JPH08135698A - ディスクブレーキ装置用ブレーキパッド - Google Patents

ディスクブレーキ装置用ブレーキパッド

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Publication number
JPH08135698A
JPH08135698A JP27954494A JP27954494A JPH08135698A JP H08135698 A JPH08135698 A JP H08135698A JP 27954494 A JP27954494 A JP 27954494A JP 27954494 A JP27954494 A JP 27954494A JP H08135698 A JPH08135698 A JP H08135698A
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JP
Japan
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friction material
disc
pad
shape
friction
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Application number
JP27954494A
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English (en)
Inventor
Shigeru Ichikawa
繁 市川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH08135698A publication Critical patent/JPH08135698A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D2069/002Combination of different friction materials

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  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 広温域に亘って制動に関する良好な性能を得
る。 【構成】 ディスクパッド20は、鋼板22A及び銅板
22Bから成る裏金22と、中央部に配置された第1摩
擦材24A及び上下縁部に配置された第2摩擦材24B
から成る摩擦材24と、によって構成されている。第1
摩擦材24Aは摩擦係数が小さく、第2摩擦材24Bは
摩擦係数が大きく設定されている。このため、通常使用
温域(常温時)にあっては耐摩耗性を向上させることが
でき、高温域にあっては耐フェード性を向上させること
ができる。従って、広温域に亘って制動に関する良好な
性能を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスクブレーキ装置
に用いられ、車輪と共に回転するディスクロータに押圧
されることによりディスクロータとの間に制動用摩擦力
を発生するブレーキパッドに関する。
【0002】
【従来の技術】所謂ディスクブレーキ装置では、ブレー
キペダルを踏み込むとペダルストロークに応じた油圧が
ホイールシリンダに伝達され、これによりピストンが移
動してブレーキパッドがディスクロータのロータ摩擦面
に押し付けられて制動力が発生するようになっている。
上述したディスクパッドの構成としては、平板状の裏金
の片面に平板状の摩擦材を取り付けたものが一般的であ
る(一例として、実開昭60−59832号公報参
照)。
【0003】この公報に開示された構成を簡単に説明す
ると、図13に示されるように、矩形状の平板を緩やか
に湾曲させることにより設けられた裏金100と、この
裏金100の内側面に取り付けられた摩擦材102と、
によってブレーキパッド104が構成されている。さら
に、この公報に開示された構造では、表面に摩擦材10
2が取り付けられる鉄板100Aと、この鉄板100A
の裏面に取り付けられる銅板100Bと、によって前述
した裏金100が構成されている。なお、鉄板100A
の熱膨張係数は銅板100Bの熱膨張係数よりも小さ
い。以上の構成に係るブレーキパッド104は、成形時
に凸湾曲形状(図12図示状態のブレーキパッド104
を反転させた形状)とされた上で、ディスクロータに対
向して配置される。
【0004】上記構成によれば、ディスクブレーキ装置
の通常使用時にあっては、ブレーキパッド104が凸湾
曲形状とされているため、所謂ブレーキ鳴き現象を抑制
する効果が得られる。また、高温時にあっては、前述し
た裏金100を構成する鉄板100A及び銅板100B
の熱膨張係数の差に起因して、ブレーキパッド104が
凹湾曲形状に反転される。このため、逆にブレーキ鳴き
現象が助長されるので、これを乗員に対する警告音とし
て利用することができるというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された構造による場合、一種類の摩擦材料によ
って構成される摩擦材102を用いるため、おのずと摩
擦材102の適温範囲が狭くなりがちである。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、広温域に亘っ
て制動に関する良好な性能を得ることができるディスク
ブレーキ装置用ブレーキパッドを得ることが目的であ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ディスクブレ
ーキ装置に用いられ、車輪と共に回転するディスクロー
タに押圧されることによりディスクロータとの間に制動
用摩擦力を発生するブレーキパッドであって、ディスク
ロータに対して接離可能に設けられると共に制動時にデ
ィスクロータ側へ接近するベース部材と、このベース部
材に取り付けられると共にディスクロータに対向して配
置され、中央部と縁部とで材質が異なる摩擦材と、を含
んで構成され、前記摩擦材は、当該摩擦材自体が温度変
化によって形状を凸状から凹状へ又は凹状から凸状へ変
化させ、或いは、前記ベース部材が温度変化によって形
状を凸状から凹状へ又は凹状から凸状へ変化させること
で追従して形状を変化させる、ことを特徴としている。
【0008】
【作用】上記構成の本発明の作用は、以下の通りであ
る。
【0009】通常のブレーキ使用時におけるディスクロ
ータの表面温度は、例えば下り坂を頻繁にブレーキをか
けながら走行する際のディスクロータの表面温度よりも
低い。従って、両者間では、温度変化が生じている。な
お、温度変化が生じる場合の他の例としては、降雨時等
においてディスクロータ等が被水している場合等が挙げ
られる。
【0010】この場合、本発明によれば、摩擦材自体が
温度変化によって形状を凸状から凹状へ又は凹状から凸
状へ変化させ、或いは、ベース部材が温度変化によって
形状を凸状から凹状へ又は凹状から凸状へ変化させるこ
とで追従して形状を変化させる。このため、例えば、ベ
ース部材が形状を凸状から凹状へ変化させる場合であれ
ば、通常のブレーキ使用時には摩擦材の中央部がディス
クロータに押圧され、下り坂等を走行する際には摩擦材
の縁部がディスクロータに押圧されることになる。
【0011】ここで、本発明では、摩擦材の中央部と縁
部とで材質が異なる構成としたので、中央部と縁部とで
異なる性能が得られる。すなわち、例示的に説明すれ
ば、摩擦材の中央部には摩擦係数が小さい材質を選択し
縁部には摩擦係数が大きい材質を選択した場合には、通
常のブレーキ使用時においては耐摩耗性が向上され、下
り坂等を走行する際には耐フェード性が向上される。こ
の結果、制動に関する性能のチューニングの自由度が高
められ、広温域に亘って制動に関する良好な性能を得る
ことが可能となる。
【0012】
【実施例】
〔第1実施例〕以下、図1〜図9を用いて、第1実施例
について説明する。
【0013】図4には、ディスクキャリパ10の断面構
造が概略的に示されている。この図に示されるように、
車輪と共に回転する円板状のディスクロータ12(一部
のみ図示)の外周部には、断面略C字形状のキャリパボ
ディー14が配設されている。このキャリパボディー1
4の内部には、ブレーキペダルのペダルストロークに応
じた油圧が伝達されるシリンダ16が設けられている。
このシリンダ16の内部にはピストン18がシリンダ1
6の軸線に沿って移動可能に配置されており、更にこの
ピストン18の先端部にインナ側のディスクパッド20
が固定されている。
【0014】また、ディスクロータ12を挟んでインナ
側のディスクパッド20と対向する位置には、アウタ側
のディスクパッド20が配設されている。このアウタ側
のディスクパッド20は、インナ側のディスクパッド2
0をディスクロータ12に押圧するべくピストン18が
ディスクロータ12側へ移動した場合に、その際の反力
によってキャリパボディー14が図示しないスライドピ
ンにガイドされながらスライドして、アウタ側のディス
クパッド20をディスクロータ12に押圧するようにな
っている。
【0015】次に、上述したディスクパッド20の構成
について詳細に説明する。なお、ディスクパッド20の
構成は、インナ側及びアウタ側のいずれも同一である。
【0016】図1に示されるように、ディスクパッド2
0は、平面視で略矩形状の裏金22と、この裏金22の
片面に取り付けられた平面視で略矩形状の摩擦材24
と、によって構成されている。なお、ディスクパッド2
0は、その長手方向がディスクロータ12の周方向とな
るように配置される。
【0017】ディスクパッド20の一部を構成する裏金
22は、表面に摩擦材24が取り付けられる鋼板22A
と、表面に鋼板22Aが取り付けられると共に裏面にピ
ストン18の先端部が取り付けられる銅板22Bとの二
層構造とされている。これらの鋼板22Aと銅板22B
との固着位置は、図1においてX線及びY線で示される
位置とされており、ディスクロータ12側から見た場合
にはディスクロータ12の径方向に沿う位置とされてい
る。なお、固着方法としては、リベット等の締結具を用
いる方法や、スポット溶接、シーム溶接等の溶接による
方法等がある。
【0018】また、裏金22は、中央部が上縁部及び下
縁部よりも突出した凸状に成形されている(図2参
照)。さらに裏金22について説明を加えると、鋼板2
2Aの方が銅板22Bよりも熱膨張係数が小さい。この
ため、略200°C以下の通常使用温域(常温域)では
凸形状を維持するが、略350°C以上の高温域になる
と両者の熱膨張係数の差によって凸状(図2図示状態)
から凹状(図3図示状態)に形状を反転させる。
【0019】一方、裏金22に取り付けられる摩擦材2
4は、裏金22の形状に合致するよう凸状に成形されて
いる。また、摩擦材24は、中央部に配置される第1摩
擦材24Aと、上縁部及び下縁部に配置される第2摩擦
材24Bとによって構成されている。ディスクロータ1
2側から見た場合、半径方向内側から外側へ向けて第2
摩擦材24B、第1摩擦材24A、第2摩擦材24Bの
順で配置されている。中央部に配置される第1摩擦材2
4にあっては、常温域での耐摩耗性を向上させるべく、
摩擦係数が比較的小さくなるような材質が選択されてい
る。また、上縁部及び下縁部に配置される第2摩擦材2
4にあっては、高温域での耐フェード性を向上させるべ
く、摩擦係数が比較的大きくなるような材質が選択され
ている。具体的には、表1に示される組成を一例として
採用している。
【0020】
【表1】
【0021】上述した表1から判るように、中央部に配
置される第1摩擦材24Aにあっては、潤滑剤及び結合
剤を多く配合し、硬質粒子である酸化マグネシウムを少
なくしている。また、第2摩擦材24Bにあっては、潤
滑剤及び結合剤を少なくして、金属ファイバ及び硬質粒
子である酸化マグネシウムを多く配合している。
【0022】以下に、本実施例の作用を説明する。イン
ナ側及びアウタ側のディスクパッド20が組付けられた
状態では、これらのディスクパッド20はディスクロー
タ12に対して凸状に湾曲して配置される。この状態で
は、ディスクロータ12のロータ摩擦面とディスクパッ
ド20のパッド摩擦面との間に所定の隙間が形成されて
いる。この状態から、ブレーキペダルが踏み込まれる
と、ペダルストロークに応じた油圧がシリンダ16に伝
達される。このため、シリンダ16内のピストン18が
押圧されて、インナ側のディスクパッド20がディスク
ロータ12のロータ摩擦面に押し付けられる。また、ピ
ストン18が押圧された際の反力でキャリパボディー1
4がスライドし、これによりアウタ側のディスクパッド
20もディスクロータ12のロータ摩擦面に押し付けら
れる。これにより、制動力が発生する。
【0023】ここで、略200°C以下の通常使用温域
(常温域)では、図2に示される如く、中央部に配置さ
れた第1摩擦材24Aの凸部がディスクロータ12のロ
ータ摩擦面に押圧される。この第1摩擦材24Aは、前
述した如く潤滑剤及び結合剤を多くしかつ硬質粒子であ
る酸化マグネシウムを少なくした配合になっているた
め、摩擦係数が小さく耐摩耗性が良い。すなわち、通常
使用温域では、摩耗しにくい第1摩擦材24Aが使用さ
れることになる。
【0024】一方、ブレーキを頻繁にかけながら下り坂
等を走行する場合には、ディスクロータ12が加熱され
て略350°C以上に達する。このような高温域になる
と、図3に示される如く、裏金22を構成する鋼板22
A及び銅板22Bの熱膨張係数の差から裏金22が徐々
に凸状から凹状に変形する。このため、裏金22に取り
付けられた摩擦材24も同様に凹状に変形する。この結
果、ディスクロータ12のロータ摩擦面には、上縁部及
び下縁部に配置された第2摩擦材24Bが押し付けられ
る。この第2摩擦材24Bは、前述した如く潤滑剤及び
結合剤を少なくしかつ金属ファイバ及び硬質粒子である
酸化マグネシウムを多くした配合になっているため、摩
擦係数が大きく耐フェード性が良い。すなわち、高温域
では、フェード現象を起こしにくい第2摩擦材24Bが
使用されることになる。
【0025】このように本実施例では、裏金22を熱膨
張係数が異なる鋼板22A及び銅板22Bの二層構造
(バイメタル構造)にすると共に摩擦材24を材質が異
なる第1摩擦材24A及び第2摩擦材24Bで構成し、
通常使用温域(常温域)では耐摩耗性に優れた第1摩擦
材24Aをディスクロータ12に押し付け、高温域では
耐フェード性に優れた第2摩擦材24Bをディスクロー
タ12に押し付ける構成としたので、耐摩耗性及び耐フ
ェード性の両立を図ることができる。すなわち、広温域
に亘って制動に関する良好な性能を得ることができる。
【0026】図5には、上記効果を裏付ける実験データ
が示されている。このグラフは、横軸にパッド摩耗率を
取り、縦軸にフェード試験時のmin.μを取ったもの
である。試験方法は、パッド摩耗試験については「JA
SO(日本自動車規格) C427−75」によるもの
で、フェード試験については「JASO(日本自動車規
格) C 460−82」によるものである。また、試
験条件としては、キャリパについては乗用車用ピンスラ
イドキャリパを用い、ディスクロータについては厚さ1
8mmのベンチレーションタイプのディスクロータを用
い、更にディスクパッド(摩擦材)については摩擦面の
面積が44cm2 のディスクパッドを用いた。さらに、
評価としては、ディスクロータの表面温度が100°C
の場合のパッド摩耗率と、高温高負荷時の摩擦係数とし
てフェード試験時のμと、を測定して評価した。
【0027】この試験結果によれば、中央部の第1摩擦
材24Aのみを使用した場合には、パッド摩耗率は低く
良好といえるが、フェード試験時のmin.μも低くこ
の点については良好とはいえない。逆に、上縁部及び下
縁部の第2摩擦材24Bのみを使用した場合には、フェ
ード試験時のmin.μは高く良好といえるが、パッド
摩耗率も高くこの点については良好とはいえない。これ
に対し、本実施例の如く第1摩擦材24A及び第2摩擦
材24Bの双方を使用する場合には、通常使用温域にお
けるパッド摩耗率は低く、フェード試験時のmin.μ
は高くいずれも良好な結果が得られた。
【0028】また、本実施例によれば、ディスクパッド
20の裏金22の反り方向をディスクロータ12の周方
向としたので、摩擦材24の摩耗粉の影響を受けないと
いう効果もある。なお、ここでいう「反り方向」とは、
凸状或いは凹状に湾曲(変形)した裏金22を含んで成
す円筒体を仮想した場合における当該円筒体の軸線方向
のことである。この効果を具体的に説明すると、例えば
反り方向がディスクロータ12の径方向とされたディス
クパッド26を比較例(図6参照)とすると、図7に示
されるように、パッド摩耗率及びフェード試験時のmi
n.μのいずれも反り方向が周方向であるディスクパッ
ド20の場合よりも劣る。このように性能が低下する理
由は、図8に示される如く、制動時に図上左縁側の第2
摩擦材24Bの摩耗粉が第1摩擦材24Aの摩擦面に転
移し、第1摩擦材24Aの摩耗粉が図上右縁側の第2摩
擦材24Bの摩擦面に転移することから、第1摩擦材2
4Aの特性及び第2摩擦材24Bの特性が相互に相殺し
合うためと考えられる。但し、性能が低下するといって
も、従来構造に比べれば耐摩耗性及び耐フェード性の両
立に向けて改善されていると見るべきであり、本発明の
一実施例として位置付けられる。
【0029】さらに、上述した実施例は、専ら耐摩耗性
及び耐フェード性の両立を図るための構成であったが、
本実施例の構造を適用すれば、摩擦材の組み合わせ方を
変えることにより種々の性能向上を図ることができる。
例えば、第1摩擦材24A及び第2摩擦材24Bの組成
を表2に示される如くとした場合には、高温高負荷時に
おけるブレーキの効きとロータ攻撃性との両立を図るこ
とができる。
【0030】
【表2】
【0031】この表2から判るように、上縁部及び下縁
部に配置される第2摩擦材24Bについては前述した表
1に示される組成と同一であるが、中央部に配置される
第1摩擦材24Aについては常温時におけるロータ攻撃
性を向上させるために、アラミドファイバの配合量を多
くすると共にチタン酸カリウムファイバの配合量をゼロ
にし、更に無機充填剤である銅粉の配合量を多くすると
共に酸化マグネシウムの配合量をゼロにした。
【0032】この場合の実験データを図9に示す。この
グラフは、横軸にロータ摩耗量を取り、縦軸にフェード
試験時のmin.μを取ったものである。なお、ロータ
攻撃性については、試験装置として機械試験所型試験機
を用い、試験条件は面圧が0.2kg/cm2 、摩擦速
度が7m/secとして、8時間でのロータ摩耗量(μ
m)を測定して評価した。
【0033】この試験結果によれば、中央部の第1摩擦
材24Aのみを使用した場合には、ロータ摩耗量は少な
く良好といえるが、フェード試験時のmin.μも低く
この点については良好とはいえない。逆に、上縁部及び
下縁部の第2摩擦材24Bのみを使用した場合には、フ
ェード試験時のmin.μは高く良好といえるが、ロー
タ摩耗量も多くこの点については良好とはいえない。こ
れに対し、上記組成にした上で第1摩擦材24A及び第
2摩擦材24Bの双方を使用する場合には、ロータ摩耗
量は少なくフェード試験時のmin.μは高くいずれも
良好な結果が得られた。すなわち、高温高負荷時におけ
るブレーキの効きとロータ攻撃性との両立を図ることが
できる。 〔第2実施例〕次に、図10〜図12を用いて、第2実
施例について説明する。なお、第1実施例と同一構成部
分については同一番号を付してその説明を省略する。
【0034】図10に示されるように、本実施例のディ
スクパッド30では、裏金22を構成する鋼板22Aと
銅板22Bの配置関係が逆になっており、銅板22B側
に摩擦材24が取り付けられている。
【0035】また、本実施例では、鋼板22Aと銅板2
2Bとが、これらの対角線Z(図11参照)上でシーム
溶接により固着されている。さらに、本実施例では、裏
金22及び摩擦材24が対角線Zに沿って凹状に成形さ
れている。また、中央部に配置される第1摩擦材24A
にあっては高摩擦係数となるように材質(組成)が選択
されており、上縁角部及び下縁角部(対角線Zの両端
部)に配置される第2摩擦材24Bにあっては低摩擦係
数となるように材質(組成)が選択されている。但し、
第1摩擦材24Aを高摩擦係数化するといっても、耐摩
耗性を考慮する必要があるので第2摩擦材24Bに対し
てみれば相対的に高摩擦係数化されているという意味で
ある。
【0036】なお、上述したディスクパッド30は、裏
金22の長手方向両端部に設けられた矩形状の突起32
がキャリパボディー14のトルク受け部34(図11参
照)に嵌合されることにより保持されている。
【0037】以下に、本実施例の作用を説明する。一般
に、ブレーキ系における摩擦材24やディスクロータ1
2に水がかかった場合、摩擦係数が上昇する。このた
め、図12に示される如く、通常のディスクパッド40
を用いた場合には、二点鎖線で示される如くディスクパ
ッド40が剛体振動する。なお、剛体振動というのは、
ディスクパッド40が変形せずに全体として振動するこ
とを意味する。このため、ディスクパッド40は所謂ス
ティックスリップし、これによりブレーキ鳴きが発生す
る。
【0038】しかしながら、本実施例によれば、通常使
用温域における150°C以下の温域(ディスクロータ
12等に水がかかるとこの温域になる)にあっては、デ
ィスクパッド30が凹状とされており、ディスクロータ
12のロータ摩擦面には低摩擦係数の第2摩擦材24B
が押圧される。このため、第2摩擦材24B(P部)に
おいてはa×L1 の回転モーメントが発生し、第2摩擦
材24B(Q部)においては−b×L2 の回転モーメン
トが発生する。なお、この場合の支点は、制動時に生じ
る摩擦力の反力F1 を受ける突起32(図11において
右側の突起32)である。この結果、ディスクパッド3
0には、全体として、M=a×L1 −b×L2 の回転モ
ーメントが発生することになる。ここで、L2 ≪ L1
であるので、全体の回転モーメントMは常に正となる。
従って、この回転モーメントMにより、ディスクパッド
30の突起32(図11において左側の突起32)が、
これに対応するトルク受け部34にF2 の力で押し付け
られる。この結果、この突起32とトルク受け部34と
の間に摩擦力が生じ、この摩擦力によってディスクパッ
ド30の前述した振動が抑制される。
【0039】なお、通常使用温域における150°Cか
ら200°Cまでの温域にあっては、裏金22を構成す
る鋼板22A及び銅板22Bの熱膨張係数の差により、
ディスクパッド30が凸状とされる。このため、ディス
クロータ12のロータ摩擦面には高摩擦係数の第1摩擦
材24Aが押圧されることになる。
【0040】このように本実施例では、裏金22を構成
する鋼板22A及び銅板22Bの固着方向をこれらの対
角線方向としてディスクパッド30に回転モーメントを
発生させる構成とし、更にこの際にディスクロータ12
に押圧される第2摩擦材24Bを低摩擦係数化したの
で、ディスクパッド30の剛体振動を抑制することがで
きる。このため、ブレーキ鳴きを抑制することができ
る。この点につき補足すると、従来の技術の項で説明し
た構造では、ブレーキパッドが凸状から凹状になること
により前者ではブレーキ鳴きを抑制し後者では警告音と
して利用するという内容であったが、本実施例では凹凸
の関係が逆になることから一見整合しないようにみえ
る。しかし、本実施例で得られる剛体振動抑制力は起振
力を上回るため、凹凸の関係が逆ではあるがブレーキ鳴
きを抑制することができる意である。
【0041】なお、上述した実施例では、ベース部材で
ある裏金22を熱膨張係数が異なる鋼板22A及び銅板
22Bから成るバイメタルで構成したが、どの材質を選
択するかは任意であり熱膨張係数が異なればよい。ま
た、裏金22をバイメタルで構成する以外にも、形状記
憶合金で構成することも可能である。さらに、裏金22
は必ずしも金属製である必要はなく、温度変化によって
形状を凸状から凹状に又は凹状から凸状に変化させるこ
とが可能な構成であればよい。
【0042】また、上述した実施例では、裏金22を熱
膨張係数が異なる鋼板22A及び銅板22Bから成るバ
イメタルで構成し、裏金22の変形を利用して摩擦材2
4を追従して変形させる構成であったが、これに限ら
ず、裏金22自体は変形せずに摩擦材24のみが温度変
化によって形状を凸状から凹状へ又は凹状から凸状へ変
化させるようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るディス
クブレーキ装置用ブレーキパッドは、ディスクロータに
対して接離可能に設けられると共に制動時にディスクロ
ータ側へ接近するベース部材と、このベース部材に取り
付けられると共にディスクロータに対向して配置され、
中央部と縁部とで材質が異なる摩擦材と、を含んで構成
され、さらに、摩擦材は、当該摩擦材自体が温度変化に
よって形状を凸状から凹状へ又は凹状から凸状へ変化さ
せ、或いは、ベース部材が温度変化によって形状を凸状
から凹状へ又は凹状から凸状へ変化させることで追従し
て形状を変化させるので、広温域に亘って制動に関する
良好な性能を得ることができるという優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るディスクパッドの構成を示す
斜視図である。
【図2】図1に示されるディスクパッドの通常使用温域
における断面状態を示す断面図である。
【図3】図1に示されるディスクパッドの高温域におけ
る断面状態を示す断面図である。
【図4】図1に示されるディスクパッドを備えたキャリ
パを示す断面図である。
【図5】図1に示されるディスクパッドを用いた場合の
効果を裏付ける実験データである。
【図6】第1摩擦材と第2摩擦材との配置を変えた場合
の図1に対応する斜視図である。
【図7】ディスクパッドの反り方向を変えた場合の実験
データである。
【図8】ディスクパッドの反り方向を変えた場合に性能
の低下が生じる理由を説明するための説明図である。
【図9】第1摩擦材の組成を変えることで別の性能向上
を図ることができることを示す実験データである。
【図10】第2実施例に係るディスクパッドを示す斜視
図である。
【図11】図10に示されるディスクパッドの効果を説
明するためのディスクパッドの概略正面図である。
【図12】通常のディスクパッドを用いた場合の問題点
を説明するための説明図である。
【図13】従来のディスクパッドを示す斜視図である。
【符号の説明】
12 ディスクロータ 20 ディスクパッド(ブレーキパッド) 22 裏金(ベース部材) 24 摩擦材 24A 第1摩擦材 24B 第2摩擦材 26 ディスクパッド(ブレーキパッド) 30 ディスクパッド(ブレーキパッド)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクブレーキ装置に用いられ、車輪
    と共に回転するディスクロータに押圧されることにより
    ディスクロータとの間に制動用摩擦力を発生するブレー
    キパッドであって、 ディスクロータに対して接離可能に設けられると共に制
    動時にディスクロータ側へ接近するベース部材と、 このベース部材に取り付けられると共にディスクロータ
    に対向して配置され、中央部と縁部とで材質が異なる摩
    擦材と、 を含んで構成され、 前記摩擦材は、当該摩擦材自体が温度変化によって形状
    を凸状から凹状へ又は凹状から凸状へ変化させ、或い
    は、前記ベース部材が温度変化によって形状を凸状から
    凹状へ又は凹状から凸状へ変化させることで追従して形
    状を変化させる、 ことを特徴とするディスクブレーキ装置用ブレーキパッ
    ド。
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