JPH0819044B2 - エイコサペンタエン酸のグリセリド - Google Patents

エイコサペンタエン酸のグリセリド

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JPH0819044B2
JPH0819044B2 JP60292952A JP29295285A JPH0819044B2 JP H0819044 B2 JPH0819044 B2 JP H0819044B2 JP 60292952 A JP60292952 A JP 60292952A JP 29295285 A JP29295285 A JP 29295285A JP H0819044 B2 JPH0819044 B2 JP H0819044B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエイコサペンタエン酸(以下EPAの略記す
る)の食用油脂製品用グリセリンエステル(グリセリ
ド)に関する。
〔従来の技術〕
EPAは魚油の脂肪酸の1つとして自然界に多く存在す
る。EPA等の高度不飽和脂肪酸は古くから栄養学上注目
されていたが特にジェイ・ダイアバーグ(J.Dyerberg)
が成人病の予防に有効であることを報告〔「The Lance
t.」Luly 15,117(1978)〕以来それについての研究が
盛んになり、さらにプロスタグランジンの出発物質とし
て生命維持に重要な役割を果たすことが知られ、医薬
品、栄養補助食品への応用が拡大されるようになってき
た。
上記したように、EPAは魚油等の脂肪酸成分として自
然界に存在するが各種魚油中のEPA含有量はほぼ、おき
あみ油16.5%、いわし油15.8%、スケトウタラ肝油12.6
%、イカ油10.2%、サバ油8.1%、サンマ油4.9%、サメ
肝油3.6%程度である(油化学ガスクロデータ1978〜198
0)。これら油からEPAが結合したグリセリドを分離、精
製する方法として低温結晶化法(特開昭59-59644号、同
59-67241号)がある。この方法では、EPA含量25%程度
のものまで分離できる。またクロマトグラフィー、溶剤
抽出、分子蒸留法等による分離精製方法も知られている
が、濃縮法によっては約30%のEPA含有量のものが得ら
れているに過ぎない。
一方EPAの消化吸収はそのグリセリド形が有利である
とされているので、EPAの含有量の高いEPAのグリセリド
が要望されているが、EPAの含有量30〜70モル%が結合
しているグリセリドは未だ知られていない。
本出願人は、既に先の特許出願(特開昭61-43143号)
明細書において、EPAの含有量30%以上のグリセリドと
その製造方法を開示しているが、そのグリセリドをマー
ガリンの油脂成分として用いる場合にマーガリンをさら
に固化しやすくさせるための研究開発の余地が残されて
いる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
既に知らているように魚油は空気中におくたけで自動
酸化を起こし栄養価の低下を招き、風味も悪くなる。こ
れは魚油等から濃縮して得られるEPA含有油脂成分も同
様であって、この劣化現象はフリーラジカル連鎖反応に
より進み、油脂中にヒドロペルオキシドが蓄積しその分
解生成物が毒性や変敗臭の原因となるためその用途は制
限されている。
このため魚油等から濃縮して得られるEPAのグリセリ
ドは栄養補助食品として注目され、また食品添加物とし
ても考慮されていたがそれらを用いた食品を実用化され
ていない。
また上述したように本出願人はEPAの結合比率が高い
グリセリドとその製造方法を既に開発したが、この既開
発の方法によって得られたEPAのグリセリド中には必然
的にその原料物質である低級脂肪酸トリグリセリド由来
の低級脂肪酸のアシル基を残留させることになり、この
低級脂肪酸のアシル基の存在によって生成するEPAのグ
リセリドはその融点が低く、これを固型の油脂製品であ
るマーガリンやショートニングの原料成分として使用す
ることには問題があった。そこで、EPAのグリセリドで
あるがより融点が高い、即ち固化しやすいものが求めら
れたのである。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで油脂以外の不純物を極力低下させ、EPAの含有
量の多い、好ましくはEPAのみが結合したグリセリドを
得れば、結果的にはEPAグリセリドの使用量を減じるこ
とができ、前述した魚油ないしは魚油濃縮物にみられる
栄養低下や風味の悪化は低減できるとの発想と、先の本
出願人の開発した方法においてEPAの低級アルキルエス
テルとエステル交換させる低級脂肪酸グリセリドの代わ
りに高級脂肪酸グリセリドを用いるならば、生成物とし
てEPAを高濃度で含有しかつ融点の高いグリセリドを得
ることが可能であるかも知れないとの発想のもとに、EP
Aの低級アルキルエステルと水添硬化油(高級脂肪酸グ
リセリド)とをエステル交換させたところEPAを高濃度
で含有しかつ融点が高く、かつ食用油脂製品として風味
の優れた生成物を得ることができ、かくして本発明を完
成したのである。
すなわち、本発明はEPAの低級脂肪酸エステルと水添
硬化油とをエステル交換反応に付して得られるEPAのア
シル基が全アシル基の30〜70モル%以上含まれる食用油
脂製品用EPAのグリセリドに関する。
原料であるEPAの低級アルキルエステルは高純度のも
のが好ましいが前述したとおりEPAの低級アルキルエス
テルも不安定であり、劣化しやすいため高純度のものは
商業的に入手困難である。したがって場合によっては生
成物のEPAのグリセリドは比較的にEPAの低級アルキルエ
ステルの含有量の低いものでもよく、例えば30%以上の
EPAの低級アルキルエステルを含有する粗製の低級アル
キルエステルも使用できる。
EPAの低級アルキルエステルを調製するには精製イワ
シ油を低級アルコールとエステル交換反応に付し脂肪酸
エステル混合物を得る。脂肪酸エステル混合物は尿素包
接化により飽和脂肪酸エステルを除き、EPA含有量を35
〜40%とした後、蒸留を繰り返し高純度EPAエステルを
得る。
また一方の原料であるグリセリドとしては高級脂肪酸
のアシル基を含むものが必要であって、本発明において
は水添硬化油を用いる。水添硬化油としては水添硬化パ
ーム油等の市販の硬化油が好ましい。
次いで、含窒素強有機塩基(ジアザビシクロウンデセ
ン等)、強塩基性樹脂(アンバーリストA-26 オルガノ
社)、アルカリ金属アルコラート例えばナトリウムメチ
ラートなどの存在下に、高級脂肪酸のトリグリセリド例
えば硬化パーム油と高純度EPAの低級アルキルエステル
とのエステル交換反応によって調製される。前記のよう
な高級脂肪酸のトリグリセリドと高純度EPAの低級アル
キルエステルを1:1〜5モルの割合で反応器に加え、こ
れらの出発原料量に対し1〜5重量%のナトリウムメチ
ラートを加え、加熱、攪拌し、反応を進行させる。反応
温度は60〜200℃、好ましくは80〜100℃、反応時間は0.
5〜10時間、好ましくは1〜3時間で充分である。反応
時間をさらに長くすると、EPAで高度に置換されたグリ
セリドが得られるが、酸化あるいは重合反応が起るの
で、EPAが70モル%程度置換された段階で反応を停止す
る。反応の停止には反応混合物に水を加えればよく、ま
たEPAの酸化を防止するため、反応および操作は窒素な
どの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
必要ならば反応液を酸で中和し、これに水と必要に応
じて有機溶媒例えば酢酸エチルを加えて振盪し、二層に
分離後、水層を除き、有機層はさらに水洗を行う。次に
有機層を分取し、溶媒使用の場合は減圧下に溶媒を留去
して淡褐色、透明なEPAを含む油状物を得る。
また、1〜2重量%の活性白土を用いて油状物の脱色
を行うのが好ましい。その脱色油は、未反応及び生成し
た低級アルキルエステルを含むので、温度190〜220℃、
真空度3〜5Torrで60分間蒸留を行なう。蒸留後3〜5
%の水蒸気を吹き込み温度190〜220℃、真空度3〜5Tor
rで60分間再度、水蒸気蒸留を行なう。蒸留によって得
られる油状物は、EPAを含む高級脂肪酸のトリグリセリ
ド及び若干のEPAを含む高級脂肪酸のジグリセリドであ
る。
本発明のグリセリドはエイコサペンタエノイル基の30
〜70モル%と水添硬化油から誘導される高級脂肪酸のア
シル基の70〜30モル%とのグリセリドであるから融点が
水添硬化油に比して低い。したがってドレッシングや食
用油の如き食用油脂製品に配合した場合にも油脂成分の
融点が高まることがないので好ましい。本発明で対象と
なる油脂製品としてはマーガリン、ショートニング、マ
ヨネーズ、バター等があるが、特にマーガリン、ショー
トニングが好ましい。本発明のトリグリセリドの油脂製
品への配合量は特に制限されないが油脂製品自体の味や
風味等が損じられないように注意すべきであって半量以
下、好ましくは10%程度とすべきである。
次に実施例によってこの発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例 常法に従い濃硫酸触媒により精製イワシ油とエチルア
ルコールをエステル交換反応に付し、次いで精製を行っ
た。得られた純度90%のEPAエチルエステル(500g)と
パーム硬化油(m.p.52℃)(500g)とを混合し、その混
合物とナトリウムメチラート(10g)を1000mlの4つ口
フラスコに加えて容器を窒素ガスで置換した。置換後、
加熱を開始し、90℃で攪拌しながら30分間反応させた。
反応終了後、水を加えて触媒を失活させ2倍量の温水
で3回洗浄後、957gの淡褐色透明な油状物を得た。
次に油状物に2重量%の活性白土を加えて温度100℃
減圧下で30分間脱色を行い、濾過油状物912gを得た。
その濾過油状物を温度200℃、真空度5Torrで60分間蒸
留を行った。更に、3%の水蒸気吹き込みで60分間水蒸
気脱臭を行い、留出部430g及び淡黄色油状物450gを得
た。得られた淡黄色油状物は、脱臭直後は魚臭が全く無
く、無味無臭のものであった。この油状物1gをヘキサン
5mlに溶解させグリセリド組成を下記の条件のガスクロ
マトグラフィ(FID)で調べた。トリグリセリドは94.5
重量%であった。同時に、油状物をメタノールとエステ
ル交換し、脂肪酸メチルエステルを調製した。そしてこ
の脂肪酸組成を調べるために下記の条件でガスクロマト
グラフィ(FID)分析を行った。エイコサペンタエン酸
は、45.5重量%であった。
ガスクロマトグラフィ(FID)の条件 (1)トリグリセリド組成分析 カラム:Diasolid ZT(日本クロマト工業株式会社製) φ3mm×0.5m ステンレス製 温度:注入口 300℃ オーブン 150℃→340℃(昇温10℃/分) キャリアガス:窒素 80ml/分 (2)脂肪酸組成分析 カラム:15% DEGS Chromosorb WAW DMCS mesh60/80 (ガスクロ工業株式会社製) 温度:注入口 235℃,オーブン 195℃ キャリアガス:窒素 40ml/分 これを用いてスプレッドマーガリンを以下の配合比率
で製造した。配合比率は、淡黄色油状物80.7重量%、水
16.0重量%、食塩1.0重量%並びに乳化剤と香料で2.3重
量%とし、これらを混合し、実験用小型マーガリン製造
機でスプレッドマーガリンを製造した。
比較例 比較の為に、EPA25%含量の精製魚油70重量%と大豆
硬化油(m.p.39℃)30重量%を混合し、得られた混合物
80.7重量%を配合油脂分とし、実施例記載と同様にスプ
レッドマーガリンを製造した。このマーガリンに含まれ
るEPA含量は17.3重量%であった。
実施例と比較例で製造したスプレッドマーガリンを各
々5℃、−25℃において保存し、経日的に風味及び過酸
化物価(POV)の変化を調べた。
その結果を表1に示した。実施例によるスプレッドマ
ーガリンは、過酸化物価(POV)及び魚油臭のもどり臭
は、いずれも満足すべきものであった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−204739(JP,A) 特開 昭60−234588(JP,A) BIORHEOLOGY.22〔3〕 (1985),221−226

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水添硬化油とエイコサペンタエン酸の低級
    アルキルエステルとのエステル交換反応によって得られ
    たエイコサペンタノイル基がグリセリド中の全アシル基
    の30〜70モル%である食用油脂製品用エイコサペンタエ
    ン酸のグリセリド。
JP60292952A 1985-12-27 1985-12-27 エイコサペンタエン酸のグリセリド Expired - Fee Related JPH0819044B2 (ja)

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JPS60234588A (ja) * 1984-05-07 1985-11-21 Asahi Denka Kogyo Kk 長鎖高度不飽和脂肪酸アルコ−ルエステルの製造法

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