JPH08196266A - 海洋性微細藻類の凍結保存方法 - Google Patents
海洋性微細藻類の凍結保存方法Info
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- JPH08196266A JPH08196266A JP7012385A JP1238595A JPH08196266A JP H08196266 A JPH08196266 A JP H08196266A JP 7012385 A JP7012385 A JP 7012385A JP 1238595 A JP1238595 A JP 1238595A JP H08196266 A JPH08196266 A JP H08196266A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】保存株の生存率は高く、またその保存後の藻株
の細胞は内部構造の障害を受けず、高ドコサヘキサエン
酸含有藻株を安定して保存する海洋性微細藻類の凍結保
存方法の提供。 【構成】海洋性微細藻類であるクリプテコディニウム・
コーニー(Crypthecodinium cohnii)を培養により藻体
内に脂質を多量に蓄積させ、凍結助剤を添加してから凍
結させる海洋性微細藻類の凍結保存方法。
の細胞は内部構造の障害を受けず、高ドコサヘキサエン
酸含有藻株を安定して保存する海洋性微細藻類の凍結保
存方法の提供。 【構成】海洋性微細藻類であるクリプテコディニウム・
コーニー(Crypthecodinium cohnii)を培養により藻体
内に脂質を多量に蓄積させ、凍結助剤を添加してから凍
結させる海洋性微細藻類の凍結保存方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コレステロール低下作
用、抗血液凝固作用、制ガン作用、さらには脳代謝系に
関連して記憶学習能力の向上、老人性痴呆症の予防、ア
ルツハイマー疾病の治療薬、稚魚の成長必須脂肪酸への
利用など、その生理作用が注目されている高度不飽和脂
肪酸の一つであるドコサヘキサエン酸を生成する海洋性
微細藻類を、凍結助剤を添加して凍結することにより効
率良く保存する方法に関する。
用、抗血液凝固作用、制ガン作用、さらには脳代謝系に
関連して記憶学習能力の向上、老人性痴呆症の予防、ア
ルツハイマー疾病の治療薬、稚魚の成長必須脂肪酸への
利用など、その生理作用が注目されている高度不飽和脂
肪酸の一つであるドコサヘキサエン酸を生成する海洋性
微細藻類を、凍結助剤を添加して凍結することにより効
率良く保存する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ドコサヘキサエン酸の生産方法に関して
は、ドコサヘキサエン酸をマグロ、イワシ、カツオなど
の魚油から分離抽出することが困難であったため、実用
化が遅れていた。また魚油から抽出、精製される以外の
方法としては、モルティエレラ属菌を使った変換反応に
よって高度不飽和脂肪酸を製造する方法(特開昭63−
185389号公報)、アラキドン酸を生産できる微生
物による高度不飽和脂肪酸強化油脂の製法(特開平1−
304892号公報)、海洋微生物からの高度不飽和脂
肪酸含有脂質の製法(特開平2−142486号公
報)、エチノスポランジウム(Echinosporangium)属菌
による高度不飽和脂肪酸の製法(特開平2−23878
号公報)、エチノスポランジウム トランスバーサリイ
(Echinosporangium Transversalie)ATCC 16960, 1803
6 の培養物より高度不飽和脂肪酸を取得する製法(ヨー
ロッパ公開−355972号公報)などが開示されてい
る。
は、ドコサヘキサエン酸をマグロ、イワシ、カツオなど
の魚油から分離抽出することが困難であったため、実用
化が遅れていた。また魚油から抽出、精製される以外の
方法としては、モルティエレラ属菌を使った変換反応に
よって高度不飽和脂肪酸を製造する方法(特開昭63−
185389号公報)、アラキドン酸を生産できる微生
物による高度不飽和脂肪酸強化油脂の製法(特開平1−
304892号公報)、海洋微生物からの高度不飽和脂
肪酸含有脂質の製法(特開平2−142486号公
報)、エチノスポランジウム(Echinosporangium)属菌
による高度不飽和脂肪酸の製法(特開平2−23878
号公報)、エチノスポランジウム トランスバーサリイ
(Echinosporangium Transversalie)ATCC 16960, 1803
6 の培養物より高度不飽和脂肪酸を取得する製法(ヨー
ロッパ公開−355972号公報)などが開示されてい
る。
【0003】さらに、細菌(DeLong, E. F. & Vayanos,
A. A.: Appl. Environ. Microbiol., 51(4) , 730(198
6)、真菌スラウストシトリウム(Thraustochytrium)(H
askias, R. H. et al; Can. J. Microbiol. 10,187(196
4)),エントモフトラ(Entotophthora)(Tyrrell; Can.
J. Microbiol., 13, 755(1967)), ジャポノシトリウム
(Japonochytrium)sp. ATCC 28207(特開平1−199
588号公報)、藻類では渦鞭毛藻、ハプト藻などが知
られている(Joseph. J. D.; Lipids, 10, 395(1975) 、
Nichols, P. D. et al; Phytochemistry, 23, 1043(198
4)) が、これらは自然増殖方法であったり、たんなる静
置培養であって積極的に藻体中のドコサヘキサエン酸を
増大させる工夫がされているものはなく、これらの方法
を実用化するには多くの技術的課題を克服することを必
要としている。
A. A.: Appl. Environ. Microbiol., 51(4) , 730(198
6)、真菌スラウストシトリウム(Thraustochytrium)(H
askias, R. H. et al; Can. J. Microbiol. 10,187(196
4)),エントモフトラ(Entotophthora)(Tyrrell; Can.
J. Microbiol., 13, 755(1967)), ジャポノシトリウム
(Japonochytrium)sp. ATCC 28207(特開平1−199
588号公報)、藻類では渦鞭毛藻、ハプト藻などが知
られている(Joseph. J. D.; Lipids, 10, 395(1975) 、
Nichols, P. D. et al; Phytochemistry, 23, 1043(198
4)) が、これらは自然増殖方法であったり、たんなる静
置培養であって積極的に藻体中のドコサヘキサエン酸を
増大させる工夫がされているものはなく、これらの方法
を実用化するには多くの技術的課題を克服することを必
要としている。
【0004】このような問題点に関して、発明者らは既
にドコサヘキサエン酸を生成する海洋性微細藻類を液体
振盪培養または液体深部(タンク)通気攪拌培養して得
られる藻体からドコサヘキサエン酸を得ることを特徴と
するドコサヘキサエン酸の製造方法(特開平5−276
963号公報)によって、従来はマグロ、イワシ油など
の天然品のため時期、地域により生産量、品質の不安定
な魚油から抽出、生産していたドコサヘキサエン酸を高
濃度に工業的に安定して生産できるようになり、前記藻
体からドコサヘキサエン酸を抽出して、安価で魚臭のな
いドコサヘキサエン酸を安定して供給することができ
た。
にドコサヘキサエン酸を生成する海洋性微細藻類を液体
振盪培養または液体深部(タンク)通気攪拌培養して得
られる藻体からドコサヘキサエン酸を得ることを特徴と
するドコサヘキサエン酸の製造方法(特開平5−276
963号公報)によって、従来はマグロ、イワシ油など
の天然品のため時期、地域により生産量、品質の不安定
な魚油から抽出、生産していたドコサヘキサエン酸を高
濃度に工業的に安定して生産できるようになり、前記藻
体からドコサヘキサエン酸を抽出して、安価で魚臭のな
いドコサヘキサエン酸を安定して供給することができ
た。
【0005】また、上述の方法を実用化するための問題
点の1つとして、上述の方法に用いる藻体の保存方法が
挙げられる。海洋性微細藻類の保存技術において、例え
ば継代保存方法は、微生物一般に用いられている基本的
保存方法である。しかし、この方法は、比較的高頻度で
植え継ぐ必要があり、操作が煩雑であることや、継代中
に変異しやすい等の欠点を有する。このため、継代保存
方法に代わる保存方法が期待されているが、高等藻類に
おいては、細菌、酵母などの微生物で開発されている凍
結乾燥方法や凍結保存法を施すと、死滅しやすかった
り、あるいは感受性が高いために保存後の藻体の生存率
が極めて低いなどのために適用不可である。
点の1つとして、上述の方法に用いる藻体の保存方法が
挙げられる。海洋性微細藻類の保存技術において、例え
ば継代保存方法は、微生物一般に用いられている基本的
保存方法である。しかし、この方法は、比較的高頻度で
植え継ぐ必要があり、操作が煩雑であることや、継代中
に変異しやすい等の欠点を有する。このため、継代保存
方法に代わる保存方法が期待されているが、高等藻類に
おいては、細菌、酵母などの微生物で開発されている凍
結乾燥方法や凍結保存法を施すと、死滅しやすかった
り、あるいは感受性が高いために保存後の藻体の生存率
が極めて低いなどのために適用不可である。
【0006】例えば、細胞は、凍結速度によって異なっ
た凍り方をし、凍結速度が緩慢な場合は、細胞外凍結、
急速な場合は細胞内凍結を起こす。一般に、海洋性微細
藻類のような大きな細胞(直径5〜10μm)は細胞内
凍結を起こしやすい。細胞内凍結した細胞は、融解の際
に成長する氷晶によって障害を被ることが多い。そのよ
うな凍結の防止剤として、細菌、酵母などの場合は、通
常20%のグリセリン溶液が用いられるのが一般的であ
る。しかし、その場合でも藻体の生存率は、0.1〜
0.3%と低いため実際的でなく、さらに海洋性微細藻
類に関しては、全く報告がない。
た凍り方をし、凍結速度が緩慢な場合は、細胞外凍結、
急速な場合は細胞内凍結を起こす。一般に、海洋性微細
藻類のような大きな細胞(直径5〜10μm)は細胞内
凍結を起こしやすい。細胞内凍結した細胞は、融解の際
に成長する氷晶によって障害を被ることが多い。そのよ
うな凍結の防止剤として、細菌、酵母などの場合は、通
常20%のグリセリン溶液が用いられるのが一般的であ
る。しかし、その場合でも藻体の生存率は、0.1〜
0.3%と低いため実際的でなく、さらに海洋性微細藻
類に関しては、全く報告がない。
【0007】したがって、海洋性微細藻類の保存は、上
記のような欠点があるにもかかわらず、従来から液体培
養の植え継ぎによって継代されているのみで、ドコサヘ
キサエン酸を安定して工業的に生産する藻体の効率的な
保存方法の開発が期待されているのが現状である。
記のような欠点があるにもかかわらず、従来から液体培
養の植え継ぎによって継代されているのみで、ドコサヘ
キサエン酸を安定して工業的に生産する藻体の効率的な
保存方法の開発が期待されているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ドコ
サヘキサエン酸を生成する藻株が液体培養により継代さ
れて保存されているために、藻株の供給が不安定で、し
かも藻株当たりのドコサヘキサエン酸の含有量が一定せ
ず、安定した藻株を供給することが出来ないなど、工業
的な生産技術が開発されていない問題点がある。本発明
は、これらの問題点のうち少なくとも1つを解決するも
のである。
サヘキサエン酸を生成する藻株が液体培養により継代さ
れて保存されているために、藻株の供給が不安定で、し
かも藻株当たりのドコサヘキサエン酸の含有量が一定せ
ず、安定した藻株を供給することが出来ないなど、工業
的な生産技術が開発されていない問題点がある。本発明
は、これらの問題点のうち少なくとも1つを解決するも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの問題
点を解決するために、鋭意検討した結果、従来は藻体継
代が静置培養方法のみによって行われていた海洋性微細
藻類の藻体の保存を、液体好気培養により藻体内にドコ
サヘキサエン酸を含む脂質を多量に蓄積させ、これらの
脂質に浸透性の高い凍結助剤を加えて凍結させ、細胞内
凍結を抑えることにより、藻体を安定して保存し、これ
によって藻体中のドコサヘキサエン酸の含有量および藻
体生産の安定した母株を供給しうることを見いだし、本
発明に至った。
点を解決するために、鋭意検討した結果、従来は藻体継
代が静置培養方法のみによって行われていた海洋性微細
藻類の藻体の保存を、液体好気培養により藻体内にドコ
サヘキサエン酸を含む脂質を多量に蓄積させ、これらの
脂質に浸透性の高い凍結助剤を加えて凍結させ、細胞内
凍結を抑えることにより、藻体を安定して保存し、これ
によって藻体中のドコサヘキサエン酸の含有量および藻
体生産の安定した母株を供給しうることを見いだし、本
発明に至った。
【0010】すなわち、本発明は、海洋性微細藻類であ
るクリプテコディニウム・コーニー(Crypthecodinium
cohnii)を培養により藻体内に脂質を多量に蓄積させ、
凍結助剤を添加してから凍結させる海洋性微細藻類の凍
結保存方法を提供する。
るクリプテコディニウム・コーニー(Crypthecodinium
cohnii)を培養により藻体内に脂質を多量に蓄積させ、
凍結助剤を添加してから凍結させる海洋性微細藻類の凍
結保存方法を提供する。
【0011】ドコサヘキサエン酸を含む10重量%以上
の総脂質を含有する海洋性微細藻類であるクリプテコデ
ィニウム・コーニーの培地に凍結助剤を添加して凍結す
る海洋性微細藻類の凍結保存方法を提供する。
の総脂質を含有する海洋性微細藻類であるクリプテコデ
ィニウム・コーニーの培地に凍結助剤を添加して凍結す
る海洋性微細藻類の凍結保存方法を提供する。
【0012】海洋性微細藻類であるクリプテコディニウ
ム・コーニーを培養する方法として液体静置法、液体振
盪法、液体通気攪拌法または液体通気エアーリフト法を
用いるのが好ましい。
ム・コーニーを培養する方法として液体静置法、液体振
盪法、液体通気攪拌法または液体通気エアーリフト法を
用いるのが好ましい。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明は
藻体内に脂質を多量に含むクリプテコディニウム・コー
ニーを用いて、凍結して保存する方法である。クリプテ
コディニウム・コーニーは、藻体中の総脂質が好ましく
は乾燥藻体の重量に対して10重量%以上、特に15〜
30重量%であるのが、凍結保存後の藻体の生存率の点
で好ましく、その培養はいかなる培養法でもよいが、以
下の方法を用いてもよい。
藻体内に脂質を多量に含むクリプテコディニウム・コー
ニーを用いて、凍結して保存する方法である。クリプテ
コディニウム・コーニーは、藻体中の総脂質が好ましく
は乾燥藻体の重量に対して10重量%以上、特に15〜
30重量%であるのが、凍結保存後の藻体の生存率の点
で好ましく、その培養はいかなる培養法でもよいが、以
下の方法を用いてもよい。
【0014】本発明に利用する藻類は、海洋性微細藻類
に属し、ドコサヘキサエン酸を生成するクリプテコディ
ニウム・コーニー種であればよく、たとえばATCC(A
merican Type Culture Collection)などの保存機関より
入手可能であり、特にクリプテコディニウム・コーニー
(Crypthecodinium cohnii) ATCC 30021,30543,30556,30
571,30572,30775,50051,50053,50055,50056,50058,5006
0 を例示することができる。中でも、クリプテコディニ
ウム・コーニーATCC 30021であるのが、増殖
性が良好であり好ましい。これらの藻体の総脂質量は、
通常藻体中、乾燥藻体の重量に対して5〜10重量%で
ある。
に属し、ドコサヘキサエン酸を生成するクリプテコディ
ニウム・コーニー種であればよく、たとえばATCC(A
merican Type Culture Collection)などの保存機関より
入手可能であり、特にクリプテコディニウム・コーニー
(Crypthecodinium cohnii) ATCC 30021,30543,30556,30
571,30572,30775,50051,50053,50055,50056,50058,5006
0 を例示することができる。中でも、クリプテコディニ
ウム・コーニーATCC 30021であるのが、増殖
性が良好であり好ましい。これらの藻体の総脂質量は、
通常藻体中、乾燥藻体の重量に対して5〜10重量%で
ある。
【0015】本発明に用いる培養方法として、好気的培
養方法であればいずれの培養方法も用いることができる
が、好ましくは、液体内で培養する液体静置培養法、液
体振盪培養法、液体通気撹拌培養法および液体通気エア
ーリフト培養法が挙げられる。
養方法であればいずれの培養方法も用いることができる
が、好ましくは、液体内で培養する液体静置培養法、液
体振盪培養法、液体通気撹拌培養法および液体通気エア
ーリフト培養法が挙げられる。
【0016】本発明の培養方法に用いる培地は、必須成
分として、糖類、有機窒素源類、無機塩類、重金属塩類
等重金属元素含有物質を含有する。本発明に用いる培地
中のグルコース濃度は、0.5〜5.0重量%、特に
1.0〜5.0重量%であるのが、増殖性が良好な点で
好ましい。
分として、糖類、有機窒素源類、無機塩類、重金属塩類
等重金属元素含有物質を含有する。本発明に用いる培地
中のグルコース濃度は、0.5〜5.0重量%、特に
1.0〜5.0重量%であるのが、増殖性が良好な点で
好ましい。
【0017】本発明に用いられる有機窒素源としては、
酵母エキス、牛肉エキス、ペプトンなどの各種抽出物、
廃糖蜜、コーンスティープリカーなどの農産物残渣など
が挙げられ、さらにこれらを組み合わせることも可能で
ある。さらに、窒素源を培地中の炭素源の約1/2以下
にすると、脂質含有量の高い藻体が得られるので好まし
い。また、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、ア
スパラギン酸、アスパラギン酸ナトリウム、リシン、リ
シン塩酸塩、アルギニン、アルギニン塩酸塩、ヒスチジ
ン、グルタミン、アスパラギン、プロリン等のα−アミ
ノ酸およびその塩を2.0〜30.0mM含有する培地
を用いるのが、藻体の増殖、脂質の量など藻体の安定性
を維持する点で好ましい。
酵母エキス、牛肉エキス、ペプトンなどの各種抽出物、
廃糖蜜、コーンスティープリカーなどの農産物残渣など
が挙げられ、さらにこれらを組み合わせることも可能で
ある。さらに、窒素源を培地中の炭素源の約1/2以下
にすると、脂質含有量の高い藻体が得られるので好まし
い。また、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、ア
スパラギン酸、アスパラギン酸ナトリウム、リシン、リ
シン塩酸塩、アルギニン、アルギニン塩酸塩、ヒスチジ
ン、グルタミン、アスパラギン、プロリン等のα−アミ
ノ酸およびその塩を2.0〜30.0mM含有する培地
を用いるのが、藻体の増殖、脂質の量など藻体の安定性
を維持する点で好ましい。
【0018】本発明に用いられる無機塩類としては、天
然海水を用いてもよいが、品質が一定している点で市販
の人工海水をもちいるのが好ましい。例えば、八洲薬品
工業製のアクアマリン等を使用することができる。
然海水を用いてもよいが、品質が一定している点で市販
の人工海水をもちいるのが好ましい。例えば、八洲薬品
工業製のアクアマリン等を使用することができる。
【0019】本発明に用いられる重金属元素含有物質と
しては、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛の各元素を含有
する物質が挙げられ、これらは単体であってもイオン、
塩、水和物等であってもよいが、これらを組み合わせる
のが好ましい。これらの1成分でも添加しないと藻体の
安定した増殖が行なわれず、よってドコサヘキサエン酸
を得ることが不可能となる。特に、鉄無添加の場合は、
全く増殖が行なわれず、非常に重要であり、例えば重金
属塩類として添加される。このような培地の代表的な例
は、天然海水や人工海水、たとえば、八洲薬品株式会社
製のアクアマリンに、必要量の炭素源、窒素源等を添加
することによっても得られる。一例としては、下記表6
に示される培地(I)が上げられる。さらにまた、培地
(I)に示される成分含有率にするように、イオン交換
水に各成分を添加することによっても得られる。
しては、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛の各元素を含有
する物質が挙げられ、これらは単体であってもイオン、
塩、水和物等であってもよいが、これらを組み合わせる
のが好ましい。これらの1成分でも添加しないと藻体の
安定した増殖が行なわれず、よってドコサヘキサエン酸
を得ることが不可能となる。特に、鉄無添加の場合は、
全く増殖が行なわれず、非常に重要であり、例えば重金
属塩類として添加される。このような培地の代表的な例
は、天然海水や人工海水、たとえば、八洲薬品株式会社
製のアクアマリンに、必要量の炭素源、窒素源等を添加
することによっても得られる。一例としては、下記表6
に示される培地(I)が上げられる。さらにまた、培地
(I)に示される成分含有率にするように、イオン交換
水に各成分を添加することによっても得られる。
【0020】以上のほか、藻体の増殖やドコサヘキサエ
ン酸の収量へ直接影響を与えないが、重金属塩類の安定
化のために、ホウ酸やエチレンジアミン四酢酸の添加も
好ましい。さらに、液体振盪培養や液体通気攪拌培養を
行う場合は、消泡剤として、脂肪酸モノグリセリド、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル等を添加してもよい。
ン酸の収量へ直接影響を与えないが、重金属塩類の安定
化のために、ホウ酸やエチレンジアミン四酢酸の添加も
好ましい。さらに、液体振盪培養や液体通気攪拌培養を
行う場合は、消泡剤として、脂肪酸モノグリセリド、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル等を添加してもよい。
【0021】本発明に消泡剤が用いられる場合、さらに
消泡剤として界面活性剤を用いることができ、デイビス
の式によるHLB(親水性−親油性の均衡)値が16以
下、好ましくは0〜15のもの、さらに好ましくは3〜
5のものを用いる。HLB値が16を越えるとドコサヘ
キサエン酸の生産性は界面活性剤が無添加の場合に近く
添加の効果は低い。界面活性剤ではないが負のHLBを
もつトリグリセライド類も多少の効果は示すが添加の効
果は低い。
消泡剤として界面活性剤を用いることができ、デイビス
の式によるHLB(親水性−親油性の均衡)値が16以
下、好ましくは0〜15のもの、さらに好ましくは3〜
5のものを用いる。HLB値が16を越えるとドコサヘ
キサエン酸の生産性は界面活性剤が無添加の場合に近く
添加の効果は低い。界面活性剤ではないが負のHLBを
もつトリグリセライド類も多少の効果は示すが添加の効
果は低い。
【0022】界面活性剤の具体例としては、上記範囲の
HLB値をもつノニオン系界面活性剤などが挙げられ、
たとえば、アトラス社(Atlas Powder C
o.)製のツイン80、ツイン85、アトラス社製のス
パン80、スパン85、オレイルアルコール、オレイン
酸モノグリセリド、オレイン酸トリグリセリド等が挙げ
られる。
HLB値をもつノニオン系界面活性剤などが挙げられ、
たとえば、アトラス社(Atlas Powder C
o.)製のツイン80、ツイン85、アトラス社製のス
パン80、スパン85、オレイルアルコール、オレイン
酸モノグリセリド、オレイン酸トリグリセリド等が挙げ
られる。
【0023】界面活性剤は濃度が、0.01〜1.0g/
L 、好ましくは0.05〜1.0g/L 、となるように存
在させる。これらの濃度が0.01g/L 未満であると、
界面活性剤の添加の効果は極めて低い。また、濃度が
1.0g/L を超えると、界面活性剤の添加の効果は得ら
れるが、藻体の回収やドコサヘキサエン酸の精製の効率
が落ちるので好ましくない。
L 、好ましくは0.05〜1.0g/L 、となるように存
在させる。これらの濃度が0.01g/L 未満であると、
界面活性剤の添加の効果は極めて低い。また、濃度が
1.0g/L を超えると、界面活性剤の添加の効果は得ら
れるが、藻体の回収やドコサヘキサエン酸の精製の効率
が落ちるので好ましくない。
【0024】本発明に用いる培地のpHは、通常5〜
9、好ましくは6〜8である。このpH安定化のため
に、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、モルホリノ
エタンスルホン酸などの緩衝剤の添加も好ましい。培養
温度としては、通常15〜32℃で藻体産生を行なうこ
とが可能である。培養日数は、2〜12日間であるのが
好ましい。
9、好ましくは6〜8である。このpH安定化のため
に、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、モルホリノ
エタンスルホン酸などの緩衝剤の添加も好ましい。培養
温度としては、通常15〜32℃で藻体産生を行なうこ
とが可能である。培養日数は、2〜12日間であるのが
好ましい。
【0025】本発明に用いる培養方法としては、液体静
置法、液体振盪法、液体通気攪拌法、液体通気エアーリ
フト法を用いることが好ましい。液体静置培養法には、
上述の培地、培養温度で、2〜12日間培養を行うのが
好ましい。
置法、液体振盪法、液体通気攪拌法、液体通気エアーリ
フト法を用いることが好ましい。液体静置培養法には、
上述の培地、培養温度で、2〜12日間培養を行うのが
好ましい。
【0026】液体振盪培養に用いる装置は、培養フラス
コを左右に往復振盪する装置や、水平に旋回させる装
置、細長い培養管を水平に維持して両端を上下往復させ
る装置などが利用される。また、回転振盪培養も振盪培
養である。
コを左右に往復振盪する装置や、水平に旋回させる装
置、細長い培養管を水平に維持して両端を上下往復させ
る装置などが利用される。また、回転振盪培養も振盪培
養である。
【0027】液体通気攪拌培養を行う場合、攪拌速度2
00〜350rpm,通気量0.2〜1.5vvmで培
養を行うのが好ましい。
00〜350rpm,通気量0.2〜1.5vvmで培
養を行うのが好ましい。
【0028】液体通気エアーリフト培養法は、気泡塔
型、ドラフトチューブ付塔型、多段塔型、循環式塔型な
どの塔型培養槽を用いて酸素を供給しつつ培養する方法
である。通気量0.2〜1.5vvmで培養を行うのが
好ましい。
型、ドラフトチューブ付塔型、多段塔型、循環式塔型な
どの塔型培養槽を用いて酸素を供給しつつ培養する方法
である。通気量0.2〜1.5vvmで培養を行うのが
好ましい。
【0029】連続培養の場合、上述の液体振盪培養法、
液体通気攪拌培養法、液体通気エアーリフト培養法等に
よって行うことができる。連続培養中に添加する培地の
量は、希釈率で、0.25hr-1以下で連続培養するの
が好ましい。希釈率が、0.25hr-1超では、培養液
の藻体がウオッシュドアウトされて安定した連続培養は
できない。連続培養の温度は、26〜30℃が好まし
く、通気は、0.2〜1.0vvmが好ましい。
液体通気攪拌培養法、液体通気エアーリフト培養法等に
よって行うことができる。連続培養中に添加する培地の
量は、希釈率で、0.25hr-1以下で連続培養するの
が好ましい。希釈率が、0.25hr-1超では、培養液
の藻体がウオッシュドアウトされて安定した連続培養は
できない。連続培養の温度は、26〜30℃が好まし
く、通気は、0.2〜1.0vvmが好ましい。
【0030】海洋性微細藻類であるクリプテコディニウ
ム・コーニーを上記の培養方法により培養することによ
り、その藻体内にドコサヘキサエン酸を含めた脂質を多
量に蓄積させることができる。この他の培養方法であっ
ても、クリプテコディニウム・コーニーの藻体中の総脂
質を多量に、特に10重量%以上蓄積させた藻体を用い
て凍結乾燥させたものも本発明の範囲に包含される。
ム・コーニーを上記の培養方法により培養することによ
り、その藻体内にドコサヘキサエン酸を含めた脂質を多
量に蓄積させることができる。この他の培養方法であっ
ても、クリプテコディニウム・コーニーの藻体中の総脂
質を多量に、特に10重量%以上蓄積させた藻体を用い
て凍結乾燥させたものも本発明の範囲に包含される。
【0031】培養終了後、培養液からの藻体の回収は一
般的な遠心分離の方法が用いられ、通常、培養温度以下
が好ましく、例えば、10℃、12,000×gで10分間の
遠心分離によって行う。回収した藻体は2%生理食塩水
で2回洗浄し、さらに、凍結助剤を添加した2%生理食
塩水、または凍結助剤を添加した上述と同様の培地中
に、藻体を懸濁させてから凍結させる。
般的な遠心分離の方法が用いられ、通常、培養温度以下
が好ましく、例えば、10℃、12,000×gで10分間の
遠心分離によって行う。回収した藻体は2%生理食塩水
で2回洗浄し、さらに、凍結助剤を添加した2%生理食
塩水、または凍結助剤を添加した上述と同様の培地中
に、藻体を懸濁させてから凍結させる。
【0032】本発明に用いる凍結保存の方法は、細胞を
凍結して代謝活動を停止させ、細胞を休止状態にさせ、
長期の生存を図ることができる。例えば、藻体懸濁液を
冷凍庫で凍結する方法、藻体懸濁液を液体または気相の
窒素を用いて凍結する方法等が挙げられるが、いずれを
用いてもよい。
凍結して代謝活動を停止させ、細胞を休止状態にさせ、
長期の生存を図ることができる。例えば、藻体懸濁液を
冷凍庫で凍結する方法、藻体懸濁液を液体または気相の
窒素を用いて凍結する方法等が挙げられるが、いずれを
用いてもよい。
【0033】本発明に用いる凍結助剤は、脱脂乳、10
〜20%のグリセリン、5〜10%のジメチルスルホキ
シド(DMSO)、脱脂乳とグルタミン酸ナトリウムの
水溶液、特に10%脱脂乳と1重量%グルタミン酸ナト
リウムの水溶液、グルタミン酸ナトリウムとリン酸緩衝
液の水溶液、特に6重量%グルタミン酸ナトリウムと
0.01重量%リン酸緩衝液の水溶液等が挙げられる。
〜20%のグリセリン、5〜10%のジメチルスルホキ
シド(DMSO)、脱脂乳とグルタミン酸ナトリウムの
水溶液、特に10%脱脂乳と1重量%グルタミン酸ナト
リウムの水溶液、グルタミン酸ナトリウムとリン酸緩衝
液の水溶液、特に6重量%グルタミン酸ナトリウムと
0.01重量%リン酸緩衝液の水溶液等が挙げられる。
【0034】凍結助剤の添加は、凍結助剤の溶液に、培
養により得られた藻体を懸濁させて、凍結助剤が上述の
濃度になるように調整する。凍結の温度は、−20〜−
80℃まで降下させるのが好ましい。
養により得られた藻体を懸濁させて、凍結助剤が上述の
濃度になるように調整する。凍結の温度は、−20〜−
80℃まで降下させるのが好ましい。
【0035】解凍は、一般に5〜10℃の冷蔵庫内で行
うが、本発明に用いる海洋性藻類の藻体は、好ましく
は、少量づつ凍結保存したものを、25℃〜35℃で急
速に解凍する。解凍液は、32℃以上にはしないことが
必要である。解凍後の培養液は、長期間保存後も藻体が
生存し、再び藻体を培養させるに十分な生育率を有する
藻体を得ることができる。さらに、これらの藻体を用い
て高含有率でドコサヘキサエン酸を含んだ脂質を著量蓄
積する藻体の培養およびその培養藻体の脂質からドコサ
ヘキサエン酸を製造することができる。
うが、本発明に用いる海洋性藻類の藻体は、好ましく
は、少量づつ凍結保存したものを、25℃〜35℃で急
速に解凍する。解凍液は、32℃以上にはしないことが
必要である。解凍後の培養液は、長期間保存後も藻体が
生存し、再び藻体を培養させるに十分な生育率を有する
藻体を得ることができる。さらに、これらの藻体を用い
て高含有率でドコサヘキサエン酸を含んだ脂質を著量蓄
積する藻体の培養およびその培養藻体の脂質からドコサ
ヘキサエン酸を製造することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。得られた乾燥藻体からのドコサヘキサエン
酸の抽出、精製は、藻体量の5倍のメタノール/クロロ
ヘルム(1/2)を加えたワーニング・ブレンダーを使
用する常法の抽出法Bligh-Dyer法(新生化学実験講座
4 脂質II p9〜(1991)(株)東京化学同人)
に準じて行ない、粗精製物を得た。これをメチルエステ
ル化する(同上、p54)ことによってガスクロマトグ
ラフによるオーセンチックなドコサヘキサエン酸を標準
物質として分析により同定した。
に説明する。得られた乾燥藻体からのドコサヘキサエン
酸の抽出、精製は、藻体量の5倍のメタノール/クロロ
ヘルム(1/2)を加えたワーニング・ブレンダーを使
用する常法の抽出法Bligh-Dyer法(新生化学実験講座
4 脂質II p9〜(1991)(株)東京化学同人)
に準じて行ない、粗精製物を得た。これをメチルエステ
ル化する(同上、p54)ことによってガスクロマトグ
ラフによるオーセンチックなドコサヘキサエン酸を標準
物質として分析により同定した。
【0037】(実施例1)クリプテコディニウム・コー
ニー(Crypthecodinium cohni
i)ATCC30021の脂質含有率20重量%の藻体
を無菌的に、10%脱脂乳と1%グルタミン酸ナトリウ
ムを含有した水溶液に懸濁し、得られた懸濁液を15本
の試験管に分注し、それらの試験管を各々−80℃の冷
凍庫で凍結した。それらの試験管を下記表1に記載の期
間保存し、5本づつ解凍した。その後、下記表5の組成
にグルコース2%(v/v)、酵母エキス0.2%(v
/v)を加えた培地(培地(I))10mlに、解凍し
た各培養液を1白金耳接種し、28℃で、各々1週間静
置培養した。生存率の結果を下記表1に示す。
ニー(Crypthecodinium cohni
i)ATCC30021の脂質含有率20重量%の藻体
を無菌的に、10%脱脂乳と1%グルタミン酸ナトリウ
ムを含有した水溶液に懸濁し、得られた懸濁液を15本
の試験管に分注し、それらの試験管を各々−80℃の冷
凍庫で凍結した。それらの試験管を下記表1に記載の期
間保存し、5本づつ解凍した。その後、下記表5の組成
にグルコース2%(v/v)、酵母エキス0.2%(v
/v)を加えた培地(培地(I))10mlに、解凍し
た各培養液を1白金耳接種し、28℃で、各々1週間静
置培養した。生存率の結果を下記表1に示す。
【0038】
【0039】(実施例2) (1)液体静置培養後の凍結保存 培地は下記表5の組成に、グルコース2%(v/v)、
酵母エキス0.2%(v/v)を加えて使用した(培地
(I))。培地(I)100mlにクリプテコディニウ
ム・コーニー(Crypthecodiniumcohnii) ATCC 3
0021の1白金耳を接種し、28℃で7日間静置培養
した。
酵母エキス0.2%(v/v)を加えて使用した(培地
(I))。培地(I)100mlにクリプテコディニウ
ム・コーニー(Crypthecodiniumcohnii) ATCC 3
0021の1白金耳を接種し、28℃で7日間静置培養
した。
【0040】得られた培養液の10ml中の藻体を無菌
的に10℃、5000g×15分の遠心分離によって回
収し、得られた藻体を2%生理食塩水10mlで洗浄
し、再度、同様に無菌的に遠心分離して藻体を回収し
た。同様に洗浄と遠心分離の操作を2回繰り返して藻体
を回収した後、得られた藻体ペースト(総脂質含有率1
2〜15%)を10重量%脱脂乳と1重量%グルタミン
酸ナトリウムを含有する水溶液で藻体濃度が103 〜1
04 藻体/mlとなるように懸濁させた後、得られた懸
濁液を20本の10ml凍結用バイアルビンに各2ml
づつ分注し、各バイアルビンを−40℃で凍結保存し
た。
的に10℃、5000g×15分の遠心分離によって回
収し、得られた藻体を2%生理食塩水10mlで洗浄
し、再度、同様に無菌的に遠心分離して藻体を回収し
た。同様に洗浄と遠心分離の操作を2回繰り返して藻体
を回収した後、得られた藻体ペースト(総脂質含有率1
2〜15%)を10重量%脱脂乳と1重量%グルタミン
酸ナトリウムを含有する水溶液で藻体濃度が103 〜1
04 藻体/mlとなるように懸濁させた後、得られた懸
濁液を20本の10ml凍結用バイアルビンに各2ml
づつ分注し、各バイアルビンを−40℃で凍結保存し
た。
【0041】(2)液体振盪培養後の凍結保存 さらに、凍結保存とは別に、培地(I)100mlを仕
込んだ300mlフラスコに先の(1)で7日間静置培
養して得られた培養液10mlを接種して、5日間、温
度28℃、PH6.8、回転数180rpmのロータリ
ーシェーカーで液体振盪培養を行なった。得られた培養
液のうちの10mlから、先の(1)の洗浄および遠心
分離と同様の方法で藻体を回収して(藻体の総脂質含有
率25〜50%)、先と同様に10%脱脂乳と1%グル
タミン酸ナトリウムを含有する水溶液に懸濁させ、得ら
れた懸濁液を20本の10ml凍結用バイアルビンに各
2mlづつ分注し、各バイアルビンを−40℃で凍結保
存した。
込んだ300mlフラスコに先の(1)で7日間静置培
養して得られた培養液10mlを接種して、5日間、温
度28℃、PH6.8、回転数180rpmのロータリ
ーシェーカーで液体振盪培養を行なった。得られた培養
液のうちの10mlから、先の(1)の洗浄および遠心
分離と同様の方法で藻体を回収して(藻体の総脂質含有
率25〜50%)、先と同様に10%脱脂乳と1%グル
タミン酸ナトリウムを含有する水溶液に懸濁させ、得ら
れた懸濁液を20本の10ml凍結用バイアルビンに各
2mlづつ分注し、各バイアルビンを−40℃で凍結保
存した。
【0042】(3)連続培養後の凍結保存 ジャーファーメンター培養は、先の(2)のロータリー
シェーカー液体振盪培養で得られた培養液500mlを
培地(I)7Lを仕込んだ10L容ジャーファーメンタ
ーに接種し、培養を行った。培養条件は、温度28℃、
pH7.0、攪拌300rpm、通気量0.3vvmで
あった。消泡剤として、脂肪酸エステル系グリセリンモ
ノオレートを0.75g使用した。
シェーカー液体振盪培養で得られた培養液500mlを
培地(I)7Lを仕込んだ10L容ジャーファーメンタ
ーに接種し、培養を行った。培養条件は、温度28℃、
pH7.0、攪拌300rpm、通気量0.3vvmで
あった。消泡剤として、脂肪酸エステル系グリセリンモ
ノオレートを0.75g使用した。
【0043】培養開始後、藻体の藻体濃度が、培養液を
8000r.p.m.×15分、遠心分離した湿藻体を
105℃、5時間乾燥した乾燥藻体の重量で約5g/L
に達した段階から、新たに下記表6に記載の培地を連続
フィード(供給)して希釈率0.15hr-1,グルコー
ス濃度を1.0〜3.0重量%に保ちながら3日間の連
続培養を行った。
8000r.p.m.×15分、遠心分離した湿藻体を
105℃、5時間乾燥した乾燥藻体の重量で約5g/L
に達した段階から、新たに下記表6に記載の培地を連続
フィード(供給)して希釈率0.15hr-1,グルコー
ス濃度を1.0〜3.0重量%に保ちながら3日間の連
続培養を行った。
【0044】回収した培養液は、10mlを先の(1)
と同様の方法で藻体を遠心分離、洗浄して回収し(藻体
の総脂質含有率20〜40%)、10%脱脂乳と1%グ
ルタミン酸ナトリウムを含有する水溶液に懸濁させ、得
られた懸濁液を20本の10ml凍結用バイアルビンに
各2mlづつ分注し、各バイアルビンを−40℃で凍結
保存するとともに、残りの培養液は、10℃、8000
g×15分間遠心分離することにより藻体を回収した。
連続培養の菌体収量は、105℃、5時間乾燥で求め、
乾燥藻体量15.0g/L、藻体の生産性は、1.8g
/hr/Lであった。
と同様の方法で藻体を遠心分離、洗浄して回収し(藻体
の総脂質含有率20〜40%)、10%脱脂乳と1%グ
ルタミン酸ナトリウムを含有する水溶液に懸濁させ、得
られた懸濁液を20本の10ml凍結用バイアルビンに
各2mlづつ分注し、各バイアルビンを−40℃で凍結
保存するとともに、残りの培養液は、10℃、8000
g×15分間遠心分離することにより藻体を回収した。
連続培養の菌体収量は、105℃、5時間乾燥で求め、
乾燥藻体量15.0g/L、藻体の生産性は、1.8g
/hr/Lであった。
【0045】各々の培養終了後、下記一定期間後に、凍
結保存藻体を解凍し、解凍した培養液を母株として静置
培養および振盪培養し、藻体増殖とドコサヘキサエン酸
の生産を確認した。結果を下記表2に示す。
結保存藻体を解凍し、解凍した培養液を母株として静置
培養および振盪培養し、藻体増殖とドコサヘキサエン酸
の生産を確認した。結果を下記表2に示す。
【0046】
【0047】一ヶ月後の生存率は、低いが、生育率につ
ては、表2に示すように、乾燥藻体量およびドコサヘキ
サエン酸生産が安定していて、良好な結果を得た。
ては、表2に示すように、乾燥藻体量およびドコサヘキ
サエン酸生産が安定していて、良好な結果を得た。
【0048】(比較例1)クリプテコディニウム・コー
ニーの脂質含有量7%(乾燥藻体,DHA0.05重量
%)の藻体を無菌的に10%脱脂乳と1%グルタミン酸
ナトリウムを含有する水溶液に、藻体濃度103 〜10
4 藻体/mlになるように懸濁し、得られた懸濁液を1
5本の10ml凍結用バイアルビン(ポリプロピレン
酸)に各2mlづつ分注し、各バイアルビンを−80℃
の冷凍庫で凍結した。これを下記期間後に5本づつ解凍
した。解凍した培養液を実施例1と同様の方法で培養
し、生存の確認試験を行った。結果を下記表3に示す。
ニーの脂質含有量7%(乾燥藻体,DHA0.05重量
%)の藻体を無菌的に10%脱脂乳と1%グルタミン酸
ナトリウムを含有する水溶液に、藻体濃度103 〜10
4 藻体/mlになるように懸濁し、得られた懸濁液を1
5本の10ml凍結用バイアルビン(ポリプロピレン
酸)に各2mlづつ分注し、各バイアルビンを−80℃
の冷凍庫で凍結した。これを下記期間後に5本づつ解凍
した。解凍した培養液を実施例1と同様の方法で培養
し、生存の確認試験を行った。結果を下記表3に示す。
【0049】
【0050】(比較例2)クリプテコディニウム・コー
ニーを、実施例1と同じ条件の液体静置培養により各々
5本づつ7日間の継代培養を連続して繰り返した。結果
を下記表4に示す。
ニーを、実施例1と同じ条件の液体静置培養により各々
5本づつ7日間の継代培養を連続して繰り返した。結果
を下記表4に示す。
【0051】
【0052】乾燥藻体量、藻体脂質中のドコサヘキサエ
ン酸比率とも、継代回数ごとに変動が大きくなり、安定
した結果は得られなかった。
ン酸比率とも、継代回数ごとに変動が大きくなり、安定
した結果は得られなかった。
【0053】
【0054】
【0055】表7 海水 千葉県千葉市中央区川崎町沖の海水を採取して使用し
た。
た。
【0056】
【発明の効果】従来はドコサヘキサエン酸生成海洋性微
細藻類を液体静置培養でのみ継代していたために生成が
不安定で、安定的な生産が出来なかったが、本発明の方
法による凍結保存方法によって、高ドコサヘキサエン酸
含有藻株を安定して保存することが可能となった。さら
に、保存株の生存率は高く、またその保存後の藻株の藻
体は内部構造の障害を受けず、保存前の藻株の性質を保
持していることにより、安定してドコサヘキサエン酸を
供給することが出来、技術的課題を解決することができ
た。また、本発明に用いる条件下で培養して得られた藻
体を凍結保存すれば、各々の培養法に対する耐性、界面
活性剤に対する耐性等も保持される。本発明は、これら
のうち少なくとも1つの効果を有する。
細藻類を液体静置培養でのみ継代していたために生成が
不安定で、安定的な生産が出来なかったが、本発明の方
法による凍結保存方法によって、高ドコサヘキサエン酸
含有藻株を安定して保存することが可能となった。さら
に、保存株の生存率は高く、またその保存後の藻株の藻
体は内部構造の障害を受けず、保存前の藻株の性質を保
持していることにより、安定してドコサヘキサエン酸を
供給することが出来、技術的課題を解決することができ
た。また、本発明に用いる条件下で培養して得られた藻
体を凍結保存すれば、各々の培養法に対する耐性、界面
活性剤に対する耐性等も保持される。本発明は、これら
のうち少なくとも1つの効果を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】海洋性微細藻類であるクリプテコディニウ
ム・コーニー(Crypthecodinium cohnii)を培養により
藻体内に脂質を多量に蓄積させ、凍結助剤を添加してか
ら凍結させることを特徴とする海洋性微細藻類の凍結保
存方法。 - 【請求項2】ドコサヘキサエン酸を含む10重量%以上
の総脂質を含有する海洋性微細藻類であるクリプテコデ
ィニウム・コーニーの培地に凍結助剤を添加して凍結す
ることを特徴とする海洋性微細藻類の凍結保存方法。 - 【請求項3】前記海洋性微細藻類であるクリプテコディ
ニウム・コーニーを培養する方法として液体静置法、液
体振盪法、液体通気攪拌法または液体通気エアーリフト
法を用いる請求項1または2に記載の海洋性微細藻類の
凍結保存方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7012385A JPH08196266A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 海洋性微細藻類の凍結保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7012385A JPH08196266A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 海洋性微細藻類の凍結保存方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08196266A true JPH08196266A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11803808
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7012385A Withdrawn JPH08196266A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 海洋性微細藻類の凍結保存方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08196266A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107815417A (zh) * | 2017-11-23 | 2018-03-20 | 武汉大学深圳研究院 | 寇氏隐甲藻的低温保存方法 |
| CN108753623A (zh) * | 2018-06-12 | 2018-11-06 | 兰溪市沉默生物科技有限公司 | 一种小球藻保存方法 |
| WO2022154212A1 (ko) * | 2021-01-18 | 2022-07-21 | 씨제이제일제당(주) | 트라우스토키트리드과 미세조류의 동결 보존용 조성물 및 이를 이용한 트라우스토키트리드과 미세조류의 동결 보존 방법 |
| CN117136833A (zh) * | 2023-08-18 | 2023-12-01 | 生态环境部华南环境科学研究所(生态环境部生态环境应急研究所) | 一种围氏马尾藻种质保存方法 |
-
1995
- 1995-01-30 JP JP7012385A patent/JPH08196266A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107815417A (zh) * | 2017-11-23 | 2018-03-20 | 武汉大学深圳研究院 | 寇氏隐甲藻的低温保存方法 |
| CN107815417B (zh) * | 2017-11-23 | 2022-04-29 | 武汉大学深圳研究院 | 寇氏隐甲藻的低温保存方法 |
| CN108753623A (zh) * | 2018-06-12 | 2018-11-06 | 兰溪市沉默生物科技有限公司 | 一种小球藻保存方法 |
| WO2022154212A1 (ko) * | 2021-01-18 | 2022-07-21 | 씨제이제일제당(주) | 트라우스토키트리드과 미세조류의 동결 보존용 조성물 및 이를 이용한 트라우스토키트리드과 미세조류의 동결 보존 방법 |
| JP2023548900A (ja) * | 2021-01-18 | 2023-11-21 | シージェイ チェルジェダン コーポレイション | スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物およびこれを用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法 |
| CN117136833A (zh) * | 2023-08-18 | 2023-12-01 | 生态环境部华南环境科学研究所(生态环境部生态环境应急研究所) | 一种围氏马尾藻种质保存方法 |
| CN117136833B (zh) * | 2023-08-18 | 2024-05-24 | 生态环境部华南环境科学研究所(生态环境部生态环境应急研究所) | 一种围氏马尾藻种质保存方法 |
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