JPH08190334A - 透明ホログラム用感光性記録材料および透明ホログラム用感光性記録媒体並びにそれを用いた透明ホログラムの製造方法 - Google Patents

透明ホログラム用感光性記録材料および透明ホログラム用感光性記録媒体並びにそれを用いた透明ホログラムの製造方法

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JPH08190334A
JPH08190334A JP280295A JP280295A JPH08190334A JP H08190334 A JPH08190334 A JP H08190334A JP 280295 A JP280295 A JP 280295A JP 280295 A JP280295 A JP 280295A JP H08190334 A JPH08190334 A JP H08190334A
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light
transparent hologram
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photosensitive recording
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Application number
JP280295A
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English (en)
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Hiromitsu Ito
浩光 伊藤
Yasushi Oe
靖 大江
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】乾式処理によるホログラム形成が可能であり、
高透明性であるとともに耐候性に優れ、かつ高解像度、
高回折効率、再生波長再現性に優れた透明ホログラムを
提供する。 【構成】(A)溶媒可溶性で常温、常圧で固体である樹
脂と、(B)常温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が1
00℃以上であるラジカル重合可能なエチレン性不飽和
結合を少なくとも1個以上有し、かつ(A)と屈折率の
異なる重合性モノマーと、(C)露光するとラジカル重
合を活性化する光開始剤と、アミノ基を有する増感色素
と、(E)光或いは熱などの外的作用によりスルホン酸
誘導体を生成する化合物から構成され、(E)化合物か
ら生成されるスルホン酸誘導体により、記録媒体中に残
留する増感色素がスルホン酸誘導体によって退色する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体積位相型ホログラム
形成に用いられ、可視光、とくにアルゴンレーザ光など
の可視光に高感度で感光し、かつ解像度、回折効率、透
明性などのホログラム特性値が良好であり、さらに耐候
性及び保存安定性に優れた透明ホログラム用感光性記録
材料及び透明ホログラム用感光性記録媒体並びにそれを
用いた透明ホログラムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホログラムは三次元立体像の再生
が可能であることから、その優れた意匠性、装飾効果か
ら書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギ
フトなどに利用されている。またホログラムはサブミク
ロン単位での情報の記録と等価であるといえることから
有価証券、クレジットカードなどの偽造防止用のマーク
などにも利用されている。
【0003】とくに体積位相型ホログラムは、ホログラ
ム記録媒体中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる空間
的な干渉縞を形成することによって、像を通過する光ビ
ームを吸収することなく位相を変調することができるた
め、近年においては、ディスプレイ用途の他に、自動車
搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)に代表さ
れるホログラム光学素子(HOE)への応用が期待され
ている。
【0004】ところで体積位相型ホログラム記録材料
は、可視発振波長を持つレーザ光に高感度で感光し、し
かも高い解像性を示すことが要求されている。また、実
際にホログラムの形成に使用するに当たり、ホログラム
の回折効率、再生光の波長再現性やバンド幅(再生光ピ
ークの半値幅)等の特性がその目的に合うことが要求さ
れる。とくにヘッドアップディスプレイ(HUD)など
の使用される場合には上記ホログラム特性だけでなく、
より高い透明性(光透過性)を有することが重要視され
ている。さらに、長期にわたって保存安定性に優れてい
ることも必要とされている。
【0005】ホログラム作製に関する一般的原理は、い
くつかの文献や専門書、たとえば「ホログラフィックデ
ィスプレイ」(辻内順平編;産業図書)2章に記載され
ている。これらによれば、二光束のコヒーレントな一般
には、レーザ光の一方を記録対象物に照射し、それから
の全反射光を受け取れる位置に感光性の記録媒体、例え
ば写真用乾板が置かれる。記録媒体には、対象物からの
反射光の他に、もう一方のコヒーレントな光が、対象物
に当たらずに直接照射される。対象物からの反射光を対
象光、また直接媒体に照射される光を参照光といい、参
照光と対象光との干渉縞が画像情報として記録される。
次に、処理された記録媒体が光に曝され、適切な目の位
置で観測されると、照明光源からの光は、記録の際に対
象物から記録媒体に最初に到達した反射光の波面を再現
するようにホログラムによって回折され、その結果、対
象物の実像と似た物体像が三次元的に観測される。参照
光と対象光を同じ方向から記録媒体に入射させて形成さ
れるホログラムは透過型ホログラムとして知られてい
る。一方、互いに記録媒体の反対側から入射させて形成
したホログラムは、一般に反射型ホログラムとして知ら
れている。透過型ホログラムは、例えば米国特許第35
06327号公報、米国特許第3894787号公報な
どで開示されているような公知の方法によって得ること
ができる。また、反射型ホログラムは、例えば米国特許
第3532406号公報に開示された公知の方法で作製
できる。
【0006】像として形成されたホログラムを比較する
値としては屈折率変調がある。これは、記録媒体に直接
的に二光束が媒体となす角度が同じにようにして照射
し、回折格子を作製した時、その回折格子によって回折
される入射光の割合すなわち回折効率並びに記録媒体の
厚さより特定される値である。屈折率変調は、体積型ホ
ログラムの露光部および未露光部、すなわち光が干渉し
て強め合う部分と弱め合う部分で生じる屈折率の変化の
定量的尺度であり、コーゲルニック(H. Kogelnik)の理
論式〔Bell.Syst.Tech.J.,48,2
909,(1969).〕によって求めることができ
る。一般に、反射位相型ホログラムは透過型ホログラム
に比べて解像度が高い、すなわち1mm当たりに形成さ
れる干渉縞の数が多いために、記録が困難であり、高い
屈折率変調を得ることが難しい。
【0007】このような体積位相型ホログラムの記録材
料としては、以下のようなものがある。従来、漂白処理
銀塩および重クロム酸ゼラチン系の感光材料が一般に使
用されてきており、この重クロム酸ゼラチン系の感光材
料は、その高い回折効率と低ノイズ特性によって、体積
位相型ホログラムを記録するのに最も広く用いられる材
料である。ところで、この感光材料は貯蔵寿命が短く、
作製の度に調製しなければならず、湿式現像を行うた
め、ホログラム作製の際に必要となるゼラチンの膨潤お
よび収縮過程においてホログラムの変形を生じ、ホログ
ラムの再現性が悪く、また銀塩感材は記録後に煩雑な処
理を必要とし、安定性および作業性の観点から満足でき
る感光材料ではない。加えて、これらの上記の感光材料
は、何れも耐環境特性、例えば耐湿性、耐候性に劣ると
いう問題点を有する。
【0008】これに対して、耐環境特性に優れ、かつ高
解像度、高回折効率などのホログラム記録材料の有すべ
き特性を備えた材料として、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ールを用いたホログラム記録材料があげられる。例え
ば、架橋剤として環状シス−α−ジカルボニル化合物と
増感剤からなるホログラム記録材料(特開昭60−45
283号公報)、1,4,5,6,7,7−ヘキサクロ
ロ−5−ノルボルネン−無水−2,3−ジカルボン酸と
色素からなるホログラム記録材料(特開昭60−227
280号公報)、2,3−ボルナンジオンとチオフラビ
ンからなるホログラム記録材料(特開昭60−2600
80号公報)、チオフラビンTとヨードホルムからなる
ホログラム(特開昭62−123489号公報)等が提
案されている。ところがこれらのホログラム記録材料
は、やはり湿式現像を必要とするため、煩雑な処理工程
を必要とし、再現性に劣るという問題点を有し、またポ
リ−N−ビニルカルバゾールを主剤とした感光材料であ
るため、化学的安定でかつ高解像度、耐環境特性に優れ
ているものの、ポリ−N−ビニルカルバゾールは結晶化
して非常に白化しやすく、透明性の再現性がわるく、ま
た溶剤も限られてしまうという問題を有している。加え
て、感度特性において、なお一層の向上が望まれてい
る。
【0009】また高感度で光硬化出来る材料として、光
重合開始剤の構成成分である、3−ケトクマリン類とジ
アリールヨードニウム塩との組み合わせで用いる光硬化
樹脂組成物(特開昭60−88005号公報)、さら
に、該光重合開始剤と担持重合体としてポリメチルメタ
クリレートとを組み合わせたホログラム記録材料(特開
平4−31590号公報)が提案されており、化学的に
安定でかつ高解像度、高感度を有しているものの、湿式
処理により空隙を形成させるため、再生波長のピーク波
長のばらつきやピーク波長の半値幅の拡大、また、現像
の際、膨潤溶媒に胆持ポリマーが若干溶解するため、現
像むらが起き易いという問題を有し、さらにホログラム
中に空隙が多数存在することから、耐熱性及び耐熱圧性
に劣るという問題点を有している。
【0010】そこで、湿式処理を伴わない1回の処理工
程でホログラムの作製が可能な光重合型感光材料が、米
国特許第3993485号公報および米国特許第365
8526号公報に開示されている。前者は2つのタイプ
の感光材料があり、第1の例としては、反応性および屈
折率のことなる2つの重合可能な不飽和エチレン性モノ
マーと光重合開始剤の組み合わせ、例えばシクロヘキシ
ルメタクリレート、N−ビニルカルバゾールおよびベン
ゾインメチルエーテルからなり、これを2枚のガラス板
に狭持し、二光束光学系で露光することによってホログ
ラム記録できる感光性樹脂組成物である。また、第2の
例としては、同程度の屈折率を持つ重合可能な不飽和エ
チレン性モノマーとそれが重合する際に架橋剤として働
く不飽和エチレン性モノマー、および2つのモノマーと
屈折率を異にする非反応性化合物と重合開始剤の4成
分、例えばブチルメタクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、1−フェニルナフタレンおよびベン
ゾインメチルエーテルからなり、第1の例と同様にして
ホログラムを作製することができる感光性樹脂組成物で
ある。何れの感光性樹脂組成物を用いても、二光束によ
ってできる干渉縞の光強度が強くなる部分でより反応性
の高いモノマーの重合が進むと共に、モノマーの濃度勾
配が生じ、反応性の高いモノマーは光強度の強い部分
に、また反応性の低いモノマーあるいは非反応性化合物
は光強度の弱い部分に拡散する。このようにして干渉縞
が屈折率の差で記録され、体積位相型ホログラムが形成
される。
【0011】また後者の米国特許第3658526号公
報には、ポリマーマトリックス中に液体モノマーおよび
光重合可能なエチレン性モノマーおよび光重合開始剤を
配合したホログラム記録材料からなる安定なホログラム
の製造方法が開示され、化学作用放射線の1回露光によ
って、永久的な体積位相型ホログラムが得られる。形成
されるホログラムは、引き続く化学作用放射線の全面照
射により、定着される。
【0012】また米国特許第3658526号公報に開
示されたホログラム記録材料の製造法も含めた改良技術
として、米国特許第4942112号公報および米国特
許第5098803号公報、また特開平2−3081号
公報および特開平2−3082号公報に開示されてい
る。これらには熱可塑性樹脂、重合可能な不飽和エチレ
ン性モノマーおよび光重合開始剤を基本組成とし、屈折
率変調を向上させるために熱可塑性樹脂または重合可能
な不飽和エチレン性モノマーのどちらか一方に芳香環を
有する化合物を用いて屈折率差となるようにし、また米
国特許第3658526号公報開示されているものと同
様に、高分子量の樹脂をバインダーマトリクッスとして
使用することによる露光時のモノマーの拡散性の制限か
ら、多くの露光量が必要となると共に高い回折効率を得
ることができないため、非反応性の可塑剤を添加してい
る。
【0013】また特開平5−107999号公報によれ
ば、上記特許における可塑剤の代わりにカチオン重合性
モノマーおよびカチオン重合開始剤を配合したものが提
案されている。さらに、エポキシ樹脂とラジカル重合性
不飽和エチレン性モノマーおよび光ラジカル重合剤から
なるホログラム記録用感光性樹脂組成物が特開平5−9
4014に開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記した体積位相型ホ
ログラムの記録材料は、屈折率変調を得るためのモノマ
ーの重合性或いは分散性の問題、またモノマーを担持す
る担体及び非反応性添加剤の添加による保存安定性の問
題等や、さらにはホログラム作製における作業性、得ら
れるホログラムの回折効率、透明性、再現性などのホロ
グラム特性の問題をそれぞれ有しているが、とくに乾式
現像法を用いる光重合型感光材料おいては、全てに共通
した課題としてホログラム形成時に使用された増感色素
が、そのまま系内に残留するため、着色したホログラム
となる問題があり、とくに高い透過率が要求されるヘッ
ドアップディスプレイ(HUD)など光学素子の用途に
おいては、深刻な問題となっている。そこで本発明は乾
式処理によるホログラム形成が可能であり、高透明性で
あるとともに耐候性に優れ、かつ高解像度、高回折効
率、再生波長再現性に優れた透明ホログラム感光性記録
材料及び透明ホログラム感光性記録媒体並びにそれを用
いた透明ホログラムの製造方法を提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべくなされたものであり、請求項1記載の発明は、記
録媒体中にコヒーレントな化学作用放射線である参照光
と、同じ放射線である対象光とを入射して干渉パターン
を形成しホログラムを作成する透明ホログラム用感光性
記録材料において、本質的に、(A)溶媒可溶性で常
温、常圧で固体である樹脂と、(B)常温、常圧で液体
で、かつ常圧で沸点が100℃以上であるラジカル重合
可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有
し、かつ成分(A)と屈折率の異なる重合性モノマー
と、(C)化学作用放射線に露光するとラジカル重合を
活性化する光開始剤と、(D)光開始剤(C)を増感す
るアミノ基を有する増感色素と、(E)光あるいは熱な
どの外的作用によりスルホン酸誘導体を生成する化合物
からなることを特徴とする透明ホログラム用感光性記録
材料である。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1の透明ホ
ログラム用感光性記録材料において、スルホン酸誘導体
を生成する化合物が下記一般式(1)で表されることを
特徴とする。
【化2】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン基、ニト
ロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基或いはアル
コキシ基からなる一つ以上の置換基で芳香環を置換して
なることを示す。)
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1記載の透
明ホログラム用感光性記録材料を溶媒に溶解して調製し
た感光液を基板上に塗布、乾燥してなる感光層と、保護
層とを設けてなることを特徴とする透明ホログラム用感
光性記録媒体である。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項3記載の透
明ホログラム用感光性記録媒体の感光層に対して、ホロ
グラフィックな露光を施し潜像を形成した後、光あるい
は熱などの外的作用を与え、前記スルホン酸誘導体を生
成する化合物から生成されるスルホン酸誘導体により前
記アミノ基を有する増感色素を退色又は消色してなるこ
とを特徴とする透明ホログラムの製造方法である。
【0019】
【作用】本発明によれば、ラジカル重合可能な脂肪族モ
ノマー(B)は、溶媒可溶性で常温、常圧で固体である
樹脂(A)に均一に分布しているが、この記録材料にレ
ーザ干渉光を照射することにより、レーザ照射部位中の
光干渉作用の強い部位において、光開始剤(D)が増感
色素(C)の作用で光開始剤(D)から生じたラジカル
重合活性種により、脂肪族モノマー(B)が重合しポリ
マー化するに伴い、その濃度差が生じるため、周囲から
脂肪族モノマー(B)が拡散移動する。すなわちレーザ
照射部位中の光干渉作用の強い部位においてはモノマー
濃度が高くなり、レーザ照射部位中の光干渉作用の弱い
部位においては低くなる。また、樹脂(A)はレーザ照
射部位中の光干渉作用の弱い部位に押し出され、その部
分での濃度が高くなると共に、レーザ照射部位中光干渉
作用の強い部位での濃度は低下する。これにより、両部
位において屈折率差を生じるため、ホログラムの潜像が
記録される。
【0020】そして、光、熱などの外的作用によりスル
ホン酸誘導体を発生する化合物(E)を添加することに
より、ホログラム形成後に光あるいは熱などの外的作用
を与えることで、記録媒体中に残留するこのアミノ基を
有する増感色素(D)がスルホン酸誘導体によって退色
・消色する。すなわち、感光性記録材料中に加えられて
いる増感色素(D)は、予め添加されるスルホン酸誘導
体を発生する化合物(E)が光、熱などの外的作用によ
りスルホン酸誘導体を生成し、これによって増感色素
(D)のアミノ基が4級化されるため、増感色素(D)
の吸収波長域が短波長側にシフトし紫外波長域に移るた
め、可視領域(400〜700nm)での退色・消色が
生じる。また4級化したアミノ基を有する増感色素
(D)は耐候性、保存安定性に優れており、長期にわた
る保存においても分解などにより着色が起こらず、安定
した透明なホログラムが得られる。
【0021】本発明の透明ホログラム用感光性記録材料
は、屈折率変調、回折効率、再生光のピーク波長ならび
にそのバンド幅の再現性が優れており、さらに耐環境特
性も優れていることから、ヘッドアップディスプレイな
どの高い透明性が要求されるホログラム光学素子への応
用が可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明する。図1は本発
明の透明ホログラム用感光性記録材料からなる透明ホロ
グラム用感光性記録媒体の構成を説明する概略図であ
り、図2は反射型ホログラム撮影用の二光束光学系を説
明する概略説明図である。
【0023】本発明の透明ホログラム用感光性記録材料
を構成する、成分(A)溶媒可溶性で常温、常圧で固体
である樹脂としては、例えばポリメタクリル酸エステ
ル、ポリアクリル酸エステルおよびそれらの部分加水分
解物、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアセテート、ポリビニルフォルマー
ル、ポリビニルアセタール、ポリクロロプレン、ポリ塩
化ビニル、セルロースアセテート、セルロースアセテー
トブチレート、メチルセルロース、エチルセルロース、
塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N
−ビニルカルバゾール、ポリ−N−ビニルピロリドン、
ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸
ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体およびスチレ
ン、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
アクリルアミド、メタクリルアミド等の共重合可能なモ
ノマーからなる共重合体などに代表される熱可塑性樹脂
や、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェ
ノールB、ビスフェノールAF、ビスフェノールS、ノ
ボラック、o−クレゾールノボラック、p−アルキルフ
ェノールノボラック等の各種フェノール化合物とエピク
ロロヒドリンとの縮合反応により生成されるエポキシ樹
脂に代表され熱硬化性樹脂が挙げられる。なお、上記に
挙げた樹脂以外も用いることが可能であり、これらに限
定されるものではない。また、これらの溶媒可溶性で常
温、常圧で固体である樹脂は2種類以上混合して用いて
もよい。
【0024】また成分(B)常温、常圧で液体で、かつ
常圧で沸点が100℃以上であるラジカル重合可能なエ
チレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有し、かつ成
分(A)と屈折率の異なる重合性モノマーとしては、構
造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なくとも1個以
上含むものであり、1官能であるビニルモノマーの他に
多官能ビニルモノマーを含むものであり、またこれらの
混合物であってもよい。実際には上述したコーゲルニッ
ク(H. Kogelnik)の理論により成分(A)と成分(B)
との屈折率差は0.03以上あることが望ましい。
【0025】具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート等の高沸点ビニルモノマー、さらには、脂肪族
ポリヒドロキシ化合物、例えば、エチレングルコール、
ジエチレングルコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラ
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,10−デカンジオール、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソル
ビトール、マンニトールなどのジあるいはポリ(メタ)
アクリル酸エステル類、或いはジメチロールトリシクロ
デカンモノアクリレートやジメチロールトリシクロデカ
ンジアクリレートなどの脂環式ポリヒドロキシ化合物や
芳香族ポリヒドロキシ化合物、例えばヒドロキノン、レ
ゾルシン、カテコール、ピロガロール、ビスフェノール
Aなどのジあるいはポリ(メタ)アクリル酸エステル、
イソシアヌル酸のエチレンオキシド変性(メタ)アクリ
ル酸エステル、2−フェノキシエチルメタクリレート、
フェノールエトキシレートモノアクリレート、p−クロ
ロフェニルアクリレート、KAYARAD−R551
(商品名 日本化薬社製)等が挙げられる。
【0026】本発明の成分(C)化学作用放射線に露光
するとラジカル重合を活性化する光開始剤系としては、
Macromolecules、10、1307(19
77).に記載の化合物、例えばジフェニルヨードニウ
ム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)
ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウ
ム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、
ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムなどのヨード
ニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化塩、
ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアル
セネート塩等のヨードニウム塩、トリアリールスルホニ
ウム塩、トリアリールホスホニウム塩、さらに鉄アレー
ン錯体などの他に、tert−ブチルペルオキシド−i
so−ブタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス−
(ベンゾイルジオキシ)ヘキサン、1,4−ビス〔α−
(tert−ブチルジオキシ)−iso−プロポキシ〕
ベンゼン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルジオキ
シ)ヘキセンヒドロペルオキシド、α−(iso−プロ
ピルフェニル)−iso−プロピルヒドロペルオキシ
ド、2,5−ビス(ヒドロペルオキシ)−2,5−ジメ
チルヘキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、
1,1−ビス(tert−ブチルジオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサノン、ブチル−4,4−ビ
ス(tert−ブチルジオキシ)バレレート、シクロヘ
キサノンペルオキシド、2,2’5,5’−テトラ(t
ert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペ
ルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,
4’−テトラ(tert−アミルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t
ert−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、3,3’−ビス(tert−ブチルペルオキシカル
ボニル)−4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、t
ert−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−tert
−ブチルジペルオキシイソフタレートなどの有機過酸化
物や、9,10−アンスラキノン、1−クロロアンスラ
キノン、2−クロロアンスラキノン、オクタメチルアン
スラキノン、1,2−ベンズアンスラキノンなどのキノ
ン類や、ベンゾインメチル、ベンゾインエチルエーテ
ル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾインな
どのベンゾイン誘導体等を挙げることができる。
【0027】さらに、本発明の光開始剤(C)を増感す
る1種類以上のアミノ基を有する成分(D)増感色素と
しては、具体的にはローダミンB、クリスタルバイオレ
ット、マラカイトグリーン、オーラミンO、ホスフィン
R、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、セトフ
ラビンT、ブリリアントクレイスルブルー、ニュートラ
ルレッド、チオニン、メチレンブルー、インジゴ、ピナ
シアノール、テトラフェニルポルフィリン、3,3’−
カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−
(2’−ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミノクマ
リン、3−(2’−ベンズイミダゾール)−7−ジエチ
ルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジ
メチルアミノクマリン)、7−ジエチルアミノ−5’,
7’−ジメトキシ−3,3’−カルボニルビスクマリ
ン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3
−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−アセ
チル−7−ジエチルアミノクマリン、7−ジメチルアミ
ノ−3−(4−ヨードベンゾイル)クマリン、7−ジエ
チルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)ク
マリン、2−ベンゾイル−3−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−2−プロペンニトリル、2,5−ビス{〔4
−(ジエチルアミノ)−フェニル〕メチレン}−シクロ
ペンタノン、2,5−ビス{〔4−(ジメチルアミノ)
−フェニル〕メチレン}−シクロペンタノン、2,6−
ビス{〔4−(ジエチルアミノ)−フェニル〕メチレ
ン}−シクロヘキサノン、2,6−ビス{〔4−(ジメ
チルアミノ)−フェニル〕メチレン}−シクロヘキサノ
ン、3−エチル−2−〔(3−エチル−2−ベンゾチア
ゾリニリデン)メチル〕−3H−ベンゾチアゾリニウム
ヨージド、3−エチル−2−〔(1−エチル−2(1
H)−キノリリデン)メチル〕ベンゾチアゾリニウムヨ
ージド、3−エチル−2−〔3−(3−エチル−2−ベ
ンズオキサゾリニリデン)−1−プロペニル〕ベンゾオ
キサゾリニウムヨージド。3−エチル−5−〔2−(3
−エチル−2−ベンゾリアリニデン)エチリデン〕ロー
ダニン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)−1−エ
チルピリジニヨージド、2−(p−ジメチルアミノスチ
リル)−1−エチルピリジニウムヨージド、2−(p−
ジメチルアミノスチリル)−3−エチルベンゾチアゾリ
ニウムヨージドなどが挙げられる。その他には、「色素
ハンドブック」(大河原 信、北尾悌次郎、平嶋 恒
亮、松岡 賢 編 講談社 1986年)に記載される
多くのアミノ基を有する色素化合物を本発明に用いるこ
とができる。また、これらの増感色素はホログラムの使
用目的によって異なる化学作用放射線の波長に合うよう
に選択することができ、用途によっては2種類以上を組
み合わせて使用することも可能である。
【0028】次に本発明の成分(E)光あるいは熱など
の外的作用によりスルホン酸誘導体を生成する化合物
は、光あるいは熱などの外的作用によって、下記一般式
(1)で表されるスルホン酸誘導体が生成するものであ
ればよい。
【化3】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン基、ニト
ロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基或いはアル
コキシ基からなる一つ以上の置換基で芳香環を置換して
なることを示す。)
【0029】成分(E)の化合物としては、具体的には
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメシレート、4−
メトキシジフェニルヨードニウムトリフルオロメシレー
ト、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウ
ムトリフルオロメシレート、ジフェニルヨードニウムメ
シレート、4−メトキシジフェニルヨードニウムメシレ
ート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニ
ウムメシレート、ジフェニルヨードニウムトシレート、
4−メトキシジフェニルヨードニウムトシレート、ビス
(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトシレ
ート、ビス(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨ
ードニウム)1,3−ベンゼンスルホネート、2,6−
ジニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジ
ルメシレート、トリフェニルスルホニウム、トリフルオ
ロメシレート、4−メトキシトリフェニルスルホニウム
トリフルオロメシレート、4−メチルトリフェニルスル
ホニウムトリフルオロメシレート、4−フルオロトリフ
ェニルスルホニウムトリフルオロメシレート、ベンゾイ
ントシレート、ピロガロールトリメシレート、2−ニト
ロベンジルトシレート、4,5−ジメトキシ−2−ニト
ロベンジルトシレート、ジフェニルジスルホン、ジ(p
−トリル)ジスルホン、DAM−101(みどり化学社
製)、DAM−201(みどり化学社製)、PI−10
5(みどり化学社製)、NDI−105(みどり化学社
製)、NAI−105(みどり化学社製)、ジフェニル
ヨードニウム、9,10−ジエトキシアントラセンスル
ホネート、p−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシ
アントラセン−2−スルホネート、p−ニトロベンジル
−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネー
ト、ベンジルp−クロロベンゼンスルホネート、ベンジ
ルm−クロロベンゼンスルホネート、ベンジルp−メト
キシベンゼンスルホネート、ベンジルp−シアノベンゼ
ンスルホネート、p−クロロベンジル、p−クロロベン
ゼンスルホネート、m−クロロベンジルp−クロロベン
ゼンスルホネート、p−ブロモベンジルp−クロロベン
ゼンスルホネート、m−ブロモベンジルp−クロロベン
ゼンスルホネート、p−エチルベンジルp−クロロベン
ゼンスルホネート、ベンジルトシレート、p−ヒドロキ
シベンジルトシレート、m−ヒドロキシベンジルトシレ
ート、p−メトキシベンジルトシレート、m−メトキシ
ベンジルトシレート、p−メチルベンジルトシレート、
m−メチルベンジルトシレート、p−クロロベンジルト
シレート、m−クロロベンジルトシレート、p−ニトロ
ベンジルトシレート、m−ニトロベンジルトシレート、
p−ブロモベンジルトシレート、m−ブロモベンジルト
シレート、p−シアノベンジルトシレート、m−シアノ
ベンジルトシレートなどを挙げることができる。
【0030】なお、これらに限定されるものではなく、
一般に相当するアルコールとp−トルエンスルホニルク
ロライドやメチルスルホニルクロライドなどのスルホン
酸誘導体の酸塩化物との反応で得られるスルホン酸エス
テルを用いることもできる。これらは2種類以上を組み
合わせて使用しても構わない。
【0031】本発明の透明ホログラム用感光感熱記録材
料は、上記したように(A)溶媒可溶性で、溶媒可溶性
で常温、常圧で固体である樹脂と、(B)常温、常圧で
液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上であるラジカル
重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上
有し、かつ樹脂(A)と屈折率の異なる重合性モノマー
と、(C)化学作用放射線に露光するとラジカル重合を
活性化する光開始剤と、(D)光開始剤(C)を増感す
るアミノ基を有する増感色素と、(E)光あるいは熱な
どの外的作用によりスルホン酸誘導体を生成する化合物
からなり、樹脂(A)及び重合性モノマー(B)の混合
比は、樹脂(A)が過剰であるとレーザによるホログラ
フィック露光で重合するモノマー量が不足するために高
い屈折率変調が得られないことや、また重合性モノマー
(B)が過剰であると最初のホログラフィック露光で重
合せずに系内に残留するモノマーが、製造工程において
拡散しながら重合を起こし、一旦形成されたホログラム
の干渉縞が乱れ、高い屈折率変調が得られないことがあ
るため、その混合割合については注意する必要がある。
なお明るいホログラムを得るための樹脂(A)及び重合
性モノマー(B)の組み合わせについては、例としては
上記した米国特許第4942112号公報、米国特許第
5098803号公報、特開平2−3081号公報、特
開平2−3082号公報、特開平5−107999、特
開平5−94014号公報、或いは本出願人による特願
平6−46742号、特願平6−149796号、特願
平6−149797号、特願平6−149798号、特
願平6−148244号、特願平6−148245号、
特願平6−178812号等に記載されている。また成
分(C)の光開始剤の量は、成分(A)100重量部に
対し、0.1から20重量部、好ましくは1から10重
量部である。さらに、成分(D)の増感色素は、成分
(A)100重量部に対して0.1から10重量部、好
ましくは0.5から5までの範囲をとることが可能であ
る。
【0032】このように、透明ホログラム用感光感熱記
録材料の各成分を適宜選択し、任意の割合で混合して得
た感光液をスピンコーター、ロールコータ、バーコータ
ーなど公知の塗工手段を用いて、ガラス板やポリカーボ
ネート板、ポリメチルメタクリレート板、ポリエステル
フィルムなどの基板2上に皮膜状に塗布したものが図1
に示すホログラムが作製される通常のホログラム撮影用
の透明ホログラム用感光性記録媒体1である。さらに感
光層3上には酸素遮断膜として保護層4を設けてもよ
い。保護層4には例えば上記基板2と同等なもの、或い
はポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンテレフタ
レートなどのプラスチック、ガラスなど光学的に透明な
ものを用いて、感光層を挟持する貼り合わせや押出機な
どによる積層、或いは溶液の塗工などにより形成され
る。なお、感光液を塗布する際は、必要に応じて適当な
溶剤で希釈してもよいが、その場合には基板上に塗布し
た後に、乾燥を要する。
【0033】さらに本発明の透明ホログラム用感光感熱
記録材料には、必要に応じて公知の熱重合禁止剤、連鎖
移動剤、酸化防止剤などの各種添加剤を加えてもよい。
【0034】図2は反射型ホログラム撮影用の二光束光
学系を説明する概略図であり、レーザ5から発振された
レーザ光6は、ミラー7、ビームスプリッター8、スペ
イシャルフィルター9、レンズ10を介してホログラム
記録用媒体1に照射される。なお本発明では露光による
ホログラム撮影後、定着工程を乾式処理(光照射及び/
又は熱処理)で行なっている。なお、本発明は、詳細な
説明及び図示をしないが透過型ホログラムの作製につい
ても同様に可能であり、優れたホログラム特性を有する
透過型ホログラムが得られる。
【0035】干渉パターンの露光工程における、本発明
の透明ホログラム用感光性記録材料に適した光源として
は、ヘリウム−カドミウムレーザ、アルゴンレーザ、ク
リプトンレーザ、ヘリウムネオンレーザ等が利用できる
が、これに限定されるものではない。
【0036】さらにホログラム作製後に外的作用により
スルホン酸誘導体を発生させるための手段としては、高
圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアー
ク灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等による全
面露光や、オーブンやホットプレートなどによる加熱な
どがあるが、これに限定されるものではない。またこれ
らの方法2種類以上組み合わせてもよい。なお、外的作
用としては、いわゆる外的刺激であり、光、熱以外に特
定の酸などがある。
【0037】この透明ホログラム用感光性記録媒体1に
ホログラム画像を記録する場合は、所望の画像に合わせ
てレーザ照射を加えることにより、レーザ照射部位の光
干渉作用の強い部位は、溶媒可溶性で常温、常圧で固体
である樹脂(A)中に均一に分散している常温、常圧で
液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上であるラジカル
重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上
有し、かつ成分(A)と屈折率の異なる重合性モノマー
(B)が、レーザー(レーザ干渉光)照射により感光さ
せると光重合開始剤の作用によって、重合しポリマー化
するため、その周囲のラジカル重合可能な重合性モノマ
ー(B)の移動が生じる。このためレーザ照射部位の光
干渉の強い部位では、ラジカル重合可能な重合性モノマ
ー(B)の濃度が高くなり、また光干渉作用の弱い部位
では、ラジカル重合可能な重合性モノマー(B)の濃度
が低下するので、透明ホログラム用感光性記録媒体1の
光干渉の強い部位と光干渉作用の弱い部位との密度差か
ら屈折率が異なることによる屈折率変調が生じ、ホログ
ラム画像記録が行われるものである。さらにホログラム
形成後の記録媒体中に残留するこのアミノ基を有する増
感色素(D)は予め添加されるスルホン酸誘導体を発生
する化合物(E)が光、熱などの外的作用により生成さ
れるスルホン酸誘導体によって増感色素(D)のアミノ
基が4級化されるため、増感色素(D)の吸収波長域が
短波長側にシフトし紫外波長域に移るため、可視領域
(400〜700nm)での退色・消色が生じる。また
4級化したアミノ基を有する増感色素(D)は耐候性、
保存安定性に優れており、長期にわたる保存においても
分解などにより着色が起こらず、安定した透明なホログ
ラムが得られる。
【0038】以下、具体的な実施例により本発明をさら
に詳細に説明する。 <実施例1>ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名
「エピコート1007」 油化シェルエポキシ社製)1
00重量部、トリエチレングリコールジアクリレート5
0重量部およびジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ
フォスフェート5重量部、3,3’−カルボニルビス
(7−ジエチルアミノ)クマリン1重量部、2−ニトロ
ベンジルトシレート5重量部を2−ブタノン200重量
部に混合溶解したものを感光液とした。この感光液を膜
厚約15μmになるようにガラス基板に塗布し感光層を
形成した後、感光層上をポリビニルアルコール(PV
A)膜で覆い、透明ホログラム用感光性記録媒体1を作
製した。
【0039】透明ホログラム用感光性記録媒体1を、図
2に示すホログラム撮影用の二光束光学系により光源と
してアルゴンレーザ(514.5nm、露光量20mJ
/cm2 )を用いて露光しホログラム画像を作製した
後、100℃で30分加熱処理を行った。さらに2−ニ
トロベンジルトシレートを光分解するために高圧水銀灯
で100mJ/cm2 の光照射を行なった。
【0040】得られたホログラムを可視光域(400〜
700nm)における平均透過率を測定したところ90
%を示した。さらにこのホログラムを150℃で1時間
加熱処理したところ、酸化等によるシートの着色は生じ
ることはなく、同様にシートの可視光域(400〜70
0nm)における平均透過率を測定したところ90%を
示した。なお、上記スルホン酸誘導体処理前の段階での
透過率は60%T前後である。また、そのホログラムの
回折効率は、日本分光工業(株)製の分光光度計により
測定した。この分光光度計は、幅3mmのスリットを有
したフォトマルチメーターを、試料を中心にした半径2
0cmの円周上に設置できるものである。測定条件は幅
0.3mmの単色光を試料に45度の角度で入射し、試
料からの回折光を検出した。正反射光以外で最も大きな
値と、試料を置かずに直接入射光を受光したときとの比
を回折効率とした。その結果は回折効率が95%であ
り、屈折率変調は0.0204であった。
【0041】<実施例2−5>実施例1の3−(2’−
ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミノクマリン(D
ye−1)の代わりに3,3’−カルボニルビス(7−
ジエチルアミノクマリン)(Dye−2)、2,5−ビ
ス{〔4−(ジエチルアミノ)−フェニル〕メチレン}
−シクロペンタノン(Dye−3)、2,6−ビス
{〔4−(ジメチルアミノ)−フェニル〕メチレン}−
シクロヘキサノン(Dye−4)、3−エチル−5−
〔2−(3−エチル−2−ベンゾリアゾリニリデン)エ
チリデン〕ローダニン(Dye−5)を用いる以外は、
実施例1と同様に行ない、各時点でのホログラムの平均
透過率を測定した。これを実施例1の結果と合わせて表
1に示す。ただし、T−1は、光を照射した後の可視光
域(400〜700nm)におけるシートの平均透過率
を測定したものであり、またT−2は、さらに150℃
で1時間加熱した後の可視光域(400〜700nm)
におけるシートの平均透過率を測定したものである。な
お、D.E.およびR.I.Cはそれぞれ回折効率、屈
折率変調を示す。
【0042】
【表1】
【0043】Dye−1:3−(2’−ベンゾチアゾー
ル)−7−ジエチルアミノクマリン Dye−2:3,3’−カルボニルビス(7−ジエチル
アミノクマリン) Dye−3:2,5−ビス{〔4−(ジエチルアミノ)
−フェニル〕メチレン}−シクロペンタノン Dye−4:2,6−ビス{〔4−(ジメチルアミノ)
−フェニル〕メチレン}−シクロヘキサノン Dye−5:3−エチル−5−〔2−(3−エチル−2
−ベンゾリアゾリニリデン)エチリデン〕ローダニン
【0044】<実施例6−10>実施例1〜5のビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート100
7」 油化シェルエポキシ社製)の代わりに酢酸ビニル
を用い、さらにトリエチレングリコールジアクリレート
の代わりにKAYARAD−R551(商品名日本化薬
社製)を用いる以外は,実施例1と同様にホログラムを
作製し、平均透過率、回折効率、屈折率変調を測定し
た。その評価結果を表2に示す。ただし、T−1は、1
00℃で30分間加熱処理した後に高圧水銀灯で100
mJ/cm 2 の光照射を行なった時の可視光域(400
〜700nm)におけるシートの平均透過率を測定した
ものであり、またT−2は、さらに150℃で1時間加
熱した後の可視光域(400〜700nm)におけるシ
ートの平均透過率を測定したものである。
【0045】
【表2】
【0046】<実施例11−15>実施例1〜5の2−
ニトロベンジルトシレートの代わりにp−メトキシベン
ジルトシレートを用いる以外は,同様にホログラムを作
製した。なお、2−ヒドロキシトシレートの代わりにp
−メトキシベンジルトシレートを用いた場合は高圧水銀
灯による光照射の代わりに130℃で10分間加熱処理
を行ない、スルホン酸誘導体(p−トルエンスルホン
酸)を生成させた。これも同様にホログラムのートの平
均透過率、回折効率、屈折率変調を測定した。これを表
3に示す。ただし、T−1は、100℃で30分間加熱
処理した後に130℃で10分間加熱処理を行なった時
の可視光域(400〜700nm)におけるシートの平
均透過率を測定したものであり、またT−2は、さらに
150℃で1時間加熱した後の可視光域(400〜70
0nm)におけるシートの平均透過率を測定したもので
ある。
【0047】
【表3】
【0048】<実施例16−20>実施例11〜15の
p−メトキシベンジルトシレートの代わりに2−フェニ
ルエチルトシレートを用いる以外は、実施例11と同様
にホログラムを作製し、平均透過率、回折効率、屈折率
変調を測定した。その評価結果を表4に示す。ただし、
T−1は、100℃で30分間加熱処理した後130℃
で10分間加熱処理を行なった時の可視光域(400〜
700nm)におけるシートの平均透過率を測定したも
のであり、またT−2は、さらに150℃で1時間加熱
した後の可視光域(400〜700nm)におけるシー
トの平均透過率を測定したものである。
【0049】
【表4】
【0050】<比較例1−5>実施例1〜5において、
2−ニトロベンジルトシレートを添加しないこと以外は
同様にホログラムを作製し、同様に平均透過率、回折効
率、屈折率変調を測定した。その評価結果を表5に示
す。ただし、T−1は、100℃で30分間加熱処理し
た後の可視光域(400〜700nm)におけるシート
の平均透過率を測定したものであり、またT−2は、さ
らに150℃で1時間加熱した後の可視光域(400〜
700nm)におけるシートの平均透過率を測定したも
のである。これらは回折効率、屈折率変調については光
あるいは熱などの外的作用によりスルホン酸誘導体を生
成する化合物である2−ニトロベンジルトシレートを添
加しない場合でもほとんど変化は見られないが、透明性
に大きな差を生じており、添加しない場合は光透過性が
20〜30%低く、とくに150℃に加熱処理した時点
ではさらに低下した。
【0051】
【表5】
【0052】<比較例6−10>実施例16〜20にお
いて、2−フェニルエチルトシレートを添加しないこと
以外は同様にホログラムを作製し、同様に平均透過率、
回折効率、屈折率変調を測定した。その評価結果を表6
に示す。ただし、T−1は、100℃で30分間加熱処
理した後の可視光域(400〜700nm)におけるシ
ートの平均透過率を測定したものであり、またT−2
は、さらに150℃で1時間加熱した後の可視光域(4
00〜700nm)におけるシートの平均透過率を測定
したものである。これらは比較例1〜5と同様に回折効
率、屈折率変調については光あるいは熱などの外的作用
によりスルホン酸誘導体を生成する化合物である2−ニ
トロベンジルトシレートを添加しない場合でもほとんど
変化は見られないが、透明性に大きな差を生じており、
添加しない場合は光透過性が20〜30%低く、とくに
150℃に加熱処理した時点ではさらに低下した。
【0053】
【表6】
【0054】<比較例11>実施例1において、2−ニ
トロベンジルトシレートを添加しないこと以外は同様に
ホログラムを作製し、さらに実施例と同程度の退色が生
じるように高圧水銀灯を用いて光照射を行なったとこ
ろ、10J/cm2 の光エネルギーを与えても可視光域
(400〜700nm)におけるシートの平均透過率は
80%程度にとどまった。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、(A)溶媒
可溶性で常温、常圧で固体である樹脂と、(B)常温、
常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上であるラ
ジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1
個以上有し、かつ成分(A)と屈折率の異なる重合性モ
ノマーと、(C)化学作用放射線に露光するとラジカル
重合を活性化する光開始剤と、(D)光開始剤(C)を
増感するアミノ基を有する増感色素と、(E)光あるい
は熱などの外的作用によりスルホン酸誘導体を生成する
化合物から構成されることにより、とくに乾式処理にお
いて可視光域における高い透明性が得られるとともに、
耐熱性など耐候性に優れ、かつ化学的に安定したホログ
ラムを提供することができる。とくにヘッドアップディ
スプレイなどの極めて要求性能の高いホログラム光学素
子(HOE)用の透明ホログラム用感光性記録材料に用
いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明ホログラム用感光性記録材料から
なる透明ホログラム用感光性記録媒体の構成を説明する
概略図である。
【図2】ホログラム撮影用の二光束光学系を説明する概
略図である。
【符号の説明】
1 透明ホログラム用感光性記録媒体 2 基板 3 感光層 4 保護層 5 レーザ 6 レーザ光 7 ミラー 8 ビームスプリッター 9 スペイシャルフィルター 10 レンズ 11 レンズ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体中にコヒーレントな化学作用放射
    線である参照光と、同じ放射線である対象光とを入射し
    て干渉パターンを形成しホログラムを作成する透明ホロ
    グラム用感光性記録材料において、本質的に、(A)溶
    媒可溶性で常温、常圧で固体である樹脂と、(B)常
    温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上であ
    るラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくと
    も1個以上有し、かつ成分(A)と屈折率の異なる重合
    性モノマーと、(C)化学作用放射線に露光するとラジ
    カル重合を活性化する光開始剤と、(D)光開始剤
    (C)を増感するアミノ基を有する増感色素と、(E)
    光あるいは熱などの外的作用によりスルホン酸誘導体を
    生成する化合物からなることを特徴とする透明ホログラ
    ム用感光性記録材料。
  2. 【請求項2】光あるいは熱などの外的作用により生成す
    るスルホン酸誘導体が下記一般式(1)で表されること
    を特徴とする請求項1記載の透明ホログラム用感光性記
    録材料。 【化1】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン基、ニト
    ロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基或いはアル
    コキシ基からなる一つ以上の官能基で芳香環を置換して
    なることを示す。)
  3. 【請求項3】請求項1記載の透明ホログラム用感光性記
    録材料を溶媒に溶解して調製した感光液を基板上に塗
    布、乾燥してなる感光層と、保護層とを設けてなること
    を特徴とする透明ホログラム用感光性記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項3記載の透明ホログラム用感光性記
    録媒体の感光層に対して、ホログラフィックな露光を施
    し潜像を形成した後、光あるいは熱などの外的作用を与
    え、前記スルホン酸誘導体を生成する化合物から生成さ
    れるスルホン酸誘導体により前記アミノ基を有する増感
    色素を退色又は消色してなることを特徴とする透明ホロ
    グラムの製造方法。
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