JPH0818915B2 - 酸化物超伝導多結晶薄膜の作成法 - Google Patents
酸化物超伝導多結晶薄膜の作成法Info
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- JPH0818915B2 JPH0818915B2 JP1096309A JP9630989A JPH0818915B2 JP H0818915 B2 JPH0818915 B2 JP H0818915B2 JP 1096309 A JP1096309 A JP 1096309A JP 9630989 A JP9630989 A JP 9630989A JP H0818915 B2 JPH0818915 B2 JP H0818915B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、酸化物超伝導多結晶薄膜の作成方法に関す
る。特に、非常に高い結晶配向度と整った結晶粒界を有
する酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成方法に関する。
る。特に、非常に高い結晶配向度と整った結晶粒界を有
する酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成方法に関する。
[従来の技術] 従来、酸化物超伝導体の多結晶薄膜を作成する場合、
該薄膜を構成する結晶粒子の配向度が問題となる。特
に、アモルファス薄膜を堆積した後に、熱処理により結
晶成長を進める工程の場合には、結晶の核生成が膜中で
ランダムに起こり、その結果、非常に配向度の低い多結
晶膜となってしまうことが多い。熱処理を必要としない
結晶成膜工程においても、成膜条件によっては配向度が
低い膜や、配向度は高いが、結晶粒径の非常に小さい膜
となってしまうことがある。
該薄膜を構成する結晶粒子の配向度が問題となる。特
に、アモルファス薄膜を堆積した後に、熱処理により結
晶成長を進める工程の場合には、結晶の核生成が膜中で
ランダムに起こり、その結果、非常に配向度の低い多結
晶膜となってしまうことが多い。熱処理を必要としない
結晶成膜工程においても、成膜条件によっては配向度が
低い膜や、配向度は高いが、結晶粒径の非常に小さい膜
となってしまうことがある。
酸化物超伝導物質の特徴として、基板上に堆積したア
モルファス膜或いは結晶膜を、その融点付近の高温で熱
処理すると、結果的に高い配向性の膜、多くの場合C軸
が基板に垂直に配向した膜が得られる。しかし、融点に
近い高温で熱処理した場合、基板物質と膜の間で化学反
応や相互拡散が生じ、膜の超伝導特性を劣化させてしま
う。また、得られた配向膜の結晶粒径は、不揃いとな
る。
モルファス膜或いは結晶膜を、その融点付近の高温で熱
処理すると、結果的に高い配向性の膜、多くの場合C軸
が基板に垂直に配向した膜が得られる。しかし、融点に
近い高温で熱処理した場合、基板物質と膜の間で化学反
応や相互拡散が生じ、膜の超伝導特性を劣化させてしま
う。また、得られた配向膜の結晶粒径は、不揃いとな
る。
結晶の配向度が低い膜や結晶粒径の不揃いな膜では、
膜表面が肉眼でも確認できる程度に粗く、積層型の素子
の作成に適さない。
膜表面が肉眼でも確認できる程度に粗く、積層型の素子
の作成に適さない。
また、多結晶膜を利用した粒界弱結合型の素子の作成
においても、結晶粒径の分布がランダムであると、トン
ネル電流の流れを妨げる欠陥の存在確率が高くなって好
ましくない。
においても、結晶粒径の分布がランダムであると、トン
ネル電流の流れを妨げる欠陥の存在確率が高くなって好
ましくない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、上記のような技術的課題を解決するため
に、以下の特性を有する酸化物超伝導体多結晶薄膜の作
成方法を提供することを目的にする。
に、以下の特性を有する酸化物超伝導体多結晶薄膜の作
成方法を提供することを目的にする。
即ち、 a.酸化物多結晶薄膜中の成長結晶粒子の大きさ、形、分
布を均一なものにする。
布を均一なものにする。
b.酸化物超伝導体多結晶薄膜を構成する結晶粒子の大き
さを目的に合わせて制御する。
さを目的に合わせて制御する。
c.得られる多結晶薄膜中に形成される結晶粒界の形状、
数、位置、分布を制御する。
数、位置、分布を制御する。
d.基板上に成長する酸化物超伝導多結晶薄膜中の結晶配
向度を高くする。
向度を高くする。
e.得られる多結晶薄膜の表面を平坦にし、表面粗さ数十
nm以下に近付ける。
nm以下に近付ける。
従って、本発明は、非常に高い結晶配向度と整った結
晶粒界を有する酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成するこ
とのできる方法を提供することを目的にする。また、従
って、本発明は、高い結晶配向度と制御された結晶粒子
の大きさ、形状等を有するために、粒界弱結合を応用し
た超伝導素子、例えば、ジョセフソン素子作成に利用で
きる酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成する方法を提供す
ることを目的にする。また、本発明は、更に、多段階結
晶成長を繰り返し、厚膜にすることができ、高い配向結
晶粒子からなる超伝導テープ状線材の作成の可能にな
り、臨界電流、臨界磁場の高い超伝導線材或いは超伝導
アンテナ等の作成ができる方法を提供することを目的に
する。
晶粒界を有する酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成するこ
とのできる方法を提供することを目的にする。また、従
って、本発明は、高い結晶配向度と制御された結晶粒子
の大きさ、形状等を有するために、粒界弱結合を応用し
た超伝導素子、例えば、ジョセフソン素子作成に利用で
きる酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成する方法を提供す
ることを目的にする。また、本発明は、更に、多段階結
晶成長を繰り返し、厚膜にすることができ、高い配向結
晶粒子からなる超伝導テープ状線材の作成の可能にな
り、臨界電流、臨界磁場の高い超伝導線材或いは超伝導
アンテナ等の作成ができる方法を提供することを目的に
する。
[発明の構成] [問題点を解決するための手段] 本発明は、上記の技術的な課題を解決するために、基
板上に酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成する方法におい
て、まず、該基板上に、所望の酸化物超伝導体と少なく
とも陽イオン組成が同じ、平均組成を有する合金或いは
アモルファス薄膜を、厚さ5nm以上20nm以下に形成し、
その形成された薄膜を、空気中或いはは不活性ガスと酸
素の混合ガス雰囲気中で、400℃〜1200℃の温度で、1
分間以上熱処理することにより、所定の微小超伝導体結
晶(以下種結晶とも称する)粒子を複数個形成してお
き、この種結晶粒子を核として該基板上に酸化物超伝導
体の結晶を成長せしめ、この微小結晶粒子の結晶の配置
及び方位に基づいて、成長した結晶粒子の粒子径及び粒
界分布が決められた単層多結晶薄膜を形成することを特
徴とする酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成法を提供す
る。そして、更に、この種結晶粒子上への結晶成長操作
を、複数回繰り返すことにより、多層多結晶薄膜を形成
すると好適である。また、種結晶の形成のための該薄膜
の熱処理の前に、該基板の表面上に、該種結晶の形成す
べき形状に、該薄膜を予め切り離し、区画しておくこと
が好適である。更に、予め区画しておく区画領域は、直
径10μm以下の円形或いは10μm以下の短辺を有する矩
形が好適である。そして、種結晶は、所望の酸化物超伝
導体結晶組成から1種以上の陽イオン或いは陰イオン、
一部或いは全部欠如した厚さ5nm〜20nmの合金、或いは
アモルファス薄膜を、該基板上に或いは既に形成した酸
化物超伝導体多結晶薄膜上に堆積せしめ、該種結晶を形
成した個所に、欠如したイオン種を所望ドーズ量注入し
た後に、前記の熱処理による結晶化処理を行なうことに
より、所望の箇所のみ、即ち、イオン注入箇所のみに、
形成する方法が好適である。また、イオン注入箇所が、
直径10μm以下の点状或いは短辺が10μm以下の矩形で
あり、その大きさ、形状及びそれらの間隔により、形成
種結晶の大きさ、分散状態を制御することが好適であ
る。更に、種結晶上への酸化物超伝導体結晶の該成長
は、種結晶上に少なくとも所望組成と誤差10%以内の陽
イオン組成又はその後の工程での陽イオン組成のずれを
補償した陽イオン組成を有する合金薄膜、アモルファス
薄膜を10nm以上堆積し、この薄膜を空気中又は不活性ガ
スと酸素の混合ガスの雰囲気中で、400℃〜1200℃の温
度範囲で1分間以上熱処理し、続いて、成長結晶中の酸
素量を調整するため、酸素と不活性ガスの混合ガス中で
1200℃以下の温度で1分間以上熱処理することにより、
該種結晶を核として結晶成長処理を行ない、更に、所望
により、前記の種結晶上への堆積し、結晶化の工程を複
数回繰り返すことが好適である。また、種結晶上への結
晶成長のための該処理は、基板加熱の可能な薄膜堆積装
置を用い、酸素を含有する雰囲気中で該基板を300℃以
上の温度に加熱しながら、連続して、該種結晶上へ結晶
成長を進めることが好適である。
板上に酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成する方法におい
て、まず、該基板上に、所望の酸化物超伝導体と少なく
とも陽イオン組成が同じ、平均組成を有する合金或いは
アモルファス薄膜を、厚さ5nm以上20nm以下に形成し、
その形成された薄膜を、空気中或いはは不活性ガスと酸
素の混合ガス雰囲気中で、400℃〜1200℃の温度で、1
分間以上熱処理することにより、所定の微小超伝導体結
晶(以下種結晶とも称する)粒子を複数個形成してお
き、この種結晶粒子を核として該基板上に酸化物超伝導
体の結晶を成長せしめ、この微小結晶粒子の結晶の配置
及び方位に基づいて、成長した結晶粒子の粒子径及び粒
界分布が決められた単層多結晶薄膜を形成することを特
徴とする酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成法を提供す
る。そして、更に、この種結晶粒子上への結晶成長操作
を、複数回繰り返すことにより、多層多結晶薄膜を形成
すると好適である。また、種結晶の形成のための該薄膜
の熱処理の前に、該基板の表面上に、該種結晶の形成す
べき形状に、該薄膜を予め切り離し、区画しておくこと
が好適である。更に、予め区画しておく区画領域は、直
径10μm以下の円形或いは10μm以下の短辺を有する矩
形が好適である。そして、種結晶は、所望の酸化物超伝
導体結晶組成から1種以上の陽イオン或いは陰イオン、
一部或いは全部欠如した厚さ5nm〜20nmの合金、或いは
アモルファス薄膜を、該基板上に或いは既に形成した酸
化物超伝導体多結晶薄膜上に堆積せしめ、該種結晶を形
成した個所に、欠如したイオン種を所望ドーズ量注入し
た後に、前記の熱処理による結晶化処理を行なうことに
より、所望の箇所のみ、即ち、イオン注入箇所のみに、
形成する方法が好適である。また、イオン注入箇所が、
直径10μm以下の点状或いは短辺が10μm以下の矩形で
あり、その大きさ、形状及びそれらの間隔により、形成
種結晶の大きさ、分散状態を制御することが好適であ
る。更に、種結晶上への酸化物超伝導体結晶の該成長
は、種結晶上に少なくとも所望組成と誤差10%以内の陽
イオン組成又はその後の工程での陽イオン組成のずれを
補償した陽イオン組成を有する合金薄膜、アモルファス
薄膜を10nm以上堆積し、この薄膜を空気中又は不活性ガ
スと酸素の混合ガスの雰囲気中で、400℃〜1200℃の温
度範囲で1分間以上熱処理し、続いて、成長結晶中の酸
素量を調整するため、酸素と不活性ガスの混合ガス中で
1200℃以下の温度で1分間以上熱処理することにより、
該種結晶を核として結晶成長処理を行ない、更に、所望
により、前記の種結晶上への堆積し、結晶化の工程を複
数回繰り返すことが好適である。また、種結晶上への結
晶成長のための該処理は、基板加熱の可能な薄膜堆積装
置を用い、酸素を含有する雰囲気中で該基板を300℃以
上の温度に加熱しながら、連続して、該種結晶上へ結晶
成長を進めることが好適である。
本発明は、上記の技術的な課題の解決のために、基板
上に酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成する方法におい
て、a.予め基板上に所望の酸化物超伝導体の結晶成長の
種となる微小結晶粒子(以下種結晶とも称する)を複数
個形成しておき、b.この種結晶粒子を核として基板上に
酸化物超伝導体の結晶を成長せしめ、c.微小結晶粒子の
結晶配置及び方位に基づいて、成長した結晶粒子の粒子
径及び粒界分布が決定された単層多結晶薄膜を形成する
ことを特徴とする酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成法で
ある。また、更に、この種結晶粒子上への結晶成長操作
を、複数回繰り返すことにより、多層多結晶薄膜を形成
することにより、酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成する
ことが好適である。また、その種結晶は、該基板の上
に、所望の酸化物超伝導体と少なくとも陽イオン組成が
同じか近い平均組成を有する合金、アモルファス或いは
積層薄膜を、厚さ5nm以上20nm以下に形成し、その形成
された薄膜を熱処理することにより得られた微小超伝導
体結晶であるものが好適である。また、その種結晶の形
成に用いる熱処理は、該形成薄膜を空気中或いは不活性
ガスと酸素の混合ガス中で、400℃〜1200℃で1分間以
上保持することによるものが好適である。そして、その
種結晶形成のための熱処理は、レーザビーム、電子ビー
ム、収束赤外線等のエネルギービームを用いて、スポッ
ト的に、前記処理温度に相当するエネルギー条件で熱処
理することにより行なうことができる。その熱処理のた
めのエネルギービームは、径10μm以下にし、この大き
さにより形成種結晶の大きさを規定することができる。
そして、そのエネルギービームは、その走査形状を点状
或いは線状で行なうことにより、形成する種結晶の分散
状態を規定することができる。また、その種結晶の形成
の後に、又はそのための該薄膜を形成する熱処理の前
に、該基板の表面上に、該種結晶の形成すべき形状に、
予め区画しておくことが好適である。そして、その予め
区画しておく区画領域は、直径10μm以下の円形或いは
10μm以下の短辺を有する矩形であることが、制御の上
で、好適である。また種結晶は、所望の酸化物超伝導体
結晶組成から1種以上の陽イオン或いは陰イオンが、一
部或いは全部欠如した厚さ5nm〜20nm以下の合金、アモ
ルファス或いは積層薄膜を、基板上に或いは既に形成し
た酸化物超伝導体多結晶薄膜上に、堆積し、該種結晶を
形成したい箇所に、欠如したイオン種を所望ドーズ量注
入した後に、前記の熱処理による結晶化処理を行なうこ
とにより、所望の箇所のみ、即ち、イオン注入箇所のみ
に、形成されたものであることが好適である。そして、
そのイオン注入箇所が、直径10μm以下の点状又は短辺
が10μm以下の矩形であり、その大きさ、形状及びそれ
らの間隔により、形成種結晶の大きさ、分散状態を制御
することができる。また、種結晶上への酸化物超伝導体
結晶の該成長は、種結晶上に少なくとも所望組成と誤差
10%以内の陽イオン組成又はその後の工程での陽イオン
組成のずれを補償した陽イオン組成を有する合金薄膜、
アモルファス薄膜又は積層薄膜を10nm以上堆積し、この
薄膜を空気中又は不活性ガスと酸素の混合ガス中で、40
0℃〜1200℃で1分間以上熱処理し、続いて、成長結晶
中の酸素量を調整するため、酸素と不活性ガスの混合ガ
ス中で、1200℃以下の温度で1分間以上熱処理すること
により、該種結晶を核として、結晶成長処理を行ない、
更に、所望により、前記の種結晶上への堆積、結晶化の
工程を複数回繰り返すことが好適である。そして、種結
晶上への結晶成長のための該処理は、基板加熱の可能な
薄膜堆積装置を用い、酸素を含有する雰囲気中で基板を
300℃以上に加熱しながら、連続して、該種結晶上へ結
晶成長を進めることが好適である。
上に酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成する方法におい
て、a.予め基板上に所望の酸化物超伝導体の結晶成長の
種となる微小結晶粒子(以下種結晶とも称する)を複数
個形成しておき、b.この種結晶粒子を核として基板上に
酸化物超伝導体の結晶を成長せしめ、c.微小結晶粒子の
結晶配置及び方位に基づいて、成長した結晶粒子の粒子
径及び粒界分布が決定された単層多結晶薄膜を形成する
ことを特徴とする酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成法で
ある。また、更に、この種結晶粒子上への結晶成長操作
を、複数回繰り返すことにより、多層多結晶薄膜を形成
することにより、酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成する
ことが好適である。また、その種結晶は、該基板の上
に、所望の酸化物超伝導体と少なくとも陽イオン組成が
同じか近い平均組成を有する合金、アモルファス或いは
積層薄膜を、厚さ5nm以上20nm以下に形成し、その形成
された薄膜を熱処理することにより得られた微小超伝導
体結晶であるものが好適である。また、その種結晶の形
成に用いる熱処理は、該形成薄膜を空気中或いは不活性
ガスと酸素の混合ガス中で、400℃〜1200℃で1分間以
上保持することによるものが好適である。そして、その
種結晶形成のための熱処理は、レーザビーム、電子ビー
ム、収束赤外線等のエネルギービームを用いて、スポッ
ト的に、前記処理温度に相当するエネルギー条件で熱処
理することにより行なうことができる。その熱処理のた
めのエネルギービームは、径10μm以下にし、この大き
さにより形成種結晶の大きさを規定することができる。
そして、そのエネルギービームは、その走査形状を点状
或いは線状で行なうことにより、形成する種結晶の分散
状態を規定することができる。また、その種結晶の形成
の後に、又はそのための該薄膜を形成する熱処理の前
に、該基板の表面上に、該種結晶の形成すべき形状に、
予め区画しておくことが好適である。そして、その予め
区画しておく区画領域は、直径10μm以下の円形或いは
10μm以下の短辺を有する矩形であることが、制御の上
で、好適である。また種結晶は、所望の酸化物超伝導体
結晶組成から1種以上の陽イオン或いは陰イオンが、一
部或いは全部欠如した厚さ5nm〜20nm以下の合金、アモ
ルファス或いは積層薄膜を、基板上に或いは既に形成し
た酸化物超伝導体多結晶薄膜上に、堆積し、該種結晶を
形成したい箇所に、欠如したイオン種を所望ドーズ量注
入した後に、前記の熱処理による結晶化処理を行なうこ
とにより、所望の箇所のみ、即ち、イオン注入箇所のみ
に、形成されたものであることが好適である。そして、
そのイオン注入箇所が、直径10μm以下の点状又は短辺
が10μm以下の矩形であり、その大きさ、形状及びそれ
らの間隔により、形成種結晶の大きさ、分散状態を制御
することができる。また、種結晶上への酸化物超伝導体
結晶の該成長は、種結晶上に少なくとも所望組成と誤差
10%以内の陽イオン組成又はその後の工程での陽イオン
組成のずれを補償した陽イオン組成を有する合金薄膜、
アモルファス薄膜又は積層薄膜を10nm以上堆積し、この
薄膜を空気中又は不活性ガスと酸素の混合ガス中で、40
0℃〜1200℃で1分間以上熱処理し、続いて、成長結晶
中の酸素量を調整するため、酸素と不活性ガスの混合ガ
ス中で、1200℃以下の温度で1分間以上熱処理すること
により、該種結晶を核として、結晶成長処理を行ない、
更に、所望により、前記の種結晶上への堆積、結晶化の
工程を複数回繰り返すことが好適である。そして、種結
晶上への結晶成長のための該処理は、基板加熱の可能な
薄膜堆積装置を用い、酸素を含有する雰囲気中で基板を
300℃以上に加熱しながら、連続して、該種結晶上へ結
晶成長を進めることが好適である。
本発明は、酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成におい
て、以上の問題を解決するために、先ず、基板上に、所
望の酸化物超伝導体の微小結晶粒を形成し、それを種と
して酸化物超伝導体の結晶を成長せしめていくものであ
る。
て、以上の問題を解決するために、先ず、基板上に、所
望の酸化物超伝導体の微小結晶粒を形成し、それを種と
して酸化物超伝導体の結晶を成長せしめていくものであ
る。
即ち、本発明によると、基板上に酸化物超伝導体の多
結晶薄膜を作成する工程において、予め基板上に、所望
の酸化物超伝導体の結晶の成長の種となる微小種結晶を
複数個形成しておき、これらの種結晶を核として基板上
に酸化物超伝導体の結晶成長を進め、最終的に、核とな
る種結晶の配置により成長した結晶粒子の粒子径、粒界
の分布が任意に規定され、また、種結晶の結晶方位に基
づいて、個々の成長粒子の結晶方位も規定された単層多
結晶薄膜を得るものである。このとき、種結晶に、所望
の酸化物超伝導体自身を用いる。更に、以上の操作を複
数回を繰り返すことにより、粒子径、粒界分布、結晶方
位が制御された多結晶薄膜が作成でき、更に、種類の異
なる超伝導物質を多層に積層できるものである。このよ
うにして、作成した酸化物超伝導体多結晶薄膜を用い
て、結晶粒界をバリアー層としたジョセフソントンネル
接合素子を作成することができるものである。
結晶薄膜を作成する工程において、予め基板上に、所望
の酸化物超伝導体の結晶の成長の種となる微小種結晶を
複数個形成しておき、これらの種結晶を核として基板上
に酸化物超伝導体の結晶成長を進め、最終的に、核とな
る種結晶の配置により成長した結晶粒子の粒子径、粒界
の分布が任意に規定され、また、種結晶の結晶方位に基
づいて、個々の成長粒子の結晶方位も規定された単層多
結晶薄膜を得るものである。このとき、種結晶に、所望
の酸化物超伝導体自身を用いる。更に、以上の操作を複
数回を繰り返すことにより、粒子径、粒界分布、結晶方
位が制御された多結晶薄膜が作成でき、更に、種類の異
なる超伝導物質を多層に積層できるものである。このよ
うにして、作成した酸化物超伝導体多結晶薄膜を用い
て、結晶粒界をバリアー層としたジョセフソントンネル
接合素子を作成することができるものである。
更に、以上の酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成方法に
おいて、種結晶の作成を、先ず基板上に或いは既に形成
した酸化物超伝導体多結晶薄膜上に、所望の酸化物超伝
導体と少なくとも陽イオン組成が等しい或いは近い平均
薄膜組成を有する厚さ5nm以上20nm以下の合金或いはア
モルファス或いは積層薄を堆積し、(これを初期薄膜と
呼ぶ)、次に、この薄膜を熱処理により酸化物超伝導体
に結晶化させることにより、基板上に複数の種結晶を形
成せしめる。この結晶化のときに生じる薄膜物質の堆積
収縮を利用して、所望の酸化物超伝導微結晶を基板上に
島状に成長させることができる。
おいて、種結晶の作成を、先ず基板上に或いは既に形成
した酸化物超伝導体多結晶薄膜上に、所望の酸化物超伝
導体と少なくとも陽イオン組成が等しい或いは近い平均
薄膜組成を有する厚さ5nm以上20nm以下の合金或いはア
モルファス或いは積層薄を堆積し、(これを初期薄膜と
呼ぶ)、次に、この薄膜を熱処理により酸化物超伝導体
に結晶化させることにより、基板上に複数の種結晶を形
成せしめる。この結晶化のときに生じる薄膜物質の堆積
収縮を利用して、所望の酸化物超伝導微結晶を基板上に
島状に成長させることができる。
更に、この熱処理を空気中に或いは不活性ガスと酸素
の混合ガス(酸素0〜100%)中、400℃〜1200℃で1分
間以上保持し、これに続いて、成長結晶中の酸素量を調
整するための熱処理を、酸素と不活性ガスと混合ガス
(酸素0〜100%)中で、1200℃以下の温度で1分間以
上行ない、個々の結晶粒子は、所望の酸化物超伝導体の
結晶構造を有する独立した微結晶粒子(即ち、複数の種
結晶)を得るものである。このようにして、結晶粒子径
5μm以下の均一な分散した種結晶を得ることができ
る。
の混合ガス(酸素0〜100%)中、400℃〜1200℃で1分
間以上保持し、これに続いて、成長結晶中の酸素量を調
整するための熱処理を、酸素と不活性ガスと混合ガス
(酸素0〜100%)中で、1200℃以下の温度で1分間以
上行ない、個々の結晶粒子は、所望の酸化物超伝導体の
結晶構造を有する独立した微結晶粒子(即ち、複数の種
結晶)を得るものである。このようにして、結晶粒子径
5μm以下の均一な分散した種結晶を得ることができ
る。
ここで、基板には、酸化物超伝導体薄膜の作成に用い
られる一般的な物質、例えば、単結晶MgO、単結晶SrTiO
3基板或いはその多結晶基板を用いることができるが、
特に、限定されるものではない。また、酸化物超伝導体
薄膜を作成する熱処理において好適な手段、例えば、熱
処理中に発生すると予想される諸現象を防止するための
手段、例えば、超伝導体薄膜と基板との間の化学反応、
相互拡散、格子定数の不一致、熱膨張係数の不一致等を
防止するために緩衝層、中間層を設けた基板を使用する
ことも可能である。
られる一般的な物質、例えば、単結晶MgO、単結晶SrTiO
3基板或いはその多結晶基板を用いることができるが、
特に、限定されるものではない。また、酸化物超伝導体
薄膜を作成する熱処理において好適な手段、例えば、熱
処理中に発生すると予想される諸現象を防止するための
手段、例えば、超伝導体薄膜と基板との間の化学反応、
相互拡散、格子定数の不一致、熱膨張係数の不一致等を
防止するために緩衝層、中間層を設けた基板を使用する
ことも可能である。
本発明において、第1のキイである種結晶は、基板上
に所望酸化物超伝導体、例えば、Y1Ba2Cu3O7-zの陽イオ
ン組成を有するアモルファス膜或いは合金膜或いは積層
膜を非常に薄く堆積し、これらの膜の超伝導体物質を熱
処理により結晶化せしめ、独立した非常に多数の酸化物
超伝導体(Y1Ba2Cu3O7-z)の微結晶を成長させることに
より作成できる。このとき、分散した結晶微粒子(即ち
種結晶)を得るためには、最初に堆積する薄膜の厚さを
20nm以下にすることが好適である。このための種結晶作
成のための初期薄膜は、例えば、スパッタリングのよう
な物理的蒸着(PVD)、或いは化学的蒸着(CVD)により
堆積できる。
に所望酸化物超伝導体、例えば、Y1Ba2Cu3O7-zの陽イオ
ン組成を有するアモルファス膜或いは合金膜或いは積層
膜を非常に薄く堆積し、これらの膜の超伝導体物質を熱
処理により結晶化せしめ、独立した非常に多数の酸化物
超伝導体(Y1Ba2Cu3O7-z)の微結晶を成長させることに
より作成できる。このとき、分散した結晶微粒子(即ち
種結晶)を得るためには、最初に堆積する薄膜の厚さを
20nm以下にすることが好適である。このための種結晶作
成のための初期薄膜は、例えば、スパッタリングのよう
な物理的蒸着(PVD)、或いは化学的蒸着(CVD)により
堆積できる。
種結晶作成のための熱処理は、簡単には、電気炉加
熱、赤外線加熱により行なうことができる。これ以外の
方法、例えばレーザ照射等の方法を用いることも可能で
ある。熱処理温度或いは熱処理エネルギー、又は熱処理
時間は、所望の酸化物超伝導体の種類に合わせて調整す
る。例えば、Y1Ba2Cu3O7-zのアモルファス膜を熱処理結
晶化する場合、電気炉加熱を用いると、空気中或いは不
活性ガスと酸素の混合ガス(酸素0〜100%)中で、700
℃〜1200℃で1分間以上、そして、酸素中で400℃以下
まで徐冷することを含むことのできる熱処理により、サ
ブミクロンからミクロオーダーの粒子径を持つ均一に分
散した種結晶が得られる。その粒子径は、薄膜厚と熱処
理条件に依存し、最大5μm程度の粒径のものも得られ
る。
熱、赤外線加熱により行なうことができる。これ以外の
方法、例えばレーザ照射等の方法を用いることも可能で
ある。熱処理温度或いは熱処理エネルギー、又は熱処理
時間は、所望の酸化物超伝導体の種類に合わせて調整す
る。例えば、Y1Ba2Cu3O7-zのアモルファス膜を熱処理結
晶化する場合、電気炉加熱を用いると、空気中或いは不
活性ガスと酸素の混合ガス(酸素0〜100%)中で、700
℃〜1200℃で1分間以上、そして、酸素中で400℃以下
まで徐冷することを含むことのできる熱処理により、サ
ブミクロンからミクロオーダーの粒子径を持つ均一に分
散した種結晶が得られる。その粒子径は、薄膜厚と熱処
理条件に依存し、最大5μm程度の粒径のものも得られ
る。
この初期形成の超伝導体薄膜を結晶化するための薄膜
の種結晶化が、レーザービーム、電子ビーム、収束赤外
線等のエネルギービームを用いて、スポット的に、酸化
物超伝導物質の結晶化に要する温度に相当するエネルギ
ー条件で熱処理することにより、行なうことができる。
これらの方法は、熱処理位置、領域が、薄膜面内で任意
に制御できるものである。これを利用して、基板上の種
結晶の成長位置、つまりは種結晶の分散状態を規定する
ことができる。
の種結晶化が、レーザービーム、電子ビーム、収束赤外
線等のエネルギービームを用いて、スポット的に、酸化
物超伝導物質の結晶化に要する温度に相当するエネルギ
ー条件で熱処理することにより、行なうことができる。
これらの方法は、熱処理位置、領域が、薄膜面内で任意
に制御できるものである。これを利用して、基板上の種
結晶の成長位置、つまりは種結晶の分散状態を規定する
ことができる。
更に、エネルギービームの径を、10μm以下にし、こ
の大きさにより、成長する種結晶の大きさを規定するこ
とになる。また、エネルギービームの走査形状を点状或
いは線状に分散させることができる。
の大きさにより、成長する種結晶の大きさを規定するこ
とになる。また、エネルギービームの走査形状を点状或
いは線状に分散させることができる。
更に、種結晶化する前に、初期に作成された薄膜を通
常のパターイング技術(ウエットエッチング或いはドラ
イエッチング法)により、予め必要な形状に区画化して
おき、上記の熱処理方法により、区画内の薄膜部分を結
晶化させてやることにより、種結晶の分散状態を調整す
ることができる。
常のパターイング技術(ウエットエッチング或いはドラ
イエッチング法)により、予め必要な形状に区画化して
おき、上記の熱処理方法により、区画内の薄膜部分を結
晶化させてやることにより、種結晶の分散状態を調整す
ることができる。
形成した酸化物超伝導体薄膜を結晶化する上記の工程
において、区画領域の形状を直径10μm以下の円形或い
は矩形の長さが10μm以下で短辺の長さ以上の長さをも
つ矩形とし、この区画の大きさ、形状、区画間距離によ
り、種結晶の大きさ、分散状態を制御することができ
る。
において、区画領域の形状を直径10μm以下の円形或い
は矩形の長さが10μm以下で短辺の長さ以上の長さをも
つ矩形とし、この区画の大きさ、形状、区画間距離によ
り、種結晶の大きさ、分散状態を制御することができ
る。
基板表面に先ず酸化物超伝導体薄膜を形成し、それを
熱処理することにより、種結晶を作成することは、所望
の酸化物超伝導結晶組成から1種以上の陽イオン或いは
陰イオンが、一部或いは全部欠如した厚さ5nm以上20nm
以下の合金或いはアモルファス或いは積層薄膜を、基板
上或いは既に形成した酸化物超伝導体多結晶薄膜上に堆
積し、種結晶を形成したい箇所にイオンを注入法を用い
て、欠如しているイオン種を所定ドーズ量注入した後
に、熱処理による結晶化処理を行なうことにより、イオ
ン注入箇所即ち所望の箇所にのみ酸化物超伝導体物質の
種結晶を形成させるものである。このとき、イオン注入
は、薄膜堆積前の基板に直接行なっても可能である。
熱処理することにより、種結晶を作成することは、所望
の酸化物超伝導結晶組成から1種以上の陽イオン或いは
陰イオンが、一部或いは全部欠如した厚さ5nm以上20nm
以下の合金或いはアモルファス或いは積層薄膜を、基板
上或いは既に形成した酸化物超伝導体多結晶薄膜上に堆
積し、種結晶を形成したい箇所にイオンを注入法を用い
て、欠如しているイオン種を所定ドーズ量注入した後
に、熱処理による結晶化処理を行なうことにより、イオ
ン注入箇所即ち所望の箇所にのみ酸化物超伝導体物質の
種結晶を形成させるものである。このとき、イオン注入
は、薄膜堆積前の基板に直接行なっても可能である。
このようなイオン注入処理は、イオン注入される箇所
を直径10μm以下の点状、或いは矩辺の長さが、10μm
以下で、短辺の長さ以上の長さの長辺を有する矩形と
し、イオン注入箇所の大きさ、形状及びそれらの間隔に
より種結晶の大きさ、分散状態を制御してやる。
を直径10μm以下の点状、或いは矩辺の長さが、10μm
以下で、短辺の長さ以上の長さの長辺を有する矩形と
し、イオン注入箇所の大きさ、形状及びそれらの間隔に
より種結晶の大きさ、分散状態を制御してやる。
以上により、最終的目的とする酸化物超伝導体の陽イ
オン及び陰イオン組成を誤差10%以内で、そして、所望
の結晶構造を有する種結晶を得ることができるものであ
る。
オン及び陰イオン組成を誤差10%以内で、そして、所望
の結晶構造を有する種結晶を得ることができるものであ
る。
次に、所定の種結晶の上に、少なくとも所望の酸化物
超伝導体と誤差10%以内で等しい陽イオン組成或いはそ
の後の工程で陽イオンのずれを補償することのできる陽
イオン組成を有する合金或いはアモルファス或いは積層
薄膜を、10nm以上堆積し、この薄膜を空気中或いは不活
性ガスと酸素の混合ガス(酸素0〜100%)中で、400〜
1200℃で1分間熱処理し、これに続いて、成長結晶中の
酸素量を調整するため、酸素と不活性ガスの混合ガス
(酸素0〜100%)中で、1200℃以下の温度で1分間以
上熱処理することにより、種結晶を核とした結晶成長を
進める。更に、この種結晶への堆積、結晶化の工程を複
数回繰り返すことにより、積層された或いは厚い酸化物
多結晶薄膜を作成できる。
超伝導体と誤差10%以内で等しい陽イオン組成或いはそ
の後の工程で陽イオンのずれを補償することのできる陽
イオン組成を有する合金或いはアモルファス或いは積層
薄膜を、10nm以上堆積し、この薄膜を空気中或いは不活
性ガスと酸素の混合ガス(酸素0〜100%)中で、400〜
1200℃で1分間熱処理し、これに続いて、成長結晶中の
酸素量を調整するため、酸素と不活性ガスの混合ガス
(酸素0〜100%)中で、1200℃以下の温度で1分間以
上熱処理することにより、種結晶を核とした結晶成長を
進める。更に、この種結晶への堆積、結晶化の工程を複
数回繰り返すことにより、積層された或いは厚い酸化物
多結晶薄膜を作成できる。
本発明の超伝導体多結晶薄膜作成方法で第2のキイで
ある種結晶上への酸化物超伝導体結晶の成長は、種結晶
上に、所望の酸化物超伝導体、つまり、種結晶と同種の
酸化物超伝導体の陽イオン組成を有するアモルファス膜
或いは白金膜或いは積層膜を、スパッタリング等の物理
的蒸着(PVD)或いは化学的蒸着(CDV)により堆積し、
熱処理により、種結晶を核として、結晶化を進めること
により、行なうことができる。このとき、熱処理の温度
は、種結晶作成するときの処理温度と同等或いはそれ以
下であることが好適である。例えば、種結晶上に厚さ10
0nmのY1Ba2Cu3O7-zアモルファス膜を堆積した場合、700
℃〜900℃で、5分間処理することにより、粒径約1μ
mの、種結晶と同じ方位に高く配向した平板状粒子を得
ることができる。
ある種結晶上への酸化物超伝導体結晶の成長は、種結晶
上に、所望の酸化物超伝導体、つまり、種結晶と同種の
酸化物超伝導体の陽イオン組成を有するアモルファス膜
或いは白金膜或いは積層膜を、スパッタリング等の物理
的蒸着(PVD)或いは化学的蒸着(CDV)により堆積し、
熱処理により、種結晶を核として、結晶化を進めること
により、行なうことができる。このとき、熱処理の温度
は、種結晶作成するときの処理温度と同等或いはそれ以
下であることが好適である。例えば、種結晶上に厚さ10
0nmのY1Ba2Cu3O7-zアモルファス膜を堆積した場合、700
℃〜900℃で、5分間処理することにより、粒径約1μ
mの、種結晶と同じ方位に高く配向した平板状粒子を得
ることができる。
即ち、種結晶上への結晶成長は、基板加熱の可能な薄
膜堆積装置を用いて、酸素含有の装置内雰囲気で、基板
を約300℃以上に加熱しながら、連続して、種結晶上
へ、種結晶を核として、結晶成長を進めることができ
る。この場合、種結晶の結晶方位を記憶して、結晶が成
長するので、種結晶の結晶成長方位が制御され、その効
果を利用して、結晶配向度並びに平坦度が非常に高い酸
化物超伝導体多結晶薄膜を作成することができる。即
ち、種結晶の結晶方位をある特定方位に揃えることによ
り、最終的に得られる多結晶薄膜の結晶方位即ち配向性
を規定することができる。
膜堆積装置を用いて、酸素含有の装置内雰囲気で、基板
を約300℃以上に加熱しながら、連続して、種結晶上
へ、種結晶を核として、結晶成長を進めることができ
る。この場合、種結晶の結晶方位を記憶して、結晶が成
長するので、種結晶の結晶成長方位が制御され、その効
果を利用して、結晶配向度並びに平坦度が非常に高い酸
化物超伝導体多結晶薄膜を作成することができる。即
ち、種結晶の結晶方位をある特定方位に揃えることによ
り、最終的に得られる多結晶薄膜の結晶方位即ち配向性
を規定することができる。
また、種結晶を作成するときに、その粒子径、粒界の
配置、結晶の配向度を制御し、形成された粒界を用いる
粒界ジョセフソン素子の特性を向上させることができ
る。従って、多結晶薄膜の膜質制御は、種結晶の分布状
態を、所望の粒子間隔、粒子配置が得られる位置に、規
定又は制御してやることにより、達成できる。このと
き、粒子径、粒界は、種結晶即ち粒子の核の位置により
決定される。
配置、結晶の配向度を制御し、形成された粒界を用いる
粒界ジョセフソン素子の特性を向上させることができ
る。従って、多結晶薄膜の膜質制御は、種結晶の分布状
態を、所望の粒子間隔、粒子配置が得られる位置に、規
定又は制御してやることにより、達成できる。このと
き、粒子径、粒界は、種結晶即ち粒子の核の位置により
決定される。
また、本発明により得られる酸化物超伝導体は、その
結晶構造の基本に金属−酸素二次元正方格子或いは金属
−酸素二次元擬正方格子を含む単純層状或いは複合層状
化合物より構成されるものである。例えば、銅酸化物系
超伝導物質は、この結晶構造を有する物質であり、本発
明により、超伝導体多結晶薄膜が作成できるものであ
る。
結晶構造の基本に金属−酸素二次元正方格子或いは金属
−酸素二次元擬正方格子を含む単純層状或いは複合層状
化合物より構成されるものである。例えば、銅酸化物系
超伝導物質は、この結晶構造を有する物質であり、本発
明により、超伝導体多結晶薄膜が作成できるものであ
る。
即ち、種結晶を核として結晶成長を進める方法とし
て、一度に必要とする厚さの膜を堆積して熱処理を行な
う方法以外に、何回にも分けて、堆積、熱処理を繰り返
す方法があり、種結晶に厚膜、例えば厚さ300nm以上の
膜厚を一度に堆積して熱処理を行なうと、種結晶以外の
部位にも、新たな核が生成してしまい、種結晶の効果が
得られず、配向度の低い膜となってしまう。従って、本
発明により得られる効果を厚膜で得ようとする場合、種
結晶上への結晶成長を何回にも分けて行なうことが好適
である。薄膜の場合においても、堆積、熱処理を複数回
に分けて行なった方が、得られる薄膜の結晶性及び結晶
配向性は、すぐれている。
て、一度に必要とする厚さの膜を堆積して熱処理を行な
う方法以外に、何回にも分けて、堆積、熱処理を繰り返
す方法があり、種結晶に厚膜、例えば厚さ300nm以上の
膜厚を一度に堆積して熱処理を行なうと、種結晶以外の
部位にも、新たな核が生成してしまい、種結晶の効果が
得られず、配向度の低い膜となってしまう。従って、本
発明により得られる効果を厚膜で得ようとする場合、種
結晶上への結晶成長を何回にも分けて行なうことが好適
である。薄膜の場合においても、堆積、熱処理を複数回
に分けて行なった方が、得られる薄膜の結晶性及び結晶
配向性は、すぐれている。
種結晶上への結晶成長の方法としては、上記のよう
に、基板加熱の可能な膜堆積装置を用い、基板加熱を行
ないながら、連続して種結晶上への結晶成長を行なうこ
とも可能である。
に、基板加熱の可能な膜堆積装置を用い、基板加熱を行
ないながら、連続して種結晶上への結晶成長を行なうこ
とも可能である。
以上に説明した本発明による超伝導体多結晶薄膜の作
成方法を、模式的に第1図及び第2図に示した。本発明
の方法は、第1図の左に示される一連の工程により、第
1図に示されるように、基板2上に種結晶3が形成さ
れ、超伝導体多結晶薄膜5が作成されるものである。即
ち、基板2の表面上にアモルファス薄膜1が形成され、
熱処理されると、島状に微小種結晶3が複数、基板2上
に形成され、次に、その上に、アモルファス薄膜4が形
成され、熱処理されると多結晶薄膜5が生成される。こ
れに対して、従来の薄膜の作成法では、第1図の右に示
すように、基板2の上にアモルファス薄膜4が形成さ
れ、それを熱処理すると、配向性のない微結晶が図示の
ようにランダムに形成されるだけである。
成方法を、模式的に第1図及び第2図に示した。本発明
の方法は、第1図の左に示される一連の工程により、第
1図に示されるように、基板2上に種結晶3が形成さ
れ、超伝導体多結晶薄膜5が作成されるものである。即
ち、基板2の表面上にアモルファス薄膜1が形成され、
熱処理されると、島状に微小種結晶3が複数、基板2上
に形成され、次に、その上に、アモルファス薄膜4が形
成され、熱処理されると多結晶薄膜5が生成される。こ
れに対して、従来の薄膜の作成法では、第1図の右に示
すように、基板2の上にアモルファス薄膜4が形成さ
れ、それを熱処理すると、配向性のない微結晶が図示の
ようにランダムに形成されるだけである。
更に、第2図は、本発明により、酸化物超伝導体の結
晶成長を繰り返し行なった例をその形成断面図で示すも
のである。即ち、基板2の上にアモルファス薄膜1を形
成し、熱処理により、複数の種結晶3が得られ、その種
結晶を核にして、図示のように、結晶成長せしめ、多結
晶薄膜5を成長せしめるものである。
晶成長を繰り返し行なった例をその形成断面図で示すも
のである。即ち、基板2の上にアモルファス薄膜1を形
成し、熱処理により、複数の種結晶3が得られ、その種
結晶を核にして、図示のように、結晶成長せしめ、多結
晶薄膜5を成長せしめるものである。
本発明の超伝導体多結晶薄膜の作成方法の第3のキイ
である多結晶薄膜中の各単結晶粒子の粒径制御及び粒界
制御は、以下に示す方法により行なうことができる。即
ち、これらの制御は、主に初期に形成する種結晶の分散
方法及びそれを核として粒子成長の速度調整に基づくも
のである。
である多結晶薄膜中の各単結晶粒子の粒径制御及び粒界
制御は、以下に示す方法により行なうことができる。即
ち、これらの制御は、主に初期に形成する種結晶の分散
方法及びそれを核として粒子成長の速度調整に基づくも
のである。
即ち、種結晶の分散状態の調整は、先ず第一に、基板
上に堆積させる膜の厚さ、結晶成長のための処理温度、
処理時間の調整により、行なうことができる。この方法
の場合、結晶化処理により種結晶は、第3図に示すよう
に、均一な粒子径、均一な粒子間隔をもって分散するこ
とができる。初期膜厚、処理条件を変えることにより、
種結晶の大きさ、間隔を調整できるが、分散状態はラン
ダムである。この方法により、作成した種結晶は、ほぼ
均一な粒子径を有する高い配向性を持つ多結晶薄膜を、
基板の広い範囲にわたって得たい場合に好適である。
上に堆積させる膜の厚さ、結晶成長のための処理温度、
処理時間の調整により、行なうことができる。この方法
の場合、結晶化処理により種結晶は、第3図に示すよう
に、均一な粒子径、均一な粒子間隔をもって分散するこ
とができる。初期膜厚、処理条件を変えることにより、
種結晶の大きさ、間隔を調整できるが、分散状態はラン
ダムである。この方法により、作成した種結晶は、ほぼ
均一な粒子径を有する高い配向性を持つ多結晶薄膜を、
基板の広い範囲にわたって得たい場合に好適である。
種結晶の規則正しい配列は、初期形成膜の種結晶化
を、レーザビーム、電子ビーム、収束赤外線などのエネ
ルギービームを用いてスポット的に熱処理してやること
により、行なうことができる。この場合も、前記と同様
に、初期膜厚、ビームエネルギー、照射時間、照射径等
の処理条件により、形成される種結晶の結晶性、粒径を
決めることができる。
を、レーザビーム、電子ビーム、収束赤外線などのエネ
ルギービームを用いてスポット的に熱処理してやること
により、行なうことができる。この場合も、前記と同様
に、初期膜厚、ビームエネルギー、照射時間、照射径等
の処理条件により、形成される種結晶の結晶性、粒径を
決めることができる。
種結晶の分散状態の調整方法に先だって、種結晶化前
の薄膜を通常のパターニング技術(ウエット又はドライ
エッチング)により、予め必要な形状に区画しておき、
上記の分散状態調整方法により、区画内の薄膜部分を結
晶化させてより、種結晶の分散状態を調整することがで
きる。
の薄膜を通常のパターニング技術(ウエット又はドライ
エッチング)により、予め必要な形状に区画しておき、
上記の分散状態調整方法により、区画内の薄膜部分を結
晶化させてより、種結晶の分散状態を調整することがで
きる。
上記の調整方法とは、逆に、形成した種結晶を、必要
な部分のみが残るようにパターニングしてやることも可
能である。
な部分のみが残るようにパターニングしてやることも可
能である。
本発明による酸化物超伝導体多結晶薄膜の多段階結晶
成長法は、種結晶物質とそれを核として成長する結晶物
質が同種であることである。従って、その条件を満たす
種結晶の作成方法として、初期膜の堆積方法を、所望の
酸化物超伝導体結晶組成から1種以上の陽イオン或いは
陰イオンの一部或いは全部が欠如しているイオン種を所
定ドーズ量注入した後に、結晶化処理を行なうことによ
り、イオン注入箇所、即ち所望の箇所のみ酸化物超伝導
体物質の種結晶を形成させることも可能である。このと
き、イオン注入は、薄膜堆積の前の基板に、直接行なっ
ても可能である。
成長法は、種結晶物質とそれを核として成長する結晶物
質が同種であることである。従って、その条件を満たす
種結晶の作成方法として、初期膜の堆積方法を、所望の
酸化物超伝導体結晶組成から1種以上の陽イオン或いは
陰イオンの一部或いは全部が欠如しているイオン種を所
定ドーズ量注入した後に、結晶化処理を行なうことによ
り、イオン注入箇所、即ち所望の箇所のみ酸化物超伝導
体物質の種結晶を形成させることも可能である。このと
き、イオン注入は、薄膜堆積の前の基板に、直接行なっ
ても可能である。
以上のようにして、作成した規則配列を有する種結晶
を核に結晶成長を進める方法は、上記のように、基板を
加熱しながら超伝導体物質を堆積することにより、行な
うこともできる。
を核に結晶成長を進める方法は、上記のように、基板を
加熱しながら超伝導体物質を堆積することにより、行な
うこともできる。
本発明の酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成方法は、ほ
ぼあらゆる種類の酸化物超伝導体の多結晶薄膜の作成に
応用が可能であり、特に、その超伝導物質を限定しない
ものである。然し乍ら、本発明による高い配向性の多結
晶薄膜を得るという効果は、結晶構造に高い異方性を有
する物質、例えば、Y−Ba−Cu−O系酸化物超伝導体の
多結晶薄膜の作成に、著しく効果的である。
ぼあらゆる種類の酸化物超伝導体の多結晶薄膜の作成に
応用が可能であり、特に、その超伝導物質を限定しない
ものである。然し乍ら、本発明による高い配向性の多結
晶薄膜を得るという効果は、結晶構造に高い異方性を有
する物質、例えば、Y−Ba−Cu−O系酸化物超伝導体の
多結晶薄膜の作成に、著しく効果的である。
そして、本発明の酸化物超伝導薄膜の作製方法は、更
に、例えば、ジョセフソン接合、赤外線検出器、光スイ
ッチのような製品のための超伝導結晶薄膜の形成にも用
いることができる。
に、例えば、ジョセフソン接合、赤外線検出器、光スイ
ッチのような製品のための超伝導結晶薄膜の形成にも用
いることができる。
次に、本発明の酸化物超伝導多結晶薄膜の作製方法を
具体的に実施例により説明するが、本発明はそれらによ
って限定されるものではない。
具体的に実施例により説明するが、本発明はそれらによ
って限定されるものではない。
[実施例1] MgO結晶基板の(100)面上に、Y1Ba2Cu3O7-z酸化物超
伝導体結晶の種結晶を均一に作成する条件を検討した。
伝導体結晶の種結晶を均一に作成する条件を検討した。
MgO結晶基板の(100)面上に、多元スパッタリング装
置を用いて、基板加熱なしで、Y1Ba2Cu3の陽イオン組成
を有するアモルファス膜を、各々、膜厚、5nm、10nm、1
5nm、20nm及び50nmの5種類で堆積作成し、各々、熱処
理した後、得られた結晶粒子の様子を比較した。
置を用いて、基板加熱なしで、Y1Ba2Cu3の陽イオン組成
を有するアモルファス膜を、各々、膜厚、5nm、10nm、1
5nm、20nm及び50nmの5種類で堆積作成し、各々、熱処
理した後、得られた結晶粒子の様子を比較した。
用いた多元スパッタリング装置は、イットリウム金
属、銅金属及びBaCu合金の独立した高周波マグネトロン
スパッタリングガンからなり、各々のガンへの投入電力
により、堆積膜の組成を調整した。スパッタリングガス
は、純アルゴンを用い、ガス圧を4Paとした。
属、銅金属及びBaCu合金の独立した高周波マグネトロン
スパッタリングガンからなり、各々のガンへの投入電力
により、堆積膜の組成を調整した。スパッタリングガス
は、純アルゴンを用い、ガス圧を4Paとした。
得られた堆積薄膜をX線回折による観察の結果、アモ
ルファスであることを確認した。
ルファスであることを確認した。
堆積したアモルファス薄膜を、水平型の管状炉で熱処
理した。雰囲気ガスとして純窒素をフローさせ、800℃
に5分間保持し、保持終了後、雰囲気ガスを純酸素に切
り換え、約2時間で200℃以下に降温し、試料を取り出
した。
理した。雰囲気ガスとして純窒素をフローさせ、800℃
に5分間保持し、保持終了後、雰囲気ガスを純酸素に切
り換え、約2時間で200℃以下に降温し、試料を取り出
した。
熱処理した後の各薄膜について、走査型電子顕微鏡に
より、結晶粒子の形状を観察した。その結果を第1表に
示す。
より、結晶粒子の形状を観察した。その結果を第1表に
示す。
第1表から、分散した種結晶を得るには、堆積するア
モルファス薄膜の厚さを少なくとも、20nm以下にするこ
とが、好適であることが分かった。また、均一な粒径及
び分散状態を持つ種結晶を得るには、堆積厚さを10nm以
下にする必要がある。厚さ50nmの試料では、結晶粒子同
志がつながってしまい、種結晶を作成できなかった。
モルファス薄膜の厚さを少なくとも、20nm以下にするこ
とが、好適であることが分かった。また、均一な粒径及
び分散状態を持つ種結晶を得るには、堆積厚さを10nm以
下にする必要がある。厚さ50nmの試料では、結晶粒子同
志がつながってしまい、種結晶を作成できなかった。
従って、以後の実施例で用いる種結晶は、堆積膜厚10
nmで行なった。
nmで行なった。
[実施例2] MgO結晶基板の(100)面上に作成したY1Ba2Cu3O7-z種
結晶の上に、Y1Ba2Cu3の割合の陽イオン組成を有するア
モルファス膜を、多元スパッタリング法により堆積し、
熱処理を行なった。試料は、堆積薄膜厚100nmと300nmの
2種類を作成した。種結晶は、実施例1で良好な結果が
得られた初期堆積薄膜厚10nmのものを使用した。
結晶の上に、Y1Ba2Cu3の割合の陽イオン組成を有するア
モルファス膜を、多元スパッタリング法により堆積し、
熱処理を行なった。試料は、堆積薄膜厚100nmと300nmの
2種類を作成した。種結晶は、実施例1で良好な結果が
得られた初期堆積薄膜厚10nmのものを使用した。
種結晶上への堆積したアモルファス薄膜の熱処理条件
は、実施例1と同様に、純窒素フロー中で800℃、5分
間とし、冷却工程は、純酸素雰囲気中で約3時間かけて
徐冷した。
は、実施例1と同様に、純窒素フロー中で800℃、5分
間とし、冷却工程は、純酸素雰囲気中で約3時間かけて
徐冷した。
また、比較のために、種結晶のないMgO結晶基板の(1
00)面上に、厚さ約300nmに堆積したアモルファス薄膜
を、同じ条件で熱処理した。
00)面上に、厚さ約300nmに堆積したアモルファス薄膜
を、同じ条件で熱処理した。
熱処理した後の各試料の表面状態を走査型電子顕微鏡
(SEM)により、観察した。また、X線回折(XRD)によ
り、試料膜の結晶配向性を観察した。
(SEM)により、観察した。また、X線回折(XRD)によ
り、試料膜の結晶配向性を観察した。
第3図は、薄膜の堆積前の種結晶のSEM写真であり、
即ち、MgO結晶基板の(100)面上に作成した厚さ10nmの
アモルファスY1Ba2Cu3O7-z薄膜を熱処理により得られた
種結晶のSEM写真である。これから、サブミクロンオー
ダーの微結晶粒子が、基板上に均一に分散している様子
が明らかである。写真中に見られるステップは、MgO単
結晶の劈開のステップである。
即ち、MgO結晶基板の(100)面上に作成した厚さ10nmの
アモルファスY1Ba2Cu3O7-z薄膜を熱処理により得られた
種結晶のSEM写真である。これから、サブミクロンオー
ダーの微結晶粒子が、基板上に均一に分散している様子
が明らかである。写真中に見られるステップは、MgO単
結晶の劈開のステップである。
第4図は、種結晶上に堆積させた薄膜の熱処理した後
のSEM写真である。第4図は、MgO結晶基板の(100)面
上に種結晶を核にして成長させたY1Ba2Cu3O7-z多結晶薄
膜のSEM写真であり、第4図Aは、堆積薄膜厚100nmの場
合、第4図Bは、300nmの場合を示すものである。
のSEM写真である。第4図は、MgO結晶基板の(100)面
上に種結晶を核にして成長させたY1Ba2Cu3O7-z多結晶薄
膜のSEM写真であり、第4図Aは、堆積薄膜厚100nmの場
合、第4図Bは、300nmの場合を示すものである。
第5図は、種結晶の作成を行なわずに、直接にMgO結
晶基板の(100)面上に、膜厚約300nmに成長させたY1Ba
2Cu3O7-z多結晶薄膜のSEM写真である。即ち、種結晶を
用いずに作成した厚さ300nmの薄膜の熱処理後のSEM写真
を示す。
晶基板の(100)面上に、膜厚約300nmに成長させたY1Ba
2Cu3O7-z多結晶薄膜のSEM写真である。即ち、種結晶を
用いずに作成した厚さ300nmの薄膜の熱処理後のSEM写真
を示す。
即ち、本発明に従って作成された薄膜多結晶は、種結
晶上に作成した薄膜はいずれも、粒径1〜2μmの平板
状粒子が敷き詰め連なるように、並んでいるものであ
る。これらと対称的に、種結晶のない膜では、平板状粒
子は各々全くランダムな方向に成長しているものであ
る。
晶上に作成した薄膜はいずれも、粒径1〜2μmの平板
状粒子が敷き詰め連なるように、並んでいるものであ
る。これらと対称的に、種結晶のない膜では、平板状粒
子は各々全くランダムな方向に成長しているものであ
る。
平板状粒子の平板面は、Y1Ba2Cu3O7-z結晶のa−b面
に対応している。X線回折による観察の結果、種結晶を
用いて作成した薄膜多結晶は、強い(00n)回折ピーク
が優先的に現れるのに、対して、種結晶を用いない薄膜
では、(00n)回折ピークが弱く、それら以外のピー
ク、例えば(103)、(013)回折ピークが強く現れた。
つまり、種結晶使用の効果により、薄膜の結晶配向性が
高くなっていることが明らかである。
に対応している。X線回折による観察の結果、種結晶を
用いて作成した薄膜多結晶は、強い(00n)回折ピーク
が優先的に現れるのに、対して、種結晶を用いない薄膜
では、(00n)回折ピークが弱く、それら以外のピー
ク、例えば(103)、(013)回折ピークが強く現れた。
つまり、種結晶使用の効果により、薄膜の結晶配向性が
高くなっていることが明らかである。
第4図Aの写真に見られる明るいコントラストの部分
は、基板が露出した箇所であるが、これは熱処理条件を
更に検討することにより改善できるものである。
は、基板が露出した箇所であるが、これは熱処理条件を
更に検討することにより改善できるものである。
第6図は、MgO結晶基板の(100)面上に作成した種結
晶を核にして成長させたY1Ba2Cu3O7-z多結晶薄膜のX線
回折パターンであり、上図は、堆積薄膜厚100nmで、下
図は、堆積膜厚300nmのものである。このX線回折パタ
ーンから、形成Y1Ba2Cu3O7-z薄膜多結晶は、基板表面に
垂直に配向して成長していることが明らかである。厚10
0nmの試料では、ほぼ(00n)回折ピークのみが見られる
のに対して、厚300nmの試料では、(00n)以外に(10
3)、(013)回折ピークが見られる。この原因は、300n
mの薄膜では、あらかじめ作成した種結晶以外の場所で
新たな核形成がランダムに生じたことによる。
晶を核にして成長させたY1Ba2Cu3O7-z多結晶薄膜のX線
回折パターンであり、上図は、堆積薄膜厚100nmで、下
図は、堆積膜厚300nmのものである。このX線回折パタ
ーンから、形成Y1Ba2Cu3O7-z薄膜多結晶は、基板表面に
垂直に配向して成長していることが明らかである。厚10
0nmの試料では、ほぼ(00n)回折ピークのみが見られる
のに対して、厚300nmの試料では、(00n)以外に(10
3)、(013)回折ピークが見られる。この原因は、300n
mの薄膜では、あらかじめ作成した種結晶以外の場所で
新たな核形成がランダムに生じたことによる。
以上の結果から、本発明に従って、種結晶上にY1Ba2C
u3O7-zの結晶成長を進めることにより、高い結晶配向度
と均一な粒子径を有する多結晶薄膜が得られたことが明
らかである。これらの多結晶薄膜の超伝導臨界温度(オ
ンセット)は、約85Kであった。
u3O7-zの結晶成長を進めることにより、高い結晶配向度
と均一な粒子径を有する多結晶薄膜が得られたことが明
らかである。これらの多結晶薄膜の超伝導臨界温度(オ
ンセット)は、約85Kであった。
[実施例3] MgO結晶基板の(100)面上に作成したY1Ba2Cu3O7-z種
結晶上に、膜厚20nmのアモルファス薄膜を堆積し、熱処
理した後に、更に膜厚20nmのアモルファス薄膜を堆積
し、熱処理することにより、種結晶の厚さ(高さ)も含
めて、薄膜厚約50nmの結晶薄膜を作成した。このアモル
ファス薄膜の堆積方法、熱処理方法は、実施例1、2と
同様であるが、熱処理の保持時間のみを30分間とした。
結晶上に、膜厚20nmのアモルファス薄膜を堆積し、熱処
理した後に、更に膜厚20nmのアモルファス薄膜を堆積
し、熱処理することにより、種結晶の厚さ(高さ)も含
めて、薄膜厚約50nmの結晶薄膜を作成した。このアモル
ファス薄膜の堆積方法、熱処理方法は、実施例1、2と
同様であるが、熱処理の保持時間のみを30分間とした。
第7図は、MgO結晶基板の(100)面上に作成したY1Ba
2Cu3O7-z種結晶の上に結晶成長を複数回に分けて行なっ
て得られた多結晶薄膜のX線回折図パターンである。こ
の総薄膜厚は、約500nmである。このX線回折パターン
から、強い(00n)回折ピークが見られ、多段階成長の
効果が高いことが分かる。これらの回折ピーク強度は、
実施例2の膜厚100nm及び300nmの試料のものよりも相対
的に強いものである。しかし、この実施例では、アモル
ファス薄膜組成は、Y1Ba2Cu3O7-zからずれていたため
に、薄膜中に、Y1Ba2Cu3O7-z以外の相が生成した。即
ち、第7図中で?印で示したピークである。
2Cu3O7-z種結晶の上に結晶成長を複数回に分けて行なっ
て得られた多結晶薄膜のX線回折図パターンである。こ
の総薄膜厚は、約500nmである。このX線回折パターン
から、強い(00n)回折ピークが見られ、多段階成長の
効果が高いことが分かる。これらの回折ピーク強度は、
実施例2の膜厚100nm及び300nmの試料のものよりも相対
的に強いものである。しかし、この実施例では、アモル
ファス薄膜組成は、Y1Ba2Cu3O7-zからずれていたため
に、薄膜中に、Y1Ba2Cu3O7-z以外の相が生成した。即
ち、第7図中で?印で示したピークである。
これらの多結晶薄膜の超伝導臨界温度(オンセット)
は、約85Kであった。
は、約85Kであった。
[発明の効果] 本発明の酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成方法によ
り、次のような顕著な技術的効果が得られた。
り、次のような顕著な技術的効果が得られた。
第1に、粒子径、粒界、結晶配向が制御される酸化物
超伝導体多結晶薄膜の作成方法を提供する。
超伝導体多結晶薄膜の作成方法を提供する。
第2に、従って、各パラメータ、条件を制御して酸化
物超伝導体多結晶薄膜が得られるので、超伝導薄膜部品
への応用に適した酸化物超伝導体の多結晶膜を得ること
ができた。
物超伝導体多結晶薄膜が得られるので、超伝導薄膜部品
への応用に適した酸化物超伝導体の多結晶膜を得ること
ができた。
第3に、即ち、非常に高い結晶配向度を整った結晶粒
界をもつ酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成することによ
り、粒界弱結合を応用した超伝導素子、例えばジョセフ
ソン素子等に利用できる酸化物超伝導体の作成方法を提
供する。
界をもつ酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成することによ
り、粒界弱結合を応用した超伝導素子、例えばジョセフ
ソン素子等に利用できる酸化物超伝導体の作成方法を提
供する。
第4に、更に、多段階結晶成長を繰り返し、厚膜にす
ることにより、高い配向性の結晶粒子からなる超伝導テ
ープ状線材の作成も可能になり、臨界電流、臨界磁場の
高い超伝導線材或いは超伝導アンテナ等が作成できる酸
化物超伝導体の作成方法を提供する。
ることにより、高い配向性の結晶粒子からなる超伝導テ
ープ状線材の作成も可能になり、臨界電流、臨界磁場の
高い超伝導線材或いは超伝導アンテナ等が作成できる酸
化物超伝導体の作成方法を提供する。
第1図は、本発明による酸化物超伝導体多結晶薄膜の作
成方法を順次に示す模式図である。 第2図は、本発明による種結晶上に、酸化物超伝導体の
結晶成長を繰り返し行なった場合の結晶成長を示す模式
図である。 第3図は、本発明に従う、MgO結晶基板の(100)面上に
作成したY1Ba2Cu3O7-z種結晶の結晶の構造を示すSEM写
真である。 第4図は、本発明に従って、MgO結晶基板の(100)面上
の種結晶を核にして成長させたY1Ba2Cu3O7-z多結晶薄膜
の結晶の構造を示すSEM写真である。 第5図は、種結晶の作成なしで、直接MgO結晶基板の(1
00)面上に成長させたY1Ba2Cu3O7-z多結晶薄膜の結晶の
構造を示すSEM写真である。 第6図は、MgO結晶基板の(100)面上の種結晶を核にし
て成長させたY1Ba2Cu3O7-z多結晶薄膜のX線回折パター
ンである。 第7図は、MgO結晶基板の(100)面上にY1Ba2Cu3O7-zの
結晶成長を複数回に分けて作成した多結晶薄膜のX線回
折パターンである。
成方法を順次に示す模式図である。 第2図は、本発明による種結晶上に、酸化物超伝導体の
結晶成長を繰り返し行なった場合の結晶成長を示す模式
図である。 第3図は、本発明に従う、MgO結晶基板の(100)面上に
作成したY1Ba2Cu3O7-z種結晶の結晶の構造を示すSEM写
真である。 第4図は、本発明に従って、MgO結晶基板の(100)面上
の種結晶を核にして成長させたY1Ba2Cu3O7-z多結晶薄膜
の結晶の構造を示すSEM写真である。 第5図は、種結晶の作成なしで、直接MgO結晶基板の(1
00)面上に成長させたY1Ba2Cu3O7-z多結晶薄膜の結晶の
構造を示すSEM写真である。 第6図は、MgO結晶基板の(100)面上の種結晶を核にし
て成長させたY1Ba2Cu3O7-z多結晶薄膜のX線回折パター
ンである。 第7図は、MgO結晶基板の(100)面上にY1Ba2Cu3O7-zの
結晶成長を複数回に分けて作成した多結晶薄膜のX線回
折パターンである。
Claims (8)
- 【請求項1】基板上に酸化物超伝導体多結晶薄膜を作成
する方法において、 まず、該基板上に、所望の酸化物超伝導体と少なくとも
陽イオン組成が同じ、平均組成を有する合金或いはアモ
ルファス薄膜を、厚さ5nm以上20nm以下に形成し、その
形成された薄膜を、空気中或いは不活性ガスと酸素の混
合ガス雰囲気中で、400℃〜1200℃の温度で、1分間以
上熱処理することにより、所望の微小超伝導体結晶(以
下種結晶とも称する)粒子を複数個形成しておき、 この種結晶粒子を核として該基板上に酸化物超伝導体の
結晶を成長せしめ、 微小結晶粒子の結晶の配置及び方位に基づいて、成長し
た結晶粒子の粒子径及び粒界分布が決められた単層多結
晶薄膜を形成することを特徴とする酸化物超伝導体多結
晶薄膜の作成法。 - 【請求項2】更に、この種結晶粒子上への結晶成長操作
を、複数回繰り返すことにより、多層多結晶薄膜を形成
することを特徴とする請求項1に記載の酸化物超伝導体
多結晶薄膜の作成法。 - 【請求項3】前記種結晶の形成のための該薄膜の熱処理
の前に、該基板の表面上に、該種結晶の形成すべき形状
に、該薄膜を予め切り離し、区画しておくことを特徴と
する請求項1に記載の酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成
法。 - 【請求項4】前記の予め区画しておく区画領域は、直径
10μm以下の円形或いは10μm以下の短辺を有する矩形
であることを特徴とする請求項3に記載の酸化物超伝導
体多結晶薄膜の作成法。 - 【請求項5】前記種結晶は、所望の酸化物超伝導体結晶
組成から1種以上の陽イオン或いは陰イオンが、一部或
いは全部欠如した厚さ5nm〜20nmの合金、或いはアモル
ファス薄膜を、該基板上に或いは既に形成した酸化物超
伝導体多結晶薄膜上に堆積せしめ、該種結晶を形成した
個所に、欠如したイオン種を所望ドーズ量注入した後
に、前記の熱処理による結晶化処理を行なうことによ
り、所望の箇所のみ、即ち、イオン注入箇所のみに、形
成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の
酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成法。 - 【請求項6】前記のイオン注入箇所が、直径10μm以下
の点状或いは短辺が10μm以下の矩形であり、その大き
さ、形状及びそれらの間隔により、形成種結晶の大き
さ、分散状態を制御することを特徴とする請求項5に記
載の酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成法。 - 【請求項7】前記種結晶上への酸化物超伝導体結晶の該
成長は、種結晶上に少なくとも所望組成と誤差10%以内
の陽イオン組成又はその後の工程での陽イオン組成のず
れを補償した陽イオン組成を有する合金薄膜、アモルフ
ァス薄膜を10nm以上堆積し、この薄膜を空気中又は不活
性ガスと酸素の混合ガスの雰囲気中で、400℃〜1200℃
の温度範囲で1分間以上熱処理し、続いて、成長結晶中
の酸素量を調整するため、酸素と不活性ガスの混合ガス
中で1200℃以下の温度で1分間以上熱処理することによ
り、該種結晶を核として結晶成長処理を行ない、更に、
所望により、前記の種結晶上への堆積し、結晶化の工程
を複数回繰り返すことを特徴とする請求項1〜6のいず
れかに記載の酸化物超伝導体多結晶薄膜の作成法。 - 【請求項8】前記種結晶上への結晶成長のための該処理
は、基板加熱の可能な薄膜堆積装置を用い、酸素を含有
する雰囲気中で該基板を300℃以上の温度に加熱しなが
ら、連続して、該種結晶上へ結晶成長を進めることを特
徴とする請求項7に記載の酸化物超伝導体多結晶薄膜の
作成法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1096309A JPH0818915B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | 酸化物超伝導多結晶薄膜の作成法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1096309A JPH0818915B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | 酸化物超伝導多結晶薄膜の作成法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02279597A JPH02279597A (ja) | 1990-11-15 |
| JPH0818915B2 true JPH0818915B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=14161426
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1096309A Expired - Lifetime JPH0818915B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | 酸化物超伝導多結晶薄膜の作成法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0818915B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04219395A (ja) * | 1990-12-18 | 1992-08-10 | Canon Inc | 結晶の形成方法 |
| JPH04219392A (ja) * | 1990-12-18 | 1992-08-10 | Canon Inc | 結晶の形成方法 |
| JP4670076B2 (ja) * | 2004-09-09 | 2011-04-13 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 酸化物薄膜用Pt単結晶電極薄膜の製造方法 |
| KR101921619B1 (ko) | 2009-12-28 | 2018-11-26 | 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 | 반도체 장치의 제작 방법 |
| EP2800106A4 (en) * | 2012-02-01 | 2015-03-11 | Furukawa Electric Co Ltd | METHOD FOR PRODUCING A SUPER-LEADING WIRE MATERIAL AND SUPER-LEADING WIRE MATERIAL |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02197179A (ja) * | 1987-04-10 | 1990-08-03 | Canon Inc | ジョセフソン接合素子およびその製造方法 |
| DE3834964A1 (de) * | 1988-01-27 | 1989-08-10 | Siemens Ag | Verfahren zur herstellung mindestens einer schicht aus einem metalloxidischen supraleitermaterial mit hoher sprungtemperatur |
-
1989
- 1989-04-18 JP JP1096309A patent/JPH0818915B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02279597A (ja) | 1990-11-15 |
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