JPH08146477A - 非線形光学薄膜およびその製造方法 - Google Patents

非線形光学薄膜およびその製造方法

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JPH08146477A
JPH08146477A JP6283464A JP28346494A JPH08146477A JP H08146477 A JPH08146477 A JP H08146477A JP 6283464 A JP6283464 A JP 6283464A JP 28346494 A JP28346494 A JP 28346494A JP H08146477 A JPH08146477 A JP H08146477A
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fine particles
thin film
nonlinear optical
light
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JP6283464A
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Ichiro Tanahashi
一郎 棚橋
Masaru Yoshida
勝 吉田
Tsuneo Mitsuyu
常男 三露
Yoshio Manabe
由雄 真鍋
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2種類の波長の光に応答できる多重信号処理
の可能な大きな3次の非線形光学材料を得る。 【構成】 Au、Ag、SiO2 の各ターゲットを用
い、アルゴン雰囲気中高周波マグネトロンスパッタリン
グ装置を用いて各ターゲットへの印加電力、蒸着時間を
制御しながら石英基板上に蒸着を行う。Au微粒子層1
とSiO2 層3の積層構造を5ユニット積層し、その上
にAg微粒子層2とSiO2 層3の積層構造を5ユニッ
ト積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は3次の非線形光学効果を
利用した光デバイスの基礎をなす非線形光学薄膜の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、非線形光学薄膜は高速光スイッ
チ、高調波発生素子などの光デバイスとしての用途が考
えられている。特にその中核をなす金属微粒子、半導体
微粒子または非線形光学特性を有する有機化合物を用い
た非線形光学薄膜については、より高性能な薄膜の開発
またはより改良された薄膜およびその製造方法が注目さ
れている。
【0003】この分野における従来の技術としては、ア
プライド フィジックスA第47巻347ページ(Appl. Phy
s. A, Vol.47, 347 1988)に記載されている溶融法によ
る金微粒子分散ガラスの作製法がある。この方法は、従
来のフィルターガラスの作製法と同様の溶融冷却法によ
るものであり、ガラスマトリックス中に溶解した金をさ
らに熱処理することにより金微粒子として析出させる技
術である。
【0004】また、ジャーナル オブ オプティカル
ソサエティ オブ アメリカ第73巻647ページ(J.
Opt. Soc. Am., Vol. 73 1983)に記載されているよう
に、CdSxSe1-xをホウケイ酸ガラスに分散したカッ
トオフフィルターガラスを非線形光学薄膜に用いる技術
が提案されている。このカットオフフィルターガラス
は、ホウケイ酸ガラス原料とCdSxSe1-xとを白金ル
ツボに入れ、1000℃程度の温度で溶融し作製してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記方法の金属微粒子
分散または半導体微粒子分散非線形光学薄膜の製造方法
では、次のような課題がある。 (1)金属微粒子分散ガラスの場合:溶融冷却法では溶
融できる金属の種類が限られている。また、ガラスへの
金属の溶解度が小さいために10-6〜10-5容量%程度
にしか金属の分散量を上げることができない。さらにガ
ラス中に分散された金属を微粒子として析出させるため
には500℃以上で熱処理しなければならない。さら
に、一種類の金属を分散した場合、その金属のプラズモ
ン吸収領域帯の光を用いた場合にのみ光信号処理が可能
であり、多重信号処理をすることはできない。また、デ
バイスとして有望な薄膜化が困難である。 (2)金コロイド溶液の場合:金コロイドの濃度を高め
ることが困難であり、10-6容量%以上の濃度にすると
凝集がおこる。また、たとえ低濃度のコロイド溶液を作
製したとしても長期安定性に欠け、時間の経過とともに
次第に溶液組成が変化したりコロイドの粒径が大きくな
る。さらに、一種類の金属を分散した場合、その金属の
プラズモン吸収領域帯の光を用いた場合にのみ光信号処
理が可能であり、多重信号処理をすることはできない。 (3)半導体微粒子分散ガラスの場合:溶融冷却法では
溶融時に半導体の構成成分の一部が蒸発してしまい、半
導体の組成が変化するという問題がある。さらに、一種
類の半導体を分散した場合、その半導体の吸収領域帯の
光を用いた場合にのみ3次の非線形光学特性が発現し光
信号処理が可能であるが、多重信号処理を行なうことは
できない。また、デバイスとして有望な薄膜化が困難で
ある。
【0006】本発明は、前記従来の課題を解決するた
め、吸収波長の異なる金属微粒子または半導体微粒子層
とガラスまたはセラミックス層を積層することにより、
異なる波長の光に応答できる多重信号処理の可能な3次
の大きな非線形光学感受率を有する非線形光学薄膜を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の非線形光学薄膜は、基板上に、光を吸収し
て3次非線形光学効果を示す金属微粒子または半導体微
粒子からなるA層と、前記A層とは異なる波長域の光を
吸収して3次非線形光学効果を示す金属微粒子または半
導体微粒子からなるB層と、前記A層およびB層の光吸
収波長域に光吸収のないガラスまたはセラミックスから
なるC層とを(C-A-C-B)nをユニットとして積層し
た構成を備えた非線形光学薄膜である。
【0008】前記本発明の非線形光学薄膜においては、
金属微粒子が、金、白金、銀、銅、錫、ロジウム、パラ
ジウム及びイリジウムから選ばれた少なくとも1つであ
ることが好ましい。また、前記本発明の非線形光学薄膜
においては、半導体微粒子が、ZnS、CdS、ZnS
e、CdSe、PbS及びCuClから選ばれた少なく
とも1つであることが好ましい。また、前記本発明の非
線形光学薄膜においては、ガラスまたはセラミックスが
光学的に広い範囲で透明なSiO2、TiO2、Al23
及びSiNから選ばれる少なくとも1つであることが好
ましい。
【0009】次に本発明の非線形光学薄膜の製造方法
は、各ターゲットに金属、半導体、ガラス及びセラミッ
クスから選ばれる少なくとも1つを用い、多元スパッタ
法により、基板上に、光を吸収して3次非線形光学効果
を示す金属微粒子または半導体微粒子からなるA層と、
前記A層とは異なる波長域の光を吸収して3次非線形光
学効果を示す金属微粒子または半導体微粒子からなるB
層と、前記A層およびB層の光吸収波長域に光吸収のな
いガラスまたはセラミックスからなるC層とを(C-A-
C-B)n(但しnは積層回数)をユニットとして順次蒸
着するという構成を備えたものである。
【0010】また、前記構成においては、ユニットが
(C-A-C-A)n 及び(C-B-C-B)n(但しnは積
層回数)であることが好ましい。
【0011】
【作用】前記本発明の非線形光学材料によれば、基板上
に、光を吸収して3次非線形光学効果を示す金属微粒子
または半導体微粒子からなるA層と、前記A層とは異な
る波長域の光を吸収して3次非線形光学効果を示す金属
微粒子または半導体微粒子からなるB層と、前記A層お
よびB層の光吸収波長域に光吸収のないガラスまたはセ
ラミックスからなるC層とを(C-A-C-B)nをユニッ
トとして積層した構成を有する非線形光学薄膜であるこ
とにより、A,B層により、光の吸収波長が異なるの
で、2つの異なる波長の光に応答できる多重信号処理の
可能な大きな3次の非線形光学感受率を有する非線形光
学薄膜を達成できる。
【0012】また、金属微粒子が、金、白金、銀、銅、
錫、ロジウム、パラジウム及びイリジウムから選ばれる
少なくとも1つであるという本発明の好ましい例によれ
ば、これらの貴金属は表面プラズマ吸収や量子サイズ効
果に基づく非線形光学特性を示し、他の金属に比べて酸
素その他の不純物による影響を受け難く、比較的純粋な
金属微粒子を析出させることができるので、より大きな
3次の非線形光学特性を有する非線形光学材料を実現す
ることが可能となる。
【0013】また、半導体微粒子が、ZnS、CdS、
ZnSe、CdSe、PbS及びCuClから選ばれる
少なくとも1つであるという本発明の好ましい例によれ
ば、、これらの半導体は量子サイズ効果に基づく大きな
非線形光学特性を示し、他の半導体に比べて容易に微粒
子化しまた、酸化されにくいため、より大きな3次の非
線形光学特性を有する非線形光学材料を実現することが
可能である。
【0014】また、ガラスまたはセラミックスがSiO
2、TiO2、Al23及びSiNから選ばれる少なくと
も1つであるという本発明の好ましい例によれば、この
ようなガラスまたはセラミックスは、化学的に安定であ
り、光学的に広い範囲で透明であるので、大きな3次の
非線形光学特性を有する非線形光学材料を達成できる。
【0015】次に本発明の非線形光学薄膜の製造方法
は、各ターゲットに金属、半導体、ガラス及びセラミッ
クスから選ばれる少なくとも1つを用い、多元スパッタ
法により、基板上に、光を吸収して3次非線形光学効果
を示す金属微粒子または半導体微粒子からなるA層と、
前記A層とは異なる波長域の光を吸収して3次非線形光
学効果を示す金属微粒子または半導体微粒子からなるB
層と、前記A層およびB層の光吸収波長域に光吸収のな
いガラスまたはセラミックスからなるC層とを(C-A-
C-B)n(但しnは積層回数)をユニットとして順次蒸
着する方法であるので、多種類の金属や半導体を高濃度
に均一に微粒子として形成させることができ、複数の異
なる波長の光に応答できる多重信号処理の可能な大きな
3次の非線形光学特性を有する非線形光学薄膜を容易に
製造することができる。
【0016】また、ユニットが(C-A-C-A)n及び
(C-B-C-B)n(但しnは積層回数)であるという本
発明の好ましい例によれば、2つの異なる波長の光に応
答できる多重信号処理の可能な大きな3次の非線形光学
感受率を有する非線形光学薄膜を達成できる。
【0017】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。前記各金属微粒子または半導体微粒子層に用
いる金属微粒子または半導体微粒子は、2種類の金属微
粒子を用いてもよいし、2種類の半導体微粒子を用いて
もよい。さらには、金属微粒子と半導体微粒子とを併用
する形で2種類の微粒子を用いてもよい。このような2
種類の微粒子の相互の使用割合は、目的に応じて自由に
選定できるが、あまり特定の成分を少なくしすぎると、
その使用効果が十分発揮できず、例えば光双安定素子等
のデバイス等に適用した場合に、各吸収波長で当該デバ
イスが作動できる程度の割合で用いることが好ましく、
通常は各成分をほぼ同量程度用いるのが適する。
【0018】これらの微粒子のマトリックスへの分散量
は、特に限定するものではないが、あまり少ないと非線
形光学特性が十分出なかったり、あまり多すぎると光の
吸収が大きくなり過ぎたり、微粒子の凝集等が生じ易く
なるので、合計で、0.01〜50重量%程度、好まし
くは0.1〜30重量%程度がよい。
【0019】また、本実施例で用いるスパッタ法におい
ては、通常アルゴンガスや窒素ガス等を用いるのがよ
い。また、スパッタリング時のガス圧力は、特に制限す
るものではないが、通常10-2〜10-4 Torrの範囲で
ある。
【0020】また、金属微粒子または半導体微粒子層に
用いる微粒子の平均半径は、種類により異なるが、例え
ば通常1〜50nmの範囲が好ましく、金属微粒子で
は、明瞭な表面プラズモン共鳴による吸収があることが
好ましく、半導体微粒子では、量子サイズ効果が大きく
現われることが好ましい。
【0021】また、ユニットの積層回数nは、目的に応
じて任意に設定できる。 (実施例1)直径3インチ、純度99.99重量%のA
u、Ag、SiO2 ターゲットを用いて、アルゴン雰囲
気中高周波マグネトロンスパッタリング装置を用いてそ
れぞれのターゲットの印加電力、蒸着時間を制御しなが
ら、0.5mm厚の石英基板上に各ターゲットから蒸着
を行なった。図1に作製した薄膜の断面模式図を示す。
【0022】まず、図1のX部に示すようにAu微粒子
層1とSiO2 層3の積層構造を5ユニット積層し、さ
らにその上に、Y部に示すようにAg微粒子層2とSi
2層3の積層構造を5ユニット積層した。それぞれの
層厚は、Auでは10nm、Agでは8nm、SiO2
では20nmであった。 微粒子の分散量は、Au、A
gそれぞれ15重量%であった。
【0023】このようにして作製した薄膜の吸収スペク
トルには、Au微粒子、Ag微粒子のそれぞれの表面プ
ラズモン吸収に基づくピークが525nmと420nm
に見られた。さらに、前方入射型縮退4光波混合法によ
る3次の非線形光学感受率はそれぞれの表面プラズモン
吸収波長において1×10-7〜8×10-7 esuであっ
た。
【0024】上記工程においてX部およびY部に、Au
とAgの組合せ以外にAu、Ag、Pt、Cu、Sn、
Rh、Pd、Irから選択可能な2種類の組合せの微粒
子を積層した薄膜を作製することができ、それぞれの金
属微粒子の表面プラズモン吸収を確認した。いずれの薄
膜においても3次の非線形光学感受率は積層した金属微
粒子の表面プラズモン吸収波長において10-8 〜10
-7esuの範囲にあった。
【0025】さらに、本実施例のSiO2に替わりにT
iO2、Al23、またはSiNを用いてもほぼ同等な
特性を示す薄膜が得られた。 (実施例2)直径3インチ、純度99.99重量%のA
u、Ag、SiO2 ターゲットを用いて、アルゴン雰囲
気中高周波マグネトロンスパッタリング装置を用いてそ
れぞれのターゲットの印加電力、蒸着時間を制御しなが
ら、0.5mm厚の石英基板上に各ターゲットから蒸着
を行なった。図2に作製した薄膜の断面模式図を示す。
【0026】図2に示すようにAu微粒子層1とSiO
2 層3およびAg微粒子層2の積層構造を5ユニット積
層した。それぞれの層厚は、Auでは10nm、Agで
は8nm、SiO2では20nmであった。 微粒子の分
散量は、Au、Agそれぞれ15重量%であった。
【0027】このようにして作製した薄膜の吸収スペク
トルには、Au微粒子、Ag微粒子のそれぞれの表面プ
ラズモン吸収に基づくピークが525nmと420nm
に見られた。さらに、前方入射型縮退4光波混合法によ
る3次の非線形光学感受率はそれぞれの表面プラズモン
吸収波長において1×10-7 〜7×10-7esuであっ
た。
【0028】上記構成において、AuとAgの組合せ以
外にAu、Ag、Pt、Cu、Sn、Rh、Pd、Ir
から選択可能な2種類の組合せの微粒子を積層した薄膜
を作製することができ、それぞれの金属微粒子の表面プ
ラズモン吸収を確認した。いずれの薄膜においても3次
の非線形光学感受率は積層した金属微粒子の表面プラズ
モン吸収波長において10-8〜10-7 esuの範囲にあっ
た。
【0029】さらに、本実施例のSiO2に替わりにT
iO2、Al23、またはSiNを用いてもほぼ同等な
特性を示す薄膜が得られた。 (実施例3)直径3インチ、純度99.99重量%のC
dS、CdSe、SiO2 ターゲットを用いて、アルゴ
ン雰囲気中高周波マグネトロンスパッタリング装置を用
いてそれぞれのターゲットの印加電力、蒸着時間を制御
しながら、0.5mm厚の石英基板上に各ターゲットか
ら蒸着を行なった。作製した薄膜の構成は、第1図に示
した断面模式図と同様であり、本実施例では、図1のX
部にCdS微粒子層1とSiO2 層3の積層構造を5ユ
ニット積層し、さらにその上に、Y部に示すようにCd
Se微粒子層2とSiO2 層3の積層構造を5ユニット
した。それぞれの層厚は、CdSでは5nm、CdSe
では6nm、SiO2 では20nmであった。微粒子の
分散量は、CdS、CdSeそれぞれ10重量%であっ
た。
【0030】このようにして作製した薄膜の吸収スペク
トルのバンド端は、CdSでは0.6eV、CdSeで
は0.7eVバルクの値に比較してそれぞれブルーシフ
トしていることから量子サイズ効果が確認できた。さら
に、前方入射型縮退4光波混合法による3次の非線形光
学感受率はそれぞれのバンド端近傍において5×10 -7
〜9×10-7 esuであった。
【0031】上記構成において、CdSとCdSeの組
合せ以外にZnS、CdS、ZnSe、CdSe、Pb
S、またはCuClから選択可能な2種類の組合せの微
粒子を積層した薄膜を作製することができ、それぞれの
半導体微粒子の吸収スペクトルにブルーシフトが観察さ
れた。いずれの薄膜においても3次の非線形光学感受率
は積層した半導体微粒子のバンド端近傍において10-8
〜10-7 esuの範囲にあった。
【0032】さらに、本実施例のSiO2に替わりにT
iO2、Al23、またはSiNを用いてもほぼ同等な
特性を示す薄膜が得られた。 (実施例4)直径3インチ、純度99.99重量%のC
dS、CdSe、SiO2 ターゲットを用いて、アルゴ
ン雰囲気中高周波マグネトロンスパッタリング装置を用
いてそれぞれのターゲットの印加電力、蒸着時間を制御
しながら、0.5mm厚の石英基板上に各ターゲットか
ら蒸着を行なった。作製した薄膜の構成は、図2に示し
た断面模式図と同様であり、本実施例では、図2におい
て、CdS微粒子層1とSiO2 層3およびCdSe微
粒子層2をそれぞれ15層ずつ積層した。それぞれの層
厚は、CdSでは5nm、CdSeでは6nm、SiO
2 では20nmであった。微粒子の分散量は、CdS、
CdSeそれぞれ10重量%であった。
【0033】このようにして作製した薄膜の吸収スペク
トルのバンド端は、CdSでは0.6eV、CdSeで
は0.7eVバルクの値に比較してそれぞれブルーシフ
トしていることから量子サイズ効果が確認できた。さら
に、前方入射型縮退4光波混合法による3次の非線形光
学感受率はそれぞれのバンド端近傍において4×10 -7
〜9×10-7 esuであった。
【0034】上記構成において、CdSとCdSeの組
合せ以外にZnS、CdS、ZnSe、CdSe、Pb
S、またはCuClから選択可能な2種類の組合せの微
粒子を積層した薄膜を作製することができ、それぞれの
半導体微粒子の吸収スペクトルにブルーシフトが観察さ
れた。いずれの薄膜においても3次の非線形光学感受率
は積層した半導体微粒子のバンド端近傍において10-8
〜10-7 esuの範囲にあった。
【0035】さらに、本実施例のSiO2に替わりにT
iO2、Al23、またはSiNを用いてもほぼ同等な
特性を示す薄膜が得られた。 (実施例5)直径3インチ、純度99.99重量%のC
dS、Ag、SiO2 ターゲットを用いて、アルゴン雰
囲気中高周波マグネトロンスパッタリング装置を用いて
それぞれのターゲットの印加電力、蒸着時間を制御しな
がら、0.5mm厚の石英基板上に各ターゲットから蒸
着を行なった。作製した薄膜の構成は、第1図に示した
断面模式図と同様であり、本実施例では、図1のX部に
CdS微粒子層1とSiO2 層3の積層構造を5ユニッ
ト積層し、さらにその上に、Y部に示すようにAg微粒
子層2とSiO2 層3の積層構造を5ユニット積層し
た。それぞれの層厚は、CdSでは5nm、Agでは1
0nm、SiO2では20nmであった。微粒子の分散
量は、CdS、Agそれぞれ10重量%であった。
【0036】このようにして作製した薄膜の吸収スペク
トルには、Ag微粒子の表面プラズモン吸収に基づくピ
ークが420nmに見られた。また、薄膜の吸収スペク
トルのバンド端は、バルクCdSの値に比較して0.7
eVブルーシフトしていることから量子サイズ効果が確
認できた。さらに、前方入射型縮退4光波混合法による
3次の非線形光学感受率は、Agの表面プラズモン吸収
波長において5×10 -7 esuであった。
【0037】上記構成において、CdSとAgの組合せ
以外にZnS、CdS、ZnSe、CdSe、PbS、
CuCl、Au、Ag、Pt、Cu、Sn、Rh、P
d、Irから選択可能な2種類の組合せの微粒子を積層
した薄膜を作製することができ、それぞれの金属微粒
子、半導体微粒子の吸収スペクトルに表面プラズモン吸
収およびバンド端吸収にブルーシフトが観察された。い
ずれの薄膜においても3次の非線形光学感受率は10-8
〜10-7 esuの範囲にあった。
【0038】さらに、本実施例のSiO2に替わりにT
iO2、Al23、またはSiNを用いてもほぼ同等な
特性を示す薄膜が得られた。 (実施例6)実施例1に示した材料を用いて光双安定素
子を作製した。この素子に波長525nmと400nm
のレーザ光をスポット径5μmで入射し、入射光の強度
と出射光の強度の関係を室温(25℃)にて測定したと
ころそれぞれの波長において双安定特性を示した。 (実施例7)実施例5に示した材料を用いて光双安定素
子を作製した。この素子に波長500nm、400nm
のレーザ光をスポット径5μmで入射し、入射光の強度
と出射光の強度の関係を室温(25℃)にて測定したと
ころそれぞれの波長において双安定特性を示した。
【0039】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の非線形光学
材料によれば、基板上に、光を吸収して3次非線形光学
効果を示す金属微粒子または半導体微粒子からなるA層
と、前記A層とは異なる波長域の光を吸収して3次非線
形光学効果を示す金属微粒子または半導体微粒子からな
るB層と、前記A層およびB層の光吸収波長域に光吸収
のないガラスまたはセラミックスからなるC層とを(C
-A-C-B)nをユニットとして積層した構成を有する非
線形光学薄膜であることにより、2種類の波長の光に応
答できる多重信号処理の可能な大きな3次の非線形光学
感受率を有する非線形光学材料を提供することができ
る。
【0040】また、金属微粒子が金、白金、銀、銅、
錫、ロジウム、パラジウム、及びイリジウムから選ばれ
る少なくとも1つであると、より大きな3次の非線形光
学特性を有する非線形光学材料を提供できる。また、半
導体微粒子がZnS、CdS、ZnSe、CdSe、P
bS、及びCuClから選ばれる少なくとも1つである
と、より大きな3次の非線形光学特性を有する非線形光
学材料を提供できる。また、ガラスまたはセラミックス
がSiO2、TiO2、Al23及びSiNから選ばれる
少なくとも1つであると、大きな3次の非線形光学特性
を有する非線形光学材料を提供できる。
【0041】次に、本発明の非線形光学材料の製造方法
によれば、各ターゲットに金属、半導体、ガラス及びセ
ラミックスから選ばれる少なくとも1つを用い、多元ス
パッタ法により、基板上に、光を吸収して3次非線形光
学効果を示す金属微粒子または半導体微粒子からなるA
層と、前記A層とは異なる波長域の光を吸収して3次非
線形光学効果を示す金属微粒子または半導体微粒子から
なるB層と、前記A層およびB層の光吸収波長域に光吸
収のないガラスまたはセラミックスからなるC層とを
(C-A-C-B)n(但しnは積層回数)をユニットとし
て順次蒸着する方法であるので、多種類の金属や半導体
を高濃度に均一に微粒子として形成させることができ、
複数の異なる波長の光に応答できる多重信号処理の可能
な大きな3次の非線形光学特性を有する非線形光学薄膜
を容易に提供することができる。また、ユニットが(C
-A-C-A)n及び(C-B-C-B)n(但しnは積層回
数)であると、2つの異なる波長の光に応答できる多重
信号処理の可能な大きな3次の非線形光学感受率を有す
る非線形光学薄膜を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の非線形光学薄膜の断面模式
図。
【図2】本発明の一実施例の非線形光学薄膜の断面模式
図。
【符号の説明】
1 A層 2 B層 3 C層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真鍋 由雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、光を吸収して3次非線形光学
    効果を示す金属微粒子または半導体微粒子からなるA層
    と、前記A層とは異なる波長域の光を吸収して3次非線
    形光学効果を示す金属微粒子または半導体微粒子からな
    るB層と、前記A層およびB層の光吸収波長域に光吸収
    のないガラスまたはセラミックスからなるC層とを(C
    -A-C-B)n(但しnは積層回数)をユニットとして積
    層した構成を備えた非線形光学薄膜。
  2. 【請求項2】 金属微粒子が、金、白金、銀、銅、錫、
    ロジウム、パラジウム及びイリジウムから選ばれる少な
    くとも1つである請求項1に記載の非線形光学薄膜。
  3. 【請求項3】 半導体微粒子が、ZnS、CdS、Zn
    Se、CdSe、PbS及びCuClから選ばれる少な
    くとも1つである請求項1に記載の非線形光学薄膜。
  4. 【請求項4】 ガラスまたはセラミックスが、Si
    2、TiO2、Al23及びSiNから選ばれる少なく
    とも1つである請求項1に記載の非線形光学薄膜。
  5. 【請求項5】 各ターゲットに金属、半導体、ガラス及
    びセラミックスから選ばれる少なくとも1つを用い、多
    元スパッタ法により、基板上に、光を吸収して3次非線
    形光学効果を示す金属微粒子または半導体微粒子からな
    るA層と、前記A層とは異なる波長域の光を吸収して3
    次非線形光学効果を示す金属微粒子または半導体微粒子
    からなるB層と、前記A層およびB層の光吸収波長域に
    光吸収のないガラスまたはセラミックスからなるC層と
    を(C-A-C-B)n(但しnは積層回数)をユニットと
    して順次蒸着することにより積層する非線形光学薄膜の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 ユニットが(C-A-C-A)n及び(C-
    B-C-B)n(但しnは積層回数)である請求項1に記
    載の非線形光学薄膜または請求項5に記載の非線形光学
    薄膜の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100852756B1 (ko) * 2007-03-16 2008-08-18 한국과학기술연구원 비선형 광학재료 및 광소자
JP2010258401A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Saito Research Institute Of Technology Co Ltd 光学的および電磁気学的効果補助層の制御手法
JP2017203893A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 日本電信電話株式会社 光素子および光素子の製造方法

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