JPH05194676A - ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂及びその製造方法 - Google Patents
ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂及びその製造方法Info
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- JPH05194676A JPH05194676A JP30799692A JP30799692A JPH05194676A JP H05194676 A JPH05194676 A JP H05194676A JP 30799692 A JP30799692 A JP 30799692A JP 30799692 A JP30799692 A JP 30799692A JP H05194676 A JPH05194676 A JP H05194676A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】光沢特性、耐衝撃性及び流動性が良好なゴム変
性芳香族ビニル系共重合体樹脂を提供する。また、その
製造方法を提供する。 【構成】マトリックス樹脂の芳香族ビニル単量体分含有
量が60〜99重量%、シアン化ビニル単量体分含有量
が1〜40重量%、重量平均分子量が70000〜16
5000であり、全ゴム成分の50重量%以上が分岐構
造を有するポリブタジエンであり、全ゴム成分の25℃
での5重量%スチレン溶液粘度が10〜50cps、ゴ
ム成分の分散粒子の平均粒径(Dw)が0.2〜2μm
であるゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂。溶液重合
により製造する場合,連鎖移動剤によりマトリックス樹
脂の平均分子量を制御する。
性芳香族ビニル系共重合体樹脂を提供する。また、その
製造方法を提供する。 【構成】マトリックス樹脂の芳香族ビニル単量体分含有
量が60〜99重量%、シアン化ビニル単量体分含有量
が1〜40重量%、重量平均分子量が70000〜16
5000であり、全ゴム成分の50重量%以上が分岐構
造を有するポリブタジエンであり、全ゴム成分の25℃
での5重量%スチレン溶液粘度が10〜50cps、ゴ
ム成分の分散粒子の平均粒径(Dw)が0.2〜2μm
であるゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂。溶液重合
により製造する場合,連鎖移動剤によりマトリックス樹
脂の平均分子量を制御する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム変性芳香族ビニル
系共重合体樹脂及びその製造方法に関する。
系共重合体樹脂及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単
量体との共重合体からなるマトリックス樹脂にゴム成分
が粒子状に分散したゴム変性芳香族系共重合体樹脂とし
てはABS樹脂が周知であり、家電製品・OA機器・A
V機器等のハウジングや自動車のインパネ等に使用され
ている。そして用途の多様化に伴って成形品の外観が重
視され、しかも、機械的強度及び成形性の向上が強く求
められるようになってきた。ところが、樹脂の光沢特性
や流動性を向上する方法としてマトリックス樹脂の分子
量を小さくする方法が考えられるが、逆に耐衝撃性が低
下するという問題がある。また、耐衝撃性を向上する方
法としてゴム成分の含有量を高くしたり、ゴム分散粒子
の粒径を大きくしたりする方法が考えられるが、逆に光
沢が低下するという問題がある。このように、ABS樹
脂の光沢特性、耐衝撃性及び流動性を同時に改善するこ
とに対する要望は大きいが実現は非常に困難である。一
方、特開昭63−207803号公報に、このような課
題を解決した樹脂として、ゴム成分としてスチレン分含
有量が10〜30重量%の直鎖状ブロックスチレン−ブ
タジエン共重合体ゴムを使用したものが記載されてい
る。ところが、本発明者等が試験を行ったところ、分岐
構造を有するポリプタジエンの方が有効であることが判
った。
量体との共重合体からなるマトリックス樹脂にゴム成分
が粒子状に分散したゴム変性芳香族系共重合体樹脂とし
てはABS樹脂が周知であり、家電製品・OA機器・A
V機器等のハウジングや自動車のインパネ等に使用され
ている。そして用途の多様化に伴って成形品の外観が重
視され、しかも、機械的強度及び成形性の向上が強く求
められるようになってきた。ところが、樹脂の光沢特性
や流動性を向上する方法としてマトリックス樹脂の分子
量を小さくする方法が考えられるが、逆に耐衝撃性が低
下するという問題がある。また、耐衝撃性を向上する方
法としてゴム成分の含有量を高くしたり、ゴム分散粒子
の粒径を大きくしたりする方法が考えられるが、逆に光
沢が低下するという問題がある。このように、ABS樹
脂の光沢特性、耐衝撃性及び流動性を同時に改善するこ
とに対する要望は大きいが実現は非常に困難である。一
方、特開昭63−207803号公報に、このような課
題を解決した樹脂として、ゴム成分としてスチレン分含
有量が10〜30重量%の直鎖状ブロックスチレン−ブ
タジエン共重合体ゴムを使用したものが記載されてい
る。ところが、本発明者等が試験を行ったところ、分岐
構造を有するポリプタジエンの方が有効であることが判
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光沢
特性、耐衝撃性及び流動性が全般的に良好なゴム変性芳
香族ビニル系共重合体樹脂を提供することにある。ま
た、その製造方法を提供することにある。
特性、耐衝撃性及び流動性が全般的に良好なゴム変性芳
香族ビニル系共重合体樹脂を提供することにある。ま
た、その製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記のような
課題を解決するため研究を行い、ゴム成分として、一般
式Xm Y〔但し、Xはブタジエンを主体とする重合体ブ
ロック、Yは放射状重合体の形成に使用される多官能カ
ップリング剤の残基を表し、mは該多官能カップリング
剤の官能基の数を示し、少なくとも3以上の整数であ
る。〕で表される分岐構造を有し25℃での5重量%ス
チレン溶液粘度が10〜50cpsであるポリブタジエ
ンを使用するとともに、マトリックス樹脂の平均分子量
やゴム分散粒子の平均粒径を特定することが有効である
ことを見出して本発明を完成した。
課題を解決するため研究を行い、ゴム成分として、一般
式Xm Y〔但し、Xはブタジエンを主体とする重合体ブ
ロック、Yは放射状重合体の形成に使用される多官能カ
ップリング剤の残基を表し、mは該多官能カップリング
剤の官能基の数を示し、少なくとも3以上の整数であ
る。〕で表される分岐構造を有し25℃での5重量%ス
チレン溶液粘度が10〜50cpsであるポリブタジエ
ンを使用するとともに、マトリックス樹脂の平均分子量
やゴム分散粒子の平均粒径を特定することが有効である
ことを見出して本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、芳香族ビニル単量体
とシアン化ビニル単量体との共重合体又は芳香族ビニル
単量体とシアン化ビニル単量体とこれらと共重合し得る
ビニル単量体との共重合体からなるマトリックス樹脂1
00重量部に対して3〜20重量部のゴム成分が粒子状
に分散したゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂であっ
て、マトリックス樹脂の芳香族ビニル単量体分含有量が
60〜99重量%、シアン化ビニル単量体分含有量が1
〜40重量%、重量平均分子量が70000〜1650
00であり、全ゴム成分の50重量%以上が、一般式X
m Y〔但し、Xはブタジエンを主体とする重合体ブロッ
ク、Yは放射状重合体の形成に使用される多官能カップ
リング剤の残基を表し、mは該多官能カップリング剤の
官能基の数を示し、少なくとも3以上の整数である。〕
で表される分岐構造を有するポリブタジエンであり、全
ゴム成分の5重量%スチレン溶液粘度が10〜50cp
s、ゴム成分の分散粒子の平均粒径(Dw)が0.2〜
2μmであることを特徴とするゴム変性芳香族ビニル系
共重合体樹脂である。また、芳香族ビニル単量体含有量
が60〜99重量%でシアン化ビニル単量体含有量が1
〜40重量%である単量体混合物100重量部、一般式
Xm Y〔但し、Xはブタジエンを主体とする重合体ブロ
ック、Yは放射状重合体の形成に使用される多官能カッ
プリング剤の残基を表し、mは該多官能カップリング剤
の官能基の数を示し、少なくとも3以上の整数であ
る。〕で表される5重量%スチレン溶液粘度が10〜5
0cpsである分岐構造を有するポリブタジエンを主体
とするゴム成分3〜20重量部並びに溶媒2〜100重
量部からなる原料液に重合開始剤及び連鎖移動剤を添加
して単量体混合物の重合添加率が40〜80%となるま
で塊状もしくは溶液重合させた後に揮発分を除去するこ
とを特徴とするゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂の
製造方法である。
とシアン化ビニル単量体との共重合体又は芳香族ビニル
単量体とシアン化ビニル単量体とこれらと共重合し得る
ビニル単量体との共重合体からなるマトリックス樹脂1
00重量部に対して3〜20重量部のゴム成分が粒子状
に分散したゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂であっ
て、マトリックス樹脂の芳香族ビニル単量体分含有量が
60〜99重量%、シアン化ビニル単量体分含有量が1
〜40重量%、重量平均分子量が70000〜1650
00であり、全ゴム成分の50重量%以上が、一般式X
m Y〔但し、Xはブタジエンを主体とする重合体ブロッ
ク、Yは放射状重合体の形成に使用される多官能カップ
リング剤の残基を表し、mは該多官能カップリング剤の
官能基の数を示し、少なくとも3以上の整数である。〕
で表される分岐構造を有するポリブタジエンであり、全
ゴム成分の5重量%スチレン溶液粘度が10〜50cp
s、ゴム成分の分散粒子の平均粒径(Dw)が0.2〜
2μmであることを特徴とするゴム変性芳香族ビニル系
共重合体樹脂である。また、芳香族ビニル単量体含有量
が60〜99重量%でシアン化ビニル単量体含有量が1
〜40重量%である単量体混合物100重量部、一般式
Xm Y〔但し、Xはブタジエンを主体とする重合体ブロ
ック、Yは放射状重合体の形成に使用される多官能カッ
プリング剤の残基を表し、mは該多官能カップリング剤
の官能基の数を示し、少なくとも3以上の整数であ
る。〕で表される5重量%スチレン溶液粘度が10〜5
0cpsである分岐構造を有するポリブタジエンを主体
とするゴム成分3〜20重量部並びに溶媒2〜100重
量部からなる原料液に重合開始剤及び連鎖移動剤を添加
して単量体混合物の重合添加率が40〜80%となるま
で塊状もしくは溶液重合させた後に揮発分を除去するこ
とを特徴とするゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂の
製造方法である。
【0006】先ず、本発明のゴム変性芳香族ビニル系共
重合体樹脂について説明する。マトリックス樹脂は、芳
香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との共重合体
又は芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体とこれ
らと共重合し得るビニル単量体との共重合体である。た
だし、芳香族ビニル単量体分の含有量は60〜99重量
%であり、シアン化ビニル単量体分の含有量は1〜40
重量%であり、その他のビニル単量体分の含有量は39
重量%以下である。シアン化ビニル単量体分の含有量が
1重量%未満のものは耐薬品性、剛性及び耐熱性が劣
り、40重量%を超えるものは流動性が悪い。
重合体樹脂について説明する。マトリックス樹脂は、芳
香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との共重合体
又は芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体とこれ
らと共重合し得るビニル単量体との共重合体である。た
だし、芳香族ビニル単量体分の含有量は60〜99重量
%であり、シアン化ビニル単量体分の含有量は1〜40
重量%であり、その他のビニル単量体分の含有量は39
重量%以下である。シアン化ビニル単量体分の含有量が
1重量%未満のものは耐薬品性、剛性及び耐熱性が劣
り、40重量%を超えるものは流動性が悪い。
【0007】なお、芳香族ビニル単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン等の側鎖アルキル置換スチレ
ン、ビニルトルエン等の核アルキル置換スチレン、クロ
ルスチレン等のハロゲン化スチレン、ジビニルべンゼン
等を挙げることができ、シアン化ビニル単量体として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニ
トリル、マレオニトリル、α−クロロアクリロニトリル
等を挙げることができ、これらと共重合し得るその他の
ビニル単量体としては、メチルメタクリレート等のアク
リル酸エステル、無水マレイン酸、フェニルマレイミ
ド、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル等
を挙げることができる。
レン、α−メチルスチレン等の側鎖アルキル置換スチレ
ン、ビニルトルエン等の核アルキル置換スチレン、クロ
ルスチレン等のハロゲン化スチレン、ジビニルべンゼン
等を挙げることができ、シアン化ビニル単量体として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニ
トリル、マレオニトリル、α−クロロアクリロニトリル
等を挙げることができ、これらと共重合し得るその他の
ビニル単量体としては、メチルメタクリレート等のアク
リル酸エステル、無水マレイン酸、フェニルマレイミ
ド、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル等
を挙げることができる。
【0008】そして、マトリックス樹脂の重量平均分子
量は70000〜165000好ましくは95000〜
140000である。マトリックス樹脂の重量平均分子
量が70000未満のものは耐衝撃性が悪く、1650
00を超えるものは流動性が悪い。なお、本発明におけ
るマトリックス樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフ法(GPC法)により求めたポ
リスチレン換算の平均分子量である。
量は70000〜165000好ましくは95000〜
140000である。マトリックス樹脂の重量平均分子
量が70000未満のものは耐衝撃性が悪く、1650
00を超えるものは流動性が悪い。なお、本発明におけ
るマトリックス樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフ法(GPC法)により求めたポ
リスチレン換算の平均分子量である。
【0009】ゴム成分の50重量%以上は、一般式Xm
Y〔但し、Xはブタジエンを主体とする重合体ブロッ
ク、Yは放射状重合体の形成に使用される多官能カップ
リング剤の残基を表し、mは該多官能カップリング剤の
官能基の数を示し、少なくとも3以上の整数である。〕
で表されるポリブタジエンであり、3〜6価の多官能性
カップリング剤による分岐構造を有する。残りのゴム成
分の50重量%未満としては,分岐構造をないしていな
い直鎖状ポリブタジエンゴム等を混合していてもよい。
ゴム成分中の直鎖状ポリブタジエンゴムの混合比が50
重量%を超えると耐衝撃性が悪く、さらにコ−ルドフロ
−が大きくなり取扱も困難になる。ゴム成分の25℃で
の5重量%スチレン溶液粘度は10〜50cps好まし
くは20〜40cpsである。ゴム成分の25℃での5
重量%スチレン溶液粘度が10cps未満のものは耐衝
撃性が悪く、50cpsを超えるものは光沢特性が悪
い。本発明中の分岐型ゴム成分を用いることにより直鎖
状ポリブタジエンゴムや直鎖状ブロックスチレン−ブタ
ジエン共重合体ゴムよりも著しく耐衝撃性が向上する。
この理由として本分岐型ゴムは直鎖状ポリブタジエンゴ
ムに比較して分子量が大きいため、また直鎖状ブロック
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムに比較してスチレン
部分を含まないためにゴム的性質が損なわれないためと
考えられる。
Y〔但し、Xはブタジエンを主体とする重合体ブロッ
ク、Yは放射状重合体の形成に使用される多官能カップ
リング剤の残基を表し、mは該多官能カップリング剤の
官能基の数を示し、少なくとも3以上の整数である。〕
で表されるポリブタジエンであり、3〜6価の多官能性
カップリング剤による分岐構造を有する。残りのゴム成
分の50重量%未満としては,分岐構造をないしていな
い直鎖状ポリブタジエンゴム等を混合していてもよい。
ゴム成分中の直鎖状ポリブタジエンゴムの混合比が50
重量%を超えると耐衝撃性が悪く、さらにコ−ルドフロ
−が大きくなり取扱も困難になる。ゴム成分の25℃で
の5重量%スチレン溶液粘度は10〜50cps好まし
くは20〜40cpsである。ゴム成分の25℃での5
重量%スチレン溶液粘度が10cps未満のものは耐衝
撃性が悪く、50cpsを超えるものは光沢特性が悪
い。本発明中の分岐型ゴム成分を用いることにより直鎖
状ポリブタジエンゴムや直鎖状ブロックスチレン−ブタ
ジエン共重合体ゴムよりも著しく耐衝撃性が向上する。
この理由として本分岐型ゴムは直鎖状ポリブタジエンゴ
ムに比較して分子量が大きいため、また直鎖状ブロック
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムに比較してスチレン
部分を含まないためにゴム的性質が損なわれないためと
考えられる。
【0010】ゴム成分はマトリックス樹脂中に粒子状に
分散しており、ゴム分散粒子の平均粒径(Dw)は0.
2〜2μm好ましくは0.3〜1μmである。ゴム分散
粒子の平均粒径が0.2μm未満のものは耐衝撃性が悪
く、2μmを超えるものは光沢特性が悪い。そして、ゴ
ム分散粒子が共重合体樹脂分を内包しているものは光沢
特性と耐衝撃性のバランスがよく、共重合体樹脂分のゴ
ム分散粒子に対するグラフト率が0.4〜1のもの、更
には、膨潤比が6〜11のものが特に優れている。
分散しており、ゴム分散粒子の平均粒径(Dw)は0.
2〜2μm好ましくは0.3〜1μmである。ゴム分散
粒子の平均粒径が0.2μm未満のものは耐衝撃性が悪
く、2μmを超えるものは光沢特性が悪い。そして、ゴ
ム分散粒子が共重合体樹脂分を内包しているものは光沢
特性と耐衝撃性のバランスがよく、共重合体樹脂分のゴ
ム分散粒子に対するグラフト率が0.4〜1のもの、更
には、膨潤比が6〜11のものが特に優れている。
【0011】次に、本発明のゴム変性芳香族ビニル系共
重合体を溶液重合によって製造する方法について説明す
る。芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体とを含
む単量体混合物を、重合開始剤及び連鎖移動剤により、
ゴム成分及び溶媒の存在下にグラフト共重合させる。使
用できる溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン等のの芳香族炭化水素化合物の他、アセ
トン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン
系化合物や、プロピルアルコール、フェノール等のアル
コール系化合物を挙げることができるが、芳香族炭化水
素化合物を単独で使用するか、又は芳香族炭化水素化合
物とケトン系化合物又はアルコール系化合物とを併用し
て使用することができる。溶媒の使用量は単量体混合物
100重量部に対して2〜100重量部である。溶媒の
使用量が少ないと反応液の粘度が高くなるため、ゴム分
散粒子の形成を制御しにくくなり、多すぎると重合反応
の効率が悪くなる。
重合体を溶液重合によって製造する方法について説明す
る。芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体とを含
む単量体混合物を、重合開始剤及び連鎖移動剤により、
ゴム成分及び溶媒の存在下にグラフト共重合させる。使
用できる溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン等のの芳香族炭化水素化合物の他、アセ
トン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン
系化合物や、プロピルアルコール、フェノール等のアル
コール系化合物を挙げることができるが、芳香族炭化水
素化合物を単独で使用するか、又は芳香族炭化水素化合
物とケトン系化合物又はアルコール系化合物とを併用し
て使用することができる。溶媒の使用量は単量体混合物
100重量部に対して2〜100重量部である。溶媒の
使用量が少ないと反応液の粘度が高くなるため、ゴム分
散粒子の形成を制御しにくくなり、多すぎると重合反応
の効率が悪くなる。
【0012】重合開始剤としては有機過酸化物等のラジ
カル重合開始剤を使用するのがよく、その使用量は、特
に制限はないが、単量体混合物100重量部に対して
0.005〜0.5重量部がよい。また、連鎖移動剤と
してはメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマーが
ある。そして、重合反応は完全混合槽又はプラグフロ−
型反応器或いはこれらを組み合わせた重合プロセスで適
宜攪拌下に重合温度80〜160℃で行うのがよい。
カル重合開始剤を使用するのがよく、その使用量は、特
に制限はないが、単量体混合物100重量部に対して
0.005〜0.5重量部がよい。また、連鎖移動剤と
してはメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマーが
ある。そして、重合反応は完全混合槽又はプラグフロ−
型反応器或いはこれらを組み合わせた重合プロセスで適
宜攪拌下に重合温度80〜160℃で行うのがよい。
【0013】そして、本発明においては、連鎖移動剤の
種類や使用量及び添加位置を変えることにより、マトリ
ックス樹脂の分子量を制御することができる。また、連
鎖移動剤の種類や使用量の他、攪拌条件を変えることに
より、ゴム分散粒子の粒径を制御することができる。す
なわち、連鎖移動剤の使用量を多くするとマトリックス
樹脂の平均分子量が小さくなり、攪拌動力を大きくする
とゴム分散粒子の平均粒径が小さくなる傾向がある。
種類や使用量及び添加位置を変えることにより、マトリ
ックス樹脂の分子量を制御することができる。また、連
鎖移動剤の種類や使用量の他、攪拌条件を変えることに
より、ゴム分散粒子の粒径を制御することができる。す
なわち、連鎖移動剤の使用量を多くするとマトリックス
樹脂の平均分子量が小さくなり、攪拌動力を大きくする
とゴム分散粒子の平均粒径が小さくなる傾向がある。
【0014】なお、本発明のゴム変性芳香族ビニル系共
重合体樹脂には、通常の酸化防止剤を添加することによ
り熱安定性を向上させたり、滑剤を添加することにより
流動性をさらに向上させたり、難燃剤を添加することに
より難燃化することができる。また、目的に合わせて繊
維補強材、無機充填材、着色材、顔料等を配合すること
もできる。さらに、他の樹脂とブレンドして成形に供す
ることもできる。
重合体樹脂には、通常の酸化防止剤を添加することによ
り熱安定性を向上させたり、滑剤を添加することにより
流動性をさらに向上させたり、難燃剤を添加することに
より難燃化することができる。また、目的に合わせて繊
維補強材、無機充填材、着色材、顔料等を配合すること
もできる。さらに、他の樹脂とブレンドして成形に供す
ることもできる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明する。 なお表中のIZ;ASTM−D−256に準じて測定し
たアイゾット衝撃強度MI;JIS−K−7210に準
じて測定したメルトフローレイト(220℃、10kg) 光沢値;JIS−K−7105に準じて測定した値。 ゴム分散粒子の平均粒子径は、樹脂の超薄切片法による
透過型電子顕微鏡写真より200〜1000個のゴム粒
子径を測定し、下記式1により算出した値である。ただ
し、式1中のNiは粒子径がDiのゴム分散粒子の個数
である。 〔式1〕 平均粒子径(Dw)=Σ(Ni・Di4 )/
Σ(Ni・Di3 ) グラフト率(g);試料A(約1gを精秤)をアセトン
30ccに分散し、不溶分を遠心分離法にて分離して乾
燥し、アセトン不溶分の重量(B)を精秤し次の式2で
求められる。但しCは試料A中のゴム状重合体の含有量
を示す。 〔式2〕 グラフト率(g)=(B/A−C)/C 膨潤比;上記のアセトン不溶分Bをトルエン/メチルエ
チルケトンの1/1の混合溶剤30ccに投入し、1時
間攪拌して溶解させた後、遠心分離して上澄みを除去
し、残存した膨潤物の重量(D)を精秤した結果より、
下記式3により決定される特性値 〔式3〕 膨潤比=D/B
たアイゾット衝撃強度MI;JIS−K−7210に準
じて測定したメルトフローレイト(220℃、10kg) 光沢値;JIS−K−7105に準じて測定した値。 ゴム分散粒子の平均粒子径は、樹脂の超薄切片法による
透過型電子顕微鏡写真より200〜1000個のゴム粒
子径を測定し、下記式1により算出した値である。ただ
し、式1中のNiは粒子径がDiのゴム分散粒子の個数
である。 〔式1〕 平均粒子径(Dw)=Σ(Ni・Di4 )/
Σ(Ni・Di3 ) グラフト率(g);試料A(約1gを精秤)をアセトン
30ccに分散し、不溶分を遠心分離法にて分離して乾
燥し、アセトン不溶分の重量(B)を精秤し次の式2で
求められる。但しCは試料A中のゴム状重合体の含有量
を示す。 〔式2〕 グラフト率(g)=(B/A−C)/C 膨潤比;上記のアセトン不溶分Bをトルエン/メチルエ
チルケトンの1/1の混合溶剤30ccに投入し、1時
間攪拌して溶解させた後、遠心分離して上澄みを除去
し、残存した膨潤物の重量(D)を精秤した結果より、
下記式3により決定される特性値 〔式3〕 膨潤比=D/B
【0016】実施例 スチレン含有量75重量%、アクリロニトリル含有量2
5重量%の単量体混合物100重量部に対して、エチル
ベンゼン50重量部、ゴム成分12重量部、有機過酸化
物系の重合開始剤0.085〜0.1重量部及びt−ド
デシルメルカプタン(連鎖移動剤)0.35重量部を混
合してなる原料液をプラグフロ−型反応器と完全混合槽
等を直列に組み合わせた連続重合プロセスで単量体混合
物の重合転化率が約60〜80%になるまで連続溶液重
合させた後、脱揮装置にて揮発分を除去してゴム成分含
有量約13〜17重量%のABS樹脂を製造した。な
お、ゴム成分としては、分岐構造を有し5重量%スチレ
ン溶液粘度が25cpsであるポリブタジエン(PB−
1)を使用した。得られたABS樹脂の物性を表1に記
載する。
5重量%の単量体混合物100重量部に対して、エチル
ベンゼン50重量部、ゴム成分12重量部、有機過酸化
物系の重合開始剤0.085〜0.1重量部及びt−ド
デシルメルカプタン(連鎖移動剤)0.35重量部を混
合してなる原料液をプラグフロ−型反応器と完全混合槽
等を直列に組み合わせた連続重合プロセスで単量体混合
物の重合転化率が約60〜80%になるまで連続溶液重
合させた後、脱揮装置にて揮発分を除去してゴム成分含
有量約13〜17重量%のABS樹脂を製造した。な
お、ゴム成分としては、分岐構造を有し5重量%スチレ
ン溶液粘度が25cpsであるポリブタジエン(PB−
1)を使用した。得られたABS樹脂の物性を表1に記
載する。
【0017】比較例 ゴム成分としてスチレン分含有量が23重量%で5重量
%スチレン溶液粘度が13cpsであり分岐構造を有さ
ないスチレンブタジエンラバー(SB−1)又はスチレ
ン分含有量が10重量%で5重量%スチレン溶液粘度が
25cpsであり分岐構造を有さないスチレンブタジエ
ンラバー(SB−2)又はスチレン分含有量が0重量%
で5重量%スチレン溶液粘度が25cpsであり分岐構
造を有さないブタジエンラバー(SB−3)を使用した
ほかは、実施例と同じ条件でABS樹脂を製造した。得
られたABS樹脂の物性を表1に記載する。 (以下、この頁余白)
%スチレン溶液粘度が13cpsであり分岐構造を有さ
ないスチレンブタジエンラバー(SB−1)又はスチレ
ン分含有量が10重量%で5重量%スチレン溶液粘度が
25cpsであり分岐構造を有さないスチレンブタジエ
ンラバー(SB−2)又はスチレン分含有量が0重量%
で5重量%スチレン溶液粘度が25cpsであり分岐構
造を有さないブタジエンラバー(SB−3)を使用した
ほかは、実施例と同じ条件でABS樹脂を製造した。得
られたABS樹脂の物性を表1に記載する。 (以下、この頁余白)
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明のゴム変性芳香族ビニル系共重合
体樹脂は、光沢特性、耐衝撃性及び流動性がいずれも良
好である。また、本発明の製造方法によれば、光沢特
性、耐衝撃性及び流動性がいずれも良好な樹脂を容易に
製造することができる。
体樹脂は、光沢特性、耐衝撃性及び流動性がいずれも良
好である。また、本発明の製造方法によれば、光沢特
性、耐衝撃性及び流動性がいずれも良好な樹脂を容易に
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南部 秀三郎 福岡県北九州市小倉北区中井2−13−3 (72)発明者 野沢 正行 福岡県北九州市小倉北区井堀2−1−25
Claims (2)
- 【請求項1】芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量
体との共重合体又は芳香族ビニル単量体とシアン化ビニ
ル単量体とこれらと共重合し得るビニル単量体との共重
合体からなるマトリックス樹脂100重量部に対して3
〜20重量部のゴム成分が粒子状に分散したゴム変性芳
香族ビニル系共重合体樹脂であって、マトリックス樹脂
の芳香族ビニル単量体分含有量が60〜99重量%、シ
アン化ビニル単量体分含有量が1〜40重量%、重量平
均分子量が70000〜165000であり、全ゴム成
分の50重量%以上が、一般式Xm Y〔但し、Xはブタ
ジエンを主体とする重合体ブロック、Yは放射状重合体
の形成に使用される多官能カップリング剤の残基を表
し、mは該多官能カップリング剤の官能基の数を示し、
少なくとも3以上の整数である。〕で表される分岐構造
を有するポリブタジエンであり、全ゴム成分の25℃で
の5重量%スチレン溶液粘度が10〜50cps、ゴム
成分の分散粒子の平均粒径(Dw)が0.2〜2μmで
あることを特徴とするゴム変性芳香族ビニル系共重合体
樹脂。 - 【請求項2】芳香族ビニル単量体含有量が60〜99重
量%でシアン化ビニル単量体含有量が1〜40重量%で
ある単量体混合物100重量部、一般式Xm Y〔但し、
Xはブタジエンを主体とする重合体ブロック、Yは放射
状重合体の形成に使用される多官能カップリング剤の残
基を表し、mは該多官能カップリング剤の官能基の数を
示し、少なくとも3以上の整数である。〕で表される2
5℃での5重量%スチレン溶液粘度が10〜50cps
である分岐構造を有するポリブタジエンを主体とするゴ
ム成分3〜20重量部並びに溶媒2〜100重量部から
なる原料液に重合開始剤及び連鎖移動剤を添加して単量
体混合物の重合転化率が40〜90%となるまで塊状も
しくは溶液重合させた後に揮発分を除去することを特徴
とするゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30799692A JPH05194676A (ja) | 1991-10-24 | 1992-10-22 | ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30539291 | 1991-10-24 | ||
| JP3-305392 | 1991-10-24 | ||
| JP30799692A JPH05194676A (ja) | 1991-10-24 | 1992-10-22 | ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05194676A true JPH05194676A (ja) | 1993-08-03 |
Family
ID=26564280
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30799692A Withdrawn JPH05194676A (ja) | 1991-10-24 | 1992-10-22 | ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05194676A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6306962B1 (en) | 1999-09-30 | 2001-10-23 | The Dow Chemical Company | Flow carbonate polymer blends |
| US6380304B1 (en) | 1999-09-30 | 2002-04-30 | The Dow Chemical Company | Mass polymerized rubber-modified monovinylidene aromatic copolymer compositions |
| JP2003306517A (ja) * | 2002-04-15 | 2003-10-31 | Nippon A & L Kk | ゴム変性スチレン・アクリロニトリル系共重合体 |
| US7132474B2 (en) | 2004-09-08 | 2006-11-07 | Lg Chem. Ltd. | Method for preparing styrenic resin having high impact strength and gloss |
| ITMI20082224A1 (it) * | 2008-12-16 | 2010-06-17 | Polimeri Europa Spa | (co)polimero vinilaromatico rinforzato con gomma avente un ottimo bilancio di proprieta' fisico-meccaniche ed una elevata lucentezza |
-
1992
- 1992-10-22 JP JP30799692A patent/JPH05194676A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6306962B1 (en) | 1999-09-30 | 2001-10-23 | The Dow Chemical Company | Flow carbonate polymer blends |
| US6380304B1 (en) | 1999-09-30 | 2002-04-30 | The Dow Chemical Company | Mass polymerized rubber-modified monovinylidene aromatic copolymer compositions |
| JP2003306517A (ja) * | 2002-04-15 | 2003-10-31 | Nippon A & L Kk | ゴム変性スチレン・アクリロニトリル系共重合体 |
| US7132474B2 (en) | 2004-09-08 | 2006-11-07 | Lg Chem. Ltd. | Method for preparing styrenic resin having high impact strength and gloss |
| ITMI20082224A1 (it) * | 2008-12-16 | 2010-06-17 | Polimeri Europa Spa | (co)polimero vinilaromatico rinforzato con gomma avente un ottimo bilancio di proprieta' fisico-meccaniche ed una elevata lucentezza |
| WO2010069515A1 (en) * | 2008-12-16 | 2010-06-24 | Polimeri Europa S.P.A. | Rubber-reinforced vinyl aromatic (co)polymer, having an optimum balance of physico-mechanical properties and a high gloss |
| JP2012512288A (ja) * | 2008-12-16 | 2012-05-31 | ポリメーリ エウローパ ソシエタ ペル アチオニ | 物理/機械的性質及び高い光沢を最適なバランスで有するゴム強化ビニル芳香族(コ)ポリマー |
| RU2506278C2 (ru) * | 2008-12-16 | 2014-02-10 | Полимери Эуропа С.П.А. | Усиленный каучуком винилароматический (со) полимер, обладающий оптимальным сочетанием физико-механических свойств и высокого блеска |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000104 |