JPH08157643A - 撥水撥油性多孔性シリカ粒子および撥水撥油性塗膜 - Google Patents

撥水撥油性多孔性シリカ粒子および撥水撥油性塗膜

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JPH08157643A
JPH08157643A JP30388994A JP30388994A JPH08157643A JP H08157643 A JPH08157643 A JP H08157643A JP 30388994 A JP30388994 A JP 30388994A JP 30388994 A JP30388994 A JP 30388994A JP H08157643 A JPH08157643 A JP H08157643A
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JP
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water
porous silica
oil
silica particles
repellent
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JP30388994A
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Fumiaki Gunji
文明 郡司
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
Takeshi Morimoto
剛 森本
Takashige Yoneda
貴重 米田
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】撥水撥油性、化学的・物理的耐久性、耐候性、
潤滑性、分散性、非粘着性などに優れた撥水撥油性微粉
体を提供する。 【構成】比表面積100〜1500m2 /g、細孔容積
0.6〜3.0ml/g、平均細孔径4〜300nm、
粒径0.01〜350μmの真球状多孔性シリカ粒子の
表面にパーフルオロ炭化水素基含有シラン誘導体が化学
的に結合した撥水撥油性多孔性シリカ粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水撥油性多孔性シリ
カ粒子および撥水撥油性塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、撥水性塗料において分子量が50
0〜20000でかつ末端までフッ素化した低分子量四
フッ化エチレン樹脂微粒子を、撥水性粉体として樹脂中
に混入分散することが知られている(特開平6−122
838号公報、実開平2−78148号公報など参
照)。また、フルオロカーボン系化学吸着膜で表面を覆
われた無機微粒子を、高分子マトリックス樹脂中に分散
させた構造により高分子組成物表面の撥水性を発現する
ことが知られている(特開平6−200074号公報な
ど参照)。あるいは、アセチレンブラックをフッ素ガス
と反応して得られる撥水撥油性のフッ化黒鉛超微粒子が
知られている(特開昭63−210009号公報参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
撥水性粉体や撥水性微粒子あるいはこれらを内包する塗
膜は、撥水撥油性能および耐摩耗性・耐薬品性などの耐
久性能を、同時に十分満足するものはなかった。本発明
は、撥水撥油性に優れ、かつ耐摩耗性・耐薬品性などの
耐久性能の高い撥水撥油性粒子を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、比表面積10
0〜1500m2 /g、細孔容積0.6〜3.0ml/
g、平均細孔径4〜300nmの多孔性シリカ粒子の表
面にパーフルオロ炭化水素基含有シラン誘導体が化学的
に結合した撥水撥油性多孔性シリカ粒子を提供するもの
である。
【0005】パーフルオロ炭化水素基含有シラン誘導体
は、多孔性シリカ粒子の表面のシラノール基(≡Si−
OH)と化学的に結合できることが必要である。たとえ
ば、ケイ素に直接結合したアルコキシ基(≡Si−O
R)、塩化物基(≡Si−Cl)、イソシアネート基
(≡Si−NCO)、アミノ基(≡Si−NH2 )など
の反応基を有する場合は、これらがシラノール基と縮合
反応して多孔性シリカ表面にパーフルオロ炭化水素基を
付与することができる。すなわち、本発明におけるパー
フルオロ炭化水素基含有シラン誘導体は、パーフルオロ
炭化水素基を含有するクロルシラン、アルコキシシラ
ン、イソシアネートシラン、アミノシランから選ばれる
少なくとも1種の化合物からなることが好ましい。パー
フルオロ炭化水素基を含有する各種シラン誘導体とし
て、次のものが例示される。
【0006】
【化1】
【0007】(ただし、Rf は炭素数4〜16のパーフ
ルオロアルキル基、mは1以上の整数、nは4〜16の
整数)などのパーフルオロ炭化水素基含有シラン誘導
体、あるいはパーフルオロ炭化水素基がエーテル結合を
有するシラン誘導体である。さらに、これらのシラン誘
導体の1種または2種以上が加水分解した縮合体、ある
いは、これらの2種以上の混合物を用いることもでき
る。
【0008】パーフルオロ炭化水素基含有シラン誘導体
として、Rf (CH2 )2 Si(NCO)3 などのイソ
シアネートシランが特に好ましい。これはアルコキシシ
ランはシリカ粒子表面のOH基と脱水縮合して強固なシ
ロキサン結合を形成するためには加熱が必要であるのに
対し、イソシアネートシランは常温でシロキサン結合の
形成ができるためである。また、クロルシランは容易に
シリカ粒子表面のOH基と反応するものの反応速度が早
いため空気中の水分でも急激に反応するため取扱に注意
が必要であり、反応副生成物として塩酸が発生して危険
であるのに対し、イソシアネートシランは反応速度が適
度で反応副生成物はアンモニアと炭酸ガスであり取扱い
が容易で工業的に使用する場合に適しているためであ
る。
【0009】多孔性シリカ粒子は、比表面積100〜1
500m2 /gであることが必要である。比表面積10
0m2 /g未満ではシリカ粒子表面にパーフルオロ炭化
水素基含有シラン誘導体が反応している量が少なく十分
な撥水撥油性能が得られないので不適当である。比表面
積が、1500m2 /gを超えるともはや撥水撥油性能
は向上しなくなり、また粒子表面ではパーフルオロ炭化
水素基含有シラン誘導体が必要以上に多く反応するため
工業的に無駄である。多孔性シリカ粒子の比表面積が3
00〜900m2 /gである場合はさらに好ましい。
【0010】多孔性シリカ粒子の細孔容積は、0.6〜
3.0ml/gであることが必要である。細孔容積0.
6ml/g未満では担持できるパーフルオロ炭化水素基
含有シラン誘導体の体積量が不足なため耐久性のある撥
水撥油性能が得られないので不適当である。細孔容積が
3.0ml/gを超えるともはや耐久撥水性能は向上し
なくなり、むしろ嵩高な粒子となり粒子の強度が低下し
てくるため硬度改質などの目的には不適当である。多孔
性シリカ粒子の細孔容積が0.9〜2.1ml/gであ
る場合はさらに好ましい。
【0011】多孔性シリカ粒子の平均細孔半径は4〜3
00nmであることが必要である。平均細孔径4nm未
満では、パーフルオロ炭化水素基含有シラン誘導体の単
分子膜厚が約2nmとしてシリカ粒子表面に単分子膜と
しても均一に被覆反応が得られないので不適当である。
平均細孔半径が300nmを超えると堆積膜として得ら
れる撥水撥油性能の向上は見られなくなるので不適当で
ある。多孔性シリカ粒子の平均細孔半径が6〜200n
mである場合はさらに好ましい。
【0012】多孔性シリカ粒子は、粒径0.01〜35
0μmで真球状または微粉砕状である場合は、透明性や
着色性が要求される塗料分野の用途からゴム・樹脂の物
性改良フィラーとして、または化粧品の充填剤などの風
合いや機能により広い用途に対応することができるので
好ましい。平均粒径が0.01μm未満では撥水撥油性
能が十分得られず、かつ多孔性シリカ粒子の凝集が起こ
りやすくフィラーとしては均一に分散した撥水撥油性多
孔性シリカ粒子を得ることが難しくなるので好ましくな
い。平均粒径が350μmを超えるとシリカ粒子を充填
材として配合した組成物の成膜性が乏しくなるので好ま
しくない。多孔性シリカ粒子の平均粒径が0.05〜3
0μmである場合はさらに好ましい。シリカ粒子が真球
状である場合は、流動性が向上するので特に好ましい。
【0013】多孔性シリカ粒子は、SiO2 純度で9
9.9重量%以上であることが好ましい。シリカ粒子の
成分中およびその表面にアルカリ分を実質的に含まない
多孔性シリカ粒子であることが好ましい。SiO2 純度
が99.9重量%未満ではアルカリ分の溶出によりシリ
カ表面とパーフルオロ炭化水素基含有シラン誘導体のシ
ロキサン結合が加水分解を受けやすくなり高い耐久性の
撥水撥油性を維持できなくなるので好ましくない。Si
O2 純度が99.99重量%以上である場合はさらに好
ましい。
【0014】本発明の撥水撥油性多孔性シリカ粒子は特
に限定されることなく種々の用途に用いることができ
る。例えば、塗料にフィラーとして配合した場合は、塗
膜の耐久性、撥水撥油性、硬度、表面滑り性、防湿性な
どの物性を改良することができる。ゴム、合成樹脂、油
脂などに配合した場合は、滑性、流動性などを改良する
ことができ、あるいは造粘剤、チクソトロピー性付与
剤、ブロッキング防止剤の機能を有する。撥水撥油剤ま
たは艶消し剤などの表面改質剤として、フィルムや合成
皮革の表面に使用することもできる。情報産業用紙(感
熱記録紙、インクジェット用紙など)、一般塗工紙、裏
抜け防止剤などの製紙用フィラー、化粧品の充填剤(ロ
ーション、パテ、クリーム、口紅、ボディーパウダ
ー)、車両のワックス添加剤、建材の耐透水性多孔質断
熱剤などにも使用できる。その他の分野においても、流
動性改良剤・氷結防止剤・積雪防止剤・固結防止剤・接
着防止剤・潤滑性改良剤・防湿剤などとして使用でき
る。
【0015】
【作用】本発明において、撥水撥油性多孔性シリカ粒子
はパーフルオロ炭化水素基含有シラン誘導体と化学的に
結合した構造を有している。そのため、多孔性シリカ粒
子表面はパーフルオロ炭化水素基で全面覆われ撥水撥油
性が発現する。そのうえ、塗料や樹脂や有機溶剤などに
良く分散し、特に従来添加が困難だったフッ素系の樹
脂、フィルム、ゴム、溶剤に添加する場合に均一に分散
し撥水撥油性能の向上や硬度の向上に寄与できる。パー
フルオロ炭化水素基含有シラン誘導体と多孔性シリカ粒
子の結合は、シリカ粒子の表面にあるシラノール基とパ
ーフルオロ炭化水素基含有シラン誘導体の加水分解性反
応基が化学的に結合してシロキサン結合たものであるか
ら、撥水撥油性能の高い耐久性が発現する。
【0016】多孔性シリカ粒子は上記細孔特性を有して
いるので、シリカ粒子の表面積が大きく、吸着している
パーフルオロ炭化水素基含有シラン誘導体の吸着密度が
非常に高く、かつ細孔内でのパーフルオロ炭化水素基含
有シラン誘導体の吸着過程における体積効果により含フ
ッ素濃度を非常に高めることが可能になり、耐久性に優
れた撥水撥油性能を実現できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するもの
ではない。なお実施例において、評価方法は次の通りで
ある。
【0018】撥水性測定:水滴の接触角を用いて評価し
た。接触角の測定は協和界面化学株式会社CA−A型測
定機を用い、重量の影響を避けるため水滴径1.5mm
φで測定した。
【0019】耐摩耗性測定:ネル布を用い荷重1.0k
g/cm2 の条件で試料表面を擦り、接触角による撥水
性能の変化から耐摩耗性を評価した。
【0020】耐薬品性測定:0.1規定NaOH溶液に
室温で24時間浸漬放置した後、水洗いして乾燥後、接
触角による撥水性能の変化から耐薬品性を評価した。
【0021】耐光性測定:塗膜に295〜450nmの
波長の光(照射強度90mW/cm2)を1000時間
照射(大日本プラスチックス株式会社製、商品名超促進
耐候試験機アイスーパーUVテスターSUV−F11を
使用)した後、接触角による撥水性能の変化から耐光性
を評価した。
【0022】鉛筆硬度測定:JIS K5651に準拠
し鉛筆引かき試験機(JIS K5401)を使用し鉛
筆(三菱鉛筆株式会社製、商品名ユニ)を用い判定し
た。
【0023】接着性測定:JIS K5400に準拠し
塗膜をクロスカット後、セロハンテープ(ニチバン株式
会社製、商品名セロテープ#405)で塗膜を剥離する
ゴバン目試験で判定した。ゴバン目100枚のうち試験
後剥離せず残存したゴバン目数Xで接着性を評価した。
【0024】[合成例1]Rf CH=CH2 (ただし、
Rf :Cn F2n+1、n:6,8,10,12の混合物で
平均値9.0)49.6g(0.1モル)、HSiCl
3 15.9g(0.12モル)、H2 PtCl6 ・6H
2 Oの50%イソプロパノール溶液0.2gを内容積1
00mlのガラス製耐圧アンプルに入れ、振盪しながら
85℃で20時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留す
ることにより反応生成物を得た。反応生成物はガスクロ
マトグラフィーで分析するとRf (CH2 )2 SiCl
3 (b.p.85℃〜100℃/3〜5mmHg)であ
ることが確認できた。それへの転化率は95%であっ
た。
【0025】[合成例2]合成例1の反応生成物である
Rf (CH2 )2 SiCl3 50.3g(0.08モ
ル)、メタノール15gを混合し、乾燥窒素をバブリン
グして生成するHClを除去しながら反応させた。この
反応の終点は生成したHClを定量して確認した。反応
終了後、過剰のメタノールを留去して反応生成物を得
た。反応生成物はガスクロマトグラフィーで分析すると
Rf (CH2 )2 Si(OCH3 )3 であることが確認
できた。それへの転化率は100%であった。
【0026】[合成例3]合成例1の反応生成物Rf
(CH2 )2 SiCl3 50.3g(0.08モル)を
50mlのベンゼンに溶かした液を、トリエチルアミン
・メタンスルホン酸塩0.31g(0.0016モル)
とシアン酸ナトリウム18.2g(0.28モル)を5
0mlのベンゼンに溶解・懸濁した液に撹拌しながら滴
下した。滴下終了後、還流下に80℃で2時間反応させ
た後に、冷却して固体を濾別し、濾液からベンゼンを留
去し、残留物を蒸留して反応生成物を得た。反応生成物
は塩素を含まず、その赤外吸収スペクトルで分析する
と、2290cm-1にνNCOの強い吸収を示すことか
らRf (CH2 )2 Si(NCO)3 であることが確認
できた。それへの転化率は80%であった。
【0027】[合成例4]SiO2 濃度が23重量%の
3号水ガラス460gに対し、30重量%の硫酸190
gを反応させ、pH2のケイ酸ゾルを生成させた。次い
で、このゾルを−1℃に冷却したところ、90gの硫酸
ナトリウムが析出し、これを濾別した。次に撹拌機とガ
ス吹き込みノズルとを備えた容量2リットルの容器に、
非イオン系界面活性剤のソルビタンモノオレエートを2
500ppm添加したトルエン1.7リットルを入れ、
撹拌強度10000rpmで撹拌しつつ、前記ケイ酸ゾ
ルを滴下し、乳化液を形成した。ここで得られたゾルの
粒径は約18μmの真球に近い形状であった。次いでア
ンモニアガスをガス吹き込みノズルから2リットル/分
の速度で5分間吹き込み、さらに60分間撹拌を続け
た。この間液温を30℃に保持した。次に容器からスラ
リーを取り出し、固形分を濾別し、固形分に付着したト
ルエンを水蒸気処理して除去し、乾燥して多孔性シリカ
粒子を得た。
【0028】粉末のSiO2 純度は99.95重量%で
あり、走査型電子顕微鏡による観察の結果、平均粒子径
は5μmであり、ゾル状態時の粒径を保持していること
が認められた。BET法による比表面積は300m2 /
g、窒素吸着法による細孔容積は1.0ml/g、平均
細孔径は15nmであった。また、同様な方法で、ケイ
酸ゾルのpH、乳化液中のゾルの粒径などを変えて、後
記する種々の物性の多孔性シリカ粉末も合成した。
【0029】[合成例5]Si(OC2 H5 )4 10
7.14g(0.5モル)、エタノ−ル820.97
g、0.2規定の塩酸71.89g(H2 Oが3.9モ
ル)を撹拌機を装着したフラスコに入れ、室温で24時
間反応させた後、SiO2 勘算で3.0重量%のテトラ
エトキシシラン加水分解縮合物のゾル溶液を得た。
【0030】[実施例1]合成例1の反応生成物Rf
(CH2 )2 SiCl3 10gを酢酸エチル溶媒で希釈
して100gとした溶液を調製した。次に、この溶液を
撹拌しながら合成例4(物性は表1参照)の多孔性シリ
カ粒子1.0gを加えて、3時間超音波をかけ、さらに
1時間放置した。その後固形分を濾別して、さらにヘキ
サンで洗浄濾過し80℃で乾燥した。このようにして得
られた撥水撥油性多孔性シリカ粒子をガラス基材上に塗
り延ばした塗布層の表面について、水、ヘキサデカンに
対する接触角を測定した。結果を表1に示す。
【0031】[実施例2]合成例2の反応生成物Rf
(CH2 )2 Si(OCH3 )3 10g、イソプロピル
アルコール168g、0.1規定の酢酸溶液2.6gを
撹拌機を装着したフラスコに入れ、室温で48時間反応
させた後、合成例4(物性は表1参照)の多孔性シリカ
粒子1.0gを加えて、3時間超音波をかけさらに24
時間撹拌した。その後固形分を濾別して、さらにエタノ
ールで洗浄濾過し160℃で乾燥キュアリングした。こ
のようにして得られた撥水撥油性多孔性シリカ粒子をガ
ラス基材上に塗り延ばした塗布層の表面について、水、
ヘキサデカンに対する接触角を測定した。結果を表1に
示す。
【0032】[実施例3]合成例3の反応生成物Rf
(CH2 )2 Si(NCO)3 30gをジクロロペンタ
フルオロプロパン溶媒で希釈して300gとした溶液を
調製した。次に、この溶液を撹拌しながら合成例4(物
性は表1参照)の多孔性シリカ粒子3.0gを加えて、
3時間超音波をかけさらに12時間放置した。その後固
形分を濾別して、さらにジクロロペンタフルオロプロパ
ンで洗浄濾過し80℃で乾燥した。このようにして得ら
れた撥水撥油性多孔性シリカ粒子をガラス基材上に塗り
延ばした塗布層の表面について、水、ヘキサデカンに対
する接触角を測定した。結果を表1に示す。
【0033】[実施例4〜7]多孔性シリカ粒子をそれ
ぞれ表1に示す物性のものに代えた以外は実施例3と同
様にして撥水撥油性多孔性シリカを得た。このようにし
て得られた撥水撥油性多孔性シリカ粒子をガラス基材上
に塗り延ばした塗布層の表面について、水、ヘキサデカ
ンに対する接触角を測定した。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】[実施例8]比較のために多孔性シリカ粒
子を、平均粒径5μm、比表面積7m2 /gの非多孔性
シリカ粒子に代えた以外は実施例3と同様にして撥水撥
油性シリカ粒子を得た。同様にしてガラス表面に塗り延
ばして、水、ヘキサデカンに対する接触角を測定したと
ころはそれぞれ117゜、70゜であった。実施例1〜
8に比較すると接触角が小さかった。
【0036】[実施例9]比較のために、平均粒径7μ
m、融点332℃の低分子量PTFE粉末をガラス基材
上に塗り延ばして、水、ヘキサデカンに対する接触角を
測定したところそれぞれ115゜、61゜であった。実
施例1〜8に比較すると接触角が小さかった。
【0037】[実施例10]合成例5のテトラエトキシ
シラン加水分解縮合物の溶液16.7gに、実施例6の
撥水撥油性多孔性シリカ粒子2gを加えてガラス基材上
に塗布し、200℃で30分加熱して撥水撥油性塗膜を
形成した。水に対する接触角により塗膜を評価した結果
を表2に示す。
【0038】[実施例11]実施例10において、テト
ラエトキシシラン加水分解縮合物の溶液の量を33.4
gに変えた以外は同様の実験をして撥水撥油性塗膜を形
成した。水に対する接触角により塗膜を評価した結果を
表2に示す。
【0039】[実施例12]実施例10において、テト
ラエトキシシラン加水分解縮合物の溶液の量を66.8
gに変えた以外は同様の実験をして撥水撥油性塗膜を形
成した。水に対する接触角により塗膜を評価した結果を
表2に示す。
【0040】[実施例13]分子量が3000で−(C
F2 CF2 )n −構造を持つPTFEオリゴマーの11
重量%のフッ素化炭化水素溶媒系分散液(旭硝子株式会
社製、商品名AG−Lub G)18.2gに、実施例
6の撥水撥油性多孔性シリカ粒子2gを加えてガラス基
材上に塗布し、200℃で30分加熱して撥水撥油性塗
膜を形成した。水に対する接触角により塗膜を評価した
結果を表2に示す。
【0041】[実施例14]アモルファスフッ素樹脂の
1.6重量%パーフルオロシクロアルカン系溶液(旭硝
子株式会社製、商品名サイトップCTL−102M)1
25gに、実施例6の撥水撥油性多孔性シリカ粒子2g
を加えてガラス基材上に塗布し、200℃で30分加熱
して撥水撥油性塗膜を形成した。水に対する接触角によ
り塗膜を評価した結果を表2に示す。
【0042】[実施例15]フッ素樹脂塗料(旭硝子株
式会社製、商品名ルミフロンLF−100)100g
に、実施例6の撥水撥油性多孔性シリカ粒子5gを加え
てガラス基材上に塗布し、80℃で30分加熱して撥水
撥油性塗膜を形成した。水に対する接触角により塗膜を
評価した結果を表2に示す。
【0043】[実施例16]シリコーン系ハードコート
塗料(信越化学工業株式会社製、商品名X−12−23
21A)100gに、実施例6の撥水撥油性多孔性シリ
カ粒子8gを加えてガラス基材上に塗布し、120℃で
90分加熱して撥水撥油性塗膜を形成した。水に対する
接触角により塗膜を評価した結果を表2に示す。
【0044】[実施例17]合成フッ素油(旭硝子株式
会社製、商品名フロンルーブFL−900)30gに、
実施例6の撥水撥油性多孔性シリカ粒子1gを加えてガ
ラス基材上に塗布し、撥水撥油性塗膜を形成した。水に
対する接触角により塗膜を評価した結果を表2に示す。
【0045】[実施例18]四フッ化エチレン/エチレ
ン共重合体(旭硝子株式会社製、商品名アフロンCO
P)1000gと、実施例6の撥水撥油性多孔性シリカ
粒子10gとを加えて加熱混練してフィルムに成形加工
した後、脱脂処理した冷間圧延鋼板に熱融着して撥水撥
油性塗膜を形成した。水に対する接触角により塗膜を評
価した結果を表2に示す。
【0046】[実施例19]比較のため、合成例5のテ
トラエトキシシラン加水分解縮合物の溶液にフィラーを
何も加えず、ガラス基材上に塗布し、200℃で30分
加熱して塗膜を形成した。水に対する接触角により塗膜
を評価した結果を表2に示す。
【0047】[実施例20]比較のため、合成例5のテ
トラエトキシシラン加水分解縮合物の溶液66.8g
に、実施例8の平均粒径1μmの撥水撥油性シリカ粒子
2gを加えてガラス基材上に塗布し、200℃で30分
加熱して撥水撥油性塗膜を形成した。水に対する接触角
により塗膜を評価した結果を表2に示す。なお、塗膜表
面のヘキサデカンに対する接触角は20゜未満であっ
た。
【0048】[実施例21]比較のため、合成例5のテ
トラエトキシシラン加水分解縮合物の溶液66.8g
に、実施例9のPTFE粉末2gを加えて良く分散させ
た後にガラス基材上に塗布し、200℃で30分加熱し
て撥水撥油性塗膜を形成した。水に対する接触角により
塗膜を評価した結果を表2に示す。
【0049】[実施例22]比較のため、実施例13で
用いたPTFEオリゴマーの分散液にフィラーを何も加
えずガラス基材上に塗布し、200℃で30分加熱して
塗膜を形成した。水に対する接触角により塗膜を評価し
た結果を表2に示す。なお、塗膜表面のヘキサデカンに
対する接触角は62゜であった。
【0050】[実施例23]比較のため、実施例14で
用いたアモルファスフッ素樹脂の溶液をガラス基材上に
塗布し、200℃で30分加熱して撥水撥油性塗膜を形
成した。水に対する接触角により塗膜を評価した結果を
表2に示す。なお、塗膜表面のヘキサデカンに対する接
触角は60゜であった。
【0051】[実施例24]比較のため、実施例15で
用いたフッ素樹脂塗料をガラス基材上に塗布し、80℃
で30分加熱して撥水撥油性塗膜を形成した。水に対す
る接触角により塗膜を評価した結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2において、比較例として挙げた実施例
19〜24に比べると、実施例10〜18は接触角が大
きくかつそれらの耐久性が良好であることがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明の撥水撥油性多孔性シリカ粒子
は、撥水撥油性、防水性、防食性、耐着雪性、耐候性、
潤滑性に優れる。本発明の撥水撥油性多孔性シリカ粒子
をフィラーとして配合することにより撥水撥油性の良好
な塗膜の形成が可能となる。本発明の撥水撥油性多孔性
シリカ粒子は、強い撥水撥油性を持っているので少量で
その効果が発現できる。例えば半導体封止材の添加剤、
各種樹脂、塗料、接着剤の充填剤、化粧品用充填剤とし
て使用された場合でも、少量で高機能な効果を発揮でき
るため安価であり、他の表面処理材料としても広く応用
が可能である。
【0055】多孔性シリカ粒子として、SiO2 純度で
99.9重量%以上で、シリカ粒子の成分中およびその
表面にアルカリ分を実質的に含まない多孔性シリカ粒子
を用いた場合は、Na、Fe、Alなどの不純物を含ま
ず純度が高いため、特に電子工業用素材としても十分適
用できるのみならず、化学工業、鉄鋼工業、非鉄金属工
業、ガラス工業、光学用途で使用された場合でも撥水撥
油性能の長期持続耐久性が高いという効果が得られる。
また、本発明の撥水撥油性多孔性シリカ粒子は、高い電
気抵抗と高い誘電特性を持つため、電気絶縁材料や帯電
性を付与したい材料への応用が可能である。
【0056】本発明の撥水撥油性多孔性シリカ粒子は生
産性に優れ、比較的簡単なプロセスと装置でもって容易
に安定した量産が可能であり、工業的価値は非常に高
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 貴重 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比表面積100〜1500m2 /g、細孔
    容積0.6〜3.0ml/g、平均細孔径4〜300n
    mの多孔性シリカ粒子の表面にパーフルオロ炭化水素基
    含有シラン誘導体が化学的に結合した撥水撥油性多孔性
    シリカ粒子。
  2. 【請求項2】多孔性シリカ粒子が粒径0.01〜350
    μmの真球状多孔性シリカ粒子である請求項1の撥水撥
    油性多孔性シリカ粒子。
  3. 【請求項3】多孔性シリカ粒子がSiO2 純度で99.
    9重量%以上で、シリカ粒子の成分中およびその表面に
    アルカリ分を実質的に含まない多孔性シリカ粒子である
    請求項1または2の撥水撥油性多孔性シリカ粒子。
  4. 【請求項4】請求項1〜3いずれか1の撥水撥油性多孔
    性シリカ粒子をフィラーとして含む撥水撥油性塗膜。
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