JPH08166501A - 光学薄膜およびその製造方法 - Google Patents
光学薄膜およびその製造方法Info
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- JPH08166501A JPH08166501A JP6311788A JP31178894A JPH08166501A JP H08166501 A JPH08166501 A JP H08166501A JP 6311788 A JP6311788 A JP 6311788A JP 31178894 A JP31178894 A JP 31178894A JP H08166501 A JPH08166501 A JP H08166501A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 少なくとも全応力が圧縮応力ではなく、高
温、高湿度の環境下においてもシワ状の変形を生じない
ような、エネルギー硬化性樹脂上に設ける光学薄膜およ
びその製造方法を提供する。 【構成】 エネルギー硬化性樹脂2の表面に、少なくと
も圧縮応力を有する層と引張応力を有する層とを積層す
ることにより光学薄膜3を形成し、光学薄膜3の全体に
生じる全応力(応力×膜厚)を、多くても10Pa・m
以下の引張応力に制御した。
温、高湿度の環境下においてもシワ状の変形を生じない
ような、エネルギー硬化性樹脂上に設ける光学薄膜およ
びその製造方法を提供する。 【構成】 エネルギー硬化性樹脂2の表面に、少なくと
も圧縮応力を有する層と引張応力を有する層とを積層す
ることにより光学薄膜3を形成し、光学薄膜3の全体に
生じる全応力(応力×膜厚)を、多くても10Pa・m
以下の引張応力に制御した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギー硬化性樹脂
を有する基板の樹脂表面に形成する反射防止膜、エッジ
フィルター、ビームスプリッター等の光学薄膜およびそ
の製造方法に関する。
を有する基板の樹脂表面に形成する反射防止膜、エッジ
フィルター、ビームスプリッター等の光学薄膜およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レンズやミラー、プリズム等の光
学部品の素材として合成樹脂を用いる頻度が高くなって
いる。合成樹脂製光学部品は、ガラス製光学部品と比較
して低コスト化や軽量化等を図ることができ、かつ複雑
な形状の光学部品の形状などではガラス製のものよりも
加工し易いという利点を有している。
学部品の素材として合成樹脂を用いる頻度が高くなって
いる。合成樹脂製光学部品は、ガラス製光学部品と比較
して低コスト化や軽量化等を図ることができ、かつ複雑
な形状の光学部品の形状などではガラス製のものよりも
加工し易いという利点を有している。
【0003】これら合成樹脂にて構成した部品は、ガラ
スや金属に比して耐摩耗性、耐擦傷性が劣るために、表
面保護のために保護膜等を形成することがある。また、
特に合成樹脂を光学部品として用いる場合には、表面保
護の目的だけでなく、透過率等の光学性能を向上させる
ために、光学ガラスの場合と同様に光学薄膜を形成する
場合が多い。そして、この光学薄膜は、生産性が高い等
の理由から通常、真空蒸着法により形成されている。
スや金属に比して耐摩耗性、耐擦傷性が劣るために、表
面保護のために保護膜等を形成することがある。また、
特に合成樹脂を光学部品として用いる場合には、表面保
護の目的だけでなく、透過率等の光学性能を向上させる
ために、光学ガラスの場合と同様に光学薄膜を形成する
場合が多い。そして、この光学薄膜は、生産性が高い等
の理由から通常、真空蒸着法により形成されている。
【0004】上記光学薄膜の形成にあたり、光学ガラス
の場合は、光学ガラス基板を加熱して光学薄膜を蒸着す
ることができるので光学ガラス基板と光学薄膜の密着性
が高く、また光学薄膜自体の耐擦傷性も良好である。し
かしながら、合成樹脂基板に光学薄膜を成形する際、合
成樹脂は耐熱性が低いため、合成樹脂基板を加熱するこ
とができないので、合成樹脂基板に対する光学薄膜の密
着性や光学薄膜自体の耐擦傷性が著しく劣化するという
問題がある。
の場合は、光学ガラス基板を加熱して光学薄膜を蒸着す
ることができるので光学ガラス基板と光学薄膜の密着性
が高く、また光学薄膜自体の耐擦傷性も良好である。し
かしながら、合成樹脂基板に光学薄膜を成形する際、合
成樹脂は耐熱性が低いため、合成樹脂基板を加熱するこ
とができないので、合成樹脂基板に対する光学薄膜の密
着性や光学薄膜自体の耐擦傷性が著しく劣化するという
問題がある。
【0005】そこで、上記のような問題点を解決するた
めに数多くの提案がなされている。光学薄膜の中でも反
射防止膜の場合では、従来、例えば特開平3−1326
01号公報に開示されているような反射防止膜が知られ
ている。この反射防止膜は、合成樹脂製光学部品の表面
に、一酸化ケイ素(SiO)からなる第1層を形成し、
その上に第1層より屈折率が高い一酸化ケイ素(Si
O)からなる第2層を形成し、次に二酸化ケイ素(Si
O2 )からなる第3層を第2層の上に形成してなる3層
構造の多層膜に構成されている。ここでは合成樹脂とし
て、例えばアクリル等の熱可塑性樹脂が用いられてい
る。
めに数多くの提案がなされている。光学薄膜の中でも反
射防止膜の場合では、従来、例えば特開平3−1326
01号公報に開示されているような反射防止膜が知られ
ている。この反射防止膜は、合成樹脂製光学部品の表面
に、一酸化ケイ素(SiO)からなる第1層を形成し、
その上に第1層より屈折率が高い一酸化ケイ素(Si
O)からなる第2層を形成し、次に二酸化ケイ素(Si
O2 )からなる第3層を第2層の上に形成してなる3層
構造の多層膜に構成されている。ここでは合成樹脂とし
て、例えばアクリル等の熱可塑性樹脂が用いられてい
る。
【0006】上記従来の反射防止膜をアクリルのような
熱可塑性樹脂に成膜したものは、基材との密着性が高
く、また耐湿性や耐熱衝撃性等の耐久性も高いという利
点を有している。
熱可塑性樹脂に成膜したものは、基材との密着性が高
く、また耐湿性や耐熱衝撃性等の耐久性も高いという利
点を有している。
【0007】ところで最近、合成樹脂の中でもエネルギ
ー硬化性樹脂、とりわけ紫外線(UV)硬化性樹脂と光
学ガラスを接合した複合型光学部品が注目されている。
この複合型光学部品は、球面ガラスの上にUV硬化性樹
脂を塗布し、非球面形状をした金型を押しつけた後にU
V光を照射して、UV硬化性樹脂を硬化させることによ
り金型の面形状を転写させて製造するもので、熱可塑性
樹脂を射出成形して製造する光学部品に比べて、大口径
の光学部品を得ることができるとともに、基板にガラス
を用いているので、屈折率が高くかつ屈折率が温度や湿
度にも安定な光学部品が得られるという利点がある。ま
た、ガラスに比べても非球面形状が容易に得られる利点
があり、ガラスと合成樹脂の利点を兼ね備えた光学部品
といえるものである。
ー硬化性樹脂、とりわけ紫外線(UV)硬化性樹脂と光
学ガラスを接合した複合型光学部品が注目されている。
この複合型光学部品は、球面ガラスの上にUV硬化性樹
脂を塗布し、非球面形状をした金型を押しつけた後にU
V光を照射して、UV硬化性樹脂を硬化させることによ
り金型の面形状を転写させて製造するもので、熱可塑性
樹脂を射出成形して製造する光学部品に比べて、大口径
の光学部品を得ることができるとともに、基板にガラス
を用いているので、屈折率が高くかつ屈折率が温度や湿
度にも安定な光学部品が得られるという利点がある。ま
た、ガラスに比べても非球面形状が容易に得られる利点
があり、ガラスと合成樹脂の利点を兼ね備えた光学部品
といえるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述のよう
な複合型光学部品のエネルギー硬化性樹脂の表面に、前
述の従来技術、特開平3−132601号公報の反射防
止膜を形成した場合、70℃・40%の高温常湿度放置
試験と40℃・90%の常温高湿度放置試験において、
熱可塑性樹脂基板ではみられなかったシワ状の変形が生
じ、失透してしまうという重大な問題点が発生した。
な複合型光学部品のエネルギー硬化性樹脂の表面に、前
述の従来技術、特開平3−132601号公報の反射防
止膜を形成した場合、70℃・40%の高温常湿度放置
試験と40℃・90%の常温高湿度放置試験において、
熱可塑性樹脂基板ではみられなかったシワ状の変形が生
じ、失透してしまうという重大な問題点が発生した。
【0009】この原因について鋭意研究を重ねた結果、
エネルギー硬化性樹脂は熱可塑性樹脂に比べて可撓性
(粘性)が高く、高温や高湿度の環境下では極めて変形
が起こり易い状態にあり、さらに従来技術の反射防止膜
が強い圧縮方向の応力を有しているため、反射防止膜の
圧縮応力によりエネルギー硬化性樹脂と反射防止膜とが
シワ状に変形したものであることが判明した。このよう
に、複合型光学部品のようにエネルギー硬化性樹脂を有
する光学部品に光学薄膜を蒸着するに当たっては、従来
技術をそのまま適用することは困難であるという問題が
ある。
エネルギー硬化性樹脂は熱可塑性樹脂に比べて可撓性
(粘性)が高く、高温や高湿度の環境下では極めて変形
が起こり易い状態にあり、さらに従来技術の反射防止膜
が強い圧縮方向の応力を有しているため、反射防止膜の
圧縮応力によりエネルギー硬化性樹脂と反射防止膜とが
シワ状に変形したものであることが判明した。このよう
に、複合型光学部品のようにエネルギー硬化性樹脂を有
する光学部品に光学薄膜を蒸着するに当たっては、従来
技術をそのまま適用することは困難であるという問題が
ある。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、少なくとも全応力が圧縮応力ではな
く、高温、高湿度の環境下においてもシワ状の変形を生
じないような、エネルギー硬化性樹脂への光学薄膜およ
びその製造方法を提供することを目的とする。
なされたもので、少なくとも全応力が圧縮応力ではな
く、高温、高湿度の環境下においてもシワ状の変形を生
じないような、エネルギー硬化性樹脂への光学薄膜およ
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のように構成した。請求項1の発明
は、エネルギー硬化性樹脂の表面に形成される光学薄膜
において、この光学薄膜の全応力(応力×膜厚)が多く
ても10Pa・m以下の引張応力であるようにした。
に、本発明は以下のように構成した。請求項1の発明
は、エネルギー硬化性樹脂の表面に形成される光学薄膜
において、この光学薄膜の全応力(応力×膜厚)が多く
ても10Pa・m以下の引張応力であるようにした。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の光学薄
膜にあって、光学薄膜が、少なくとも二酸化ケイ素(S
iO2 )を含む層と、少なくとも酸化チタン(Ti
O2 )または酸化ジルコニウム(ZrO2 )を含む層と
を含むようにした。
膜にあって、光学薄膜が、少なくとも二酸化ケイ素(S
iO2 )を含む層と、少なくとも酸化チタン(Ti
O2 )または酸化ジルコニウム(ZrO2 )を含む層と
を含むようにした。
【0013】請求項3の発明は、エネルギー硬化性樹脂
の表面に光学薄膜を形成する方法において、少なくとも
圧縮応力を有する層と引張応力を有する層とを積層して
光学薄膜を形成し、この光学薄膜の全応力を多くても1
0Pa・m以下の引張応力に制御することとした。
の表面に光学薄膜を形成する方法において、少なくとも
圧縮応力を有する層と引張応力を有する層とを積層して
光学薄膜を形成し、この光学薄膜の全応力を多くても1
0Pa・m以下の引張応力に制御することとした。
【0014】請求項4の発明は、請求項3記載の光学薄
膜の製造方法にあって、圧縮応力を有する層が少なくと
も二酸化ケイ素(SiO2 )を含み、引張応力を有する
層が少なくとも酸化チタン(TiO2 )または酸化ジル
コニウム(ZrO2 )を含むようにした。
膜の製造方法にあって、圧縮応力を有する層が少なくと
も二酸化ケイ素(SiO2 )を含み、引張応力を有する
層が少なくとも酸化チタン(TiO2 )または酸化ジル
コニウム(ZrO2 )を含むようにした。
【0015】請求項1および請求項3にあって、本発明
の光学薄膜とは、目的に応じて反射防止膜、エッジフィ
ルター、ビームスプリッター、位相膜等が用いられる
が、いずれでも構わない。また、本発明でいう光学薄膜
の全応力とは、膜の応力に膜厚を乗じたもので、多層膜
の場合は、各層の応力と膜厚を乗じたものの総和であ
る。本発明の作用、効果を充分に享し得るためには、光
学薄膜の全応力は多くても10Pa・m以下の引張応力
であることが必要である。
の光学薄膜とは、目的に応じて反射防止膜、エッジフィ
ルター、ビームスプリッター、位相膜等が用いられる
が、いずれでも構わない。また、本発明でいう光学薄膜
の全応力とは、膜の応力に膜厚を乗じたもので、多層膜
の場合は、各層の応力と膜厚を乗じたものの総和であ
る。本発明の作用、効果を充分に享し得るためには、光
学薄膜の全応力は多くても10Pa・m以下の引張応力
であることが必要である。
【0016】なお、本発明のエネルギー硬化性樹脂に
は、例えば紫外線(UV)硬化性樹脂、可視光硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることが
でき、特に限定されるものではない。
は、例えば紫外線(UV)硬化性樹脂、可視光硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることが
でき、特に限定されるものではない。
【0017】また、請求項2および請求項4にあって、
本発明の光学薄膜のSiO2 を含む層あるいはTiO2
またはZrO2 を含む層に、他の酸化物やフッ化物が小
量含まれていたり、SiO2 を含む層、TiO2 または
ZrO2 を含む層以外に、他の酸化物やフッ化物からな
る層が多少含まれていても、応力が10Pa・m以下で
あれば問題はない。
本発明の光学薄膜のSiO2 を含む層あるいはTiO2
またはZrO2 を含む層に、他の酸化物やフッ化物が小
量含まれていたり、SiO2 を含む層、TiO2 または
ZrO2 を含む層以外に、他の酸化物やフッ化物からな
る層が多少含まれていても、応力が10Pa・m以下で
あれば問題はない。
【0018】
【作用】請求項1の構成にあって、エネルギー硬化性樹
脂上に形成する光学薄膜は、その全応力が多くても10
Pa・m以下の引張応力となっている。ここで、エネル
ギー硬化性樹脂に形成した光学薄膜の全応力が圧縮応力
である場合、高温、高湿度の環境下において、樹脂の可
撓性が高く、変形し易くなると、膜の圧縮応力によりシ
ワ状の変形が生じてしまう。また、光学薄膜の全応力が
10Pa・mより大きい引張応力の場合、高温、高湿度
の環境下でシワ状の変形は生じないが、特に高温の環境
下で、樹脂の膨張により膜にクラック(ひび割れ)が発
生してしまうので好ましくない。このように、本発明の
エネルギー硬化性樹脂への光学薄膜は、高温、高湿度の
環境下においてシワ状の変形およびクラックの発生がな
いような、最適な全応力を有するものである。
脂上に形成する光学薄膜は、その全応力が多くても10
Pa・m以下の引張応力となっている。ここで、エネル
ギー硬化性樹脂に形成した光学薄膜の全応力が圧縮応力
である場合、高温、高湿度の環境下において、樹脂の可
撓性が高く、変形し易くなると、膜の圧縮応力によりシ
ワ状の変形が生じてしまう。また、光学薄膜の全応力が
10Pa・mより大きい引張応力の場合、高温、高湿度
の環境下でシワ状の変形は生じないが、特に高温の環境
下で、樹脂の膨張により膜にクラック(ひび割れ)が発
生してしまうので好ましくない。このように、本発明の
エネルギー硬化性樹脂への光学薄膜は、高温、高湿度の
環境下においてシワ状の変形およびクラックの発生がな
いような、最適な全応力を有するものである。
【0019】請求項2の構成にあって、エネルギー硬化
性樹脂上に形成する光学薄膜は、請求項1において、少
なくともSiO2 を含む層と、少なくともTiO2 また
はZrO2 を含む層を含んでいる。ここで、屈折率は、
通常SiO2 が1.45〜1.47と相対的に低いのに
対し、TiO2 またはZrO2 は1.85〜2.05と
相対的に高い。このため、それらの層を所望の膜厚と層
数の構成で積層することにより、所望の光学特性が得ら
れる。
性樹脂上に形成する光学薄膜は、請求項1において、少
なくともSiO2 を含む層と、少なくともTiO2 また
はZrO2 を含む層を含んでいる。ここで、屈折率は、
通常SiO2 が1.45〜1.47と相対的に低いのに
対し、TiO2 またはZrO2 は1.85〜2.05と
相対的に高い。このため、それらの層を所望の膜厚と層
数の構成で積層することにより、所望の光学特性が得ら
れる。
【0020】また、応力は、通常SiO2 が1〜2×1
08 Pa程度の圧縮応力を有しているのに対し、TiO
2 またはZrO2 は1〜2×108 Pa程度の引張応力
を有している。このため、少なくともSiO2 を含む層
と、少なくともTiO2 またはZrO2 を含む層とを積
層した場合、応力が互いに逆方向なので、応力を互いに
相殺でき、各々の膜厚や層数を調整することにより、全
応力を所望の方向と大きさに制御することが可能とな
る。したがって、請求項1のように、全応力を多くても
10Pa・m以下の引張応力とすることが容易となり、
高温、高湿度の環境下においてシワ状の変形やクラック
の発生がないような、最適な全応力にすることが可能と
なる。
08 Pa程度の圧縮応力を有しているのに対し、TiO
2 またはZrO2 は1〜2×108 Pa程度の引張応力
を有している。このため、少なくともSiO2 を含む層
と、少なくともTiO2 またはZrO2 を含む層とを積
層した場合、応力が互いに逆方向なので、応力を互いに
相殺でき、各々の膜厚や層数を調整することにより、全
応力を所望の方向と大きさに制御することが可能とな
る。したがって、請求項1のように、全応力を多くても
10Pa・m以下の引張応力とすることが容易となり、
高温、高湿度の環境下においてシワ状の変形やクラック
の発生がないような、最適な全応力にすることが可能と
なる。
【0021】請求項3のエネルギー硬化性樹脂上に光学
薄膜を製造する方法は、少なくとも圧縮応力を有する層
と引張応力を有する層とを積層することにより、この光
学薄膜の全応力を多くても10Pa・m以下の引張応力
に制御しているので、請求項1で説明下と同様の作用に
より高温、高湿度の環境下においてシワ状の変形やクラ
ックの発生がないような光学薄膜を製造することができ
るものである。
薄膜を製造する方法は、少なくとも圧縮応力を有する層
と引張応力を有する層とを積層することにより、この光
学薄膜の全応力を多くても10Pa・m以下の引張応力
に制御しているので、請求項1で説明下と同様の作用に
より高温、高湿度の環境下においてシワ状の変形やクラ
ックの発生がないような光学薄膜を製造することができ
るものである。
【0022】請求項4のエネルギー硬化性樹脂上に光学
薄膜を製造する方法は、請求項3において、圧縮応力を
有する層が少なくともSiO2 を含み、引張応力を有す
る層が少なくともTiO2 またはZrO2 を含んでい
る。ここで、SiO2 は前述したように1〜2×108
Pa程度の圧縮応力を有しており、また屈折率が1.4
5〜1.47と相対的に低い。そして、TiO2 または
ZrO2 は前述の通り1〜2×108 Pa程度の引張応
力を有しており、また屈折率が1.85〜2.05と相
対的に高い。
薄膜を製造する方法は、請求項3において、圧縮応力を
有する層が少なくともSiO2 を含み、引張応力を有す
る層が少なくともTiO2 またはZrO2 を含んでい
る。ここで、SiO2 は前述したように1〜2×108
Pa程度の圧縮応力を有しており、また屈折率が1.4
5〜1.47と相対的に低い。そして、TiO2 または
ZrO2 は前述の通り1〜2×108 Pa程度の引張応
力を有しており、また屈折率が1.85〜2.05と相
対的に高い。
【0023】このため、それらの層を、所望の膜厚と層
数の構成で積層することにより、所望の光学特性を有す
ると同時に、応力が互いに相殺でき、全応力を多くても
10Pa・m以下の引張応力とすることが容易となるの
で、高温、高湿度の環境下においてシワ状の変形やクラ
ックの発生がないような、光学薄膜を容易に製造できる
ものである。
数の構成で積層することにより、所望の光学特性を有す
ると同時に、応力が互いに相殺でき、全応力を多くても
10Pa・m以下の引張応力とすることが容易となるの
で、高温、高湿度の環境下においてシワ状の変形やクラ
ックの発生がないような、光学薄膜を容易に製造できる
ものである。
【0024】
【実施例】以下、図1〜図6を用いて、本発明に係る光
学薄膜およびその製造方法の各実施例を説明する。 [実施例1]図1は、本発明の実施例1の光学薄膜の製
造方法により製造した複合型光学部品および光学薄膜の
断面を示している。複合型光学部材のガラス1は、硝材
BK−7(オハラ製)により作成されており、ガラス1
の一方の面にはエネルギー硬化性樹脂層2が形成されて
いる。以下、樹脂層2の作成方法を説明する。
学薄膜およびその製造方法の各実施例を説明する。 [実施例1]図1は、本発明の実施例1の光学薄膜の製
造方法により製造した複合型光学部品および光学薄膜の
断面を示している。複合型光学部材のガラス1は、硝材
BK−7(オハラ製)により作成されており、ガラス1
の一方の面にはエネルギー硬化性樹脂層2が形成されて
いる。以下、樹脂層2の作成方法を説明する。
【0025】まず、ガラス1の表面上にエタノールで希
釈したシランカップリング剤「KBM−503」(信越
化学(株))をスピンコートした後、100℃、20分
の条件で乾燥させることにより表面処理を行う。この
後、液状のUV硬化性ウレタンアクリレート系の樹脂を
ガラス1の中心部に適量塗布し、この上から非球面等所
望の形状に形成された金型を樹脂に気泡が入らないよう
に静かに押し付け、樹脂層の厚さが中心で100μmに
なるところで停止する。次に、ガラス1の下部から高圧
水銀灯により紫外線(主に365nm)を照射し、樹脂
を硬化させた後、金型を離型する。
釈したシランカップリング剤「KBM−503」(信越
化学(株))をスピンコートした後、100℃、20分
の条件で乾燥させることにより表面処理を行う。この
後、液状のUV硬化性ウレタンアクリレート系の樹脂を
ガラス1の中心部に適量塗布し、この上から非球面等所
望の形状に形成された金型を樹脂に気泡が入らないよう
に静かに押し付け、樹脂層の厚さが中心で100μmに
なるところで停止する。次に、ガラス1の下部から高圧
水銀灯により紫外線(主に365nm)を照射し、樹脂
を硬化させた後、金型を離型する。
【0026】こうして得られたエネルギー硬化性樹脂層
2の表面に、本実施例の光学薄膜3を形成するもので、
以下、本実施例の光学薄膜3の形成方法を説明する。本
実施例の光学薄膜3は反射防止膜として機能するもので
ある。
2の表面に、本実施例の光学薄膜3を形成するもので、
以下、本実施例の光学薄膜3の形成方法を説明する。本
実施例の光学薄膜3は反射防止膜として機能するもので
ある。
【0027】まず、複合型光学部品をエネルギー硬化性
樹脂2側の面を下にしてチャンバー径が800mmの真
空蒸着装置にセットした後、真空蒸着チャンバー内を1
×10-3Pa以下の真空に排気する。基板の加熱は行わ
なかった。その後、蒸着材料としてSiO2 を用い、電
子線加熱蒸着を行って、SiO2 からなる屈折率n=
1.46、光学的膜厚nd=25nmの第1層をエネル
ギー硬化性樹脂2の上に形成する。次に、蒸着材料とし
てTiO2 を用い、O2 ガスを2×10-2Paの圧力で
導入しつつ、電子線加熱蒸着を行って、TiO2 からな
る屈折率n=2.00、光学的膜厚nd=30nmの第
2層を上記第1層の上に形成する。次に、O2 ガスの導
入を止め、蒸着材料としてSiO2 を用い、電子線加熱
蒸着を行って、SiO2 からなる屈折率n=1.46、
光学的膜厚nd=47nmの第3層を上記第2層の上に
形成する。次に、蒸着材料としてTiO2 を用い、O2
ガスを2×10-2Paの圧力で導入しつつ、電子線加熱
蒸着を行って、TiO2 からなる屈折率n=2.00、
光学的膜厚nd=260nmの第4層を上記第3層の上
に形成する。次に、O2 ガスの導入を止め、蒸着材料と
してSiO2 を用い、電子線加熱蒸着を行って、SiO
2 からなる屈折率n=1.46、光学的薄膜nd=12
2nmの第5層を上記4層の上に形成する。以上のよう
な工程により、本実施例の5層構造からなる光学薄膜3
が製造される。本実施例の光学薄膜3の構成を表1に示
す。
樹脂2側の面を下にしてチャンバー径が800mmの真
空蒸着装置にセットした後、真空蒸着チャンバー内を1
×10-3Pa以下の真空に排気する。基板の加熱は行わ
なかった。その後、蒸着材料としてSiO2 を用い、電
子線加熱蒸着を行って、SiO2 からなる屈折率n=
1.46、光学的膜厚nd=25nmの第1層をエネル
ギー硬化性樹脂2の上に形成する。次に、蒸着材料とし
てTiO2 を用い、O2 ガスを2×10-2Paの圧力で
導入しつつ、電子線加熱蒸着を行って、TiO2 からな
る屈折率n=2.00、光学的膜厚nd=30nmの第
2層を上記第1層の上に形成する。次に、O2 ガスの導
入を止め、蒸着材料としてSiO2 を用い、電子線加熱
蒸着を行って、SiO2 からなる屈折率n=1.46、
光学的膜厚nd=47nmの第3層を上記第2層の上に
形成する。次に、蒸着材料としてTiO2 を用い、O2
ガスを2×10-2Paの圧力で導入しつつ、電子線加熱
蒸着を行って、TiO2 からなる屈折率n=2.00、
光学的膜厚nd=260nmの第4層を上記第3層の上
に形成する。次に、O2 ガスの導入を止め、蒸着材料と
してSiO2 を用い、電子線加熱蒸着を行って、SiO
2 からなる屈折率n=1.46、光学的薄膜nd=12
2nmの第5層を上記4層の上に形成する。以上のよう
な工程により、本実施例の5層構造からなる光学薄膜3
が製造される。本実施例の光学薄膜3の構成を表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】(作用)本実施例の光学薄膜3を構成する
SiO2 およびTiO2 の単層膜を厚さ500μmのS
iウェハーにそれぞれ蒸着した後、Siウェハーの反り
量を測定することにより、各層膜に生ずる各応力を求め
たところ、SiO2 は−1.45×108 Pa、TiO
2 は+1.50×108 Paであった。ここで、応力の
符号−は圧縮方向を示し、+は引張方向を示す。
SiO2 およびTiO2 の単層膜を厚さ500μmのS
iウェハーにそれぞれ蒸着した後、Siウェハーの反り
量を測定することにより、各層膜に生ずる各応力を求め
たところ、SiO2 は−1.45×108 Pa、TiO
2 は+1.50×108 Paであった。ここで、応力の
符号−は圧縮方向を示し、+は引張方向を示す。
【0030】その結果から、光学薄膜3の各層の全応力
(物理的膜厚×応力)は表1のように計算され、光学薄
膜3全体の全応力の総和は+2.48Pa・mであっ
た。このように、SiO2 とTiO2 からなる膜に生じ
る応力が互いに逆方向なので、応力を互いに相殺でき、
全応力の総和を全応力を10Pa・m以下の引張応力と
することが可能となる。
(物理的膜厚×応力)は表1のように計算され、光学薄
膜3全体の全応力の総和は+2.48Pa・mであっ
た。このように、SiO2 とTiO2 からなる膜に生じ
る応力が互いに逆方向なので、応力を互いに相殺でき、
全応力の総和を全応力を10Pa・m以下の引張応力と
することが可能となる。
【0031】また、SiO2 は屈折率が1.46と相対
的に低く、TiO2 は屈折率が2.00と相対的に高い
ため、これらの材料で構成することにより、光学薄膜3
は所望の光学特性を得ることができる。
的に低く、TiO2 は屈折率が2.00と相対的に高い
ため、これらの材料で構成することにより、光学薄膜3
は所望の光学特性を得ることができる。
【0032】(効果)本実施例のエネルギー硬化性樹脂
への光学薄膜3に対し、70℃・40%の高温常湿度1
週間放置試験と40℃・90%の常温高湿度1週間放置
試験を行った結果、表2に示すように全く問題がなかっ
た。このように、本実施例のエネルギー硬化性樹脂2へ
の光学薄膜3は、全応力が10Pa・m以下の引張応力
となっているので、高温、高湿度の環境下において、樹
脂2の可撓性が高く、変形し易くなっても、シワ状の変
形が生じない。さらに、高温の環境下で、樹脂2が膨張
しても光学薄膜3にクラック(ひび割れ)が発生しな
い。
への光学薄膜3に対し、70℃・40%の高温常湿度1
週間放置試験と40℃・90%の常温高湿度1週間放置
試験を行った結果、表2に示すように全く問題がなかっ
た。このように、本実施例のエネルギー硬化性樹脂2へ
の光学薄膜3は、全応力が10Pa・m以下の引張応力
となっているので、高温、高湿度の環境下において、樹
脂2の可撓性が高く、変形し易くなっても、シワ状の変
形が生じない。さらに、高温の環境下で、樹脂2が膨張
しても光学薄膜3にクラック(ひび割れ)が発生しな
い。
【0033】
【表2】
【0034】また、本実施例の光学薄膜3の分光反射率
特性を分光計にて測定したところ、図2のように、可視
域(400〜700nm)で良好な反射防止効果を有し
ていた。
特性を分光計にて測定したところ、図2のように、可視
域(400〜700nm)で良好な反射防止効果を有し
ていた。
【0035】[実施例2]本発明の実施例2は、実施例
1と同様なガラス1とエネルギー硬化性樹脂層2とから
なる複合型光学部品を用い、エネルギー硬化性樹脂層2
の表面に光学薄膜3を形成した。本実施例の光学薄膜3
も実施例1と同様、反射防止膜として機能するものであ
る。
1と同様なガラス1とエネルギー硬化性樹脂層2とから
なる複合型光学部品を用い、エネルギー硬化性樹脂層2
の表面に光学薄膜3を形成した。本実施例の光学薄膜3
も実施例1と同様、反射防止膜として機能するものであ
る。
【0036】以下、本実施例の光学薄膜3の形成方法を
説明する。まず、実施例1と同様に、複合型光学部品を
真空蒸着装置にセットし、基板の加熱をせずに真空チャ
ンバー内を真空に排気した。その後、蒸着材料としてZ
rO2 を用い、電子線加熱蒸着を行って、ZrO2 から
なる屈折率n=1.95、光学的膜厚nd=25nmの
第1層をエネルギー硬化性樹脂層2の上に形成する。次
に、蒸着材料としてSiO2 を用い、電子線加熱蒸着を
行って、SiO2 からなる屈折率n=1.46、光学的
膜厚nd=45nmの第2層を上記第1層の上に形成す
る。次に、蒸着材料としてZrO2 を用い、電子線加熱
蒸着を行って、ZrO2 からなる屈折率n=1.95、
光学的膜厚nd=260nmの第3層を上記第2層の上
に形成する。次に、蒸着材料としてSiO2 を用い、電
子線加熱蒸着を行って、SiO2 からなる、屈折率n=
1.46、光学的膜厚nd=122nmの第4層を上記
第3層の上に形成する。以上のような工程により、本実
施例の4層構造から成る光学薄膜3は製造される。本実
施例の光学薄膜3の構成を表3に示す。
説明する。まず、実施例1と同様に、複合型光学部品を
真空蒸着装置にセットし、基板の加熱をせずに真空チャ
ンバー内を真空に排気した。その後、蒸着材料としてZ
rO2 を用い、電子線加熱蒸着を行って、ZrO2 から
なる屈折率n=1.95、光学的膜厚nd=25nmの
第1層をエネルギー硬化性樹脂層2の上に形成する。次
に、蒸着材料としてSiO2 を用い、電子線加熱蒸着を
行って、SiO2 からなる屈折率n=1.46、光学的
膜厚nd=45nmの第2層を上記第1層の上に形成す
る。次に、蒸着材料としてZrO2 を用い、電子線加熱
蒸着を行って、ZrO2 からなる屈折率n=1.95、
光学的膜厚nd=260nmの第3層を上記第2層の上
に形成する。次に、蒸着材料としてSiO2 を用い、電
子線加熱蒸着を行って、SiO2 からなる、屈折率n=
1.46、光学的膜厚nd=122nmの第4層を上記
第3層の上に形成する。以上のような工程により、本実
施例の4層構造から成る光学薄膜3は製造される。本実
施例の光学薄膜3の構成を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】(作用)本実施例の光学薄膜3を構成する
SiO2 およびZiO2 の単層膜を厚さ500μmのS
iウェハーにそれぞれ蒸着した後、Siウェハーの反り
量を測定することにより、各材料の応力を求めたとこ
ろ、SiO2 は実施例1と同様に−1.45×108 P
aであり、ZiO2 は+1.60×108 Paであっ
た。
SiO2 およびZiO2 の単層膜を厚さ500μmのS
iウェハーにそれぞれ蒸着した後、Siウェハーの反り
量を測定することにより、各材料の応力を求めたとこ
ろ、SiO2 は実施例1と同様に−1.45×108 P
aであり、ZiO2 は+1.60×108 Paであっ
た。
【0039】その結果から、光学薄膜3の各層の全応力
(物理的膜厚×応力)は表3のように計算され、光学薄
膜3全体の全応力の総和は+6.80Pa・mであっ
た。このように、SiO2 とZiO2 の各層に生じる応
力が互いに逆方向なので、光学薄膜3の全体に生じる応
力を互いに相殺でき、その全応力の総和を全応力を10
Pa・m以下の引張応力とすることが可能となる。
(物理的膜厚×応力)は表3のように計算され、光学薄
膜3全体の全応力の総和は+6.80Pa・mであっ
た。このように、SiO2 とZiO2 の各層に生じる応
力が互いに逆方向なので、光学薄膜3の全体に生じる応
力を互いに相殺でき、その全応力の総和を全応力を10
Pa・m以下の引張応力とすることが可能となる。
【0040】また、SiO2 は屈折率が1.46と相対
的に低く、ZiO2 は屈折率が1.95と相対的に高い
ため、これらの材料で構成することにより、光学薄膜3
は所望の光学特性を得ることができる。
的に低く、ZiO2 は屈折率が1.95と相対的に高い
ため、これらの材料で構成することにより、光学薄膜3
は所望の光学特性を得ることができる。
【0041】(効果)本実施例のエネルギー硬化性樹脂
上に設けた光学薄膜3に対し、実施例1と同様、70℃
・40%の高温常湿度1週間放置試験と40℃・90%
の常温高湿度1週間放置試験を行った結果、前記表2に
示すように全く問題がなかった。このように、本実施例
のエネルギー硬化性樹脂2への光学薄膜3は、全応力が
10Pa・m以下の引張応力となっているので、高温、
高湿度の環境下において、樹脂2の可撓性が高く、変形
し易くなっても、シワ状の変形が生じない。さらに、高
温の環境下で、樹脂2が膨張しても光学薄膜3にクラッ
ク(ひび割れ)が発生しない。
上に設けた光学薄膜3に対し、実施例1と同様、70℃
・40%の高温常湿度1週間放置試験と40℃・90%
の常温高湿度1週間放置試験を行った結果、前記表2に
示すように全く問題がなかった。このように、本実施例
のエネルギー硬化性樹脂2への光学薄膜3は、全応力が
10Pa・m以下の引張応力となっているので、高温、
高湿度の環境下において、樹脂2の可撓性が高く、変形
し易くなっても、シワ状の変形が生じない。さらに、高
温の環境下で、樹脂2が膨張しても光学薄膜3にクラッ
ク(ひび割れ)が発生しない。
【0042】また、本実施例の光学薄膜3の分光反射率
特性を分光計にて測定したところ、図3のように、可視
域(400〜700nm)で良好な反射防止効果を有し
ていた。
特性を分光計にて測定したところ、図3のように、可視
域(400〜700nm)で良好な反射防止効果を有し
ていた。
【0043】[実施例3]本発明の実施例3は、実施例
1と同様なガラス1とエネルギー硬化性樹脂層2とから
なる複合型光学部品を用い、エネルギー硬化性樹脂層2
の表面に光学薄膜3を形成した。本実施例の光学薄膜3
は、He−Neレーザー(633nm)用のビームスプ
リッターとして機能するものである。
1と同様なガラス1とエネルギー硬化性樹脂層2とから
なる複合型光学部品を用い、エネルギー硬化性樹脂層2
の表面に光学薄膜3を形成した。本実施例の光学薄膜3
は、He−Neレーザー(633nm)用のビームスプ
リッターとして機能するものである。
【0044】以下、本実施例の光学薄膜3の形成方法を
説明する。まず、実施例1と同様に、複合型光学部品を
真空蒸着装置にセットし、基板の加熱をせずに真空チャ
ンバー内を真空に排気した。その後、蒸着材料としてT
iO2 を用い、O2 ガスを2×10-2Paの圧力で導入
しつつ、電子線加熱蒸着を行って、TiO2 からなる屈
折率n=2.00、光学的膜厚nd=158nmの第1
層をエネルギー硬化性樹脂層2の上に形成する。次に、
O2 ガスの導入を止め、蒸着材料としてSiO2 を用
い、電子線加熱蒸着を行って、SiO2 からなる屈折率
n=1.46、光学的膜厚nd=158nmの第2層を
上記第1層の上に形成する。次に、蒸着材料としてTi
O2 を用い、O2 ガスを2×10-2Paの圧力で導入し
つつ、電子線加熱蒸着を行って、TiO2 からなる屈折
率n=2.00、光学的膜厚nd=158nmの第3層
を上記第2層の上に形成する。以上のような工程によ
り、本実施例の3層構造からなる光学薄膜3が製造され
る。本実施例の光学薄膜3の構成を表4に示す。
説明する。まず、実施例1と同様に、複合型光学部品を
真空蒸着装置にセットし、基板の加熱をせずに真空チャ
ンバー内を真空に排気した。その後、蒸着材料としてT
iO2 を用い、O2 ガスを2×10-2Paの圧力で導入
しつつ、電子線加熱蒸着を行って、TiO2 からなる屈
折率n=2.00、光学的膜厚nd=158nmの第1
層をエネルギー硬化性樹脂層2の上に形成する。次に、
O2 ガスの導入を止め、蒸着材料としてSiO2 を用
い、電子線加熱蒸着を行って、SiO2 からなる屈折率
n=1.46、光学的膜厚nd=158nmの第2層を
上記第1層の上に形成する。次に、蒸着材料としてTi
O2 を用い、O2 ガスを2×10-2Paの圧力で導入し
つつ、電子線加熱蒸着を行って、TiO2 からなる屈折
率n=2.00、光学的膜厚nd=158nmの第3層
を上記第2層の上に形成する。以上のような工程によ
り、本実施例の3層構造からなる光学薄膜3が製造され
る。本実施例の光学薄膜3の構成を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】(作用)本実施例の光学薄膜3を構成する
SiO2 およびTiO2 の単層膜の応力は、実施例1と
同様に、SiO2 は−1.45×108 Pa、TiO2
は+1.50×108 Paであった。
SiO2 およびTiO2 の単層膜の応力は、実施例1と
同様に、SiO2 は−1.45×108 Pa、TiO2
は+1.50×108 Paであった。
【0047】その結果から、光学薄膜3の各層の全応力
(物理的膜厚×応力)は表4のように計算され、光学薄
膜3全体の全応力の総和は+8.01Pa・mであっ
た。このように、SiO2 とTiO2 の各層に生ずる応
力が互いに逆方向なので、応力を互いに相殺でき、全応
力の総和を全応力を10Pa・m以下の引張応力とする
ことが可能となる。
(物理的膜厚×応力)は表4のように計算され、光学薄
膜3全体の全応力の総和は+8.01Pa・mであっ
た。このように、SiO2 とTiO2 の各層に生ずる応
力が互いに逆方向なので、応力を互いに相殺でき、全応
力の総和を全応力を10Pa・m以下の引張応力とする
ことが可能となる。
【0048】また、実施例1と同様に、SiO2 は屈折
率が1.46と相対的に低く、TiO2 は屈折率が2.
00と相対的に高いため、これらの材料で構成すること
により、光学薄膜3は所望の光学特性を得ることができ
る。
率が1.46と相対的に低く、TiO2 は屈折率が2.
00と相対的に高いため、これらの材料で構成すること
により、光学薄膜3は所望の光学特性を得ることができ
る。
【0049】(効果)本実施例のエネルギー硬化性樹脂
への光学薄膜3に対し、実施例1と同様、70℃・40
%の高温常湿度1週間放置試験と40℃・90%の常温
高湿度1週間放置試験を行った結果、前記表2に示すよ
うに全く問題がなかった。このように、本実施例のエネ
ルギー硬化性樹脂への光学薄膜3は、全応力が10Pa
・m以下の引張応力となっているので、高温、高湿度の
環境下において、樹脂2の可撓性が高く、変形し易くな
っても、シワ状の変形が生じない。さらに、高温の環境
下で、樹脂2が膨張しても光学薄膜3にクラック(ひび
割れ)が発生しない。
への光学薄膜3に対し、実施例1と同様、70℃・40
%の高温常湿度1週間放置試験と40℃・90%の常温
高湿度1週間放置試験を行った結果、前記表2に示すよ
うに全く問題がなかった。このように、本実施例のエネ
ルギー硬化性樹脂への光学薄膜3は、全応力が10Pa
・m以下の引張応力となっているので、高温、高湿度の
環境下において、樹脂2の可撓性が高く、変形し易くな
っても、シワ状の変形が生じない。さらに、高温の環境
下で、樹脂2が膨張しても光学薄膜3にクラック(ひび
割れ)が発生しない。
【0050】また、本実施例の光学薄膜3の分光反射率
特性を分光計にて測定したところ、図4のように、He
−Neレーザーの波長域(633nm)で55%透過、
45%反射の良好なビームスプリッターが得られた。
特性を分光計にて測定したところ、図4のように、He
−Neレーザーの波長域(633nm)で55%透過、
45%反射の良好なビームスプリッターが得られた。
【0051】[比較例1]比較例1は、実施例1と同様
なガラス1とエネルギー硬化性樹脂層2とからなる複合
型光学部品を用い、エネルギー硬化性樹脂層2の表面に
光学薄膜3を形成した。本比較例の光学薄膜3も実施例
1と同様、反射防止膜としてとして機能するものであ
る。
なガラス1とエネルギー硬化性樹脂層2とからなる複合
型光学部品を用い、エネルギー硬化性樹脂層2の表面に
光学薄膜3を形成した。本比較例の光学薄膜3も実施例
1と同様、反射防止膜としてとして機能するものであ
る。
【0052】以下、本比較例の光学薄膜3の形成方法を
説明する。まず、実施例1と同様に、複合型光学部品を
真空蒸着装置にセットし、基板の加熱をせずに真空チャ
ンバー内を真空に排気した。その後、蒸着材料として一
酸化ケイ素(SiO)を用い、O2 ガスを2×10-2P
aの圧力で導入しつつ、電子線加熱蒸着を行って、Si
Oからなる屈折率n=1.70、光学的膜厚nd=13
0nmの第1層を形成する。次に、O2 ガスの導入を止
め、蒸着材料としてSiOを用い、電子線加熱蒸着を行
って、SiOからなる屈折率n=1.90、光学的膜厚
nd=130nmの第2層を第1層の上に形成する。次
に、蒸着材料としてSiO2 を用い、電子線加熱蒸着を
行って、SiO2 からなる屈折率n=1.46、光学的
膜厚nd=130nmの第3層を第2層の上に形成す
る。以上のような工程により、本比較例の3層構造から
成る光学薄膜3が製造される。本比較例の光学薄膜3の
構成を表5に示す。
説明する。まず、実施例1と同様に、複合型光学部品を
真空蒸着装置にセットし、基板の加熱をせずに真空チャ
ンバー内を真空に排気した。その後、蒸着材料として一
酸化ケイ素(SiO)を用い、O2 ガスを2×10-2P
aの圧力で導入しつつ、電子線加熱蒸着を行って、Si
Oからなる屈折率n=1.70、光学的膜厚nd=13
0nmの第1層を形成する。次に、O2 ガスの導入を止
め、蒸着材料としてSiOを用い、電子線加熱蒸着を行
って、SiOからなる屈折率n=1.90、光学的膜厚
nd=130nmの第2層を第1層の上に形成する。次
に、蒸着材料としてSiO2 を用い、電子線加熱蒸着を
行って、SiO2 からなる屈折率n=1.46、光学的
膜厚nd=130nmの第3層を第2層の上に形成す
る。以上のような工程により、本比較例の3層構造から
成る光学薄膜3が製造される。本比較例の光学薄膜3の
構成を表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】本比較例の光学薄膜3を構成するSiO
(O2 ガスを導入して成膜した場合とO2 ガスを導入し
なで成膜した場合)、SiO2 の単層膜を厚さ500μ
mのSiウェハーにそれぞれ蒸着した後、Siウェハー
の反り量を測定することにより、各膜層に生ずる応力を
求めたところ、O2 ガスを導入して成膜した場合のSi
Oは−1.30×108 Pa、O2 ガスを導入しないで
成膜した場合のSiOは−1.00×108 、SiO2
は実施例1と同様に−1.45×108 Paであった。
(O2 ガスを導入して成膜した場合とO2 ガスを導入し
なで成膜した場合)、SiO2 の単層膜を厚さ500μ
mのSiウェハーにそれぞれ蒸着した後、Siウェハー
の反り量を測定することにより、各膜層に生ずる応力を
求めたところ、O2 ガスを導入して成膜した場合のSi
Oは−1.30×108 Pa、O2 ガスを導入しないで
成膜した場合のSiOは−1.00×108 、SiO2
は実施例1と同様に−1.45×108 Paであった。
【0055】その結果から、光学薄膜3の各層の全応力
(物理的膜厚×応力)は表5のように計算され、光学薄
膜全体の全応力の総和は−29.69Pa・mであっ
た。このように、本比較例の光学薄膜3全体の全応力は
30Pa・m程度の圧縮応力であった。
(物理的膜厚×応力)は表5のように計算され、光学薄
膜全体の全応力の総和は−29.69Pa・mであっ
た。このように、本比較例の光学薄膜3全体の全応力は
30Pa・m程度の圧縮応力であった。
【0056】本比較例のエネルギー硬化性樹脂2への光
学薄膜3に対し、実施例1と同様、70℃・40%の高
温常湿度1週間放置試験と40℃・90%の常温高湿度
1週間放置試験を行った結果、前記表2に示すように、
シワが発生し、失透してしまった。このように、本比較
例のエネルギー硬化性樹脂2上に形成した光学薄膜3
は、全応力が圧縮応力となっているので、高温、高湿度
の環境下において、樹脂2の可撓性が高く、変形し易く
なった際、シワ状の変形が生じる。なお、本比較例の光
学薄膜3の分光反射率特性を図5に示す。
学薄膜3に対し、実施例1と同様、70℃・40%の高
温常湿度1週間放置試験と40℃・90%の常温高湿度
1週間放置試験を行った結果、前記表2に示すように、
シワが発生し、失透してしまった。このように、本比較
例のエネルギー硬化性樹脂2上に形成した光学薄膜3
は、全応力が圧縮応力となっているので、高温、高湿度
の環境下において、樹脂2の可撓性が高く、変形し易く
なった際、シワ状の変形が生じる。なお、本比較例の光
学薄膜3の分光反射率特性を図5に示す。
【0057】[比較例2]比較例2は、実施例1と同様
なガラス1とエネルギー硬化性樹脂層2とからなる複合
型光学部品を用い、エネルギー硬化性樹脂層2の表面に
光学薄膜3を形成した。本比較例の光学薄膜3も実施例
1と同様、反射防止膜として機能するものである。
なガラス1とエネルギー硬化性樹脂層2とからなる複合
型光学部品を用い、エネルギー硬化性樹脂層2の表面に
光学薄膜3を形成した。本比較例の光学薄膜3も実施例
1と同様、反射防止膜として機能するものである。
【0058】以下、本比較例の光学薄膜3の形成方法を
説明する。まず、実施例1と同様に、複合型光学部品を
真空蒸着装置にセットし、基板の加熱をせずに真空チャ
ンバー内を真空に排気した。その後、蒸着材料として酸
化アルミニウム(Al2 O3 )を用い、電子線加熱蒸着
を行って、Al2 O3 からなる屈折率n=1.62、光
学的膜厚nd=130nmの第1層をエネルギー硬化性
樹脂層2の上に形成する。次に、蒸着材料としてZrO
2 を用い、電子線加熱蒸着を行って、ZrO2 からなる
屈折率n=1.95、光学的膜厚nd=260nmの第
2層を第1層の上に形成する。次に、蒸着材料としてS
iO2 を用い、電子線加熱蒸着を行って、SiO2 から
なる屈折率n=1.46、光学的膜厚nd=130nm
の第3層を第2層の上に形成する。以上のような工程に
より、本比較例の3層構造からなる光学薄膜3が製造さ
れる。本比較例の光学薄膜3の構成を表6に示す。
説明する。まず、実施例1と同様に、複合型光学部品を
真空蒸着装置にセットし、基板の加熱をせずに真空チャ
ンバー内を真空に排気した。その後、蒸着材料として酸
化アルミニウム(Al2 O3 )を用い、電子線加熱蒸着
を行って、Al2 O3 からなる屈折率n=1.62、光
学的膜厚nd=130nmの第1層をエネルギー硬化性
樹脂層2の上に形成する。次に、蒸着材料としてZrO
2 を用い、電子線加熱蒸着を行って、ZrO2 からなる
屈折率n=1.95、光学的膜厚nd=260nmの第
2層を第1層の上に形成する。次に、蒸着材料としてS
iO2 を用い、電子線加熱蒸着を行って、SiO2 から
なる屈折率n=1.46、光学的膜厚nd=130nm
の第3層を第2層の上に形成する。以上のような工程に
より、本比較例の3層構造からなる光学薄膜3が製造さ
れる。本比較例の光学薄膜3の構成を表6に示す。
【0059】
【表6】
【0060】本比較例の光学薄膜3を構成するAl2 O
3 、SiO2 およびZrO2 の単層膜を厚さ500μm
のSiウェハーにそれぞれ蒸着した後、Siウェハーの
反り量を測定することにより、各膜層に生ずる応力を求
めたところ、Al2 O3 は+4.00×107 Pa、S
iO2 は実施例1と同様に−1.45×108 Pa、Z
rO2 は実施例1と同様に+1.60×108 Paであ
った。
3 、SiO2 およびZrO2 の単層膜を厚さ500μm
のSiウェハーにそれぞれ蒸着した後、Siウェハーの
反り量を測定することにより、各膜層に生ずる応力を求
めたところ、Al2 O3 は+4.00×107 Pa、S
iO2 は実施例1と同様に−1.45×108 Pa、Z
rO2 は実施例1と同様に+1.60×108 Paであ
った。
【0061】その結果から、光学薄膜3の各層の全応力
(膜厚×応力)は表6のように計算され、光学薄膜3全
体の全応力の総和は+11.52Pa・mであった。こ
のように、本比較例の光学薄膜3全体の全応力は10P
a・mより大きい引張応力であった。
(膜厚×応力)は表6のように計算され、光学薄膜3全
体の全応力の総和は+11.52Pa・mであった。こ
のように、本比較例の光学薄膜3全体の全応力は10P
a・mより大きい引張応力であった。
【0062】本比較例のエネルギー硬化性樹脂への光学
薄膜3に対し、実施例1と同様、70℃・40%の高温
常湿度1週間放置試験と40℃・90%の常温高湿度1
週間放置試験を行った結果、前記表2に示すように、ク
ラックが発生した。このように、本比較例3のエネルギ
ー硬化性樹脂2上に形成した光学薄膜3は、全応力が1
0Paより大きい引張応力となっているので、高温の環
境下で樹脂2が膨張した際に光学薄膜3にクラックが発
生した。なお、本比較例の光学薄膜3の分光反射率特性
を図6に示す。
薄膜3に対し、実施例1と同様、70℃・40%の高温
常湿度1週間放置試験と40℃・90%の常温高湿度1
週間放置試験を行った結果、前記表2に示すように、ク
ラックが発生した。このように、本比較例3のエネルギ
ー硬化性樹脂2上に形成した光学薄膜3は、全応力が1
0Paより大きい引張応力となっているので、高温の環
境下で樹脂2が膨張した際に光学薄膜3にクラックが発
生した。なお、本比較例の光学薄膜3の分光反射率特性
を図6に示す。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1のエネ
ルギー硬化性樹脂の表面に形成した光学薄膜によれば、
全応力が多くても10Pa・m以下の引張応力なので、
高温、高湿度の環境下においてもシワ状の変形およびク
ラックが生じないような、エネルギー硬化性樹脂への光
学薄膜を提供することができる。
ルギー硬化性樹脂の表面に形成した光学薄膜によれば、
全応力が多くても10Pa・m以下の引張応力なので、
高温、高湿度の環境下においてもシワ状の変形およびク
ラックが生じないような、エネルギー硬化性樹脂への光
学薄膜を提供することができる。
【0064】本発明の請求項2のエネルギー硬化性樹脂
の表面に形成した光学薄膜は、請求項1において、少な
くともSiO2 を含む層と、少なくともTiO2 または
ZrO2 を含む層とを含んでいるので、容易に全応力を
多くても10Pa・m以下の引張応力にすることがで
き、高温、高湿度の環境下においてもシワ状の変形およ
びクラックが生じないような、エネルギー硬化性樹脂へ
の光学薄膜を提供することができる。
の表面に形成した光学薄膜は、請求項1において、少な
くともSiO2 を含む層と、少なくともTiO2 または
ZrO2 を含む層とを含んでいるので、容易に全応力を
多くても10Pa・m以下の引張応力にすることがで
き、高温、高湿度の環境下においてもシワ状の変形およ
びクラックが生じないような、エネルギー硬化性樹脂へ
の光学薄膜を提供することができる。
【0065】本発明の請求項3のエネルギー硬化性樹脂
の表面に光学薄膜を製造する方法は、少なくとも圧縮応
力を有する層と、引張応力を有する層とを積層すること
により、この光学薄膜の全応力を多くても10Pa・m
以下の引張応力に制御しているので、高温、高湿度の環
境下においてもシワ状の変形およびクラックが生じない
ような、エネルギー硬化性樹脂への光学薄膜の製造方法
を提供することができる。
の表面に光学薄膜を製造する方法は、少なくとも圧縮応
力を有する層と、引張応力を有する層とを積層すること
により、この光学薄膜の全応力を多くても10Pa・m
以下の引張応力に制御しているので、高温、高湿度の環
境下においてもシワ状の変形およびクラックが生じない
ような、エネルギー硬化性樹脂への光学薄膜の製造方法
を提供することができる。
【0066】本発明の請求項4のエネルギー硬化性樹脂
の表面に光学薄膜を製造する方法は、請求項3におい
て、圧縮応力を有する層が少なくともSiO2 を含み、
引張応力を有する層が少なくともTiO2 またはZrO
2 を含んでいるので、容易に全応力を多くても10Pa
・m以下の引張応力に制御することができ、高温、高湿
度の環境下においてもシワ状の変形およびクラックが生
じないような、エネルギー硬化性樹脂への光学薄膜の製
造方法を提供することできる。
の表面に光学薄膜を製造する方法は、請求項3におい
て、圧縮応力を有する層が少なくともSiO2 を含み、
引張応力を有する層が少なくともTiO2 またはZrO
2 を含んでいるので、容易に全応力を多くても10Pa
・m以下の引張応力に制御することができ、高温、高湿
度の環境下においてもシワ状の変形およびクラックが生
じないような、エネルギー硬化性樹脂への光学薄膜の製
造方法を提供することできる。
【図1】本発明の各実施例におけるエネルギー硬化性樹
脂の表面に形成した光学薄膜を示す図である。
脂の表面に形成した光学薄膜を示す図である。
【図2】本発明の実施例1の光学薄膜の分光反射率特性
を示す図である。
を示す図である。
【図3】本発明の実施例2の光学薄膜の分光反射率特性
を示す図である。
を示す図である。
【図4】本発明の実施例3の光学薄膜の分光反射率特性
を示す図である。
を示す図である。
【図5】比較例1の光学薄膜の分光反射率特性を示す図
である。
である。
【図6】比較例2の光学薄膜の分光反射率特性を示す図
である。
である。
1 ガラス 2 エネルギー硬化性樹脂 3 光学薄膜
Claims (4)
- 【請求項1】 エネルギー硬化性樹脂の表面に形成され
る光学薄膜において、この光学薄膜の全応力(応力×膜
厚)が多くても10Pa・m以下の引張応力であること
を特徴とする光学薄膜。 - 【請求項2】 光学薄膜が、少なくとも二酸化ケイ素
(SiO2 )を含む層と、少なくとも酸化チタン(Ti
O2 )または酸化ジルコニウム(ZrO2 )を含む層と
を含んでいることを特徴とする請求項1記載の光学薄
膜。 - 【請求項3】 エネルギー硬化性樹脂の表面に光学薄膜
を形成する方法において、少なくとも圧縮応力を有する
層と引張応力を有する層とを積層して光学薄膜を形成
し、この光学薄膜の全応力を多くても10Pa・m以下
の引張応力に制御することを特徴とする光学薄膜の製造
方法。 - 【請求項4】 圧縮応力を有する層が少なくとも二酸化
ケイ素(SiO2 )を含み、引張応力を有する層が少な
くとも酸化チタン(TiO2 )または酸化ジルコニウム
(ZrO2 )を含むことを特徴とする請求項3記載の光
学薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6311788A JPH08166501A (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 光学薄膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6311788A JPH08166501A (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 光学薄膜およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08166501A true JPH08166501A (ja) | 1996-06-25 |
Family
ID=18021471
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6311788A Pending JPH08166501A (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 光学薄膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08166501A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002082209A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-22 | Olympus Optical Co Ltd | 複合光学部品 |
| JP2019066600A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | Hoya株式会社 | プラスチックレンズ及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-12-15 JP JP6311788A patent/JPH08166501A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002082209A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-22 | Olympus Optical Co Ltd | 複合光学部品 |
| JP2019066600A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | Hoya株式会社 | プラスチックレンズ及びその製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20031224 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040223 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040330 |