JPH08124511A - 電子顕微鏡用撮像装置 - Google Patents

電子顕微鏡用撮像装置

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JPH08124511A
JPH08124511A JP6263319A JP26331994A JPH08124511A JP H08124511 A JPH08124511 A JP H08124511A JP 6263319 A JP6263319 A JP 6263319A JP 26331994 A JP26331994 A JP 26331994A JP H08124511 A JPH08124511 A JP H08124511A
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JP
Japan
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image
electron microscope
image pickup
electron
scintillator
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Application number
JP6263319A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kakibayashi
博司 柿林
Masanari Takaguchi
雅成 高口
Kazutaka Tsuji
和隆 辻
Tatsuo Makishima
達男 牧島
Tadaaki Hirai
忠明 平井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 広視野の電子顕微鏡像の観察と記録を、動画
と静止画の両モードで高感度かつ高解像度で行える電子
顕微鏡用撮像装置を実現する。 【構成】 電子/光変換用シンチレータ1を含む光学
系、信号電荷のアバランシェ増倍を用いた撮像素子及び
間欠走査モードとスロースキャンモードを具備した撮像
素子制御系5等により、高性能な電子顕微鏡用撮像装置
を構成する。また、光導電膜における信号電流を検出す
るための電子線の走査モードとして、1画面の走査と停
止を一定時間で繰り返す間欠走査モードと、1画面分の
走査時間が通常のテレビ走査時間より遅く停止時間を持
たないスロースキャンモードの一方を備える。また、偏
向コイル12により、撮像装置の受光面上に投影された
像をシフトし、シフトした像を計算機10の画像処理に
よりつなぎ合わせて、広い視野の電子顕微鏡像を表示す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広視野の電子顕微鏡像
の観察と記録を、動画と静止画の両モードで高感度かつ
高解像度で行うことが可能な電子顕微鏡用撮像装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電子顕微鏡用撮像装置としては、
例えばGatan社 Model 622SC型テレビシステム インスト
ラクションマニュアル 1991年(Instruction Manual Mod
el 622SC Fiber Optically Coupled TV System, 1991,
Gatan Inc, 6678 Owens Dr, Pleasanton, CA 94588)に
記載されたものがある。図4は、従来の電子顕微鏡用撮
像装置の全体構造図である。図4に示すように、電子顕
微鏡像を撮影するための撮像装置1〜4は電子顕微鏡の
カメラ室22の下部に設けられたフランジに設置され
る。撮像装置は、電子/光変換用シンチレータ(YAG:yt
trium-aluminium garnet単結晶)1、光ファイバプレー
ト2、イメージインテンシファイア3、従来の光導電型
撮像素子4等から構成されている。シンチレータ1とイ
メージインテンシファイア3の間、及びイメージインテ
ンシファイア3と撮像素子4の間は、それぞれ光ファイ
バプレート2同士が向かい合わさったカップリング構造
になっている。電子顕微鏡は、鏡体15およびカメラ室
22からなり、試料16に照射された電子線の透過電子
23が電子レンズ24を介してシンチレータ1上に焦点
を結ぶように調整される。
【0003】電子顕微鏡像は、電子顕微鏡の螢光板21
を開けることによりシンチレータ1上に投影される。こ
のシンチレータ1において電子は光子に変換され、電子
顕微鏡像の強度、すなわち単位面積あたりの電子数に比
例した光子が光ファイバプレート2を通過してイメージ
インテンシファイア3に到達する。イメージインテンシ
ファイア3では、光子が再び電子に変換され100倍以上
に増幅された後に、再度光子に変換される。イメージイ
ンテンシファイア3では、このようにして増幅された光
子が光ファイバプレート2を通過して、撮像素子4の受
光面にある光導電膜に達して電子−正孔対を発生させ
る。撮像素子4では、その電流を撮像素子4の電子銃か
ら発せられる電子線で検出し、出力信号を得る。撮像素
子4の電子線はテレビジョンの速度(1/30秒/画面)で走
査されるので、光導電膜上に強度増幅して投影された電
子顕微鏡像を通常のテレビジョンカメラと同様に撮影で
きる。電子顕微鏡像に含まれる試料16の微細構造情報
を解析するためには、像質の確保が重要であり、そのた
めに必要な電子顕微鏡像の最低強度は、約3×10~13A/cm
2以上である。また、撮像素子受光面の有効面積は約2cm
2である。撮像装置からの画像信号は、撮像素子制御系
5を介してモニタ6に入力され、モニタ6の画面に表示
された後、電子顕微鏡観察者はこのモニタ6上の電子顕
微鏡像を見ながら電子顕微鏡の操作を行う。例えば、試
料16の移動機構17による手動調整で試料微動を使っ
た視野探し、像の焦点合わせや非点調整等である。視野
探しは画像中の希望する部分を視野内に入れることであ
り、像の焦点合わせは焦点(ピント)を合致させてぼけ
をなくすことであり、また非点調整は非点ずれをなくす
こと、例えば円や三角形等が本来の形状に映るように画
像を調整することである。また、画像信号をビデオレコ
ーダ14に入力し、動的な電子顕微鏡像、例えば加熱や
電子線照射による試料構造変化を示す像の記録を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の電子顕微鏡
用撮像装置では、撮像部に用いられている従来の光導電
型撮像素子4が感度不足であるため、イメージインテン
シファィア3により像強度を増幅している点が問題であ
る。このイメージインテンシファィア3の増幅過程では
極めて大きな量子ノイズが発生するため、モニタ6上の
電子顕微鏡像にはザラつきが多く、かつこのザラつきは
動的に現われるため、画質が非常に悪い。ザラつきが多
い画像としては、例えばテレビジョン放送中のチャネル
の画像に放送局の割り当てられていないチャネルのチラ
つき画像を重畳させた画像がこれに相当する。電子顕微
鏡像の焦点合わせや非点調整等の操作は、モニタ6上の
電子顕微鏡像における微細コントラスト、例えば非晶質
の粒状むらむら像や試料端部のフレネル縞等を用いるの
で、上記のザラつきは電子顕微鏡の操作時の大きな障害
となり、像調整の不正確さや操作時間の増大を招くこと
になる。なお、粒状むらむら像やフレネル縞が発生する
場合として、焦点が合っていない画像では、試料が無い
領域と試料が有る領域の境界に干渉縞(フレネル縞)が
表われ、試料が有る領域内に試料の非晶質構造(原子が
ランダムに配列されている箇所)でつぶつぶ(むらむら
像)が表われる。一般にはこれを見て、焦点が合ってい
るか否かを判断する。
【0005】従来技術の撮像素子の電子線走査速度は、
テレビジョン速度に固定されているので、静止画像の観
察はビデオレコーダ14に記録した動画像のうちの1画
面を表示するか、あるいはプリンタに出力して行われ
る。しかし、イメージインテンシファィア3の量子ノイ
ズの影響と撮像素子4の1画面当たりの走査線数(525
本)が少ないことにより、静止画像の画質も悪い。従っ
て、この静止画像のプリンタ出力像をデータ資料として
使用する場合には、電子顕微鏡像自身が相当鮮明である
こと、例えば高分解能電子顕微鏡により数十万倍以上の
倍率で結像された数オングストローム周期の格子像のよ
うであることが必須であった。このため、フィルムに撮
影して印画紙に焼き付けた静止画像に代わることはでき
なかった。なお、従来の撮像素子でも、1画面当りの走
査線数を515本とそれ以外の本数に切替えること、およ
び撮像素子の入出力制御系により、走査モードを変換し
て、テレビジョン速度以外の速度や走査と停止を繰り返
す走査方法にすること、等のいずれも技術的には可能で
あるが、量子ノイズや画像のザラつきのためそれらを実
施することによる効果が殆んどなかったので、テレビジ
ョン速度に固定されていた。一般に電子顕微鏡の観察室
には、面積にして100cm2程度の螢光板21が設置されて
おり、この面積の電子顕微鏡像が螢光板上に目視で観察
できる。これに対して、従来技術の撮像装置では、撮影
可能な面積が2cm2程度と小さく、螢光板面積の50分の1
程度しか観察できない。従って、螢光板21と撮像装置
で観察される各像の対応が悪く、螢光板上電子顕微鏡像
のどの部分がモニタ6上に現われているのか、観察者が
戸惑う場合が多い。また、メモリー素子の微細パターン
のように、構造を広範囲に撮影したい場合には、撮影面
積の不足が問題となる。でき得れば、螢光板21に映っ
たものと同程度の視野のモニタ画像が要求される。本発
明の目的は、これら従来の課題を解決し、広視野の電子
顕微鏡像を、動画と静止画の両モードで高感度かつ高解
像度で観察及び記録することが可能な電子顕微鏡用撮像
装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電子顕微鏡用撮像装置の光学系は、電子顕
微鏡像を光像に変換するためのシンチレータと必要に応
じて光ファイバ、ガラス基板、光学レンズを用い、撮像
部には高感度、高解像度、低ノイズ特性を有し、かつ信
号電荷のアバランシェ増倍を用いた撮像素子を用い、か
つ1画面当たりの走査線数は通常のテレビ走査線数の52
5本から2000本以上の高精細にまで切り替え可能とす
る。この撮像素子の信号電流検出用の電子線走査モード
として、1画面分の走査と停止を各々一定の時間で繰り
返す間欠走査モードと、1画面分の走査時間が通常のテ
レビジョン走査時間より遅く、停止時間を持たないスロ
ースキャンモードのうちの少なくとも一方を備える。電
子顕微鏡の投射レンズの焦点深度内に像をシフトするた
めの偏向コイルを設け、撮像素子の受光面の面積単位で
XおよびY方向にシフトできるようにする。撮像装置と
前記偏向コイルの制御、および撮像装置で観察した電子
顕微鏡像の記録と画像処理を行う計算機を具備する。
【0007】
【作用】本発明においては、撮像部に信号電荷のアバラ
ンシェ増倍を用いた撮像素子を用いるので、従来技術の
光導電型撮像素子と比較して60倍以上感度を向上でき
る。従って、イメージインテンシファイヤが不要とな
り、イメージインテンシファイヤの電子増倍過程で発生
する量子ノイズが原因である動画像のザラつきを解消で
きる。その上、間欠走査モードによってアバランシェ増
倍する時間を長くすることにより、画像信号の電荷を蓄
積して更に感度を向上でき、また、スロースキャン走査
モードによって画像信号の帯域を狭くし、アンプノイズ
を低減できる。上述のS/Nの改善効果によって、モニタ
上で電子顕微鏡像における微細コントラストを高画質で
鮮明に観察できるようになり、焦点合わせや非点調整等
の電子顕微鏡操作が像障害なく容易にかつ確実に行うこ
とができ、操作時間も短縮できる。上記のように、S/N
の改善効果による高画質の観察や確実な焦点合わせ、非
点調整等の操作が可能なことは、静止画像に対しても同
様であるので、撮像素子の走査線数を1000本〜2000本の
高精細像対応とし、この走査線数対応のビデオプリンタ
を用いれば、高S/Nの静止画ハードコピーが得られる。
このハードコピーは、学会や論文発表にそのまま使用で
きる高画質のデータ資料と成り得る。また、本発明で
は、電子顕微鏡の投射レンズの下部に設置した偏向コイ
ルにより、撮像装置の受光面上に投影された電子顕微鏡
像を受光面の面積単位でシフトさせるので、シフト操作
毎に電子顕微鏡像を計算機に記録し、各記録像を画像処
理によってつなぎ合わせれば、広い視野の電子顕微鏡像
を表示することができるとともに、記録することもでき
る。これにより、電子顕微鏡の螢光板と同程度の広視野
の観察ができるので、注目する構造の視野探しや微細パ
ターンの広範囲撮影が可能となる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を用いて詳細
に説明する。図1は、本発明の実施例で用いた電子顕微
鏡用撮像装置の基本構成図である。図1に示すように、
撮像装置は、シンチレータ1、基板7、光学レンズ8、
撮像素子9、撮像素子制御系5、モニタ6、計算機1
0、ビデオプリンタ11から構成されている。また、電
子顕微鏡の投射レンズ24の下部には、電子顕微鏡像を
シフトさせるための偏向コイル12が設置されている。
なお、電子顕微鏡の構成は図4に示す従来構造と同じで
ある。シンチレータ1は、電子線の強度分布として結像
される電子顕微鏡像を光像に変換するものであって、材
料はAgドープZnS、Cd,S,AgドープZnS、EuドープSr2P
2O7、YAG、EuドープCaF2、CeドープGd2SiO5、CeドープY
2SiO5、CeドープLu2SiO5、Pr,Ce,FドープGd2O2S等であ
る。シンチレータ1の条件は、電子顕微鏡の加速電圧
(汎用型では100〜300kV)に相当するエネルギーを持つ電
子線に対して、発光出力が大きく、劣化が少なく、かつ
入射した電子線の広がりが小さいことである。すなわ
ち、図1において、試料16から発生した電子が電子レ
ンズ24によりシンチレータ1に到達したとき、シンチ
レータ1では電子が光の像に変換されるが、その際に電
子線が散乱して広がり大きくなると、光の像がぼけてし
まう。従って、電子線が散乱しないようにしなければな
らない。更に、撮像素子の入射光波長特性に適した発光
波長を有することも重要である。すなわち、シンチレー
タ1の厚さが大きいほど発光量が多く、薄いほど発光量
が少ないが、厚さが大きいほど光の像がぼけてしまう。
従って、ぼけない程度に厚く、かつ適当な発光量が得ら
れる程度に薄いシンチレータ1を用いる。また、シンチ
レータ1からの発光量を受ける撮像素子は感度特性を有
しており、ある波長(λ0=420nm)のときに感度が最大
となるので、その撮像素子の最高感度の波長を持つ光を
発生するようなシンチレータ1を用いる必要がある。
【0009】本実施例では、撮像部に信号電荷のアバラ
ンシェ増倍を用いた撮像素子9を用いるので、この撮像
素子9の1次量子効率が最も高く、前記条件を満足する
シンチレータ1、例えばAgドープZnS(発光波長420nm)を
用いる。シンチレータ1の厚さは、入射した電子線が広
がり、電子顕微鏡像がぼけないようにするために数十μ
m程度にする。また、表面にチャージアップ防止のため
にAl膜を数十nm厚さ蒸着する。これは電子線が照射する
と、電子がシンチレータ1の表面に蓄積されてしまうの
で、これを防止するためにAl膜を蒸着するのである。基
板7には、ガラス基板もしくは光ファイバプレートを用
いる。光学レンズ8は、シンチレータ1で光像に変換さ
れた電子顕微鏡像を撮像素子9の受光面に結像するもの
である。光強度のロスを少なくするために、口径に対す
る焦点距離の短い、小さなF値を持つレンズを用いる。
上側のレンズは、基板7がガラス基板である場合にはシ
ンチレータ1の下面に、基板7が光ファイバプレートで
ある場合には光ファイバプレートの下面に焦点を合わせ
る。前者の方が光のロスが少なく、撮像装置としての感
度が向上できる。下側のレンズは、撮像素子9の光導電
膜に焦点を合わせる。信号電荷のアバランシェ増倍を用
いた撮像素子9は光導電膜に108V/m以上の高電界を印加
することによって、光導電膜中に光子が入射して発生す
る電荷をアバランシェ増倍するので、従来技術の光導電
型撮像素子に対して60倍以上の利得が得られる。これに
よって、イメージインテンシファイア無しでも、撮像装
置の感度が向上でき、かつイメージインテンシファイア
で発生する量子ノイズによる撮影像のザラつきを解消で
きる。撮像素子9を装着するカメラ本体(チューブ)に
は、例えば1画面当たりの走査線数が525本と1125本の
切替が可能なものを用いる。
【0010】撮像素子制御系5は、撮像素子9の入出力
の制御を行なう。この撮像素子制御系5には、撮像素子
の信号電流検出用の電子線走査モードとして、1画面分
の走査と停止を各々一定の時間で繰り返す間欠走査モー
ドと、1画面分の走査時間が通常のテレビ走査時間より
遅く停止時間を持たないスロースキャンモードとを備え
る。間欠走査モードでは、電子線走査を停止している時
間に比例して画像信号電流をアバランシェ増倍するの
で、更に感度を向上することができる。走査と停止時間
は、例えば前者を1/30秒(テレビ走査速度)、後者を1/30
秒から数秒以上とする。スロースキャンモードでは、電
子線走査を遅くすることによって画像信号の周波数帯域
を狭くし、画像信号のノイズ、特にアンプノイズ成分を
低減できる。つまり、蓄積されている電荷を早く読むよ
りも低速に読む方が、出力のアンプ自身のノイズの影響
が小さい。例えば、走査速度をテレビ走査速度(1/30秒)
を1/15秒にすると、画像信号の周波数帯域は1/2とな
り、アンプノイズも約1/2にできる。従って、両モード
により、撮像装置を高S/N化できる。電子線走査の開始
と終了は、電子顕微鏡の螢光板の開閉と連動させる。モ
ニタ6は、撮像素子9で撮影された像の表示を行ない、
主に動画像の観察時に用いる。計算機10は、撮像素子
9で撮影された像のA/D変換、記録、画像処理、及び電
子顕微鏡像をシンチレータ1上でシフトさせるための偏
向コイル12と撮像素子制御系5の制御を行なう。ビデ
オプリンタ11は、静止画像のハードコピーを出力す
る。
【0011】次に、撮像装置を更に高感度化するための
信号電荷のアバランシェ増倍を用いた撮像素子9の実施
例を説明する。図2は、本発明の第1の実施例を示す電
子顕微鏡用撮像素子として、光ファイバプレートの面板
の表面にシンチレータ、裏面に非晶質Se系光導電膜を
用いた構造図であり、図3は、本発明の第2の実施例を
示す電子顕微鏡用撮像素子として、光ファイバプレート
を用いず、シンチレータの面板の裏面に非晶質Se系光
導電膜を用いた構造図である。図1に示した実施例で
は、シンチレータ1と撮像素子9の間に光学レンズ8を
設置していたが、このレンズによる光強度のロスが少な
くない。例えば、F値が1.2のレンズを用いた場合で強
度は約1/5に減少する。この場合、光学レンズ8は、撮
像素子9の光導電膜(ガラス基板7の裏側に成膜されて
いる)に結像するために必要であった。そこで、光学レ
ンズ8を取り除くために、撮像素子9を図2に示すよう
な構造にする。受光部を、シンチレータ1、光ファイバ
プレート2、非晶質Se系光導電膜13で構成し、それ以
外は従来の信号電荷のアバランシェ増倍を用いた撮像素
子と同様の構造にする。これによって、上記の光学レン
ズ8を用いた場合に比較して、撮像装置の感度を約5倍
向上できる。
【0012】次に、高感度化した信号電荷のアバランシ
ェ増倍を用いた撮像素子9の第2の実施例を、図3によ
り説明する。光ファイバプレート2には、開口率とファ
イバを接着している層の厚さにより、数十%程度の強度
のロスがある。光ファイバプレート2は、入射した光を
100%透過しない性質があり、機能としても表面と裏
面とを光で結合するだけである。そこで本実施例では、
受光部をシンチレータ1、非晶質Se系光導電膜13で構
成し、それ以外は従来の信号電荷のアバランシェ増倍を
用いた撮像素子と同様の構造にする。シンチレータ1
は、非晶質Se系光導電膜13を成膜することと、撮像素
子内を真空に封じ切ること(真空シール)の必要性か
ら、鏡面研磨の可能な単結晶を用いる。
【0013】図2、図3の撮像素子において、顕微鏡の
試料から電子線がシンチレータ1に照射されると、電子
は光子に変換され、その光子は非晶質Se系光導電膜1
3中に電荷を発生させる。これを電子銃20からの電子
線18により走査しながら検出することにより、電子像
が電気信号として電子銃20の裏側の出力端子から取り
出される。なお、偏向電極19は、電子線18を電圧で
制御して偏向させる。一例として、ハーピコンターゲッ
ト(非晶質Seを主体とした材料により構成される)の
アバランシェ効果による信号増倍管の動作を説明する。
ハーピコンターゲットによる信号増幅は、暗電流を伴わ
ず、かつショットノイズの増加を抑える効果により、映
像の暗い部分から明るい部分まで高S/Nで超高感度を
得ることができる。ハーピコンターゲットの動作原理
は、従来の光導電膜と全く異なり、1個の光子に対して
発生した1対の電荷を高電界で加速し、ターゲットを構
成する原子から順次、新しい電荷の対を発生させるもの
である。つまり、なだれ増倍により大きな信号電流を得
ている。ハーピコンターゲットでは、膜内で発生する有
害なショットノイズ、つまり信号電荷のランダムな動き
による信号電流のゆらぎノイズの増加に比較して、信号
電荷の増倍が数十倍以上大きいので、従来の高感度撮像
管で見られたような画面のノイズ分が無視できるほど小
さくなる。
【0014】次に、本発明による電子顕微鏡像観察のプ
ロセスを図1により説明する。先ず、試料16の低倍率
像を電子顕微鏡によって結像する。そして、電子顕微鏡
の螢光板21を開け、シンチレータ1上に像を投影す
る。この時、撮像装置のモニタ6には、撮像素子9の受
光部有効面積(約1cm2)に対応する視野が観察される。計
算機10の制御によって偏向コイル12を動作させ、電
子顕微鏡像をシンチレータ1上で受光部有効面積の単位
でX−Y方向にシフトさせ、各シフト毎に撮像素子制御
系5からの画像信号を計算機10に記録する。このシフ
トした順番に記録された複数の画像を計算機10の画像
処理によってシフト順につなぎ合わせ、広視野の像とし
て計算機10のモニタ画面に表示する。観察者は、この
モニタの像を見ながら試料16を移動機構17により手
操作で移動させ、目的の視野を捜す。高分解能像を観察
する場合には、電子顕微鏡の倍率を上げ、試料16の非
晶質部分の粒状むらむら像が見えるようにする。この状
態で、モニタ6を見ながら非点調整をする。本発明の撮
像装置では、画像に従来のようなザラつきが無いので、
調整は容易に短時間で行なえる。更に、電子顕微鏡の焦
点合わせも同様に容易に行なえる。
【0015】試料16が電子線照射のダメージに弱い場
合には、入射電子線強度を小さくする必要があるので、
像が暗くなる。この場合には、撮像素子制御系5の制御
により間欠走査モードを用いて撮像装置の感度を上げ
る。スロースキャンモードも、適宜用いてアンプノイズ
の増加を抑える。電子顕微鏡の倍率を上げると必然的に
像は暗くなるので、上記と同様に両走査モードを用い
る。試料16の加熱や電子線照射等に伴う微細構造の動
的な変化を記録する場合には、撮像素子制御系5からの
画像信号をビデオレコーダ(図示省略、ビデオプリンタ
11の代りに接続する)に入力する。この場合、連続的
な動画像として観察、記録するために、間欠及びスロー
スキャンモードによる1画面当たりの走査時間は1/15秒
程度にする。静止画像の場合には、試料16のドリフト
速度以内の範囲で両モードの走査時間を設定する。静止
画像のハードコピーは、計算機10に記録した像をビデ
オプリンタ11で出力して得る。撮像素子9を装着する
カメラ本体は、1画面当たりの走査線数が525本と1125
本の切替が可能なので、鮮明な静止画像のハードコピー
を得ようとする時には、1125本に設定しておく。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子/光変換用シンチレータを含む光学系、信号電荷の
アバランシェ増倍を用いた撮像素子、および間欠走査モ
ードとスロースキャンモードを備えた撮像素子制御系に
より、従来の電子顕微鏡用撮像装置に比べて感度が10
倍以上、解像度が数倍、撮影視野が50倍に向上し、か
つ動画と静止画の両モードで使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電子顕微鏡用撮像装置
の全体断面構造図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す撮像素子、すなわ
ち光ファイバプレートを面板として、表面にシンチレー
タ、裏面に非晶質Se系光導電膜を有する信号電荷のアバ
ランシェ増倍を用いた撮像素子の断面構造図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す撮像素子、すなわ
ちシンチレータを面板として、裏面に非晶質Se系光導電
膜を有する信号電荷のアバランシェ増倍を用いた撮像素
子の断面構造図である。
【図4】従来技術による電子顕微鏡用撮像装置の全体構
成図である。
【符号の説明】
1…シンチレータ 2…光ファイバプレート 3…イメージインテンシファイア 4…従来の光導電型撮像素子 5…撮像素子制御系 6…モニタ 7…基板 8…光学レンズ 9…信号電荷のアバランシェ増倍を用いた撮像素子 10…計算機 11…ビデオプリンタ 12…偏向コイル 13…非晶質Se系光導電膜 14…ビデオレコーダ 15…鏡体 16…試料 17…移動機構 18…電子線 19…偏向電極 20…電子銃 21…螢光板 22…カメラ室 23…透過電子 24…電子レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧島 達男 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 平井 忠明 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子顕微鏡像を観察および記録するための
    撮像装置において、撮像部として信号電荷のアバランシ
    ェ増倍を用いた撮像素子を具備するとともに、該撮像部
    の受光面に電子顕微鏡像を結像するための光学系とし
    て、電子顕微鏡像を光像に変換するための電子/光変換
    用シンチレータ、該シンチレータを固定する基板、およ
    び該シンチレータで光像に変換された電子顕微鏡像を上
    記撮像素子の受光面に結像させるための光学レンズを具
    備することを特徴とする電子顕微鏡用撮像装置。
  2. 【請求項2】電子顕微鏡像を観察および記録するために
    撮像素子を具備した撮像装置において、該撮像素子によ
    る1画面当たりの記録時間を任意に設定する撮像素子制
    御系装置を具備し、該撮像素子制御系装置は1画面当た
    りの記録時間が1/30秒から1/15秒の範囲で連続記録を行
    なう動画モードと、該動画モードよりも記録時間が長い
    静止画モードの両モードとで動作することを特徴とする
    電子顕微鏡用撮像装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電子顕微鏡用撮像装置に
    おいて、前記シンチレータを固定する基板は、ガラス基
    板もしくは光ファイバプレートであることを特徴とする
    電子顕微鏡用撮像装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の電子顕微鏡用撮像装置に
    おいて、前記信号電荷のアバランシェ増倍を用いた撮像
    素子は、受光部に、光ファイバプレートの表面に電子/
    光変換用シンチレータを、裏面に非晶質Se系光導電膜を
    それぞれ固定した構造、あるいは電子/光変換用シンチ
    レータの裏面に非晶質Se系光導電膜を固定した構造を用
    いたことを特徴とする電子顕微鏡用撮像装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の電子顕微鏡用撮像装置に
    おいて、前記信号電荷のアバランシェ増倍を用いた撮像
    素子は、光導電膜における信号電流を検出するための電
    子線の走査モードとして、1画面分の走査と停止を各々
    予め定めた時間で繰り返す間欠走査モードと、1画面分
    の走査時間が通常のテレビジョン走査時間より遅く、か
    つ停止時間を持たないスロースキャンモードのうち、少
    なくとも一方で動作することを特徴とする電子顕微鏡用
    撮像装置。
  6. 【請求項6】電子顕微鏡像を観察および記録するための
    撮像装置において、該電子顕微鏡の投射レンズの下部に
    設置され、該撮像装置の受光面上に投影された電子顕微
    鏡像を前記受光面の面積単位で順次シフトさせる偏向コ
    イルと、該シフト操作毎に電子顕微鏡像を記録し、各々
    記録した像を画像処理によってつなぎ合わせ、広い視野
    の電子顕微鏡像を画面に表示、およびメモリに記録する
    計算機とを具備したことを特徴とする電子顕微鏡用撮像
    装置。
JP6263319A 1994-10-27 1994-10-27 電子顕微鏡用撮像装置 Pending JPH08124511A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002505794A (ja) * 1997-06-13 2002-02-19 ガタン・インコーポレーテッド 電子顕微鏡の影像検出器の解像度を改良しノイズを低減する方法及び装置
JP2011154921A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Hitachi High-Technologies Corp 走査電子顕微鏡

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JP2002505794A (ja) * 1997-06-13 2002-02-19 ガタン・インコーポレーテッド 電子顕微鏡の影像検出器の解像度を改良しノイズを低減する方法及び装置
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