えば、突起の表面は、基面に
隣接する宿主粒子のハロゲン化銀組成とは独立に、任意
の公知の写真的に有用なハロゲン化銀の組成をもつこと
ができる。なぜなら、いったん突起が形成すると、任意
の所望の方法における突起の表面の変性は選択事項であ
るからである。
突起は、ほとんどの場合において、ピラミッドの形態
を取り、そして場合によって、尾根の形態を取ることが
観察された。説明の便宜上、以下の記載はピラミッドの
形態の突起に特定的に向けられるが、尾根の形態の突起
への拡張は明らかである。ハロゲン化粒子の縁および角
において起こりうる偶発的な丸くなる現象を除外して、
各突起は下に存在する宿主粒子が提供する基面と共通の
基部を有するピラミッドである。
各ピラミッドは、基面の結晶学的形態とは異なる多数
の表面の面(基部以外のすべての面)を提供する。ピラ
ミッドが提供する前記表面の面の数は、基面の結晶学的
形態およびピラミッドの表面の面の結晶学的形態によっ
て決定される。組み合わせを下表Iに記載する。
第18図を見ると、立方体(1)の角の各々は3つの
{100}結晶面によって形成されていることが理解でき
る。{111}基面上に形成された{100}結晶面のピラミ
ッドは、形状が立方体の角に類似する。これは第8図に
概略的に示されている。この第8図は{111}基面(1
2)上に3つの{100}結晶面(11a),(11b)および
(11c)を有するピラミッド(11)の平面図である。
同様に、第3図に見られるように、八面体(5)の角
の各々は4つの{111}結晶面によって形成されている
ことが理解できる。{100}基面上に形成された{111}
結晶面のピラミッドは、形状が八面体の角に類似する。
これを第9図に概略的に示す。第8図は{100}基面(1
4)上に4つの{111}結晶面(13a),(13b),(13
c)および(13d)を有するピラミッド(13)の平面図で
ある。
斜方晶系の十二面体の面をもつピラミッドに関する
と、第5図において見ることができるように、規則的な
斜方晶系の十二面体(7)は各々が3つの結晶面の交差
により形成された8つの角と、4つの結晶面の交差によ
り形成された6つの角とを有する。斜方晶系の十二面体
すなわち{110}の結晶面を提供するピラミッドが{10
0}基面上に位置する場合には、それは4つの表面の面
を提供し、こうして第9図に示すのと同様の平面図に現
われるが、{111}基面を提供する場合には、{110}結
晶面をもつピラミッドが3つの表面の面を提供し、こう
して第8図に示すのと同様に平面図に現われる。
{111}基面上に{100}結晶面によって形成される3
つの表面の面のピラミッドと{111}基面上に{110}結
晶面によって形成される3つの表面の面のピラミッドと
は平面図に同じように現われるが、それらを区別できる
ことを指摘すべきである。同様に、{100}基面上に{1
11}結晶面により形成される4つの表面の面のピラミッ
ドと、{100}基面上に{110}結晶面により形成される
4つの表面の面のピラミッドとは区別することができ
る。ピラミッドの表面の面の結晶学的形態を同定する1
つの方法は、表面の面と宿主粒子の基面との交差角を測
定することである。ピラミッドの結晶面を区別する他の
基準は、ピラミッドの表面の面の交差角度に注意するこ
とである。これらの測定した交差角度を理論的に可能な
交差角度および宿主粒子が提供する基面の結晶学的形態
についての他の知識およびピラミッドが提供する表面の
面の数を比較すると、ピラミッドの表面の面の結晶学的
形態の積極的同定が可能となる。
結晶学において、隣接する結晶面の相対的角度の測定
は結晶面の同定に用いられる。このような技術は、例え
ば、フィリップス(Phillips)著、結晶学入門An Int
roduction to Crystallography)、第4版、ション・ウ
ィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons.)に記
載されている。フィリップスは上の書物中で、根拠とし
て、ここに表わされる結晶学の基本的概念および用語に
頼っている。これらの技術とハロゲン化銀粒子の顕微鏡
検査の技術とを組み合わせて、ピラミッドの結晶面およ
び宿主粒子の基面の結晶面の一方または双方を積極的に
同定することができる。ハロゲン化銀粒子の電子顕微鏡
写真を作製する技術は、この分野において一般によく知
られており、例えば、次の参考書に記載されている:B.
M.スピネル(Spinell)およびC.F.オスター(Oster)、
「写真材料(Photographic Materials)」、顕微鏡検査
法およびミクロ技術の百科辞典The Encyclopedia o
f Microscopy and Microtechniqne),P.グレイ(Gra
y)編、バン・ノストランド(Van Nostrand)ニューヨ
ーク、1973年427-434ページ、特に429および430ページ
の炭素のレプリカ電子顕微鏡検査法に用いる節を参照さ
れたい。電子顕微鏡検査法においてよく知られている技
術を用いて、ハロゲン化銀粒子の炭素のレプリカをまず
調製する。炭素のレプリカは粒子の形状を再現し、同時
に炭素の外殻をもたないハロゲン化銀粒子を用いること
から生ずることが知られている銀のプリント−アウト
(print-out)を変更する形状を回避する。光を用いる
ときよりも大きい倍率の範囲を可能とするために、光よ
りもむしろ電子を像形成に用いる。観察すべき試料を電
子ビームに関して傾斜させることによって、視界の線が
縁として見える2つの隣接結晶面の両者に対して実質的
に平行であるように、選択した粒子を配合させることが
できる。粒子面が像形成電子ビームに対して平行である
場合には、面が規定する粒子の対応する縁は、面が単に
平行に近づくときよりも、鋭く現われるであろう。電子
ビームに対して平行な縁を提供する各々2つの交差する
結晶面による所望の粒子の配向がいったん得られると、
交差角度は配向した粒子の電子顕微鏡写真から測定する
ことができる。このようにして、任意の2つの交差する
結晶面によって提供される相対角を測定することができ
る。視的手がかり、例えば宿主結晶の形状による可能性
の範囲を狭くすることにより、可能な結晶の形態につい
ての交差角度を計算し、そして測定した交差角度の値と
比較することができる。ほとんどではないにしても、多
くの場合において、電子顕微鏡による宿主粒子の検査
は、基面の積極的同定を可能とするので、それ以上の調
査をピラミット表面の面に限定することができる。
立方体結晶格子の相互に垂直のx,yおよびz軸を参照
すると、立方体結晶面は軸のうち2本に対して平行であ
り、そして第3の軸と交差している。こうして{100}
のミラー指数が割当てられる。八面体結晶面は3本の軸
の各々と等間隔で交差し、こうして{111}のミラー指
数が割当てられ、そして斜方晶系の十二面体の結晶面は
3本の軸のうちの2本と等間隔で交差し、第3の軸に対
して平行であり、こうして{110}のミラー指数が割当
てられることが、この分野においてよく認識されてい
る。基本的結晶単位の所定の定義について、立方体、八
面体および斜方晶系の十二面体の結晶面の各々に1つの
そして1つだけのミラー指数が割当てられる。
二十四面体、四六面体、偏菱二十四面体および六八面
体の結晶面は、異なるミラー指数値を有することがで
き、従って表Iにおいて一般的にそれぞれ{hhl}、{h
ko}、{hll}および{hkl}の結晶面として同定され
る。ここでh,kおよびlは各場合に独立に0より大きい
相違する整数であり、hはlより大きく、そしてk(存
在する場合)はhより小さくかつlより大きい。整数h
の最大値について理論的制限は存在せず、5以下のh値
を有する結晶面はいっそう容易に発生する。便宜上、以
後の説明はhが5以下である面に関する。hが5より大
きい面についての関係は完全に類似する。
5までのh値を考えると、二十四面体の結晶面は、次
のミラー指数のいずれか1つを有することができる:
{221}、{331}、{441}、{551}、{332}、{55
2}、{443}、{553}または{554}。第10図は{33
1}結晶学的形態の面によって囲まれた二十四面体(1
5)の等角投影図である。突端(point)または突角(co
ign)(16)は3つの交差する結晶面(16a),(16b)
および(16c)によって形成されており、そして8つの
同一突角のうちの1つである。突端または突角(17)は
8つの交差する結晶面(16a),(16c),(17a),(1
7b),(17c),(17d),(17e)および(17f)によっ
て形成されており、そして6つの同一突角のうちの1つ
である。表Iを参照すると明らかなように、例えば突角
(17)を規定する面のような8つの表面の面を有するピ
ラミッドが存在するのは、ピラミッド表面の面が宿主粒
子によって提供される立方体すなわち{100}の基面上
の二十四面体すなわち{hhl}結晶面である場合であ
る。他方において、宿主粒子が八面体すなわち{111}
の基面を表わす場合、ピラミッド表面の面が二十四面体
であるとき、例えば突角(16)を規定する面のような3
つの表面の面を有するピラミッドは存在する。ミラー指
数が異なる二十四面体の結晶面について、幾何学的関係
は同一であるが、表面の面が相互にかつ基面と交差する
角度は異なる。
{331}の二十四面体の結晶面は、立方体の結晶格子
構造のハロゲン化銀について可能なすべての他の結晶面
が提供するものと異なる、表面の銀イオンおよびハロゲ
ンイオンの独特の配置を提供する。理論的に推定した、
この独特の表面イオン配置は第11図に概略的に図解され
ており、ここで{331}二十四面体結晶面は銀イオン
(2)および臭素イオン(3)によって形成されている
ことが示されている。第11図を第2図、第4図および第
6図と比較すると、各図面における銀イオンおよび臭素
イオンの表面の位置が区別されることが明らかである。
{331}二十四面体結晶面が提供する表面の銀イオンお
よび臭素イオンの表面の配置は、整然としているが、立
方体、八面体または斜方晶系十二面体の臭化銀の結晶面
が提供するものよりも変化に富んでいる。これは{33
1}二十四面体結晶面において起こる層形成(tiering)
の結果である。異なるミラー指数をもつ二十四面体結晶
面は、また、層形成を示す。異なるミラー指数は、銀イ
オンおよびハロゲンイオンの類似するが、それにもかか
わらず独特の表面配置を生ずる。
5までのh値を考えると、四六面体結晶面は次のミラ
ー指数のいずれか1つを有することができる:{21
0}、{310}、{320}、{410}、{430}、{510}、
{520}、{530}または{540}。第12図は、{210}結
晶学的形態の面によって囲まれる四六面体(18)の等角
投影図である。突端または突角(19)は4つの交差結晶
面(19a)、(19b)、(19c)および(19d)によって形
成されており、そして6つの同一突角のうちの1つであ
る。突角(20)は6つの交差面(19a)、(19d)、(20
a)、(20b)、(20c)および(20d)によって形成さ
れ、そして8つの同一突角のうちの1つである。表Iを
参照すると明らかなように、ピラミッド表面の面が宿主
粒子によって提供される立方体すなわち{100}の基面
上の四六面体すなわち{hk0}の結晶面である場合に
は、例えば突角(19)を規定する面のような4表面の面
を有するピラミッドが存在する。他方において、宿主粒
子が八面体すなわち{111}の基面を提供する場合、ピ
ラミッド表面の面が四六面体であるとき、例えば突角
(20)を規定する面のような6つの表面の面を有するピ
ラミッドが存在する。ミラー指数が異なる四六面体の結
晶面について、幾何学的関係は同一であるが、表面の面
が相互にかつ基面と交差する角度は異なる。
{210}四六面体の結晶面は、立方体結晶格子構造の
ハロゲン化銀について可能なすべての他の結晶面が提供
する配列と異なる、表面の銀イオンおよびハロゲンイオ
ンの独特の配置を提供する。理論的に推定した、この独
特の表面イオン配置は第13図に概略的に図解されてお
り、ここで{210}四六面体結晶面は銀イオン(2)お
よび臭素イオン(3)によって形成されていることが示
されている。第13図を第2図、第4図、第6図および第
11図と比較すると明らかなように、各図面における銀イ
オンおよび臭素イオンの表面の位置は区別される。{21
0}四六面体結晶面が提供する表面の銀イオンおよび臭
素イオンの配置は、整然としているが、立方体、八面体
または斜方晶系十二面体の臭化銀の結晶面が提供するも
のよりも変化に富んでいる。これは{210}四六面体結
晶面で起こる層形成の結果である。異なるミラー指数を
もつ四六面体は、また、層形成を示す。異なるミラー指
数は、銀イオンおよびハロゲンイオンの類似するが、そ
れにもかかわらず独特の表面配置を生ずる。
5までのh値を考えると、偏菱二十四面体の結晶面は
次のミラー指数のいずれか1つを有することができる:
{211}、{311}、{322}、{411}、{433}、{51
1}、{522}、{533}または{544}。第14図は、{21
1}結晶学的形態の面によって囲まれる偏菱二十四面体
(21)の等角投影図である。突端または突角(22)は4
つの交差結晶面(22a)、(22b)、(22c)および(22
d)によって形成されており、そして6つの同一突角の
うちの1つである。突角(23)は3つの交差結晶面(22
a)、(23a)および(23b)によって形成されており、
そして8つの同一突角のうちの1つである。表Iを参照
すると明らかなように、ピラミッド表面の面が宿主粒子
によって提供される立方体すなわち{100}の基面上の
偏菱二十四面体すなわち{hk0}の結晶面である場合に
は、例えば突角(22)を規定する面のような4つの表面
の面を有するピラミッドが存在する。他方において、宿
主粒子が八面体すなわち{111}の基面を提供する場合
には、ピラミッド表面の面が偏菱二十四面体であると
き、例えば突角(23)を規定する面のような3つの表面
の面を有するピラミッドが存在する。異なるミラー指数
の偏菱二十四面体の結晶面について、幾何学的関係は同
一であるが、表面の面が相互にかつ基面と交差する角度
は異なる。
{211}偏菱二十四面体の結晶面は、立方体結晶格子
構造のハロゲン化銀について可能なすべての他の結晶面
が提供する配置と異なる、表面の銀イオンおよびハロゲ
ンイオンの独特の配置を提供する。理論的に推定した、
この独特の表面イオン配置を第15図に概略的に示す。こ
こで{211}偏菱二十四面体結晶面は銀イオン(2)お
よび臭素イオン(3)によって形成されていることが示
されている。第15図を第2図、第4図、第6図、第11図
および第13図と比較すると明らかなように、各図面にお
ける銀イオンおよび臭素イオンの表面の位置は区別され
る。{211}偏菱二十四面体結晶面が提供する表面の銀
イオンおよび臭素イオンの配置は、整然としているが、
立方体、八面体または斜方晶系十二面体の臭化銀の結晶
面が提供するものよりも変化に富んでいる。これは{21
1}偏菱二十四面体の結晶面で起こる層形成の結果であ
る。異なるミラー指数をもつ偏菱二十四面体は、また、
層形成を示す。異なるミラー指数は、銀イオンおよびハ
ロゲンイオンの類似するが、それにもかかわらず独特の
表面配置を生ずる。
5までのh値を考えると、六八面体の結晶面は次のミ
ラー指数のいずれか1つを有することができる:{32
1}、{421}、{431}、{432}、{521}、{531}、
{532}、{541}、{542}または{543}。第16図は、
{321}結晶学的形態の面によって囲まれる六八面体(2
4)の等角投影図である。突角(25)は8つの交差結晶
面(25a)、(25b)、(25c)、(25d)、(25e)、(2
5f)、(25g)および(25h)によって形成され、6つの
同一の突角の一つである。突角(26)は6つの交差結晶
面(25g)、(25h)、(26a)、(26b)、(26c)およ
び(26d)によって形成され、6つの同一突角の一つで
ある。突角(27)は4つの交差結晶面(25a)、(25
h)、(26a)および(27a)によって形成されている。
表Iを参照すると明らかなように、ピラミッド表面の面
が宿主粒子によって提供される立方体すなわち{100}
の基面上の六八面体すなわち{hkl}の結晶面である場
合に、例えば突角(25)を規定する面のような8つの表
面の面を有するピラミッドが存在する。他方において、
宿主粒子が八面体すなわち{111}の基面を表わす場
合、ピラミッド表面の面が六八面体であるとき、例えば
突角(26)を規定する面のような6つの表面の面を有す
るピラミッドが存在する。稀であるので実際的重要性に
欠けるために本発明から排除されるが、基面が斜方晶系
十二面体すなわち{110}の結晶学的形態である場合、
その上のピラミッドは突角(27)を形成する面に相当す
る表面の面を有するであろう。異なるミラー指数の六八
面体結晶面について、幾何学的関係は同一であるが、表
面の面が相互にかつ基面と交差する角度は異なる。
{321}六八面体結晶面は、立方体結晶格子構造のハ
ロゲン化銀について可能なすべての他の結晶面によって
提供される配列と異なる、表面の銀イオンおよびハロゲ
ンイオンの独特の配置を提供する。理論的に推定した、
この独特の表面イオン配置は第17図に概略的に図解され
ており、ここで{321}六八面体結晶面は銀イオン
(2)および臭素イオン(3)によって形成されている
ことが示されている。第17図を第2図、第4図、第6
図、第11図、第13図および第15図と比較すると明らかな
ように、各図面における銀イオンおよび臭素イオンの表
面上の位置は区別される。{321}六八面体結晶面が提
供する表面の銀イオンおよび臭素イオンの配置は、整然
としているが、立方体、八面体または斜方晶系十二面体
の結晶面が提供する配列よりも変化に富んでいる。これ
は{321}六八面体結晶面で起こる斜めの層形成の結果
である。異なるミラー指数をもつ偏菱二十四面体結晶面
は、また、斜めの層形成を示す。異なるミラー指数は、
銀イオンおよびハロゲンイオンの類似するが、それにも
かかわらず独特の表面配置を生ずる。
注意すべき興味ある点は、ピラミッドが提供する表面
積をコントロールするものは、すべての特定形態のピラ
ミッドの寸法または数ではなく、むしろ占有する集合的
な基底面積(collective base area)であるということ
である。この理由は、表面の面の面積が同一形態のすべ
てのピラミッドについて基底面積に対して固定された比
にあるということである。例えば、所定の形態のピラミ
ッド100個の集団および同一の形態の小さいピラミッド1
000個の第2集団は集合的基底面積対集合的表面積の比
が同一である。すなわち、2つのピラミッドの集団につ
いての集合的基底面積が等しい場合、それらの集合的表
面積も等しい。従って、宿主粒子の表面積を増加するこ
とのできるラッフル化の程度は、ピラミッドの寸法また
は数ではなく、ピラミッドが基面を被覆する面積および
ピラミッドの形態の関数である。こうして、本発明はい
かなる特定の寸法または数のピラミッドを有するラッフ
ル化粒子にも限定されない。
しかしながら、この観察を行うと、また、ラッフル化
ハロゲン化銀粒子によって提供される表面積比(表面積
ではない)がピラミッドの寸法によって直接影響される
ことが指摘される。それにもかかわらず、同一形態の小
さいピラミッド1000個と同一の表面積を提供するピラミ
ッド100個は、非常に大きい集合的体積を有し、従って
より多くのハロゲン化銀の形成を必要とする。この点
が、大きいピラミッドよりも小さいピラミッドを好む1
つの理由である。従って、ピラミッドが位置する基面の
平均面積の好ましくは10-2倍より小さく、最も好ましく
は10-3倍よりも小さい平均基底面積を有するピラミッド
を用いる。
ピラミッドが提供する表面積比を最大にすることが望
ましい場合には、それら自体が最大の表面積比を示すピ
ラミッドを選択することはもちろん明らかであるが、比
較的小さいピラミッド中に含有されるハロゲン化銀の量
は事実上無視できる。考慮すべき第2因子は、ピラミッ
ドの基底が最密充填可能である多面体の図形を規定する
かどうかである。所定の基面上の同一形態のピラミッド
のすべては同一の向きを有する。第9図を見ると理解で
きるように、基面(14)は、ピラミッドが同一あるいは
異なる寸法であるか否かにかかわらず、理論的にはピラ
ミッド(13)の形態のピラミッドで完全に被覆されるこ
とができる。他方において、同一基面上で同様な形態の
ピラミッドのすべては同一の向きをもたなくてはならな
いという制限を設けると、第8図から明らかなように、
基面(12)は形態がピラミッド(11)と同一であるピラ
ミッドによって完全には被覆され得ないが、隣接するピ
ラミッド間の空間は、異なる寸法のピラミッドが存在す
るとき、減少させることができる。
宿主粒子が提供する基面と結晶学的形態が異なるピラ
ミッドの結晶面によって形成されるラッフルの存在は、
下記の実施例に記載するように、観察および測定によっ
て確証された。基面は、その上に堆積されるハロゲン化
銀にとって好適な結晶学的形態を表わすので、結晶学的
形態が異なる結晶面の形成は、通常得られるであろうも
のからは逸脱している。更に、ピラミッド結晶面の形成
は完全に予想外のことであり、そして、このほかにも、
ハロゲン化銀については従来ほとんどあるいは全く観察
されなかった結晶学的形態のピラミッド結晶面を得るこ
とは、この分野の過去の技術から、例外的に逸脱するも
のである。
本発明をいかなる特定の理論によっても限定するもの
ではないが、結晶面の形成についての可能な機構につい
て説明する。粒子表面に隣接するハロゲン化銀について
好まれた結晶学的形態の面によって囲まれた宿主粒子を
含有する乳剤を考慮すると、同一結晶学的形態を好む追
加のハロゲン化銀を堆積させると、粒子の実質的に均一
な外皮形成(shelling)が起こり、生ずる外皮をもつ粒
子(shelled grain)は、寸法が大きいが、宿主粒子と
同一の結晶学的形態の結晶面を依然として示す。
第7図にもどると、乳剤の沈殿において、粒子が生長
している際に、沈殿条件を変化させることによって、八
面体結晶面の粒子を立方体結晶面に形状変化させること
およびその逆が可能であることは知られている。こうし
て、{111}結晶面により囲まれる八面体粒子(5)
は、連続的に十四面体(9)、十四面体(10)、および
単に沈殿条件を{100}結晶面の形成に好適であるよう
に変化させることによって、立方体(1)を形成するよ
うに生長させることができる。(実際には、立方体およ
び十四面体は通常八面体に関して示すよりも多少大き
い。)十四面体(9)および(10)を比較すると、ハロ
ゲン化銀は八面体結晶面の残留物上にいっそう急速に堆
積するので、立方体結晶面は大きくなることが容易に理
解できるであろう。これから観察されるように、ハロゲ
ン化銀粒子の主要な結晶面は、銀イオンおよびハロゲン
イオンがその上に最もゆっくり沈殿する結晶学的形態の
ものである。この反応性に劣る結晶学的形態の面のみ
が、この場合、立方体粒子(1)の{100}面より上に
いったんとどまると、銀イオンおよびハロゲンイオンは
これらの表面上に等方的に堆積する。
堆積するハロゲン化銀が好むものと異なる結晶学的形
態の結晶面の連続的形成は、所望の異なる結晶学的形態
の面上への銀イオンおよびハロゲンイオンの堆積速度を
遅延させる粒子の生長条件を固定することに依存する。
立方体または八面体の面を提供する宿主粒子を生長させ
て、面の一部分または全部が他の結晶学的形態すなわち
八面体または立方体である粒子を形成する多くの例は、
この分野において見い出すことができる。斜方晶系十二
面体のハロゲン化銀粒子はまれであるが、粒子の形状の
同様な生長の変換はこの結晶学的形態に等しく適用でき
る。粒子生長の中間段階で採取した試料を観察すること
により、第7図を参照して前述した八面体粒子の立方体
粒子への変換に類似する生長のパターンが起こりうるこ
とおよび事実起こることが確証された。
しかしながら、驚ろくべきことには、可能な他の生長
パターンが存在し、そして本発明を生じさせたのはこの
後者の生長のパターンである。第7図を参照すると、八
面体粒子(5)を生長させて立方体粒子(1)を形成す
るとき、{100}結晶面は八面体の突角で発生し、そし
て立方体の形態が完成するまで面積を漸進的に増加させ
ることが理解できる。第7図を第8図および第9図と比
較すると直ちに明らかなように、ピラミッド表面の形成
は宿主粒子の突角においてあるいは縁においてさえ選択
的に起こらず、粒子の面上で起こる。
これは、少なくとも1つの他の結晶学的形態について
の銀イオンおよびハロゲンイオンの堆積速度を、宿主粒
子が表わす結晶学的形態についての銀イオンおよびハロ
ゲンイオンの堆積速度より遅くさせる条件を形成するこ
とによって可能になるものと考えられる。これらの形成
された条件下の宿主粒子の結晶面上へのハロゲン化銀の
堆積は、生長が遅い結晶学的形態の表面の面によって囲
まれるピラミッドを、宿主粒子の面上に亘って形成させ
る。宿主粒子の表面の実質的にすべてがピラミッド突起
でちょうど被覆されるとき、最大のラッフル化が達成さ
れる。堆積がその後継続すると、粒子は究極的に非ラッ
フル化形態に戻るが、中間のピラミッド表面の面の形態
に相当する結晶学的形態の面によって囲まれる。
数十年のハロゲン化銀の結晶学的研究にわたって、こ
の分野において、二十四面体、四六面体、偏菱二十四面
体または六八面体の結晶学的形態のラッフル化粒子面ま
たは何らかの粒子面も観察されなかったこと、および斜
方晶系十二面体結晶学的形態の粒子面がめったに観察さ
れなかったことは、通常観察される{100}および{11
1}粒子面のラッフル化に好適な条件の範囲が広くない
ことを示唆している。生長変性剤を使用してラッフル化
粒子面を生成できることが発見された。同定された生長
変性剤は有機化合物である。銀イオンおよびハロゲンイ
オンのその独特の配置のために形成されるピラミッドの
結晶面について、生長変性剤は吸着優先性を示すので有
効であるものと考えられる。これにより、生長変性剤
は、もとの宿主粒子の結晶面上への銀イオンおよびハロ
ゲンイオンの堆積速度に関して、ピラミッド結晶面上へ
のハロゲンイオンおよび銀イオンの堆積速度を遅くす
る。こうして、ピラミッド表面の面によって提供される
結晶学的形態の結晶面は存続しかつ主要比率を占める。
一方、宿主粒子によって本来提供される異なる結晶面は
それ以上のハロゲン化銀の堆積によって急速に減少また
は消滅する。ラッフル化粒子面を生成する際に有効であ
ることが実験的に証明された生長変性剤ならびにそれら
生長変性剤が生成したピラミッド結晶面と宿主粒子との
組み合わせは、下記の実施例において記載する。
これらの変性剤は、実施例における使用条件下で有効
である。ハロゲン化銀の沈殿条件を変化させて種々の生
長変性剤の候補を実験的にスクリーニングしたところ、
ラッフル化粒子面を達成するためには、生長変性剤の適
切な選択のみならず、実施例において同定される他の沈
殿のパラメーターの適切な選択等を含む、多数のパラメ
ーターを満足する必要があることが結論として得られ
た。ハロゲン化銀の沈殿については付随する条件を変更
した場合には、ラッフル化粒子面を生成する生長変性剤
として有効であることが示された化合物を用いて、ラッ
フル化粒子面を達成することができないことが観察され
た。しかしながら、ラッフル化粒子面をもつ粒子を含有
するハロゲン化銀乳剤の調製に成功したことを証明した
場合には、パラメーターを系統的に変化させる通常の実
験的研究は追加の有用な調製技術を導き易いことが理解
される。
ピラミッド結晶面におけるハロゲン化銀の堆積を選択
的に遅延させるハロゲン化銀粒子生長条件がいったん満
足されると、連続的な粒子の生長によって、通常、ハロ
ゲン化銀の沈殿反応器中に存在する粒子のすべてのラッ
フル化が起きる。しかしながら、本発明の乳剤中の放射
線感受性ハロゲン化銀粒子のすべてがラッフル化面をも
つ必要があることを意味するものではない。例えば、ラ
ッフル化面を有するハロゲン化銀粒子を任意の他の普通
のハロゲン化銀粒子集団と配合して最終乳剤を生成する
ことができる。同定可能なすべてのラッフル化粒子表面
を含有するハロゲン化銀乳剤は本発明の範囲内に入ると
考えられるが、ほとんどの用途において、同定可能なラ
ッフル化面少なくとも1個を有する粒子は全粒子集団合
計の少なくとも10%の比率で存在し、そして通常これら
の粒子は粒子集団合計の50%より多いであろう。
本発明の乳剤の調製に用いる立方体および/または八
面体の結晶面を提供する宿主粒子の乳剤、および本発明
によるラッフル化粒子の乳剤中に配合する、ラッフル化
面を欠く任意の乳剤は、種々の普通の乳剤の中から選択
することができる。一般に、リサーチディクロージャ
Reserch Disclosure)、Vol.176、1978年12月号、
項目17643、節Iに記載される、表面潜像形成粒子、内
部潜像形成粒子、内部的かぶらせ粒子、表面かぶらせ粒
子、および異なる粒子のブレンドを製造する技術を、本
発明による乳剤の調製に適用できる。
宿主粒子乳剤として、薄くて高アスペクト比の板状粒
子のハロゲン化銀乳剤を用いることがとくに考えられ
る。このような乳剤は、次の文献に記載されている:ウ
ィルグス(Wilgus)らの米国特許第4,434,262号;コフ
ロン(Kofron)らの米国特許4,439,520号;ダウベンデ
ィエク(Daubendiek)らの米国特許4,414,310号;アボ
ット(Abbott)らの米国特許第4,425,425号および同第
4,425,426号;ウェイ(Wey)の米国特許第4,399,215
号;ソルバーグ(Solberg)らの米国特許第4,433,048
号;ディッカーソン(Dickerson)の米国特許4,414,304
号;ミグノット(Mignot)、米国特許第4,386,156号;
ミグノット(Mignot)、リサーチディスクロージャー
Research Disclosure)、Vol.232、1983年8月、項
目23210;ジョンズ(Jones)らの米国特許第4,478,929
号;エバンス(Evans)らの米国特許第3,761,276号;マ
スカスキー(Maskasky)の米国特許第4,400,463号;ウ
ェイ(Wey)らの米国特許第4,414,306号;およびマスカ
スキー(Maskasky)の米国特許第4,435,501号であり、
詳細は前記文献を参照されたい。
ここで定義するとき、高アスペクト比の板状粒子の乳
剤は分散媒質とハロゲン化銀粒子とから構成されたもの
であり、ここでハロゲン化銀粒子の合計投影面積の少な
くとも50%が厚さ0.3μm未満および直径少なくとも0.6
μmおよび8:1より大きい平均アスペクト比を有する板
状ハロゲン化銀粒子によって提供される。ある用途、例
えば、ハロゲン化銀が吸収できるスペクトルの一部分内
の放射線を記録する用途においては、ハロゲン化銀粒子
の投影面積合計の少なくとも50%が、厚さ0.5μm未
満、直径少なくとも0.6μmおよび、8:1より大きい平均
アスペクト比を有する板状ハロゲン化銀粒子によって提
供される。好ましい高アスペクト比の板状粒子の乳剤
は、平均アスペクト比が少なくとも12:1、最適には少な
くとも20:1であるものである。また、前述の投影面積を
50%から70%に、最適には90%に増加することが好まし
い。臭化ヨウ化銀の乳剤は一般にカメラの感度画像形成
用途に好ましく、一方臭化銀および臭化ヨウ化銀の乳剤
は放射線画像形成に好ましい。
ここで定義するとき、薄い板状粒子の乳剤は分散媒質
とハロゲン化銀粒子とから構成されており、ここでハロ
ゲン化銀粒子の合計投影面積の少なくとも50%が厚さ0.
2μm未満および5:1より大きい平均アスペクト比を有す
る板状ハロゲン化銀粒子によって提供されるものであ
る。高アスペクト比の乳剤について上記した好適条件は
また薄い板状粒子に適用される。両者の定義を満足する
乳剤は、ほとんどの写真用途に対して好ましい。
上に同定した新規な粒子構造のほかに、本発明の放射
線感受性ハロゲン化銀乳剤およびそれを組み込んだ写真
要素は任意の便利な普通の形態をとることもできる。乳
剤は、上に引用したリサーチディスクロージャーRe
search Disclosure)、項目17643、節IIに記載されて
いるように洗浄することができる。
乳剤の放射線感受性ハロゲン化銀粒子は表面を化学的
に増感することができる。貴金属(例えば金)、中位の
カルコゲン(例えばイオウ、セレン、またはテルル)、
および還元増感剤を、個々にあるいは組み合わせて使用
することが特に考えられる。典型的な化学的増感剤は、
上に引用したリサーチディスクロージャーResearch
Disclosure)、項目17643、節IIIに列挙されている。
ハロゲン化銀乳剤は、ポリメチン色素の部類を包含す
る種々の部類の色素で分光増感することができる。この
ような色素は、シアニン類、メロシアニン類、複合体シ
アニン類およびメロシアニン類(すなわち、トリー、テ
トラー、およびポリ−核のシアニン類およびメロシアニ
ン類)、オキソノール類、ヘミオキソノール類、スチリ
ル類、メロスチリル類およびストレプトシアニン類を包
含する。分光増感色素類は、上に引用したリサーチ
ィスクロージャーResearch Disclosure)、項目1764
3、節IVに例示されている。
本発明のハロゲン化銀乳剤ならびに写真要素の他の層
は、ビヒクルとして親水性コロイドを、単独であるいは
他のポリマー材料(例、ラテックス)と組み合わせて、
含有することができる。適当な親水性材料は、次のもの
を包含する:天然に産出する物質、例えば、タンパク
質、タンパク質誘導体、セルロース誘導体、例えば、セ
ルロースエステル、ゼラチン、例えば、アルカリ処理し
たゼラチン(牛、骨、または獣皮のゼラチン)または酸
処理したゼラチン(豚の皮のゼラチン)、ゼラチン誘導
体、例えば、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチンな
ど、多糖類、例えば、デキストラン、アラビアゴム、ゼ
イン、カゼイン、ペクチン、コラーゲン誘導体、コロジ
オン、寒天、アロールートおよびアルブミン。これらの
ビヒクルは普通の方法によって硬化することができる。
ビヒクルおよび硬化剤は、上に引用したリサーチディ
スクロージャーResearch Disclosure)、項目1764
3、節IXおよびXに詳述されている。
本発明のハロゲン化銀写真要素は、写真技術において
普通の他の添加剤を含有することができる。有用な添加
剤は、例えば、上に引用したリサーチディスクロージ
ャーResearch Disclosure)、項目17643に記載され
ている。他の普通の有用な添加剤としては、次のものが
含まれる:カブリ防止剤および安定剤、カップラー類
(例えば、色素形成性カップラー、マスキングカップラ
ーおよびDIRカップラー)、DIR化合物、抗汚染剤、画像
色素安定剤、吸収性物質、例えば、フィルター色素およ
びUV吸収剤、光散乱物質、静電防止剤、塗布助剤、可塑
剤および潤滑剤。
本発明の写真要素は、ハロゲン化銀乳剤層を担持する
支持体からなる簡単な白黒要素すなわちモノクローム要
素であることができ、あるいは多層および/または多色
要素であることができる。写真要素は低いコントラスト
から非常に高いコントラストの範囲の画像、例えば、グ
ラフィックアートにおけるハーフトーンの画像を生成す
る。写真要素は別々の溶液で処理するように、あるいは
カメラ内で処理するように設計することができる。後者
の場合において、写真要素は普通の画像転写特徴、例え
ば、上に引用したリサーチディスクロージャー、項目
17643、節XXIIIに例示されているもの、を含むことがで
きる。多色要素は、スペクトルの3つの主要領域の各々
に対して感受性の色素画像形成単位を含有する。各単位
は、スペクトルの所定領域に対して感受性の単一の乳剤
層または複数の乳剤層から構成することができる。画像
形成単位の層を含めて、要素の各層は、この分野におい
て知られている種々の順序で配置することができる。別
のフォーマットにおいて、1または2以上の乳剤を、1
または2以上のセグメント化層として、例えば、ウィッ
トモアー(Whitmore)の米国特許第4,387,154号に記載
されているように、微小容器(microvessel)またはマ
イクロセル(microcells)の使用により配置することが
できる。
色素画像提供物質を組み込んで含有する本発明による
好ましい多色写真要素は、イエロー色素形成性カップラ
ーをそれと関連して有する少なくとも1つの緑感性ハロ
ゲン化銀乳剤層、マゼンタ色素形成性カップラーをそれ
と関連して有する少なくとも1つの緑感性ハロゲン化銀
乳剤層、およびシアン色素形成性カップラーをそれと関
連して有する少なくとも1つの赤感性ハロゲン化銀乳剤
層、前述のラッフル化面を有する粒子を含有する少なく
とも1つのハロゲン化銀乳剤層を担持する支持体からな
る。
本発明の要素は、写真要素において普通の追加の層、
例えば、上塗り層、スペーサー層、フィルター層、ハレ
ーション防止層およびスキャベンジャー層を含有するこ
とができる。支持体は写真要素と一緒に使用する任意の
適当な支持体であることができる。典型的な支持体とし
ては、ポリマーフィルム、紙(ポリマー被覆紙を包含す
る)、ガラスおよび金属の支持体が含まれる。本発明の
写真要素の支持体および他の層に関する詳細は、上に引
用したリサーチディスクロージャーResearch Disc
losure)、項目17643、節XVIIに記載されている。
写真要素は種々の形のエネルギーで像様露光すること
ができる。このようなエネルギーとしては、電磁波スペ
クトルの紫外、可視および赤外の領域ならびに電子ビー
ムおよびベータ放射線、ガンマー線、X線、アルファー
粒子、中性子線、およびレーザーによって生成されるよ
うな、非干渉性(不規則の相)の形または干渉性(相)
の形の微粒子および波様の放射エネルギーの他の形が含
まれる。写真要素をX線で露出しようとする場合には、
写真要素は普通の放射線要素に見い出されるような特
徴、例えば、リサーチディスクロージャーResearch
Disclosure)、Vol.184、1979年8月、項目18431に例
示されているものを含むことができる。
像様露光された写真要素の処理は、任意の便利な通常
の方法で実施することができる。処理手順、現像剤およ
び現像変性剤は、上に引用したリサーチディスクロー
ジャーResearch Disclosure)、それぞれ節XIX、XX
およびXXIに説明されている。
本発明の乳剤は、普通の乳剤と置換して既知の写真用
途を満足させることができる。更に、本発明の乳剤はそ
れ以上の写真の利点を導くことができる。一般に、それ
以上の写真の利点は、(a)ラッフル化粒子が可能とす
る表面積比の増大、(b)ラッフル化粒子によって提供
される各種の結晶面、および(c)ラッフル化粒子面と
吸着された化合物との間の高い親和性の1つまたは組み
合わせに帰因させることができる。
例えば、本発明は写真感度の増大を実現させることが
できる。スペクトルのマイナス青部分(すなわち、スペ
クトルの緑および/または赤部分)の光に乳剤を像様露
光させ、従って分光増感を必要とする写真用途において
は、実現できる最大のマイナス青感度を制限するのは、
選択した寸法の粒子の表面へ吸着できる分光増感色素の
量であることが、この分野において一般に認められてい
る。平均粒子寸法を減少させて粒子の表面積比を増加
し、従ってハロゲン化銀の単位体積当りの増感色素の量
を増加することは、感度の増大に無効であることに注意
すべきである。これは、むしろ写真感度を低下する。本
発明は、平均粒子寸法を減少させないで粒子の表面積比
を増加させることにより、写真感度の増大の実現を可能
とする。
マイナス青の感度の増加を考えるとき、粒子の結晶面
へ吸着された分光増感色素に光が衝突する角度は、1つ
の考慮すべき重要な問題である。ハロゲン化銀粒子が提
供する結晶面へ吸着した分光増感色素の遷移モーメント
の二重極〔ズビンデン(Zbinden)、インフラレッド・
スペクトロスコピー・オブ・ハイ・ポリマー(Infrared
Spectroscopy of High Polymer)、アカデミック・プレ
ス(Academic Press)、ニューヨーク、1964、215ペー
ジ参照〕が露光放射線の方向に対して実質的に直角であ
るときに、光子の捕獲が最も効率的によくなる。主とし
て非板状粒子(例えば、規則的な立方体または八面体の
粒子)または低アスペクト比(例えば、5:1未満)の板
状粒子を含有する乳剤において典型的であるように、粒
子が乳剤中でランダムに配向している場合には、粒子面
のラッフル化は、吸着された分光増感色素の遷移モーメ
ントの二重極との露光放射線の入射の平均角度を変化さ
せない。この場合、実現可能な感度増加は表面積比の増
加にほぼ比例する。
従来の薄いおよび高いアスペクト比の板状粒子の乳剤
において、粒子は主要面を非散乱性露光放射線の方向に
対して直角にして、典型的には配向している。ほとんど
の分光増感色素について、遷移モーメントの二重極はそ
れが吸収される結晶面に対して平行であり、それゆえ、
露光放射線の方向に関するハロゲン化銀結晶面の直角の
向きは、また、分光増感色素の遷移モーメントの二重極
に対して直角である。こうして、粒子の面は非散乱光の
色素吸収に対してすでに最適に配向している。この場合
において、ラッフル化による粒子表面積の増加は、減感
が起こる前に粒子表面に吸着させることのできる分光増
感色素の量を増加させるが、粒子表面積のこの増加から
得られる感度の増加は、吸着した分光増感色素の遷移モ
ーメントの二重極の効率の低い配向によって減少する。
しかしながら、分光増加されそしてラッフル化された薄
いまたは高アスペクト比の板状粒子乳剤層に到達する前
に、露光放射線が有意に散乱してしまう場合、色素の遷
移モーメントの二重極の角度的な配向は、有意に消失し
ないにしても、減少する。こうして、写真要素中の分光
増感されそしてラッフル化された薄いまたは高アスペク
ト比の板状粒子の乳剤にとっての最適な位置は、支持体
により近く、かつ上部に存在する光散乱層の下である。
例えば、多色写真要素において、このような乳剤は通常
写真支持体に最も近く位置する遅い緑および/または赤
の記録層としても最も効率的である。
所望により、これらの記録層の写真感度は、反射材料
を1または2以上の乳剤層中にあるいは下層中に用いる
ことによって、増加させることができる。ハロゲン化銀
乳剤層中の反射材料は、高い屈折率の顔料〔マリエッジ
(Marriage)の英国特許第504,283号およびユツジイ(Y
utjy)らの英国特許第760,775号〕、またはハロゲン化
銀を含有する反射性下塗り層〔ラッセル(Russel)の米
国特許第3,140,179号〕を含むことができる。
上記の説明はマイナス青吸収性分光増感色素の使用に
特定的に向けられたが、同様な考えは、分光増感剤が吸
収するスペクトル領域とは無関係に、吸着された分光増
感剤に当てはまることが理解できる。青色光を吸収でき
るハロゲン化銀組成物(例えば、臭化銀および臭化ヨウ
化銀)のランダムに配向されそしてラッフル化された粒
子を有する乳剤と青吸収性分光増感色素との組み合せ
は、本発明の写真的に有利な形態の1つであるとして特
別に認められる。
上記の説明において、粒子の表面積比の増加のみが写
真の利点を説明するために必要である。しかしながら、
写真の利点は、また、吸着された添加剤とラッフル化ハ
ロゲン化粒子表面との改良された相互作用に帰因させる
ことができる。例えば、生長変性剤が粒子のラッフル化
面に吸着されて存在しかつ粒子表面への吸着によって増
大された既知の写真の実用性を有するとき、粒子表面と
のいっそう緊密な関連性のために、あるいは生長変性剤
の移動性の減少のために、改良された写真の性能を期待
することができる。この理由は、生長変性剤がピラミッ
ドの結晶面を生成するためには、その結晶学的形態につ
いて、他の可能なハロゲン化銀の結晶学的形態のいずれ
に対して示すものよりも大きい、吸着優先性を示す必要
があるためである。
これは、例えば、立方体および六八面体の両者の結晶
面を有するハロゲン化銀粒子の吸着された生長変性剤の
存在下の生長を考慮することによって、理解できる。生
長変性剤が立方体結晶面よりも六八面体結晶面に対して
吸着優先性を示す場合には、六八面体結晶面上への銀イ
オンおよびハロゲンイオンの堆積は立方体結晶面に沿っ
てよりも大きな程度で遅延され、そして粒子の生長は六
八面体結晶面を選択して立方体結晶面を排除する。以上
から明らかなように、六八面体の結晶面を生成する生長
変性剤は、粒子の生長の間、他のハロゲン化粒子の表面
よりもこれらの粒子表面へより緊密に吸着し、そしてこ
の増大した吸着は完成された乳剤へ伝えられる。
典型的な写真用途を提供すると、ロッカー(Locker)
の米国特許第3,989,527号は、分光増感色素を粒子表面
に吸着させて有する放射線感受性ハロゲン化銀粒子と、
分光増感色素を含有せずかつ光散乱を最大にするように
選択した平均直径、典型的には0.15〜0.8μmの範囲の
平均直径を有するハロゲン化銀粒子との組み合わせを含
有する乳剤を使用することによって、写真要素の感度を
改良することを記載している。像様露光すると、色素を
含有しない粒子に衝突する放射線は吸収されるよりはむ
しろ散乱する。この結果、分光増感色素を表面に吸着し
て有する放射線感受性画像形成粒子へ衝突する露光放射
線の量は増加する。
このアプローチは1つの欠点に直面した。分光増感色
素は乳剤中を移動することができるので、ある程度、最
初に色素を含まなかった粒子は、最初に分光増感された
粒子から移動した分光増感色素を吸着する。最初に分光
増感された粒子が最適に増感された程度に対してそれら
の粒子表面から離れる色素の移動は増感を減少する。同
時に、画像形成放射線を散乱させることを意図した粒子
上への色素の吸着は散乱効率を減少させる。
以下の実施例において、分光増感色素はラッフル化ハ
ロゲン化銀粒子の形成に有効な生長変性剤として同定さ
れたことに注意すべきである。ラッフル化面を有する放
射線感受性ハロゲン化銀粒子およびラッフル化面に吸着
された生長変性剤の分光増感色素を、ロッカー(Locke
r)が用いた分光増感ハロゲン化銀粒子の代わりに使用
すると、ラッフル化粒子面から光散乱を意図するハロゲ
ン化銀粒子への色素の不利な移動は減少ないし消失す
る。こうして、写真効率を改良できる。
他の有利な写真用途を例示すると、色素画像提供物質
例えばカップラーを処理の間に導入する多色写真要素の
層構造を簡素化することができる。緑の露光の記録を意
図する乳剤は、緑分光増感色素である生長変性剤を使用
して調製することができ、一方赤の露光の記録を意図す
る乳剤は赤分光増感色素である生長変性剤を使用して調
製することができる。生長変性剤は粒子に緊密に吸着さ
れておりかつ遊走しないので普通実施されているよう
に、緑乳剤および赤乳剤を別々の色形成層単位で塗布す
る代わりに、2つの乳剤を配合し、そして単一の色形成
層単位として塗布することができる。青記録層は任意の
普通の形態をとることができ、そして普通のイエローフ
ィルター層を使用して、配合した緑および赤の記録乳剤
を青色光の露光から保護することができる。緑および赤
の記録乳剤を単一色形成層単位において単一層であるい
は感度が異なる層の群で配合する以外、写真要素の構造
および処理は変更されない。塩化録乳剤を使用する場
合、前述のアプローチを単一色形成性層単位において
青、緑および赤の記録乳剤を配合するように拡張するこ
とができ、そしてイエローフィルター層を排除すること
ができる。両者の場合における利点は、対応する従来の
多色写真要素に比較して、要求される乳剤層の数の減少
である。
より一般的な用途において、生長変性剤の分光増感色
素を含有する本発明による乳剤の置換は、ラッフル化面
を欠くハロゲン化銀粒子を含有する対応する乳剤より
も、分光性質がいっそう不変の乳剤を生成するであろ
う。生長変性剤がカブリを抑制できる場合、例えば、実
施例において有効な生長変性剤であることが示された2
−メルカプトイミダゾールまたは任意のテトラアザイン
デン類である場合、より有効なカブリの抑制がより低い
濃度で期待できる。
種々の写真効果、例えば、写真感度、最小のバックグ
ラウンド濃度レベル、潜像の安定性、核化、現像性、画
像のトーン、吸収、および反射性は他の成分との粒子表
面相互作用によって影響を受けることが認識されてい
る。成分、例えば、ペプタイザー、ハロゲン化銀の溶
剤、増感剤または減感剤、超色増感剤、ハロゲン受容
剤、色素、カブリ防止剤、安定剤、潜像保持剤、核化
剤、トーン変性剤、現像促進剤または抑制剤(inhifito
r)、現像抑制剤(development restrainer)、現像
剤、およびラッフル化粒子面に独特に合致する他の添加
剤を用いることにより、異なる結晶面のハロゲン化銀粒
子を用いて実現できるものを越えた、写真性能における
顕著な利点を得ることができる。
〔実施例〕
次の特定の実施例によって、本発明を更に詳細に説明
する。実施例の各々において、特記しないかぎり、すべ
ての溶液は水溶液である。希硝酸または希水酸化ナトリ
ウムを、必要に応じて、pHの調節に使用した。
実施例1 乳剤の実施例1は、カブリ防止剤および安定剤として
有用であることが知られている化合物(I)、5−カル
ボエトキシ−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラアザイ
ンデンを生長変性剤として使用する、ラッフル化板状粒
子の臭化ヨウ化銀乳剤の調製を例示する。
攪拌機を備える反応器に、薄くしかも高アスペクト比
の板状粒子臭化ヨウ化銀乳剤(6モル%のI)0.05モル
を加えた。この乳剤はゼラチン約40g/Agモルを含有し、
以後宿主粒子乳剤(1)と呼ぶ。この板状粒子は平均粒
子寸法5.3μおよび厚さ0.07μmを有していた。水を加
えて合計重量を50gとした。この乳剤に40℃において、
メタノール1ml、水1mlおよびトリエチルアミン3滴中に
溶解した化合物(1)6.0ミリモル/初期Agモルを加え
た。次いで、この乳剤を40℃で15分間保持した。pHを40
℃において6.0に調節した。温度を60℃に上げ、そしてp
Agを60℃においてKBrで8.5に調節し、そして沈殿の間そ
の値に維持した。AgNO3の2.0モルの溶液を38分間の期間
にわたって一定速度で導入し、その間KBrが1.88モルで
ありかつKIが0.12モルである溶液を必要に応じて加えて
pAgを一定に保持した。合計0.015モルのAgを加えた。
得られた乳剤粒子の炭素のレプリカの電子顕微鏡写真
を第1図に示す。ラッフルは小さく、密接に位置し、そ
して板状粒子の面上に均一に分布していた。
実施例2 乳剤の実施例2は、青の分光増感色素として有用であ
ることが知られている化合物(II)を生長変性剤として
使用する、ラッフル化板状粒子の臭化ヨウ化銀の乳剤の
調製を例示する。
乳剤の実施例2は実施例1に記載するようにして調製
したが、ただし生長変性剤はメタノール3ml、水2mlおよ
びトリエチルアミン2滴中に溶かした化合物(II)6.0
ミリモル/Agモルであった。沈殿は37.0分間実施し、Ag
0.015モルを消費した。
得られた乳剤の電子顕微鏡写真を第19図に示す。上記
の調製条件を用いるが、板状粒子の宿主乳剤の代わりに
AgBrの規則的な八面体粒子の宿主乳剤を用いると、化合
物(II)は{211}偏菱二十四面体の形態のピラミッド
の結晶面を生成する生長変性剤であることが決定され
た。ラッフルは実施例1のそれに類似した。
実施例3 乳剤の実施例3は、緑の分光増感色素として有用であ
ることが知られている化合物(III)アンヒドロ−5−
クロロ−9−エチル−5′−フェニル−3,3′−ジ−
(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニンヒドロキ
シド、トリエチルアミン塩を生長変性剤として使用す
る、ラッフル化板状粒子の純粋な臭化物乳剤の調製を例
示する。
攪拌機を備える反応器に、ゼラチン約20g/Agモルを含
有する、平均粒子寸法5.6μmおよび厚さ0.10μmの薄
いおよび高アスペスト比の板状粒子のAgBr乳剤0.05モル
を加えた。以後、この乳剤を宿主粒子乳剤(2)と表示
する。水を加えて合計重量を50gとした。この乳剤に40
℃において、メタノール2ml中に溶けた化合物(III)5.
0ミリモル/初期Agモルを加えた。次いで、この乳剤を4
0℃に15分間保持した。pHを40℃で6.0に調節した。温度
を30℃に下げ、pAgを30℃においてKBrで7.6に調節し、
そして沈殿の間そのレベルに維持した。AgNO3の溶液2.0
モルを一定速度で10分間にわたって加え、その間KBrの
2.0モル溶液を必要に応じて加えてpAgを一定に保持し
た。合計Ag0.020モルを加えた。
得られた乳剤の粒子の電子顕微鏡写真を第20図に示
す。ラッフルは前の実施例におけるよりも大きく、密接
に配置されており、そして板状粒子の面にわたって均一
に分布している。同様な条件を用いるが、AgBrの規則的
な八面体の宿主粒子を用いると、化合物(III)は{10
0}生長変性剤であることが決定された。
実施例4 実施例4の4つの部分は、pAgおよび沈殿温度を変化
させたときの、生成されるラッフルの性質への影響を示
す。宿主は板状粒子AgBr乳剤であり、そして生長変性剤
は緑の分光増感色素として有用であることが知られてい
る化合物(IV)アンヒドロ−9−エチル−5,5′−ジフ
ェニル−3,3′−ジ(3−スルホブチル)オキサカルボ
シアニンヒドロキシド、モノナトリウム塩であった。
攪拌機を備える反応器に、宿主粒子乳剤(2)0.05モ
ルを加えた。水を加えて全体の重量を50gにした。この
乳剤に40℃でメタノール9ml中に溶けた化合物(IV)5.0
ミリモル/初期Agモルを加えた。次いで、この乳剤を40
℃に15分間保持した。pHを40℃で6.0に調節した。表II
に示すpAgおよび温度条件下で、2.0モルのAgNO3溶液0.0
2モルを一定速度で10分間の期間にわたって導入し、そ
の間KBrの2.0モル溶液を必要に応じて加えてpAgを一定
に保持した。
第21A図、第21B図、第21C図および第21D図は、得られ
た粒子の電子顕微鏡写真を示す。実施例4Aは大きい平ら
な三角形の生長を生成した。実施例4Bはいくつかの平ら
な三角形および4Aにおけるより小さいいくつかのピラミ
ッドの生長を生成した。実施例4Cはかなり均一なピラミ
ッドを生成した。実施例4Dは均一な密接に配置された。
小さいピラミッドを生成した。検査すると、生長は{10
0}(立方体)結晶面を有することが示された。化合物
(IV)はpAg7.6、40℃においてこの化合物の存在下で、
規則的な八面体粒子の宿主乳剤上へAgBrを堆積させるこ
とによって{100}生長変性剤であるものと決定され
た。AgBrの立方体が生じた。
実施例5 乳剤の実施例5は、青の分光増感色素として有用であ
ることが知られている化合物(V)5−(3−エチル−
2−ベンゾチアゾリニリデン)−3−(3−β−スルホ
エチル−ローダニンを生長変性剤として使用する、ラッ
フル化板状粒子臭化銀乳剤の調製を例示する。
攪拌器を備える反応器に、宿主粒子乳剤(2)0.04モ
ルを加えた。水を加えて合計重量を40gとした。この乳
剤に40℃でN,N−ジメチルホルムアミド7ml、水3mlおよ
びトリエチルアミン2滴中に溶かした化合物(V)4ミ
リモル/初期Agモルを加えた。次いで、この乳剤を40℃
に15分間保持した。pHを40℃で6.0に調節した。温度を6
0℃に上げ、そしてpAgを60℃においてKBrで8.5に調節
し、そして沈殿の間その値を維持した。AgNO3の2.0モル
溶液を一定速度で20分間の期間にわたって導入し、その
間KBrの2モル溶液を必要に応じて加えてpAgを一定に保
持した。合計0.02モルのAgを加えた。
生ずる乳剤粒子の電子顕微鏡写真を第22図に示す。粒
子の面は密接に配置された、鋭い、小さいピラミッドの
ラッフルで均一に覆われていた。これは、非板状宿主粒
子乳剤を用いる同一生長変性剤の研究から期待された、
{211}偏菱二十四面体の結晶面と一致した。
実施例6 実施例6は、生長変性剤として化合物(V)(実施例
5)を使用する、ラッフル化板状粒子臭化ヨウ化銀乳剤
の調製を例示する。実施例6Aは対照であり、宿主乳剤上
のハロゲン化銀の沈殿の前でなく、後に生長変性剤を加
えた場合、ラッフルが形成しないことを示す。宿主乳剤
(各実験について0.05モル)および沈殿条件は実施例1
に記載された通りであるが、ただし生長変性剤は化合物
(V)であり、そしてAgNO3溶液の添加速度は実施1に
おいて用いたものの半分であった(沈殿時間約74分間、
0.015モルのAgを加えた)。3種類の実験の結果を表III
に示す。
第23A図、第23B図および第23C図は生じた粒子の電子
顕微鏡写真を示す。実施例6Aにおいて、沈殿後に生長変
性剤を加えると、宿主乳剤粒子上にラッフルは生長しな
かった。沈殿前に同量の生長変性剤を加えた実施例6B
は、均一な密接に配置された小さいラッフルを生成し
た。高いレベルの生長変性剤を加えた実施例6Cは、同様
な結果を生成したが、わずかによりすぐれた、定められ
たラッフル(ピラミッド)を有した。
実施例6Cの電子顕微鏡写真上のラッフルの界面角度を
測定して、結晶学的形態を決定した。面のベクトル間の
角度は35°であることがわかった。{211}ベクトル間
の理論的角度は33.6°である。従って、この形態は{21
1}偏菱二十四面体であった。これは、非板状宿主粒子
から出発しかつ生長変性剤として化合物(V)を用いて
形成された{211}偏菱二十四面体の他の観察と一致す
る。
実施例7 実施例7は、再び、生長変性剤として化合物(V)
(実施例5)を使用する、ラッフル化板状粒子臭化ヨウ
化銀乳剤の調製を例示するが、添加した生長変性剤のレ
ベルに結果が依存することを示す。
宿主乳剤(各実験について0.05モル)および沈殿条件
は実施例6に記載する通りであった。実験の詳細を表IV
に示す。
第24A図、第24B図、第24C図および第24D図は得られた
乳剤粒子の電子顕微鏡写真である。生長変性剤を加えな
い実施例7Aおよび生長変性剤0.75ミリモル/Agモルを加
えた実施例7Bは、ラッフルを示さなかった。1.5ミリモ
ルにおいて、第24C図に示すように、比較的大きい切頭
円錐形のピラミッドが現われた。3.0ミリモルにおい
て、実施例7Dは均一な密接に配置された小さいラッフル
を生成した。ピラミッドの結晶面は、前の実施例におい
て生長変性剤として化合物(V)を用いることから期待
される{211}結晶面と一致した。
実施例8 乳剤の実施例8は、赤の分光増感色素である化合物
(XIII)アンヒドロ−3,9−ジエチル−5,5′,6′−トリ
メトキシ−3′−(3−スルホプロピル)チアカーボシ
アニンヒドロキシドを生長変性剤として使用する、ラッ
フル化板状粒子臭化銀の乳剤の調製を例示する。
攪拌器を備える反応器に、宿主粒子乳剤(2)0.05モ
ルを加えた。水を加えて合計の体積を50mlにした。この
乳剤に40℃でN,N−ジメチルホルムアミド3ml中に溶けた
化合物(XIII)5ミリモル/初期Agモルを加えた。pHを
40℃で6.0に調節した。pAgを40℃で7.6に調節し、そし
て沈殿の間その値を維持した。AgNO3の2.0モル溶液を一
定速度で10分間の期間にわたって導入し、その間KBrの
2.0モル溶液を必要に応じて加え、pAgを一定に保持し
た。合計0.02モルのAgを加えた。
第25図は得られた乳剤粒子の顕微鏡写真である。密接
に配置されたラッフルは、板状粒子の面にわたって均一
に分布している。
実施例9 実施例9の乳剤は、微細粒子の臭化銀乳剤および生長
変性剤の存在下の物理的熟成によって、ラッフル化臭化
銀板状粒子の調製を例示する。
実施例9A 攪拌機を備える反応器に、ゼラチン167g/Agモルのゼ
ラチンを含有しかつ65gの重量を有する、平均粒子寸法
0.02μmの新しく調製した微細粒子の臭化銀乳剤0.015
モルを加えた。この乳剤に40℃で、水2.5mlおよびトリ
エチルアミン2滴中に溶けた、既知のカブリ防止剤およ
び安定剤である化合物(VII)4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,2,3a,7−テトラアザインデン0.18ミリモル(6
ミリモル/Agモルの宿主乳剤)を加えた。次いで、25gに
構成した、0.03モルの量の宿主粒子乳剤(2)を加え
た。pHを40℃で6.0に調節し、そしてpAgを40℃で9.3に
調節した。この混合物を次いで60℃に4時間加熱した。
第26A図は電子顕微鏡写真であり、生じた、かなり均
一な、密接に配置されたラッフルを示す。ラッフルは
{110}(斜方晶系の十二面体)の結晶学的形態のピラ
ミッドの結晶面から構成されていた。
実施例9B 乳剤の実施例9Bは、実施例9Aに記載するようにして調
製したが、水2mlおよびトリエチルアミン2滴中に溶解
した、公知のカブリ防止剤および安定剤である化合物
(VIII)4−ヒドロキシ−6−メチル−2−メチルチオ
−1,3,3a,7−テトラアザインデンを生長変性剤として使
用した。
第26B図は電子顕微鏡写真であり、生じた、比較的大
きくかつ密接に配置されたラッフルを示す。ラッフルは
{211}偏菱二十四面体の結晶学的形態のピラミッドの
結晶面から構成されていた。
実施例9C 乳剤の実施例9Cは、実施例9Aに記載するようにして調
製したが、N,N−ジメチルホルムアミド6ml、水2mlおよ
びトリエチルアミン2滴中に溶かした化合物(V)を生
長変性剤として使用した。
第26C図は電子顕微鏡写真であり、生じた、均一に密
接して配置されたラッフルを示す。ピラミッドの結晶面
は、前の実施例において生長変性剤として化合物(V)
を使用して期待される{211}結晶面と一致した。
実施例9D 乳剤の実施例9Dは、実施例9Aに記載するようにして調
製したが、N,N−ジメチルホルムアミド2ml中に溶かした
化合物(IX)5−イミノ−3−チオウラゾールを生長変
性剤として使用した。
第26D図は電子顕微鏡写真であり、生じた、均一な密
接に配置されたラッフルを示す。ラッフルは{110}
(斜方晶系十二面体)の結晶学的形態のピラミッドの結
晶面から構成されていた。
実施例9E 攪拌機を備える反応器に宿主粒子乳剤(2)0.0667モ
ルを加えた。これを0.05μmの臭化銀乳剤0.033モルと
混合した。この乳剤はゼラチン56g/Agモルを含有し、そ
して公知のカブリ防止剤および安定剤である、化合物
(X)4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
アザインデン、ナトリウム塩10ミリモル/Agモルの存在
下に沈殿させたものであった。この乳剤混合物を水で10
0gにした。pHを40℃で6.2に調節し、そしてpAgを40℃で
9.3に調節した。次いで、この混合物を60℃に4時間加
熱した。
第26E図は電子顕微鏡写真であり、生じた、かなり大
きいラッフルを示す。ラッフルは{331}二十四面体の
結晶学的形態のピラミッドの結晶面から構成されてい
た。
実施例10 乳剤の実施例10は、生長変性剤として化合物(I)を
使用する、ラッフル化八面体の臭化銀乳剤の調製を例示
する。
攪拌機を備える反応器に、ゼラチン40g/Agモルを含有
する、平均粒子寸法1.35μmの八面体規則的粒子臭化銀
乳剤0.05モルを加えた。水を加えて合計の重量を50gに
した。この乳剤に40℃で、1:1の水−メタノール2ml中に
溶けた化合物(I)6.0ミリモル/初期Agモルを加え
た。次いで、この乳剤を40℃に15分間保持した。pHを40
℃で6.0に調節した。温度を60℃に上げ、pAgを60℃にお
いてKBrで8.5に調節し、そして沈殿の間その値に維持し
た。AgNO3の2.5モル溶液を40分間の期間にわたって一定
速度で導入し、その間KBrの2.5モル溶液を必要に応じて
加えてpAgを一定に保持した。合計0.02モルのAgを加え
た。
生じた乳剤のラッフル化粒子の電子顕微鏡写真を第27
図に示す。
実施例11 乳剤の実施例11は、生長変性剤として化合物(VII)
を使用する、ラッフル化八面体の臭化銀の乳剤の調製を
例示する。形成した新しい面は、ラッフルの形成に加え
て、宿主粒子の斜方晶系十二面体への生長が開始された
ことを示す。
攪拌機を備える反応器に、ゼラチン約10g/Agモルを含
有する、平均粒子寸法0.8μmの八面体規則的粒子臭化
銀の乳剤0.05モルを加えた。水を加えて合計重量を50g
にした。この乳剤に40℃で、メタノール3mlおよびトリ
エチルアミン3滴中に溶けた化合物(VII)6.0ミリモル
/Agモルを加えた。次いで、この乳剤を40℃に15分間保
持した。温度を50℃に上げ、そしてpHを50℃で6.0に調
節した。pAgを50℃においてKBrで8.8に調節し、そして
沈殿の間その値に維持した。AgNO3の2.0モル溶液を一定
速度で70分間の期間にわたって導入し、その間KBrの2.0
モル溶液を必要に応じて加えてpAgを一定に保持した。
合計0.014モルのAgを加えた。
生じた乳剤粒子の電子顕微鏡写真を第28図に示す。宿
主粒子の八面体の面は均一にラッフル化されていること
がわかる。更に、新しい面が八面体の面の間の縁に沿っ
て形成し始めており、このことにより結晶は{110}斜
方晶系の十二面体に生長しつつあることが示される。
実施例12 乳剤の実施例12は、生長変性剤として化合物(X)を
用いる、ラッフル化八面体の臭化銀の乳剤の調製を例示
する。沈殿が連続するとき、二十四面体の形成が明らか
となった。
宿主乳剤および手順は実施例10と同一であった。生長
変性剤は、水3ml中に溶けた化合物(X)6.0ミリモル/A
gモルであった。実施例12Aについて、沈殿時間は15分間
であり、Ag0.0075モルを使用した。実施例12Bについ
て、沈殿時間は30分間であり、Ag0.015モルを使用し
た。
第29A図および第29B図は、それぞれ実施例12Aおよび
実施例12Bの得られた乳剤粒子を示す電子顕微鏡写真で
ある。実施例12Aにおいて、均一なラッフルが八面体の
面にわたって形成され、その間、新しい二十四面体の面
がもとの面間の縁に沿って形成された。実施例12Bにお
いて、{331}二十四面体を形成するプロセスはほとん
ど完結している。
実施例13 乳剤の実施例13は、均一な尾根の形態のラッフルによ
って増加した表面積を有する、八面体の臭化銀乳剤の形
成を例示する。
宿主乳剤および手順は実施例10と同一であった。生長
変性剤は、メタノール3ml、水2mlおよびトリエチルアミ
ン3滴中に溶けた、既知の緑の分光増感色素である化合
物(XI)2.0ミリモル/初期Agモルであった。沈殿溶液
は2.5モルではなくむしろ2.0モルのAgNO3およびKBrであ
った。
実施例13Aについて、沈殿時間は200分間であり、Ag0.
04モルを使用した。実施例13Bについて、時間は350分間
であり、Ag0.07モルを使用した。
第30A図および第30B図は、それぞれ実施例13Aおよび1
3Bによって製造された、得られた乳剤粒子の電子顕微鏡
写真である。面は格子の(110)Ag列に対して垂直方向
に走る尾根で均一に覆われている。二十四面体の面が形
成され始めていた。実施例13Bにおいて、尾根は明らか
なままであるが、大きい晶癖(macro habit)は{331}
二十四面体になっている。
実施例14 実施例14は、生長変性剤として化合物(XII)2−メ
ルカプトイミダゾールを使用する、ラッフル化立方体臭
化銀粒子の調製を例示する。生長を続けると、偏菱二十
四面体の粒子が生成した。
攪拌機を備える反応器に、ゼラチン約10g/Agモルを含
有する、平均粒子寸法0.8μmの立方体規則的粒子の臭
化銀乳剤0.05モルを加えた。水を加えて合計重量を50g
にした。この乳剤に40℃で、メタノール3ml中に溶けた
化合物(XII)3.0ミリモル/Agモルを加えた。次いで、
この乳剤を40℃に15分間維持した。pHを40℃で6.0に調
節した。温度を60℃に上げ、pAgを60℃においてKBrで8.
5に調節し、そして沈殿の間その値に維持した。AgNO3
2.5モル溶液を一定速度で25分間の期間にわたって加
え、その間KBrの2.5モル溶液を必要に応じて加えてpAg
を一定に保持した。合計0.0125モルのAgを加えて実施例
14Aを形成した。実施例14Bについて、沈殿を合計175分
間続け、合計0.0875モルのAgを使用した。100分間の沈
殿時間後、化合物(XII)を更に3ミリモル/初期Agモ
ル加えた。
第31A図および第31B図は、それぞれ実施例14Aおよび1
4Bによって製造された、得られた乳剤粒子の電子顕微鏡
写真である。第31A図は結晶面を覆う生長のパターンを
示す。第31B図は、沈殿を続けたときの{533}偏菱二十
四面体の粒子の形成を示す。
実施例15 実施例15は、アンモニアの沈殿条件下に化合物(VII
I)を使用する、ラッフル化立方体臭化銀乳剤の調製を
例示する。
攪拌機を備える反応器に、ゼラチン約10g/Agモルを含
有する、平均粒子寸法0.8μmの立方体規則的粒子の臭
化銀乳剤0.05モルを加えた。更に、脱イオン化骨ゼラチ
ン10g/Agモルを加え、そして全体を水で約51gにした。
この乳剤に40℃で、水3mlおよびトリエチルアミン3滴
中に溶けた化合物(VIII)6.0ミリモル/初期Agモルを
加えた。次いで乳剤を40℃に15分間保持した。沈殿の開
始直前に、(NH4)2SO4の3.4モル溶液1.0ml、濃NH4OH1.75
mlおよびKBrの0.50モル溶液0.5mlを加えた。pAgは40℃
で9.1であることがわかり、そして沈殿の間その値に維
持した。AgNO3の2.5モル溶液を一定速度で100分間の期
間にわたって導入し、その間KBrの2.5モル溶液を必要に
応じて加えてpAgを一定に保持した。合計0.05モルのAg
を加えた。
第32図は得られた乳剤粒子の電子顕微鏡写真である。
立方体は多少丸くなっており、そして立方体の面は均一
なラッフルで覆われている。
実施例16 この実施例は、本発明によるラッフル化粒子を用いて
実現できる、写真感度の増大を例示する。
実施例の乳剤16A 攪拌機を備える反応器に、ゼラチン約20g/Agモルを含
有する、平均粒子寸法0.3μmのヨウ化銀6モル%を含
有する八面体臭化ヨウ化銀乳剤0.05モルを装入した。水
を加えて合計重量を50gにした。この乳剤を40℃に加熱
した。水12mlおよびトリエチルアミン10滴から成り、N,
N−ジメチルホルムアミドで50mlにした溶媒中の、青の
分光増感色素である化合物(V)の生長変性剤0.625ミ
リモルの溶液を調製した。化合物(V)3.75ミリモル/
初期Agモルを含有するこの溶液の15mlの部分を乳剤に加
え、次いでこれを40℃に15分間保持した。pHを40℃で6.
0に調節した。温度を60℃に上げ、pAgを60℃においてKB
rで8.5に調節し、そして沈殿の間その値に維持した。Ag
NO3の2.0モル溶液を一定の状態で67分間の期間にわたっ
て導入し、その間KBrが1.88モルでありかつKIが0.12モ
ルである溶液を必要に応じて加えてpAgを一定に保持し
た。合計0.013モルのAgを加えた。得られる乳剤を次い
で遠心し、そして3%脱イオン化骨ゼラチン溶液40ml中
に再懸濁させた。
第33A図は得られたラッフル粒子の八面体の乳剤の電
子顕微鏡写真である。
対照の乳剤16B 対照の乳剤16Bを実施例の乳剤16Aについて記載するよ
うにして調製したが、沈殿の間に生長変性剤〔化合物
(V)〕を存在させなかった。沈殿後、化合物(V)1.
25ミリモルを加えた。この量はこの粒子寸法の乳剤のた
めの増感色素について典型的な量である。
第33B図は得られた規則的な八面体粒子を示す電子顕
微鏡写真である。粒子表面のラッフル化は同定されな
い。
対照の乳剤16C 対照の乳剤16Bの一部分を、沈殿後で塗布前に、化合
物(V)の合計含量を、実施例の乳剤16Aにおけるその
濃度に等しい3.75ミリモル/Agモルに増加することによ
って、変性した。
乳剤の各々を、酢酸セルロース支持体上に、銀1.18g/
m2およびゼラチン4.20g/m2で塗布した。塗膜の試料を、
グラデュエイテッド・タブレット(graduated tablet)
を通して、0.5秒間、365nmのフィルター透過水銀光源に
露光して固有感度の測度を得、そしてラッテン47フィル
ター透過したタングステン光源に露光して青感度を得
た。イーストマン(Eastman)1Bセンシトメーターを使
用した。露光した試料を20℃においてコダック・ラピッ
ド(Kodak Rapid)X線現像中で6分間現像した。青感
度と365nmの感度との間の差を3種類の塗膜の各々につ
いての分光増感の相対的程度の測度として取り、そして
表Vに記載する。
データが示すように、実施例の乳剤16Aは、それぞれ正
常の分光増感をもつ対照の非ラッフル化乳剤16Bおよび
ラッフル化粒子の実施例の乳剤16Aのそれに等しい量の
増感色素を有する乳剤16Cよりも、その365nmの感度に関
して有意に大きい青感度を有した。
比較例17 この比較例の目的は、ウルフ(Wulff)らの米国特許
第1,696,830号が示唆するように、臭化銀の沈殿前に反
応器に6−ニトロベンズイミダゾールを加えた結果を報
告することである。
攪拌機を備える反応器に脱イオン化骨ゼラチン0.75g
を供給し、水で50gにした。メタノール1ml中に溶けた6
−ニトロベンズイミダゾール16.2mg(使用したAgに基づ
いて0.3重量%)を加え、次いでKBr0.055モルを加え
た。70℃で、AgNO3の2モル溶液0.05モルを均一速度で2
5分間の期間にわたって加えた。形成した粒子は比較的
厚い平板であり、{111}結晶面を示した。本発明のラ
ッフル化結晶面の指示は存在しなかった。
比較例18 この比較例の目的は、上に引用したスミス(Smit
h)、粒子の生長および懸濁Particle Growth and Sus
pension)が示唆するように、粒子の沈殿の間に、4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデ
ン、ナトリウム塩を用いる結果を報告することである。
3%骨のゼラチン溶液100mlに、1.96モルAgNO310mlお
よび1.96モルKBr10mlを50℃で攪拌しながら、約20秒の
期間にわたって同時に加えた。このAgBr分散液を50℃で
1分間熟成し、次いで500mlに希釈した。この分散液をK
BrでpBr3に調節した。
試料18a,18b 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザ
インデンナトリウム塩0.4ミリモル/lおよび臭化1−ド
デシルキノリニウム0.6ミリモル/lを含有する1×10-3
モルのKBrの80mlに、上記の分散液20mlを加え、次いで
これを23℃で攪拌した。試料を15分後(試料18a)およ
び60分後(試料18b)に取り出した。
試料18c,18d 試料18cおよび18dをそれぞれ試料18aおよび18bと同様
にして調製したが、ただし4−ヒドロキシ−6−メチル
−1,3,3a,7−テトラアザインデン0.8ミリモル/lおよび
臭化1−ドデシルキノリニウム0.6ミリモル/lを使用し
た。
試料の各々の粒子を検査すると、粒子は丸くなった立
方体であることが明らかにされた。ラッフル化結晶面は
観察されなかった。
〔発明の効果〕
本発明は、面積が増大した表面を提供し、そして粒子
表面を形成するハロゲン化銀が好む形態と異なる結晶学
的形態をもつ、ハロゲン化銀粒子をこの分野において利
用可能とする。これらの表面の特徴の各々はその明確な
利点を提供する。
第1に、高い粒子表面積比が実現される。この分野に
おいて表面積比を増大するために粒子を微細にすること
に頼っていたが、本発明は粒子寸法に対して独立に粒子
の表面積比の増大を可能とする。さらに、表面積比は全
体の粒子形状に対して独立に増加させることができる。
詳しくは、本発明が意図するラッフル化主結晶面による
粒子表面積比の増加は、そうでなければ規則的なあるい
は不規則の立方体または八面体の粒子に等しく適用する
ことができる。
更に、本発明の新規なラッフル形成アプローチと、特
定的には粒子の大きさを減少するかあるいは不規則の粒
子形状を提供する、粒子表面積比を増加する他の概知の
アプローチは、匹敵し、そして組み合わせて使用して、
粒子表面表面積比を付加的に増大することができる。
薄いまたは高アスペクト比の板状粒子の乳剤の粒子表
面積比は、本発明が意図するようにラッフル化粒子面を
形成することによって増大させることができる。これに
より、対応する粒子寸法について従来実現されたものよ
りも大きい表面積比の乳剤が得られる。
同時に、本発明は、板状粒子の形状に頼らないで、粒
子表面積比の増大を可能とする。本発明は、規則的なお
よび他の非板状粒子の形状に適用するとき、特定の利点
を提供する。
本発明の第2の顕著なハロゲン化銀粒子表面の特徴
は、写真の特性を変更するため、粒子表面において変化
に富んだかつ新規な結晶学的形態の選択を可能とする。
一例として、塩化銀は立方体の結晶の形態を強く好む
が、本発明は立方体結晶格子の構造に適合する他の結晶
学的形態を塩化銀粒子面に実現可能とする。第2の例と
して、薄いおよび高アスペクト比の板状粒子の乳剤は八
面体の結晶面について最も容易に発生するが、本発明は
立方体の結晶格子構造と適合する他の結晶学的形態を板
状粒子面に実現できるようにする。
本発明は、高い表面積比および異なる結晶学的形態の
粒子面の両者を同時実現可能とするという利点を提供す
る。この組み合わせは、独特のかつ種々の写真性質をも
つ乳剤の実現を可能とする。
【図面の簡単な説明】
第2図は、臭化銀の立方体結晶面における原子配置の模
式図である。 第3図は、規則的八面体のハロゲン化銀粒子の等角投影
図である。 第4図は、臭化銀の八面体結晶面における原子配置の模
式図である。 第5図は、規則的な斜方晶系の十二面体の等角投影図で
ある。 第6図は、臭化銀の斜方晶系の十二面体の結晶面におけ
る原子配置の模式図である。 第7図は、規則的な立方体のハロゲン化銀粒子、規則的
な八面体のハロゲン化銀粒子、および中間の立方−八面
体のハロゲン化銀粒子の等角投影図である。 第8図および第9図は、基面からのピラミッドの突起の
平面図である。 第10図は、規則的{331}二十四面体のハロゲン化銀粒
子の等角投影図である。 第11図は、{331}臭化銀偏菱二十四面体の原子配置の
模式図である。 第12図は、規則的な{210}四六面体のハロゲン化銀粒
子の等角投影図である。 第13図は、臭化銀の{210}四六面体の結晶面における
原子配置の模式図である。 第14図は、規則的{211}偏菱二十四面体のハロゲン化
銀粒子の等角投影図である。 第15図は、臭化銀の{211}偏菱二十四面体の結晶面に
おける原子配置の模式図である。 第16図は、規則的{321}六八面体のハロゲン化銀粒子
の等角投影図である。 第17図は、臭化銀の{321}六八面体の結晶面における
原子配置の模式図である。 第18図は、規則的な立方体のハロゲン化銀粒子の等角投
影図である。 第1図、第19図、第20図、第21A図、第21B図、第21C
図、第21D図、第22図、第23A図、第23B図、第23C図、第
24A図、第24B図、第24C図、第24D図、第25図、第26A
図、第26B図、第26C図、第26D図、第26E図、第27図、第
28図、第29A図、第29B図、第30A図、第30B図、第31A
図、第31B図、第32図、第33A図および第33B図は、ハロ
ゲン化銀乳剤粒子の電子顕微鏡写真である。 1……立方体の粒子、2……銀イオン、3……臭素イオ
ン、4,8aおよび8b……列、5……八面体の粒子、7……
斜方晶系の十二面体の粒子、9および10……立方−八面
体の粒子、11a,11bおよび11c……{100}結晶面、12…
…基面、13a,13b,13cおよび13d……{111}結晶面、14
……基面、15……二十四面体、16および17……突角、16
a,16b,16c,17a,17b,17c,17d,17eおよび17f……二十四面
体の結晶面、18……四六面体、19および20……突角、19
a,19b,19c,19d,20a,20b,20cおよび20d……四六面体の結
晶面、21……偏菱二十四面体、22および23……突角、22
a,22b,22c,22d,23aおよび23b……偏菱二十四面体の結晶
面、24……六八面体、25,26および27……実角、25a,25
b,25c,25d,25e,25f,25g,25h,26a,26b,26c,26dおよび27a
……六八面体の結晶面。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立方体結晶格子構造のハロゲン化銀粒子を
    含み、その際、 前記ハロゲン化銀粒子は、第1の結晶学的形態の基面か
    らのハロゲン化銀結晶格子の延長部である突起によるラ
    ッフル化面を有し、 前記基面下および前記突起中において前記基面に隣接す
    る前記粒子は、同一のハロゲン化銀組成を呈示し、そし
    て 前記突起は、第2の結晶学的形態の表面を提供する、放
    射線感受性乳剤。
JP20604386A 1985-09-03 1986-09-03 ハロゲン化銀写真乳剤 Expired - Lifetime JPH0812390B2 (ja)

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