JPH08186016A - めっき被膜を有するボンド磁石とその製造方法 - Google Patents

めっき被膜を有するボンド磁石とその製造方法

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JPH08186016A
JPH08186016A JP6328743A JP32874394A JPH08186016A JP H08186016 A JPH08186016 A JP H08186016A JP 6328743 A JP6328743 A JP 6328743A JP 32874394 A JP32874394 A JP 32874394A JP H08186016 A JPH08186016 A JP H08186016A
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bonded magnet
coating layer
conductive
layer
resin
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Yoshitaka Sato
義隆 佐藤
Masataka Yoshimoto
正孝 吉本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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NIPPON COATING SYST KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 耐食性及び美観に優れることは勿論のこと、
寸法精度にも優れ、また複雑形状にも対応可能であり、
しかも製造手順も簡易なめっき被膜を有するボンド磁石
とこのボンド磁石を製造する方法を提供する。 【構成】 R−T−B(RはNd又はその一部を希土類
元素で置換したもの、TはFe又はその一部を遷移金属
元素で置換したもの)で表される磁性粉体と結合剤とを
主たる構成成分としてなるボンド磁石において、樹脂4
と導電性材料粉末5との混合物を塗装してボンド磁石母
材A表面に導電性被膜層を形成した後、導電性被膜層B
の表面平滑処理を行い、平滑化された導電性被膜層Bの
表面に電気めっきを施すことを特徴とするめっき被膜を
有するボンド磁石の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はめっき被膜を有するボン
ド磁石とその製造方法に関し、更に詳しくは、耐食性及
び美観に優れることは勿論のこと、寸法精度にも優れ、
また複雑形状にも対応可能であり、しかも製造手順も簡
易なめっき被膜を有するボンド磁石とこのボンド磁石を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類金属と遷移金属とを主成分とする
合金磁石(以下希土類磁石という)は、従来のフェライ
ト系、アルニコ系磁石と比べて優れた磁気特性を有して
いるため、近年多方面に利用されているが、酸化され易
い欠点を有しており、特にNd−Fe−B系磁石ではそ
の傾向が著しい。かかる希土類磁性粉体を合成樹脂結合
剤で固着せしめた樹脂結合型磁石は、使用環境が高湿雰
囲気である場合には酸化による磁気特性の劣化が生じる
問題をはらんでいる。
【0003】一方、表面に導電性を有する材料に、割
れ、欠けの防止や美観の付与を目的とした金属被膜処理
を施す方法の一つとして電気めっき法が多用されている
ことは周知の事実である。更に耐酸化性、耐腐食性を付
与することを目的としためっきを施すことも一般的に行
われている。ここで電気めっき法とは、被処理物を陰極
(カソード)とし、この上で還元反応を起こして金属を
被処理物上に析出させ、その際陽極においては陰極の被
処理物上に析出した金属を補うための金属溶解が発生す
る機構に基づく金属被膜の形成法を指している。
【0004】本発明者らは以前より電気めっき法をボン
ド磁石に施すことを試み、耐食性付与効果の向上を目指
してきた。本発明者らはNd−Fe−B系磁石に限定さ
れず、R−T−B(RはNd又はその一部を希土類元素
で置換したもの、TはFe又はその一部を遷移金属元素
で置換したもの)で表される磁性粉体と結合剤とを主た
る構成成分としたボンド磁石(以下、R−T−B系磁石
と記す)全般を研究対象としてきた。例えば特願平1−
147380号では電気めっきによる耐食性付与を提案
し、更に特開平4−276095号では耐食性を飛躍的
に高める方法を提案した。特開平4−276095号で
は、前記特願平1−147380号で開示した技術が内
包する問題点を解消した。即ち特開平4−276095
号ではボンド磁石母材に直接電気めっきを施したとき
に、めっき被膜表面に多発する微小なピンホールの発生
原因が、めっき被膜の下地であるボンド磁石母材表面に
導電性の低い合成樹脂部分が露出しているという事実に
起因していることをつきとめ、この問題を解消する方法
として以下、列記する方法を提案した。 R−T−B系磁石の表面に無電界めっきを施したのち
電気めっきを施す方法。 R−T−B系磁石の表面に樹脂と導電性材料粉末との
混合物を塗装した後、電気めっきを施す方法。 R−T−B系磁粉を、樹脂と導電性材料粉末樹脂の混
合物を結合剤として成形せしめた後、電気めっきを施す
方法。 R−T−B系磁粉を、金属粉末を結合剤として成形せ
しめた後、電気めっきを施す方法。 これらはいずれもボンド磁石の表面に電気めっきを施し
易くするために電気めっきに先だってボンド磁石表面に
導電性を付与することを特徴としたものであり、これら
方法によって、比較的均一な電気めっき被膜の形成が可
能となり、例えば使用環境の厳しい自動車用モータ用磁
石などへの適用が可能となった。特に前記の方法は樹
脂と導電性材料粉末との混合物(以下、導電性ペースト
と称す)をスプレー塗装するだけの簡易な手法により実
現することができるため、工業的に極めて有益である。
【0005】の方法は図5〜図7の模式図によって説
明される。図5はボンド磁石母材表面付近の断面構造を
表す模式図であり、図中1は磁性粉体であり、図中2は
前記磁性粉体1を結合させる合成樹脂2である。ボンド
磁石母材は外形寸法を製品寸法に調整するために予備研
磨されているが、磁性粉体1と合成樹脂2とは硬度が異
なり、しかも研磨途中において磁性粉体1の脱落等もあ
ることからボンド磁石母材表面は微視的には図例のよう
に部分的に磁性粉体1が突出していたり、あるいは樹脂
層が表面露出していたりする。樹脂層が露出している部
分は導電性が低いため、電気めっきを施したときに当該
部分のめっき被膜の成長が遅く、これがピンホールの発
生原因となる。したがっての方法では図6に示すよう
に、ボンド磁石母材A表面に導電性ペースト6を塗装し
て導電性被膜層Bを形成し、そののち電気めっきを施し
て図7に示すようにめっき被膜層Cを成層している。導
電性ペースト6の塗装方法としてはスプレー塗装等の簡
易な手法を用いることができるため、導電性被膜層Bを
形成する作業は容易であり、且つ導電性被膜層B形成後
のボンド磁石表面は全体にわたって良好な導電性を発揮
するためほぼ一定膜厚のめっき被膜層Cを安定して形成
することができる。
【0006】ボンド磁石表面に導電性を付与する方法と
しては他の方法も提案されており、例えば特開平5−3
02176号で開示された技術がある。ここには、ボン
ド磁石の表面にめっき被膜を形成するに際し、ボンド磁
石母材表面に粘着性を有する樹脂層を形成したのち、金
属粉体等をまぶし、金属粉体が付着状態となったボンド
磁石を振動あるいは攪拌させたり、スチールボール等の
メディアを表面に叩きつけて打撃力を与えることにより
ボンド磁石表面に金属粉体を固定させ、導電性を付与す
る方法が提案されている。
【0007】この方法は図8〜図12として示す模式図
によって説明される。本方法はボンド磁石母材Aの上層
に図9に示すように粘着性に優れた樹脂成分100%の
樹脂層Dを成層し、この樹脂層Dの上層に図10に示す
ように金属粉体3をまぶして付着させ、次いでかかる状
態のボンド磁石を容器内で振動又は攪拌させたり、更に
はスチールボール等の金属メディアや軟質プラスチック
等の軟質メディアをボンド磁石に叩きつけることにより
図11に示すように金属粉体3の一部を樹脂層Dの表層
部に侵入させて金属粉体3を樹脂層表層内外に固定させ
る。また樹脂層Dによる捕捉能力を超える金属粉体3の
余剰分は払い落とされる。このような手順を経て、ボン
ド磁石母材Aの上に樹脂Richな樹脂層D、樹脂層内
に金属粉体3がその含有量を漸次的に変化した状態で混
在している遷移層D’、金属粉体3のRichな導電性
被膜層Eとが積層状態となり、この導電性被膜層Eの上
層にめっき被膜層Cが形成され、ピンホールの存在しな
いめっき被膜を有するボンド磁石が作製される。
【0008】このようにピンホールのないめっき被膜層
を有するボンド磁石の製造方法の代表例としては上記2
種類のものがある。これらはいずれも形状が多様で、曲
面や凹凸面があること、またコスト的に不利になること
の理由によりめっき被膜層C形成後に再研磨等による寸
法調整や最終仕上げ加工が行われることはなく、めっき
被膜層Cが形成された段階で完成品となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記2方法によりピン
ホールのないめっき被膜層を有するボンド磁石を得るこ
とが可能となるが、これらめっき法にはいずれも解決す
べき課題が残されていた。
【0010】先ず前者については、図7に示すようにめ
っき被膜層C表面に導電性被膜層Bの表面起伏状態が反
映されるため、めっき被膜層C表面を均一な平滑面とす
ることができない問題がある。めっき被膜層Cの表面起
伏は導電性被膜層Bの表面起伏がそのまま反映されるの
ではなく、起伏の高低差がやや緩和された形態で反映さ
れるものの、めっき被膜層C表面を均一平滑面とするこ
とが困難なことに変わりはなく、この表面起伏が製品の
表面磁力特性の均一性や美観に悪影響を及ぼすことが懸
念される。また導電性被膜層Bは単にスプレー塗装され
ているだけであり導電性被膜層Bはその濡れ性によって
ボンド磁石母材Aを被覆しているだけであるから、導電
性被膜層Bのボンド磁石母材Aに対する密着性がやや不
足する傾向がある。また導電性ペーストを塗装する場
合、濡れ性を高めて密着性を向上させるためには導電性
材料粉末の充填密度をあまり高くすることはできず、こ
のため導電性ペーストを塗装したとしても、その導電性
向上効果には限界がある。まためっき被膜層C形成後に
最終仕上げ加工を行うことはなくめっき被膜層C形成直
後の形状がそのまま最終製品の形状となることは上述し
たとおりであるが、本技術では導電性ペーストを単にス
プレー塗装した上にめっき被膜層Cを成層するわけであ
るから、導電性被膜層Bとめっき被膜層Cとの合計膜厚
の平均厚みが比較的厚く、ボンド磁石母材Aの外形寸法
からの隔たりが大きくなって、ボンド磁石母材Aの外形
寸法とほぼ一致することを前提として設計された最終製
品の外形寸法との隔たりが大きくなる傾向にある。
【0011】一方、特開平5−302176号で開示さ
れた技術にも解決すべき問題点がある。先ずこの技術に
おいては金属粉体3を表面付着させたボンド磁石を容器
内で振動又は攪拌させたり、あるいはスチールボール等
の金属メディアをボンド磁石に叩きつけたりするため、
金属粉体3付着後の表面起伏(図11参照)は前述した
特開平4−276095号のにおける導電性被膜層B
形成直後の表面起伏(図7参照)に比べれば多少なだら
かとはなるものの、振動、攪拌の付与及び金属メディア
による打撃の目的が、粘着性を有する樹脂層Dに金属粉
体3を付着させることにあるため、金属粉体付着表面へ
の加圧力は比較的軽度であり、このためその表面起伏を
平滑化することはできない。また、この技術はボンド磁
石母材Aの上層に樹脂層Dを成層したのち金属粉体3を
集積させて導電性被膜層Eを積層するものであるから、
全表面にわたって金属粉体3が存在することが必須であ
り、したがってこの意味からもボンド磁石母材Aが一部
露出するような強い加圧力を及ぼすことは想定されてい
ず、導電性被膜層E表面を平滑化することは不可能であ
る。したがってこの技術においても図12に示すように
めっき被膜層C表面を平滑化することはできない。ま
た、ボンド磁石母材Aの上層に樹脂層Dと導電性被膜層
Eの2層構造が必ず形成されたのち、そのうえにめっき
被膜層Cが形成されるから、樹脂層D、導電性被膜層E
及びめっき被膜層Cの3層の合計膜厚の平均厚は相当大
きく、完成品としてのめっき被膜形成品の外形寸法とボ
ンド磁石母材Aの外形寸法との隔たりが大きくなり、寸
法精度の確保が困難となる問題がある。またこの技術で
は樹脂層Dと導電性被膜層Eとの間に金属粉体3の配合
量が漸次的に増加する遷移層D´が存在するものの、樹
脂層Dとめっき被膜層Cとの間には樹脂層D及びめっき
被膜層Cのいずれに対しても異質な金属粉体3の凝集層
が介在し、しかもこの金属粉体3の凝集層は樹脂層Dの
粘着力のみによって固定されているだけであるから、金
属粉体3の凝集層を境界にしてめっき被膜層Cが剥離脱
落しやすいという問題もある。更に、ボンド磁石母材A
が奥深い凹部を有し、この凹部内にもめっき被膜層Cを
形成する必要がある場合などを想定したとき、樹脂は粘
度を調整することで濡れ性を利用して凹部内奥まで到達
させることができるが、金属粉体3はこのような部分に
まんべんなく到達させることは困難であり、この結果、
部分的にめっき被膜の非存在部分が形成されるおそれが
ある。このことは当該技術が複雑形状を有するボンド磁
石には適用しがたいことを意味しており、製品の多様性
が制限される点で問題を残している。また、本技術は樹
脂層D形成用樹脂と金属粉体3とを別々に取扱い、また
樹脂層D上層に金属粉体3による導電性被膜層Eを形成
する等、作業工程の管理が煩雑であるという問題もあ
る。更にこの技術では樹脂層D表面にまぶした金属粉体
3に打撃を与える媒体としてスチールボール等の金属メ
ディアや軟質プラスチック等の軟質メディアが利用でき
るとその公報では説明されているが、現実的には形成し
た金属粉体による導電性被覆層が逆に破損するとの理由
から軟質メディアのみしか利用できず、メディアの選択
巾が限られているという問題もある。
【0012】本発明はかかる現況に鑑みてなされたもの
であり、前記両技術が内包する問題点を特開平4−27
6095号において提案された技術を基礎として改良す
ることにより克服せんとしたものであり、耐食性及び美
観に優れることは勿論のこと、寸法精度にも優れ、また
複雑形状にも対応可能であり、しかも製造手順も簡易な
めっき被膜を有するボンド磁石とこのボンド磁石を製造
する方法を提供せんとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】かかる問題を解
決すべく本発明者等は鋭意検討したところ、ボンド磁石
母材表面に成層した導電性被膜層の表面を平滑処理する
ことを着想した。このような着想に基づき完成された本
発明のめっき被膜を有するボンド磁石は、R−T−B
(RはNd又はその一部を希土類元素で置換したもの、
TはFe又はその一部を遷移金属元素で置換したもの)
で表される磁性粉体と結合剤とを主たる構成成分として
なるボンド磁石母材と、樹脂に導電性材料粉末を均一分
散した単一層であって、その表面が基準長さを25mm
としたとき最大高さ(Rmax )が400μm以下となる
ように表面粗さが設定された導電性被膜層と、前記導電
性被膜層の上に形成された電気めっき層とよりなるめっ
き被膜を有することを特徴としている。
【0014】また同ボンド磁石の製造方法は、R−T−
B(RはNd又はその一部を希土類元素で置換したも
の、TはFe又はその一部を遷移金属元素で置換したも
の)で表される磁性粉体と結合剤とを主たる構成成分と
してなるボンド磁石において、樹脂と導電性材料粉末と
の混合物を塗装してボンド磁石母材表面に導電性被膜層
を形成した後、導電性被膜層の表面平滑処理を行い、平
滑化された導電性被膜層の表面に電気めっきを施すこと
を特徴としている。
【0015】本発明のボンド磁石の製造方法は図1〜図
4で示す模式図によって次のように説明される。先ずボ
ンド磁石母材Aの表面に樹脂4と導電性材料粉末5の混
合物である導電性ペースト6を塗装する。塗装方法は様
々な塗装方法が適用できるが特にスプレー塗装や浸漬塗
装が簡易である観点から好適である。導電性ペースト6
は、その流動性によってボンド磁石母材表面の空孔やピ
ンホールに侵入するが、導電性ペーストの粘性が高い場
合は塗装作業だけで必ずしも全ての空孔やピンホールが
塞がれるわけではない。例えば塗装によって形成される
導電性被膜層の表面抵抗をより低くする目的で導電性ペ
ーストに含まれる導電性材料粉末を多くした場合、導電
性ペーストの粘性は高くなり、単なる塗装だけでは空孔
内奥への侵入は困難となる。またボンド磁石母材表面が
極端に入り組んでいる場合やボンド磁石母材表面に油分
等が付着してボンド磁石母材表面が発水性を有している
場合等においては導電性ペーストの島状孤立部分や樹脂
玉等の不連続部分が発生し、導電性被膜層が途切れるこ
ともある。また単なる塗装のみでは、やや緩和された形
態ではあるものの塗装表面にボンド磁石母材表面の起伏
の痕跡が反映され導電性被膜層B表面は不均一層とな
る。特に導電性ペースト6の粘性が高い場合、この傾向
は顕著である。
【0016】本発明では導電性被膜層Bに対して表面平
滑処理を施すことによって、ボンド磁石母材A表面の平
滑化と同時に、ボンド磁石母材A表面における導電性ペ
ースト6の未充填部分への充填、導電性ペースト6の島
状孤立部分の解消をはかるものである。表面平滑処理の
具体的方法は様々であるが、重要なのはこの表面平滑処
理が表面加圧を伴う表面平滑処理であって切削や研削等
は含まないという点である。即ち、ボンド磁石母材A表
面における特定箇所に過剰付着している導電性ペースト
6をボンド磁石母材A表面から取り除くのではなく、過
剰部分は加圧してボンド磁石母材A表面の凹部に押し込
んだり隣接部分へ移動させたりすることで塗装表面を均
して平準化をはかるということである。表面平滑処理
は、具体的には金属メディア又はセラミックスメディア
を導電性ペーストの塗装表面に打ちつけることにより表
面起伏を均して表面を面一化する打撃処理や、あるいは
金属メディア又はセラミックスメディアを導電性ペース
トを塗装したボンド磁石と一緒に容器内に投入し、攪拌
動作、回転動作、又は振動動作を与えることによって平
滑化処理することなどが採用できる。
【0017】表面平滑処理後の状態は図3で示される。
表面平滑処理した結果、周囲より盛り上がっていた部分
の導電性ペースト6は隣接部分に移動して低く均され、
反対に周囲より窪んだ部分には隣接部分から移動してき
た導電性ペースト6が補充されて高く均される。このよ
うにして導電性被膜層表面の表面高さが揃えられ、導電
性被膜層B表面の均一化(面一化)がなされる。そして
ここで重要なことは、本発明においては表面平滑処理後
の表面起伏の度合いを示す表面粗さの最大高さ
(Rmax )は、ボンド磁石母材Aの表面粗さの最大高さ
(Rmax )より必ず低くなるということである。特開平
5−302176号で開示された技術のようにボンド磁
石母材表面に粘着性を有する樹脂層を形成したのち、金
属粉体等をまぶし、そののち金属粉付着表面に対して付
着強化や金属粉の樹脂内への一部侵入固定化のみを目的
とした軽度の打撃力を与える場合には、打撃処理後の表
面粗さの最大高さ(Rmax )は、ボンド磁石母材Aの表
面粗さの最大高さ(Rmax )よりも低くなるとは限らな
い。表面平滑処理後の表面粗さは、例えば基準長さを2
5mmとしたときに導電性被膜層の最大高さ(Rmax
が、400μm以下となるように設定される。導電性被
膜層の最大高さ(Rmax )が、400μmを超えるとそ
の突起部に集中的にめっき被膜が形成されるため、外観
上、寸法精度上、好ましくない。
【0018】本発明では導電性被膜層形成後の表面が平
滑であることが重要なのであって、平滑後の表面が導電
性被膜層によって完全被覆されていることを必ずしも必
要としない。例えば図3に示すように、表面平滑処理の
結果、磁性粉体1が部分的に露出していてもかまわな
い。通常、Nd−Fe−B系磁粉1粒の電気抵抗は急冷
粉の場合、10-8オーダーであり、充分な導電性を有し
ている。問題となるのはボンド磁石母材における結合材
の露出である。結合材である樹脂の露出部分が存在する
とこの部分は導電性が低いためめっき層の成長がやや不
良となる。金属メディア又はセラミックスメディアを導
電性ペーストの塗装表面に打ちつけて表面起伏を均して
表面を面一化する打撃処理や、あるいは金属メディア又
はセラミックスメディアを導電性ペーストを塗装したボ
ンド磁石と一緒に容器内に投入し、攪拌動作、回転動
作、又は振動動作を与えることによって平滑化処理して
いる限りにおいては、磁性粉体1に比べて柔らかい結合
剤樹脂が平滑処理後の表面にそのまま残存することはほ
とんど有り得ない。また万が一、結合剤樹脂が露出して
いたとしても、平滑処理後の表面抵抗が0.05〜10
0Ω/sq(又はΩ/□)の範囲にある限りめっき層の
形成には支障がないことを本発明者等は確認している。
そして、現実的には平滑処理後の表面抵抗値はほとんど
上記範囲を満足している。
【0019】稀なケースであるが、表面平滑処理後の表
面に窪み部が存在し、この窪み部の底部に磁性粉体1が
露出しているケースがある。このときはこの窪み部に酸
性めっき液が滞留するおそれがあり発錆に繋がる懸念が
ある。したがって、本発明における表面平滑処理では、
このような磁性粉体1が底部に露出した窪み部が発生し
ないように注意が払われ、この観点から上記した表面平
滑処理の具体的手法が選択されている。上記した表面平
滑処理法によれば導電性ペーストはボンド磁石母材表面
の窪み部に優先的に充填されることになるので、ボンド
磁石母材露出部が窪み部に位置することはほとんどな
い。
【0020】表面平滑処理によって平滑化された導電性
被膜層Bの上層には図4に示すようにめっき被膜層Cが
形成される。めっき被膜層Cは電気めっきにより形成さ
れるため比較的厚肉で且つ堅固である。めっき被膜層C
の表面形状には導電性被膜層Bの平滑表面が反映され
て、表面平滑なめっき被膜を有するボンド磁石が得られ
る。また表面平滑処理によって導電性ペーストはボンド
磁石母材の表面起伏部に圧入されており、その導電性材
料粉末の充填密度も高く導電性も優れているのでめっき
被膜層Cと下地の導電性被膜層Bとの密着性は極めて高
く、外部応力等が作用しても剥離することはない。そし
て、導電性被膜層Bは表面平滑処理によって膜厚が薄く
なっているから、導電性被膜層Bとめっき被膜層Cとの
合計膜厚の平均厚は、導電性被膜層Bの表面平滑処理を
施していない従来磁石に比べて薄く、ボンド磁石母材と
の外形寸法の隔たりが小さいので寸法精度の確保も容易
である。
【0021】
【実施例】次に本発明の詳細を実施例に即して説明す
る。本発明が対象とする希土類ボンド磁石とは、R−T
−B(RはNd又はその一部を希土類元素で置換したも
の、TはFe又はその一部を遷移金属元素で置換したも
の)で表される磁性粉体と結合剤である合成樹脂との配
合物を成形して得ることができるものを指している。上
記樹脂には、汎用される熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂あ
るいはゴムから成形法を考慮し適宜選択して使用され
る。本発明で使用する熱可塑性樹脂としてはフェノール
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が例示でき、また
熱可塑性樹脂とてはナイロン6、ナイロン12等のポリ
アミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリフェニレン
サルファイド等が例示できる。また、紫外線硬化型樹脂
なども使用しうる。本発明はボンド磁石母材表面に表面
均一な導電性被膜層を形成することによって電気めっき
によるめっき被膜の成長を促進することが目的であるか
ら結合剤としては樹脂を用いることが基本であるが、本
発明は結合剤として比較的融点の低い金属を使用する場
合にも適用できる。この場合、導電性被膜層の形成は磁
性粉体と結合剤金属との導電性のばらつきを均一化する
機能を担うことになる。
【0022】結合剤として使用可能な金属粉末にはZ
n、Sn、Pb粉末等が例示できるが、結合剤として金
属を使用する場合の成形法は圧縮成形法に限定される。
圧縮成形法に用いられる結合剤は圧縮成形時に変形する
ことが成形体密度を向上させる上で重要であり、この意
味において上記金属は比較的柔らかいものが好ましく、
総じて低融点金属が好ましい。低融点金属には、ローゼ
合金、ニュートン合金、ウッド合金、ポヴィッツ合金な
どが例示できる。
【0023】本発明に用いられる磁性粉末と結合剤樹脂
との混合物からボンド磁石母材を得るための成形方法と
しては、圧縮成形、射出成形、押し出し成形、カレンダ
ー成形などが例示できる。
【0024】また本発明に用いられる電気めっきの金属
種には、Ni、Cu、Cr、Fe、Zn、Cd、Sn、
Pb、Al、Au,Ag,Pd,Pt,Rhなどが例示
できるが、特にNiであることが好ましい。電気めっき
では一般に、上述のごとくCu、Ni、Zn、Sn、A
g、Au、Pt金属及びその合金の金属被覆処理が可能
である。構造用材料のように、めっき層が犠牲腐食する
ことによって被処理材を保護するような機構を目的とし
た場合にはZn、Snめっきなどでも充分な効果を発揮
するが、特に電子部品のようにめっき層、被処理材とも
に酸化、腐食することが許容され得ない場合にはめっき
後、樹脂塗装、無機材料コーティング等が必要であり、
効率的とはいえない。この点においてはCuも同様であ
り、貴金属であるにもかかわらず表面に黒色の酸化銅や
緑青が発生しやすい欠点を有している。一方Au、A
g、Ptめっきは防食に極めて有効ではあるが、高価で
あり、工業的に有用である場合が少ない。以上の点から
Ni及びその合金めっきが最も有効な手段であることは
明かであり、本発明の好ましい態様の一つとなる。
【0025】本発明に用いられる電気めっき用水溶液に
は、金属種、陽極金属種によって適宜選択でき、シアン
化銅浴、ピロりん酸銅浴、硫酸銅浴、無光沢Ni浴、ワ
ット浴、スルファミン酸浴、ウッドストライク浴、イマ
ージョンNi浴、6価Cr低濃度浴、6価Crサージェ
ント浴、6価Crふっ化物含有浴、高シアン化物アルカ
リZnめっき浴、中シアン化物アルカリZnめっき浴、
低シアン化物アルカリZnめっき浴、ジンケート浴、シ
アン化Cdめっき浴、ほうふっ化Cdめっき浴、硫酸酸
性Snめっき浴、ほうふっ酸Snめっき浴、ほうふっ酸
Pbめっき浴、スルファミン酸Pbめっき浴、メタンス
ルホン酸Pbめっき浴、ほうふっ酸はんだめっき浴、フ
ェノールスルホン酸はんだめっき浴、アルカノールスル
ホン酸はんだめっき浴、塩化物Feめっき浴、硫酸塩F
eめっき浴、ほうふっ化物Feめっき浴、スルファミン
酸塩Feめっき浴、Sn−Co合金スタネート浴、Sn
−Co合金ピロりん酸浴、Sn−Co合金ふっ化物浴、
Sn−Ni合金ピロりん酸浴、Sn−Ni合金ふっ化物
浴などが例示でき、さらに光沢剤、レベラー剤、ピット
防止剤、梨地形成剤、アノード溶解剤、PH緩衝剤、安
定剤等の添加剤を加えることもできる。また、前処理と
して洗浄工程、表面活性化処理工程など及び後工程とし
て水洗、湯洗、封孔処理工程等を目的に応じて付加する
こともできる。
【0026】本発明における被処理物である希土類ボン
ド磁石は錆やすい特性を有しているが、ボンド磁石母材
表面には導電性ペーストが塗装されることから、酸性め
っき浴を特に避ける必要性はないが、それでも表面平滑
処理後の導電性被膜層の一部にボンド磁石母材表面が露
出する可能性に配慮すれば、めっき浴はPHを中性領域
に近いほど、また塩素含有量が少なくしておくことが好
ましいことはいうまでもない。
【0027】また、電気めっき処理に際しては前処理工
程、後処理工程を設けることもでき、前処理には浸漬脱
脂、電解脱脂、浴剤脱脂、酸処理、アルカリ処理、パラ
ジウム処理、水洗等が例示でき、後処理工程にはクロメ
ート処理、水洗、湯洗などが例示できる。
【0028】次に樹脂と導電性材料粉末との混合物であ
る導電性ペーストについて説明する。導電性ペーストに
含まれる樹脂としては、ボンド磁石の結合剤樹脂と同じ
ものなどが例示できる。また導電性材料粉末には、A
g、Ni、Cu粉末等の金属粉やカーボン粉末、合金粉
末、更には導電性を有する金属酸化物の粉末などが例示
でき、分散性や得ようとする導電性ペーストの導電性な
どを考慮して材質、粒形、粒径が適宜選択される。ま
た、これら導電性粉末を樹脂中に分散させるために、導
電性材料粉末にカップリング剤処理や表面活性処理を施
したり、分散性を向上させ得る成分を樹脂中に添加する
こともできる。
【0029】表面平滑処理としては、金属メディア又は
セラミックスメディアあるいはゴム材のような軟質メデ
ィアを用いた打撃処理、あるいはこれらメディアを伴う
攪拌動作、回転動作、又は振動動作による平滑研磨作用
などが採用できる。打撃処理の具体例としてはショット
ピーニングなどが挙げられ、攪拌動作、回転動作、又は
振動動作による平滑研磨作用の具体例としては回転バレ
ルや振動バレルが挙げられる。
【0030】金属メディアとしては、亜鉛塊、鋳鉄ボー
ル等の金属製ボールが挙げられ、セラミックスメディア
としてはガラス製ボールやその他各種セラミックのボー
ル体が挙げられる。またこれらメディアは球体である以
外に、立方体、多角形、不定形である場合もある。また
比較的粒径の大きい粉体も含まれる。また金属メディア
やセラミックスメディア以外のものも利用可能であり、
有機物の皮屑、おが屑、もみ、ふすま、果実の殻、フェ
ルトくず、ナイロンくず、とうもろこしの軸や研磨石等
も加工対象に応じて適宜選択される。
【0031】本発明で用いられる被処理物はボンド磁石
であり、その磁力を利用する部品である。したがって、
その利用できる磁力は被覆膜の膜厚が増加するにつれて
低下することはまぬがれない。被膜膜厚は薄いほど有効
に磁力を利用できるが、反面本発明の目的である耐食性
が低下するため目的に応じて被覆膜厚を調整しなければ
ならない。この意味において本発明で施される導電性被
膜層+電気めっき膜厚の総計は5μm以上100μm以
下であることが好ましい。
【0032】以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて
更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限
されない。 (実施例及び比較例)32メッシュパスしたNdFeB
系等方性磁粉(ゼネラルモータース社製MQP−B)9
7wt%とエポキシ系接着剤3wt%からなる磁粉コン
パウンドを成形圧力5t/cm2 でプレス成形し、アル
ゴン雰囲気下で180℃で1時間キュアし、φ8mm×
9mmの円柱状のボンド磁石(サンプル)を得た。次い
で導電性ペーストを塗装する前処理としてボンド磁石母
材の予備バレル研磨処理を行った。予備バレル研磨処理
は、3リットル容積の小型振動バレルにφ3.2mmの
スチールボール(見掛け容積2.0リットル)を投入
し、300個のサンプルを投入して10分間行った。小
型振動バレルの振幅は5mm/サイクルであり、振動数
は60Hzである。予備バレル研磨処理を終えたサンプ
ルに対して以下の試験を行った。
【0033】先ず導電性ペーストとして次の〜を用
意し、それぞれを実施例1,2,3とした。 (実施例1)<フェノール樹脂+銀粉> フェノール樹脂成分 5wt% 銀粉(粒径0.5μm以下) 15wt% MEK(メチルエチルケトン)80wt% (実施例2)<エポキシ樹脂+ニッケル粉> エポキシ樹脂成分(商品名:エピコート1001−B80) 7wt% 硬化剤(商品名:BMI−12) 0.5wt% ニッケル粉(粒径0.7μm以下) 15wt% BGE(ブチルグリシジルエーテル) 77.5wt% (実施例3)<アクリル樹脂+亜鉛> アクリル樹脂成分 30wt% 亜鉛粉(粒径0.5μm以下)20wt% 水 50wt%
【0034】〜で記載した各液をそれぞれ調整混合
した後、30分以上攪拌してサンプルを浸漬した。浸漬
時間は5分である。浸漬後、ザルカゴにて液切りした
後、直ちに導電性被膜層の表面平滑処理としてのバレル
研磨処理を実施した。導電性被膜層の膜厚は約12μm
である。
【0035】バレル研磨処理は3リットル容積の小型振
動バレルにφ2.5mmの粒径のスチールボールを(見
掛け容積2.0リットル)を投入し、300個のサンプ
ルを投入して20分間行った。小型振動バレルの振幅は
5mm/サイクルであり、振動数は60Hzである。予
備バレル研磨処理を終えたサンプルに対して以下の試験
を行った。バレル研磨後、メディアであるスチールボー
ルとサンプルを分離してサンプルをキュアーした。キュ
アー条件は次のとおりである。 (実施例1)<フェノール樹脂+銀粉> 150℃ 30分 (実施例2)<エポキシ樹脂+ニッケル粉> 150℃ 30分 (実施例3)<アクリル樹脂+亜鉛> 100℃ 10分
【0036】導電性被膜層を形成した実施例1,2,3
のボンド磁石の表面抵抗値と同ボンド磁石の各処理段階
における表面抵抗値を測定した。結果を「表1」に示
す。尚、各実施例のサンプル数はそれぞれ500個であ
り、表にはその平均値を示した。
【0037】
【表1】
【0038】また比較例として、ボンド磁石母材表面に
浸漬塗装によりフェノール樹脂層を形成したのち、銀粉
(粒径0.5μm以下)をまぶしたサンプル300個を
前記実施例で使用した小型振動バレル機に投入し、実施
例で使用したメディアと同じメディアを使用して同条件
でバレル研磨処理を行った。結果を「表2」に示す。
【0039】
【表2】
【0040】「表1」に示した実施例1,2,3のいず
れもが「表2」として示した比較例1に比べてキュアー
後の表面抵抗値が格段に小さく、優れた導電性を有して
いることが確認された。
【0041】また、このようにして得られた実施例1,
2,3のサンプルと比較例のサンプルを1%ピロリン酸
カリウム水溶液にて洗浄したのち、従来手法によって電
気めっきを施しニッケルめっき被膜を形成した。膜厚
は、導電性材料含有樹脂塗装が約5μm、全サンプルに
ついて被覆膜厚の総計が30μmになるよう電気めっき
膜厚を調整した。めっき後に洗浄を行い乾燥させたの
ち、完成しためっき被膜を有するボンド磁石を観察し
た。その結果、実施例1,2,3のサンプル表面は極め
て平滑でピンホールがないものが得られた。一方、比較
例1のものも実施例1,2,3のサンプル表面に比べれ
ば若干劣るものの比較的平滑でピンホールのないものが
得られた。比較例1のものが表面平滑度において比較的
良好な結果が得られたのは、そのバレル研磨処理の内容
を表面平滑化を目的とした本発明と同じ内容としたため
であると判断される。
【0042】また表面平滑処理(バレル研磨処理)を行
わないことのみが実施例1と相違する比較例2のサンプ
ルを作製して、めっき被膜形成後の表面を観察したとこ
ろ、実施例1,2,3及び比較例1に比べて平滑性に劣
っていることが確認された。
【0043】次に、実施例1,2,3のサンプルと比較
例1,2のサンプルを切断してその断面構造を観察し
た。この結果、実施例1,2,3のものはいずれもボン
ド磁石母材表面からめっき被膜表面までの平均膜厚が2
3μmであったのに対し、比較例1では31μm、比較
例2では39μmであることが確認された。このことか
ら実施例1,2,3のものはめっき被膜形成後のサンプ
ルの外形寸法とボンド磁石母材の外形寸法との隔たりが
小さく、優れた寸法精度が確保されていることが確認さ
れた。
【0044】続いてめっき被膜の剥離試験を行った。剥
離試験方法は、「引き剥がし試験法」で行った。その結
果、めっき被膜を剥離するのに実施例1,2,3では2
9Kgfの引き剥がし力を必要としたのに対し、比較例
1では17Kgfの引き剥がし力、比較例2では11K
gf程度の引き剥がし力でも比較的容易に剥離できるこ
とがわかった。また、比較例1のものは断面構造がボン
ド磁石母材の上に、樹脂層、金属粉層、めっき被膜層が
3層構造となっていることが確認された。比較例1の剥
離強度が弱いのはこの3層構造に起因するものと推測さ
れる。
【0045】また実施例1,2,3及び比較例1,2の
サンプルを、80℃×90%RH×600時間の条件で
耐湿試験し、肉眼にて発錆状況について観察を行ったと
ころ、全てのサンプルとも発錆はなく、耐食性について
はいずれのサンプルも合格品であることが確認された。
【0046】最後に、上記実施例1,2,3のワークを
作製するに際して要した各段階の時間を示しておく。予
備バレル研磨処理(10分)→導電性ペースト液浸漬
(5分)→バレル研磨処理(20分)→キュアー(〜3
0分)→水洗,ピロリン酸カリウム水溶液による洗浄
(ピロリン酸カリウム水溶液:1分,水洗:2分)→ニ
ッケル電気めっき処理(〜3時間)→水洗,乾燥(水
洗:3分を3回,乾燥:50℃で10分)
【0047】
【発明の効果】本発明によれば表面平滑で、耐食性及び
美観に優れるめっき被膜を有するボンド磁石を得ること
ができる。しかもこのボンド磁石はめっき被膜形成後の
外形寸法とボンド磁石母材の外形寸法との隔たりが少な
く寸法精度にも優れるとともに複雑形状にも対応可能で
あり、加えてめっき被膜の密着性にも優れている。また
製造手順も簡易であるから工業的に極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のめっき被膜を有するボンド磁石の製
造方法を示す模式図であり、導電性被膜層形成前の状態
を示す模式図
【図2】 本発明のめっき被膜を有するボンド磁石の製
造方法を示す模式図であり、導電性被膜層を形成した状
態を示す模式図
【図3】 本発明のめっき被膜を有するボンド磁石の製
造方法を示す模式図であり、導電性被膜層に表面平滑処
理を施した状態を示す模式図
【図4】 本発明のめっき被膜を有するボンド磁石の製
造方法を示す模式図であり、めっき被膜層を形成した状
態を示す模式図
【図5】 従来のめっき被膜を有するボンド磁石の製造
方法を示す模式図であり、導電性被膜層形成前の状態を
示す模式図
【図6】 従来のめっき被膜を有するボンド磁石の製造
方法を示す模式図であり、導電性被膜層を形成した状態
を示す模式図
【図7】 従来のめっき被膜を有するボンド磁石の製造
方法を示す模式図であり、めっき被膜層を形成した状態
を示す模式図
【図8】 従来のめっき被膜を有するボンド磁石の製造
方法を示す模式図であり、導電性被膜層形成前の状態を
示す模式図
【図9】 従来のめっき被膜を有するボンド磁石の製造
方法を示す模式図であり、樹脂層を形成した状態を示す
模式図
【図10】 従来のめっき被膜を有するボンド磁石の製
造方法を示す模式図であり、樹脂層のうえに金属粉体を
まぶした状態を示す模式図
【図11】 従来のめっき被膜を有するボンド磁石の製
造方法を示す模式図であり、金属粉体を樹脂層に一部侵
入させた状態を示す模式図
【図12】 従来のめっき被膜を有するボンド磁石の製
造方法を示す模式図であり、めっき被膜層を形成した状
態を示す模式図
【符号の説明】
A ボンド磁石母材 B 導電性被膜層 C めっき被膜層 D 樹脂層 D’遷移層 E 導電性被膜層 1 磁性粉体 2 合成樹脂 3 金属粉体 4 樹脂 5 導電性材料粉末 6 導電性ペース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 G

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−T−B(RはNd又はその一部を希
    土類元素で置換したもの、TはFe又はその一部を遷移
    金属元素で置換したもの)で表される磁性粉体と結合剤
    とを主たる構成成分としてなるボンド磁石母材と、樹脂
    に導電性材料粉末を均一分散した単一層であって、その
    表面が基準長さを25mmとしたとき最大高さ
    (Rmax )が400μm以下となるように表面粗さが設
    定された導電性被膜層と、前記導電性被膜層の上に形成
    された電気めっき層とよりなるめっき被膜を有するボン
    ド磁石。
  2. 【請求項2】 R−T−B(RはNd又はその一部を希
    土類元素で置換したもの、TはFe又はその一部を遷移
    金属元素で置換したもの)で表される磁性粉体と結合剤
    とを主たる構成成分としてなるボンド磁石において、樹
    脂と導電性材料粉末との混合物を塗装してボンド磁石母
    材表面に導電性被膜層を形成した後、導電性被膜層の表
    面平滑処理を行い、平滑化された導電性被膜層の表面に
    電気めっきを施すことを特徴とするめっき被膜を有する
    ボンド磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 表面平滑処理後の導電性被膜層の表面抵
    抗が0.05〜100Ω/sqである請求項2記載のめ
    っき被膜を有するボンド磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 表面平滑処理後の表面起伏の最大高さ
    (Rmax )が、ボンド磁石母材の表面起伏の最大高さ
    (Rmax )より低いことを特徴とする請求項2又は3記
    載のめっき被膜を有するボンド磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】 基準長さを25mmとしたときの表面平
    滑処理後の導電性被膜層の最大高さ(Rmax )が、40
    0μm以下となるように表面粗さが設定された請求項2
    〜4のいずれか1項に記載のめっき被膜を有するボンド
    磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂と導電性材料粉末との混合物の塗装
    方法としてスプレー塗装、又は浸漬塗装を採用してなる
    請求項2〜5のいずれか1項に記載のめっき被膜を有す
    るボンド磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 表面平滑処理が金属メディア又はセラミ
    ックスメディアを用いた打撃処理によることを特徴とす
    る請求項2〜6のいずれか1項に記載のめっき被膜を有
    するボンド磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 表面平滑処理が金属メディア又はセラミ
    ックスメディアを伴う攪拌動作、回転動作、又は振動動
    作による平滑研磨作用によるものであることを特徴とす
    る請求項2〜7のいずれか1項に記載のめっき被膜を有
    するボンド磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 表面平滑処理後の導電性被膜層の一部に
    母材露出部が存在する請求項2〜8のいずれか1項に記
    載のめっき被膜を有するボンド磁石の製造方法。
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