JPH08182347A - 電流制御型pwmインバータ - Google Patents

電流制御型pwmインバータ

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Publication number
JPH08182347A
JPH08182347A JP6338246A JP33824694A JPH08182347A JP H08182347 A JPH08182347 A JP H08182347A JP 6338246 A JP6338246 A JP 6338246A JP 33824694 A JP33824694 A JP 33824694A JP H08182347 A JPH08182347 A JP H08182347A
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JP
Japan
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current
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Application number
JP6338246A
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English (en)
Inventor
Kazuma Okura
一真 大蔵
Yasuhiko Kitajima
康彦 北島
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な演算で、デッドタイムによる出力電圧
歪みを正確に補償する。 【構成】 電流指令信号と出力電流信号とによりU、
V、W3相の電圧指令が演算される。この電圧指令に対
しデッドタイムによる歪みを補償する補償電圧の生成に
おいて、ステップ600で制御むだ時間に相当する位相
補償値θ’が演算され、位相補償された電流指令に対
し、正、負極性の判定を行なった後、ステップ602で
極性が正の場合はステップ603で歪み電圧vfを補償
電圧Δvuとする。判定された極性が負の場合はステッ
プ604で歪み電圧−vfを補償電圧Δvuとする。こ
の後ステップ605〜607ではU相と同様にV相の補
償電圧Δvv、ステップ608〜610ではW相の補償
電圧Δvwが求められ出力される。これにより補償電圧
が簡単に求められ、出力電圧歪みを正確に補償できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電流制御型PWMイン
バータに係り、とくにデッドタイムを設けたときの出力
電流の波形歪みを補償するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】PWMインバータにおいては、インバー
タを構成する正側および負側のスイッチング素子を交互
に導通制御して出力電圧を制御する。しかし、スイッチ
ング素子にはターンオフ時間によるスイッチングの遅れ
があるため、実際の制御においては正側および負側が同
時に導通しないように短絡防止期間(以下デッドタイム
と呼ぶ)が設けれている。このデッドタイムの影響でイ
ンバータの出力電圧に歪みが生じ、結果として出力電流
の波形が歪むという問題があった。
【0003】電流制御型インバータにおける電流制御系
は通常アナログ回路で構成されており、フィードバック
ゲインが比較的高く設定できるため、デッドタイムによ
る電流波形の歪みが小さい。しかし近年、マイクロコン
ピュータの発達により電流制御およびPWMパルスの生
成を含めてディジタル処理を行なうことが可能となり、
ディジタル処理によるインバータ制御回路の低コスト化
が進められている。フィードバックゲインがあまり大き
くとれないディジタル電流制御と、より高精度を目指す
アナログ電流制御には、出力電圧の歪み補償が必須とな
る。
【0004】従来、この種の技術としては、例えば特公
平6−62579号公報に開示されているものがある。
これは、図20に示すようにインバータ(PWM演算
器)の出力電流を電流センサ81〜83で検出し、この
検出電流信号の位相を位相進み補償器9で制御むだ時間
の分だけ進める。この位相進み補償で得られる補償電流
信号の極性により電圧指令を補償電圧演算器11〜13
で補正するものである。
【0005】しかし、この従来の技術では、出力電流の
極性を実際の出力電流の値を検出して求めていたが、実
電流はPWMインバータの場合脈動しており、またノイ
ズの影響もあって安定した検出が困難であり、正しい補
正ができないという問題があった。また上記の従来技術
では、電圧の出力タイミングにおける出力電流の極性に
のみ注目しているため、出力電流の極性による電圧の補
正が正確でないという問題もあった。
【0006】また同公報には図21に示されるような技
術も開示されている。ここでは、出力電流検出信号のゼ
ロクロス付近の位相を進めるための演算を行なってい
る。図21中電流位相演算器14における電流位相の計
算、電流検出信号補正器17における各相電流の位相進
み演算、電流検出補正信号の振幅の演算などを含む電流
検出補正信号の演算、加算器18〜20における検出電
流とバイアス電流(補正電流)の和により検出電流の位
相を進めている。これらは、制御遅れを加味した電圧歪
み補償を行なうために新規に必要となる手段である。以
上のように電流位相演算、補正信号の振幅の演算などを
新たに必要とし、演算が複雑である。また補償電圧演算
器11〜13で検出電流を正、負、断続の3つのモード
として判定して電圧指令補正信号の演算を行なってい
る。ここで、断続と判断された場合は電圧補正信号がゼ
ロとされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記のように補
償電圧を求めるに当たって、出力電流ゼロクロス付近の
位相を進めるための演算が複雑であり、演算量が増えた
りシステムが大きくなったりする問題点があった。また
電流がゼロ近傍の場合には補償電圧をゼロとしている
が、ゼロ近傍であっても電流の反転タイミングと出力電
圧の立ち上がりタイミング、立ち下がりタイミングの時
間的前後関係により補償すべき電圧が異なるため、補償
電圧をゼロとした場合には歪みが残ってしまう場合があ
るという問題点があった。そこで、本発明は、PWMイ
ンバータの電圧波形歪みの補正を正しく行なうことによ
り、出力電流波形を正弦波に近付ける電流制御型PWM
インバータを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、直流を交流に変換し短絡防止時間を設けた電流
制御型PWMインバータにおいて、電流指令信号の位相
を所定値だけ進める位相補正手段と、位相補正された電
流指令信号の極性により指令電圧を修正する電圧補償手
段とを有するものとした。
【0009】請求項2記載の発明は、直流を交流に変換
し短絡防止時間を設けた電流制御型PWMインバータに
おいて、電流指令信号の位相を所定値だけ進める位相補
正手段と、該補正された電流指令信号の極性が変化する
時刻を予測する極性変化予測手段と、前記予測された極
性の変化時刻と前記位相補正された電流指令信号の極性
とにより電圧指令を修正する電圧補償手段とを有し、前
記電圧補償手段は、前記電流指令信号の極性が変化する
時刻のPWMパルスに対する位置関係により電圧指令を
修正するものとした。
【0010】請求項3記載の発明は、直流を交流に変換
し短絡防止時間を設けた電流制御型PWMインバータに
おいて、出力電流を検出する電流検出手段と、該出力電
流の方向を判別する際の基準値を演算する基準値演算手
段と、前記出力電流と前記基準値に基づき出力電流の方
向を判別する電流方向判別手段と、前記判別された出力
電流の方向に基づき指令電圧の補償電圧を演算する補償
電圧演算手段とを有し、出力電流の方向を判別する基準
値は、電流指令値の振幅、周波数、制御周期のなか少な
くとも1つを用いて演算され、電流方向の判別結果は所
定時間内に維持されるものとした。
【0011】請求項5記載の発明は、直流を交流に変換
し短絡防止時間を設けた電流制御型PWMインバータに
おいて、出力電流を検出する電流検出手段と、該出力電
流の方向を判別する際の基準値を演算する基準値演算手
段と、前記出力電流と前記基準値に基づき出力電流の方
向を判別する電流方向判別手段と、前記判別された出力
電流の方向と前記基準値および前記出力電流に基づき指
令電圧の補償電圧を演算する補償電圧演算手段とを有
し、前記補償電圧演算手段は、前記基準値と前記出力電
流の大きさの差を演算し、出力電流の大きさ(比較値
1)が前記基準値の大きさ(比較値2)未満である場合
には、比較値1と比較値2の比より出力電流方向が反転
するタイミングを検出しこれに基づき指令電圧の補償電
圧を演算するものとした。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、位相補正手段は、出
力電圧に対し位相遅れの電流指令信号を位相進める補正
し、電圧補償手段は、位相補正された電流指令信号の極
性変化から補償電圧を演算し指令電圧を修正する。これ
により、デッドタイムによる出力電流歪みが補正され
る。請求項2記載の発明では、位相補正手段は、出力電
圧に対し位相遅れの電流指令信号を位相進める補正し、
極性予測手段は、その電流指令値の極性が変化する点の
PWMパルスに対するタイミングを予測し、電圧補償手
段は、前記極性の変化する時刻のPWMパルスに対する
位置関係により補正電圧を演算し指令電圧を修正する。
これにより、補償電圧を発生するタイミングが正確で、
デッドタイムによる出力電流歪みが正確に補正される。
【0013】請求項3記載の発明では、基準値演算手段
は、指令電流値の振幅、周波数、制御周期のなか少なく
とも1つを用いて制御遅れ時間で変化する出力電流の値
を演算して、その符号を変えた値を、補償電圧の方向を
判定する基準値とし、補償電圧演算手段は、この基準値
と検出電流を比較した結果に基づいて補償電流の方向を
与え、補償電圧を演算する。これにより、簡単な演算で
歪み電圧を正しく補償することができる。電流リップル
やノイズ、制御むだ時間の影響をなくした補償が可能と
なり、デッドタイムによる出力電流歪みが補償されると
ともに演算が非常に簡単になる。
【0014】請求項5記載の発明では、基準値演算手段
は、指令電流値の振幅、周波数、制御周期のなか少なく
とも1つを用いて制御遅れ時間で変化する出力電流の値
を演算して、その符号を変えた値を、補償電圧の方向を
判定する基準値とし、補償電圧演算手段は、電流指令が
ゼロクロスする制御周期内での電流の変化量と検出電流
の比を演算し、その演算値から電流指令の方向が変化す
るタイミングを求める。これにより制御周期内で電流方
向が反転した場合にもデッドタイムによる電圧を正しく
補償できる。なおこのタイミングが出力電圧の立ち上が
り立ち下がりより早い場合には、サンプルポイントで判
別した電流方向に基づいて電圧補償値を演算し、出力電
圧の立ち上がりと立ち下がりの間では電圧補償をゼロと
し、出力電圧の立ち上がりと立ち下がりより遅い場合に
はサンプルポイントで判別した電流方向を逆にして電圧
補償値を演算すると、離散演算系に使用することもでき
る。
【0015】
【実施例】以下、この発明を電気自動車の駆動源である
誘導電動機の制御に適用した実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の第1の実施例の構成を示す。
運転者はアクセルペダル30を操作し、その操作量は、
位置センサ31で検出される。その検出値は誘導電動機
43へのトルク指令信号Te* 、磁束指令信号φ* とし
て出力される。ベクトル制御演算器32はそのトルク指
令信号Te* 、磁束指令信号φ* から所定の演算によっ
て励磁電流指令id* 、トルク電流指令iq* 、および
誘導電動機43のすべり周波数ωseを算出する。
【0016】加算器34ですべり周波数ωseと回転速
センサ44で検出された誘導電動機43の回転速ωre
との和をとって1次周波数ω1が算出される。1次周波
数ω1はさらに積分器50で積分され位相基準θが算出
される。座標変換器51は式(1)の変換式により、電
流センサ81、82、83が検出したインバータ出力電
流iu、iv、iwを回転磁界座標系の励磁電流信号i
dとトルク電流信号iqに変換する。
【数1】 電流制御演算器52は同じ回転座標系の励磁電流信号i
dと励磁電流指令信号id* とに応じて誘導電動機43
の電圧指令vd* を出力する。電流制御演算器53は同
じ回転座標系のトルク電流信号iqとトルク電流指令信
号iq* とに応じて誘導電動機43の電圧指令vq*
出力する。座標変換器54は位相基準θに基づいてvd
* 、vq* を回転磁界座標から固定子座標の電圧指令v
u1* 、vv1* 、vw1* に変換する。この変換式は
式(2)で表わされる
【数2】
【0017】一方位相進め演算器55は位相基準θを制
御むだ時間Δtの分だけ進めた位相補償値θ’を出力す
る。電流極性判定器56は位相補償値θ’および励磁電
流指令値id* 、トルク電流指令iq* から出力電流の
極性を判定する。その判定結果によって補償電圧演算器
57はデッドタイムによって歪んだ出力電圧を補償する
補償電圧(補償量)Δvu、Δvv、Δvwを出力す
る。電圧指令vu1* 、vv1* 、vw1* に、デッド
タイムによる歪み電圧を補償する補償電圧Δvu、Δv
v、Δvwを加算器37、38、39で加える。補償さ
れた電圧指令vu* 、vv* 、vw* がデッドタイムを
付加するデッドタイム作成器40を通してPWM演算器
41に入力される。ここで3相の相補PWMパルスP
u、Pu’、Pv、Pv’、Pw、Pw’が作成され
る。各パルスは電力変換器42で電力変換され誘導電動
機43に出力される。
【0018】次にデッドタイムによる歪み電圧の補償方
法を説明する。デッドタイムによる出力歪み電圧は、出
力電流の極性により決まり、出力電流が正のときは該当
する相の歪み電圧は正に、出力電流が負のときは該当す
る相の歪み電圧は負になり、歪み電圧の絶対値は出力電
流の大きさによらずほぼ一定である。したがって位相遅
れの出力電流に制御むだ時間の分だけ位相を進めた電流
指令補正値の極性に基づいて歪み電圧の補償を行なうこ
とによって、電流リップルやノイズ、制御むだ時間の影
響をなくした補償が可能となり、出力電流波形を正弦波
に近付けることができる。
【0019】補償電圧を求める際の電流の極性判定は、
電流指令値を用いることができる。これは、まず位相基
準θと1次周波数ω1から、位相進め演算器55で式
(3)に示す位相補償値θ’を求める。
【数3】 ここに、Δtは制御むだ時間である。
【0020】電流極性判定器56では位相補償値θ’と
励磁電流信号id* 、トルク電流指令信号iq* から式
(4)により電流位相θiを求める。
【数4】 そして、−90゜≦θi<90°の場合、U相電流は
正、それ以外はU相電流は負、30゜≦θi<210°
の場合、V相電流は正、それ以外はV相電流は負、15
0゜≦θi<330°の場合、W相電流は正、それ以外
はW相電流は負となる。補償電圧演算器57は、電流極
性判定器56の出力により補償電圧Δvu、Δvv、Δ
vwを出力する。例えば、U相電流が正の場合、歪み電
圧+vfを補償電圧Δvuとし、U相電流が負の場合、
歪み電圧−vfを補償電圧Δvuとする。
【0021】図2は、図1の構成における電流制御およ
びPWMパルス生成をマイコンで処理した場合のフロー
チャートを示す。 まず、ステップ500で、PWMパ
ルスの出力を更新する信号が入力されると、ステップ5
01で、電流センサ81、82、83で検出された出力
電流信号iu、iv、iwを読み込み、ステップ502
において、式(1)を用いて出力電流信号iu、iv、
iwを励磁電流信号id、トルク電流信号iqへ座標変
換を行なう。
【0022】ステップ503〜505で、励磁電流指令
信号id* 、トルク電流指令信号iq* を読み込み、i
d、iqとにより電圧指令vu1* 、vv1* 、vw1
* が演算される。ステップ506では、id* 、iq*
及び位相進みの位相基準θ’から補償電圧Δvu、Δv
v、Δvwが演算される。ステップ507において、v
u1* 、vv1* 、vw1* にΔvu、Δvv、Δvw
を加えて歪みを補償した電圧指令信号vu* 、vv*
vw* が算出される。
【0023】ステップ508では電圧指令信号vu*
vv* 、vw* に基づきデッドタイムを含んだU、V、
W3相のPWM信号Pu、Pu’、Pv、Pv’、P
w、Pw’が演算される。ステップ501、502が座
標変換器51に該当し、ステップ503、504が電流
制御演算器52、53に、ステップ505が座標変換器
54に該当する。ステップ507が加算器37〜39に
該当する。ステップ508がデッドタイム作成器40お
よびPWM演算器41に該当する。
【0024】図3はステップ506の詳細を示す。 す
なわちまずステップ600で位相補償値θ’が演算さ
れ、ステップ601で、電流指令の極性が判定された
後、ステップ602において、判定された極性が正の場
合はステップ603で歪み電圧vfを補償電圧Δvuと
する。判定された極性が負の場合はステップ604で歪
み電圧−vfを補償電圧Δvuとする。この後ステップ
605〜607ではU相と同様にV相の補償電圧Δv
v、ステップ608〜610ではW相の補償電圧Δvw
が求められ出力される。ステップ600が位相進め演算
器55に該当し、発明の位相補正手段を構成している。
ステップ601が電流極性判定器56に該当し、ステッ
プ602〜601が補正電圧演算器57に該当する。上
記601〜610が発明の電圧補償手段を構成してい
る。
【0025】本実施例は以上のように構成され、電流指
令値に対して制御むだ時間Δtの分だけ位相を進めた電
流指令値の極性を用いて、デッドタイムによる歪み電圧
を補正することにより、電流検出の際の電流リップルや
ノイズ、および電流検出遅れや出力電圧の制御遅れの影
響を受けない出力電圧の歪み補正を行なうことができ
る。なお、本実施例では電流指令値の位相から電流極性
を求めることを示したが、この他に、回転磁界座標から
固定子座標への座標変換により電流指令値の符号から求
めることもできる。すなわち式(5)にしたがって、位
相遅れを補償された電流指令値iu’* 、iv’* 、i
w’* を求める。その各々の極性が電流指令値の極性と
なって出力電圧の歪みを補償する方法である。
【数5】
【0026】図4は、本発明の第2の実施例を示す。こ
の実施例は図1に示した第1の実施例に補償電圧演算器
57の代わりに補償電圧演算器57Aとゼロクロス予測
演算器58を設けたものである。そのほかの構成は第1
の実施例と同様である。デッドタイムによる歪み電圧は
デッドタイム区間、すなわちPWMパルスの立ち上がり
あるいは立ち下がり時の出力電流の極性によって決ま
る。したがって電流指令値のゼロクロス点の時刻を予測
し、その時点でのPWMパルスの極性に基づいて歪み電
圧の補償を行なうことにより、PWMパルスの出力電流
波形をさらに正弦波に近付けることができる。
【0027】ゼロクロス予測演算器58は、電流位相θ
iと1次周波数ω1とから各相電流ゼロクロス点が発生
するかどうかを判定し、もし発生する場合、次式に基づ
きゼロクロス点発生するまでの時間Tzu、Tzv、T
zwを求める。ここで、0≦θi<360°とし、U相
の場合、0≦270°−θi<ω1・Δtならば、ゼロ
クロス点が発生して、
【数6】 0≦90°−θi<ω1・Δtならば、ゼロクロス点が
発生して、
【数7】 となる。V相の場合、0≦30°−θi<ω1・Δtな
らば、ゼロクロス点が発生して、
【数8】 0≦210°−θi<ω1・Δtならば、ゼロクロス点
が発生して、
【数9】 となる。W相の場合、0≦150°−θi<ω1・Δt
ならば、ゼロクロス点が発生して、
【数10】 0≦330°−θi<ω1・Δtならば、ゼロクロス点
が発生して、
【数11】 となる。
【0028】補償演算器57Aは、電流極性判定器56
の出力とゼロクロス点が発生するまでの時間Tzu、T
zv、Tzwとにより補償電圧Δvu、Δvv、Δvw
を演算し出力する。1周期分のPWMパルスが図5のよ
うな場合で、ゼロクロス点がそのPWM周期内にあると
きは、ゼロクロス点の位置がa、b、cのどの区間にあ
るかによってデッドタイムによる歪み電圧の量が図6に
示すように異なる。a、b、cの判定は次式による。こ
こで、直流電源電圧をvdcとする。U相の場合、
【数12】 ならば、a区間、
【数13】 ならば、b区間、
【数14】 ならば、c区間である。V相の場合、
【数15】 ならば、a区間、
【数16】 ならば、b区間、
【数17】 ならば、c区間である。W相の場合
【数18】 ならば、a区間、
【数19】 ならば、b区間、
【数20】 ならば、c区間である。上記の判定結果に応じて例え
ば、U相電流に対する1周期分の補償電圧Δvuは図7
に示すように決定される。
【0029】図8は、デッドタイムによる出力電圧の歪
みをマイコンで処理した場合のフローチャートを示す。
すなわちステップ700で、位相補償値θ’が演算さ
れ、ステップ701で指令電流極性判定と電流位相θi
の演算が行なわれた後、ステップ702において、判定
された極性が正の場合ステップ703へ進み、ここでゼ
ロクロス点が発生するか否かの判定が行なわれる。発生
した場合はステップ705で、ゼロクラス点の位置に応
じて図5中のa位置にならば歪み電圧−vfを補償電圧
Δvuとし、b位置にならば0をΔvuとし、c位置に
ならば歪み電圧+vfをΔvuとする。ゼロクロス点が
発生しない場合は、ステップ707では歪み電圧+vf
を補償電圧Δvuとする。
【0030】そしてステップ702で極性が負の場合は
ステップ704へ進んで、ここでゼロクロスが発生した
と判定されればステップ706で、ゼロクロス点の位置
に応じてa位置にならば、歪み電圧+vfをΔvuと
し、b位置にならば0をΔvuとし、c位置にならば、
歪み電圧−vfをΔvuとする。発生しないと判定され
ればステップ708で、歪み電圧−vfを補償電圧Δv
uとする。以後V相、W相についても上記と同様な手法
で歪み電圧が正確に求められ補償電圧を適量に決定する
ことができる。ステップ702、703、704がゼロ
クロス予測演算器58に該当し、ステップ705、70
6、707、708、…が補償電圧演算器57Aに該当
する。そしてこの実施例では上記ステップ701〜70
8、…が発明の電圧補償手段を構成している。
【0031】この実施例によれば、電流指令値に対して
制御むだ時間の分だけ位相を進めた電流指令値の極性を
用いて、デッドタイムによる歪み電圧を補正することに
より、電流検出の際の電流リップルやノイズ、および電
流検出遅れや電圧の制御遅れの影響を受けない出力電圧
の歪み補正を行なうことができるとともに、電流のゼロ
クロス点のタイミングを考慮した補正を行なうことによ
り、正確な出力電圧の歪み補正を行なうことができる。
【0032】図9は本発明の第3の実施例を示す。 運
転者はアクセルペダル30を操作し、その操作量は、位
置センサ31で検出される。その検出値は誘導電動機4
3へのトルク指令信号Te* 、磁束指令信号φ* として
出力される。ベクトル制御演算器32はそのトルク指令
信号Te* 、磁束指令信号φ* とから所定の演算によっ
て励磁電流指令id* 、トルク電流指令iq* 、および
誘導電動機43のすべり周波数ωseを算出する。加算
器34ですべり周波数ωseと回転速センサ44で検出
された誘導電動機43の回転速ωreとの和をとって1
次周波数ω1が算出される。
【0033】1次周波数ω1はさらに積分器35で積分
され位相基準θが算出される。座標変換器33は位相基
準θにより回転座標系の励磁電流指令id* 、トルク電
流iq* に対して座標変換を行なって3相の電流指令i
* 、iv* 、iw* を出力する。電流制御器36は電
流指令iu* 、iv* 、iw* と電流センサ81、8
2、83が検出した3相の駆動電流iu、iv、iwと
から電圧指令vu1* 、vv1* 、vw1* を算出す
る。
【0034】一方電流方向判別器45では励磁電流指令
id* 、トルク電流指令iq* 、すべり周波数ω1に基
づいて制御遅れを補償した電流基準値iuth 、ivth 、
iwth が算出される。この電流基準値は補償電圧を作成
するために必要な電流方向を求めるために必要なもので
ある。電流極性判別器46は電流基準値iuth 、ivth
、iwth と検出される出力電流iu、iv、iwとか
らその差Δiu、Δiv、Δiwを算出する。補償電圧
演算器47はΔiu、Δiv、Δiwから補償すべき補
償電圧Δuu、Δuv、Δuwを演算する。
【0035】電流制御器36で算出された電圧指令vu
* 、vv1* 、vw1* に、加算器37、38、39
で補償電圧Δvu、Δvv、Δvwが加算される。補償
された電圧指令vu* 、vv* 、vw* がデッドタイム
を付加するデッドタイム作成器40を通してPWM演算
器41に入力される。ここで3相の相補PWMパルスP
u、Pu’、Pv、Pv’、Pw、Pw’が作成され
る。各パルスは電力変換器42で電力変換され誘導電動
機43に出力される。
【0036】図10は、電力変換器42の出力部の1相
を示す。図において電源側パワー素子Aのゲートに加わ
られる信号vupper とグランド側パワー素子Bに加えら
れる信号vlower には、図11に示すように同時オフの
時間tdtがある。そのため、インバータの出力電圧v
0 (ここでは電力変換器42の出力)は、図11のよう
に出力電流i0 の方向によってデッドタイム分だけ異な
る電圧となる。(a)はi0 が正、(b)はi0 が負の
場合を示している。これを補償するためには、出力電流
の大きさやあらゆる時間での位相は必要なく、電流の方
向のみで十分である。制御遅れ分を考慮した場合におい
ても、遅れ分を考慮した電流の方向のみが分かればよ
い。
【0037】そこで、制御遅れ時間で変化する出力電流
の値を演算して、その符号を変えた値を、方向を判断す
るための基準値とする。この基準値と検出電流を比較し
た結果を電流の方向を与える信号とする。また、この基
準値の符号が変化した直後に電流方向を誤って判定する
ことを防止するため、基準値の変化には遅れを設けてお
く。以上により、簡単な演算で制御遅れを加味したデッ
ドタイム補償を正しく行なうことができる。
【0038】次に補償電圧Δvu、Δvv、Δvwの演
算について説明する。U、V、W3相のいずれにも同じ
演算を行なうので、ここでU相のみを説明する。U相電
流指令iu* は、式(21)で表わすことができる。
【数21】 式(21)を微分すれば、式(22)のようになる。
【数22】 電流iu* がゼロクロスするのは、ωt=nπ、(n=
…、−1、0、1、…)のときである。
【0039】したがって、電流がゼロとなる近傍での電
流変化は式(23)で表わすことができる。
【数23】 ここで制御遅れをTsとすると、制御遅れ時間で変化す
る電流は式(24)となる。
【数24】 したがって、これを電流方向判別の基準として、検出電
流との大小関係を判別すれば、制御遅れTsだけ早く電
流方向反転タイミングを判別でき、補償電圧が求められ
る。
【0040】図12は、図9の構成における作動の流れ
を示すフローチャートである。すなわちステップ100
で位置センサ31の検出値をトルク指令信号Te* とし
て読み込まれるとともに、ステップ101で磁束指令φ
* として読み込まれる、ステップ102では、トルク指
令信号Te* 、磁束指令φ* に対しベクトル制御演算を
実行し励磁電流指令値id* 、トルク電流指令値i
* 、すべり周波数ωseが求められる。ステップ10
3で、回転速センサ44から誘導電動機43の回転速ω
reが読み込まれ、ステップ104において、すべり周
波数ωseと誘導電動機43の回転速ωreの和をとっ
て1次周波数ω1を算出し、積分演算によって位相基準
θが求められる。ステップ105では、位相基準θによ
り励磁電流指令値id* 、トルク電流指令値iq* に対
して座標変換を行なって、電流指令値iu* 、iv*
iw* を算出する。ステップ106において、電流セン
サ81、82、83により検出された誘導電動機43の
出力電流iu、iv、iwを読み込み、ステップ107
で、電流指令iu* 、iv* 、iw* とにより電圧指令
vu1* 、vv1* 、vw1* を算出する。
【0041】ステップ108において、出力電流方向判
別基準値を演算し、ステップ109で、出力電流の方向
を判断し、その判断結果によりステップ110で、電圧
指令補償電圧Δvu、Δvv、Δvwを演算する。ステ
ップ111で、電圧指令vu1* 、vv1* 、vw1*
に、補償電圧Δvu、Δvv、Δvwが加算され、補償
電圧指令vu* 、vv* 、vw* が演算される。ステッ
プ112で、デッドタイム付加演算して、ステップ11
3で、補償電圧指令信号vu* 、vv* 、vw* に基づ
いてPWMパルス演算をする。ステップ114で電力変
換を行なうパワー素子のゲートに駆動のパルスを出力す
る。
【0042】図13は、上記ステップ108〜110の
詳細を示す。まずステップ1000で、式(25)より
電流ゼロクロス点での電流変化量Δiumogを求める。次
にステップ1001において、電流変化量Δiumogより
電流の方向が反転したと判別した後基準値を変化させる
までの遅延時間k・Tsを計算する。kは固定値でもよ
いが、キャリア周波数ωc/1次出力周波数ω1に比例
する値のほうが望ましい。
【数25】
【0043】ステップ1002で、電流方向判別基準値
iuth (n)=Δiumog(n)−2Δiumog(n−k)
・sgnの演算を行なう。ステップ1003では、電流
iuと基準値iuth の差Δiuを求める。その差からス
テップ1004で、電流iuの正負極性を判定し、判定
結果が正であるならば、ステップ1005で、電流方向
を示すフラグをセットし、sgnが1となる。ステップ
1006では、補償電圧Δvu(n)=−vdc・Ts
・tdtの演算が行なわれる。ステップ1004での結
果が負であるならば、ステップ1008で、フラグをク
リアし、sgnが0となる。ステップ1009では、補
償電圧Δvu(n)=vdc・Ts・tdtの演算が行
なわれる。その後ステップ1007で、求められた補償
電圧Δvuは出力される。なおvdcは直流電源電圧
で、tdtはデッドタイムである。
【0044】図14は、上記演算によって得られた補償
電圧Δvuと出力電流iu、電流方向判別基準値iuth
の関係を示す。上記ステップ106が発明電流検出手段
を、ステップ1000〜1002が基準値演算手段を、
ステップ1003、1004、1005、1008が電
流方向判別手段を、ステップ1006、1009が補償
量演算手段を構成している。
【0045】本実施例は以上のように構成され、電流方
向判別値iuth と補償電圧Δvuを求めることによって
制御遅れ時間Tsだけ早く電流方向反転のタイミングを
推定できる。これによってデッドタイムによる電圧歪み
の補償を簡単にかつ正しく行なうことができる。また制
御周期内で電流が変化する場合の電流方向反転タイミン
グを演算し、そのタイミングと出力電圧の立ち上がり、
立ち下がりタイミングの前後関係により補償電圧を異な
る適切な値とする構成であるときに電流がゼロクロス近
傍のデッドタイムによる電圧歪みをなくすことができ
る。なお、電流方向判別基準値iuth に変化遅れ時間k
・Tsを設けているから、電流ゼロクロス直後に新しい
基準値と検出電流の大小関係が反転したと誤判定するの
が防がれる。
【0046】次に図9に示した第3の実施励の電流方向
判別器45、電流極性判別器46、補償電圧演算器47
を45’、46’、47’に置き換え第4の実施例とし
て説明する。離散系の制御システムでは、サンプリング
ポイントでの電流しか分からない。図15に出力電流の
サンプリングポイントを点で示したが、出力電流がゼロ
クロスする制御周期内での電流の変化量Δi0 と検出電
流i0 の比から、電流の方向が変化するタイミング(t
0/Ts)を求めることができる。なお、Tsはサンプ
リング時間、t0は出力電流ゼロクロス時間である。図
16に示すようにこのタイミングが出力電圧の立ち上が
りtup立ち下がりtdownより早いi01の場合にはサンプ
ルポイントで判別した電流方向に基づいて補償電圧を演
算し、tupとtdownの間のt02の場合、補償電圧Δvu
を零とし、tup、tdownより遅いi03の場合にはサンプ
ルポイントで判別した電流方向を逆にして補償電圧を演
算する。これにより制御周期内で電流方向が反転した場
合にもデッドタイムによる電圧歪みを正しく補償でき
る。
【0047】図17は、電流方向が反転する制御周期区
間の出力電圧と出力電流の関係を示す。出力電流はCA
SE1の場合(t01≧tdown)、補償電圧はサンプリン
グした電流値から求めた値とする。CASE2の場合
(tup≦t02<tdown)、補償電圧は零とする。これ
は、出力電圧立ち上がり立ち下がりときに加えるべき補
償電圧の大きさが等しく符号が逆の場合と、いずれも零
の場合がある。1制御周期で考えると、補償電圧はゼロ
でよいからである。CASE3の場合(t03<tup)、
補償電圧はサンプリングした電流値から求めた補償電圧
の符号を反転させた値とする。これは出力電圧が立ち上
がるとき、立ち下がるときにはすでに電流が反転してい
るからである。
【0048】以下制御の流れを図18、19に基づいて
説明する。ステップ2000〜2003までは図12で
示した第3の実施例中のステップ1000〜1003と
同様な内容である。すなわち、式(25)より電流ゼロ
クロス点での電流変化量Δiumogを求め、電流変化量Δ
iumogより電流の方向が反転したと判別した後基準値を
変化させるまでの遅延時間k・Tsを計算する。電流方
向判別基準値iuth (n)の演算を行なって、出力電流
iuとの差Δiuを求める。
【0049】ステップ2004では、電流方向判別基準
値と今回の出力電流値Δiuとの比Riuを演算して、
Riuよりステップ2005、2006において今制御
周期内で出力電流が反転するか否かの判断を行なう。反
転しない場合は、ステップ2011へ進む。
【0050】反転した場合には、ステップ2007で、
t0=Rin・Tsの式を用いて出力電流iuがゼロと
なる時間t0を求める。ステップ2008において、式
(26)を用いて出力の立ち上がりタイミングtup、立
ち下がりタイミングtdownを求める。
【数26】 ステップ2009、2010においては、t0と立ち上
がりタイミングtup、立ち下がりタイミングtdownの時
間的前後関係を求める。t0はtdown、tupより小さい
ときはステップ2016へ進み、t0はtdownより小さ
く、tupより大きいときはステップ2019へ進み、t
downより大きいときはステップ2011へ進む。
【0051】ステップ2011では、電流Δiuの正負
極性を判定し、判定結果が正であるならば、ステップ2
012で、電流方向を示すフラグをセットし、sgnが
1となる。ステップ2013では、補償電圧Δvu
(n)=vdc・Ts・tdtの演算が行なわれて演算
値が出力される。ステップ2011での結果が負である
ならば、ステップ2014で、フラグをクリアし、sg
nが0となる。ステップ2015では、補償電圧Δvu
(n)=−vdc・Ts・tdtの演算が行なわれて、
演算値が出力される。
【0052】ステップ2016では、電流Δiuの正負
極性を判定し、判定結果が正であるならばステップ20
17では、補償電圧Δvu(n)=−vdc・Ts・t
dtの演算が行なわれて演算値が出力される。判定結果
が負であるならば補償電圧Δvu(n)=vdc・Ts
・tdtの演算が行なわれて演算値が出力される。ステ
ップ2019では、電流Δiuの正負極性を判定せず、
補償電圧Δvu(n)=vdc・Ts・tdtの演算の
みが行なわれて演算値が出力される。ここでは、ステッ
プ2000〜2002が基準値演算手段を、ステップ2
003〜2014が電流方向判別手段を、ステップ20
15〜2019が補償量演算手段を構成している。
【0053】本実施例は以上のように構成され、電流指
令がゼロクロスする制御周期内での電流の変化量と検出
電流の比Δiuから電流の方向が変化するタイミングを
求め、このタイミングが出力電圧の立ち上がり立ち下が
りより早い場合には、サンプルポイントで判別した電流
方向に基づいて補償電圧を演算し、出力電圧の立ち上が
りと立ち下がりの間では電圧補償をゼロとし、出力電圧
の立ち上がりと立ち下がりより遅い場合にはサンプルポ
イントで判別した電流方向を逆にして補償電圧を演算す
る。これにより制御周期内で電流方向が反転した場合に
もデッドタイムによる電圧を正しく補償できる。
【0054】また離散時間系のシステムにおいても、出
力電圧のH、Lの出力時間を補正すればよい。その補正
では電流が正の場合にはHの出力時間をデッドタイムt
dt分だけ長くし、電流が負の場合にはLの出力時間を
tdtだけ短くすればよい。なお、本実施例では、誘導
電動機のベクトル制御に適用した例を用いて説明した
が、これに限らず、同期電動機の制御に応用することも
容易である。すなわち、同期電動機を制御する場合、電
流指令値id* 、iq* およびすべり周波数ωseを演
算するベクトル制御演算器32がことなるのみであり、
それ以外の構成は共通であるからである。
【0055】
【発明の効果】本発明は以上示したように構成され、出
力電圧に対し位相遅れの電流指令信号の位相を進める補
正し、その電流指令信号の極性変化から補償電圧を演算
し電圧指令を修正する。これにより、デッドタイムによ
る出力電流歪みが補正される。ノイズの少ない出力電流
が得られる。そしてその電流指令補正値の極性が変化す
る点のPWMパルスに対するタイミングを考慮して電圧
補正値を演算し電圧指令を修正することにより、デッド
タイムによる出力電流歪みが正確に補正され、より正弦
波に近づいた出力電流が得られる。
【0056】また制御遅れ時間で変化する電流の値を演
算して、その符号を変えた値を、方向を判定するための
基準値とし、この基準値と検出電流を比較した結果を補
償電流の方向を与える信号とすることにより、簡単な演
算で歪み電圧を正しく補償することができる。電流リッ
プルやノイズ、制御むだ時間の影響をなくした補償が可
能となり、デッドタイムによる出力電流歪みが補償され
るとともに演算が非常に簡単になる。
【0057】なお電流指令がゼロクロスする制御周期内
での電流の変化量と検出電流の比から電流の方向が変化
するタイミングを求め、このタイミングが出力電圧の立
ち上がりが立ち下がりより早い場合には、サンプルポイ
ントで判別した電流方向に基づいて補償電圧を演算し、
出力電圧の立ち上がりと立ち下がりの間では電圧補償を
ゼロとし、出力電圧の立ち上がりと立ち下がりより遅い
場合にはサンプルポイントで判別した電流方向を逆にし
て補償電圧を演算することにより、制御周期内で電流方
向が反転した場合にもデッドタイムによる電圧を正しく
補償できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】第1の実施例における電流制御およびPWMパ
ルス生成をマイコンで処理した場合のフローチャートで
ある。
【図3】補償電圧の演算を詳細に示すフローチャートで
ある。
【図4】本発明の第2の実施例を示すブロック図であ
る。
【図5】ゼロクロス点とPWMパルスの関係を示す図で
ある。
【図6】電流極性、ゼロクロス点および歪み電圧の関係
を示す図である。
【図7】U相電流の極性、遅れ時間および歪み電圧の関
係を示す図である。
【図8】デッドタイムによる出力電圧の歪みをマイコン
で処理した場合のフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施例を示すブロック図であ
る。
【図10】電圧変換器における1相の出力部を示す。
【図11】デッドタイムとデッドタイムによる出力電圧
歪みの説明図である。
【図12】第3の実施例における電流制御およびPWM
パルス生成をマイコンで処理した場合のフローチャート
である。
【図13】補償電圧の算出を詳細に示すフローチャート
である。
【図14】補償電圧、出力電流および電流方向判別基準
値の関係を示す図である。
【図15】電流の方向が変化するタイミングの説明図で
ある。
【図16】電流の方向タイミングとPWMパルスの位置
関係を示す図である。
【図17】電流方向が反転する制御周期区間の出力電圧
と出力電流の関係を示す図である。
【図18】演算の流れを示すフローチャートである。
【図19】演算の流れを示すフローチャートである。
【図20】従来例を示す図である。
【図21】第2の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1、41 PWM演算器 2、43 誘導電動機 3 周波数演算器 4、50 積分器 5、6、52、53 電流制御演算器 7、33、51、54 座標変換器 9 位相進み補償器 14 電流位相演算部 18、19、20、21、22 加算器 23、34、37、38、39 加算器 30 アクセルペダル 31 位置センサ 32 ベクトル制御演算器 40 デッドタイム作成器 41 PWM演算器 42 電力変換器 45 電流方向判別器 46 電流極性判別器 47 補償電圧演算器 55 位相進め演算器 56 電流極性判定器 57 補償電圧演算器 58 ゼロクロス予測演算器 44 回転速センサ 81、82、83 電流センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流を交流に変換し短絡防止時間を設け
    た電流制御型PWMインバータにおいて、電流指令信号
    の位相を所定値だけ進める位相補正手段と、位相補正さ
    れた電流指令信号の極性により指令電圧を修正する電圧
    補償手段とを有することを特徴とする電流制御型PWM
    インバータ。
  2. 【請求項2】 直流を交流に変換し短絡防止時間を設け
    た電流制御型PWMインバータにおいて、電流指令信号
    の位相を所定値だけ進める位相補正手段と、該補正され
    た電流指令信号の極性が変化する時刻を予測する極性変
    化予測手段と、前記予測された極性の変化時刻と前記位
    相補正された電流指令信号の極性とにより電圧指令を修
    正する電圧補償手段とを有し、前記電圧補償手段は、前
    記電流指令信号の極性が変化する時刻のPWMパルスに
    対する位置関係により電圧指令を修正することを特徴と
    する電流制御型PWMインバータ。
  3. 【請求項3】 直流を交流に変換し短絡防止時間を設け
    た電流制御型PWMインバータにおいて、出力電流を検
    出する電流検出手段と、該出力電流の方向を判別する際
    の基準値を演算する基準値演算手段と、前記出力電流と
    前記基準値に基づき出力電流の方向を判別する電流方向
    判別手段と、前記判別された出力電流の方向に基づき指
    令電圧の補償電圧を演算する補償電圧演算手段とを有
    し、出力電流の方向を判別する基準値は、電流指令値の
    振幅、周波数、制御周期のなか少なくとも1つを用いて
    演算され、電流方向の判別結果は所定時間内に維持され
    ることを特徴とする電流制御型PWMインバータ。
  4. 【請求項4】 前記の電流方向判別結果が維持される時
    間は出力周波数に反比例する値であることを特徴請求項
    3記載の電流制御型PWMインバータ。
  5. 【請求項5】 直流を交流に変換し短絡防止時間を設け
    た電流制御型PWMインバータにおいて、出力電流を検
    出する電流検出手段と、該出力電流の方向を判別する際
    の基準値を演算する基準値演算手段と、前記出力電流と
    前記基準値に基づき出力電流の方向を判別する電流方向
    判別手段と、前記判別された出力電流の方向と前記基準
    値および前記出力電流に基づき指令電圧の補償電圧を演
    算する補償電圧演算手段とを有し、前記補償電圧演算手
    段は、前記基準値と前記出力電流の大きさの差を演算
    し、出力電流の大きさ(比較値1)が前記基準値の大き
    さ(比較値2)未満である場合には、比較値1と比較値
    2の比より出力電流方向が反転するタイミングを検出し
    これに基づき指令電圧の補償電圧を演算することを特徴
    とする電流制御型PWMインバータ。
  6. 【請求項6】 上記補償電圧は、1制御周期内において
    出力電流反転タイミングが出力電圧の立ち上がりタイミ
    ング、立ち下がりタイミングのいずれより早い場合は電
    流サンプリング点での電流方向に基づいた値とし、立ち
    上がりタイミングと立ち下がりタイミングの間である場
    合にはゼロとし、立ち上がりタイミング、立ち下がりタ
    イミングのいずれより遅い場合には、電流サンプリング
    点での方向と逆方向に判別した値とすること特徴とする
    請求項5記載の電流制御型PWMインバータ。
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