JPH08169920A - 分岐状ポリスチレンを含有する樹脂組成物 - Google Patents

分岐状ポリスチレンを含有する樹脂組成物

Info

Publication number
JPH08169920A
JPH08169920A JP31599394A JP31599394A JPH08169920A JP H08169920 A JPH08169920 A JP H08169920A JP 31599394 A JP31599394 A JP 31599394A JP 31599394 A JP31599394 A JP 31599394A JP H08169920 A JPH08169920 A JP H08169920A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
branched
molecular weight
vinyl aromatic
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP31599394A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuyoshi Mizushiro
堅 水城
Atsushi Shichizawa
淳 七澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP31599394A priority Critical patent/JPH08169920A/ja
Publication of JPH08169920A publication Critical patent/JPH08169920A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ゴム変性ビニル芳香族重合体の連続相を構成
する樹脂のGPC光散乱で測定した重量平均分子量Mw
が8×104 〜50×104 の範囲にあり、該樹脂の特
定の式で定義される最長緩和時間τ1 と該樹脂のMwに
対応する直鎖状のポリマーの最長緩和時間τ0 の比が
0.01<τ1 /τ0 <0.92の範囲にあることを特
徴とする分岐状樹脂を含有するゴム変性ビニル芳香族重
合体組成物。 【効果】 本発明のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物は
耐衝撃強度、デュポン強度のような実用強度に優れ、加
えて流動性にすぐれる樹脂組成物を与える。このため本
発明の樹脂組成物は大型成形用素材として有用であり、
工業的価値の高いものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐衝撃強さと流
動性のバランスを有し、複雑な形状を有する成形品や大
型成形品の成形に適するゴム変性ビニル芳香族樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】HIPSに代表されるゴム変性ポリスチ
レンは安価であり、加工性にすぐれ、耐衝撃強度、電気
絶縁性にすぐれるために家電製品、事務機器、工業部
品、日用雑貨などきわめて多岐にわたる分野で使用され
ている。最近これらの分野において成形品が薄肉化、大
型化の傾向がありこのため以前にも増して耐衝撃強度、
剛性、流動性が求められている。
【0003】一般に、このゴム変性ポリスチレンは、ゴ
ム状重合体の存在下スチレンをラジカル重合することに
よって得られる。この様にして得られたゴム変性ポリス
チレンは線状(リニアー型)のポリスチレンで構成され
る樹脂連続相に、ゴム状重合体が分散相として存在する
形態を成している。
【0004】周知のごとく、ゴム変性ポリスチレンの耐
衝撃強度を高めるためには、樹脂組成物中のゴム状重合
体の含量を上げることが有効であるが、その反面、剛
性、流動性が低下するという問題があった。このためゴ
ム変性ポリスチレンの耐衝撃強度と剛性のバランスと流
動性を高めるために、出来るだけ少量のゴム状重合体を
用いて高い耐衝撃性を付与することが肝要であり、一定
のゴム状重合体含有量のもとで耐衝撃性と流動性のバラ
ンスを一層高めるための手法が求められている。又、耐
衝撃性と流動性のバランスをより高めるために連続相の
ポリスチレン部分の分子量や分子量分布を制御する手法
も種々検討されているが未だに満足する効果は得られて
いない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゴム変性ビ
ニル芳香族樹脂の耐衝撃強度と剛性を損なう事なく、流
動性を一層高めたゴム変性ビニル芳香族組成物を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この様な状況に鑑み鋭意
検討を重ねた結果、本発明者等はゴム変性ビニル芳香族
重合体において、その連続相を構成するビニル芳香族重
合がその分子量と緩和時間の関係で特定の範囲を満足す
る場合に限り耐衝撃性と流動性のバランスが著しく高い
ものとなることを見いだし本発明に到達した。緩和時間
と粘度は比例関係にあるために上記事柄は連続相を構成
するビニル芳香族重合体の分子量と粘度の関係が従来の
直鎖状のビニル芳香族とは異なるある特定範囲を満足す
る場合に限り耐衝撃強度と流動性のバランスが著しく高
いものになる事を意味しているとも言い替えることがで
きる。
【0007】ゴム変性ビニル芳香族重合体において、そ
の連続相を構成する成分中に特定の分岐構造を有するビ
ニル芳香族重合体成分を導入することにより本発明の範
囲の分子量と緩和時間の関係が達成される。連続相を成
すビニル芳香族重合体の分子量と緩和時間の関係が上記
範囲を外れると、すなわち分子量に対する緩和時間が長
すぎても又短すぎても耐衝撃強度と流動性のバランスが
崩れ本発明の効果を達成できない。
【0008】本発明のゴム変性ビニル芳香族重合体の連
続相を成す分岐状樹脂を含有するビニル芳香族重合体の
最長緩和時間τ1 とその連続相と同一分子量における直
鎖状ポリマーの最長緩和時間τ0 の比(τ1 /τ0 )は
0.01を超えて0.92未満である。更に好ましくは
0.012以上0.82以下である。τ1 /τ0 値の下
限である0.01は連続相樹脂が8分岐ポリマーで構成
される場合につき求めたものである。8分岐ポリマーよ
り分岐度が大きい場合にはτ1 /τ0 値は0.01より
小となるが分子間の絡みが減少するためか樹脂が脆くな
り耐衝撃強度が低下する傾向が認められる。τ1 /τ0
値の上限の0.92は連続相樹脂が3分岐ポリマー/リ
ニアーポリマー=1/9で構成される場合につき求めた
ものである。τ1 /τ0 値が0.92より大となると連
続相がリニアーポリマーだけで構成される場合との差異
が認め難くなる。
【0009】本発明に用いる分岐状ビニル芳香族化合物
とは多官能化合物残基またはポリビニル芳香族化合物残
基を中心にビニル芳香族重合がn本結合した星状分岐構
造を有するビニル芳香族重合体である。ここで多官能化
合物残基またはポリビニル化合物残基の基体化合物は分
子量がおよそ2000以下の比較的低分子量化合物であ
る。また分岐重合体の本数nとしては3〜8である。
【0010】分岐状ビニル芳香族重合体は、例えば3分
岐ビニル芳香族重合と4分岐ビニル芳香族重合体のよう
に分岐数の異なるビニル芳香族重合体の混合物であって
もよい。更に本発明のτ1 /τ0 値の範囲を満たしさえ
すれば枝の長さは互いに等しくとも等しくなくともかま
わない。また分岐状ビニル芳香族重合体の1本の枝の長
さの平均重量分子量は1万以上好ましくは2万以上であ
る。分岐状ビニル芳香族重合体の1本の枝の平均の重量
平均分子量が1万に満たない場合には分子間の絡み合い
が十分でないためかゴム変性ビニル芳香族重合体の耐衝
撃強度の向上が十分でない。上記分岐状ビニル芳香族重
合体の重量平均分子量は8万〜50万の範囲にあること
が好ましい。更に好ましくは10万〜30万である。
【0011】上記分岐状ビニル芳香族重合体の重量平均
分子量が8万に満たない場合にはゴム変性ビニル芳香族
重合体の耐衝撃強度が十分でなく、50万を超える場合
には流動性が十分でない。また上記分岐状ビニル芳香族
重合体の重量平均分子量と数平均分子量の比は1.0〜
3.0の範囲にあることが好ましい。後述するように分
岐状ビニル芳香族重合体の重量平均分子量と数平均分子
量の比は重合方法による違いで分子量分布の狭いものは
アニオン重合によって得られやすくまたラジカル重合で
は比較的分子量分布の広いものが出来易い。
【0012】上記にいう分岐状ビニル芳香族重合体を得
るためのビニル芳香族単量体とは、分岐状ビニル芳香族
重合体をアニオン重合によって得る場合には、スチレン
のほかo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルス
チレン、p−tブチルスチレンなどの核置換アルキルス
チレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチル
スチレンなどのα−アルキル置換スチレンなどを挙げる
ことが出来るが、代表的なものとしてはスチレン単独も
しくはその一部をスチレン以外の上記ビニル芳香族単量
で置き換えた単量体混合物である。
【0013】また分岐状ビニル芳香族重合体をラジカル
重合によって得る場合には上記スチレン系単量体の他に
ジブロムスチレン、トリブロムスチレン、モノクロルス
チレン、ジクロルスチレン等の核ハロゲン置換スチレン
単量体類が挙げられる。更にスチレンと共重合可能な下
記のスチレン系単量体以外の単量体類を一部スチレン系
単量体に置き換えて用いることができる。それらの例と
してはアクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽
和ニトリル類、メタクリル酸、アクリル酸等のα,β−
不飽和カルボン酸類、メチルメタクリレート、ブチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のα,
β−不飽和カルボン酸エステル類、更に無水マレイン
酸、N−フェニルマレイミド等があげられる。
【0014】本発明の組成物に含有される分岐状ビニル
芳香族重合体はどのような作り方をしてもかまわない
が、例えばアニオン重合法において効率的につくること
が可能である。より具体的には前記ビニル芳香族単量体
を有機リチウム化合物を用いて炭化水素溶媒中で重合し
得られる活性な片末端ビニル芳香族重合体を多官能化合
物によりカップリング反応させることで得ることが出来
る。
【0015】上記方法の有機リチウム化合物としてはn
−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−
ブチルリチウム、iso−ブチルリチウム、sec−ブ
チルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリ
チウム等を挙げることが出来る。またカップリング反応
に用いられる多官能化合物は活性リチウム末端と反応し
て結合を形成し得る官能基を3〜8個有する低分子量化
合物である。これら低分子量化合物の例としてはポリハ
ロゲン化合物、ポリエポキシ化合物、ポリカルボン酸エ
ステル化合物、ポリケトン化合物、ポリカルボン酸無水
物などをあげることが出来る。
【0016】これら化合物の具体的な例を幾らか例示す
るとシリコンテトラクラロライド、ジ(トリクロロシリ
リル)エタン、1,3,5−トリブロモベンゼン、メチ
ルトリクロロ錫、エポキシ化大豆油、テトラグリシジル
1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、シュウ酸ジ
メチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、ピ
ロメリット酸テトラメチル、2,3−ジアセトニルシク
ロヘキサノン、ピロメリット酸二無水物などである。
【0017】上記アニオン重合法を実施するに際して、
前記リチウム化合物はビニル芳香族単量体に対して0.
05〜0.5重量部加えらえる。また上記の多官能化合
物は有機リチウムに対して0.5〜1.5倍当量添加し
て反応させる。反応はきわめて速やかに進行し、通常は
数分から数10分で完了する。上記反応の溶媒としては
シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエンな
どが用いられる。
【0018】上記のアニオン重合法に基ずき重合を行う
温度としては−30〜150℃の範囲で実施される。ま
た重合時間は炭化水素溶媒濃度や重合温度にもよるが通
常は数秒〜数時間である。これらの反応は回分式または
連続式のいずれも適用できるが回分式の方が分子量分布
の狭いものが得られ好ましい。
【0019】上記カップリング反応とは別にビニル芳香
族単量体を有機リチウム化合物を開始剤に用いて炭化水
素溶媒中で重合し、重合完結後リビングで存在する片末
端活性ビニル芳香族重合体を重合開始剤にして少量の多
官能ビニル芳香族単量体(例えばジビニルベンゼン)を
添加し重合することにより多分岐のビニル芳香族重合体
を合成することが可能である。
【0020】本方法においては重合開始剤として用いた
有機リチウム化合物に対する添加する多官能ビニル芳香
族単量体の割合はモル比で0.1〜1.0の範囲であ
る。この方法ではやや分子量分布の広い多分岐の実質的
には星型ポリマーに近い分岐ポリマーを合成することが
出来る。
【0021】本発明に用いられる分岐状ビニル芳香族重
合体はラジカル重合法によっても合成することが出来
る。Makromol.chem.178,1427〜
1473,(1977)には多官能連鎖移動剤(多官能
メルカプタン)を用いるポリスチレンの分岐ポリマーの
合成方法に関する記載がある。本発明者等は特願平06
−067403において多官能メルカプタンと多官能パ
ーオキサイドを併用することにより分岐ポリマー濃度の
高いスチレン系重合体を製造する方法につき出願した。
【0022】多官能メルカプタン化合物を用いてラジカ
ル重合で分岐状ビニル芳香族重合体を製造するにはビニ
ル芳香族単量体の塊状重合、エマルジョン重合もしくは
サスペンジョン重合等のラジカル重合系に多官能メルカ
プタンを導入することで成される。例えば開始剤を用い
る塊状重合ではビニル芳香族単量体に対して有機過酸化
物50〜1000ppm、有機過酸化物に対して多官能
メルカプタン化合物をモル比で1.0〜0.1の範囲で
添加する。この際エチルベンゼンのような溶媒をビニル
芳香族単量体に対して10〜30%程度使用するのが重
合後半の粘度上昇を抑える上で好ましい。
【0023】重合は常法に従い用いる開始剤の半減期温
度によって重合温度60〜150℃の範囲で実施され
る。分岐状ビニル芳香族重合体を効率良く得るためにビ
ニル芳香族単量体の反応率を80%以上に高め、更に十
分撹拌することが重要である。多官能メルカプタンの1
つのSH基にポリマー鎖が生成するとその立体障害で残
りのSH基にポリマー鎖が生成しにくくなるためであ
る。
【0024】かくして得られた分岐状重合体(B)を、
後記する公知のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物(A)
と配合することにより、本発明のゴム変性芳香族樹脂組
成物(C)が得られる。なおゴム変性ビニル芳香族樹脂
組成物(A)中のゴム状重合体含有量が、上記(B)成
分により希釈されることになるために上記(A)成分中
のゴム状重合体含量をあらかじめ高含量にしておくこと
が肝要である。目的とするゴム変性ビニル芳香族樹脂組
成物(C)の耐衝撃強度、剛性にもよるが(A)成分中
のゴム状重合体の含有量は一般には6〜30重量%の範
囲である。
【0025】上記に言う公知のゴム変性ビニル芳香族樹
脂組成物(A)は、ゴム状重合体の存在下に、スチレン
や、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキル
置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−
メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン、ジブ
ロムスチレン、トリブロムスチレン、モノクロロスチレ
ン、ジクロロスチレンなどの核ハロゲン置換スチレンな
どの単独もしくは2種以上のビニル芳香族単量体を重合
して得られる、線状(リニアー型)ビニル芳香族重合体
の成す連続相中にゴム状重合体が分散粒子として存在す
る樹脂組成物を言う。
【0026】代表的なものとしては、HIPSとして知
られるゴム変性ポリスチレンの他、ポリスチレン相のス
チレン単位を上記のスチレン以外の他のビニル芳香族単
量体単位で置き換えたゴム変性スチレン系樹脂組成物を
挙げることができる。本発明の目的からは、(B)成分
の分岐状ビニル芳香族重合体と(A)成分の連続相を成
すビニル芳香族重合体は、同一のビニル芳香族単量体か
らなっていることが好ましい。
【0027】上記のゴム状重合体とは、そのガラス転移
温度が−30℃以下のものを言う。具体例としてポリブ
タジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などのジ
エン系重合体、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(E
PDM)、アクリルゴム、シリコーンゴムなどを挙げる
ことが出来る。またポリプタジエンゴムとしては、ハイ
シスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム
ともに好適に用いることが出来る。さらに上記のポリブ
タジエンゴム、SBR、NBRはその不飽和2重結合の
一部または全量を水素添加したものも用いられる。
【0028】上記(A)成分の調整は一般には、前記の
ビニル芳香族単量体を、上記ゴム状重合体の存在下に、
塊状、塊状・懸濁、または乳化重合条件下にラジカル重
合することにより得られるが、塊状または塊状・懸濁重
合による方法が経済性に優れる。塊状重合によりゴム状
重合体含量を15%以上とする場合は、重合後期の系粘
度が高くなり過ぎて反応制御が困難となる。他方、塊状
・懸濁重合による方法は、重合後期は、懸濁重合になる
ので、重合後期の高粘度の問題は回避できるものの、重
合前期のゴム状重合体を粒子化するまでは塊状重合とな
るため、ゴム状重合体の含量を30重量%以上とするこ
とは困難である。なお、塊状重合による場合、少量の不
活性溶媒、例えばエチルベンゼンやトルエンを加えても
良い。
【0029】上記の各方法により、ゴム状重合体の存在
下にビニル芳香族単量体を重合することにより、ゴム状
重合体粒子の周囲にビニル芳香族単量体の一部がグラフ
トし、かつゴム状重合体粒子の内部に一部のビニル芳香
族重合体の粒子が包含された構造の分散相が形成され
る。分散相には上記のグラフト成分および内包ビニル芳
香族重合体成分が含まれるため、ゴム変性ビニル芳香族
樹脂組成物中の分散相重量は、ゴム状重合体重量より高
くなる。
【0030】ゴム状重合体重量に対する分散相重量の比
は、塊状または、塊状・懸濁重合方法では、一般におよ
そ1.5〜3.5、乳化重合方法ではおよそ1.5〜
2.5の範囲の値をとる。分散相はゴム変性ビニル芳香
族樹脂組成物の連続相を構成するビニル芳香族重合体の
良溶媒、例えばメチルエチルケトンに溶解し、遠心分離
操作を施すことにより、分別採取することができる。な
お上記(A)成分の連続相を構成するビニル芳香族重合
体の重量平均分子量は、定法に従い15〜30万の範囲
のものであれば良いが、本発明の目的の上からは15〜
20万の範囲にあるものが、最終的に得られる樹脂組成
物の衝撃強度と流動性のバランスが一段と優れたものと
なり、より好ましい。
【0031】さらに(A)成分のゴム状重合体の成す分
散相の平均粒子径は、定法に従い、0.1〜4.0μm
の範囲に調整される。より好ましい粒子径の範囲は、
0.4〜3.0μmの範囲が好ましく、また0.1〜
0.6μmの小粒子成分と1.0〜4.0μmの大粒子
成分よりなる2峰分布性のものであっても良い。
【0032】また分散相粒子の架橋度の目安となるトル
エンに対する膨潤指数(Swelling Inde
x,スウェリング インデックス)は6〜14の範囲に
調整される。分岐状ビニル芳香族重合体(B)と上記ゴ
ム変性ビニル芳香族樹脂(A)を混合することで(B)
成分のビニル芳香族重合体と(A)成分の連続相のビニ
ル芳香族重合体とは均一に混合し最終的に得られるゴム
変性ビニル芳香族重合体組成物(C)の連続相を形成す
る。この際(A)成分と(B)成分の配合割合は最終的
に得られるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物(C)の連
続相中の(B)成分の比率が10重量%以上であるよう
にする。ゴム変性ビニル芳香族組成物(C)の連続相中
の(B)成分の比率が増加するに従って同一平均分子量
であっても流動性が増加する。このことは流動性を一定
にして樹脂連続相の分子量を高める事が可能であり、高
強度の樹脂組成物を提供することが出来ることを意味す
る。
【0033】(A)成分中のゴム状重合体含量は、
(B)成分により希釈される事になるためにそのゴム状
重合体含量は、ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物(C)
中のゴム状重合体含量が所望のレベルになるよう(普通
3〜15重量%)に(A)成分中のゴム状重合体量が調
整される。かくして流動性と耐衝撃強度に優れる本発明
の樹脂組成物が得られる。(A)成分と(B)成分の混
合は、周知の装置例えば、ニーダー、バンバリーミキサ
ー、単軸または二軸押出し機等にて溶融混練される。ま
た重合を終了した(B)成分を含んだ液と塊状重合途中
(A)成分の液を混合し、引き続き(A)成分の重合を
所望の時間継続し、重合体を回収する方法を採用するこ
とも出来る。
【0034】ゴム変性ビニル芳香族重合体組成物には必
要に応じて、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、ポリジメ
チルシロキサン、ヒンダードフェノールなどの安定剤、
顔料、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を添加すること
が出来る。次に本発明で用いられる分岐状ビニル芳香族
重合体成分の解析方法につき言及する。本発明の分岐状
ビニル芳香族重合体成分の解析ではGPC光散乱法(G
PC−LALLS法)と粘弾性測定を併用することで実
施する。
【0035】従来スチレン樹脂の分子量測定において、
一般的に用いられている解析方法はゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィーによりスチレン樹脂を分子サイズ
により分別し、濃度検出器例えば示差屈折率検出器を用
いてスチレン樹脂濃度を検出し、一方アニオン重合によ
り製造した単分散ポリスチレンを用いて作成した溶出時
間と分子量の関係の検量線に基ずき計算される分子量で
ある。分岐を有するポリマーはGPC溶媒中で分子鎖が
丸まりやすく、この結果GPCの示差屈折率検出器で測
定した分子量は実際の分子量より小さい測定値を与える
ために本発明の解析方法としては不適である。
【0036】本発明で用いられるGPC−光散乱法とは
液体に光をあてると溶液中に溶質があると溶媒の熱運動
で液体の散乱光に乱れを生じ、ゆらぎが生じる。このゆ
らぎは溶質分子の熱運動が原因で溶質分子が高分子程ゆ
らぎが大となる。希薄溶液でのこのゆらぎの程度を観察
して分子の大きさを測定するのが光散乱法による分子量
測定の原理である。
【0037】分岐ポリマーがGPC溶媒中で丸まりやす
く遅く流出するために実際より小さい分子量を与えると
いう問題の解決には示差屈折率検出器と光散乱検出器を
組み合わせて使用することでなされる。すなわちGPC
により分子サイズで分別した分子の示差屈折率検出器
(RI)と光散乱検出器(LALLS)で検出されるク
ロマトグラムのベースラインからの高さをhRI及びhLS
とするとそれぞれhRI=K1 1 ,hLS=K2 R(θ)
=K2 KCiMi(Ci,Miはi番目の溶出の濃度と
分子量)となる。比をとるとhRI/hLS=(K1 /K2
K)Miとなり(K1 /K2 K)は装置及び溶媒固有の
定数となり分子量既知の標準サンプルで決定でき従来の
検量線が不要となる。GPC−LALLS法では分子サ
イズに影響されず同じ分子量であれば溶出位置が異なっ
ていても両者は同一応答比となり分子量が同じであるこ
とを示す。
【0038】次に本発明の解析に用いられる粘弾性の測
定につき記載する。粘弾性の測定とは高分子の歪または
応力に対する応答により、分子の状態や分子の内部活動
を明らかにする解析方法である。ポリマーに応力をかけ
ると変形するがその応力を緩和しようとする。この応力
緩和の過程でポリマー連鎖は応力の少ない位置に移る。
粘弾性テストは応力または歪に対するポリマーの応答と
その分子様式を直結するために分子量,分子量分布,連
鎖と分岐およびポリマー加工時の挙動などの情報を得る
ことが出来る。無定形ポリマーの粘弾性測定で貯蔵弾性
率G’の周波数掃引で臨界分子量MC 以上のサンプルで
は低周波数側の流動域からゴム状平坦域を経て転移域に
至る一連の過程でサンプルの分子量が大な程ゴム状平坦
域が長くかつ流動域の現れる周波数は低周波数側に移行
する。流動域の性質は次式の最長緩和時間τにより支配
される。
【0039】
【数2】 (M:分子量、η0 :ゼロせん断粘度、ρ:密度、R:
気体定数)。
【0040】上式においてMがMC 以上の領域ではη0
はM3.4 に比例することが知られていて結局τとMの両
対数グラフでは勾配4.4に近い直線が得られる。一方
星型ポリスチレンの粘弾性はリニアーなポリマーのそれ
に比較して緩和時間が短くなるためにあたかも低分子量
的な挙動をとる。分岐状ポリスチレンを含有するマトリ
ックス樹脂のGPC−光散乱法によって求められる重量
平均分子量Mw及びその樹脂の粘弾性測定で求められる
ゼロせん断粘度から計算されるτの対数値により両対数
グラフ上で決まる点は直鎖状の任意の2つの分子量のポ
リスチレンのMwとτの両対数値で作られる直線の下方
に位置する。
【0041】分岐状ポリマーを含む樹脂の重量平均分子
量と最長緩和時間は両対数グラフで直線となり、その傾
きは直鎖状樹脂のそれと同一であるが分岐状ポリマーを
含む樹脂はその分岐数が増加するほど又は直鎖状ポリマ
ーに対する分岐ポリマーの濃度が高くなるほど直鎖状ポ
リマーと同一分子量で比較して最長緩和時間が短くなる
ために、分岐状ポリマーを含む樹脂の直線は直鎖状ポリ
マーの直線から平行に下方にずれていくことになる。
【0042】本発明の範囲はアニオン重合で合成したリ
ニアーなポリスチレンとそれと同程度のMwを有するア
ニオン重合3分岐ポリマー(3分岐ポリマーは分岐ポリ
マー中最もリニアーポリマーに近い最長緩和時間を与え
る。)の9/1のブレンド物についてのMwとτ1 の対
数値で決まる点を通り上記直鎖状ポリスチレンの直線に
平行に引かれる直線の下方で8分岐ポリマーについて求
めたMwとτ1 の対数値で決まる点を通って上記直鎖状
ポリスチレンについての直線に平行に引かれる直線の上
方でかつMwが8×104 から50×104 の範囲でか
こまれる領域である(図2)。
【0043】
【実施例】以下、実施例、比較例、参考例で本発明を説
明する。
【0044】参考例1(ゴム変性ポリスチレンA1の調
整) ポリブタジエン(日本ゼオン(株)製、ニポール122
0SL)をスチレンに溶解し、次いでエチルベンゼン及
び、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートの
少量を加え、最終的に下記の組成より成る重合原液を調
整した。(単位は重量部数) ・ポリブタジエン 9.8 ・スチレン 76.8 ・エチルベンゼン 13.0 ・t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート 0.04 ・α−メチルスチレン2量体 0.02 ・ポリジメチルシロキサン 0.10
【0045】上記の重合原液を、各々の内容積が6.2
リットルの撹拌機付きの3槽式反応機に2.2リットル
/HRにて連続的に送液した。第一槽反応機出口の固形
分濃度が38重量%となるように反応機内温度を制御し
た。同時に最終槽反応機出口の固形分濃度が80重量%
となるように反応機内温度を調整した。次いで230
℃、真空下の脱揮装置に送り込み、未反応のスチレン及
びエチルベンゼンを除去し、押出機にて造粒しペレット
状のゴム変性ポリスチレン、A1を得た。A1中のポリ
ブタジエンの割合は、12.3重量%であった。
【0046】次いで、A1のメチルエチルケトン不溶分
より求めた分散相重量は30重量%であり、連続相重量
は70重量%であった。またメチルエチルケトン可溶分
のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求め
た連続相の重量平均分子量及び数平均分子量は各々2
2.0万、8.1万であった。なお分散相の、平均粒子
径は1.5μmであり、トルエンに対する膨潤指数は
9.5であった。
【0047】参考例2(分岐状ポリスチレンB1〜B2
の調整) オートクレーブにスチレン7.0kg,シクロヘキサン
35kgを仕込、内温を40℃にコントロールした。つ
いでn−ブチルリチウム12.6gを含有する10%シ
クロヘキサン溶液を打ち込み反応を開始した。5分後内
温は80℃に上昇した。反応液を少量採取し、メタノー
ル中で沈殿させ、反応を停止させた。この時点での重合
体の重量平均分子量は5.4万、数平均分子量は5.2
万であった。
【0048】次いでテトラグリシジル1,3−ビスアミ
ノメチルシクロヘキサン(以下TEDと略称する。)を
16g添加し、カップリング反応を実施した。20分間
撹拌後反応液を多量のメタノール中に取り出しポリマー
を沈殿させた分岐状ポリスチレン、B1を回収した。B
1の重量平均分子量は13.7万、数平均分子量は1
1.0万であった。GPCは図1に示した。TEDによ
りカップリングした大部分の高分子量カップリングポリ
マーと一部未カップリングの低分子量成分の2山であっ
た。高分子成分の重量平均分子量は15.5万であり、
低分子量成分の重量平均分子量は5.4万であったこと
からTEDにより、3分岐構造のポリマーが生成したこ
とを確認した。なお4官能性のTEDにより、3分岐ポ
リマーが形成される理由は、立体障害で4番目のエポキ
シ基に末端活性ポリスチレンが反応しにくいためと考え
られる。また高分子量成分と低分子量成分のクロマトグ
ラムの面積から3分岐ポリマーの成分の含有量は87重
量%であった。同様にして一部重量条件を変えて3分岐
ポリマーB2を得た。分岐結果及びメルトフローレート
を表1に示す。
【0049】参考例3(4分岐状ポリスチレンB3,B
4の合成) オートクレーブにシクロヘキサン6.0kg,スチレン
モノマー1.0kgを仕込、内温を40℃にコントロー
ルした。次いでn−ブチルリチウム1.57gを含有す
る10%シクロヘキサン溶液を打ち込み重合を開始し
た。5分後内温は86℃に上昇した。反応液の一部を採
取し、メタノールで沈殿させてカップリング前のポリマ
ーサンプルとした。このものの重量平均分子量は6.7
4万であった。20分撹拌後ジ(トリクロロシリリル)
エタン0.82gを含有する20%シクロヘキサン溶液
を添加した。20分反応させた後反応液をメタノール中
に取り出し分岐ポリスチレンB3を回収した。このもの
の重量平均分子量は27.20であり未カップリングは
痕跡であった。このもののMw/Mnは1.05であり
単分散に近い4分岐ポリマーであった。
【0050】B3のポリマー合成と同様に6kgのシク
ロヘキサン、1.0kgのスチレンモノマーを仕込、n
−ブチルリチウムの仕込量を1.5倍にして反応させ、
カップリング剤としてジ(トリクロロシリリル)エタン
1.10gをカップリング剤として用いて反応させた。
同様に処理してカップリング前重量平均分子量4.94
万、カップリング後重量平均分子量20.20万の分岐
ポリマーB4を得た。カップリング剤として使用したジ
(トリクロロシリリル)エタンは6官能カップリング剤
であるがTEDの場合と同様に立体障害のために4分岐
以上にはならなかった。
【0051】参考例4(多分岐ポリスチレンB5,B
6、7分岐、10分岐ポリマー) オートクレーブにシクロヘキサン6kg、スチレンモノ
マー1.0kgを仕込み、n−ブチルリチウム2.29
gで重合した。発熱が終了後分岐化剤としてp−ジビニ
ルベンゼン4.2gを添加して20分撹拌した。反応終
了後多量のメタノールに反応液を投入して失活させ分岐
ポリマーB5を得た。GPCの解析でカップリング前ポ
リマーの重量平均分子量4.12万、分岐化反応後のポ
リマーの重量平均分子量30.1万であり、6分岐、7
分岐ポリマー及び8分岐の混合物主体の平均7.3分岐
ポリマーであった。前例と同様にして分岐化剤のp−ジ
ビニルベンゼンの添加量のみを8.4gと2倍にして反
応させた。このものの重量平均分子量はカップリング前
4.2万、カップリング後42.3万であり平均10分
岐ポリマーであった。
【0052】参考例5(多分岐3分岐状及び4分岐状ポ
リスチレンB7,B8の合成) カイ型撹拌機を備えたオートクレーブに下記組成の反応
液を6kg仕込、重合温度を130℃の一定温度で10
0rpmで撹拌しながら7.5時間反応させた。最終反
応率は90.5%であった。反応物を窒素で加圧して静
的撹拌機を備えた脱揮タンクに導き予熱機は230℃に
して10torrで脱揮ペレタイズした。 スチレンモノマー 80 エチルベンゼン 20 ジターシャリーブチルパーオキサイド 500ppm トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート 450ppm(重量部) このもののGPC解析では重量平均分子量は19.5
万、Mw/Mnは2.08の3分岐ポリマー含有のポリ
スチレンであった。前例と同様にして多官能メルカプタ
ンをペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネー
ト420ppmにかえて重合を実施し、重量平均分子量
20.3万、Mw/Mn1.98の4分岐ポリマー含有
ポリスチレンB8を得た。
【0053】参考例6(リニアーな単分散ポリスチレン
L1,L2の調整) オートクレーブにシクロヘキサン6.0kg、スチレン
モノマー1.0kg仕込、内温を40℃にした。次いで
激しく撹拌しながら重合開始剤としてn−ブチルリチウ
ム0.52gを含有する20%シクロヘキサン溶液を打
ち込んだ。5分後内温は65℃に上昇した。発熱終了後
20分撹拌をつづけ次いで反応液を多量のメタノールに
あけてリニアーポリスチレンL1を得た。このものの重
量平均分子量Mwは20.50万であり、Mw/Mnは
1.02であった。同様にn−ブチルリチウムの添加量
のみ0.90gにしてMw13.2万、Mw/Mn=
1.08の単分散に近いリニアーなポリスチレンL2を
得た。
【0054】参考例7(リニアーポリスチレンL3,L
4の調整) ゴム変性ポリスチレンA1の調整に用いた3槽式反応機
に、スチレン、エチルベンゼンよりなる重合原液を連続
的に送液し、熱重合開始により、リニアー型ポリスチレ
ン、L3を得た。分析結果及びメルトフローレートの値
を表1に示す。他方、完全混合型反応機に、スチレン、
エチルベンゼン、α−メチルスチレン2量体、t−ブチ
ルパーオキシイソプロピルカーボネートよりなる重合原
液を連続的に送液し、リニアー型ポリスチレン、L4を
得た。分析結果及びメルトフローレートの値を表1に示
す。
【0055】参考例8(本発明の解析例) 本発明に用いる解析法を示すために下記の方法を実施し
た。文献(高分子のcharacterization
と物性)化学増刊43 化学同人1970記載のアニオ
ン重合ポリスチレンのlogη0 VS logDのグ
ラフより分子量とゼロせん断粘度を求めて下記式から最
長緩和時間τを計算した。
【0056】
【数3】
【0057】 (結果) M η0 (poise) τ(sec) 48500 1510 0.0012 117000 27000 0.0507 179000 108600 0.312 217000 210000 0.732 242000 316000 1.228 (R:8.31×107 cm.dyne/mol.℃,T:456°K,ρ: 1)
【0058】この結果をlogM VS logτ1
プロットすると図2に示される傾き4.36の直線にな
る。参考例6で合成した単分散ポリスチレンL1,L
2、GPC−LALLS分子量20.5万及び13.2
万の粘弾性測定により求めた183℃のゼロせん断粘度
は182300,27340poiseであった。これ
よりτを計算し両対数でプロットするとこの直線の完全
にのる事がわかる。また参考例2で作成した3分岐ポリ
スチレンB1(Mw:13.7万)のゼロせん断粘度は
5590poiseであった。これより計算される最長
緩和時間は0.0123secでありこの点は直鎖状ポ
リスチレンの直線にのらず下方に位置していることがわ
かる(図3)。
【0059】参考例9 参考例3で調整したジ(トリクロロシリリル)エタンカ
ップリングの4分岐ポリスチレンB4,B3(Mw:2
0.2万、27.2万)の粘弾性測定による183℃に
おけるゼロせん断粘度はそれぞれ12600ポイズ、3
4300ポイズであった。これより計算される183℃
の最長緩和時間は0.041sec、0.15secで
あり、重量平均分子量と最長緩和時間の両対数グラフは
直鎖状ポリマーのそれとほぼ平行であり下方にずれてい
る事がわかる。
【0060】また参考例6で調整したリニアーポリスチ
レンL2と参考例2で調整した3分岐ポリマーB1を9
/1の割合でブラベンダーを用いてブレンドした。この
もののGPC−LALLSによる重量平均分子量は1
3.4万であった。このものの183℃における粘弾性
測定によるゼロせん断粘度は38850poiseであ
り、これより求められる最長緩和時間τ1 は0.083
6secである。分子量13.4万におけるリニアーポ
リマーの直線上の最長緩和時間τ0 は0.0916であ
りτ1 /τ0 は0.912である。したがって分岐ポリ
マーのリニアーポリスチレンに対する割合が増加すると
τ1 /τ0 値はこれより小さい方向に動く。
【0061】参考例4で合成した7.3分岐ポリマー
(Mw30.1万)の粘弾性測定でのゼロせん断粘度は
7650poiseであり、これから求められる最長緩
和時間は0.037secである。30.1万における
リニアーポリマー上の最長緩和時間τ0 は3.04se
cであるためτ1 /τ0 値は0.012である。これよ
り分岐数が下がればこの値は大きくなることになる。
【0062】
【表1】
【0063】実施例、比較例 ゴム変性ポリスチレンA1及び参考例で合成したポリス
チレンを60/40の割合でブレンドし2軸押出し機を
用いて混練し、ペレット化し、ゴム変性ポリスチレン樹
脂組成物を調整した。ついで得られたゴム変性ポリスチ
レン樹脂組成物のペレットより射出成形機にて、220
℃の成形温度で試験片を作成し、物性及び解析を実施し
た。なお物性は下記の方法によった。アイゾット衝撃強
度(ノッチ付き):ASTM D256に準拠、曲げ弾
性率:ASTM D790に準拠、メルトフローレー
ト:ISO−R1133に準拠(200℃、5kg荷
重)、ビカット軟化点:ASTM D1525に準拠、
デュポン式ダート試験:射出成形した10cm×7cm
×2cmの平板試験片50枚を用いて一定荷重の先端曲
率6mmのミサイルを高さを変えて落下させ、試験片が
破壊する高さのエネルギーをもとめた(表2)。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】実施例、比較例で示したようにゴム変性
ビニル芳香族樹脂組成物の連続相が特定の分岐構造のビ
ニル芳香族重合体を含有する場合には耐衝撃強度、デュ
ポン強度のような実用強度に優れ、加えて流動性に優れ
る樹脂組成物を与える。このため本発明の樹脂組成物は
大型成形用素材として有用であり、工業的価値の高いも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例2(分岐状ポリスチレンB1)のGPC
【図2】分岐数の異なるポリスチレンの分子量と最長緩
和時間の関係の対数グラフ
【図3】直鎖状ポリスチレンと3分岐ポリスチレンとの
分子量と最長緩和時間の関係の対数グラフ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム変性ビニル芳香族重合体の連続相を
    構成する樹脂のGPC光散乱で測定した重量平均分子量
    Mwが8×104 〜50×104 の範囲にあり、該樹脂
    の下記式で定義される最長緩和時間τ1 と該樹脂のMw
    に対応する直鎖状ポリマーの最長緩和時間τ0 の比が
    0.01<τ1 /τ0 <0.92の範囲にあることを特
    徴とする分岐状樹脂を含有するゴム変性ビニル芳香族重
    合体組成物。 【数1】 (τ:最長緩和時間、 η0 :その樹脂のゼロせん断粘
    度、 Mw:その樹脂の重量平均分子量、 π:円周
    率、 ρ:温度Tにおけるその樹脂の密度、 R:気体
    定数)
JP31599394A 1994-10-17 1994-11-28 分岐状ポリスチレンを含有する樹脂組成物 Withdrawn JPH08169920A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31599394A JPH08169920A (ja) 1994-10-17 1994-11-28 分岐状ポリスチレンを含有する樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27553694 1994-10-17
JP6-275536 1994-10-17
JP31599394A JPH08169920A (ja) 1994-10-17 1994-11-28 分岐状ポリスチレンを含有する樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08169920A true JPH08169920A (ja) 1996-07-02

Family

ID=26551507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31599394A Withdrawn JPH08169920A (ja) 1994-10-17 1994-11-28 分岐状ポリスチレンを含有する樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08169920A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001139647A (ja) * 1999-08-31 2001-05-22 Nippon Soda Co Ltd 星型ブロックコポリマー
JP2010255008A (ja) * 1999-08-31 2010-11-11 Nippon Soda Co Ltd 星型ブロックコポリマー

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001139647A (ja) * 1999-08-31 2001-05-22 Nippon Soda Co Ltd 星型ブロックコポリマー
JP2010255008A (ja) * 1999-08-31 2010-11-11 Nippon Soda Co Ltd 星型ブロックコポリマー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR900006041B1 (ko) 분산다성분 겔함유 공중합체
JP3151481B2 (ja) ゴム変性共重合樹脂の製法およびゴム変性共重合樹脂組成物
CN102164968B (zh) 官能化的聚(1,3-二烯烃)的合成方法及其在耐冲击乙烯基芳香族聚合物制备中的用途
EP0393685A1 (en) Imidated copolymers and uses thereof
JPH08169920A (ja) 分岐状ポリスチレンを含有する樹脂組成物
JP3472308B2 (ja) 耐衝撃性メタクリル系樹脂
KR100543926B1 (ko) 고충격 폴리스티렌 수지의 연속 제조 방법
JP3658861B2 (ja) 星型分岐ポリスチレンを含有する樹脂組成物
JP4833529B2 (ja) ゴム変性スチレン系樹脂組成物
TWI732307B (zh) 亞乙烯基取代之芳族單體及環狀(甲基)丙烯酸酯聚合物
JPH05331245A (ja) ゴム変性共重合樹脂の製法およびゴム変性共重合樹脂組成物
US4937286A (en) Thermoplastic moulding compositions
JPH05247149A (ja) ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂及びその製造方法
JP3349859B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JPH05194676A (ja) ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂及びその製造方法
JPS59179611A (ja) ゴム変性スチレン・アクリロニトリル系共重合樹脂組成物の製造方法
JP3362266B2 (ja) ゴム変性スチレン系樹脂組成物
JP2659547B2 (ja) ゴム変性スチレン系樹脂及びその製造法
JPH09221574A (ja) アニオン重合ポリスチレンを含有する難燃樹脂組成物
JP2000103933A (ja) スチレン系樹脂組成物及びその製造方法
JPH02175740A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
KR100650915B1 (ko) 고충격 폴리스티렌 수지의 연속 제조 방법
KR20050030004A (ko) 초고충격 고무변성 스티렌계 수지의 연속 제조 방법
JPS59193950A (ja) 艶消しされたポリカ−ボネ−ト系樹脂組成物
JP3599072B2 (ja) ビニル芳香族重合体含有樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020205