JPH08162373A - リード線埋没部に高嵩密度を有するタンタルコンデンサ素子 - Google Patents

リード線埋没部に高嵩密度を有するタンタルコンデンサ素子

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JPH08162373A
JPH08162373A JP6323908A JP32390894A JPH08162373A JP H08162373 A JPH08162373 A JP H08162373A JP 6323908 A JP6323908 A JP 6323908A JP 32390894 A JP32390894 A JP 32390894A JP H08162373 A JPH08162373 A JP H08162373A
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Japan
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tantalum
lead wire
bulk density
capacitor element
pressure
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JP6323908A
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Hidemitsu Sakamoto
秀光 坂本
Ryuji Sato
隆二 佐藤
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Seiken Co Ltd
Original Assignee
Seiken Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化、薄型化及び高容量化しても、タンタ
ルリード線をタンタル陽極で確実に保持することがで
き、均一な嵩密度で安定した静電容量を得ることができ
るタンタルコンデンサ素子を提供する。 【構成】 本タンタルコンデンサ素子50は、タンタル
粉末の加圧成形体からなるタンタル陽極51と、このタ
ンタル陽極51内から外部へ引き出されたタンタルリー
ド線52とを備え、加圧成形体の少なくともタンタルリ
ード線52周囲の斜線領域54の嵩密度はそれ以外の部
分の白い領域55の嵩密度より大きく、且つ斜線領域5
4のタンタル粉末はタンタルリード線52が加圧成形体
から抜けない保持力を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チップ型タンタル固体
電解コンデンサ素子(以下、「タンタルコンデンサ素
子」と称す。)、更に詳しくは、リード線埋没部に高嵩
密度を有するタンタルコンデンサ素子の陽極構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】タンタルコンデンサ素子は、カメラ一体
型VTR、携帯電話などの電気機器や、自動車、コンピ
ュータなどの産業機器に広く用いられている。タンタル
コンデンサ素子を構成するタンタル陽極は、例えば平均
粒径数μmの高純度タンタル粉末にタンタルリード線
(以下、単に「リード線」と称す。)を取り付け、これ
を例えば矩形状に加圧成形して得られる加圧成形体に化
成処理を行なって製造する。この加圧成形体は、例えば
図5に示すように、嵩密度が5.0〜6.0g/cm
3で、高さHが0.7〜1.0mm、幅Wが1.0mm前
後、厚さTが0.6〜1.0mm程度の矩形状に形成され
ている。この加圧成形体は高温、高真空下での焼結処理
により40〜60%の空隙率を有する多孔質焼結体と
し、更に所定の化成処理を施すことによりタンタル陽極
として得られる。空隙率を上述の範囲にすることにより
タンタル粉末の表面積を稼ぎ、その表面に形成される誘
電体の面積を大きく採って通常CV値が30000〜4
0000μFV/gの静電容量を有するタンタルコンデ
ンサ素子にすることができる。
【0003】上述のタンタル粉末を用いて加圧成形体を
製造する場合には、通常図6に示す製造装置を用いて以
下のように製造している。まず、基台1に取り付けられ
たダイ2内へ下方から下型3を挿入し、下型3の上方に
形成された空間6内に供給部7のタンタル粉末を充填す
る。次いで、ダイ2の上方からリード線5を保持した上
型5を所定の圧力でダイ2内へ挿入してタンタル粉末を
リード線に沿って上下に押圧し図5に示す加圧成形体を
成形している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
タンタルコンデンサ素子の場合には、極力大きな静電容
量を得るために全体の嵩密度を可能な限り小さくして空
隙率を高めて静電容量を確保しているが、その嵩密度が
5.0g/cm3以下ではタンタル粉末とリード線5の密
着力不足によって保持力が弱くなり、リード線5がタン
タル陽極から抜け易く、機械的信頼性に劣るという課題
があった。また、従来はリード線5の軸方向と同方向に
加圧して加圧成形体を成形するようにしているため、リ
ード線の保持力の低下は上型5に開けられたリード線用
孔のクリアランスによって成形時にタンタル粉末をリー
ド線5に十分に圧密できなくなることによって生じてい
る。
【0005】また、このような傾向は高容量化を狙って
タンタル粉末が微粒子化するほど、また、図5に示すよ
うに加圧成形体の厚さTが小さくなって薄型化(縦長
化)するほど圧力分布の不均一性が顕著になるという課
題があった。一方、リード線5の保持力を確保するため
に押圧力を大きくすれば、今度は加圧成形体の空隙率が
小さく、換言すれば嵩密度が大きくなって高容量化を達
成することができなくなるという課題があった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、小型化、薄型化及び高容量化しても、リー
ド線をタンタル陽極で確実に保持できる、リード線埋没
部に高嵩密度を有するタンタルコンデンサ素子を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のタンタルコンデンサ素子は、タンタル粉末の加圧成形
体からなるタンタル陽極と、このタンタル陽極内から外
部へ引き出されたリード線とを備え、上記加圧成形体の
少なくとも上記リード線の周囲の嵩密度はそれ以外の部
分の嵩密度より大きく、且つ上記周囲のタンタル粉末は
上記リード線が上記加圧成形体から抜けない保持力を有
するものである。
【0008】また、本発明の請求項2に記載のタンタル
コンデンサ素子は、請求項1に記載の発明において、上
記リード線周囲の嵩密度が4.5〜5.0g/cm3であ
り、それ以外の部分の嵩密度が3.0〜4.0g/cm3
である。
【0009】
【作用】本発明の請求項1及び請求項2に記載の発明に
よれば、加圧成形体の少なくとも上記リード線の周囲の
嵩密度はそれ以外の部分の嵩密度より大きく、且つ上記
周囲のタンタル粉末は上記リード線が上記加圧成形体か
ら抜けない保持力を有しているため、リード線がタンタ
ル陽極によって確実に保持され、コンデンサ素子として
の品質を高めることができる。また、タンタル陽極の一
部に嵩密度の高い部分があっても残部は嵩密度が低いか
らコンデンサ素子としての静電容量を従来以上の値に確
保することができる。
【0010】
【実施例】以下、図1〜図4を参照しながら本発明を説
明する。尚、各図中、図1は本発明のタンタルコンデン
サ素子の一実施例のタンタルコンデンサ素子を示す斜視
図、図2は図1に示すコンデンサ素子と従来のコンデン
サ素子の各リード線の引抜き力を比較したグラフ、図3
は図1に示すコンデンサ素子を製造する場合に好適に用
いられる製造装置の一例を示す斜視図で、同図(a)は
その分解斜視図、同図(b)はその要部の組み立て状態
を示す図、図4は図3に示すコンデンサ素子の製造装置
を用いてコンデンサ素子を製造した直後の要部を示す斜
視図である。
【0011】本実施例のタンタルコンデンサ素子50
は、図1に示すように、タンタル粉末の加圧成形体から
なるタンタル陽極51と、このタンタル陽極51内から
外部へ引き出されたリード線52とを有している。タン
タル粉末及びリード線としてはいずれも市販品を用いる
ことができる。そして、タンタル粉末としては、例えば
平均粒径が1.2〜2.5μmで、嵩密度が1.2〜1.9
g/cm3に調製された市販品(例えば昭和キャボット
(株)製のDCUH-10〜DCUH-14)を用いるこ
とができる。また、リード線52としては外径が例えば
0.18〜0.20mmの市販品を用いることができる。
【0012】タンタル陽極51は、タンタル粉末を例え
ば図1に示す加圧成形体として成形し、この加圧成形体
を高温、高真空(例えば、1350〜2000℃、1×
10-3パスカル)下で焼結した後、所定の上述の処理を
施して得られるものである。そこで、タンタル陽極51
は加圧成形体に化成処理を施してある以外は、加圧成形
体と構造的に同一であるため、以下の説明では加圧成形
体に符号51を付して説明する。
【0013】上記加圧成形体51には、その互いに対向
する側面の上端部でリード線52を挟む位置に矩形状の
凹部53、53が互いに対向していずれも同一大きさに
形成されている。そして、各凹部53、53の高さtは
少なくとも加圧成形体51へのリード線52の挿入長さ
と同一長さになるように形成され、また、それぞれの幅
wは少なくともリード線52の外径よりも大きくなるよ
うに形成されている。また、各凹部53、53に挟まれ
た斜線領域54の嵩密度はそれ以外の部分、つまり白い
領域55の嵩密度よりも大きくしてある。そして、斜線
領域54の嵩密度は凹部53の深さdによって適宜調整
できる。尚、図1においてTは加圧成形体51の厚さ、
Hは高さ、Wは幅を示している。
【0014】上述のように斜線領域54のタンタル粉末
はリード線52を安定的に保持するように白い領域55
よりも高い嵩密度に調整され、白い領域55はコンデン
サ素子50としての静電容量を確保する嵩密度に調整さ
れている。加圧成形体51の最適嵩密度はタンタル粉末
の種類、バインダーの有無によって異なるが、斜線領域
54の嵩密度は例えば4.5〜5.0g/cm3が好まし
く、白い領域55の嵩密度は3.0〜4.0g/cm3
好ましい。前者の嵩密度が4.5g/cm3未満ではリー
ド線52の引抜強度が小さくリード線52を十分に保持
することができず、5.0g/cm3を超えると引抜強度
が大きくなり過ぎ必要以上の保持力になる虞がある。ま
た、後者の嵩密度が3.0g/cm3未満では粒子間の結
合が弱くタンタル陽極として機械的に脆くなり、4.0
g/cm3を超えると十分な静電容量を得るという特徴
が消失する虞がある。一方、本実施例では斜線領域54
では白い領域55よりも嵩密度が高くなった分だけ静電
容量が多少犠牲になるが、全体としての静電容量は僅か
の低下で済ますことができるため、斜線領域54を作ら
ない場合と比較しても静電容量的には遜色がない上に、
斜線領域54を作ることによって斜線領域54でリード
線52を確実に保持し、リード線52の抜け防止を図っ
てコンデンサ素子50の機械的信頼性を格段に高めるこ
とができる。
【0015】次に、上記加圧成形体51の製造装置につ
いて図3及び図4を参照しながら説明する。この製造装
置10は、図3の(a)、(b)に示すように、基台1
1上に配設された雌型12と、この雌型12内で摺動す
る一対の雄型13、13と、これらの雄型13、13と
雌型12によって作る成形用空間14(図3の(b)及
び図4参照)内に充填されたタンタル粉末にリード線用
ワイヤ(以下、単に「ワイヤ」と称す。)15を差し込
むと共に空間の上開口部を密閉する蓋16と、この蓋1
6によって密閉されたタンタル粉末を押圧成形するよう
に各雄型13、13を駆動する駆動機構17とを備えて
構成されている。
【0016】上記雌型12は、第1雌型プレート12A
と第2雌型プレート12Bを合わせ、これら両者で雄型
13、13を挟むように構成されている。第1雌型プレ
ート12Aの内面には雄型13、13を収納しその移動
を許容する成形用溝12Cが形成され、第2雌型プレー
ト12Bの内面は平坦に形成されている。そして、雌型
12は雄型13、13を成形用溝12Cに収納した状態
でネジ部材(図示せず)をネジ孔12D及び基台11の
ネジ孔11Aに通して基台11に締結するようにしてあ
る。
【0017】上記各雄型13、13はそれぞれ細長形状
で、それぞれの先端部13A、13Aが互いに向き合う
ようにしてある。この先端部13Aの高さは雌型12の
切欠部の成形用溝12Cの高さと一致する寸法に形成さ
れている。そして、各雄型13、13は、雌型12の成
形用溝12C内で互いに向かい合って細長形状の成形用
空間14を作り、両者の間隔を拡縮して成形用空間14
の上開口部の開口度を適宜設定するようにしてある。更
に、各雄型13、13の先端には図3の(b)及び図4
に示すように矩形状の小突起13B、13Bが形成さ
れ、成形時に各小突起13B、13Bによって図4に示
すように上記加圧成形体51の凹部53、53を作るよ
うにしてある。また、各雄型13、13の外端部は雌型
12の両端から外方へ突出する長さに形成され、それぞ
れの外端部に後述する駆動機構17が連結されている。
そして、この駆動機構17により各雄型13、13が同
時に成形用溝12C内を等距離ずつ摺動するようにして
ある。
【0018】また、上記成形用空間14の上方にはワイ
ヤ15を保持した蓋16が昇降可能に配設され、蓋16
から下方へ突出したワイヤ15を成形用空間14内のタ
ンタル粉末内に差し込むようにしてある。そして、蓋1
6が成形用空間14の上面を形成するようにしてある。
また、図3の(a)に示すように雌型12の両内側面に
は成形用空間14から左側へ偏倚した位置に縦溝がシュ
ート部18として成形用空間14より拡幅して形成さ
れ、成形用空間14の中央で成形された加圧成形体51
を図示しないシリンダロッドにより右側の雄型13をシ
ュート部18まで押し、加圧成形体51をシュート部1
8から落とし込むようにしてある。このシュート部18
は基台11に形成された孔20に連通しており、加圧成
形体51を基台11の孔から外部へ排出するようにして
ある。
【0019】また、上記駆動機構17は、図3の(a)
に示すように、サーボモータ17Aを駆動源として雄型
13、13を駆動するように構成されている。即ち、駆
動機構17は、サーボモータ17Aと、このサーボモー
タ17Aに一端が連結され且つ互いに逆ネジになった一
対のボールネジ部を有するボールネジ17Bと、各ボー
ルネジ部に螺合した略矩形状に形成された一対の第1、
第2連結体17C、17Cと、これらの連結体17C、
17Cにおいて下端がそれぞれ軸支された一対のリンク
棒17D、17Dとを備え、リンク棒17D、17Dを
介してこれらに個別に連結された上述の第1、第2雄型
13、13を駆動するように構成されている。また、各
リンク棒17D、17Dはそれぞれの下端がバネ部材1
7E、17Eを介して第1、第2連結体17C、17C
に連結されている。更に、第1雄型13の右方には例え
ばエアシリンダ21が配設され、成形後の加圧成形体5
1をエアシリンダ21によりシュート部18へ落とし込
むようにしてある。また、上記ワイヤ15を保持する蓋
16は、図3(a)に示すように、垂直なガイドバー2
2に従って昇降する昇降体23に配設され、この昇降体
23に付設されたカッター24によりワイヤ15をリー
ド線52として切断するようにしてある。
【0020】従って、上記製造装置を用いて上述のコン
デンサ素子50を作製する場合には、駆動機構17が駆
動し、これにより各雄型13、13が雌型12内で互い
に移動して成形用空間14をタンタル粉末の本来の使用
量よりも余裕のある量が充填できる大きさに設定した
後、その空間14内へタンタル粉末を供給する。次い
で、モータ17Aが駆動して各雄型13、13が互いに
接近して空間14を縮小し、タンタル粉末内にできた未
充填空間を埋めると同時に、余分のタンタル粉末を上部
開口部から押し上げて排除し、本来必要なタンタル粉末
を成形用空間14内に残す。
【0021】然る後、昇降体23が蓋16と共に下降し
て雌型12の切欠部及び雄型13、13に密着してワイ
ヤ15を成形用空間14の中心に差し込むと共に上開口
部を密閉する。その後、各雄型13、13が更に互いに
接近して成形用空間14を縮小し、そこに充填されたタ
ンタル粉末をワイヤ15に対して直交する方向から押
圧、圧縮してワイヤ15の埋没部をタンタル粉末によっ
て締め付けながら図1に示す加圧成形体51を成形する
と共にワイヤ15を切断する。この際、雄型13、13
の小突起13B、13Bによってタンタル粉末を他の部
分よりも強く圧縮してリード線52の埋没部の嵩密度を
他の部分よりも高くしてリード線52の引抜強度を強く
する。
【0022】次に、リード線52の埋没部の嵩密度が他
の部分よりも高くなる理由について説明する。例えば、
図4において雄型13の小突起13Bの突出寸法をdと
し、圧縮直前の小突起13Bを除いた平面間の寸法をL
とすれば、雌型12内における小突起13B、13B間
の寸法はL−2dとなる。そして、加圧成形体51を成
形した時の小突起13B、13B以外の面間の寸法は加
圧成形体51の厚さTであるから、加圧成形体51のタ
ンタル粉末の圧縮倍率はL/Tである。これに対して凹
部53、53間の圧縮倍率は(L−2d)/(T−2
d)となる。従って、加圧成形体51の斜線領域54の
圧縮倍率は白い領域55の圧縮倍率のT(L−2d)/
L(T−2d)倍になる。ここで、L〉TであるからT
(L−2d)/L(T−2d)〉1であるから、斜線領
域54の圧縮倍率の方がその他の部分よりも大きくなる
ことが判る。例えば、L=3mm、T=1mm、d=
0.1mmの場合には、斜線領域54の圧縮倍率はその
他の部分の約1.167となり、それだけ従来のものよ
りもリード線52の引抜強度が大きく、リード線52の
保持力が優れたものになることが判る。
【0023】更に、加圧成形体51の嵩密度とリード線
52の引抜強度の関係を観るために、本実施例では例え
ば昭和キャボット(株)製のタンタル粉末DCUH-1
3(CV値=31000±1500、嵩密度=1.5±
0.3g/cm3)と0.2mmのリード線52を用い、
大きさが同一で平均嵩密度が異なる複数種類の加圧成形
体51を作製した。但し、タンタル粉末にはバインダー
は添加しなかった。加圧成形体51の大きさとしては、
T、H、Wがそれぞれ1.0mmで、凹部53のtが0.
45mm、wが0.35mm、dが0.12mmのものを
作製した。そして、各加圧成形体51の平均嵩密度とリ
ード線30の保持力(引抜強度)との関係を図2に○印
で示した。また、本実施例の加圧成形体51におけるリ
ード線52の引抜強度を従来のものと比較するために、
従来の成形方法により凹部を有さない加圧成形体(T=
H=W=1.0mm)を複数個作製し、これらの平均嵩
密度と引抜強度との関係を図2に×印で示した。尚、こ
こで平均嵩密度とは、斜線領域54の嵩密度と白い領域
55の嵩密度とを平均した嵩密度のことをいう。
【0024】図2に示す結果によれば、本実施例の加圧
成形体51と従来のそれとを比較すると、これら両者が
同一の平均嵩密度であっても、本実施例の加圧成形体5
1の方が従来のものよりもリード線52の引抜強度が格
段に優れていることが判る。これは、平均嵩密度が同一
であっても、本実施例の加圧成形体51の場合には、リ
ード線52の埋没部、即ち斜線領域54の嵩密度が他の
白い領域55よりも大きくなっていることが判る。しか
も、白い領域55の嵩密度は従来品よりも小さくなって
いるため、コンデンサ素子としての性能が従来品よりも
優れたものになることが判る。
【0025】以上説明したように本実施例によれば、加
圧成形体51の斜線領域54のタンタル粉末の嵩密度は
リード線52が加圧成形体51から抜けない嵩密度
(4.5〜5.0g/cm3)を有しているため、小型
化、薄型化及び高容量化したタンタルコンデンサ素子5
0であっても、リード線52をタンタル陽極で確実に保
持することができる。また、本実施例によれば、斜線領
域54以外の白い領域55のタンタル粉末の嵩密度は斜
線領域54の嵩密度より低い(3.0〜4.0g/c
3)ため、均一な嵩密度で安定し且つ高い静電容量を
得ることができる。つまり、本実施例によれば、斜線領
域54を作らない場合のようにコンデンサ素子50全体
を高嵩密度にして性能を確保することと比較しても静電
容量的に増加し、斜線領域54を作ることによって斜線
領域54でリード線52を確実に保持し、リード線52
の抜け防止を図ってコンデンサ素子50の機械的信頼性
を格段に高めることができる。
【0026】尚、本実施例では加圧成形体51のリード
線52の埋没部をリード線52に対して直交する方向か
ら押圧して斜線領域54を作り、嵩密度を高めた場合に
ついて説明したが、本発明のタンタルコンデンサ素子は
上記実施例に何等制限されるものでない。要は、リード
線の周囲の嵩密度をそれ以外の嵩密度より高くしたもの
であれば、上記実施例と同様の作用効果を期することが
できる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1及
び請求項2に記載の発明によれば、小型化、薄型化及び
高容量化しても、リード線をタンタル陽極で確実に保持
することができ、均一な嵩密度で安定した静電容量を得
ることができる、リード線埋没部に高嵩密度を有するタ
ンタルコンデンサ素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタンタルコンデンサ素子の一実施例の
タンタルコンデンサ素子を示す斜視図である。
【図2】図1に示すコンデンサ素子と従来のコンデンサ
素子の各リード線の引抜き力を比較したグラフである。
【図3】図1に示すコンデンサ素子を製造する場合に好
適に用いられる製造装置の一例を示す斜視図で、同図
(a)はその分解斜視図、同図(b)はその要部の組み
立て状態を示す図である。
【図4】図3に示すコンデンサ素子の製造装置を用いて
コンデンサ素子を製造した直後の要部を示す斜視図であ
る。
【図5】従来のタンタルコンデンサ素子の一例を示す斜
視図である。
【図6】従来のタンタルコンデンサ素子の製造装置の一
例の構成を示す要部断面図である。
【符号の説明】
50 コンデンサ素子 51 タンタル陽極(加圧成形体) 52 リード線 54 斜線領域(リード線周囲の嵩密度の大きい部
分) 55 白い領域(リード線の周囲以外の嵩密度の小さ
い部分)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C22B 34/24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンタル粉末の加圧成形体からなるタン
    タル陽極と、このタンタル陽極内から外部へ引き出され
    たタンタルリード線とを備え、上記加圧成形体の少なく
    とも上記タンタルリード線の周囲の嵩密度はそれ以外の
    部分の嵩密度より大きく、且つ上記周囲のタンタル粉末
    は上記タンタルリード線が上記加圧成形体から抜けない
    保持力を有することを特徴とするタンタルコンデンサ素
    子。
  2. 【請求項2】 上記タンタルリード線の周囲の嵩密度が
    4.5〜5.0g/cm3であり、それ以外の部分の嵩密
    度が3.0〜4.0g/cm3であることを特徴とする請
    求項1に記載のタンタルコンデンサ素子。
JP6323908A 1994-11-30 1994-11-30 リード線埋没部に高嵩密度を有するタンタルコンデンサ素子 Pending JPH08162373A (ja)

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