JPH0819679B2 - 傾斜地盤面の保護構造 - Google Patents

傾斜地盤面の保護構造

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JPH0819679B2
JPH0819679B2 JP2266113A JP26611390A JPH0819679B2 JP H0819679 B2 JPH0819679 B2 JP H0819679B2 JP 2266113 A JP2266113 A JP 2266113A JP 26611390 A JP26611390 A JP 26611390A JP H0819679 B2 JPH0819679 B2 JP H0819679B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は傾斜している地盤面を植生層により保護する
ための構造に関するものであり、本発明の保護構造は特
に無土壌地、岩石地、石礫岩塊地、マサ風化地、シラス
地、痩地、あるいは土壌硬度の高い地盤等の植生が困難
でかつ急傾斜を有する地盤面に適用されて有効である。
〔発明の背景〕
無土壌地、岩石地、石礫岩塊地等の脆弱な構造でかつ
地盤面が急傾斜をなす地盤では地盤崩落の危険性が極め
て大きい。
そこで従来ではこのような地盤面を金網で被覆し、該
金網をアンカーピンによって地盤面に固定し、更にその
上からモルタル接着剤を吹付けて該金網とアンカーピン
および地盤とを固着する保護構造が採用されている。そ
して更に上記地盤面を強化するために該地盤面における
自然的な植生緑化を期待するか、あるいは積極的に播種
が行なわれる。
しかし上記地盤がシラス地、痩地、あるいは土壌硬度
の高い地盤である場合には植物の発芽、成長が困難であ
り、単に自然植生、播種のみでは植生緑化の促進が困難
となる。
〔従来の技術〕
そこでこのような状況の地盤にあっては、従来、客土
工法と言われている工法が採用されていた。該客土工法
とは上記のように地盤面を金網で被覆した上に土壌、種
子、土壌改良剤等の混合物を吹付けて植生基盤層を形成
させることにより、植物を該基盤層において順調に発芽
成長させることを意図するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら上記従来技術にあっては、植生を容易に
するために上記植生基盤層は柔軟な粗構造を取らなけれ
ばならないが、一方ではこのような柔軟粗構造を取れば
降雨や凍上融解等により該植生基盤層が流出し易くな
る。
このために該植生基盤層にセメント、合成樹脂接着
剤、繊維等の侵食防止剤や養生剤を添加して補強する方
策が採用されているが、このような侵食防止剤や養生剤
により植生基盤層の流出を抑制する効果を強化すると、
該植生基盤層の内部の結合が緻密になって植物の成育が
阻害される。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記従来の課題を解決するための手段とし
て、傾斜地盤面(1)を被覆し大径の線材を使用した菱
形金網である下側金網(2)と、該下側金網(2)を該
地盤面(1)に固定する下側アンカーピン(3)と、該
下側金網(2)上に形成され土壌と種子と土壌改良剤と
の混合物を主体とする植生基盤層(4)と、該植生基盤
層(4)上を被覆し自然崩壊可能かつ植生が貫通可能な
繊維絡合層(5)と、該繊維絡合層(5)上を被覆する
上側金網(6)と、該上側金網(6)を繊維絡合層
(5)を介して該地盤面(1)に固定する上側アンカー
ピン(7)とからなり、該上側金網(6)および該繊維
絡合層(5)上にはモルタル接着剤が吹付けられている
傾斜地盤面(1)の保護構造を提供するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
〔傾斜地盤面〕
本発明は特に無土壌地、岩石地、石礫岩塊地、マサ風
化地、シラス地、痩地、あるいは土壌硬度の高い地盤等
の脆弱構造を有するかあるいは植生に適さない地盤の急
傾斜地盤面に適用されて有用であるが、特にこれ等に限
るものではなく、一般的な傾斜地盤面にも当然適用され
るものである。
〔下側金網〕
下側金網は傾斜地盤面に直接被覆されるものであり、
該下側金網は下側アンカーピンによって地盤面に固定さ
れる。該下側金網は傾斜地盤面における地盤崩落を直接
防止するため、および該下側金網上に形成される植生基
盤層を保持するために傾斜地盤面に被覆されるものであ
るが、そのためには下側金網として大径の線材を使用し
た菱形金網を選択する。菱形金網は亀甲金網やクリンプ
金網に比して大径の線材を使用することが容易であり、
大径の線材を使用すれば金網の強度および耐久性が向上
し、地盤崩落防止が確実に出来るようになるし、また菱
形金網においては厚みが大きくなり、下側に位置する線
材が地盤面に密着しても上側に位置する線材は地盤面か
ら浮いた状態になっており、このような浮いた状態の線
材の食い込み効果によって植生基盤層が容易かつ強固に
保持されるのである。更に菱形金網はコンパクトに畳む
ことが出来るので、重量物であっても足場の悪い急斜面
でも取扱いが容易となる。該下側金網に用いられる線材
としては鋼鉄線あるいは耐久性を考慮して亜鉛メッキ線
材等が用いられる。
上記地盤面に金網を被覆してアンカーピンにて固定し
た上からモルタル接着剤を吹付けてもよい。該モルタル
接着剤は特に地盤が無土壌地、岩石地、石礫岩塊地等で
礫や岩の滑落によって斜面の崩落を起し易い脆弱構造を
有する時には有効であり、この場合、該モルタル接着剤
は特に金網のアンカーピン固定点や金網の岩石被覆部分
に重点的に吹付けて該金網とアンカーピンあるいは岩石
との接着固定を図ったり、金網下の礫上に金網を介して
吹付け、礫相互を接着固定したりする。マサ風化地、シ
ラス地、痩地、あるいは土壌硬度の高い地盤等であって
植生には不適であっても斜面の崩落のおそれのない地盤
では金網で被覆してアンカーピンで固定するだけで充分
であるが、モルタル接着剤を金網の上から薄く吹付けて
おけば、金網の腐蝕を防止するためには好ましい。
〔植生基盤層〕
本発明の植生基盤層は天然土壌、あるいはバーク堆
肥、オガクズ堆肥、コンポスト、ピートモス等の人工土
壌、あるいは該天然土壌、該人工土壌の二種以上の混合
土壌等の土壌と種子との混合物を主体とするものであ
り、更に該混合物にはpH調節剤、通気通水性改良剤、増
粘剤、保水剤、土壌団粒化剤、侵食防止剤、養生剤、肥
料等の土壌改良剤を該土壌の性質に対応して用いる。し
かしながら本発明においては後記するように該植生基盤
層上には繊維絡合層と上側金網が被覆されるので、該植
生基盤層流出防止手段としての侵食防止剤や養生剤の添
加は省略するか極く僅かにされてよい。該侵食防止剤や
養生剤の多量の添加は該植生基盤層の構造を緻密にして
植生を阻害するものである。
上記土壌に混合される種子としては植生初期における
土壌安定化や郷土植生の侵入を考慮して種類を選択する
ことが望ましく、更にこのような選択された種類を数種
類混合して使用することが望ましい。
上記植生基盤層は通常上記混合物を下側金網で被覆し
た地盤面上に吹付けることによって形成されるが、一回
の吹付けで所望の厚さの植生基盤層が得られない場合は
数回に分けて吹付けを行なってもよい。また上記植生基
盤層は上記混合物からなる均一構造を取ってもよいが、
組成や混合比率の異なる複数層構造にされてもよい。例
えばある種の土壌改良剤により種子に対する薬害が想定
される場合には種子を混合する層には害となる土壌改良
剤を混合しないようにしておく。
〔繊維絡合層〕
本発明に使用する繊維絡合層は上記植生基盤層を被覆
保護し、また外部から飛来する種子を係留定着させるも
のであり、該繊維絡合層は比較的大径の繊維(粗繊維)
を使用して植生基盤層から成育する植物の芽あるいは幼
葉が通過出来、また雨水による植生基盤層の流出を繊維
相互の絡み目により係合阻止出来るような粗構造を有す
る。また該繊維絡合層は上方からの雨滴等の衝撃力が植
生基盤層の地表面へ直接及ぼされるのを緩和するもので
あり、そのためにはある程度の厚みを有し、かつ該繊維
は強靱性のあることが望ましい。更に該繊維は植生緑化
の進行後腐朽や紫外線分解等によって自然崩壊し、肥料
化することが望ましい。上記の点から見ればヤシ繊維、
麻繊維等の植物繊維は本発明の繊維絡合層にとって好ま
しいものである。該繊維は合成ゴムラテックス、天然ゴ
ムラテックス、合成樹脂エマルジョン等の結着剤を用い
て絡合結着されて繊維絡合層とされるが、該結着剤は繊
維の崩壊を妨害しないように最小限で使用することが望
ましく、また経時により接着力が劣化するものであるこ
とが望ましい。
〔上側金網〕
上記繊維絡合層上には上側金網が被覆され、そして該
上側金網はアンカーピンによって地盤面に固定される。
該上側金網は上記繊維絡合層を上から押えて植生基盤層
との間に隙間がないように密着させかつ植生緑化が進行
して繊維絡合層が崩壊した時に崩壊物が飛散することを
防止するものであり、該上側金網は強度は必要でなく柔
軟性があって地盤面の凹凸になじみ易いものが望まし
く、その点からみれば亀甲金網は本発明の上側金網とし
て望ましいものである。該上側金網の線材としては鋼鉄
線、あるいは耐久性を考慮して亜鉛メッキ線材、プラス
チック被覆線材等が用いられる。
上記上側金網と繊維絡合層とを予め接着しておいて巻
物としておけば現場にて施工の際、繊維絡合層の被覆と
上側金網との被覆とが一工程で出来るし、繊維絡合層が
金網により補強されるので取扱いが容易になる。
〔モルタル接着剤〕
モルタル接着剤はセメントと天然ゴムラテックス、ス
チレンブタジエンゴムラテックス、ネオプレンゴムラテ
ックス等の合成ゴムラテックス、アクリル樹脂エマルジ
ョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン等の合成樹脂エマル
ジョン等の結着剤との混合物を主体とするものであり、
更に所望なればポリビニルアルコール、カルボキシメチ
ルセルロース等の安定剤、消泡剤、砂、砂利、石粉等の
骨材、セメント硬化調節剤、セメント膨張剤等を配合し
たものであり、該モルタル接着剤は上記繊維絡合層上面
に吹付けられ、該繊維絡合層の短時間の崩壊を防止する
とともに粗面を形成して外部から飛来する種子の係留定
着を補強するものである。該モルタル接着剤は上記繊維
絡合層を上側金網によって被覆する前に吹付けられても
よいが上側金網によって被覆してから吹付けられるのが
好ましい。該モルタル接着剤の多量の吹付けは上記繊維
絡合層の上面を閉鎖して植物が該繊維絡合層を貫通する
ことを阻害したり、外部から飛来する種子が該繊維絡合
層により係留されることをかえって妨害するので、該吹
付け量は適量にされかつ点状にまぶし付けられることが
望ましい。金網被覆後にモルタル接着剤を吹付ける場合
には、金網の素線に薄くモルタル接着剤の被覆が出来る
程度に吹付けるとともに、アンカーピン固定点に重点的
に吹付けてアンカーピンと金網、更に金網と繊維絡合層
とを強固に固定し、このような固定点の複数個により繊
維絡合層の上面を閉鎖することなく金網を介して該繊維
絡合層を強固に固定することが出来る。
なお、該モルタル接着剤は前記した下側金網と地盤面
との固定に用いられるものと同様なものである。
〔作用〕
傾斜地盤面は下側金網を下側アンカーピンによって固
定することによって直接的に崩壊を阻止される。該下側
金網は大径の線材を使用した厚みの大きな菱形金網であ
り、強度や耐久性に優れており、地盤崩壊を確実に防止
し、また植生基盤層に下側から食い込んでこれを強固に
保持する。その一方菱形金網はコンパクトに畳むことが
出来、取扱いが極めて容易で現場作業性がよい。植生基
盤層は地盤が植生困難な種類のものであってもそれに関
らず円滑な植生緑化を提供するものである。そして該植
生基盤層は上記したように該下側金網により保持され
る。繊維絡合層は該植生基盤層の雨水等による流出を防
止するとともに、外部から飛来する種子を係留定着する
ものである。上記金網はアンカーピンにより該繊維絡合
層を押えて植生基盤層との間に間隙のないように密着さ
せる。繊維絡合層と植生基盤層との間に間隙が出来ると
植生基盤層から発芽成長した植物が該隙間を介して繊維
絡合層に到達するまでに該繊維絡合層を貫通することが
出来なくなってしまう程度に大きく成長するおそれがあ
る。該上側金網および該繊維絡合層上にモルタル接着剤
を吹付ければ、該繊維絡合層の早期の崩壊は防止されか
つ外部から飛来する種子の係留定着が確実になる。上側
金網の素線はモルタル接着剤により被覆されたモルタル
接着剤が老化して剥離または中性化して保護する能力が
消失するまで耐侯性を保持することが出来る。更に該モ
ルタル接着剤はアンカーピンと金網と繊維絡合層とを固
着して繊維絡合層の上面を閉鎖することなく該繊維絡合
層を地盤面に強固に固定出来るようにする。植生緑化が
進むにつれて繊維絡合層は自然破壊するが、破壊物の飛
散は上側金網により防止される。植生緑化が進めば地盤
は植物根部により補強される。
上側金網として亀甲金網を用いるとその柔軟性によっ
て地盤面の凹凸になじみ易い。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例を示すものであり、地盤
(8)の表面(地盤面)(1)は傾斜しており、該地盤
面(1)上には菱形金網である下側金網(2)が被覆さ
れ、該下側金網(2)は下側アンカーピン(3)により
所定箇所で地盤面(1)に固定されている。該下側金網
(2)上には土壌と種子と土壌改良剤とを主体とする混
合物が吹付けられて植生基盤層(4)が形成される。該
植生基盤層(4)表面には亀甲金網である上側金網
(6)を上面に接着した植物繊維絡合層(5)が被覆さ
れ、上側アンカーピン(7)により地盤面(1)に固定
され、該繊維絡合層(5)は該上側金網(6)によって
隙間の生じないように該植生基盤層(4)に押付けられ
る。該上側金網(6)の上からはモルタル接着剤が点状
にまぶし吹付けされ、上側アンカーピン(7)固定点に
は該モルタル接着剤が重点的に吹付けられモルタル接着
層(9)が形成される。
このようにして本実施例では地盤面(1)は下側金網
(2)により補強され、植生基盤層(4)は該下側金網
(2)に保持され、繊維絡合層(5)は上側金網(6)
により隙間の生じないように植生基盤層(4)に押付け
られ、モルタル接着剤(9)により該繊維絡合層(5)
は上側金網(6)を介して地盤面(1)に固定されてい
る。
上記構成において、植生基盤層(4)の種子が発芽
し、植物の芽あるいは幼葉は該繊維絡合層(5)を貫通
して成長し、根部は地盤(8)中に侵入してこれを強化
する。上記植生緑化が進行するにつれて該繊維絡合層
(5)が腐朽崩壊するが崩壊物の飛散は上側金網(6)
によって防止される。
〔発明の効果〕
したがって本発明においては傾斜地盤面に植生基盤層
を被覆するから、該地盤面が植生困難な種類のものであ
っても、順調に植生緑化を進めることが出来、また該植
生基盤層は下側金網に支持され、かつ繊維絡合層によっ
て被覆されており、しかも該繊維絡合層は上側金網によ
り繊維絡合層に隙間のないように押付けられており、か
つモルタル接着層によって上面を補強されるとともに強
固に地盤面へ固定されているから該植生基盤層の雨水等
による流出は完全に防止される。その結果該地盤は脆弱
でかつ地盤面が急傾斜したものであっても、順調に進行
する植生緑化により確実に補強される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の断面図である。 図中、(1)……地盤面、(2)……下側金網、(3)
……下側アンカーピン、 (4)……植生基盤層、(5)……繊維絡合層、(6)
……上側金網、 (7)……上側アンカーピン、(8)……地盤、 (9)……モルタル接着層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】傾斜地盤面を被覆し大径の線材を使用した
    菱形金網である下側金網と、該下側金網を該地盤面に固
    定する下側アンカーピンと、該下側金網上に形成され土
    壌と種子と土壌改良剤との混合物を主体とする植生基盤
    層と、該植生基盤層上を被覆し自然崩壊可能かつ植生が
    貫通可能な繊維絡合層と、該繊維絡合層上を被覆する上
    側金網と、該上側金網を繊維絡合層を介して該地盤面に
    固定する上側アンカーピンとからなり、該上側金網およ
    び該繊維絡合層上にはモルタル接着剤が吹付けられてい
    ることを特徴とする傾斜地盤面の保護構造
  2. 【請求項2】該下側金網は菱形金網であり、該上側金網
    は亀甲金網である請求の範囲1に記載の傾斜地盤面の保
    護構造
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