JPH08185619A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JPH08185619A
JPH08185619A JP33753394A JP33753394A JPH08185619A JP H08185619 A JPH08185619 A JP H08185619A JP 33753394 A JP33753394 A JP 33753394A JP 33753394 A JP33753394 A JP 33753394A JP H08185619 A JPH08185619 A JP H08185619A
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magnetic
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film
undercoat layer
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JP33753394A
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Kazuyuki Usuki
一幸 臼杵
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気記録媒体の非磁性支持体表面に低く均一な
突起を形成し、高い電磁変換特性と走行耐久性を両立す
る磁気記録媒体を提供すること。 【構成】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に強磁
性金属薄膜からなる磁性層を有する磁気記録媒体におい
て、該非磁性支持体と該磁性層の間に耐熱性微粒子を含
有したシリカ膜からなる下塗層を有することを特徴とす
る磁気記録媒体、 非磁性支持体の少なくとも一方の面にケイ素含有化
合物を含む溶液中に前記耐熱性微粒子が含まれる塗布液
を塗布し、次いで、形成された前記下塗層上に強磁性金
属薄膜を真空成膜法で形成することを特徴とする前記
記載の磁気記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強磁性金属薄膜を磁性層
とする磁気記録媒体に関し、高い耐熱性、平滑な表面
性、高い引っ張り強度を有する下塗層を作成することに
より、特に電磁変換特性に優れた金属薄膜型磁気記録媒
体を製造することに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、ハードディスク等の磁気記
録媒体においては高密度記録に適した強磁性金属薄膜を
磁性層とする磁気記録媒体が実用化されている。このよ
うな強磁性金属薄膜を磁性層とする磁気記録媒体は、高
い磁気エネルギーを容易に達成できると同時に、非常に
平滑な表面性を達成できるためスペーシングロスが少な
く、高い電磁変換特性を有する特徴がある。
【0003】しかし、磁性層の表面性を平滑にしすぎる
と、真実接触面積の増大と表面に付与された潤滑剤によ
る相手部材に対する吸着を招き、走行耐久性の確保が非
常に困難となる。このため磁気テープであればベースフ
ィルムの表面に微粒子と結合剤を塗布することによっ
て、またハードディスクであれば機械的に基板を研磨し
て表面に適切な凹凸を設けることによって若干電磁変換
特性を犠牲として走行耐久性を確保している。
【0004】特開昭57−8921号公報には、金属ま
たは酸化被膜を施した基板にスパッタリングによりSi
2 又はガラス被膜を形成し、その上にスパッタリング
により酸化磁性膜を設けた磁気記録媒体を開示し、磁気
特性を改善するとしている。特開昭57−52646号
公報には、高分子成形物からなる基材の表面に接してS
iOの蒸着膜を形成し、そのSiO蒸着層の上に少なく
とも磁性金属膜を配した磁気記録媒体を開示して寿命特
性を改善するとしている。そして、特開昭59−207
422号公報には、フィルム基材の上に平均粒子径3〜
50nmの無機微粒子を含む厚さ0.2μm以上の下塗
層を設け、その上に強磁性金属薄膜を設けた磁気記録媒
体を開示し、テープの機械的強度を向上させるとしてい
る。
【0005】ところで、電磁変換特性と走行耐久性を高
い次元で両立するためには媒体表面に設ける凹凸はほぼ
同じ高さの突起が高密度で存在することが理想的といえ
る。
【0006】しかし、最近の磁気録媒体では高密度記録
化の要求が強く、より高い電磁変換特性が必要となって
きているため、突起の高さは徐々に低くなる傾向にあ
る。この様な磁気記録媒体においては10nm〜20nm程度の
低い突起を均一に形成しなければならず、突起の形成が
困難となっている。
【0007】たとえば磁気テープの場合、前述の様に非
磁性支持体表面に塗布する微粒子は粒子径10nm前後の超
微粒子が要求され、このような超微粒子を単分散で作成
できたとしても、高い表面エネルギーをもつこのような
超微粒子を凝集させることなく非磁性支持体上に塗布す
ることは非常に困難である。この凝集は局所的であって
も、ヘッドと磁気記録媒体間に余分な空隙を形成するの
に十分な密度であることが多く、塗布した粒子径から予
想されるよりも、低い電磁変換特性しか得ることできな
い。
【0008】一方、ハードディスクにおいても機械的な
方法では前述のような低い突起を均一に作成することが
難しい。そこで本発明者等は、現在では通常、20〜3
0nm程度の大きさの微粒子を使用して、但し、その粒
子サイズの影響をできるだけ軽減するために分散層の厚
さを厚くした下塗層を非磁性支持体表面に形成する検討
を行った。
【0009】ところが、下塗層を厚くすると磁性層をス
パッタリングで形成する際に下塗層のバインダーが変化
するためか磁性層に大きな突起が生ずるという、いわゆ
る「熱負け」という現象が生じるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気記録媒
体の非磁性支持体表面に低く均一な突起を形成し、高い
電磁変換特性と走行耐久性を両立する磁気記録媒体を提
供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、
非磁性支持体の少なくとも一方の面に強磁性金属薄膜
からなる磁性層を有する磁気記録媒体において、該非磁
性支持体と該磁性層の間に耐熱性微粒子を含有したシリ
カ膜からなる下塗層を有することを特徴とする磁気記録
媒体、 非磁性支持体の少なくとも一方の面にケイ素
含有化合物を含む溶液中に前記耐熱性微粒子が含まれる
塗布液を塗布し、次いで、形成された前記下塗層上に強
磁性金属薄膜を真空成膜法で形成することを特徴とする
前記記載の磁気記録媒体の製造方法により達成でき
る。
【0012】本発明は、耐熱性微粒子を含有したシリカ
膜を下塗層としたことを特徴とし、下塗層表面に均一な
微小突起を形成することができ、磁性層の表面性を改善
し、さらに下塗層として耐熱性のシリカ膜を採用したた
め熱負け等が生じないから更に表面性の改善が図られる
という効果を奏するものである。
【0013】即ち、本発明の磁気記録媒体にあって、耐
熱性微粒子を含んだシリカ膜からなる下塗層は耐熱性に
優れるため、作成した下塗層の表面性が強磁性金属薄膜
形成後においても維持され、非常に均一でかつ低い突起
を持った磁気記録媒体を得ることができる。
【0014】本発明の磁気記録媒体におけるシリカ膜と
は広義の意味で使用するものであって、主に珪素ー酸素
結合のネットワークから構成される化合物からなる膜を
指すが、必ずしもSiO2という量論比である必要はない。
例えば、シリカ膜中に水酸基、アルコキシ基、アルキル
基などが含有されていても良い。このようなシリカ膜の
製造方法は特に制限はないが、好ましくは後に述べるゾ
ルゲル法を応用した製造方法によって作成されるもので
ある。このようなシリカ膜は簡単に作成することがで
き、ポリエステル樹脂などの通常の樹脂と比較して耐熱
性に優れる特徴を有する。つまりこのシリカ膜は強磁性
金属薄膜作成時、つまり真空蒸着やスパッタ時に、たと
え非磁性支持体の加熱を行ったとしても熱負けやオリゴ
マー析出による表面性の劣化を招くことはなく、ほぼ下
塗層の表面性を維持することができる。また表面が平滑
な場合でも、ブロッキングを生じにくい特徴も有するた
め、特に高分子フィルムを非磁性支持体として用いる媒
体においては非磁性支持体の裏面の影響をほとんど受け
ずに非磁性支持体を巻き取ったロール状態で保存したと
しても、当初の表面性を維持することができる。
【0015】本発明においてシリカ膜を量論比SiO2
近づけると、膜の硬度の上昇と弾性の低下につながる。
弾性が低下すると乾燥や加熱処理等の下塗層作成時また
はその後のハンドリング時にクラックを生ずることがあ
り、特に非磁性支持体が高分子フィルムの場合には注意
が必要となる。このような問題はSiO2 結合の一部をSi-
R(Rはアルキル基)に置換することによって解決できるこ
とが知られている(例えば日本セラミックス協会1991年
会講演予稿集第95頁等)。このアルキル基としては特に
限定されずメチル基、エチル基、プロピル基などが使用
できるが、この結合が分解したときの膜厚変化を少なく
押さえるため炭素数8以下のアルキル基とすることが好
ましい。一つのSi原子に結合するアルキル基数は1また
は2であるが、やはり分解時の膜厚変化を少なくするた
めアルキル基数は1が好ましい。シリカ膜におけるアル
キル基を持つSi原子の含有率は特に限定されないが、均
一でかつクラックがない下塗層とするため20〜80原子%
であることが好ましい。
【0016】本発明の下塗層に用いられる耐熱性微粒子
の素材は、耐熱性を有するものであれば特に制限なく有
機物でも無機物でも任意のものが使用できる。例えば、
有機物としては、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリ
スルホン、ポリフェニレンオキシド等が挙げられる。ま
た、無機物としては、シリカ、アルミナ、チタニア、カ
ーボン等が挙げられる。
【0017】これら、耐熱性微粒子は単分散もしくはこ
れに近い均一な球状粒子が好ましく、材質としては特に
溶媒への分散を容易にするため表面処理が施されたもの
が好ましい。耐熱性微粒子の平均粒子径は15nm〜100nm
が好ましく、20nm〜50nmが特に好ましい。平均粒子径が
これより小さい場合には、粒子の表面エネルギーが高
く、非磁性支持体上に塗布乾燥したときに数個の凝集体
を形成しやすく、この凝集体によって表面性の低下につ
ながる。一方粒子径がこれより大きいと後述するシリカ
膜を厚くする必要が生じるが、この場合均一な膜厚で欠
陥のない連続膜を作成することが難しくなってしまう。
【0018】また本発明では耐熱性微粒子の平均粒子径
をanmとした時、15nm≦a≦100nmであって、前記シリ
カ膜の膜厚をdnmとしたとき0≦(a-d)≦20nmであること
が好ましく、特に(a-d)が10nm程度が好ましい。こ
れは前述のように分散が容易な15nm〜100nm程度の耐熱
性微粒子を用いて、かつ突起の高さを非常に低く均一な
突起とするためである。またこれと同時にシリカ膜が比
較的厚く存在するため、元々非磁性支持体上に存在する
突起や異物を埋めることができ、非磁性支持体の表面性
の影響を受けにくくできる。ここで突起の高さとは、図
1に示したように下塗層1の基準面2と下塗層に形成さ
れた耐熱性微粒子3による突起4の頂部との距離hをい
う。図1は下塗層1が設けられた非磁性支持体5を長手
方向に切断した断面を模式的に示したものである。ま
た、該突起の径rは耐熱性微粒子の平均粒子径、下塗層
厚味および下塗層樹脂の耐熱性微粒子への付着膜厚に依
存するが、通常、5〜100nm、好ましくは10〜3
0nmである。
【0019】本発明の下塗層は、ケイ素含有化合物を含
む溶液中に前記耐熱性微粒子が含まれる塗布液を調製
し、この塗布液を非磁性支持体上の少なくとも1面に塗
布することにより形成できる。このケイ素含有化合物は
高分子化合物であってもよいが、好ましくは加水分解、
重合性の化合物を使用したゾルゲル法が例示される。該
モノマーとしては、アルコキシシラン、アルキルアルコ
キシシラン、塩化ケイ素、シラザン、アルキル塩化ケイ
素等が挙げられ、好ましくはテトラアルコキシシラン、
アルキルトリアルコキシシランが挙げられる。
【0020】ゾルゲル法は、該化合物と重合、加水分解
速度を調節するための酸、水および耐熱性微粒子を溶媒
に溶解し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、必要に応じて
加熱処理することによって作成できる。原料として塩化
珪素等の無機塩も使用できるが、加熱処理が不十分な状
態で使用する場合には、耐食性に悪影響をおよぼす懸念
があるためあまり好ましくない。
【0021】また前述のようにSi-R結合を含有させるた
め適量のテトラアルコキシシシランをモノアルキルトリ
アルコキシシランやジアルキルジアルコキシシランに置
き換えると膜に柔軟性を与えることができ、クラックの
発生を押さえることができる。この時の置換の割合は置
換前のテトラアルコキシシシランの20〜80mol%が好まし
く、特に20〜60mol%である。
【0022】本発明に使用されるアルコキシシランはテ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn
プロポキシシラン、テトラiプロポキシシラン等があげ
られる。アルコキシ基の炭素数は加水分解を容易とする
ため炭素数5以下が好ましい。Si-R結合を有する化合物
としてはメチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、nプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等があげら
れ、好ましくはアルキル基は炭素数8以下であって一分
子中のアルキル基は1または2個であることが好まし
い。
【0023】酸は塩酸、硝酸、酢酸などが使用できる。
添加する酸の量は通常アルコキシドに対して通常0.1
〜20mol%、好ましくは1〜10mol%、加える水の量は
アルコキシドに対し通常100〜800mol%、好ましく
は100〜400mol%である。しかしこの塩酸および水
の量が多いと、使用する耐熱性微粒子の種類によっては
該耐熱性微粒子の凝集を招くことがある。このような場
合、均一な膜を作成できる下限量まで添加量を少なくし
たり、溶剤種を適切に選択したり、該微粒子の非磁性支
持体への固定と該微粒子による突起の高さ調整のための
シリカの塗布を分離して、この順に逐次塗布する必要が
ある。そして、第1の塗布層のケイ素化合物の量を第2
の塗布層のそれの1/20〜1/5とすることが望まし
い。
【0024】使用できる溶剤としてはメタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン等の有機溶剤があげられるが、こ
の溶剤種によっても耐熱性微粒子の分散性が変化するた
め、溶剤の選択には注意が必要である。
【0025】本発明において非磁性支持体上に下塗層を
作成する方法としては、前記原料を有機溶剤に溶解した
溶液をワイヤーバー法、グラビア法、スプレー法、ディ
ップコート法、スピンコート法等の手法によって非磁性
支持体上に塗布した後、乾燥すればよい。この状態では
下塗り膜は機械強度に劣るがこのままでも十分に下塗り
膜としての機能を発揮できる。またこの後下塗り膜中に
存在する揮発成分を完全に除去するため、あるいはシリ
カ膜形成を完遂させるために加熱処理を行ってもよく、
この場合温度は下塗り膜の柔軟性が維持される500℃以
下が好ましく、150℃〜300℃が特に好ましい。
【0026】本発明で使用する非磁性支持体としては、
フレキシブル媒体の場合には高分子フィルム、リジット
媒体の場合にはガラス基板やアルミ基板が使用できる。
フレキシブル媒体の場合には厚さ3〜75μmのポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のフイルム
が好ましい。また、ベースの内部にフィラーを含有し、
ベース表面に凹凸を形成したものでも良い。
【0027】本発明の磁気記録媒体における磁性層とな
る強磁性金属薄膜は従来より公知の真空成膜法、例え
ば、真空蒸着法、スパッタリング法等が使用できるが、
本発明は特にスパッタリング法を用いたフロッピーディ
スクの製造に好適で熱負けの問題も起こらない。磁性層
を高速成膜が可能な連続巻き取り式の真空蒸着法で作成
する場合、組成としてはコバルトを主体とした従来より
公知の金属または合金が挙げられ、具体的にはCo、C
oNi、CoFeなどを酸素雰囲気中で蒸着し、膜中に
酸素を含んだものが使用できる。特に電磁変換特性を改
善するため磁性層を構成する金属原子の90%以上、さ
らに好ましくは95%以上はコバルトであるCo−O、
またはCo−Oを含有するCo−Fe等が好ましい。磁
性層の厚みは、100〜300nmとするのが望まし
く、さらに望ましくは120〜200nmである。
【0028】斜め蒸着法における走行速度は通常、20
m/分以上、好ましくは50〜200m/分の範囲であ
る。また、斜め蒸着法の場合は、蒸着室の真空度は通
常、5×10-5torr以下、好ましくは1×10-6
orr以下である。また、強磁性金属の加熱手段は特に
制限はないが電子ビーム、誘導加熱等が挙げられる。
【0029】蒸着中の酸素ガスは磁性層の抗磁力(H
c)を高めるために必要である。1200Oe〜200
0Oeになるように酸素量を調整することが好ましい。
磁性層中の酸素量は10〜30%、好ましくは15〜2
5%、蒸着中の酸素の導入量は蒸着する幅、搬送速度に
依存する。例えば、100mm幅の非磁性支持体、20
m/分の速度でHcが1600Oeのものを作る場合、
最低入射角の近傍から、250cc/分である。また、
この場合、酸素分圧は通常、1×10-5torr〜5×
10-4torrである。
【0030】磁性層をスパッタリング法で作成する場
合、組成としてはコバルトを主体とした従来より公知の
金属または合金が挙げられ、具体的にはCo−Cr、C
o−Ni−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr−P
t、Co−Cr−Ta−Pt、Co−Cr−Pt−S
i、Co−Cr−Pt−B等が使用できる。特に電磁変
換特性を改善するためにCo−Cr−Ta、Co−Cr
−Ptが好ましい。磁性層の厚みは10〜300nmと
するのが望ましい。
【0031】また、強磁性金属薄膜は電磁変換特性を改
善するため重層構成としたり、下地層、中間層を有して
いても良い。下地層の形成は通常の真空成膜法、例え
ば、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等を
用いることができるが、なかでもスパッタリングが特に
好ましい。また、下地層を形成する非磁性金属の種類も
特に制限はない。該金属としては、Pt、Au、Ti、
Ta、W、Al、Cr、V、Cu、Ag、Au等が挙げ
られる。これら金属は単独あるいは組み合わせて用いる
ことができるが、特にCuを主成分とするものが好まし
い。
【0032】下地層の厚味は通常、50〜500Å、好
ましくは100〜300Åである。下地層は非磁性支持
体上に必ずしも全面に一様に設ける必要はなく断続的あ
るいは島状に形成してもよい。該下地層を設けると磁性
層のHcが下地層が形成されない場合に比べ約200O
e向上し、再生出力が向上するという効果も奏する。
【0033】下地層形成に続く磁性層の形成は、好まし
くは真空状態を破らずに連続的に行うとより効果的であ
る。
【0034】本発明の磁気記録媒体においては強磁性金
属薄膜上に保護層が設けられていてもよく、この保護層
によって走行耐久性、耐食性を改善することができる。
保護層としてはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニ
ア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸化物、窒化チ
タン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒化物、炭化ケイ
素、炭化クロム、炭化ホウ素等の炭化物、グラファイ
ト、無定型カーボンなどの炭素からなる保護層があげら
れる。
【0035】前記保護層としては、ヘッド材質と同等ま
たはそれ以上の硬度を有する硬質膜が好ましく、さらに
摺動中に焼き付きを生じ難く、その効果が安定して持続
するものが最も好ましく、そのような保護層としては硬
質炭素膜があげられる。前記炭素保護膜は、プラズマC
VD法、スパッタリング法等で作成したアモルファス、
グラファイト、ダイヤモンド構造、もしくはこれらの混
合物からなるカーボン膜であり、特に好ましくは一般に
ダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質カーボン膜
である。この炭素膜はビッカース硬度で1000kg/
mm2 以上、好ましくは2000kg/mm2 以上の硬
質の炭素膜である。また、その結晶構造はアモルファス
構造であり、かつ非導電性である。
【0036】ダイヤモンド状炭素保護膜はスパッタリン
グやCVDによって作製することができるが、生産性、
品質の安定性および厚み10nm以下の超薄膜でも良好
な耐磨耗性を確保できるという点からCVDによって作
製することが好ましく、とくに高周波プラズマによって
分解した化学種を基板にバイアス電圧を印加して加速す
ることが好ましい。
【0037】この炭素保護膜の材料となるプラズマ化さ
れる炭素化合物は、とくに制限されるものではないが、
炭化水素系、ケトン系、アルコール系の化合物、特にメ
タン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン、あるい
はエチレン、プロピレン等のアルケン、またはアセチレ
ン等のアルキンをはじめとした炭素含有化合物が好まし
い。
【0038】これらの被膜形成性の物質は、プラズマ発
生装置内に導入されるが、水素、アルゴン等の不活性気
体を同時に導入することもできる。この場合、望ましい
混合気体としては、メタンなどの炭化水素とアルゴンが
挙げられる。硬質炭素保護膜の膜厚が厚いと電磁変換特
性の悪化や磁性層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が
薄いと耐磨耗性が不足するために、膜厚30〜200Å
が好ましく、とくに好ましくは50〜100Åである。
【0039】また、この硬質炭素保護膜上に付与する潤
滑剤との密着をさらに向上させる目的で硬質炭素保護膜
表面を酸化性もしくは不活性気体によって表面処理して
も良い。本発明の磁気記録媒体において、走行耐久性お
よび耐食性を改善するため、上記磁性層もしくは保護膜
上に潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。
【0040】潤滑剤としては公知の炭化水素系潤滑剤、
フッ素系潤滑剤、極圧添加剤などが使用できる。炭化水
素系潤滑剤としてはステアリン酸、オレイン酸等のカル
ボン酸類、ステアリン酸ブチル等のエステル類、オクタ
デシルスルホン酸等のスルホン酸類、リン酸モノオクタ
デシル等のリン酸エステル類、ステアリルアルコール、
オレイルアルコール等のアルコール類、ステアリン酸ア
ミド等のカルボン酸アミド類、ステアリルアミン等のア
ミン類などが挙げられる。
【0041】フッ素系潤滑剤としては上記炭化水素系潤
滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル
基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑
剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基としては
パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロ
エチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレ
ンオキシド重合体{(CF2 CF2 CF2O)n }、パ
ーフルオロイソプロピレンオキシド重合体{(CF(C
3 )CF2O)n }またはこれらの共重合体等であ
る。
【0042】極圧添加剤としてはリン酸トリラウリル等
のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リン
酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ
亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジベ
ンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。上記潤滑剤
は単独もしくは複数を併用して使用される。これらの潤
滑剤を磁性層もしくは保護膜上に付与する方法としては
潤滑剤を有機溶剤に溶解し、ワイヤーバー法、グラビア
法、スピンコート法、ディップコート法等で塗布する
か、真空蒸着法によって付着させればよい。
【0043】潤滑剤の塗布量としては1〜30mg/m
2が好ましく、2〜20mg/m2が特に好ましい。
【0044】本発明で使用できる防錆剤としてはベンゾ
トリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジ
ン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル
側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メル
カプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合
物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環
類およびこの誘導体等が挙げられる。
【0045】このような目的で使用可能なテトラザイン
デン環化合物には、下記に示すものが挙げられる。
【0046】
【化1】
【0047】ここで、Rには、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルアミド基から選ばれる炭化水素基である。
特に好ましくは、炭素数3以上20以下であり、アルコ
キシの場合にはROCOCH2 −のRは、C37 −、
613−、フェニル、またアルキル基の場合には、C
613−、C919−、C1735−が挙げられ、アルキ
ルアミドの場合にはRNHCOCH2 −のRはフェニ
ル、C37 −が挙げられる。
【0048】また、チオウラシル環化合物には、下記に
示すものが挙げられる。
【0049】
【化2】
【0050】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
し、本発明をさらに詳細に説明する。 ・実施例1 厚さ10μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に平均粒子径30nmの球状シリカ粒子を含む下記組成
1の溶液をワイヤー径0.04mmのワイヤーバーを用いたワ
イヤーバー法で塗布し耐熱性微粒子をフィルム表面に固
定した後、さらにその上に下記組成2の溶液を乾燥後の
層厚が20nmとなるように塗布して下塗層を作成し
た。この下塗層はシリカ耐熱性微粒子による高さ約10
nmの突起を1mm2 当たり3.5×106個で、かつ
30nm以上の高さの突起が5×103個有していた。
【0051】 次に、0℃に冷却した回転キャンに非磁性支持体を密着
させて搬送し、下塗層上にコバルトを酸素含有雰囲気中
で磁性金属蒸気流の前記ポリエチレンテレフタレートフ
イルムに対する入射角が45°となるようにして、70
nmの厚さで2回斜め蒸着し、全厚140nmの2層構
成の強磁性金属膜を作成した。なお、2層とも薄膜を構
成する磁性金属の柱状結晶の傾きは同じ向きとなるよう
にした。その後、磁性層上に以下に示すプラズマCVD
法で炭素保護層を作成した。
【0052】メタンを原料として流量150sccmで
供給するとともに、アルゴンをキャリアーとして流量5
0sccmの流量で供給し、600Wの高周波電力を印
加するとともに、パスローラを介して磁性層表面には−
400Vの直流電圧を印加し、気体導入部に設置された
アノードには+500Vの直流電圧を印加し、発生した
プラズマを加速させて搬送速度5m/分で温度20℃の
磁性層表面にダイヤモンド状炭素からなる硬質炭素保護
層を形成した。
【0053】得られた炭素保護層は、層厚8nm、ラマ
ン分光法によって炭素保護層がダイヤモンド状炭素であ
ることを確認した。また、同一の方法で別途作成した保
護層のビッカース硬度は2,200kg/mm2 であっ
た。また、保護層表面に形成された高さ30nm以上の
突起密度は0.05個/μm2 であった。このベースフ
ィルムの裏面にカーボンブラックと樹脂結合剤からなる
バックコートをワイヤーバー法にて作成した。
【0054】その後、炭素保護層上に両末端にカルボキ
シル基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(モ
ンテフルオス社製FOMBLIN Z−DIAC)をフッ
素系溶剤(同社製ZS−100)に溶解してワイヤーバー
法で塗布量10mg/m2となるように塗布、乾燥し
た。この原反を幅8mmに裁断し、8mmVTR用のカ
セットに組み込んで試料とした。
【0055】以上の様にして作成した試料について次に
示す評価を行った。 表面突起状態 下塗層を作成した後、および磁性層、保護層を形成した
後について表面の突起状態を原子間力顕微鏡を用いて観
察し、基準面から高さ30nm以上の突起密度を求め
た。 電磁変換特性 SONY社製EV−S900を改造したVTRを使用し
て、周波数7MHzの単一波の記録再生を行い、再生出
力およびノイズを測定し、C/Nを算出した。 ステンレスに対する摩擦係数 走行性を評価するため23℃70%RHの環境において
磁気記録媒体とステンレスポール(材質SUS420
J)とを20gの張力(T1 )で巻き付け角180°で
接触させ、磁気テープを3.3cm/秒の速度で走行さ
せるのに必要な張力(T2 )を測定し、下記計算式によ
り磁気テープの、摩擦係数μをもとめた。
【0056】μ=(1/π)・ln(T2 /T1 ) 磁性層の破断加重 テープを100mmの長さで固定し、この表面を光学顕
微鏡で観察しながら、徐々に延伸し、クラックが発生し
た加重を破断加重(g)とした。 ・実施例2 実施例1において組成2の代わりに下記組成3の溶液を
塗布し、下塗層の層厚を30nmとした以外は実施例1
と同様に磁気記録媒体を作成した。
【0057】 ・実施例3 実施例1において組成2の代わりに下記組成4の溶液を
塗布し、下塗層の層厚を10nmとした以外は実施例1
と同様に磁気記録媒体を作成した。
【0058】 ・実施例4 実施例1において組成1の溶液を塗布した後、下記組成
5の溶液を塗布し、層厚が40nmの下塗層を作成し
た。
【0059】 ・実施例5 実施例1において組成1の代わりに平均粒子径50nm
のシリカ粒子を含んだ下記組成6を用い、組成2の代わ
りに下記組成5を用い、層厚が40nmとなるように下
塗層を作成した。
【0060】 ・実施例6 実施例1において組成1の代わりに平均粒子径12nm
のシリカ粒子を含む下記組成7を用い、組成2の溶液を
塗布せずに層厚が2nmの下塗層を作成した。
【0061】 ・実施例7 実施例1において組成1の溶液の代わりに平均粒子径3
0nmのシリカ粒子を含む下記組成10の溶液を用い、
組成2の溶液の代わりに下記組成11の溶液を用い、層
厚が20nmの下塗層を作成した。
【0062】 ・実施例8 実施例1において組成1の溶液の代わりに平均粒子径3
0nmのシリカ粒子を含む下記組成12の溶液を用い、
組成2の溶液の代わりに下記組成13の溶液を用い、層
厚が20nmの下塗層を作成した。
【0063】 ・実施例9 実施例1において組成1の溶液の代わりに平均粒子径3
0nmのシリカ粒子を含む下記組成16の溶液を用い、
組成2の溶液の代わりに下記組成17の溶液を用い、層
厚が20nmの下塗層を作成した。
【0064】 ・実施例10 実施例1において組成1の溶液の代わりに平均粒子径3
0nmのシリカ粒子を含む下記組成16の溶液を用い、
組成2の溶液の代わりに下記組成17の溶液を用い、層
厚が20nmの下塗層を作成した。
【0065】 ・比較例1 本発明との比較のため、実施例1において下塗り液とし
て平均粒子径30nmのシリカ粒子とポリエステル樹脂
(東洋紡社製バイロン#200)を含む下記組成18の溶
液を用い、層厚が20nmの下塗層を作成した。
【0066】 ・比較例2 本発明との比較のため、実施例1において下塗り液とし
て平均粒子径13nmのシリカ粒子とポリエステル樹脂
(東洋紡社製バイロン#200)を含む下記組成19の溶
液を用い、下塗りの層厚が2nmの下塗層を作成した。
【0067】 以上の試料を評価した結果を表1に示した。
【0068】
【表1】 以上の実施例から明確なように、本発明を適用した磁気
テープ記録媒体は低く均一な高さの突起を形成すること
ができ、さらにこの表面性は蒸着工程を通しても熱負け
等による劣化が見られない。このため本発明によって高
い電磁変換特性を得ることができる。
【0069】次に本発明の下塗層のスパッタリング法に
対する安定性を調べるため、以下に示す条件でスパッタ
磁気ディスクを作成した。 実施例11 厚み50μmのポリイミドフィルムに前記実施例1と同
様に下塗層を作成した。この下塗層を設けた支持体をス
パッタ装置に取り付け、基板温度を200℃に加熱し、
真空度8×10-7Torrまで排気した。その後、アル
ゴンガスを導入し、3×10-5Torrとした後、DC
マグネトロンスパッタ法でCr(非磁性下地層)を15
0nm成膜し、引き続きその上にCo74Pt21Cr5
金(磁性層)を30mm成膜した。その後、この原反を
真空槽から取り出し、前記実施例1と同様に硬質炭素保
護層、潤滑層を設け、これを3.5インチのディスク形
状に打ち抜いて試料とした。
【0070】比較例3 実施例11の下塗層を比較例1で用いたポリエステル樹
脂の下塗層に変更した以外は、実施例11と同様に磁気
ディスクを作成した。上記実施例11および比較例3の
下塗層表面と保護層表面について実施例1〜10と同様
に原子間顕微鏡で高さ30nm以上の突起密度を測定
し、表面性の変化を調べた。結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】本発明は非磁性支持体と該磁性層の間に
耐熱性微粒子を含有したシリカ膜からなる下塗層を設け
ることにより、耐熱性微粒子からなる突起を非磁性支持
体表面に一様、均一に形成することができかつスパッタ
リング法により下地層あるいは磁性層を形成しても熱負
けを起こすことなく極めて表面性の良好な磁性層を得る
ことができ、高い電磁変換特性を提供できる磁気記録媒
体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】下塗層を設けた非磁性支持体を長手方向に切断
した時の断面を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 下塗層 2 基準面 3 耐熱性微粒子 4 突起 5 非磁性支持体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に強
    磁性金属薄膜からなる磁性層を有する磁気記録媒体にお
    いて、該非磁性支持体と該磁性層の間に耐熱性微粒子を
    含有したシリカ膜からなる下塗層を有することを特徴と
    する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体の少なくとも一方の面にケ
    イ素含有化合物を含む溶液中に前記耐熱性微粒子が含ま
    れる塗布液を塗布し、次いで、形成された前記下塗層上
    に強磁性金属薄膜を真空成膜法で形成することを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ケイ素含有化合物がテトラアルコキ
    シシラン、アルキルトリアルコキシシランのうちの少な
    くとも一方である請求項2記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
JP33753394A 1994-12-28 1994-12-28 磁気記録媒体およびその製造方法 Pending JPH08185619A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011002644A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像表示装置用表示粒子および画像表示装置

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Effective date: 20031224