JPH08183473A - 車両用強度部材 - Google Patents

車両用強度部材

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JPH08183473A
JPH08183473A JP33747394A JP33747394A JPH08183473A JP H08183473 A JPH08183473 A JP H08183473A JP 33747394 A JP33747394 A JP 33747394A JP 33747394 A JP33747394 A JP 33747394A JP H08183473 A JPH08183473 A JP H08183473A
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JP
Japan
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flat plate
strength
strength member
section
flange
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JP33747394A
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Inventor
Yuichi Kitagawa
裕一 北川
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スポット溶接点間での平板部の座屈強度を、
他の座屈しやすい部分の座屈強度以上に設定する。 【構成】 チャンネル材101に形成したフランジ10
1cと、平板部102に形成したフランジ102cを相
互に合わせ、所定ピッチLでスポット溶接することによ
り多角形閉断面に形成した長尺筒状の車両用強度部材に
おいて、平板部102の幅cが多角形閉断面を構成する
他の辺のどれよりも長い場合に、該平板部102に補強
部としてのビード105a、105bを形成し、このビ
ードの位置を、次に長い辺の長さをbとした場合、平板
部102の固定端からbの距離内で、且つフランジの自
由端から0.47b2 /Lの距離内に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の衝突時に、軸方
向(長さ方向)の圧縮荷重を受けることにより圧潰して
衝突エネルギーを吸収する、フロントサイドメンバ等の
車両用強度部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フロントサイドメンバ等の車両用
強度部材の例として、例えば図17に示すようなもの
(特開平4−126677号公報参照)が知られてい
る。この強度部材は、第1の板材としてのチャンネル材
101と、第2の板材としての平板部102とを合わせ
て溶接することにより、ハット断面と呼ばれる閉断面形
状に形成されている。
【0003】チャンネル材101は一側面が開放したコ
字形断面を持ち、辺長bの縦壁面101bと、その両端
に連続する辺長aの2枚の横壁面101aとを有する。
両横壁面101aの端部には、外向きに折曲されたフラ
ンジ101cが設けられており、平板部102が開口を
閉じるようにチャンネル材101に合わせられ、平板部
102の幅方向両端のフランジ102c(多角形閉断面
を構成する一つの辺の延長上にある)とチャンネル材1
01のフランジ101cとが、所定ピッチLのスポット
溶接により接合されている。符号103で示すものは、
スポット溶接点である。
【0004】また、この強度部材では、チャンネル材1
01の縦壁面101bに、強度部材の軸方向に延びるビ
ード104が設けられている。このビード104は、外
面側に凸になっており、強度部材の後方に向かって徐々
に幅sが広くなるように形成されている。この強度部材
のビード104を含む部位の断面Aは、図18に示すよ
うな形状になっている。
【0005】また、図19に示すように、ビード104
が、チャンネル材101ではなく、平板部102の幅方
向中央部に設けられているものもある。この場合のビー
ド104のある箇所の断面Bは、図20に示すような形
状になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、板厚が同一
ならば、「板材の座屈強度は辺長が長いほど低くなる」
という平板の座屈理論に基づけば、図17に示したよう
な強度部材では、チャンネル材101において最も長い
辺長bよりも、平板部102の辺長c(四角形断面を構
成する実際の辺の長さに両端のフランジ102c、10
2cの幅を足した長さ)の方が長く、且つスポット溶接
点103の間(=ピッチ間)には何ら拘束がないため、
平板部102は、極めて鋲間座屈(スポット溶接点間座
屈)を生じやすい条件下にある。
【0007】すなわち、コ字形断面のチャンネル材10
1が限界強度に達する前に、図21に示すように、平板
部102が鋲間座屈する可能性が高い。したがって、図
17に示したような強度部材では、縦壁面101bにビ
ード104を形成して、チャンネル材101を補強して
いるにも拘わらず、その圧潰強度は、主として平板部1
02側の鋲間座屈強度に支配されることになるという問
題があった。
【0008】さらに、図18に示した断面においては、
縦方向の中心線clに対して、ビード104で補強され
たチャンネル材101側と、平板部102側との強度差
が非常に大きくなるため、圧潰時に平板部102側に倒
れ込む傾向が強く、安定モードで変形が進行しにくいと
いう問題があった。
【0009】また、図19に示したような強度部材で
は、平板部102側にビード104が設けられているも
のの、ビード104の位置が平板部102の幅方向中央
部であるため、ビード104からフランジ102cの自
由端までの平板部で、図22に示すような形で鋲間座屈
が生じる可能性が高かった。このため、ビード104に
よる補強効果は小さく、部材全体の圧潰強度の増大があ
まり期待できないという問題があった。
【0010】本発明は、上記事情を考慮し、平板側の座
屈強度がチャンネル材側の座屈強度以上になるようにし
て、全体の座屈強度の増強を図ることができる車両用強
度部材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、長尺
な板材の幅方向端部にフランジを有し、これらフランジ
相互を長手方向所定ピッチLでスポット溶接することに
より多角形閉断面に形成した車両用強度部材において、
前記一方のフランジが前記多角形閉断面の一辺を形成す
る平板部の幅方向一端部延長上に角部を経ずに連続形成
され、且つ該平板部の幅方向他端部側が前記多角形閉断
面の他の辺を形成する隣接した平板部に長手方向全体的
に剛に連結された固定端であり、該一辺を形成する該平
板部の長さと前記一方のフランジの幅との合計長が、前
記多角形閉断面の他の辺を構成する各平板部よりも長い
場合に、前記一辺に相当する平板部に長手方向全体的に
補強部を形成し、該補強部の位置を、次に長い辺の長さ
をbとした場合、前記固定端からbの距離内で、且つ前
記フランジの自由端から0.47b2 /Lの距離内に設
定したことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の車両用
強度部材であって、前記補強部がビードにより形成され
ていることを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、請求項1記載の車両用
強度部材であって、前記補強部が、板厚の増加により形
成されていることを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項1記載の車両用
強度部材であって、前記補強部が、別部材の接合により
形成されていることを特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、請求項1記載の車両用
強度部材であって、前記補強部が、前記スポット溶接箇
所間に設けられた断続的なビードによって形成されてい
ることを特徴とする。
【0016】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載の車両用強度部材であって、前記板材は、少な
くとも2枚備えられ各板材の幅方向両端に前記フランジ
を有し、前記平板部に前記補強部が間隔をおいて2本以
上形成され、一方の補強部の位置が、他方の補強部側を
前記固定端として定められていることを特徴とする。
【0017】請求項7の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載の車両用強度部材であって、前記固定端が、前
記多角形断面の角部からなることを特徴とする。
【0018】
【作用】請求項1の発明では、補強部を所定位置に限定
して配置したことにより、補強部から固定端までの平板
部の座屈強度及び補強部からフランジ自由端までの平板
部の座屈強度が共に、次に長い辺の平板部の座屈強度よ
りも高くなる。従って、スポット溶接のピッチ間(溶接
点間)で、一つの辺及びその延長上のフランジに相当す
る平板部が、他の部分よりも最初に座屈することが防止
される。
【0019】請求項2の発明では、ビードの形状や幅等
によって補強部の強度を調節することができる。
【0020】請求項3の発明では、部分的に板厚を増加
することで補強部が形成されているので、その板厚や板
厚増加部の幅によって、補強部の強度を調節することが
できる。
【0021】請求項4の発明では、別部材の接合によっ
て補強部を形成したので、その別部材の材質強度や寸法
によって、補強部の強度を調節することができる。
【0022】請求項5の発明では、断続的なビードによ
り補強部を形成したので、本来補強の必要な箇所のみを
効果的に補強することができる。また、圧潰時に、ビー
ドが不連続となるスポット溶接箇所を節として、蛇腹状
に変形が進行する。
【0023】請求項6の発明では、一方の補強部の位置
が他方の補強部を固定端として定められていることによ
り、該平板部の鋲間座屈が他の部分の座屈より先に起こ
ることが防止される。この場合、補強部の相互位置関係
により、平板部の座屈強度の調整が可能であり、平板部
の寸法が大きい場合でも対応できる。
【0024】請求項7の発明では、板材が平板以外の断
面(例えばL字形)に形成され、固定端が角部である場
合、この固定端を基準に補強部の位置を設定すれば、そ
の角部からフランジ自由端までの範囲の平板部の座屈強
度を、次に座屈しやすい部分の座屈強度以上にすること
ができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説
明する。
【0026】図1は第1実施例を示す。
【0027】この実施例の強度部材は、長尺な第1の板
材としてのチャンネル材101と、同第2の板材として
の平板部102とを合わせて溶接することにより、四角
形の閉断面形状に形成されている。
【0028】チャンネル材101は一側面が開放したコ
字形断面を持ち、辺長bの縦壁面101bと、その両端
に連続する辺長a(b≧a)の2枚の横壁面101aと
を有する。両横壁面101aの端部には、外向きに折曲
された(角部を経て形成された)フランジ101cが設
けられており、平板部102が開口を閉じるようにチャ
ンネル材101に合わせられ、平板部102の幅方向両
端のフランジ102c(多角形閉断面を構成する一つの
辺の延長上にある)とチャンネル材101のフランジ1
01cとが、所定ピッチLのスポット溶接により接合さ
れている。符号103は、スポット溶接点を示す。な
お、平板部102の辺長c(断面を構成する実際の辺の
長さに両端のフランジ102c、102cの幅を足した
長さ)は、辺長bよりも長い。
【0029】また、この強度部材を構成する平板部10
2には、補強部である軸方向に連続して延びる2本のビ
ード105a、105bが、補強部として、所定間隔を
おいて設けられている。この強度部材のビード105
a、105bを含む部位の断面Cは、図2に示すような
形状になっている。ビード105a、105bは、幅s
の同一矩形断面形状をなし、外面側に凸に形成され、い
ずれもフランジ102cの自由端からd1だけ離れ、互
いにd2だけ離れた位置にある。
【0030】次に作用を説明する。
【0031】ここでは、図3に示すように、(1)〜
(3)の3つの強度部材を例としてあげ、これらについ
て比較検討する。
【0032】図3中の(1)、(2)は比較例1、2と
して示す強度部材であり、(3)は本実施例に相当する
強度部材である。(1)は平板部102にビードを形成
しない例、(2)は平板部102の幅方向中央にビード
104を形成した例(図19に示した従来例に相当す
る)、(3)は平板部102に2本のビード105a、
105bを形成した例である。
【0033】図4は支持条件が異なる平板の座屈形態を
示す。
【0034】いずれも圧縮方向にある2辺は単純支持条
件であるが、平板の両側2辺の拘束条件が異なる。
(1)の両側2辺は自由端、(2)の片側辺は固定端で
他方は自由端、(3)の両側2辺は固定端となってい
る。
【0035】ここで、平板部に当てはめると、自由端と
は、平板部の端部が、隣接した平板部に剛に連結されて
いない部分を少なくとも一部に有する場合を称し、固定
端とは、同隣接した平板部に長手方向全体的に剛に連結
された場合を称する。
【0036】有限要素法を用いた座屈解析によれば、そ
れぞれの場合の座屈強度は、およそ1:1.5:3.2
の比となる。図3の(1)に示したビードのない平板部
102の座屈強度は図4の(1)に相当する。また、図
3の(2)に示した中央にビード104を有する平板部
102では、フランジ102c側の端部はスポット溶接
点の間で自由端となるが、平板部102の中央に設置さ
れたビード104が支持辺として働くため、座屈強度は
図4の(2)に相当する。また、図3の(3)に示した
スポット溶接用のフランジ102cの近傍にビード10
5a、105bを有する平板部102では、2本のビー
ド105a、105bの一方がそれぞれ他方の固定端と
して働くので、その座屈強度は図4の(3)に相当す
る。
【0037】箱型断面部材の圧潰強度に関する研究によ
れば、部材全体の圧潰強度は壁面座屈強度の0.43乗
に比例するとされていることから、図3の(1)、
(2)、(3)の各部材の平板部102側の圧潰強度の
比は、およそ1:1.19:1.65となる。
【0038】一方、コ字形断面のチャンネル材101側
の縦壁面(=最も辺長の長い壁面)101bは,両辺を
支持された平板に相当するため、いずれの場合も図4の
(3)の座屈強度を有する。すなわち、図3に示した各
部材の全体の圧潰強度は、コ字形断面のチャンネル材1
01の圧潰強度と平板部102の圧潰強度の和となる。
上記の圧潰強度の比を用いれば、2:2.19:2.6
5=1:1.10:1.33となる。
【0039】図5は、図3に示した3種類の部材に相当
する簡単なモデルを用いて、有限要素法により軸方向の
圧潰特性を計算した結果を示している。図5(1)〜
(3)のモデルは、それぞれ図3の(1)〜(3)を単
純化したものに相当する。図5の(1)、(2)では、
チャンネル材101と平板部102を接合するスポット
溶接点103の間で、鋲間座屈が生じて口開きが生じて
いるのに対して、(3)では、口開きが少なくなってい
る様子がわかる。
【0040】また、図6は(1)〜(3)の各部材の圧
潰荷重およびエネルギー吸収量を示したグラフである。
(a)のグラフは平均圧潰荷重を比較したものであり、
(1)、(2)、(3)の各部材の圧潰荷重の比は、
1:1.05:1.17となっている。(b)のグラフ
は塑性変形によるエネルギー吸収量を示しており、その
比は、1:1.09:1.32となり、先に求めた強度
比とほぼ一致する結果が得られた。
【0041】以上のように、図3の(2)に示した強度
部材(図19の従来例に相当)は、平板部102にビー
ドをもたない(1)の強度部材に比べて、1.1倍程度
の強度向上しかないのに対して、図3の(3)に示した
強度部材(本実施例に相当)は1.3倍程度の強度向上
が期待できる。
【0042】ところで、図1に示した本実施例における
2本のビード105a、105bの設置位置に関して
は、以下のように考察することができる。
【0043】図2に示すように、本実施例における2本
のビード105a、105bは、それぞれフランジ10
2c、102cの自由端から距離d1だけ離れ、且つ互
いに距離d2だけ離れた位置に配置されている。2本の
ビード105a、105bで挟まれた範囲は、両辺支持
の辺長d2の平板として考えることができ、ビード10
5a、105bからフランジ102cの自由端までの範
囲は、片側に辺長d1の自由端をもつ平板として考える
ことができる。
【0044】両端を支持された平板の座屈強度は辺長の
2乗に反比例することから、チャンネル材101側の辺
長bの平板部(縦壁面101b)の座屈強度と、平板部
102側の辺長d2の平板部の座屈強度は、d2≦bな
らば、後者が前者を上回る。
【0045】一方、自由端をもつ平板の座屈強度は,自
由端の長さ(本例ではスポット溶接点の間の長さ)Lの
2乗に反比例し、辺長d1に反比例する。自由端をもつ
平板の座屈強度は、s1=k1/(d1・L)で与えら
れ、2本のビード105a、105bで挟まれた平板の
座屈強度は、s2=k2/d22 で与えられる。ただ
し、k1およびk2は断面二次モーメントなどで決まる
係数である。
【0046】図3に示した平板モデルにおける座屈強度
の比によれば、s2=2.133s1であり、最も単純
な場合として、d1=d2=L=bを代入すれば、k1
/k2=0.47が得られる。
【0047】ある圧縮荷重下において、自由端をもつ平
板の座屈強度が2本のビード105a、105bに挟ま
れた平板の座屈強度を上回るための条件は、s1≧s2
から得られ、d1≦0.47d22 /Lとなる。最初の
条件d2≦bが満たされているならば、辺長d2の平板
よりも辺長bの平板において先に座屈が生じることか
ら、「d1≦0.47b2 /1」が、フランジ102c
の鋲間座屈の強度がチャンネル材101の縦壁面101
bの座屈強度を上回るための条件となる。
【0048】以上のように、2本のビード105a、1
05bの間隔d2が距離b以下であり、且つフランジ1
02aの自由端から0.47b2 /L以下の範囲内に各
ビード105a、105bがあれば、平板部102より
先にチャンネル材101の縦壁面101bで座屈が生じ
ることになり、鋲間座屈による圧潰強度の低下を防ぐこ
とができる。
【0049】なお、ビード105a、105bは、平板
部102の内面側に凸に形成してもよいし、形状を変え
てもよい。ビード105a、105bで補強部を構成し
た場合は、重量増加をあまり招かずに簡単に補強効果を
上げることができる。また、ビード105a、105b
の形状や幅を変えることにより、補強度合を調節するこ
とも簡単にできる。
【0050】次に他の実施例について説明する。
【0051】図7は第2実施例を示す。
【0052】この実施例の強度部材では、補強部106
a、106bを、ビードで形成する代わりに、部分的に
板厚を増加することで形成している。すなわち、両端が
フランジ102c、102cとなった平板部102は、
図8に断面Dを示すように、全体が板厚t1で構成され
ているが、補強部106a、106bの板厚がt2(t
2>t1)となっている。補強部106a、106bの
位置的条件は、第1実施例と同じである。
【0053】板厚の厚い2つの補強部106a、106
bで挟まれた範囲は、辺長d2の平板として考えること
ができ、補強部106a、106bからフランジ102
c、102cの自由端までの範囲は、片側に辺長d1の
自由端をもつ平板として考えることができる。従って、
第1実施例と同様の座屈強度特性を持つ。また、板厚増
加により補強部106a、106bを構成したから、増
加板厚やその幅によって、補強部の強度を効果的に調節
することができる。
【0054】図9は第3実施例を示す。
【0055】この実施例の強度部材では、図10に断面
Eを示すように、補強部107a、107bを、平板部
102の表面に所定厚の帯板(別部材)107を接合す
ることで形成している。補強部107a、107bは、
それにより板厚がt2となって、他の部分の板厚t1よ
りも厚くなっている。作用は第2実施例と同じである
が、本実施例では、帯板107の寸法次第で、簡単に補
強部の強度調整が可能であるという違いがある。なお、
接合する部材は、帯板以外であっても良い。
【0056】図11は第4実施例を示す。
【0057】この実施例の強度部材では、補強部とし
て、連続的なビードの代わりに、断続的なビード108
a、108bを設けている。ビード108a、108b
は、部材の衝突方向の先端部約Lの長さ以降に設置さ
れ、且つスポット溶接点103の位置を除いた部分に断
続的に形成されている。
【0058】この場合も、ビード108a、108bの
位置的条件は第1実施例と同じであり、ビード108
a、108bで挟まれた範囲は辺長d2の平板として考
えることができ、ビード108a、108bからフラン
ジ102cの自由端までの範囲は片側に辺長d1の自由
端をもつ平板として考えることができる。図12は本実
施例の強度部材の断面Fの形状を示している。
【0059】この強度部材も、第1実施例と同様の座屈
強度特性を持つ。この場合は、ビード108a、108
bが不連続になっているが、その位置は、スポット溶接
点103で挟まれる範囲eが辺長となった両端支持の平
板となるので、この位置で鋲間座屈を生じることはな
い。さらに、本実施例では部材の衝突方向の先端部約L
の長さの範囲にはビード108a、108bが設置され
ていないため、この部位では鋲間座屈を生じやすくなっ
ている。
【0060】したがって、本実施例の強度部材は、衝突
時にはまず先端部からLの範囲が鋲間座屈を契機として
潰れ、それ以降は、ビード108a、108bが不連続
となったスポット溶接点103の位置を節として、蛇腹
状の変形が進み、衝突エネルギーの吸収効果が高まる。
【0061】図14は第5実施例を示す。
【0062】この実施例の強度部材では、チャンネル材
101の縦壁面101bと横壁面101a、101aと
の間に斜め壁面101b’を設け、チャンネル材101
を、6角形断面に形成している。ここでは、縦壁面10
1bが辺長b、横壁面101aが辺長a、斜め壁面10
1b’が辺長b’に形成され、b≧b’≧aの関係に設
定されている。そして、平板部102に、第1実施例と
同じ条件でビード109a、109bが形成されてい
る。図14は本実施例の強度部材の断面Gの形状を示し
ている。d1 およびd2 はそれぞれ、d1 ≦0.47b
2 /1,d2 ≦bとなっており、辺長d1 の壁面も辺長
2 の壁面も壁面101bより座屈強度が高くなるた
め、フランジ部での鋲間座屈が生じなくなる。
【0063】図15は第6実施例を示す。
【0064】この実施例の強度部材では、2枚の板材と
して、辺長bの横壁面111b、112bと、固定端と
して働く角部115を介して直交する辺長c(c≧b)
の縦壁面111a,112aとを持つ断面L字形のアン
グル材111、112が用いられている。図16は断面
Hの形状を示す。
【0065】両アングル材111、112は、後述する
ビード110a、110bの形状を除いて同じ形状のも
のである。各アングル材111、112の横壁面111
a、112aの幅方向端部には、90度外方に板材を折
り曲げることでフランジ111dが形成され、辺長cの
縦壁面111b、112bの幅方向端部にはフランジ1
11c、112cが角部を経ずに連続形成されている。
また、一方のアングル材111の縦壁面111bには、
その端部のフランジ111cに隣接して、内面側に凸に
なったビード110aが形成されている。また、他方の
アングル材112の縦壁面112bには、その端部のフ
ランジ112cに隣接して、外面側に凸になったビード
110bが形成されている。各ビード110a、110
bは部材の長手方向に連続して延びるものであり、幅寸
法がsの同じ矩形断面に形成されている。
【0066】そして、本実施例の強度部材は、両方のア
ングル材111、112の縦壁面111b、112b同
士を対向させ、且つ横壁面111a、112a同士を対
向させた状態で相互に接合されている。すなわち、一方
のアングル材111の縦壁面111bに形成したフラン
ジ111cと、他方のアングル材112の横壁面112
aに隣接したフランジ112dとが、相互に合わせられ
て、所定ピッチでスポット溶接されて、他方のアングル
材112の縦壁面112bに形成したフランジ112c
と、一方のアングル材111の横壁面111aに隣接し
たフランジ111dとが、相互に合わせられて、所定ピ
ッチでスポット溶接され、それにより長方形断面の強度
部材が構成されている。
【0067】前記ビード110a、110bは、フラン
ジ111c、112cの自由端からd1、角部15から
d2だけ離れた位置に形成されている。したがって、縦
壁面111b、112b上のビード110a、110b
と、角部115、115で挟まれる範囲は、辺長d2の
両端固定の平板として考えることができる。同様に、ビ
ード110a、110bからフランジ111c、112
cの自由端までの範囲は、片側に辺長d1の自由端をも
つ平板として考えることができる。
【0068】d1、d2はそれぞれ、d1≦0.47b
2 /L、d2≦bとなっており、辺長d1の平板部も辺
長d2の平板部も、横壁面111b、112bより座屈
強度が高くなるため、フランジ111c、112cでの
鋲間座屈が生じなくなる。さらに、本実施例では、ビー
ド110aは部材内側方向に形成されているから、車両
搭載時に他部品との干渉を生じにくくなる。
【0069】なお、上記実施例では、補強部の本数を1
本か2本にした場合を示したが、平板部の大きさによ
り、2本以上設けてもよい。また、多角形閉断面は、一
枚の板材を断面袋状に折り曲げて形成するものでもよ
い。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、長尺な板材をスポット溶接した多角形閉断面の
車両用強度部材において、最も座屈強度が低くなる平板
部、すなわち端部がスポット溶接用のフランジとなっ
て、該フランジと辺を足した長さが、他のどの辺よりも
長くなった平板部に補強部を設け、この補強部の位置
を、固定端からの距離及びフランジ自由端からの距離に
基づいて限定したので、他の部分よりも先に、前記平板
部が鋲間座屈(ピッチ間座屈)することを有効に防ぐこ
とができ、部材全体の座屈強度を向上させることができ
る。
【0071】また、前記平板部の座屈強度を高めること
により、全体の座屈強度のバランスを良くすることがで
き、そのため圧潰時に、安定したモードで塑性変形を進
行させることが可能で、車両衝突時の衝撃吸収量の増大
が図れる。
【0072】また、実際の車体構造では、工法や板組の
関係からスポット溶接のピッチを必ずしも一定に保てな
いため、強度部材の後方側にスポット溶接ピッチが大き
い箇所が存在した場合に、その部位で鋲間座屈が生じて
折れ変形してしまう可能性があったが、請求項1の発明
によれば、補強部の存在によって鋲間座屈を有効に防ぐ
ことができるため、スポット溶接のピッチに対する許容
度が増すという効果も得られる。
【0073】請求項3の発明によれば、局部的な板厚の
増加によって補強部を形成しているので、補強効果が高
い。
【0074】請求項4の発明によれば、別部材の接合に
よって補強部を形成しているので、強度の調整が容易
で、補強効果が高い。
【0075】請求項5の発明によれば、必要最小限の補
強をすることができると共に、安定したモードで圧潰を
進行させることができ、衝撃エネルギーの吸収効率を高
めることができる。
【0076】請求項6の発明によれば、平板部に設けた
補強部の相互位置関係により、平板部の鋲間座屈が他の
部分に先んじて起こるのを有効に防止でき、部材全体の
座屈強度の向上が図れる。
【0077】請求項7の発明によれば、角部を固定端と
して補強部の位置を設定することにより、角部からフラ
ンジ自由端までの範囲の平板部分の座屈強度を、次に座
屈しやすい部分の座屈強度以上にすることができ、それ
により、前記平板部分の鋲間座屈が他の部分に先んじて
起こるのを有効に防止でき、部材全体の座屈強度の向上
が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の車両用強度部材の斜視図
である。
【図2】同強度部材の横断面図である。
【図3】本発明の第1実施例と比較例の構造の違いを示
す斜視図である。
【図4】図3の各部材の座屈変形の比較を示す図であ
る。
【図5】図3の各部材の座屈変形の計算結果を示す図で
ある。
【図6】図3の各部材の座屈荷重および吸収エネルギー
の計算結果を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例の車両用強度部材の斜視図
である。
【図8】同強度部材の横断面図である。
【図9】本発明の第3実施例の車両用強度部材の斜視図
である。
【図10】同強度部材の横断面図である。
【図11】本発明の第4実施例の車両用強度部材の斜視
図である。
【図12】同強度部材の横断面図である。
【図13】本発明の第5実施例の車両用強度部材の斜視
図である。
【図14】同強度部材の横断面図である。
【図15】本発明の第6実施例の強度部材の斜視図であ
る。
【図16】同強度部材の横断面図である。
【図17】従来の車両用強度部材の一例を示す斜視図で
ある。
【図18】同強度部材の横断面図である。
【図19】従来の車両用強度部材の他の例を示す斜視図
である。
【図20】同強度部材の横断面図である。
【図21】図17に示した強度部材の圧潰モデルを示す
斜視図である。
【図22】図19に示した強度部材の圧潰モデルを示す
斜視図である。
【符号の説明】
101 チャンネル材(板材) 101c フランジ 102 平板(板材) 102c フランジ 103 スポット溶接点 105a,105b ビード(補強部)(固定端) 106a,106b 板厚増加による補強部 107 帯板(別部材) 107a,107b 補強部(固定端) 108a,108b 断続的なビード(補強部)(固定
端) 109a,109b ビード(補強部)(固定端) 110a,110b ビード(補強部)(固定端) 111,112 アングル材(板材) 115 角部(固定端) C,D,E,F,G,H 多角形閉断面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺な板材の幅方向端部にフランジを有
    し、これらフランジ相互を長手方向所定ピッチLでスポ
    ット溶接することにより多角形閉断面に形成した車両用
    強度部材において、 前記一方のフランジが前記多角形閉断面の一辺を形成す
    る平板部の幅方向一端部延長上に角部を経ずに連続形成
    され、且つ該平板部の幅方向他端部側が前記多角形閉断
    面の他の辺を形成する隣接した平板部に長手方向全体的
    に剛に連結された固定端であり、該一辺を形成する該平
    板部の長さと前記一方のフランジの幅との合計長が、前
    記多角形閉断面の他の辺を構成する各平板部よりも長い
    場合に、 前記一辺に相当する平板部に長手方向全体的に補強部を
    形成し、 該補強部の位置を、 次に長い辺の長さをbとした場合、前記固定端からbの
    距離内で、且つ前記フランジの自由端から0.47b2
    /Lの距離内に設定したことを特徴とする車両用強度部
    材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用強度部材であっ
    て、 前記補強部がビードにより形成されていることを特徴と
    する車両用強度部材。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両用強度部材であっ
    て、 前記補強部が、板厚の増加により形成されていることを
    特徴とする車両用強度部材。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の車両用強度部材であっ
    て、 前記補強部が、別部材の接合により形成されていること
    を特徴とする車両用強度部材。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の車両用強度部材であっ
    て、 前記補強部が、前記スポット溶接箇所間に設けられた断
    続的なビードによって形成されていることを特徴とする
    車両用強度部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の車両用
    強度部材であって、 前記板材は、少なくとも2枚備えられ各板材の幅方向両
    端に前記フランジを有し、前記平板部に前記補強部が間
    隔をおいて2本以上形成され、一方の補強部の位置が、
    他方の補強部側を前記固定端として定められていること
    を特徴とする車両用強度部材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の車両用
    強度部材であって、 前記固定端が、前記多角形断面の角部からなることを特
    徴とする車両用強度部材。
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