JPH08196456A - 二酸化炭素を溶解させた浴用水の供給装置 - Google Patents

二酸化炭素を溶解させた浴用水の供給装置

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JPH08196456A
JPH08196456A JP4117795A JP4117795A JPH08196456A JP H08196456 A JPH08196456 A JP H08196456A JP 4117795 A JP4117795 A JP 4117795A JP 4117795 A JP4117795 A JP 4117795A JP H08196456 A JPH08196456 A JP H08196456A
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JP
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water
electrode
bath
bath water
anode
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JP4117795A
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English (en)
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Minehiro Kamiyama
峰宏 上山
Tama Doi
賜 土居
Osamu Yoshimoto
修 吉本
Tetsuro Tojo
哲朗 東城
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TOUTAN KAKO KK
Toyo Tanso Co Ltd
Original Assignee
TOUTAN KAKO KK
Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、入浴水やシャワーの水などの浴用
水に二酸化炭素(CO、炭酸ガス)を溶解させ、促温
効果、保温効果、治癒効果などを発揮させるようにした
給湯機や風呂装置などの供給装置に関し、簡単な手段に
よって、硫黄酸化物や窒素酸化物を混入させないで、効
率良く大量にCO浴用水を供給できる装置を提供する
ことを目的とする。 【構成】 本発明に係る装置は、給水口3と、該給水口
3から供給された浴用水乃至は浴湯7を電解する陽極1
a及び陰極1bのうち、少なくとも陽極1aに炭素質電
極を用いて構成された水電解用電極1と、電解により生
成する二酸化炭素を前記浴用水乃至は浴湯7に溶解させ
た浴用水を排出するための排水口4と、を備えた容器又
は管6から成る、前記二酸化炭素を溶解させた浴用水の
供給源を含む、二酸化炭素を溶解させた浴用水の供給装
置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入浴用水やシャワーの
水などの浴用水に二酸化炭素(CO、炭酸ガス)を溶
解させ、促温効果、保温効果、治癒効果などを発揮させ
るようにした給湯機や風呂装置などの供給装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】いわゆる炭酸風呂と呼ばれているよう
に、従来から、風呂やシャワーなどの浴用水に血流増加
作用を持たせて、促温効果、保温効果、治癒効果などを
発揮させるため、浴用水にCOを溶解させることが行
われている。
【0003】この種の給水装置において、COを浴用
水に溶解させる手段としては、ガスや石油などを燃料と
し、バーナなどで燃焼させて発生する排気ガスを浴用水
(通常は温水)に直接接触させて、排気ガスに含まれる
COを浴用水に溶解させる方法が採られている(特開
平4−257612号、特開平5−137662号な
ど)。さらに詳言すると、例えば、金属片から成る充填
層を有した気水接触室を設け、散水ノズルから散布され
た浴用水と排気ガスとを金属片表面で接触させて、熱交
換を行うと共に、排気ガス中のCOを浴用水に溶解さ
せている。
【0004】一方、水を電解すると、陰極側に水素、陽
極側に酸素が発生するのが通常であるが、その電解によ
って水のクラスターが小さくなることが知られている。
このようにクラスターが小さくなった水、いわゆる電子
水は、体細胞の与える影響力が強く、健康に良いと言わ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CO
を溶解させた浴用水(以下、CO浴用水ともいう)を
供給する従来の方法では、排気ガスは約800℃という
高温ガスなのでCOの溶解効率は極めて低く、またC
の溶解効率を高めるために装置の構造も複雑になっ
ていた。さらに、排気ガスにはCO以外に硫黄酸化物
や窒素酸化物なども含まれており、COと共に浴用水
に混入していた。
【0006】そこで本発明は、簡単な手段によって、硫
黄酸化物や窒素酸化物を混入させないで、効率良く大量
にCO浴用水を供給できる装置を提供することを主な
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る第1発明のCO浴用水供給装置は、
給水口(3)と、該給水口(3)から供給された浴用水
乃至は浴湯(7)を電解する陽極(1a)及び陰極(1
b)のうち、少なくとも陽極(1a)に炭素質電極を用
いて構成された水電解用電極(1)と、電解により生成
する二酸化炭素を前記浴用水乃至は浴湯(7)に溶解さ
せた浴用水を排出するための排水口(4)と、を備えた
容器又は管(6)から成る、前記二酸化炭素を溶解させ
た浴用水の供給源を含むものである。
【0008】第2発明の装置は、前記炭素質電極が、炭
素質物質50乃至90質量%と樹脂硬化物10乃至50
質量%との組成物から成ることを特徴とする。
【0009】第3発明の装置は、前記炭素質電極が、炭
素質物質50乃至80質量%と樹脂硬化物20乃至50
質量%との組成物から成ることを特徴とする。
【0010】第4発明の装置は、第1発明乃至第3発明
のいずれか一つの装置の炭素質電極を陽極(1a)及び
陰極(1b)に用いて構成された水電解用電極(1)
に、陽極(1a)及び陰極(1b)の極性を切り替える
手段(10)を介して構成されていることを特徴とす
る。
【0011】第5発明の装置は、第1発明乃至第4発明
のいずれか一つの装置の炭素質電極を陽極(1a)及び
陰極(1b)に用いて構成された水電解用電極(1)で
あって、前記陽極(1a)及び前記陰極(1b)が板状
であり、前記水電解用電極(1)の電流導入部(11
a、11b)から離れるにつれて前記板状陽極と前記板
状陰極との面間隔が漸次小さくなるように配設している
ことを特徴とする。
【0012】これらの供給装置により、上記目的を達成
することができる。
【0013】
【発明の構成及び作用】本発明に係る供給装置は、炭素
質電極により水を電解すると陽極側にCOが生成し、
すぐに水に溶け込む現象に基づき、COを浴用水乃至
は浴湯に溶解させて、CO浴用水を得るものである。
この現象によると、極端に高いCO溶解効率になり、
また窒素酸化物や硫黄酸化物などのように人体に悪影響
を及ぼす物質がCO浴用水に混入することはなくな
る。また、CO浴用水は、水の電解により得られたも
のなので、クラスターの小さい水になっており、CO
浴用水の作用と共に健康に好影響を与えることができ
る。
【0014】炭素質電極と成る材料としては、炭素化、
更には黒鉛化された等方性炭素材、異方性炭素材、ガラ
ス状炭素、あるいは備長炭などの各種木炭、各種活性炭
などの粉末や成形体からなる炭素質材料を例示できる。
【0015】CO浴用水供給源の構成例を表す図2〜
図4を参照しながら、本発明に係る装置の作用を説明す
る。
【0016】図2において、第1発明の装置では、CO
を溶解させる浴用水乃至は浴湯は、給水口3から容器
又は管6に収容され、陽極1aと陰極1bのうち、少な
くとも陽極1aに炭素質電極を用いて構成された水電解
用電極1により電解される。この電解により水電解用電
極1の陽極1a側にCOが生成し、すぐに溶解してC
浴用水になる。このCO浴用水は排水口4から取
り出すことができ、シャワー、給湯栓、浴槽などに供給
することができる。
【0017】第2発明の装置では、前記炭素質電極とし
て、炭素質物質50乃至90質量%と樹脂硬化物10乃
至50質量%との組成物から成るものを、少なくとも陽
極1aに用いると、CO溶解効率が高くなり、しかも
長寿命の電極として作用する。
【0018】特にこの作用を顕著に奏する装置は、第3
発明の装置である。すなわち、炭素質物質50乃至80
質量%と樹脂硬化物20乃至50質量%との組成物から
成る炭素質電極を、少なくとも陽極1aに用いることを
特徴とする。
【0019】ところで、水を長時間電解すると、水に溶
存しているカルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)
等が陰極に付着してしまうため、CO溶解効率はしだ
いに低くなってしまう。特に陰極にも炭素質電極を使用
しているときには、開気孔が多数存在していることか
ら、ステンレス鋼等の金属質電極に比して、その付着力
は極めて強固である。また、この付着物を物理的に除去
すると、電極が折損する場合もある。そこで、第4発明
の装置は、図3の符号を用いて説明すると、水電解用電
極1は、第1乃至第3発明のいずれか一装置の炭素質電
極を陽極1a及び陰極1bに用いたものであり、これに
極性を切り替える手段10を介して構成されている。こ
のように装置を構成すると、陽極1aと陰極1bの極性
を切り替えることができ、前記陰極付着物は、陰極を陽
極に切り替えることにより容易に取り除くことが可能に
なる。
【0020】また、電解用電極として従来から使用され
ている炭素質電極の電気抵抗率ρは1×10−3Ω・c
m程度であり、銅(ρ=1.7×10−6Ω・cm)や
鉄(ρ=9.7×10−6Ω・cm)等の金属に比して
かなり大きいため、電極内のオーム損も金属質電極より
大きくなってしまう。さらに、電極自体の抵抗により、
電極の電流導入部から離れるにつれて電極内の電圧降下
量も無視できない程に増大するため、陽極と陰極との電
流密度が不均一になってしまう。そのため、陽極と陰極
を平行に配設すると、電極が不均一に消耗し、長寿命化
を図ることが困難になる。特に、第2発明又は第3発明
の装置の炭素質電極の場合、ρは前記金属質電極に比べ
て桁違いに大きいのが通常なので、これらの現象は顕著
に現れる。そこで、第5発明の装置は、図4の符号を用
いて説明すると、第1乃至第4発明のいずれか一つの装
置の炭素質電極を、陽極1a及び陰極1bに用いて構成
された水電解用電極1であって、その陽極1a及び陰極
1bは板状にし、且つ、この水電解用電極1の電流導入
部11a,11bから離れるにつれて板状陽極と板状陰
極との面間隔が漸次小さくなるように配設されている。
こうすることにより、極間の電流密度を一定にし、電極
を均一に消耗させることができ、より一層の長寿命化を
図ることができる。
【0021】さらに、第2及び第3発明の装置の炭素質
電極について、作用を詳述する。
【0022】従来から水電解用電極として通常使用され
ていた炭素質電極は、石油系コークスや石炭系コークス
を骨材とし、コールタールピッチ等を結合剤として混
合、成形、焼成及び黒鉛化して得られた黒鉛材料が用い
られていた。このような炭素質電極を陽極として、水を
電解すると、電極表面のみならず、気孔中でも陽極酸化
が生じてしまい、炭素粒子が多量に脱落し、短時間で水
が真っ黒になってしまう。また、熱硬化性樹脂から調製
した、気孔が殆ど存在しないガラス状炭素を陽極として
電解すると、ピット酸化的な陽極酸化が生じてしまい、
電極表面にはく離が起こり、最後には折損し、電解不能
に陥ってしまう。このように、通常の炭素質電極では、
比較的短寿命であり、十分にその能力を発揮することが
困難であった。
【0023】そこで、第2発明の装置の炭素質電極は、
炭素質物質50乃至90質量%と樹脂硬化物10乃至5
0質量%との組成物から成るものを用いるのである。特
に好ましくは第3発明の装置であり、すなわち炭素質電
極は炭素質物質50乃至80質量%と樹脂硬化物20乃
至50質量%との組成物から成るものを使用する。以下
これらの組成物から成る炭素質電極を、特に本電極とも
いう。
【0024】本電極を構成する前記炭素質物質として
は、炭素から実質的に成る又は炭素を主成分とする物質
を包含し、炭素や黒鉛等の天然又は人工の同素体から成
る、例えば各種天然黒鉛、各種人造黒鉛、各種熱分解炭
素、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブ
ラック、チャンネルブラック等の各種カーボンブラッ
ク、各種活性炭、メソカーボンマイクロビーズやバルク
メソフェーズ等の各種メソフェーズカーボン、石油系や
石炭系の生の又はか焼されたモザイクコークス、ニード
ルコークス、レギュラーコークス、ピッチコークス等の
各種コークス類などが挙げられる。また、前記樹脂硬化
物とは、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等の熱可塑性樹脂な
どの樹脂を硬化させたものあるいは橋かけさせたもので
あり、このうち、耐液性や耐薬品性が優れたフェノール
樹脂、フッ素樹脂等を使用するのが好ましい。
【0025】この本電極は、例えば前記炭素質物質の粉
末と前記樹脂の粉末とを均一に分散混合し、金型に充填
した後、ホットプレス等で加熱加圧成形し、樹脂を硬化
させることにより製造することができる。この際、樹脂
はなるべく十分に硬化させた方が良い。電極の形状は特
に制約はなく、通常は丸棒状や板状のものが使用でき
る。
【0026】炭素質電極を用いてCO浴用水を得る方
法には特に制限はなく、電極間に電圧を加えて、風呂や
シャワーに適した温度の温水、加熱されていない常温
水、あるいは追い焚きする場合には浴槽から供給された
水を電解し、CO浴用水を調製すれば良い。このとき
の電解電圧は、電極間の距離、浴用水乃至は浴湯に含ま
れている不純物量等に左右され、一意的に決定できない
が、上水を電解する場合では、通常、電極間距離が5〜
10mmのとき5V以上あれば電解できる。ここで、本
電極の場合、総電流を作用面積で割った値(電流密度)
が10mA/cm以下の条件で電解を行うのが好まし
い。その理由は、電流密度が10mA/cmを超える
と、電極表面が荒れる場合があり、電解効率が悪化した
り短寿命になったりするからである。電解方法は、陽極
又は陰極のうち、少なくとも陽極になる極に炭素質電極
を用い、浴用水乃至は浴湯に接触させ、直流で行うのが
通常である。陰極になる極には炭素質電極以外にもステ
ンレス鋼等の金属製電極を使用することもできる。もち
ろん、電解効率は落ちるが、交流でも構わない。
【0027】このようにして得られたCO浴用水を、
風呂やシャワーに用いれば良い。
【0028】
【実施例】本発明の装置の実施例を図面を参照しながら
説明する。ここに、図1に本発明の装置の実施例、図2
〜図4にCO浴用水供給源の構成例を示している。最
初に図2〜図4を説明し、次いで図1を説明する。
【0029】図2は本発明の装置におけるCO浴用水
供給源の一つの構成例の模式図である。1は水電解用電
極であり、その陽極1a及び陰極1bのうち、少なくと
も陽極1aに炭素質電極又は本電極を用いて構成されて
いる。陽極1a及び陰極1bは、導電線2により電源5
と電流導入部11a、11bで接続されており、電極に
電圧を加えることができる。浴用水乃至は浴湯7は、温
水又は常温水であり、熱交換器(図示せず)、水道など
の給水源(図示せず)、あるいは追い焚きする場合には
浴槽(図示せず)より給水路8(通常は管)を通じて、
給水口3から容器又は管6に収容され、水電解用電極1
により電解されてCO浴用水が得られる。得られたC
浴用水は、排水口4と直結している搬送路9(通常
は管)を通じ、必要に応じて熱交換器を介して、シャワ
ー(図示せず)、給湯栓(図示せず)、浴槽(図示せ
ず)に供給され、CO浴用水として使用することがで
きる。なお、aは水の流れの向き、bはCO浴用水の
流れの向きを示している。
【0030】図3は本発明の装置におけるCO浴用水
供給源のもう一つの構成例の模式図である。図2と同一
の構成要素を同一の符号で表している。本装置では、水
電解用電極1の陽極1aと陰極1bとは炭素質電極又は
本電極から成り、この水電解用電極1と電源5との間に
極性を切り替える手段10を介して構成されている。必
要に応じて電源5と極性切替手段10との間に直流安定
化装置(図示せず)を介して構成されていても良い。極
性切替手段10により、陽極1aと陰極1bの極性を反
転させ、陰極1bに付着した物質を除去することができ
る。
【0031】図4は本発明の装置におけるCO浴用水
供給源の更にもう一つの構成例の模式図である。図2及
び図3と同一の構成要素を同一の符号で表している。陽
極1aと陰極1bの形状は共に板状であり、電極間の電
流密度がほぼ一定になるように、各電極の電流導入部1
1a、11bから離れるにつれてその面間隔が漸次小さ
くなるように対向させて配設している。こうすることに
より、電極の消耗を均一にすることができ、長寿命化が
図れる。
【0032】図1は、図4に表したCO浴用水供給源
を含む本発明の装置の一つの模式概念図を示している。
図2〜図4と同一の構成要素を同一の符号で表してい
る。容器又は管6には水面を検出する水位センサー(図
示せず)が付属されており、容器又は管6の水7は、こ
の水位センサーと連動している電磁バルブ13により、
その給水量を調整することができる。また、得られたC
浴用水は、排水口4から取り出し、搬送量を制御す
る電磁バルブ14を介してポンプ15の動力により搬送
され、必要に応じて熱交換器(図示せず)を介して、シ
ャワー(図示せず)、給湯栓16又は浴槽(図示せず)
に供給することができる。
【0033】次に、本電極の製造例及びその製造比較例
を記述する。
【0034】<本電極の電気化学的特性> 本電極の製造例 フェノール樹脂40質量部に対して天然黒鉛粉60質量
部を加えて混合し、総質量100質量部の混合物を得
た。この混合物を170〜190℃に予熱した金型に入
れ、180〜190℃の熱板上で圧力200kgf/c
で30分間熱圧成形し、直径120mm、厚み5m
mの円板状の成形体を得た。次いで、この円板状成形体
を200℃で5時間熱処理し、樹脂を完全に硬化させ
た。その後、この円板から40×20×5(mm)の試
料を切り出し、サイクリックボルタンメトリー法により
その電気化学的特性を調べた。
【0035】この際、電解槽には水道水、陰極にはSU
S316ステンレス鋼、参照電極には白金を用い、10
mV/秒にて電位をスイープさせた。また、陽極の液漬
部分の寸法は20×20×5(mm)であり、作用面積
は約11cmであった。
【0036】同様の実験を一般炭素材とガラス状炭素に
ついても行った。
【0037】その結果、フェノール樹脂40質量部に対
して天然黒鉛粉60質量部を含む材料(フェノール樹脂
−天然黒鉛成形体)は、樹脂の電気抵抗により大きく分
極することはなく、一般炭素材やガラス状炭素とほぼ同
等の電気分解特性を有することが分かった。
【0038】次に、上記したフェノール樹脂−天然黒鉛
成形体を陽極とし、1規定過塩素酸ナトリウム水溶液中
で銀−塩化銀電極を参照電極として用い、陽極電位を
1.5Vから0.1Vずつ20分毎に印加電圧を上げる
定電圧電解を行った。この結果、陽極電圧が2.0V、
電気量が3000クーロンを超えても、脱落した炭素粒
子は極めて少なかった。その後、4000クーロン(陽
極電圧2.2V)まで通電した後も電極にき裂や欠けな
どは確認できなかった。
【0039】本電極の製造比較例 同様の実験を、一般炭素材である市販の等方性黒鉛材数
種を用いて行ったところ、電気量が約1500クーロン
(陽極電圧1.7V)になると、うろこ状の大きな片が
脱落し始め、2000クーロンを超えると電解槽底部に
堆積した。
【0040】ガラス状炭素においては、700クーロン
(陽極電圧1.9V)の電気量を超えると粒子の脱落が
生じ、1000クーロンまで通電した後の電極はエッジ
部分が欠けており、電解浴が褐色になった。
【0041】以上のように、本電極の製造例及び製造比
較例の結果から、本電極であるフェノール樹脂−天然黒
鉛成形体は、電気分解特性が良好であり、一般炭素材や
ガラス状炭素に比べて長時間にわたって電極としての健
全性を維持できることが分かった。なお、いずれの電解
も電流密度が10mA/cm以下の条件で行ってい
る。
【0042】<二酸化炭素溶解量の測定> 本電極の試験例 フェノール樹脂と天然黒鉛粉との混合比率を変え、それ
以外は本電極の製造例に記載の製造方法と同様にして試
料を作製し、この試料を電圧降下法により固有抵抗を測
定した。次いで、図5に示すようなアクリル製の電解槽
54により、この試料を陽極電極51、SUS316ス
テンレス鋼を陰極52として用い、電流50mA(電流
計56)、1時間の条件で室温の水(水道水)53を直
流電源55により電解し、水53に溶けているCO
解量を測定した。陽極51の液漬部分の寸法は20×2
0×5(mm)であり、作用面積は約11cm(電流
密度約4.5mA/cm)である。このような条件の
水電解により、陽極液漬部分の表面から生成するCO
はすぐに水に溶け込み、溶液化している。ここで、CO
溶解量の測定は、電解後の水に水酸化バリウム(Ba
(OH))を一定量溶かして、水に溶けているCO
(なお、COは水に溶けると炭酸に変化する)を炭酸
バリウム(BaCO)として固定し、未反応のBa
(OH)を塩酸(HCl)により逆滴定を行い、その
値から実際に水に溶けているCO溶解量を求めた。
【0043】なお、水の電解により、COは次の化学
式(化1、化2)に従って発生する。
【0044】
【化1】
【0045】
【化2】
【0046】但し、(O)は原子状の活性な炭素を表
す。
【0047】COの理論発生量は、50mA、1時間
のとき、次の式(数1)で計算される様に167.1m
lであり、これに対する実際に水に溶けているCO
解量の百分率をCO溶解効率とした。
【0048】
【数1】
【0049】図6に炭素質物質の含量と、電極の固有抵
抗及びCO溶解効率との関係を示した。図6中線60
は固有抵抗の変化を示し、線61はCO溶解効率の変
化を示す。
【0050】図6から分かるように、炭素質物質が50
質量%以上で固有抵抗が急激に低下し、かつCO溶解
効率が著しく向上する。特にこの現象は、炭素質物質が
50〜80質量%の範囲、換言すれば樹脂硬化物20〜
50質量%の範囲で顕著であることが分かる。一方、樹
脂硬化物10質量%未満では、一般炭素材やガラス状炭
素とほぼ同様な結果になり、CO溶解効率が低い上に
長時間にわたって電極としての健全性を維持することが
困難になる。したがって、本発明の装置で使用する炭素
質電極は、炭素質物質50乃至90質量%と樹脂硬化物
10乃至50質量%との組成物から成るものが好ましい
ことが分かる。最も好ましくは、炭素質物質50乃至8
0質量%と樹脂硬化物20乃至50質量%との組成物か
ら成る炭素質電極が良いことが分かる。なお、炭素質物
質が50質量%未満の場合において、CO溶解効率が
低くなる理由は、COが水にあまり溶解しなかったと
いうよりも、そもそもCOがあまり発生しなかったと
理解される。
【0051】<極性切替え試験結果>陰極と陽極が炭素
質電極から成る水電解用電極で構成された本発明の装置
を用いて、極性切替えを行わずに水道水を電解したとこ
ろ、しばらくすると陰極側にCa、Mg等の化合物が付
着して陰極表面を覆い始めると共に電解電圧が上昇し、
それに伴って電流が低下し始めた。一方、極性を2時間
交代で切り替えて水電解した場合にはこのような現象は
認められず、良好にCO浴用水を供給することができ
た。
【0052】
【発明の効果】本発明に係る装置により、高濃度でしか
も大量のCO浴用水を供給できるようになり、炭酸風
呂にも使用できるようになった。さらに、本発明の装置
は次のような効果を奏する。 (1)浴用水乃至は浴湯を電解するだけでCO浴用水
を得られるので経済的であり、溶解効率も良い。 (2)窒素酸化物や硫黄酸化物がCO浴用水に含まれ
ることはなくなり、人体に悪影響も及ぼさない。 (3)特定領域の炭素質物質及び樹脂硬化物から成る本
電極は、電気分解特性が良好であり、長時間にわたって
電極としての健全性を維持できると共にCOの溶解効
率や濃度も著しく高めることができる。 (4)極性を切り替える手段を設けることにより、陰極
に付着した物質を容易に除去でき、電極の寿命を長くす
ることができる。 (5)電流導入部から離れるにつれて、陽極と陰極との
面間隔が漸次小さくなるように配設することにより、電
極を均一に消耗させることができ、より一層の長寿命化
を図ることができる。 (6)供給するCO浴用水は、クラスターの小さい水
になっており、炭酸風呂の効果と共に電子水の効果を相
乗的に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4に表したCO浴用水供給源を含む本発明
の一つの装置の模式概念図である。
【図2】本発明の装置におけるCO浴用水供給源の一
つの構成例の模式図である。
【図3】本発明の装置におけるCO浴用水供給源のも
う一つの構成例の模式図である。
【図4】本発明の装置におけるCO浴用水供給源の更
にもう一つの構成例の模式図である。
【図5】本電極の電解試験の模式図である。
【図6】炭素質物質の含量と、固有抵抗及びCO溶解
効率との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
57 可変抵抗器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 修 香川県三豊郡大野原町大字中姫2181−2 東洋炭素株式会社大野原技術開発センター 内 (72)発明者 東城 哲朗 香川県三豊郡大野原町大字中姫2181−2 東洋炭素株式会社大野原技術開発センター 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化炭素を溶解させた浴用水を供給す
    る装置において、 給水口(3)と、 該給水口(3)から供給された浴用水乃至は浴湯(7)
    を電解する陽極(1a)及び陰極(1b)のうち、少な
    くとも陽極(1a)に炭素質電極を用いて構成された水
    電解用電極(1)と、 電解により生成する二酸化炭素を前記浴用水乃至は浴湯
    (7)に溶解させた浴用水を排出するための排水口
    (4)と、を備えた容器又は管(6)から成る、前記二
    酸化炭素を溶解させた浴用水の供給源を含む、二酸化炭
    素を溶解させた浴用水の供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、前記炭素
    質電極は、炭素質物質50乃至90質量%と樹脂硬化物
    10乃至50質量%との組成物から成ることを特徴とす
    る、請求項1記載の二酸化炭素を溶解させた浴用水の供
    給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置において、前記炭素
    質電極は、炭素質物質50乃至80質量%と樹脂硬化物
    20乃至50質量%との組成物から成ることを特徴とす
    る、請求項1記載の二酸化炭素を溶解させた浴用水の供
    給装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記
    載の炭素質電極を陽極(1a)及び陰極(1b)に用い
    て構成された水電解用電極(1)に、陽極(1a)及び
    陰極(1b)の極性を切り替える手段(10)を介して
    構成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項
    3のいずれか1項記載の二酸化炭素を溶解させた浴用水
    の供給装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記
    載の炭素質電極を陽極(1a)及び陰極(1b)に用い
    て構成された水電解用電極(1)であって、前記陽極
    (1a)及び前記陰極(1b)が板状であり、前記水電
    解用電極(1)の電流導入部(11a、11b)から離
    れるにつれて前記板状陽極と前記板状陰極との面間隔が
    漸次小さくなるように配設していることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の二酸化炭素
    を溶解させた浴用水の供給装置。
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