JPH08187792A - 複合型光学素子の製造方法 - Google Patents

複合型光学素子の製造方法

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JPH08187792A
JPH08187792A JP227295A JP227295A JPH08187792A JP H08187792 A JPH08187792 A JP H08187792A JP 227295 A JP227295 A JP 227295A JP 227295 A JP227295 A JP 227295A JP H08187792 A JPH08187792 A JP H08187792A
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resin
optical element
mold
resin layer
base material
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JP227295A
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Hiroyuki Seki
博之 関
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エネルギー硬化型樹脂の表面樹脂層を迅速に硬
化させ、外観不良を防止した複合型光学素子の製造方法
を提供する。 【構成】光学素子基材3の表面にエネルギー硬化型樹脂
を供給し、所望の光学面1aを有する金型1と光学素子
基材3とを相対的に接近させてエネルギー硬化型樹脂を
押圧して広げ、金型1と光学素子基材3との間に所望の
樹脂層2を形成した後、エネルギーの照射により樹脂層
2を硬化させ、硬化した樹脂層2と金型1とを剥離する
複合型光学素子の製造方法において、少なくともエネル
ギーの照射により樹脂層2を硬化している間に、樹脂層
2の自由面に接する気圧を大気圧より低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエネルギー硬化型樹脂を
用いた複合型光学素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エネルギー硬化型樹脂を用いた複
合型光学素子の製造方法において、エネルギー硬化型樹
脂(以下、樹脂とよぶ)の自由面が空気に触れた状態で
エネルギーを照射された場合、空気中には体積比で2
0.9%の酸素が含まれており、この酸素は重合禁止作
用を有するため、空気と接触している樹脂の自由面から
およそ20μmの深さまでの樹脂(以下、樹脂表面層と
よぶ)の硬化は困難であった。
【0003】そこで、この樹脂表面層を硬化させる方法
として、特開平4−34401号公報所載の技術が開示
されている。図8は、この従来技術の複合型光学素子の
製造方法に用いる装置の概念図である。101はレンズ
ブランクで、このレンズブランク101は光線102を
照射するための貫通孔103aを有するレンズ保持部1
03に載置されている。レンズブランク101の上面に
は光硬化型樹脂104が吐出されている。光硬化型樹脂
104の上方には成形型105がレンズブランク101
の光軸と同一軸線上を上下動自在に設けられている。気
体噴出装置106は非酸化性ガス107の供給および制
御を行う制御装置108と、非酸化性ガス107の流路
109と、非酸化性ガス107を噴出する先端部110
とから構成され、その先端部110は光硬化型樹脂10
4の外周面104a近傍を非酸化性ガス107雰囲気と
することができるように外周面104aに近接配置され
ている。
【0004】この装置を用いた複合型光学素子の製造方
法では、気体噴出装置の先端部より非酸化性ガスを噴出
させて、光硬化型樹脂の外周面近傍を非酸化性ガス雰囲
気にしつつ光硬化型樹脂を硬化させることができる。こ
れにより、単純で安価な装置により光硬化型樹脂の外周
面を大気中の酸素から遮断することができ、未硬化部分
のない複合型光学素子を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来技
術の複合型光学素子の製造方法において、樹脂を硬化さ
せるとき、樹脂表面層に近接したノズルから非酸化性ガ
スを噴出させるので、噴出した非酸化性ガスが直ちに酸
素を含む空気を巻き込み、純粋な非酸化性ガスのまま樹
脂表面層を覆うことは困難という問題点がある。加え
て、空気を巻き込まない部分の非酸化性ガスにより部分
的に樹脂表面層が硬化しても、樹脂表面層の全面を均一
に硬化させることは困難という問題点もある。
【0006】この解決手段として完全に樹脂表面層を硬
化させるには、硬化時間を長くしたり、非酸化性ガスの
流量を多くする方法もあるが、サイクルタイムが延び、
非酸化性ガスを大量に消費するために複合型光学素子の
コストが高くなるという不具合が生ずる。樹脂表面層へ
のエネルギーの照射を増加させることも考えられるが、
装置が複雑となり、やはりコストが高くなる。
【0007】さらに、非酸化性ガスを噴出させることに
より、混入した空気が一緒に樹脂表面層に吹き付けられ
るために、ゴミの付着が発生する。また、樹脂表面層の
粘度が高くないときに、非酸化性ガスを高い流速で吹き
付けると、樹脂が飛び散ったり、シワになるなど、複合
型光学素子の外観に悪影響を与えるという問題点があ
る。
【0008】さらに、未硬化の樹脂が空気に触れると、
空気中の酸素が樹脂表面層に拡散する。樹脂中に拡散し
た酸素を非酸化性ガスの噴出により除去することは不可
能なため、仮に完全な非酸化性ガス雰囲気中でエネルギ
ーの照射を行ったとしても、空気の拡散していない樹脂
と比較して硬化時間が長くなるという問題点がある。
【0009】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、請求項1または2に係る発明の目的は、エネ
ルギー硬化型樹脂の表面樹脂層を迅速に硬化させ、外観
不良を防止した複合型光学素子の製造方法を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1または2に係る発明は、光学素子基材の
表面にエネルギー硬化型樹脂を供給し、所望の光学面を
有する金型と前記光学素子基材とを相対的に接近させて
前記エネルギー硬化型樹脂を押圧して広げ、前記金型と
前記光学素子基材との間に所望の樹脂層を形成した後、
エネルギーの照射により樹脂層を硬化させ、硬化した樹
脂層と前記金型とを剥離する複合型光学素子の製造方法
において、少なくともエネルギーの照射により前記樹脂
層を硬化している間に、前記樹脂層の自由面に接する気
圧を大気圧より低くすることを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1または2に係る発明の作用では、少な
くともエネルギーの照射により樹脂層を硬化している間
に、樹脂層の自由面に接する気圧を大気圧より低くする
ことにより、通常大気圧(約1013hPa)で気温約2
0℃の空気中に約280g/m3 含まれている重合禁止
作用を有する酸素の濃度を低下させる。請求項2に係る
発明の作用では、上記作用に加え、樹脂層の自由面に接
する気圧を200hPa以下とすると、酸素濃度は55g
/m3 以下となる。
【0012】これらの発明の作用を図1の図表に基いて
詳しく説明する。図1の図表は、樹脂表面層の不飽和基
残存率(樹脂硬化の度合い)とエネルギー照射時間との
関係について、5つの場合を比較して表示している。エ
ネルギー硬化型樹脂として嫌気性の紫外線硬化型樹脂、
照射エネルギーとして紫外線を用い、紫外線の照度は3
0mw/cm2 としている。のAirは、常圧(10
13hPa)の空気雰囲気中で樹脂表面層に紫外線を照射
したもの。のN2 噴出は、樹脂の自由面に近接したノ
ズルから非酸化性ガスとして窒素を、8×10-33
min の流量で、樹脂の自由面から2cmの距離より全周に
わたり、噴出部断面積4mm2 の噴出口から噴出しながら
紫外線を照射したもの。の200hPaは、200hPa
に減圧された空気雰囲気中(酸素濃度55g/m3 )で
紫外線を照射したもの。の10hPaは、10hPaに減
圧された空気雰囲気中(酸素濃度2.8g/m 3 )で紫
外線を照射したもの。
【0013】実験で使用した樹脂の樹脂表面層は、不飽
和基残存率が40%以下でないと樹脂が柔らかく、樹脂
表面形状が変化したり、粘着性があるため異物が付着し
たりするので、最低不飽和基残存率が40%以下になる
まで、エネルギーたる紫外線を照射する時間が必要にな
る。
【0014】では、紫外線照射時間が50sec を越え
ても、不飽和基残存率が40%にはならない。では、
不飽和基残存率が40%になるためには、図1の横軸上
のMで示すように、紫外線照射時間は約43sec かか
る。しかしでは、図1の横軸上のLで示すように、約
27sec で不飽和基残存率が40%以下となり、さらに
では、7sec 程度で不飽和基残存率が40%となる。
【0015】これは、大気を減圧することにより、樹脂
表面層に接触する重合禁止作用を持つ酸素濃度が低下
し、さらに樹脂表面層に拡散していた酸素が除去される
ため、樹脂表面層の重合スピードが速くなる。同時に、
樹脂表面層の不飽和基が蒸発し易くなるため、この不飽
和基を減少させることができる。このため従来の非酸化
性ガスを噴出して樹脂表面層を硬化する方法と、樹脂の
重合速度が同一であっても、樹脂表面層の不飽和基残存
率を減少させる。これにより、樹脂表面層のエネルギー
照射時間を短縮することができる。
【0016】ここで、樹脂表面層に限ってみれば、硬化
させるときの減圧の度合いは、真空により近いほうが硬
化時間は減少する。しかし、表面以外の樹脂の厚みやエ
ネルギーの照射条件などによる樹脂の硬化時間によって
は、むやみに樹脂表面層の硬化時間を短縮する必要がな
い場合がある。
【0017】樹脂表面層を硬化させるときの減圧の度合
い(樹脂表面層に接する気圧)を、p(hPa)で表した
場合に、「pがほぼ0(酸素濃度も約0g/m3 )の時
にエネルギーを照射して樹脂表面層が最も速く硬化する
時間:T0 」が決定する。しかし、減圧の度合いには硬
化速度が影響を受けない部分の硬化時間、すなわち「表
面層以外の樹脂にエネルギーを照射して硬化する時間:
1 」が決まっているため、T1 がT0 より長い場合で
は、p>0、すなわち樹脂表面層に接する気圧を高真空
にしなくてもT1 までに樹脂表面層を硬化させることが
できる。このためT0 に対するT1 の長さに応じてpを
0より大きく設定することができる。これは、樹脂表面
以外の硬化が完了しないのに、減圧の度合いを高めて樹
脂表面層の硬化を完了させることは、通常必要ないから
である。
【0018】このため、減圧装置が高性能な真空ポンプ
でなくても、水流や圧縮空気を利用した簡易な減圧装置
を使用することが可能であり、減圧のための気密性を確
保する水準を下げることができるため、設備投資が軽減
される。
【0019】逆に、T1 がT0 より短い場合では、樹脂
表面層の硬化時間は短いほど有利になるが、200hPa
程度に減圧を行うことにより、従来行われていた非酸化
性ガスを噴出しながら樹脂表面層にエネルギーを照射し
て硬化する時間と比較し、図1の図表で示したように、
樹脂表面の硬化時間を大幅に短縮することができる。こ
のため、必要に応じて減圧の度合いを設定すればよい。
【0020】またエネルギー照射中の減圧は、必要があ
れば変化させたり、中断したりして、数回に分けて行う
こともできる。ただし、粘度が低く、脱泡が完全でない
樹脂の場合には、エネルギーの照射が開始された直後に
減圧を行うと、樹脂内部から泡が発生するため、エネル
ギーの照射が開始時は減圧の度合いを小さくし、ある程
度樹脂層が硬化してから減圧を開始する必要がある。
【0021】
【実施例1】図2〜図4は実施例1を示し、図2は本実
施例の複合型光学素子の製造方法に用いる製造装置の開
放状態を示す縦断面図、図4は同製造装置の閉鎖状態を
示す縦断面図、図4は同製造装置にて複合光学素子を剥
離する状態を示す縦断面図である。
【0022】まず、本実施例に用いる複合型光学素子の
製造装置について説明する。図2において、1は金型で
あり、下面に樹脂を成形するための光学面1aを形成
し、昇降自在に構成されている。金型1の外径は24m
m、光学面1aは直径23mm、曲率半径50mmの凸面で
ある。金型1の外周には、円筒状の減圧室カバー6が嵌
着されている。金型1に対向して、下軸ベース4が水平
に配設され、金型1の直下にはベル受け5が形成されて
いる。ベル受け5は金型1の光学面1aの軸心と同心に
なっている。さらに、下軸ベース4には、減圧室カバー
6の円筒部6aが嵌入して減圧室7を形成するための溝
4aが円環状に形成されている。溝4aには、内外周に
Oリング4bが嵌装され、円筒部6aが嵌入したとき、
減圧室7の気密性を保持する。また、ベル受け5の周囲
には、基材固定爪11が三方に進退自在に配設され、そ
の心出し突起11aにより、基材3の心出しが可能であ
る。さらに、剥離突起11bにより、樹脂層2と金型1
とを分離させる。基材固定爪11は図示を省略したガイ
ドにより保持されており、モータ13の回転駆動をラッ
クとピニオンにより直進運動に変換している。
【0023】ベル受け5の下部には、貫通孔5aが形成
されており、その中途は、紫外線の透過率に優れた石英
板10で、減圧室7の気密性を保つように遮蔽されてい
る。さらに、石英板10の直下には、紫外線照射装置8
が配設されている。また、減圧室7を形成するベル受け
5の周辺部には、排気口9が穿設され、減圧装置12に
連設している。減圧装置12は高圧の圧縮空気を利用し
たものである。
【0024】上記製造装置を用いた複合型光学素子の製
造方法について説明する。図2に示す基材3は、上面が
曲率半径60mmの凹面、下面が曲率半径80mmの凸面、
中心基材厚3mm、外径25mmで光学ガラス製の凹メニス
カスレンズである。この基材3をベル受け5に載置し、
基材固定爪11をモータ13により前進させ、心出しし
ながら固定する。基材3の上面に、嫌気性の紫外線硬化
型樹脂(以下、単に紫外線硬化型樹脂とよぶ)を必要量
吐出した後、金型1を下降させ、紫外線硬化型樹脂を押
圧して、中心軸上の金型1と基材3との距離が0.1mm
になる位置まで接近させる(図3参照)。このとき、紫
外線硬化型樹脂は、最外周部が金型1の有効光学面(φ
23mm)に達し、金型1の外径(φ24mm)からはみ出
さないように押圧されて広がり樹脂層2となる。また、
樹脂層2の金型1および基材3に接しない部分は、空気
と接している自由面となり、樹脂表面層2aを形成す
る。
【0025】なお、金型1に嵌着されている減圧室カバ
ー6は、図3に示すように、金型1が下降すると同時
に、円筒部6aが下軸ベース4の溝4aに嵌装されたO
リング4bに嵌入する。これにより、金型1、樹脂層
2、基材3を包含する減圧室7が形成され、外気から遮
断される。
【0026】つぎに、紫外線照射装置8により、紫外線
を基材3に向けて照射し、樹脂層2を硬化させる。これ
により、樹脂表面層2aを除く樹脂層2は照射時間1秒
で約8×104 CPS 以上の粘度に達し、減圧しても樹脂
に気泡が発生しないため、紫外線の照射開始1秒後から
減圧装置12により、排気口9から減圧室7内の脱気を
開始し、その2秒後に樹脂表面層2aに接する気圧pを
250hPa 以下にする。この減圧状態を保ったまま、さ
らに40秒紫外線を照射して樹脂層2を硬化させる。こ
のエネルギー照射条件では、pがほぼ0hPa のときに、
樹脂表面層2aを硬化する時間T0 は約20秒だが、樹
脂表面層2a以外の樹脂を硬化する時間T1 は約43秒
なので、約40秒で硬化する250hPa 以下に気圧pを
設定した。
【0027】紫外線の照射完了と同時に減圧装置12に
送る高圧の圧縮空気を停止し、常圧に戻す。その後、図
4に示すように、金型1を8mm/min の速度で上昇させ
る。基材1の上面を基材固定爪11の剥離突起11bで
上昇を阻止するので、金型1の光学面1aと樹脂層2の
上面が剥離する。モータ13を逆転させ、基材固定爪1
1を復帰させて、できあがった複合型光学素子を取り出
す。
【0028】本実施例によれば、窒素ガスの噴出による
未硬化樹脂表面層、シワの発生、異物付着などの不良が
なくなり、短時間で樹脂層を硬化させることができる。
さらに、複合型光学素子の検査を簡略化でき、非酸化性
ガスを用いないので、コストも低減できる。また簡単な
製造装置で済むので設備投資も少なく済む。
【0029】
【実施例2】本実施例に用いる製造装置は、実施例1と
ほぼ同一なので、異なる部分のみの説明をし、その他の
部分の図と説明を省略する。異なる部分は減圧装置12
であり、本実施例の減圧装置12の特徴はサージタンク
を内蔵している点である。このサージタンクの容積は
4.3×10-23 であり、減圧室7の容積は8.7×
10-53 であるため、サージタンク内の気圧を、減圧
室7の減圧開始前までに1hPa程度にしておけば、サー
ジタンクと大気圧のままの減圧室7との間のバルブを開
くことにより、減圧室7内の気圧を3hPa以下に瞬時に
減圧可能である。また、減圧終了前にサージタンクのバ
ルブを閉じておけば、サージタンク内は常に3hPa 以下
の減圧状態にしておくことができる。さらに、減圧室7
を使用しないときには、3hPa 程度に上昇したサージタ
ンク内の気圧を1hPa以下に減圧するだけなので、排出
量の小さな真空ポンプを用いることができる。
【0030】つぎに、本実施例の複合型光学素子の製造
方法について説明する。本実施例に用いる基材3は実施
例1と同一のメニスカスレンズであり、心出しまでの工
程も実施例1と同一である。心出しされ、保持された基
材1の上面に、嫌気性エネルギー硬化型樹脂を必要量吐
出した後、金型1を下降させ、嫌気性エネルギー硬化型
樹脂を押圧して、中心軸上の金型1と基材3との距離が
0.1mmになる位置まで接近させる(図3参照)。この
とき、嫌気性エネルギー硬化型樹脂は、最外周部が金型
1の有効光学面(φ23mm)に達し、金型1の外径(φ
24mm)からはみ出さないように押圧されて広がり樹脂
層2となる。また、樹脂層2の金型1および基材3に接
しない部分は、空気と接している自由面となり、樹脂表
面層2aを形成する。このときの減圧室カバー6の動作
で実施例1と同様に、減圧室7を形成する。
【0031】その後、紫外線照射装置8より、紫外線を
基材3に向けて照射し、樹脂層2を硬化させる。これに
より、樹脂表面層2aを除く樹脂層2は照射時間0.3
秒で約8×105 CPS 以上の粘度に達し、減圧しても樹
脂に気泡が発生しないため、紫外線の照射開始0.5秒
後からサージタンクを内蔵する減圧装置12により、排
気口9から減圧室7内の脱気を開始し、その0.5秒後
に樹脂表面層2aに接する気圧pを3hPa 以下にする。
この減圧状態を保ったまま、さらに8秒紫外線を照射し
て樹脂層2を完全に硬化させる。このエネルギー照射条
件では、pがほぼ0hPa のときに、樹脂表面層2aを硬
化する時間T0 は約7秒だが、樹脂表面層2a以外の樹
脂を硬化する時間T1 は約9秒なので、減圧下で紫外線
を照射する時間はT0 より少し長く設定できるため、約
8秒で硬化する3hPa に気圧pを設定した。
【0032】紫外線の照射完了と同時に、サージタンク
のバルブを締め、減圧室7を大気に開放し常圧に戻す。
これ以降の工程は実施例1と同様である。
【0033】本実施例によれば、実施例1と同様な効果
が得られるのに加え、表面層以外の樹脂が硬化するため
に必要な時間以下で樹脂表面層を均一に硬化させること
ができ、速硬化型樹脂の特性が完全に発揮され、樹脂の
硬化時間が9秒に短縮された。この結果サイクルタイム
が短くなり、コスト低減が可能となる。ちなみに、従来
の窒素ガスを用いる方法によれば、同一の樹脂で硬化時
間は16秒以上を必要とする。さらに、設備面では、減
圧装置として、サージタンクを併用するので、小さな排
出量の真空ポンプを用いることができる。
【0034】
【実施例3】図5〜図7は実施例3を示し、図5は本実
施例の複合型光学素子の製造方法に用いる製造装置の開
放状態を示す縦断面図、図6は同製造装置の閉鎖状態を
示す縦断面図、図7は同製造装置にて複合光学素子を剥
離する状態を示す縦断面図である。
【0035】まず、本実施例に用いる複合型光学素子の
製造装置について説明する。図5において、1Aは内型
であり、下面に樹脂を成形するための光学面1aを形成
し、昇降自在に構成されている。内型1Aの外径は30
mmで光学有効面よりやや大きく設定され、光学面1aは
曲率半径230mmの凹面である。内型1Aの外周には、
円筒フランジ状の外型1Bが内型1Aとは独立して昇降
自在に配設されている。外型1Bの最下面には、水平な
鏡面に仕上げられ光学面1bが形成され、内型1Aの光
学面1aとともに、樹脂層2の上面を成形する。また、
光学面1bの外周には段部1cが設けられ、外型1Bが
下降したとき減圧室カバー6の上面に装着されたOリン
グ6aと接触し、減圧室7を形成するように構成されて
いる。
【0036】内型1に対向して、下軸ベース4が水平に
配設され、内型1の直下にはベル受け5が形成されてい
る。ベル受け5は内型1Aの光学面1aの軸心と同心に
なっている。さらに、下軸ベース4には、ベル受け5を
囲繞して減圧室カバー6が立設され、上面にV溝を設け
てOリング6aを周設している。また、減圧室カバー6
を貫通して、基材固定爪11が三方に進退自在に配設さ
れ、これにより基材3の心出しおよび固定が可能であ
る。さらに、剥離突起11bにより、樹脂層2と外型1
Bとを分離させる。基材固定爪11は減圧室カバー6に
穿設された貫通孔により気密性を保ちながら保持されて
おり、油圧シリンダ14により直進運動する。
【0037】ベル受け5の下部には、貫通孔5aが形成
されており、その中途は、紫外線の透過率に優れた石英
板10で、減圧室7の気密性を保つように遮蔽されてい
る。さらに、石英板10の直下には、紫外線照射装置8
が配設されている。また、減圧室7を形成するベル受け
5の周辺部には、排気口9が穿設され、減圧装置12に
連設している。減圧装置12は水流を利用して真空源と
したものである。
【0038】上記製造装置を用いた複合型光学素子の製
造方法について説明する。図5に示す基材3は、上面が
曲率半径200mmの凸面、下面が曲率半径120mmの凸
面、中心基材厚3mm、外径36mmで光学ガラス製の両凸
レンズである。この基材3をベル受け5に載置し、基材
固定爪11を油圧シリンダ14により前進させ、心出し
しながら固定する。基材3の上面に、紫外線硬化型樹脂
を必要量吐出した後、内型1A・外型1Bを下降させ、
紫外線硬化型樹脂を押圧して、中心軸上の内型1Aと基
材3との距離が0.025mmになる位置まで接近させる
(図6参照)。内型1Aと外型1Bとは光学面1a、1
bに段差を生じないように下端位置を設定する。このと
き、紫外線硬化型樹脂は、最外周部が内型1Aの外径
(φ30mm)を越え、外型1Bの光学面1bの外径から
はみ出さないように押圧されて広がり樹脂層2となる。
また、樹脂層2の内型1A、外型1Bおよび基材3に接
しない部分は、空気と接している自由面となり、樹脂表
面層2cを形成する。
【0039】なお、外型1Bの段部1cは、図6に示す
ように、下軸ベース4に設けた減圧室カバー6の上部の
Oリングと密着する。これにより、金型1、樹脂層2、
基材3を包含する減圧室7が形成され、外気から遮断さ
れる。
【0040】つぎに、紫外線照射装置8により、紫外線
を基材3に向けて照射し、樹脂層2を硬化させる。これ
により、樹脂表面層2cを除く樹脂層2は照射時間4秒
で約1×105 CPS 以上の粘度に達し、70hPaまでな
ら減圧しても樹脂に気泡が発生しないため、紫外線の照
射開始3秒後から減圧装置12により、排気口9から減
圧室7内の脱気を開始し、その2秒後に樹脂表面層2c
に接する気圧pを85hPa 以下にする。この減圧状態を
保ったまま、さらに36秒紫外線を照射して樹脂層2を
硬化させる。このエネルギー照射条件では、pがほぼ0
hPa のときに、樹脂表面層2cを硬化する時間T0 は約
20秒だが、樹脂表面層2c以外の樹脂を硬化する時間
1 は約41秒なので、約35秒で硬化する85hPa 以
下に気圧pを設定した。
【0041】紫外線の照射完了と同時に減圧装置12に
送る水流を停止し、減圧室7を常圧に戻す。その後、図
7に示すように、内型1Aを外型1Bに対して、樹脂層
2から離反する方向に2.0mm上昇させ、内型1Aの光
学面1aとそれに対応する樹脂層2aとを剥離する。つ
ぎに、外型1Bを10mm/min の速度で上昇させる。基
材1の上面を基材固定爪11の剥離突起11bで上昇を
阻止するので、外型1Bの光学面1bと樹脂層2bの上
面が剥離する。油圧シリンダ14を駆動し、基材固定爪
11を復帰させて、できあがった複合型光学素子を取り
出す。
【0042】本実施例によれば、実施例1と同様な効果
が得られるのに加え、基材固定爪を駆動する油圧シリン
ダを減圧室の外側に配設したので、減圧室の容積を小さ
くすることができ、減圧効率を向上させることがきる。
さらに製造装置全体の構造を簡略にすることができる。
【0043】
【発明の効果】請求項1または2に係る発明によれば、
酸素濃度の低下した雰囲気下でエネルギー硬化型樹脂の
硬化が進行するので、表面樹脂層を迅速に硬化させ、外
観不良を防止した複合型光学素子を得ることができる。
請求項2に係る発明によれば、上記効果に加え、酸素濃
度が55g/m3 以下の雰囲気下でエネルギー硬化型樹
脂の硬化が進行するので、大幅に硬化時間を短縮するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するための図表である。
【図2】実施例1および2の複合型光学素子の製造方法
に用いる製造装置の開放状態を示す縦断面図である。
【図3】実施例1および2の複合型光学素子の製造方法
に用いる製造装置の閉鎖状態を示す縦断面図である。
【図4】実施例1および2の複合型光学素子の製造方法
に用いる製造装置にて、複合光学素子を剥離する状態を
示す縦断面図である。
【図5】実施例3の複合型光学素子の製造方法に用いる
製造装置の開放状態を示す縦断面図である。
【図6】実施例3の複合型光学素子の製造方法に用いる
製造装置の閉鎖状態を示す縦断面図である。
【図7】実施例3の複合型光学素子の製造方法に用いる
製造装置にて、複合光学素子を剥離する状態を示す縦断
面図である。
【図8】従来技術の複合型光学素子の製造方法に用いる
装置の概念図である。
【符号の説明】
1 金型 2 樹脂層 3 基材 4 下軸ベース 5 ベル受け 6 減圧室カバー 7 減圧室 8 紫外線照射装置 9 排気口 10 石英板 11 基材固定爪 12 減圧装置 13 モータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学素子基材の表面に嫌気性エネルギー硬
    化型樹脂を供給し、所望の光学面を有する金型と前記光
    学素子基材とを相対的に接近させて前記嫌気性エネルギ
    ー硬化型樹脂を押圧して広げ、前記金型と前記光学素子
    基材との間に所望の樹脂層を形成した後、エネルギーの
    照射により樹脂層を硬化させ、硬化した樹脂層と前記金
    型とを剥離する複合型光学素子の製造方法において、 少なくともエネルギーの照射により前記樹脂層を硬化し
    ている間に、前記樹脂層の自由面に接する気圧を大気圧
    より低くすることを特徴とする複合型光学素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記樹脂層の自由面に接する気圧を200
    hPa以下とすることを特徴とする請求項1記載の複合型
    光学素子の製造方法。
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