JPH08197626A - 繊維複合シートの製造方法 - Google Patents

繊維複合シートの製造方法

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JPH08197626A
JPH08197626A JP7013571A JP1357195A JPH08197626A JP H08197626 A JPH08197626 A JP H08197626A JP 7013571 A JP7013571 A JP 7013571A JP 1357195 A JP1357195 A JP 1357195A JP H08197626 A JPH08197626 A JP H08197626A
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JP
Japan
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fiber
fiber bundle
tank
resin powder
sheet
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Application number
JP7013571A
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English (en)
Inventor
Takahiro Konishi
隆弘 小西
Toshiyuki Suzuki
俊之 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流動槽内で繊維束を開繊させて樹脂粉体を付
着させ、繊維複合シートを製造する方法であって、槽内
での繊維束の開繊を均一かつ充分に行わせ、繊維束両側
縁部における樹脂粉体の付着量を多くして、肉厚が幅方
向に均一で、樹脂含浸不良部分が無くかつ強度に優れた
幅広の繊維複合シートを製造する。またシート両側縁部
の切断除去部分を少なくて、製造効率を高め、隣接繊維
束にモノフィラメント断片が絡み合うことなく、長時間
安定してシートの連続成形を行う。 【構成】 多数の連続モノフィラメントよりなる繊維束
F の開繊及び樹脂粉体付着を行う工程において、流動槽
7 内の繊維束F 同志の間に仕切板15を配置して、槽7 内
をそれぞれ繊維束F が通過する複数の空間部17に区分
し、流動槽7 の区分された各空間部17における風量を単
独に調整することにより、各空間部17における繊維束F
への樹脂粉体8 の付着量を相互に独立して調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維複合シートの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばプラスチックやエンジニア
リングプラスチックの補強材料として用いられているプ
リプレグシートや、スタンパブルシートなどの繊維強化
熱可塑性樹脂よりなる繊維複合シートの製造方法とし
て、多数の連続モノフィラメントよりなる繊維束を、熱
可塑性樹脂粉体の流動床を通過させ、開繊しながら樹脂
粉体を含浸し、加熱溶融して、シート化する方法(特公
昭52−3985号公報参照)や、平行かつ均一に緊張
された複数の繊維を樹脂粉体の槽を通過させることによ
り、繊維に樹脂粒子を付着させ、過剰の付着樹脂を繊維
に振動を与えることにより取り除いた後、加熱溶融し
て、シート化する方法(特公昭63−67446号公報
参照)などが知られている。
【0003】これらの従来法により、例えば図1に示す
ような繊維(1) と熱可塑性樹脂(2)よりなりかつ幅寸法
が100mm以上の繊維強化熱可塑性樹脂シート(3) を作
成した場合、樹脂粉体が流動している槽内で繊維束を開
繊させてこれに樹脂粉体を付着させる工程において、繊
維束をモノフィラメント状に均一かつ充分に開繊し、樹
脂粉体を付着させるためには、樹脂粉体が流動している
槽内での繊維束の通し方が重要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来法
によれば、多数本の繊維束を全て同経路で並列状に配列
して開繊させているため、隣接繊維による開繊の阻害が
生じ、充分な開繊が行われず、樹脂粉体の付着も不充分
であり、シート幅方向の肉厚分布にばらつきが生じると
いう問題があった。これに対し、隣接繊維による開繊の
阻害が生じないように、繊維束間隔を広くとると、各々
の繊維束はモノフィラメント状に開繊して、樹脂粉体の
付着も良くなるが、開繊した一本の繊維束の左右両側縁
部は、中央部に比べ、フィラメントの密集度合いが少な
いため、繊維束の両側縁部では樹脂粉体の付着量が少な
く、このような樹脂含浸不良部分の外観は白く見えるた
め、シートの外観にむらが生じ、かつシート幅方向の肉
厚のばらつきも大きいため、強度が劣るという問題があ
った。
【0005】このため、上記従来法により製造されたシ
ートを二次加工して製品を得る場合、成形工程において
シートが破れたり、あるいは成形された製品の線膨張係
数が不均一になって、熱伸縮により該製品が波打つとい
う問題があった。
【0006】またシート両側縁部における樹脂粉体の付
着量が少なく、肉厚が薄くなるため所定の肉厚を有する
シート製品を得るには、肉厚の薄いシート両側縁部を切
断除去する必要があり、従来法では、その切断除去部分
(カットシロ)が多くなるという問題があった。
【0007】さらに、流動槽内で繊維束をバーに圧接さ
せながら通過せしめて開繊するさい、摩擦によってモノ
フィラメントが切断され、これにより生じたモノフィラ
メントの断片が、隣接する繊維束と絡み合い、長時間安
定してシート成形を行うことが困難であるという問題が
あった。
【0008】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決し、多数の連続モノフィラメントよりなる繊維束
を均一かつ充分に開繊することができて、繊維束の両側
縁部においても樹脂粉体の付着量が多く、従って肉厚が
幅方向に均一で、樹脂含浸不良部分が無くかつ強度に優
れた幅広のシート状成形品を製造することができ、しか
もシート両側縁部の切断除去部分が少なく、さらにモノ
フィラメントの断片が隣接する繊維束と絡み合うことが
なく、長時間安定してシート成形を行うことができる繊
維複合シートの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、多数の連続モノフィラメントよりなる
繊維束を、複数本並列状に配列し、樹脂粉体が流動しか
つ複数本の水平バーが上下に所要間隔をおいて配置され
た流動槽内に導き、上記繊維束をこれらの水平バーに圧
接して通過させることにより、各繊維束を開繊させると
ともに、各繊維束に樹脂粉体を付着させ、ついで開繊状
態の各樹脂粉体付着繊維束を同槽内の合流バーにより合
流させる工程と、合流した樹脂粉体付着繊維束を槽外の
加熱部に導いて加熱溶融してシート状となし、ついでこ
のシート状物を冷却部に導いて冷却固化して、繊維複合
シートを形成する工程を包含し、上記繊維束の開繊及び
樹脂粉体付着を行う工程において、流動槽内の繊維束同
志の間に仕切板を配置して、槽内をそれぞれ繊維束が通
過する複数の空間部に区分し、流動槽の区分された各空
間部における風量を単独に調整することにより、各空間
部における繊維束への樹脂粉体の付着量を相互に独立し
て調整することを特徴としている。
【0010】上記において、繊維束(ロービング)とし
ては、ガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維、ポ
リアマイド繊維、ポリエステル繊維などがあげられ、そ
の軟化点は熱可塑性樹脂の溶融点より高くなければなら
ない。
【0011】ここで、繊維束の軟化点が熱可塑性樹脂の
溶融点未満であると、加熱溶融時にその強度が失われ
る。
【0012】また繊維束のモノフィラメントの直径は1
〜50μm、特に2〜30μmであるのが好適である。
ここで、モノフィラメントの直径が1μm未満では、加
熱溶融工程までの引き取りや振幅で生じるテンションに
耐え得る強度が得られず、かつ繊維複合シートとしての
強度が得られにくい。モノフィラメントの直径が50μ
mを越えて大きくなると、樹脂粉体の流動では開繊しに
くいため、樹脂含浸不良部が生じやすくなり、繊維複合
シートとしての強度が得られない。
【0013】また繊維束のテンションは、繊維のフィラ
メント径によって最適値は異なるが、400gf〜30
00gfが好適である。ここで、繊維束のテンションが
400gf未満では、繊維束は開繊しにくく、またテン
ションが3000gfを越えて大きいと、繊維が加熱溶
融工程までの引き取りで生じるテンションに耐え得ない
場合があるので、好ましくない。
【0014】なお、テンションは、各繊維束を均一に開
繊させるために、全ての繊維束に同一にかけられている
ことが望ましい。
【0015】ところで、フィラメントを集合させるため
に、通常、ポリ酢酸ビニル、デンプン、及びポリエステ
ル等の集束剤が用いられるが、フィラメントと熱可塑性
樹脂との一体化が均一になされるためには、フィラメン
トの開繊が容易に行われる必要があり、従って、集束剤
の使用は少量である方がよく、通常、フィラメントに対
して0.1〜5重量%程度の集束剤が使用される。
【0016】また、流動槽の樹脂粉体を構成する熱可塑
性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
オレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル樹脂及びその共重
合体、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルフ
ァイドなどのエンジニアリングプラスチック、並びにこ
れらの熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合樹脂などが
あげられる。
【0017】ここで、樹脂粉体の粒子径は10〜300
μm程度であるのが好ましく、樹脂粉体の粒子径が10
μm未満、あるいは粒子径が300μmを越えると、開
繊されたモノフィラメントに樹脂が良好に付着しないの
で、好ましくない。
【0018】つぎに、本発明による繊維複合シートの製
造方法を図面を参照して説明する。
【0019】なお、以下の説明において、前とは繊維束
の移動方向、すなわち図3の右方向をいうものとする。
【0020】まず図2において、流動槽(7) の底は、多
孔板(18)で構成せられており、気体供給路から送られて
きた空気や窒素などの気体(G) が多孔板(18)の下方から
これの多数の孔を通って上方に噴出せしめられる。その
結果、流動槽(7) 内に満たされた粉体状熱可塑性樹脂
(8) は噴出気体(G) によって流動化状態となり流動床が
形成される。
【0021】例えば図4に示されるように、流動槽(7)
の後方には、繊維束(F) の繰出機(5) が配置せられ、流
動槽(7) と繰出機(5) との間に流動槽(7) への2つのガ
イドバー(6) が配置されている。流動槽(7) の前方に
は、順次後から、加熱ロール(11)、冷却ロール(12)、引
き取りロール(13)、巻取機(14)が配置されている。
【0022】図2においては、流動槽(7) 内の後部上方
には、導入側ガイドバー(a) が配置され、上記繰出機
(5) から繰り出された複数本の繊維束(F) が導入側ガイ
ドバー(a) において例えば等間隔に並列状に配列せしめ
られる。
【0023】そして、本発明においては、これらの繊維
束(F) を流動槽(7) の中へ導くにあたり、槽(7) 内にお
いて各繊維束(F) 同志の間及び同槽(7) の左右両側縁部
に、仕切板(15)が、幅方向に等間隔で、高さ方向には、
槽(7) 底面から繊維束通過高さ最上面より高い位置ま
で、ライン方向には、繊維束導入側の槽(7) 内壁面から
合流部バー(b) までそれぞれ設置して、各槽(7) 内をそ
れぞれ繊維束(F) が通過する空間部(17)に区分されてい
る。これによって、各繊維束(F) の開繊幅を一定に保
ち、樹脂粉体(8) 付着量が等しくなる。また仕切板(15)
を設置することで、切断されたモノフィラメントが隣接
繊維束(F) と絡まることもなく、長時間安定してシート
の連続成形が可能になる。
【0024】流動槽(7) 内には、導入側ガイドバー(a)
のほぼ真下で槽(7) の底近くに第1テンションバー(9)
が、その前方やや上方に第2テンションバー(9) が、こ
れの前方で第1テンションバー(9) と同レベルに第3テ
ンションバー(9) それぞれ位置せしめられ、第3テンシ
ョンバー(9) の前方で第2テンションバー(9) と同レベ
ルに開繊状態の各樹脂粉体付着繊維束(F) を合流する合
流部ガイドバー(b) が位置せしめられ、さらに槽(7) の
前壁近くに第4テンションバー(9) が位置せしめられて
いる。第1〜第4テンションバー(9) 及び合流部ガイド
バー(b) は、いずれも流動床中に存在する。流動槽(7)
の前部で第4テンションバー(9) のほぼ上方位置に加熱
ロール(11)へのガイドバー(9) が配置せられている。な
お、導入側ガイドバー(a) における各繊維束(F) 及び合
流部ガイドバー(b) における各繊維を安定的に走行させ
るために、これらが張力を受けるようになされている。
【0025】仕切板(15)を槽(7) 内に設置する場合、設
置方法としては槽(7) 内に横架されているテンションバ
ー(9) に合わせた差込み穴を仕切板(15)に設けてテンシ
ョンバー(9) と仕切板(15)との間に隙間が生じないよう
にして取り付けるのが望ましい。
【0026】さらに仕切板(15)のライン方向の設定位置
は、繊維束(F) 導入側は流動槽(7)の内壁に接触してい
ることが望ましく、引取側は合流部バー(b) と、これよ
り1つ繊維束導入側に設置されているテンションバー
(9) との間に設定され、合流部バー(b) に接触している
ことが望ましい。
【0027】また流動槽(7) の区分された各空間部(17)
における風量を単独に調整することにより、各空間部(1
7)における繊維束(F) への樹脂粉体(8) の付着量を相互
に独立して調整するようになされている。
【0028】この場合、各仕切板(15)間の繊維束通過空
間部(17)の底面からの吹き上げ風速を調整できるよう
に、流動槽(7) 底面の下部においても上部仕切板(15a)
が延長する下部仕切板(15b) を設けるか、あるいは槽
(7) 内の上部仕切板(15a) と同幅方向位置に下部仕切板
(15b) を別途設けて、流動槽(7) 底面より下側の空間部
を同様に区分するのが、好ましい。各仕切板(15)間の繊
維束通過空間部(17)の吹き上げ風量を調整できるように
するために、下部仕切板(15b) は、ライン方向におい
て、槽(7) 導入部内壁面から出口側壁面まで設置されて
いることが望ましい。
【0029】そして、流動槽(7) 底面より下側において
仕切られた空間部の一部に、それぞれ弁(19)の付いた風
吹き込み用パイプ(20)を接続し、通常、その弁(19)の開
け締めの度合いによって、各仕切板(15)間の繊維束通過
空間部(17)の風量調整を行うものである。
【0030】なお、仕切板(15)の材質としては、ポリ塩
化ビニル樹脂(PVC)、ポリプロピレン樹脂(P
P)、ポリカーボネート樹脂(PC)等の熱可塑性樹脂
や、熱硬化性樹脂、金属類等が挙げられ、特に限定され
ないが、ガラスフィラメントと接触する際にフィラメン
トの切断が生じないように、なるべく摩擦係数の小さい
ものを使用するのが望ましい。
【0031】また仕切板(15)の厚みは10mm以下好まし
くは2mm以下である。仕切板(15)の厚みが10mmを越え
て厚いと、各繊維束(F) が合流する際に繊維束(F) 間に
おいて隙間が生じ、樹脂含浸不良部が生じて、得られる
シートの強度が低下するので、好ましくない。
【0032】仕切板(15)の配置間隔は、使用する繊維束
(F) の番手(単位長さ当たりの重量)と、製品の繊維目
付量(単位面積当たりの重量)によって定められる。
【0033】このとき、両側縁部付近の吹き上げ風量を
中央部よりも高くして、樹脂粉体の流動状態を活発にす
ることによって、加熱ロール導入時におけるシート両側
縁部付近の樹脂粉体付着量を中央部に合わせることが可
能になり、シート幅の肉厚のばらつきがシート両側縁部
においても解消され、シート両側縁部の切断除去部分
(カットシロ)幅が少なくて済むため、製造効率を上げ
ることができる。
【0034】流動槽(7) の導入側ガイドバー(a) から合
流部ガイドバー(b) までの各繊維束(F) の経路は、図2
に示すように、全て同一経路でも良いし、あるいはまた
図3に示すように、所定本数置きに複数の組を構成させ
て、同じ組の繊維束(F) は全て同じテンションバー(9)
を通過させるようにしても良い。
【0035】すなわち、図3においては、流動槽(7) が
前後2基配置されている。各流動槽(7) 内の後部上方に
は、導入用ガイドバー(a) が配置されている。
【0036】繰出機から繰り出された繊維束(F) は、第
1流動槽(7) の導入側ガイドバー(a) において並列状に
並んでいるが、これを第1組(FA)と第2組(FB)の2組に
分けて流動槽(7) へ導入する。したがって、導入側ガイ
ドバー(a) のほぼ真下で槽(7) の底近くに第1組(FA)用
の組別第1テンションバー(9A)が、その若干前方のほぼ
同レベルに第2組(FB)用組別第1テンションバー(9B)が
それぞれ位置せしめられ、第2組(FB)用組別第1テンシ
ョンバー(9B)の前方やや上方に第1組(FA)用組別第2テ
ンションバー(9A)が、その若干前方のほぼ同レベルに第
2組(FB)用組別第2テンションバー(9B)がそれぞれ位置
せしめられ、第2組(FB)用組別第2テンションバー(9B)
の近くの斜め下方に第1組(FA)用組別第3テンションバ
ー(9A)が、その若干前方のほぼ同レベルに第2組(FB)用
組別第3テンションバー(9B)がそれぞれ位置せしめら
れ、第2組(FB)用組別第3テンションバー(9B)の前方上
側に第1組(FA)及び第2組(FB)を合流する合流ガイドバ
ー(b) が位置せしめられ、さらに合流ガイドバー(b) の
前側で槽(7) の前壁近くに共通のテンションバー(9)が
位置せしめられている。第1流動槽(7) の前部で共通の
テンションバー(9) のほぼ上方位置に第2流動槽(7) の
導入側ガイドバー(a) へのガイドバー(9) が配置せられ
ている。
【0037】つぎに、第2流動槽(7) の構成は、上記第
1流動槽(7) の構成とほぼ同様であるので、同図におい
て同一のものには同一の符号を付した。なお第2流動槽
(7)の前部で、共通のテンションバー(9) のほぼ上方位
置には、加熱ロールへのガイドバー(9) が配置せられて
いる。
【0038】また、第2流動槽(7) においては、各繊維
束(F) を合流させた後、繊維に振動を付与させることに
よって、槽(7) 内の各バーで繊維の樹脂粉体擦り揉み効
果が向上し、かつ繊維束(F) の開繊と樹脂粉体(8) 付着
が促進され。また振動の大きさを調整することによっ
て、所望の肉厚を有するシートが得られるように、スク
イズバー(10)によって繊維方向と垂直方向に打撃を加え
ることによって、振動を与えている。この点については
後述する。
【0039】ところで、各繊維束(F) の経路を、所定本
数置きに複数の組を構成させる場合、組数は2組以上何
組でも良く、その組数は仕込の繊維束(F) の本数と槽導
入部での繊維束(F) の間隔及び設定する繊維開繊幅によ
り決定される。
【0040】組数が1というのは全ての繊維束(F) が同
じバーを通過することである。
【0041】また槽(7) 内の合流部バー(b) で全ての繊
維束(F) を合流させるまでに各繊維束(F) が槽(7) 内の
バーを通過する経路数と組数が一致していること、さら
に、所定本数置きというのは組数の数より1つ少ないこ
とすなわち例えば2組なら一本置き(図3)であり、3
組なら2本置きであることなどは、いうまでもない。
【0042】また、組の違う繊維束(F) は、流動槽(7)
導入部から合流部まで全て別のバーを通過させても良い
し、槽(7) 導入部の最初に接するバー(a) から数本目の
バーまでは全ての繊維束(F) を同一バーに通し、それ以
降合流部バー(b) までの間を組を作って別々のバーに通
して開繊させても良い。
【0043】また、槽(7) 内の合流部バー(b) までに各
組の繊維束(F) が通過する槽(7) 内バーの本数は1本以
上であれば何本でも構わない。
【0044】また、各組の繊維束(F) が通過する流動槽
(7) 最下点位置は同一あるいは同一に近い高さであるこ
とが望ましい。
【0045】全ての繊維束(F) を合流させるバー(b) の
位置は槽(7) 内であれば構わないが、樹脂粉体流動面上
面よりも低い位置に設定されていることが望ましい。仕
切板(15)の肉厚の分だけ合流部バー(b) 以降で開繊さ
せ、隙間をなくさなくてはならないため、バーの位置
が、樹脂粉体流動上面よりも高い位置に設定されている
と、開繊した部分に樹脂粉体(8) を付着させにくく、肉
厚が薄くなり、折れ曲がり易いものになってしまう。た
だし、板(15)の肉厚が2mm以下であれば、この点は特に
制限されない。
【0046】また、合流させた後も加熱ロールへ導くま
でに、数本のバーと押圧させても良く、そうすることに
よって、各繊維束(F) が開繊し、仕切板(15)による各繊
維束(F) 間の隙間が埋められ、肉厚が均一になるので、
好ましい。
【0047】また上記のように、各繊維束(F) を合流さ
せた後、繊維に振動を付与させることによって、流動槽
(7) 内の各バーで繊維の樹脂粉体擦り揉み効果が向上
し、繊維束(F) の開繊と樹脂粉体(8) 付着が促進する。
また、振動の大きさを調整することによって、所望の肉
厚を有するシートが得られる。
【0048】繊維に振動を与える方法としては、上記ス
クイズバー(10)等で物理的にかきおとす方法があり、繊
維方向と垂直方向に配置させて打撃を加えることによっ
て行なわれる。
【0049】スクイズバー(10)による繊維の振動状態の
調整は、振動振幅、及び打撃回数で行われ、特にその制
限はないが、振動振幅が小さい場合は打撃回数を大きく
しないと効果が発現されない。従って振動振幅1〜20
mm、及び打撃回数100〜2000回/分が好適であ
る。なお、振動付与位置の数的な制限はない。
【0050】繊維束(F) に付着した樹脂粉体(8) を加熱
する方法としては、加熱ロール、熱風、遠赤外線などの
汎用加熱源が使用できる。加熱温度は樹脂粉体(8) の種
類や繊維複合シートの使用用途などにより適宜選択され
る。またシート状の溶融樹脂含浸繊維束の成形手段とし
て、加圧工程、及び冷却工程が適宜、加熱工程の後もし
くは同時に設けられ、最終部に設置される引取ロールに
よって繊維複合シートが連続的に引き取られる。
【0051】
【作用】本発明による繊維複合シートの製造方法によれ
ば、多数の連続モノフィラメントよりなる繊維束を複数
本幅方向に例えば等間隔に並列状に配列し、樹脂粉体が
流動している流動槽内に導いて繊維束の開繊と粉体付着
を行う工程において、各繊維束間及び必要に応じ流動槽
の左右両側縁部に仕切り板を配置して、槽内をそれぞれ
繊維束が通過する複数の空間部に区分し、流動槽の区分
された各空間部における繊維束の開繊幅を一定にし、流
動槽の左右両側縁部付近における仕切板間の空間部の吹
き上げ風速を、同槽中央部における仕切板間の空間部の
吹き上げ風速よりも高くすることにより、シート幅方向
の繊維分布、及び肉厚分布が均一で、しかも曲げ強度が
高い繊維複合シートを製造することができるものであ
る。
【0052】また、流動槽内において各繊維束間に仕切
り板が配置されているから、繊維束をバーに圧接させて
開繊するさいに生じるモノフィラメントの断片が、隣接
する繊維束に絡み付くこともなく、長時間安定してシー
トの連続成形が可能になる。
【0053】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて
詳しく説明する。
【0054】実施例1 本発明の方法に従って、図4に示す装置を用い、ガラス
繊維で強化したポリ塩化ビニル樹脂(PVC)シート
(S) を作成した。
【0055】強化繊維としてガラス繊維束(F) (日東紡
社製、ガラスロービング品番#4400:繊維径23μ
m、モノフィラメント4000本の束、繊維束寸法約1
0mm)28本ずつ計56本を用いた。これらの繊維束
(F) を繰出機(5) より繰出して、それぞれ2本のガイド
バー(6) を経由させながら、上下2つの流動槽(7) の流
動床導入側ガイドバー(a) にて横方向に40mm均等間隔
で配列した。
【0056】各流動槽(7) には、複数本のバー(9) が間
隔をおいて上下に横架されており、樹脂粉体(8) が流動
しているものである。ここで、樹脂粉体(8) としては塩
化ビニル樹脂(信越化学社製、商品名MA800S、平
均粒径100μm)を安定剤2.0phr、滑剤0.5
phrとともに、スーパーミキサーにて混合したものを
用いた。
【0057】また各流動槽(7) 内には、29枚の仕切板
(15)(板厚み2mm:PVC製)を、幅方向に38mm等間
隔で、高さ方向には、槽(7) 底面から繊維束通過高さ最
上面より20mm高い位置まで、ライン方向には、繊維束
導入側の槽(7) 内壁面から合流部バー(b) までそれぞれ
設置して、各槽(7) 内をそれぞれ繊維束(F) が通過する
28箇所の空間部(17)に区分した。
【0058】また、流動槽(7) の区分された各空間部(1
7)における風量を単独に調整することにより、各空間部
(17)における繊維束(F) への樹脂粉体の付着量を相互に
独立して調整するようにした。
【0059】なお、各流動槽(7) 底面からの吹き上げ風
量は、同槽(7) の左右両側縁部から3箇所の繊維束通過
空間部(17)はそれぞれ外側から順次0.15m3 /秒、
0.12m3 /秒、及び0.1m3 /秒であり、残り2
2箇所の中央部分の繊維束通過空間部(17)は全て0.0
5m3 /秒であった。
【0060】これらの仕切板(15)同志の間の空間部(17)
に繊維束(F) を一本ずつ28本全て同経路でテンション
バー(9) に圧接せしめて通過させ、モノフィラメント状
に開繊するとともに、樹脂粉体(8) を各モノフィラメン
トに付着させるとともに、モノフィラメント間に捕捉し
た後、各繊維束(F) を共通する1本の合流ガイドバー
(b) に導き、開繊された各繊維束(F) 同志の隙間をなく
し、合流部バー(b) で全ての繊維束(F) を合流し面一に
した後、さらにテンションバー(9) を経由して、スクイ
ズバー(10)(振幅10mm、1100回/分)で樹脂粉体
付着量を調整した後、上下流動槽(7) より引き取られて
いる2つの樹脂粉体付着繊維の間にガラスクロス(16)
(日東紡社製、商品名WKA2015D−VC1)を挾
み込み、3層に積層した。
【0061】ついで、積層物を220℃の加熱ロール(1
1)に導き、これにより開繊された樹脂含浸繊維束(F) を
加熱溶融してシート状となし、ついでこれを冷却ロール
(12)で冷却固化して繊維複合シート(S) を得、引り取り
ロール(13)を経て、巻取機(14)に巻き取った。
【0062】なお、繊維複合シート(S) の成形速度は約
4.0m/分であり、同シート(S)の成形幅寸法は10
50mmであった。
【0063】実施例2 流動槽(7) 底面からの吹き上げ風量を、流動槽(7) の左
右両側縁部から3箇所の繊維束通過空間部(17)はそれぞ
れ0.1m3 /秒にしたこと以外は実施例1と同じであ
り、成形幅寸法は1050mmであった。
【0064】実施例3 ガラスクロス(16)を用いなかった以外は実施例2と同様
にして繊維複合シートを得た。
【0065】比較例 この比較例は、上記実施例1で使用した装置において、
流動槽(7) 内の仕切板(15)を外して繊維複合シートを製
造したこと以外は実施例1と同じであり、シートの成形
幅寸法は1050mmであった。
【0066】実施例1〜3及び比較例で得られた繊維複
合シートのサンプルにつき、シート両側縁部の切断除去
部分(カットシロ)幅、シート幅方向の肉厚分布(最大
値、最小値、CV値)、繊維CV値、及び曲げ強度値を
測定して、評価した。なお、CV値は、標準偏差/平均
値を意味する。
【0067】評価テストは、つぎのように行なった。
【0068】1.シート両側縁部の切断除去部分(カッ
トシロ)幅の測定 目標とする肉厚設定は0.4〜0.65mmであり、特に
シートの左右両側縁部において0.4mm以下となる切断
除去部分の幅寸法を左右の合計で表した。
【0069】2.肉厚分布測定 上記サンプルをマイクロメーターを用い10mm間隔で幅
方向の肉厚を測定し、最大値と最小値及びばらつきをC
V値で算出した。
【0070】3.繊維分布測定 上記サンプルを20mm四方にカットし、電気炉にて樹脂
分を燃焼分離し、ガラス繊維のみの重量を測定し、幅方
向のばらつきをCV値で算出した。
【0071】4.曲げ強度測定 上記サンプルを5枚積層して、プレス成形し、繊維垂直
方向の曲げ強度をオートグラフを用いて、3点曲げ試験
を行って測定した。
【0072】5.安定性評価 各条件で24時間連続運転を行い、槽(7) 内のフィラメ
ントの絡まり発生頻度の評価結果を表1にまとめて示し
た。
【0073】
【表1】 上記表1の結果から明らかなように、実施例1〜実施例
3では、比較例に比べて、シート両側縁部の切断除去部
分(カットシロ)幅が少なく、シート幅方向の肉厚分布
が均一であり、かつ実施例1及び実施例2では、高い曲
げ強度を有するものであった。また流動槽(7) 内のフィ
ラメントの絡まり発生頻度は、実施例1〜実施例3で
は、フィラメントの絡まりの発生がなく、これに対し、
比較例1ではフィラメントの絡まりの発生が10回あ
り、安定性が悪いものであった。
【0074】
【発明の効果】上述のように、本発明の方法によれば、
多数の連続モノフィラメントよりなる繊維束を均一かつ
充分に開繊することができて、繊維束の両側縁部におい
ても樹脂粉体の付着量が多く、従って肉厚分布、繊維分
布が幅方向に均一になり、樹脂含浸不良部分が無く、強
度に優れた幅広のシート状成形品を製造することができ
る。しかもシート両側縁部の切断除去部分(カットシ
ロ)幅が少なく、製造効率を上げることができる。さら
にモノフィラメントの断片が隣接する繊維束と絡み合う
ことがなく、長時間安定してシートの連続成形を行うこ
とができるという効果を奏する。
【0075】従って、本発明の方法により製造された繊
維複合シートを二次加工して製品を得る場合、成形工程
においてシートの破れが無く、また成形された製品の線
膨張係数が均一であり、熱伸縮により製品が波打つこと
いったこともなく、優れた品質の成形品が得られるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維複合シートの要部拡大断面図である。
【図2】本発明の方法に使用される繊維複合シートの製
造装置の一部切欠き斜視図である。
【図3】本発明の方法に使用される繊維複合シートの製
造装置のいま1つの例を示す概略垂直断面図である。
【図4】本発明の実施例に使用される繊維複合シートの
製造装置全体の概略垂直断面図である。
【符号の説明】
F:強化繊維 S:繊維複合シート 5:繊維束繰出機 6:ガイドバー 7:流動槽 8:樹脂粉体 9:テンションバー 10:スクイズバー 11:加熱ロール 12:冷却ロール 13:引取ロール 14:巻取機 15:仕切板 16:ガラスクロス 17:繊維束通過空間部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続モノフィラメントよりなる繊
    維束を複数本並列状に配列し、樹脂粉体が流動しかつ複
    数本の水平バーが上下に所要間隔をおいて配置された流
    動槽内に導き、上記繊維束をこれらの水平バーに圧接し
    て通過させることにより、各繊維束を開繊させるととも
    に、各繊維束に樹脂粉体を付着させ、ついで開繊状態の
    各樹脂粉体付着繊維束を同槽内の合流バーにより合流さ
    せる工程と、合流した樹脂粉体付着繊維束を槽外の加熱
    部に導いて加熱溶融してシート状となし、ついでこのシ
    ート状物を冷却部に導いて冷却固化して、繊維複合シー
    トを形成する工程を包含し、上記繊維束の開繊及び樹脂
    粉体付着を行う工程において、流動槽内の繊維束同志の
    間に仕切板を配置して、槽内をそれぞれ繊維束が通過す
    る複数の空間部に区分し、流動槽の区分された各空間部
    における風量を単独に調整することにより、各空間部に
    おける繊維束への樹脂粉体の付着量を相互に独立して調
    整することを特徴とする繊維複合シートの製造方法。
JP7013571A 1995-01-31 1995-01-31 繊維複合シートの製造方法 Pending JPH08197626A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180104706A (ko) * 2016-12-22 2018-09-21 아르끄마 프랑스 유동층에서 열가소성 중합체로 사전함침된 섬유 재료의 제조 방법
CN117822137A (zh) * 2024-01-09 2024-04-05 礼德滤材科技(苏州)有限责任公司 一种单丝纺丝用冷却装置

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