JPH08198901A - 製紙用カチオン化澱粉・糊液及びそれらの製造方法 - Google Patents

製紙用カチオン化澱粉・糊液及びそれらの製造方法

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JPH08198901A
JPH08198901A JP7009007A JP900795A JPH08198901A JP H08198901 A JPH08198901 A JP H08198901A JP 7009007 A JP7009007 A JP 7009007A JP 900795 A JP900795 A JP 900795A JP H08198901 A JPH08198901 A JP H08198901A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い窒素含量を有しても、低いカチオン当量
値を有し、しかも、高い分子量を維持しながら、低い糊
液粘度を有する新規な製紙用カチオン化澱粉糊液を提供
すること。 【構成】 第四アンモニウム塩及び/又は第三アミノ基
で置換されたカチオン化澱粉の糊液。カチオン化澱粉に
おける、第四アンモニウム塩及び/又は第三アミノ基に
由来するカチオン化澱粉の窒素含量(X(%);「セミ
ミクロケルダー法」による測定値)と、前記糊液のカチ
オン当量値(Y(emu);PVSKを使用するコロイ
ド滴定による測定値。)との関係が、 天然地上茎澱粉の場合:Y<0.70097X−0.0
0495、 エステル型置換基を有する天然地下茎澱粉の場合:Y<
0.32936X−0.00495、 エステル型置換基を有しない天然地下茎澱粉の場合:Y
<0.40942X+0.02211、 を満足するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い窒素含量を有しな
がら低いカチオン当量値を有する製紙用カチオン化澱粉
・糊液及びそれらの製造方法に関する。
【0002】本明細書で使用する主たる用語・略語の意
味は、下記の通りである。
【0003】カチオン当量値(meq):澱粉糊液に
おけるPVSK(ポリビニル硫酸カリウム)を使用する
コロイド滴定による測定値。
【0004】粘度:特に断らない限り、1wt%濃度・
50℃でのB型粘度計による測定値。
【0005】窒素含量(%):カチオン化澱粉につい
ての「セミミクロケルダー法」による測定値。
【0006】DS値:誘導体のエステル化・エーテル
化度を示し、グルコース残基1個あたりの置換水酸基の
平均値。
【0007】
【従来の技術】近年の製紙業界においては、使用するパ
ルプの状況(DIP増加、古紙パルプの増加等)から、
操業条件の安定化を図るために、各種のカチオン系薬剤
の使用が、量及び種類とも増加してきている。その結
果、汎用のカチオン化澱粉を従来と同様に添加すると抄
紙系内(カチオン化澱粉糊液)のカチオン当量値が全体
として増加し、これが系内のゼーター電位を押し上げ、
抄紙におけるゼーター電位の最適制御幅であるー5mV
から±0mVを維持することが困難となる。
【0008】このため、使用するカチオン化澱粉のカチ
オン化度及び添加量(乾燥紙力を向上させる為に必要と
される。)を制限せざるを得ない状況になってきてい
る。
【0009】しかし、パルプ繊維やファインファイバー
の捕集・結着効果は、カチオン化澱粉のカチオン化度及
び添加量に正比例し、カチオン化澱粉のカチオン化度及
び添加量を制限することは上記パルプ繊維やファインフ
ァイバーの捕集・結着効果の低減を意味して望ましくな
い。
【0010】なお、カチオン化澱粉は、カチオン化は、
通常、水酸基を第四アンモニウム塩及び第三アミノ基に
置換することによる行い、カチオン化度が高い程澱粉中
の窒素含量が高くなる。
【0011】このために、糊液中の窒素含量(カチオン
化度・添加量)が高くても、カチオン当量値が相対的に
低い製紙用カチオン化澱粉・糊液の出現が望まれてい
た。
【0012】また、製紙工程においてカチオン化澱粉を
使用するに際しては、マシンチェスト・ミキシングチェ
ストやファンポンプに糊液を添加し、紙料中へ均一分散
させ、紙力向上・サイズ剤歩留まり向上を図ることが一
般に行われている。
【0013】しかし、従来のカチオン化澱粉は、その製
造工程において低粘度化処理(酸処理・酸化処理等)が
行われていないため、高い糊液粘度を有している。逆
に、この分散性を良くさせるために前記低粘度化処理を
行うと、カチオン化澱粉の他の特性である繊維間の結着
能力が低分子化のために低下してしまう。
【0014】従って、この点からも、これらの二価的特
性を克服し得る製紙用カチオン化澱粉・糊液の出現が望
まれていた。
【0015】本発明の目的は、上記にかんがみて、高い
窒素含量を有しても、低いカチオン当量値を有し、しか
も、高い分子量を維持しながら、低い糊液粘度を有する
新規な製紙用カチオン化澱粉・糊液及びそれらの製造方
法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構
成の新規なカチオン化澱粉・糊液及びその製造方法等に
想到した。
【0017】(1) カチオン化澱粉・糊液に係る本発明
(請求項1)は、第四アンモニウム塩及び/又は第三ア
ミノ基で置換されたカチオン化澱粉・糊液において、前
記カチオン化澱粉における第四アンモニウム塩及び/又
は第三アミノ基に由来する窒素含量(X(%))と、前
記糊液のカチオン当量値(Y(meq))との関係が、 天然地上茎澱粉の場合:Y<0.70097X−0.0
7978、 エステル型置換基を有する天然地下茎澱粉の場合:Y<
0.32936X−0.00495、 エステル型置換基を有しない天然地下茎澱粉の場合:Y
<0.40942X+0.02211、 を満足するものであることを特徴とする。
【0018】(2) 本発明のカチオン化澱粉を製造する方
法に係る本発明は、エステル化処理した天然澱粉を、
カチオン化処理して製造することを特徴とする(請求項
6)、エーテル化処理した天然澱粉を、カチオン化処
理して製造することを特徴とする(請求項7)、また
は、カチオン化処理を複数段階反応により製造するこ
とを特徴とする(請求項8)、のいずれかの構成からな
る。
【0019】(3) 本発明の糊液状態で、塩成分を5.5
%以下含む構成におけるカチオン化澱粉・糊液(請求項
4)を製造する方法に係る本発明は、エステル化処理
またはエーテル化処理及び/またはカチオン化処理の反
応開始前・反応中・反応終了後に、塩成分を反応液に添
加して、澱粉の洗浄工程を経ずにまたは不完全な洗浄工
程を経て脱水乾燥して、澱粉中に塩を残存させた状態と
することを特徴とする(請求項10)、又は、カチオ
ン化澱粉に、糊化前または糊化後、塩成分を添加するこ
とことを特徴とする(請求項11)、の構成である。
【0020】
【手段の詳細な説明】以下の説明で含量を示す「%」
は、特に断らない限り、重量単位である。
【0021】A.澱粉・糊液に係る本発明(請求項1)
は、第四アンモニウム塩及び/又は第三アミノ基で置換
されたカチオン化澱粉・糊液において、前記カチオン化
澱粉における第四アンモニウム塩及び/又は第三アミノ
基に由来する窒素含量(X(%))と、前記糊液のカチ
オン当量値(Y(meq))との関係が、 天然地上茎澱粉の場合:Y<0.70097X−0.0
7978、 エステル型置換基を有する天然地下茎澱粉の場合:Y<
0.32936X−0.00495、 エステル型置換基を有しない天然地下茎澱粉の場合:Y
<0.40942X+0.02211、 を満足するものであることを特徴とする。
【0022】(a) 上記天然地上茎澱粉としては、コーン
スターチ・ワキシーコーンスターチ・小麦澱粉等を、エ
ステル型置換基を有する天然地下茎澱粉(未加工状態
で)としては、馬鈴薯澱粉等を、エステル型置換基の有
しない天然地下茎澱粉としては、タピオカ澱粉、甘藷等
を、通常、使用する。なお、それらの澱粉の軽度のエス
テル化・エーテル化・酸化・酸処理化・デキストリン化
等の加工澱粉及び、これらの澱粉の混合使用も可能であ
る。
【0023】(b) 上記関係式は、従来の一般のカチオン
化澱粉の糊液における、窒素含量とカチオン当量値の関
係が、上記不等号(<)を等号(=)とした一次関数グ
ラフ上または該一次関数よりYに関して下の範囲にある
ことを意味する。
【0024】(c) 上記において、カチオン化澱粉の窒素
含量(カチオン化度の間接指標)、対澱粉0.15〜
0.60%が望ましく、さらに望ましくは、0.15〜
0.50%とする。
【0025】ここで、窒素含量が0.15%未満では、
澱粉の持つプラスチャージが低くなり、紙料中のフロッ
ク形成能力(凝集力)が下がる。
【0026】他方、窒素含量が0.15%以上で請求項
1記載の、窒素含量とカチオン当量値の関係式以下のカ
チオン当量値(Y)を有する場合は、澱粉添加量が所定
以上となると、紙料中のフロック形成が過度になる。
【0027】さらに、窒素含量が0.60%を越える
と、紙の地合い乱れを起こさない程度の澱粉添加量にお
ける、澱粉に由来する紙の繊維間結着力が不足し、これ
らは、全て紙力の低下につながる。
【0028】(d) また、糊液粘度(1%濃度・50℃)
が200cPs以下であることが望ましく、さらに望ま
しくは、天然地上茎澱粉及びエステル型置換基の有しな
い天然地下茎澱粉の場合、100cPs以下、エステル
型置換基を有する天然地下茎澱粉の場合、150cPs
以下とする。
【0029】糊液粘度が高すぎると、紙量中へ糊液を均
一分散させることが困難となる。
【0030】B.上記カチオン化澱粉糊液の関係式を満
たすための、一態様は、塩成分を、5.5%以下、望ま
しくは5.1%未満、さらに望ましくは4.1%未満、
含ませることにある。
【0031】塩成分は、糊液のカチオン当量値を相対的
に下げるとともに、粘度も相対的に下げる作用を奏す
る。糊液状態で、塩成分が、5.5%を越えると、糊化
時の澱粉ミセルの崩壊分散性が低下する。
【0032】(a) ここで上記塩成分は、通常、アルカリ
金属又はアルカリ土類金属の無機酸又は有機酸の塩を主
成分とするものとする。
【0033】具体的には、硫酸、硝酸、燐酸、塩酸、炭
酸等の無機酸塩;蟻酸、酢酸、ブタン酸、オクテニル
酸、ステアリン酸等の脂肪族飽和・不飽和カルボン酸
や、安息香酸等の芳香族カルボン酸の有機酸塩を挙げる
ことができる。
【0034】より好ましくは、無機酸としては硫酸・燐
酸・炭酸の塩、有機酸の塩としては炭素数2〜7の脂肪
族飽和又はカルボン酸の塩が挙げらることができ、これ
らの塩の混合使用も可能である。
【0035】(b) この塩成分の糊液への含有の一態様
は、後述のエステル化処理またはエーテル化処理及び
/またはカチオン化処理の反応開始前・反応中・反応終
了後に、塩成分を反応液に添加して、澱粉の洗浄工程を
経ずにまたは不完全な洗浄工程を経て脱水乾燥して、澱
粉中に塩を残存させた状態とすることを特徴とする(請
求項10)、又は、前述のカチオン化澱粉に、糊化前
または糊化後に、塩成分を添加することを特徴とする
(請求項11)、構成により行う。
【0036】ここで、上記の態様において、エステル
化・エーテル化またはカチオン化(最終段反応を除く)
においては、それらの反応の後、通常、洗浄工程を経る
ため、無機酸塩・有機酸塩を対澱粉無水物当たり5%以
上添加することが望ましい。5%以上添加するのは、澱
粉の膨潤を押え、均一反応を促進させるためである。
【0037】5%以上添加しても、洗浄工程により添加
無機酸・有機酸が除去されて、最終的にカチオン化澱粉
中の塩成分含量は5.5%以下となる。
【0038】C.上記カチオン化澱粉・糊液の関係式を
満たすための、他の態様として、エステル化処理した
天然澱粉を、カチオン化処理して製造することを特徴と
する(請求項6)、エーテル化処理した天然澱粉を、
カチオン化処理して製造することを特徴とする(請求項
7)、または、カチオン化処理を複数段階反応により
製造することを特徴とする(請求項8)、のいずれかの
方法で製造したカチオン化澱粉を使用することができ
る。
【0039】(a) 上記エステル化処理は、下記各種エス
テル化剤を1種または2種以上混合して使用して、慣用
の方法で行う。このエステル化度は、DS0.0000
5〜0.05、望ましくは、DS0.000075〜
0.030とする。なお、このエステル化処理する代わ
りに、市販の低置換エステル化澱粉を使用してもよい。
【0040】炭素数2〜18の飽和・不飽和脂肪族カ
ルボン酸または芳香族カルボン酸の酸ハロゲン化物・酸
無水物…ここで飽和・不飽和脂肪族カルボン酸として
は、酢酸、プロピオン酸、、オクテニル酸、ステアリン
酸、オレイン酸等を、芳香族酸として安息香酸等を例示
できる。望ましくは、酢酸、プロピン酸を例示できる。
【0041】炭素数2〜18のエステル成分とするビ
ニルエステルモノマー…酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ブタン酸ビニル、アクリル酸ビニル等の飽和及び不
飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステル、安息香酸ビニ
ル、p−メチル安息香酸ビニル等の芳香族カルボン酸の
ビニルエステルを例示できる。好ましくは、酢酸ビニル
モノマー、プロピオン酸ビニルモノマーであり、これら
のビニルエステルモノマーを混合使用することも可能で
ある。
【0042】炭素数1〜18の飽和・不飽和脂肪族炭
化水素基を有するスルホン酸・スルフィン酸・リン酸誘
導体…ここで飽和・不飽和脂肪族炭化水素基としては、
メチル・プロピル・オクテニル・ステアリル・オレイル
等を、芳香族炭化水素基としては、ベンジル・トルイル
等を挙げることができる。
【0043】燐酸塩…オルト燐酸・メタ燐酸・トリポ
リ燐酸・ヘキサメタ燐酸・亜燐酸などのアルカリ金属・
アルカリ土類金属塩が挙げられ、オルト燐酸・トリポリ
燐酸・亜燐酸のアルカリ金属・アルカリ土類金属塩が好
ましい。
【0044】その他…硝酸化及び硝酸塩化芳香族また
は脂肪族化合物、硫酸等。
【0045】(b) 上記エーテル化処理は、下記各種モノ
・ジエポキシド(1,2)をエーテル化剤として1種ま
たは2種以上混合して使用し、慣用の方法で行う。この
エーテル化度は、DS0.00005〜0.05、望ま
しくは、DS0.000075〜0.03とする。
【0046】モノ又はジエポキシドとしては、エチレン
オキシド、プロピレンオキシド、1−6ヘキサンジオー
ルジグリシジルエーテル、1,5ペンタンジオールジグ
リシジルエーテル、p−ジエトキシベンゼン、1,5−
ジプロポキシナフタレン等の炭素数2〜18のものを例
示できる。これらの内で、エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド、1,4−ブタンジオールジグリシジルエー
テル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
等の炭素数2〜7のものが好ましく、更に好ましくは、
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,4−ブタ
ンジオールジグリシジルエーテルである。
【0047】(c) 上記カチオン化処理は、一段階反応ま
たは複数段反応により行う。
【0048】カチオン化処理に使用するカチオン化剤
としては、特に限定されないが、例えば、第四級アンモ
ニウム塩又は第三級アミン化合物の一方または双方を併
用して行う。
【0049】第四アンモニウム塩としては、経済的・実
操業上の理由から、一般に販売されている、クロロヒド
リンタイプ又はグリシジルタイプが実際的である。その
構造式は以下の様になる。
【0050】
【化1】
【0051】(ここでR1 、R2 、R3 :アルキル基、
4 :クロロヒドリンまたはグリシジル基を含む置換
基) 具体的には、N,N−ジメチル−1−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピルアンモニウムクロライド等を挙げること
ができる。
【0052】第三アミン化合物としては、下記一般式で
表されるもので、具体的似はβ−クロロエチルジエチル
アミン・ハイドロクロライド等を挙げることができる。
【0053】
【化2】
【0054】(ここでR1 、R2 、R3 :アルキル基) 複数段反応のカチオン化処理は、使用する全カチオン
化剤の量を2分割以上に分け、各区分を4時間以上の間
隔を置いて投入、順次反応させる複数段階反応を経てカ
チオン化処理を行う。
【0055】(d) なお、上記エステル化・エーテル化・
カチオン化の反応に関しては、水系スラリー反応・ディ
スクドライヤーや流動焙焼機を使用したドライ反応・糊
化を伴う製紙工場でのオンサイト反応のいずれでも良
く、特定されるものではない。
【0056】
【発明の効果】本発明のカチオン化澱粉は、上記のよう
な構成により、後述の実施例・比較例で支持される如
く、下記のような効果を奏する。
【0057】カチオン化澱粉の窒素含量を増加させても
(カチオン化度を上げても)、カチオン当量値を低くす
ることができ、その結果、高窒素含量のカチオン化澱粉
を添加しても抄紙系のゼーター電位の上昇を押さえるこ
とができる。即ち、抄紙系の電位制御が容易になる。
【0058】カチオン化澱粉の添加量を増加させても、
上記と同様の理由により、抄紙系のゼーター電位の上昇
を押さえることができるので、澱粉添加量の自由度が増
加し、紙力のコントロールが容易になる。
【0059】高分子量を維持しながら低粘度化を行うこ
とができるため、紙力の低下をきたすことなく、紙料中
へのカチオン化澱粉の分散を、容易かつ均一にすること
ができる。即ち、紙料中へのカチオン化澱粉の歩留まり
を上げることが可能となる。
【0060】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行った
実施例について、比較例とともに説明をする。
【0061】なお、カチオン化剤は、N,N−ジメチル
−1−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウムク
ロライドを使用した。
【0062】(1) 実施例1(エステル型置換基を有しな
い地下茎澱粉について、エステル化処理後、カチオン化
処理した事例。):タピオカスターチ500gと水道水
750gを2Lの反応フラスコに入れて澱粉スラリーを
作る。これに、4%の苛性ソーダ水溶液を撹拌しながら
添加し、スラリーのpHを10.0にする。これに無水
酢酸(対澱粉0.5%)を添加してエステル化反応を行
う。次に、58gのカチオン化剤及び25gの硫酸ソー
ダ(膨潤抑制の目的)を加え、その後、4%の苛性ソー
ダ水溶液を使用してスラリーのpHを11.5−12.
0にし、16時間反応を行う。
【0063】(2) 実施例2(同上):実施例1におい
て、エステル化剤としてプロピオン酸クロライドを使用
する。
【0064】(3) 実施例3(同上):実施例1におい
て、エステル化剤として酢酸ビニルを使用する。
【0065】(4) 実施例4(同上):実施例1におい
て、エステル化剤としてp−トルエンスルホン酸ソーダ
を使用する。
【0066】(5) 実施例5(同上):実施例1におい
て、エステル化剤として無水オクテニル酸を使用する。
【0067】(6) 実施例6(同上):実施例1におい
て、エステル化剤としてアクリル酸クロリドを使用す
る。
【0068】(7) 実施例7(同上):実施例1におい
て、エステル化剤としてオクテニル酸ビニルを使用す
る。
【0069】(8) 実施例8(同上+スラリー化したカチ
オン化澱粉にアルカリ金属無機塩を添加した事例):実
施例1のカチオン化澱粉に硫酸ソーダ(対澱粉3.0
%)をブレンドする。
【0070】(9) 実施例9(同上):実施例3のカチオ
ン化澱粉に硫酸ソーダ(対澱粉3.0%)をブレンドす
る。
【0071】(10)実施例10(同上+澱粉が地上茎澱粉
の事例):実施例9において、天然澱粉としてコーンス
ターチを使用する。
【0072】(11)実施例11(同上):実施例9におい
て、天然澱粉としてワキシーコーンスターチを使用す
る。
【0073】(12)実施例12(同上):実施例9におい
て、天然澱粉として小麦澱粉を使用する。
【0074】(13)実施例13(エステル型置換基を有す
る地下茎澱粉について、エステル化処理後、カチオン化
処理するとともに、さらにスラリー化したカチオン化澱
粉にアルカリ金属無機塩を添加した事例):施例9に
おいて、天然澱粉として馬鈴薯澱粉を使用する。
【0075】(14)実施例14(エステル型置換基を有し
ない地下茎澱粉について、エステル化処理後、カチオン
化処理するとともに、カチオン化剤を増やした事例):
実施例9において、使用するカチオン化剤の量を32g
とする。
【0076】(15)実施例15(エステル型置換基を有し
ない地下茎澱粉について、一段反応でカチオン化処理を
するとともに、さらにスラリー化したカチオン化澱粉に
アルカリ金属無機塩を添加した事例):タピオカスター
チ500gと水道水750gを2Lの反応フラスコに入
れて澱粉スラリーを作る。これに、58gのカチオン化
剤及び25gの硫酸ソーダ(膨潤抑制の目的)で加え、
その後4%の苛性ソーダ水溶液を撹拌しながら添加し、
スラリーのpHを11.5〜12.0にし、16時間反
応を行った後、脱水・洗浄・乾燥された澱粉に硫酸ソー
ダ(対澱粉無水物当たり3%)をブレンドする。
【0077】(16)実施例18(同上):実施例15にお
いて、カチオン化澱粉にアルカリ金属無機酸塩として塩
化ナトリウム(対澱粉3.0%)をブレンドする。
【0078】(17)実施例17(エステル型置換基を有し
ない地下茎澱粉について、エーテル化処理後、カチオン
化処理をした事例):タピオカスターチ500gと水道
水750gを2Lの反応フラスコに入れて澱粉スラリー
を作る。これに、4%の苛性ソーダ水溶液を撹拌しなが
ら添加し、スラリーのpHを11.5〜12.0にす
る。その後5.4gのプロピレンオキシドを加え、窒素
気流中で16時間反応させ、続けて58gのカチオン化
剤を加えて16時間カチオン化反応を行う。
【0079】(18)実施例18(エステル型置換基を有し
ない地下茎澱粉について、複数段反応のカチオン化処理
をした事例):タピオカスターチ500gと水道水75
0gを2Lの反応フラスコに入れて澱粉スラリーを作
る。これに、4%の苛性ソーダ水溶液を撹拌しながら添
加し、スラリーのpHを11.5〜12.0にする。そ
の後、19g・19g・20gのカチオン化剤を4時間
間隔で加えた後、更に12時間反応を継続させる。
【0080】(19)実施例19(エステル型置換基を有し
ない地下茎澱粉について、エステル化処理後、カチオン
化処理するとともに、アルカリ金属無機塩をカチオン化
反応前及び澱粉スラリーに添加した事例。):実施例1
の澱粉スラリーに硫酸ソーダ(対澱粉3.0%)を添加
した後、糊化する。
【0081】(20)実施例20(エステル型置換基を有し
ない地下茎澱粉について、エステル化処理後、カチオン
化処理するとともに、アルカリ金属無機塩をカチオン化
反応前及び澱粉糊液に添加した事例。):実施例1の澱
粉スラリーを糊化した後、糊液に硫酸ソーダを添加す
る。
【0082】(21)実施例21(エステル型置換基を有し
ない地下茎澱粉について、エステル化処理後、カチオン
化処理するとともに、アルカリ金属無機塩をカチオン化
反応前に添加した事例。):実施例1において、カチオ
ン化反応液に予め20gの硫酸ソーダを追加しておき、
カチオン化反応後、精製することなく、乾燥させる。
【0083】<比較例> (1) 比較例1(エステル型置換基を有する天然地下茎澱
粉についての従来例):馬鈴薯澱粉(ポテトスターチ)
500gと水道水750gを2Lの反応フラスコに入れ
て澱粉スラリーを作る。これに、25gの硫酸ソーダを
膨潤抑制の目的で添加し、更に4%の苛性ソーダ水溶液
を撹拌しながら添加し、スラリーのpHを11.5〜1
2.0にする。その後5.4gのプロピレンオキシドを
加え、窒素気流中で16時間反応させ、続けて58gの
カチオン化剤を加えて16時間カチオン化反応を行った
後、脱水・洗浄・乾燥を行って従来のカチオン化澱粉を
得る。
【0084】(2) 比較例2(天然地上茎澱粉についての
従来例):比較例1において、天然澱粉をコーンスター
チを使用する。
【0085】(3) 比較例3(エステル型置換基を有しな
い天然地下茎澱粉についての従来例):比較例1におい
て、天然澱粉をタピオカスターチを使用する。
【0086】<評価試験方法及びその結果> A.上記実施例・比較例で得たカチオン化澱粉または澱
粉糊液について下記各項目の澱粉物性試験を行った。
【0087】窒素含量:セミミロケルダール法によ
る。
【0088】糊液粘度:スチームバス中90℃×20
分間撹拌保持しながら、スラリーを糊化させる。その
後、50℃まで冷却の後、B型粘度計で測定。
【0089】カチオン当量値:上記糊液をPVSKを
使用してコロイド滴定する。液の色が青から赤へ変色す
る点を終点とする。
【0090】それらの結果を、表1に示すと共に、図1
にプロッティングした。実施例の各カチオン化澱粉また
は澱粉糊液の特性は、請求項1に示す各関係式を満たす
が、比較例のものは、満たさないことが分かる。
【0091】B.上記実施例の内の一部及び各比較例の
澱粉(澱粉糊液)を使用して、下記仕様条件で製紙(ア
ルカリ抄紙)を行った。
【0092】<アルカリ抄紙> パルプ :LBKP/NBKP=70/30 フィラー:対パルプ 20%(重質炭酸カルシウム) サイズ剤:AKD CSF :300mL こうして製紙した各紙(試験片)について下記各項目の
試験を行った。
【0093】ゼーター電位:流動電位計を使用し、澱
粉含有紙料を測定する。
【0094】裂断長:JIS P−8113に準じて
行う。
【0095】カチオン化澱粉歩留:抄紙した紙中の澱
粉含量を紙料中に添加した澱粉料で割る。
【0096】それらの結果示す表2から、各実施例を使
用した場合は、ゼータ電位が良好な範囲にあるとともに
(比較例は望ましい範囲内にない。)、裂断長が比較例
に比して短くカチオン化澱粉歩留も比較例に比して良好
であることが分かる。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の澱粉糊液における窒素含量(X)/カ
チオン当量値(Y)の関係を示すグラフ図
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】 (3)本発明の糊液状態で、塩成分を
澱粉5.5%以下含む構成におけるカチオン化澱粉・糊
液(請求項4)を製造する方法に係る本発明は、エス
テル化処理またはエーテル化処理及び/またはカチオン
化処理の反応開始前・反応中・反応終了後に、塩成分を
反応液に添加して、澱粉の洗浄工程を経ずにまたは不完
全な洗浄工程を経て脱水乾燥して、澱粉中に塩を残存さ
せた状態とすることを特徴とする(請求項10)、又
は、カチオン化澱粉に、糊化前または糊化後、塩成分
を添加することを特徴とする(請求項11)、の構成で
ある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】 他方、窒素含量が0.15%以上で請求
項1記載の、窒素含量とカチオン当量値の関係式以上
カチオン当量値(Y)を有する場合は、澱粉添加量が所
定以上となると、紙料中のフロック形成が過度になる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 B.上記カチオン化澱粉糊液の関係式を
満たすための、一態様は、塩成分を、対澱粉5.5%以
下、望ましくは対澱粉5.1%未満、さらに望ましくは
対澱粉4.1%未満、含ませることにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】 塩成分は、糊液のカチオン当量値を相対
的に下げるとともに、粘度も相対的に下げる作用を奏す
る。糊液状態で、塩成分が、対澱粉5.5%を越える
と、糊化時の澱粉見せるの崩壊分散性が低下する。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】 (a)上記天然地上茎澱粉としては、コ
ーンスターチ・ワキシーコーンスターチ・小麦澱粉等
を、エステル型置換基を有する天然地下茎澱粉(未加工
状態で)としては、馬鈴薯澱粉等を、エステル型置換基
有しない天然地下茎澱粉としては、タピオカ澱粉、甘
藷等を、通常、使用する。なお、それらの澱粉の軽度の
エステル化・エーテル化・酸化・酸処理化・デキストリ
ン化等の加工澱粉及び、これらの澱粉の混合使用、これ
らの澱粉の未変性澱粉との混合使用も可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 (b)上記関係式は、従来の一般のカチ
オン化澱粉の糊液における、窒素含量とカチオン当量値
の関係が、上記不等号(<)を等号(=)とした一次関
数グラフ上または該一次関数よりYに関しての範囲に
あることを意味する。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】 <比較例1> (1)比較例1(エステル型置換基を有する天然地下茎
澱粉についての従来例):馬鈴薯澱粉(ポテトスター
チ)500gと水道水750gを2Lの反応フラスコに
入れて澱粉スラリーを作る。これに、25gの硫酸ソー
ダを膨潤抑制の目的で添加し、更に4%の苛性ソーダ水
溶液を撹拌しながら添加し、スラリーのpHを11.5
〜12.0にする。その後、58gのカチオン化剤を加
えて16時間カチオン化反応を行った後、脱水・洗浄・
乾燥を行って従来のカチオン化澱粉を得る。
フロントページの続き (72)発明者 北村 恭子 愛知県碧南市玉津浦町1番地 日本コーン スターチ株式会社開発研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第四アンモニウム塩及び/又は第三アミ
    ノ基で置換されたカチオン化澱粉・糊液において、 前記カチオン化澱粉における、第四アンモニウム塩及び
    /又は第三アミノ基に由来するカチオン化澱粉の窒素含
    量(X(%);「セミミクロケルダー法」による測定
    値)と、前記糊液のカチオン当量値(Y(meq);P
    VSKを使用するコロイド滴定による測定値。)との関
    係が、 天然地上茎澱粉の場合:Y<0.70097X−0.0
    07978、 エステル型置換基を有する天然地下茎澱粉の場合:Y<
    0.32936X−0.00495、 エステル型置換基を有しない天然地下茎澱粉の場合:Y
    <0.40942X+0.02211、 を満足するものであることを特徴とするカチオン化澱粉
    ・糊液。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記カチオン化澱粉
    の窒素含量が対澱粉0.15〜0.60wt%であること
    を特徴とするカチオン化澱粉・糊液。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2において、粘度(1%濃度
    ・50℃におけるB型粘度計における測定値)が200
    cPs以下であることを特徴とするカチオン化澱粉・糊
    液。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、糊液状態で、塩
    成分を、5.5%以下含むことを特徴とするカチオン化
    澱粉・糊液。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記塩成分が、アル
    カリ金属又はアルカリ土類金属の無機酸又は有機酸の塩
    を主成分とするものであることを特徴とするカチオン化
    澱粉・糊液。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のカチオン化澱粉の製造方
    法であって、 天然澱粉を、エステル化処理した後、カチオン化処理し
    て製造することを特徴とするカチオン化澱粉の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のカチオン化澱粉の製造方
    法であって、 天然澱粉を、エーテル化処理した後、カチオン化処理し
    て製造することを特徴とするカチオン化澱粉の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のカチオン化澱粉糊液に使
    用するカチオン化澱粉の製造方法であって、 天然澱粉を、複数段階反応でカチオン化処理することを
    特徴とするカチオン化澱粉の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記複数段反応を、
    使用する全カチオン化剤の量を2分割以上に分け、各区
    分を4時間以上の間隔を置いて投入、順次反応させて行
    うことを特徴とするカチオン化澱粉の製造方法。反応を
    経ることを特徴とするカチオン化澱粉の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項4・5のカチオン化澱粉を製造
    する方法であって、請求項6〜9のいずれかにおいて、 エステル化処理またはエーテル化処理及び/またはカチ
    オン化処理の反応開始前・反応中・反応終了後に、前記
    塩成分を反応液に添加して、澱粉の洗浄工程を経ずにま
    たは不完全な洗浄工程を経て脱水乾燥し、澱粉中に塩を
    残存させた状態とすることを特徴とするカチオン化澱粉
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項4・5のカチオン化澱粉糊液を
    製造する方法であって、 請求項6〜9で製造したカチオン化澱粉に、糊化前また
    は糊化後、前記塩成分を添加することを特徴とするカチ
    オン化澱粉糊液の製造方法。
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