JPH10255250A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JPH10255250A
JPH10255250A JP9055942A JP5594297A JPH10255250A JP H10255250 A JPH10255250 A JP H10255250A JP 9055942 A JP9055942 A JP 9055942A JP 5594297 A JP5594297 A JP 5594297A JP H10255250 A JPH10255250 A JP H10255250A
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JP
Japan
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film
magnetic
silane coupling
coupling agent
recording medium
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JP9055942A
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Kazuyuki Usuki
一幸 臼杵
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平滑な表面性を有し、製造工程においてブロ
ッキングを引き起こす虞れが無く、スパッタ法で磁性膜
を作成した場合でも表面性の劣化が無く、かつ均一で重
ね塗りが可能な下塗膜を有する磁気記録媒体を低コスト
で製造する。 【解決手段】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に
強磁性金属薄膜からなる磁性膜を有する磁気記録媒体に
おいて、磁性支持体と強磁性金属薄膜の間に、芳香族炭
化水素基を有する有機残基を含んだシランカップリング
剤の重合物を主成分とする耐熱性の下塗膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強磁性金属薄膜を磁
性膜とする磁気記録媒体およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、フロッピーディスクあるい
はハードディスク等の磁気記録媒体は一般に、非磁性支
持体上に磁性膜、保護膜などを成膜する工程によって製
造されている。このような磁気記録媒体においては、ス
パッタ法や蒸着法等の真空成膜法によって作成した強磁
性金属薄膜を磁性膜とする磁気記録媒体が実用化されて
いる。上記のようなスパッタ法や蒸着法によって磁性膜
を形成した磁気記録媒体は、高い磁気エネルギーが容易
に得られ、さらに非磁性支持体の表面を平滑にすること
によって平滑な磁性膜表面性を容易に達成できるためス
ペーシングロスが少なく、高い電磁変換特性を得ること
ができるため高密度記録材料に適している。特にスパッ
タ法は蒸着法よりさらに磁気エネルギーを高めることが
できるため、ハードディスクのような高い記録密度が要
求される媒体に採用されている。
【0003】そして、最近の磁気記録媒体では高記録密
度化の要求が強く、従来よりさらに高い電磁変換特性が
必要となってきている。このため、磁気テープやフロッ
ピーディスクのように、非磁性支持体としてポリエチレ
ンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレート
フィルム等の可撓性高分子フィルムを用いたものにおい
て、記録密度の向上等を図るため、スパッタ法や蒸着法
で強磁性金属薄膜から成る磁性膜を形成することが望ま
しい。
【0004】しかし、そのような高分子フィルムは耐熱
性に劣るので、スパッタ法で成膜した場合、あるいは蒸
着法により蒸着速度を高めて成膜した場合、高分子フィ
ルムもしくはその表面が加熱されて非磁性支持体が変形
(熱負け)する、また、オリゴマーの析出等による表面
劣化が発生し、非磁性支持体の平滑な表面性、ひいては
磁性膜の平滑な表面性を得ることが困難である等の問題
がある。
【0005】この問題を解決するために、次のような技
術が提案されている。
【0006】一つは、非磁性支持体である高分子フィル
ムの材料として耐熱性樹脂を用いる方法である。用いる
耐熱性樹脂としては、ポリイミドフィルムなどが考えら
れるが、一般にポリイミドフィルムは高価である。加え
て、非常に平滑で表面性の良いポリイミドフィルムの作
成、使用は技術上困難であり、この方法は現実的ではな
い。
【0007】他には、例えば塗布により磁性膜を形成す
る従来の磁気記録媒体に一般に用いられている比較的安
価な高分子フィルム上に下塗膜を形成し、膜の平滑性や
耐熱性を高める方法が提案されている。
【0008】例えば特開平6−349042号には、比
較的表面の粗い高分子フィルム上に微粒子を含有した樹
脂膜を設けることにより適切な表面性を有するフィルム
を作成する方法が開示されている。しかし、ここで使用
されている一般的な樹脂結合剤を用いた場合、スパッタ
法により磁性膜を作成すると熱的なダメージによる表面
性の劣化が激しい。
【0009】また特開平7−225934号には、ポリ
エチレンテレフタレート上にポリエチレンナフタレート
を塗布し、熱によるオリゴマー析出を抑制する方法が開
示されている。しかし、ポリエチレンナフタレートを用
いても、スパッタ法で一般的な温度である200℃まで
フィルムを加熱するとオリゴマー析出による表面性の劣
化を生じる。
【0010】また特開平6−208717号には、より
耐熱性の高いポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂を高分子
フィルム上に塗布する方法が開示されている。このよう
な材料を用いるとスパッタ法に耐えうる耐熱性をフィル
ムに付与することが可能ではある。しかしポリアミド樹
脂やポリイミド樹脂は汎用溶剤に対する溶解性が低く、
扱いにくい溶剤を使用する必要がある。また、樹脂が汎
用溶剤に可溶性であっても、溶液の粘度が高いため、薄
くて均一な被膜が得られず、表面性を高めることは困難
である。さらにこのような方法では、溶剤を十分に乾燥
することが難しく、塗膜中の溶剤残留量が多くなるた
め、フィルムの巻き取り時に塗膜とフィルムのバック面
が接着してしまうブロッキングを引き起こしやすく、ま
た磁性膜を形成する際に揮発する残留溶剤が真空槽内を
汚染する可能性もある。
【0011】さらに耐熱性の高い被膜としては無機物の
被膜を形成することが有効であり、例えば、シラン化合
物の加水分解で得られるシリカ膜や金属アルコキシドか
ら得られる金属酸化物の被膜を形成することが考えられ
る。しかしながらそのような無機物の被膜では非磁性支
持体の熱変化についていけず、その被膜表面に割れが生
じてその上に成膜される磁性膜にクラックが発生すると
いう問題がある。
【0012】これらの問題をある程度解決したものとし
て、本出願人による特開平8−329443に記載され
ている、主にSi−O若しくはSi−O−Nからなる下
塗層を有する磁気記録媒体がある。この磁気記録媒体
は、平滑な表面性を有し、さらに支持体加熱を伴うスパ
ッタ法で磁性膜を作成した場合でも、表面性の劣化やク
ラックの発生がなく、ブロッキングを引き起こす虞れが
少ない下塗膜を有するものである。しかしながら、この
下塗膜の作成において、原料を塗布する際にはじきが発
生することがあり、下塗膜を均一なものとすることが困
難であった。また、この下塗膜は、重ね塗りをすること
が出来ず、膜の厚さを増加させることが不可能であっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、平滑な
表面性を有し、さらに支持体加熱を伴うスパッタ法で磁
性膜を作成した場合でも、表面性の劣化やクラックの発
生がなく、ブロッキングを引き起こす虞れもない下塗膜
であって、かつ均一で重ね塗りが可能であるものは得ら
れていなかった。
【0014】本発明は、上記の事情に鑑み、平滑な表面
性を有し、支持体加熱を伴うスパッタ法で磁性膜を作成
した場合でも、表面性の劣化やクラックの発生がなく、
ブロッキングを引き起こす虞れもなく、かつ均一で重ね
塗りが可能である下塗膜を有し、低コストで容易に製造
することのできる磁気記録媒体およびその製造方法を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、上記の性質を備えた下塗膜の材料となりうる化合物
を検索したところ、芳香族炭化水素基を含有したシリコ
ン樹脂が好適であることが判明した。
【0016】本発明にかかる磁気記録媒体は、非磁性支
持体の少なくとも一方の面に強磁性金属薄膜からなる磁
性膜を有する磁気記録媒体において、該支持体と強磁性
金属薄膜の間に芳香族炭化水素基を含有するシリコン樹
脂からなる下塗り膜が形成されていることを特徴とす
る。
【0017】さらには、芳香族炭化水素基を有するシラ
ンカップリング剤、必要に応じてさらにエポキシ基を有
する有機残基を含んだシランカップリング剤の重合物を
主成分とした下塗膜が形成されていることを特徴とす
る。
【0018】また、上記課題を解決するため、本発明に
かかる磁気記録媒体の製造方法は、非磁性支持体上に芳
香族炭化水素基を有するシランカップリング剤、必要に
応じてさらにエポキシ基を有する有機残基を含んだシラ
ンカップリング剤溶液を含む塗布液を塗布した後、加熱
することで乾燥およびシランカップリング剤の重合を行
って下塗膜を作成することを特徴とする。
【0019】前記シランカップリング剤を含む溶液に
は、金属キレート化合物からなる硬化剤等が添加されて
いても良い。
【0020】
【発明の効果】本発明により、非磁性支持体上に下塗膜
として形成される、芳香族炭化水素基を有するシランカ
ップリング剤、必要に応じてさらにエポキシ基を有する
有機残基を含んだシランカップリング剤を含むシランカ
ップリング剤の重合物からなる重合膜は、シロキサン結
合、およびエポキシ基を有する有機残基を含んだシラン
カップリング剤を用いた場合はエポキシ基の開環による
結合からなっているため、従来のポリエステル樹脂など
と比較して、耐熱性、耐ブロッキング性に優れている。
またこの重合膜は、テトラエトキシシランなどを出発原
料としたゾルゲル法によって作成されるシリカ膜と比較
して耐クラック性に優れている。
【0021】一方、芳香族炭化水素基は塗膜に柔軟性を
付与し、耐クラック性を向上させるとともに適切な表面
エネルギーを達成できるため、下塗り液の塗布乾燥時の
はじき現象を軽減でき、この効果は支持体上に付着物な
どの欠陥が存在する場合に特に顕著に現れる。さらに本
発明の下塗り膜上にさらに塗布を行う場合でも、その塗
布液をはじくことなく塗布することができ、重ね塗りに
よって膜の厚みを増加させることができる。
【0022】さらに本発明の製造方法では下塗り膜とし
て用いるシリコン樹脂のモノマー溶液を塗布液として使
用するため、塗布液粘度が低く、作成した下塗り膜の平
滑性に特に優れており、ナノメータ、サブナノメーター
の尺度で平滑である。したがって将来の高記録密度用磁
気記録媒体の基板として非常に適している。
【0023】さらに、媒体を重ねて置いて置いても下塗
り成分の移行によるブロッキング(貼り付き)がないと
いう特徴もある。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明で使用される芳香族炭化水
素基を有するシランカップリング剤は、例えば下記化学
式1で表される構造である。
【0025】
【化1】
【0026】 ただしR、R’はメチル基等一価の有機基 Aはアルキレン基等の二価の有機基または無し(直結) Bはアルコキシ基、ハロゲン、水酸基等の一価の基 x+y+z=4である。
【0027】化学式1においてAは好ましくは無し(直
結)またはメチレン基である。Bは反応性や磁性膜への
腐食性を考慮すると好ましくはアルコキシ基であり、重
合反応を容易とするため、特にメトキシ基など炭素数4
以下のアルコキシ基が好ましい。xは好ましくは1また
は2であるが、重合反応を容易とするため、特に1で有
ることが好ましい。yは好ましくは0または1である
が、重合反応を容易とするため、特に好ましくは0であ
る。従ってzは特に3で有ることが好ましい。
【0028】このような化合物としては、
【0029】
【化2】
【0030】等があげられる。
【0031】本発明で使用されるエポキシ基を有する有
機残基を含んだシランカップリング剤は例えば下記化学
式3で表される構造である。
【0032】
【化3】
【0033】 但しAはアルキレン基など2価の有機残基 Bは水素またはアルキル基などの1価の有機残基 Rはアルキル基などの1価の有機残基 Xはアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素から選択さ
れる1価の基 L+M+N=4 である。
【0034】化学式3の構造においてAは好ましくは水
素である。Rはメチル基、エチル基など1価の有機残基
である。Xは反応性や磁性膜への腐食性を考慮すると好
ましくはアルコキシ基であり、重合反応を容易とするた
め、特にメトキシ基など炭素数4以下のアルコキシ基が
好ましい。Mは好ましくは1または2であるが、重合反
応を容易とするため、特に1で有ることが好ましい。L
は好ましくは0または1であるが、重合反応を容易とす
るため、特に好ましくは0である。従ってNは特に3で
有ることが好ましい。
【0035】このような化合物としては、
【0036】
【化4】
【0037】等が挙げられる。これらの化合物は、特開
昭51−11871号、特開昭63−23224号に記
載されている。
【0038】上記芳香族炭化水素基を有するシランカッ
プリング剤およびエポキシ基を有する有機残基を含んだ
シランカップリング剤のアルコキシシラン等の部分は後
述の方法によって塗布乾燥することによって加水分解、
重合してシロキサン結合を生成する。一方、エポキシ基
は酸触媒や熱によって開環重合する。この加水分解速度
と重合速度は必要に応じて塩酸等の酸を添加することに
よって調整できる。
【0039】より低温から重合を開始させるため、硬化
剤の併用が好ましく、例えば金属キレート化合物、有機
酸およびその塩、過塩素酸塩等、様々な化合物が知られ
ているが、特に硬化剤としては硬化の低温化、磁性膜へ
の腐食性の理由から金属キレート化合物が好ましい。例
えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランにア
ルミニウムアセチルアセトネートを硬化触媒として加え
た場合100℃前後で短時間加熱するだけで硬化できる
ため、ポリエチレンテレフタレートなど耐熱性の低い基
板上でも硬化できる。従ってグラビア連続塗布法を用い
てブロッキングを生じること無く、巻き取ることができ
る。このような硬化剤としては、アルミニウムアネチル
アセトネート、ジルコニウムアネチルアセトネート、チ
タニウムアセチルアセトネート等のβ−ジケトン類と金
属のキレート化合物が特に有効である。
【0040】また、耐熱性、低コスト化、重合速度調整
のため、本発明の化合物の他に例えばメチル基等の炭化
水素基を含んだシランカップリング剤を混合して用いて
もよい。炭化水素を含んだシランカップリング剤を併用
すると下塗膜の耐熱性を向上させることもできる。具体
的にはこの炭化水素基を含んだシランカップリング剤は
下記のような構造である。
【0041】R−Si(OR’)3 但し、R、R’は炭化水素基、Rの炭素数は少ないほど
下塗膜の耐熱性の向上に効果的である。
【0042】本発明において非磁性支持体上に芳香族炭
化水素基を有するシランカップリング剤とエポキシ基を
有する有機残基を含んだシランカップリング剤を塗布し
て下塗膜を作成する方法としては、シランカップリング
剤、硬化剤、塩酸をメタノール等の有機溶剤に溶解した
溶液をワイヤーバー法、グラビア法、スプレー法、ディ
ップコート法、スピンコート法等の手法によって非磁性
支持体上に塗布した後、乾燥する方法を使用することが
できる。さらにこの後、必要に応じて下塗膜を焼成して
硬化を促進させ、耐熱性や耐溶剤性、密着性などを向上
させる。
【0043】このとき使用される塗布溶剤は塩酸の添加
量やシランカップリング剤の構造によって決定される
が、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、シクロヘキサノン等を用いることができる。
【0044】また乾燥は上記溶剤を揮発させために行わ
れるものであるが、この時点で同時に硬化を行うことも
できる。乾燥方法としては一般的に行われている熱風乾
燥、赤外線乾燥などが使用できる。このときの乾燥温度
は60℃〜150℃程度が好ましい。
【0045】塗膜の乾燥の後、さらに硬化を促進させる
焼成方法としては熱風加熱、赤外線加熱、熱ローラー加
熱などが使用できる。このときの加熱温度としては塗膜
の厚みと後の磁性膜の成膜方法及び成膜温度にもよる
が、1μm前後の場合には100℃〜250℃、好まし
くは120℃〜200℃の範囲である。温度がこれより
も低い場合には重合反応の進行が不十分であり、逆に高
すぎると非磁性支持体の変形を引き起こしたり、生産性
の低下につながる。
【0046】また加熱による重合以外にも紫外線照射、
電子線照射などによる重合も可能である。
【0047】また本発明の下塗膜にはエポキシ基を有す
る有機残基を含んだシランカップリング剤と硬化剤以外
の成分が含有されていても良い。このような添加剤とし
ては表面に凹凸を設けるための耐熱性微粒子(フィラ
ー)、耐熱性ならびに塗膜の硬度を調整するための金属
アルコキシド、支持体との密着を改善するためのカップ
リング剤、磁性膜の酸化を防止する防錆剤などが挙げら
れる。
【0048】表面に凹凸を設けるための耐熱性微粒子と
してはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの
無機酸化物、炭酸カルシウム、炭素、高分子などが挙げ
られる。この形状としては単分散で球状であることが好
ましい。その粒子径は下塗膜の膜厚に応じて選ばれるが
10〜1000nm、好ましくは20〜100nmであ
る。本発明において塗布液は主としてアルコール溶液で
あるため、アルコール分散したオルガノシリカゾルや酸
性水溶液分散したシリカゾルなどが特に好適である。
【0049】耐熱性ならびに塗膜の硬度を調整するため
の金属アルコキシドとしてはテトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシジルコニウムなどが挙げられ、これらの
添加によって耐熱性と硬度を向上させることができる。
【0050】本発明で使用する非磁性支持体としては、
フレキシブル媒体の場合には、厚さ3〜100μmのポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のフ
イルム等が使用できる。また、フィルムの内部にフィラ
ーを含有し、フィルム表面に凹凸を形成したものでも良
い。一方、リジット媒体の場合にはガラス基板、アルミ
基板やカーボン基板が使用できる。
【0051】また本発明の下塗膜は支持体との密着性に
優れるが、密着性が不足の場合にはシランカップリング
剤などの添加剤による支持体の表面処理や酸素プラズ
マ、アルゴンプラズマ、紫外線照射、電子線照射、火炎
などによる処理を施すことが好ましい。
【0052】本発明の磁気記録媒体における磁性膜とな
る強磁性金属薄膜は従来より公知の真空蒸着法、スパッ
タ法により形成できる。
【0053】磁性膜をスパッタ法で形成する場合、組成
としてはコバルトを主体とした従来より公知の金属また
は合金が挙げられ、具体的にはCo−Cr、Co−Ni
−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−
Cr−Ta−Pt、Co−Cr−Pt−Si、Co−C
r−Pt−B等が使用できる。特に電磁変換特性を改善
するためにCo−Cr−Ta、Co−Cr−Ptが好ま
しい。磁性膜の厚みは10〜300nmとするのが望ま
しい。またこの場合磁性膜の静磁気特性を改善するため
の下地膜を設けることが好ましく、この下地膜の組成と
しては従来より公知の金属または合金などが挙げられ、
具体的にはCr、V、Ti、Ta、W、Si等またはこ
れらの合金が使用でき、中でもCr、Cr−Ti、Cr
−V、Cr−Siが特に好ましい。この下地膜の厚みと
しては5nm〜500nmであり、好ましくは10nm
〜200nmである。
【0054】またスパッタ法で磁性膜を作成する場合に
は、基板またはフイルムを加熱した状態で成膜する事が
好ましく、そのときの温度は150〜200℃前後であ
る。
【0055】磁性膜を真空蒸着法で作成する場合、組成
としてはコバルトを主体とした従来より公知の金属また
は合金が挙げられ、具体的にはCo、Co−Ni、Co
−Feなどを酸素雰囲気中で蒸着し、膜中に酸素を含ん
だものが使用できる。特に電磁変換特性を改善するため
磁性層を構成する金属原子の90%以上、さらに好まし
くは95%以上はコバルトであるCo−O、またはCo
−Oを含有するCo−Fe等が好ましい。磁性層の厚み
は、100〜300nmとするのが望ましく、さらに望
ましくは120〜200nmである。
【0056】また、強磁性金属薄膜は電磁変換特性を改
善するため重層構成としたり、非磁性下地層や中間層を
有していても良い。
【0057】本発明の磁気記録媒体においては強磁性金
属薄膜上に保護膜が設けられていてもよく、この保護膜
によってさらに走行耐久性、耐食性を改善することがで
きる。
【0058】保護膜としてはシリカ、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸
化物、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒化
物、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素等の炭化物、
グラファイト、無定型カーボンなどの炭素からなる保護
膜が挙げられる。
【0059】前記炭素保護膜は、プラズマCVD法、ス
パッタリング法等で作成したアモルファス、グラファイ
ト、ダイヤモンド構造、もしくはこれらの混合物からな
るカーボン膜であり、特に好ましくは一般にダイヤモン
ドライクカーボンと呼ばれる硬質カーボン膜である。こ
の硬質炭素膜はビッカース硬度で1000kg/mm2
以上、好ましくは2000kg/mm2 以上の硬質の炭
素膜である。また、その結晶構造はアモルファス構造で
あり、かつ非導電性である。そして、本願発明における
ダイヤモンド状炭素膜の構造をラマン光分光分析によっ
て測定した場合には、1520〜1560cm-1にピー
クが検出されることによって確認することができる。炭
素膜の構造がダイヤモンド状構造からずれてくるとラマ
ン光分光分析により検出されるピークが上記範囲からず
れるとともに、炭素膜の硬度も低下する。
【0060】この硬質炭素保護膜はメタン、エタン、プ
ロパン、ブタン等のアルカン、あるいはエチレン、プロ
ピレン等のアルケン、またはアセチレン等のアルキンを
はじめとした炭素含有化合物を原料としたプラズマCV
Dや、水素や炭化水素雰囲気下で炭素をターゲットとし
たスパッタ法等によって形成することができる。
【0061】硬質炭素保護膜の膜厚が厚いと電磁変換特
性の悪化や磁性層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が
薄いと耐磨耗性が不足するために、膜厚2.5〜20n
mが好ましく、とくに好ましくは5〜10nmである。
【0062】また、この硬質炭素保護膜上に付与する潤
滑剤との密着をさらに向上させる目的で硬質炭素保護膜
表面を酸化性もしくは不活性気体によって表面処理して
も良い。
【0063】本発明の磁気記録媒体において、走行耐久
性および耐食性を改善するため、上記磁性膜もしくは保
護膜上に潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。
【0064】潤滑剤としては公知の炭化水素系潤滑剤、
フッ素系潤滑剤、極圧添加剤などが使用できる。
【0065】炭化水素系潤滑剤としてはステアリン酸、
オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等の
エステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸
類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、ス
テアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコー
ル類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、ス
テアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
【0066】フッ素系潤滑剤としては上記炭化水素系潤
滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル
基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑
剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基としては
パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエ
チレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレン
オキシド重合体(CF2 CF2 CF2 O)n 、パーフル
オロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3 )C
2 O)n またはこれらの共重合体等である。
【0067】極圧添加剤としてはリン酸トリラウリル等
のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リン
酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ
亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジベ
ンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。
【0068】上記潤滑剤は単独もしくは複数を併用して
使用される。これらの潤滑剤を磁性膜もしくは保護膜上
に付与する方法としては潤滑剤を有機溶剤に溶解し、ワ
イヤーバー法、グラビア法、スピンコート法、ディップ
コート法等で塗布するか、真空蒸着法によって付着させ
ればよい。
【0069】潤滑剤の塗布量としては1〜30mg/m
2 が好ましく、2〜20mg/m2が特に好ましい。
【0070】本発明で使用できる防錆剤としてはベンゾ
トリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジ
ン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル
側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メル
カプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合
物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環
類およびこの誘導体等が挙げられる。
【0071】このような目的で使用可能なテトラザイン
デン環化合物には、下記に示すものが挙げられる。
【0072】
【化5】
【0073】ここで、Rには、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルアミド基から選ばれる炭化水素基である。
【0074】特に好ましくは、炭素数3以上20以下で
あり、アルコキシの場合にはROCOCH2 −のRは、
3 7 −、C6 13−、フェニル、またアルキル基の
場合には、C6 13−、C9 19−、C1735−が挙げ
られ、アルキルアミドの場合にはRNHCOCH2 −の
Rはフェニル、C3 7 −が挙げられる。
【0075】また、チオウラシル環化合物には、下記に
示すものが挙げられる。
【0076】
【化6】
【0077】
【実施例】
実施例1 最大突起粗さが0.01μmの厚み63μmのポリエチ
レンナフタレートフィルム上にフェニルトリエトキシシ
ラン、3―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(重量比1:1)、塩酸をエタノールに溶解した後、硬
化剤としてアルミニウムアセチルアセトネートを添加し
て塗布液を作成した。この溶液をグラビアコート法で塗
布した後、100℃で乾燥して厚み1μmの下塗膜を作
成した。次に塗膜を170℃で20秒間加熱し、硬化と
脱溶剤処理を行った。このフィルムをスパッタ装置に設
置し、基板温度150℃でDCマグネトロンスパッタ法
を用いてCr−Ti下地膜を60nm成膜し、さらに引
き続きCoーCr−Pt磁性膜を30nm成膜した。
【0078】次にこのフィルムをプラズマCVD装置に
設置し、磁性膜上にエチレンを原料としたプラズマCV
D法で硬質炭素保護膜を20nm成膜した。次にこの保
護膜上にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(アウジモ
ント社製FOMBLIN Z−DOL)をフッ素系溶剤
(住友3M社製FCー77)に溶解した溶液をグラビア
コート法で塗布して厚み2nmの潤滑膜を作成した。こ
の下地膜、磁性膜、保護膜、潤滑膜はフィルムの両面に
対して成膜した。そしてこの試料を3.7インチの磁気
ディスク形状に打ち抜き、フロッピーディスクを作成し
た。
【0079】実施例2 実施例1においてフェニルトリエトキシシランをベンジ
ルトリエトキシシランに変更した以外は、実施例1と同
様に試料を作成した。
【0080】実施例3 実施例1において塗布液にエタノールに分散した粒子径
25nmオルガノシリカゾル(全固形分にたいし5wt
%)を添加した以外は実施例1と同様に試料を作成し
た。
【0081】実施例4 実施例1の下塗り膜を形成後、さらにこの上にエタノー
ルに分散した粒子径25nmのオルガノシリカゾル、フ
ェニルトリエトキシシラン、3―グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、塩酸をシクロヘンキサノンに溶解
した溶液を塗布、乾燥し、さらに厚み10nmの下塗り
膜を作成した以外は実施例1と同様に試料を作成した。
【0082】比較例1 実施例1において下塗膜を塗布せず、ポリエチレンナフ
タレート上に直接磁性膜を成膜した以外は実施例2と同
様に試料を作成した。
【0083】比較例2 実施例1において塗布液の組成をテトラエトキシシラン
と水、塩酸をエタノールに溶解した溶液に変更した以外
は、実施例1と同様に試料を作成した。
【0084】比較例3 塗布液の組成をメチルトリエトキシシラン、テトラエト
キシシラン(重量比1:1)と水、塩酸をエタノールに
溶解した溶液に変更した以外は、実施例1と同様に試料
を作成した。
【0085】比較例4 塗布液の組成をポリエステル樹脂(東洋紡社製バイロン
200)のメチルエチルケトン溶液に変更した以外は、
実施例1と同様に試料を作成した。
【0086】作成した試料は以下の観点から評価を行っ
た。
【0087】1)下塗膜塗布乾燥後のブロッキングの有
無 巻き取った状態でフィルムの裏面(塗膜あり)への貼付
きの有無を確認した。面あれを生じることなく剥離可能
なものを○、接着が観察され、剥離によって面あれによ
る白変を生じるものを×とした。
【0088】2)表面性 硬化後の下塗膜表面、完成した媒体表面について光学顕
微鏡観察(100倍)をおこない、クラックの発生、下
塗りの塗布液はじきの発生、熱負けによる表面性劣化
(オリゴマー発生等)を観察し、発生の認められるもの
を×、変化が見られないものを○とした。
【0089】上記評価結果を表1に示す。
【0090】
【表1】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に強
    磁性金属薄膜から成る磁性膜を有する磁気記録媒体にお
    いて、該非磁性支持体と該強磁性金属薄膜との間に芳香
    族炭化水素基を含有したシリコン樹脂からなる下塗膜が
    形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記下塗膜が、芳香族炭化水素を有する
    シランカップリング剤の重合物を主成分とするものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記下塗膜が、芳香族炭化水素を有する
    シランカップリング剤とエポキシ基を有する有機残基を
    有するシランカップリング剤の重合物を主成分とするも
    のであることを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記強磁性金属薄膜が、スパッタ法によ
    り成膜されたものであることを特徴とする請求項1ない
    し3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記磁気記録媒体がディスク状であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の磁
    気記録媒体。
  6. 【請求項6】 非磁性支持体に、芳香族炭化水素基を有
    するシランカップリング剤の溶液を含む塗布液を塗布し
    た後、加熱することにより乾燥およびシランカップリン
    グ剤の重合を行って下塗膜を形成することを特徴とする
    請求項1ないし5いずれか1項記載の磁気記録媒体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 非磁性支持体に、芳香族炭化水素基を有
    するシランカップリング剤とエポキシ基を有する有機残
    基を有するシランカップリング剤の溶液を含む塗布液を
    塗布した後、加熱することにより乾燥およびシランカッ
    プリング剤の重合を行って下塗膜を形成することを特徴
    とする請求項2ないし5いずれか1項記載の磁気記録媒
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記塗布液に硬化剤を添加することを特
    徴とする請求項7記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記塗布液に金属キレート化合物から成
    る硬化剤を添加することを特徴とする請求項8記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
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