JPH08199080A - 形状記憶複合体 - Google Patents

形状記憶複合体

Info

Publication number
JPH08199080A
JPH08199080A JP1106295A JP1106295A JPH08199080A JP H08199080 A JPH08199080 A JP H08199080A JP 1106295 A JP1106295 A JP 1106295A JP 1106295 A JP1106295 A JP 1106295A JP H08199080 A JPH08199080 A JP H08199080A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shape
shape memory
sma
temperature
smp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1106295A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Yamamoto
啓介 山本
Keizo Higashiyama
恵三 東山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Cable Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority to JP1106295A priority Critical patent/JPH08199080A/ja
Publication of JPH08199080A publication Critical patent/JPH08199080A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 耐食性、絶縁性、生体適合性に優れた形状記
憶合金と形状記憶合金との複合体を提供する。 【構成】 ある形状回復動作を記憶した形状記憶合金と
形状記憶合金の回復動作と異なる方向の形状回復動作を
記憶した形状記憶ポリマーとからなり、形状記憶合金
の形状回復温度(マルテンサイト逆変態温度、Af)が
形状記憶ポリマーの形状回復温度(ガラス転移温度、T
g)より高く、形状記憶合金の(回復応力×断面積)
または発生力が形状記憶ポリマーの(回復応力×断面
積)と同じになる温度を、Afと形状記憶合金のマルテ
ンサイト変態温度(Mf)の間にくるように設定し、該
温度以上では形状記憶合金の記憶した形状への回復動作
によって形状記憶合金が記憶した形状を保ち、該温度以
下であってかつ形状記憶ポリマーのTg以上の温度では
形状記憶ポリマーの記憶した形状への回復動作によって
形状記憶ポリマーが記憶した形状を保つことを特徴とす
る形状記憶複合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は形状記憶合金と形状記憶
ポリマーよりなる形状記憶複合体に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】形状記憶
効果をもつ合金およびポリマーは数多く知られている。
なかでも形状記憶合金(以下「SMA」という)として
はTi−Ni系、銅系、ステンレス系のものが、形状記
憶ポリマー(以下「SMP」という)としてはポリノル
ボルネン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン共重
合体、ポリウレタンなどが実用に供せられている。また
SMAとSMPとからなる複合体として、特開平3−4
9743では、高温側の記憶形状に変化させたのち、回
復温度以下になっても外力によって容易に変形しないこ
とを目的とした、形状回復温度の異なるSMAとSMP
とを組み合わせたアクチュエータが開示されている。同
一目的で同2−206539にもSMAとSMPとから
なる成形品が開示されている。またほかにも実開平4−
19990、同3−7841、実開昭63−21896
等にSMAとSMPの組み合わせが提案されている。こ
れらはいずれも、SMAが低温で軟化してしまう問題
を、低温で硬いSMPによって解消するもので、SMA
とSMPの記憶する形状は同一方向であって、SMPを
SMAと異なる方向に動作させようとするものではな
い。
【0003】ところで、SMAもSMPも共に形状の回
復は一方向にのみ起こる一方向性(不可逆性)である。
SMAについては、特殊な熱処理あるいは加工条件を施
すことにより、ある方向に変形(形状回復)したものを
温度変化により逆の方向に変形(形状回復)する二方向
性(可逆性)を付与することも可能であるが、加熱時と
冷却時とでは形状回復力が大きく異なり、一度変形を起
こしたものをもとどおりの形状に戻すことは困難であっ
た。例えば、図4に従来のSMAコイルを用いた内視鏡
の首振機構を示す。レーザーファイバーにより光熱変換
部(ヒーター)7、7’にレーザー光を照射し、SMA
コイル8、8’を加熱させることにより、首振動作を行
なう。この場合、SMAコイルはどちらも密巻形状を記
憶させておき、その状態から少し伸ばして内視鏡がまっ
すぐな状態でつりあうように固定する。これをAの方向
に動作させるときは、ヒーター7でコイル8を加熱して
密巻形状を回復させることにより、制御ワイヤー9を引
張らせる。また、これを戻す(Bの方向に動作させる)
ときは、ヒーター7の加熱を止め、ヒーター7’でコイ
ル8’を加熱してその形状を密巻形状に回復させること
により、制御ワイヤー9’を引張らせる。このように該
機構では単純な一方向の動作でも2本のSMAコイルを
必要とし、しかも個々のコイルを加熱しなければならな
い。すなわち、可逆な動きをすることはできるが、2本
のSMAコイルが必要で小型化には問題がある。
【0004】図5には従来のSMAコイルとバイアスバ
ネとによってフラップの向きを変更するフラップ動作機
構の温度センサ兼アクチュエータを示す。SMAコイル
10は収縮した形状を記憶させておく。高温になると、
コイル10が形状を回復して収縮した状態になり、フラ
ップ12を下向きにする。低温になるとコイル10は軟
化するので、バイアスバネ11の力が打ち勝ってバイア
スバネ11がフラップ12を水平方向に向ける。該機構
ではフラップを上下に繰り返し動かすことができるが、
コイル10自体には形状回復前の形に戻る力はないの
で、コイル10を回復前の形状にもどす部品、すなわち
バイアスバネ11が必要である。
【0005】このように、SMA、SMPまたはこれら
の複合体に、二方向の形状回復動作をもたせるために
は、バイアスバネのようなSMAあるいはSMPを回復
前の形状に戻す作用をする部品が必要があった。もし形
状記憶材料自身に二方向の形状回復動作をもたせること
ができれば、飛躍的な装置の小型化、軽量化を図ること
ができる。
【0006】その方法として、SMPとSMPとを組み
合わせることが考えられているが、SMPは形状回復温
度より高い温度ではゴム状、低い温度では樹脂状である
ため、一方を加熱して形状回復力が生じても、他方が硬
いため、形状回復動作が困難であるという問題がある。
【0007】本発明の目的は、形状を回復したSMA、
SMPを回復前の形状に戻す部品を必要とせず、それ自
身で実用的な二方向の形状回復動作をもつ形状記憶複合
体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記実情に鑑み本発明者
らは鋭意研究を行なった結果、低温で柔らかくなったS
MAの形状を変更させるだけの力をSMP自体に付与す
ることによって、上記目的を達成しうることを発見し
て、本発明を完成した。すなわち本発明は、ある形状回
復動作を記憶したSMAとSMAの回復動作と異なる方
向の形状回復動作を記憶したSMPとからなり、SM
Aの形状回復温度(マルテンサイト逆変態温度、Af)
がSMPの形状回復温度(ガラス転移温度)より高く、
SMAの(回復応力×断面積)または発生力がSMP
の(回復応力×断面積)と同じになる温度を、AfとS
MAのマルテンサイト変態温度(Mf)の間にくるよう
に設定し、該温度以上ではSMAの記憶した形状への回
復動作によってSMAが記憶した形状を保ち、該温度以
下であってかつSMPのTg以上の温度ではSMPの記
憶した形状への回復動作によってSMPが記憶した形状
を保つことを特徴とする形状記憶複合体に関する。
【0009】本発明で使用されるSMPは、現在SMP
として使用されているものであれば、特別の限定なく使
用できる。例えば、ポリウレタン、ポリノルボルネン、
ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン共重合体などが
挙げられる。なかでも、構成成分の組合わせを変化させ
ることによりガラス転移温度(以下「Tg」という)を
任意に設定できるという点からポリウレタンが好まし
い。
【0010】形状記憶ポリウレタンは、主成分としてソ
フトセグメントを構成するポリオール、ハードセグメン
トを構成する鎖延長剤およびジイソシアネートとを含む
ブロック共重合体である。ポリオールとしてポリオキシ
アルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ビス
フェノールAとプロピレンオキサイドの付加重合物等、
好ましい分子量が200〜2000程度のポリオール
が、鎖延長剤としてエチレングリコール等の短鎖グリコ
ールやアミン類が、ジイソシアネートとしてトリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。該ポ
リウレタンは、構成成分のモル比を変えることによっ
て、形状回復温度であるTgを−30℃から60℃まで
自由に変えられる。
【0011】形状記憶ポリノルボルネンは、分子量が3
00万以上と非常に高いポリマーで高分子同士の絡み合
いで形状を回復する。該ポリノルボルネンのTg(形状
回復温度)は30〜40℃程度である。
【0012】形状記憶ポリイソプレンは、40%の結晶
部分と、それを取り囲むアモルファス部分から成るゴム
である。該ポリイソプレンの形状回復温度は60〜70
℃程度である。
【0013】形状記憶スチレン・ブタジエン共重合体
は、ポリスチレンと結晶化ポリブタジエンのブロック共
重合体で分子量はトータルで数十万のポリマーである。
該共重合体の形状回復温度は60〜90℃程度である。
【0014】本発明で使用されるSMAは、SMAの形
状回復温度がSMPの成形温度以下であれば、特別の制
限なしで使用できる。例えば、SMAの形状回復温度が
SMPの成形温度よりかなり低いTi−Ni系SMAお
よび銅系SMAが好ましく使用される。
【0015】Ti−Ni系SMAとして、Ti−Ni二
元合金、Ti−Ni−Cu合金、Ti−Ni−Nb合
金、Ti−Ni−Fe合金等が挙げられる。Ti−Ni
系合金の形状回復温度は−10℃から100℃である。
【0016】Ti−Ni系SMAは、低温ではマルテン
サイト相(以下「M相」という)の構造であり、ある温
度以上で母相(オーステナイト相)の構造に相変態する
材料である。形状回復効果はこの相変態を利用してい
る。M相のTi−Ni系SMAを加熱していくと、徐々
に母相への変態(マルテンサイト逆変態)が発生し、や
がて完全な母相になる。一般に、この母相変態の開始す
る温度をAs点、終了する温度をAf点と呼ぶ。通常A
f点が形状記憶合金の形状回復温度とされる。逆に、母
相となっている温度域から冷却していくと、徐々にマル
テンサイト変態が発生し、やがて完全なM相になる。母
相変態と同様、マルテンサイト変態の開始温度をMs
点、終了温度をMf点と呼ぶ。Ti−Ni二元合金で
は、このMf点がAf点に比べ30℃程度低いという性
質がある。これは温度ヒステリシスと呼ばれるが、温度
変化によりTi−Niを動作させる場合には、この温度
ヒステリシスを考慮する必要がある。なお、このTi−
Niを特定の条件で加工熱処理した場合、M相と母相の
間にR相(菱面体構造)と呼ばれる相が出現する。この
R相は、通常のM相−母相間での形状記憶回復量が最高
6%程度であるのに対して、1%以下と小さいが、温度
ヒステリシスも2℃程度と小さいため、温度変化に対す
る応答性が要求される場合に、母相−R相変態が良く利
用される。Ti−Ni−Cu系SMAは、この温度ヒス
テリシスが12℃程度とTi−Ni二元合金に比べて小
さく、一方、Ti−Ni−Nb系SMAは150℃程度
とTi−Ni二元合金より高い。従ってそれぞれ用途に
応じて使い分けることができる。
【0017】銅系SMAとして、Cu−Zn−Al合
金、Cu−Al−Ni合金等が挙げられる。銅系SMA
の形状回復温度は−100〜100℃である。銅系SM
Aの形状記憶の機構は、上記したTi−Ni系SMAと
ほぼ同じである。強度、耐食性や信頼性の点ではTi−
Ni系SMAのほうが優れているが、加工性や経済性の
点では銅系SMAのほうが優れている。
【0018】本発明の複合体は、上記したSMA、SM
Pから任意に選んで組み合わせることができる。ただし
SMAの形状回復時にはすでにSMPが軟化している必
要があることから、SMAのAf点がSMPのTgより
上であることが必要である。さらにAf点より温度を低
下させたときに、SMPが硬化するまでの間にSMAが
相変態し、SMAの形状回復力よりSMPの形状回復力
が大きくなることが必要であることから、SMPのTg
はSMAのMs点より低くなければならない。
【0019】SMAとSMPの形状回復温度の差は特に
制限はないが、実用性を考慮するとTgがMs点より1
0℃以上低い、好ましくはTgがMf点より10℃以上
低い、より好ましくはTgがMf点より20〜40℃低
いものがよい。
【0020】好ましいSMAとSMPの組み合わせは、
Tgが20〜40℃の形状記憶ポリウレタンとAf点が
50〜80℃のTi−Ni系SMA、特にTi−Ni二
元合金、Ti−Ni−Cu系SMA等が挙げられる。
【0021】上記したように、本発明の複合体は、高温
(SMAのAf点以上)ではSMAが記憶している形状
を保っているが、低温(SMAのMf点以下であってS
MPのTg以上)では、SMPが、柔らかくなったSM
Aの形状保持力に打ち勝って自身の形状にSMAを従わ
せる必要がある。このようにSMAとSMPの形状回復
力のバランスは、SMAの形状回復力、すなわち(回復
応力×断面積)あるいは発生力とSMPの(回復応力×
断面積)が等しくなる温度をSMAのAf点とMf点の
間に設定することによってとることができる。
【0022】例えば、SMAの回復応力は、Ti−Ni
系SMAで最大60kgf/mm2程度であり、銅系S
MAで最大35kgf/mm2 程度であるのに対して、
SMPは、ポリウレタン系SMPで1kgf/mm2
下、ポリイソプレン系SMPで1〜2kgf/mm2
スチレン−ブタジエン共重合体系SMPでも1kgf/
mm2 以下等と著しく小さく、SMAの数十分の1以下
である。そこでSMAに直接SMPを被覆する場合は、
SMAの(回復応力×断面積)とSMPの(回復応力×
断面積)が等しい値となる温度が、SMAのAf点とM
f点の間になるように、SMA、SMPの種類や断面積
を決定する。
【0023】SMAをコイルとした場合は、変位量が大
きくなる分、回復応力は著しく低下するので、SMPの
回復応力と近い値となる。例えばTi−Ni系SMAコ
イル(素線の直径:0.2mm、コイル外径:0.8m
m)の発生力は、コイルの変位量50〜70%、Af点
で0.2〜0.3kgfである。これに対して、ポリウ
レタン系SMPの回復応力は、SMAと同じ変位量に対
してTgで約0.2〜0.3kgf/mm2 である。従
って、このSMAコイルをSMPのシートで覆う場合の
SMPの断面積は1mm2 程度でよい。このように、S
MAコイル等の素子にSMPを被覆する場合、SMAの
発生力を計算や測定により求めておき、SMPの(回復
応力×断面積)がその発生力と同等になる温度がSMA
のAf点とMs点の間になるように、SMPの種類、シ
ートの厚さを決定すればよい。
【0024】具体的なSMAとSMPの組み合わせ方に
特別の制限はない。例えば、図1に示すように、SMA
1にSMP2を直接被覆してもよい。SMA1に折り曲
げた形状を記憶させ、これを伸ばして直線状としその上
にSMP2を被覆し、ポリマーには直線の形状を記憶さ
せる。SMA1の形状回復温度以上に加熱すると、SM
P2は軟化しているため、複合体はSMAが記憶してい
る折れ曲がった形状になる。これを徐々に降温していき
SMA1のMs点以下であってSMP2のTg以上の温
度域では、温度の低下につれてSMP2の回復力が勝っ
てくるため、複合体は直線形状になる。
【0025】またSMAで造ったコイルの外側をSMP
のフィルム、シートあるいは筒等で囲ってもよい。例え
ば図2に示すように、SMA1を粗く巻いたコイル状で
形状記憶させ、これを圧縮した状態でSMP2でSMA
1の外周を取り囲み、これを記憶させる。これをSMA
1の形状回復温度以上に加熱すると、SMP2は軟化し
ているため、この複合体はSMA1が記憶した形状を呈
する。これを徐々に降温していきSMA1のMs点以下
であってSMP2のTg以上の温度域では、温度の低下
につれてSMPの回復力が勝ってくるため、縮んだ形状
になる。
【0026】図3に本発明の形状記憶複合体を使用し
た、内視鏡の首振機構を示す。SMA1にはコイルが伸
びた状態を記憶させ、SMP2は縮んだ状態を記憶させ
ておく。図3は、レーザー光、赤外光等の熱線3によっ
て加熱されるSMA−SMP複合体4がSMA1の形状
回復温度以上である状態を示す。SMA1の形状回復力
によってコイルが伸び、制御ワイヤー5が開放され、内
視鏡6はそれ自体の剛性によりBの方向、すなわち直状
に戻る。一方、熱線3の遮断によって冷却されSMA−
SMP複合体4が、SMAのMs点以下になると、SM
A1は徐々に軟化し、やがてSMP2の形状回復力がS
MA1の形状保持力に打ち勝ってSMP2の形状、すな
わち縮んだ状態に戻ろうとして、制御ワイヤー5を引張
るため、内視鏡6はAの方向に曲がる。なお、これらの
ようなSMA−SMP複合体においては、低温(SMA
のMf点以下の温度)ではSMPの記憶している形状に
なっているが、これを低温でもSMAが記憶している形
状をそのまま保持したい場合、例えば図3で言うと、内
視鏡6は低温で屈曲した状態であるがこれを低温でも直
状に保持したい場合は、SMAの形状回復状態(As点
以上)から水冷等によりSMPのTg以下まで急冷すれ
ばよい。このSMA−SMP複合体は、SMPの形状回
復速度はゆるやかであるため、急冷でTg以下まで冷却
すれば、SMPが形状回復動作をする前に硬化するた
め、SMAの記憶形状のまま安定化できる。加熱すれば
再び動作させることができる。
【0027】本発明の複合体の具体例を挙げると、断面
積が0.1〜1.0mm2 のTi−Ni系SMA線材
に、Tgが30〜40℃のポリウレタン系SMPを厚さ
1.3〜4.5mm被覆する。直径が0.2〜0.3m
mのTi−Ni系SMA素線から造った外径0.6〜
1.2mmのコイルの外周を、Tgが30〜40℃のポ
リウレタン系SMPから造った厚さ0.05〜0.2m
mのシートで巻く。
【0028】本発明の複合体は、従来バイアスバネを必
要としていた形状記憶合金アクチュエータ、たとえばエ
アコンの吹出し口風向偏向フラップ駆動機構、胃カメラ
や工業用エンドスコープ等の内視鏡の屈曲機構の駆動用
アクチュエータ、電磁調理器の温度表示用アクチュエー
タ、自動車燃料蒸発ガス排出防止装置のバルブ切換用ア
クチュエータ、サイフォン式コーヒーメーカの調圧アク
チュエータ、オートデシケータのドライユニットのシャ
ッター開閉用アクチュエータ、防火ダンパーのダンパー
切換用アクチュエータ等に適用され、素子の小型化・省
スペース化が図られる。
【0029】本発明の形状記憶複合体は種々の方法で製
造される。例えば、板状、線材、コイル状のSMAの表
面に加熱溶融したSMPを被覆する方法、同じく板状、
線材、コイル状のSMAの表面に溶剤に溶解したSMP
を塗布し、乾燥する方法、板状、線材、コイル状のSM
A上に、SMPを押出しコートする方法あるいはホット
プレスする方法等が挙げられ、さらに板状、線材、コイ
ル状のSMA全体をSMPのシートで覆い、ホットプレ
スする方法もある。具体的には、例えばコイル状のSM
AにSMPを押出しコートあるいはホットプレスする場
合、粗巻き状態を記憶しているSMAコイルに芯線を通
し、コイルを圧縮して固定し、その上にSMPを押出
す、あるいはホットプレスすることにより被覆するのが
好ましい。なおいずれの方法を採用する場合でも、SM
PはSMAと異なった形状を記憶させておく必要がある
ので、SMPの被覆前にSMAは自身が記憶している形
状とは異なる、すなわちSMPに記憶させるべき形状に
変形させておくことが必要である。またSMP成型のた
めの熱をかける場合、400℃以上の熱をかけるとSM
Aの再記憶が起こる恐れがあるので、好ましくは300
℃以下、さらに好ましくは200℃以下の熱をかける。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 断面積1.0mm2 のTi−Ni二元合金のSMA線材
(Af点:80℃、Mf点:50℃)を熱処理して図1
のような折り曲げた形状を記憶させた。このSMA合金
を伸長して直線状態にし、その上にポリウレタン系SM
P(Tg:30℃)を厚さ4.5mmになるように被覆
した。この直線状態の複合体を加熱したところ、70℃
付近から徐々に変形し始め、80℃以上でほぼSMAの
記憶している折れ曲がった形状となった。これをそのま
ま徐冷していくと、60℃付近から徐々に伸び始め、5
0℃以下でほぼ直線形状、すなわちSMPが記憶した形
状になった。この動作を100回繰り返したが、変形量
の低下はほとんどみられなかった。
【0031】実施例2 断面積0.3mm2 のTi−Ni−Cu合金のSMA線
材(Af点:70℃、Mf点:58℃)を、外径1.2
mmの粗巻き状コイルにした状態で、形状記憶熱処理を
行なった。このコイルを圧縮(密巻き)し、その状態で
その周りにポリウレタン系SMP(Tg:40℃)のシ
ート(厚さ:0.2mm)を図2のように円筒状になる
ように巻きつけ、加熱してこの形状で固着させた。この
複合体を用いて図3に示すような構造の内視鏡を作製し
た。なお、内視鏡が直状であるほうが作製が容易である
ため、この複合体をあらかじめ加熱によりSMAを形状
回復させた状態、すなわち伸長した状態で急冷した複合
体を内視鏡に組み込み、これを用いて動作実験を行なっ
た。最初は、この複合体が伸長状態にあり、内視鏡先端
部は直線状となっている。この複合体に熱線を照射し加
熱すると、まず、40℃付近から徐々にSMPの形状回
復により複合体が収縮し、内視鏡先端が屈曲した(A状
態)。これをさらに70℃まで加熱すると、SMAコイ
ルの形状回復により複合体が伸長し、内視鏡は直線状
(B状態)になった。熱線照射を止め、複合体の温度が
低下してくると、徐々に複合体は収縮し始め、50℃付
近で内視鏡は屈曲状態(A状態)になり、その後、温度
を下げ続けてもこの形状を保った。この複合体の伸縮に
よる内視鏡の首振り動作を100回繰り返したが、変形
量の低下はほとんどみられなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明の形状記憶複合体を従来SMAに
バイアスバネを組み合わせて使用している個所に適用す
ることによって、部品数を低減でき、素子の小型化・省
スペース化が図ることができる。またSMPの被覆膜厚
を変えることで形状回復力をコントロールすることがで
きるので、SMAの形状回復力に合わせて、簡単に要望
どおりのものを設計することができる。SMPで被覆す
ることにより、耐食性、絶縁性にも優れ、またポリウレ
タン系SMPは生体適合性にも優れるため、例えばTi
−Ni系SMAに比べ安価ではあるが生体適合性に劣る
Cu−Zn−Al系SMAでも医療用途への応用が可能
になる等、SMAとSMPの組み合わせによって、用途
範囲が広がりかつ低コスト化にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形状記憶複合体の一実施態様を示す図
である。
【図2】本発明の形状記憶複合体の別の一実施態様を示
す図である。
【図3】本発明の形状記憶複合体を用いた内視鏡の首振
機構を説明する図である。
【図4】従来の内視鏡の首振機構を説明する図である。
【図5】従来のSMAコイルとバイアスバネを組み合わ
せたセンサフラップの構成図である。
【符号の説明】
1 SMA 2 SMP 3 熱線(レーザー光、赤外線等) 4 形状記憶複合体 5 制御ワイヤー 6 内視鏡 7、7’ ヒーター 8、8’ SMA 9、9’ 制御ワイヤー 10 SMA 11 バイアスバネ 12 フラップ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 61/08 NLG // C22K 1:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある形状回復動作を記憶した形状記憶合
    金と形状記憶合金の回復動作と異なる方向の形状回復動
    作を記憶した形状記憶ポリマーとからなり、形状記憶
    合金の形状回復温度(マルテンサイト逆変態温度、A
    f)が形状記憶ポリマーの形状回復温度(ガラス転移温
    度、Tg)より高く、形状記憶合金の(回復応力×断
    面積)または発生力が形状記憶ポリマーの(回復応力×
    断面積)と同じになる温度を、Afと形状記憶合金のマ
    ルテンサイト変態温度(Mf)の間にくるように設定
    し、該温度以上では形状記憶合金の記憶した形状への回
    復動作によって形状記憶合金が記憶した形状を保ち、該
    温度以下であってかつ形状記憶ポリマーのTg以上の温
    度では形状記憶ポリマーの記憶した形状への回復動作に
    よって形状記憶ポリマーが記憶した形状を保つことを特
    徴とする形状記憶複合体。
  2. 【請求項2】 形状記憶ポリマーが、ポリウレタン、ポ
    リノルボルネン、ポリイソプレンおよびスチレン・ブタ
    ジエン共重合体から選ばれるポリマーである請求項1記
    載の形状記憶複合体。
  3. 【請求項3】 形状記憶合金が、Ti−Ni系形状記憶
    合金または銅系形状記憶合金である請求項1記載の形状
    記憶複合体。
  4. 【請求項4】 形状記憶合金に形状記憶ポリマーを被覆
    してなる請求項1記載の形状記憶複合体。
  5. 【請求項5】 形状記憶合金のコイルの外周を形状記憶
    ポリマーで囲った請求項1記載の形状記憶複合体。
  6. 【請求項6】 形状記憶合金に、形状記憶ポリマーを押
    出しコートまたはホットプレスすることを特徴とする形
    状記憶複合体の製造法。
  7. 【請求項7】 形状記憶合金全体を形状記憶ポリマーの
    シートで覆い、ホットプレスすることを特徴とする形状
    記憶複合体の製造法。
JP1106295A 1995-01-26 1995-01-26 形状記憶複合体 Pending JPH08199080A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1106295A JPH08199080A (ja) 1995-01-26 1995-01-26 形状記憶複合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1106295A JPH08199080A (ja) 1995-01-26 1995-01-26 形状記憶複合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08199080A true JPH08199080A (ja) 1996-08-06

Family

ID=11767524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1106295A Pending JPH08199080A (ja) 1995-01-26 1995-01-26 形状記憶複合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08199080A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6872433B2 (en) 2001-03-27 2005-03-29 The Regents Of The University Of California Shape memory alloy/shape memory polymer tools
JP2006505655A (ja) * 2002-11-04 2006-02-16 ザ・ボーイング・カンパニー 形状記憶合金で強化したポリマー複合体構造およびその製造方法
JP2006055991A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Palo Alto Research Center Inc 応力固有素材及び形状記憶素材を使用したmemsデバイス並びにその製造方法
JP2008057648A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Nec Tokin Corp 配管用ヒータ
KR101053196B1 (ko) * 2009-02-23 2011-08-02 서울대학교산학협력단 양방향성 온도감응센서 및 이의 제조방법
CN110686007A (zh) * 2018-07-04 2020-01-14 湖南大学 基于sma弹簧的主动变刚度空气轴承
CN111725157A (zh) * 2020-06-20 2020-09-29 西安交通大学 基于形状记忆材料的相变智能冷却结构
JP2021017235A (ja) * 2019-07-22 2021-02-15 ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフトDr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft 自動車を通気するための空気流装置
CN114214842A (zh) * 2021-12-22 2022-03-22 江南大学 一种具有光电刺激响应双程形状记忆纤维及其制备方法
KR20220144442A (ko) * 2021-04-19 2022-10-27 재단법인 아산사회복지재단 수술 가이드 및 그 제조 방법

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59193934A (ja) * 1983-04-18 1984-11-02 Omron Tateisi Electronics Co プラスチツク成形品
JPS62192440A (ja) * 1986-02-18 1987-08-24 Kuraray Co Ltd 形状記憶性成形体およびその使用方法
JPH0222354A (ja) * 1988-07-11 1990-01-25 Asahi Chem Ind Co Ltd 形状記憶性樹脂組成物
JPH0292914A (ja) * 1988-09-30 1990-04-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 形状記憶ポリウレタンエラストマー成形体
JPH02133407A (ja) * 1988-11-14 1990-05-22 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 形状記憶材料、形状記憶成形物及びその使用方法
JPH02206539A (ja) * 1989-02-06 1990-08-16 Shohei Mogi 復合形状記憶成型品
JPH02253510A (ja) * 1989-03-24 1990-10-12 Junkosha Co Ltd 形状記憶電線
JPH0349743A (ja) * 1989-07-17 1991-03-04 Olympus Optical Co Ltd 形状記憶アクチュエータ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59193934A (ja) * 1983-04-18 1984-11-02 Omron Tateisi Electronics Co プラスチツク成形品
JPS62192440A (ja) * 1986-02-18 1987-08-24 Kuraray Co Ltd 形状記憶性成形体およびその使用方法
JPH0222354A (ja) * 1988-07-11 1990-01-25 Asahi Chem Ind Co Ltd 形状記憶性樹脂組成物
JPH0292914A (ja) * 1988-09-30 1990-04-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 形状記憶ポリウレタンエラストマー成形体
JPH02133407A (ja) * 1988-11-14 1990-05-22 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 形状記憶材料、形状記憶成形物及びその使用方法
JPH02206539A (ja) * 1989-02-06 1990-08-16 Shohei Mogi 復合形状記憶成型品
JPH02253510A (ja) * 1989-03-24 1990-10-12 Junkosha Co Ltd 形状記憶電線
JPH0349743A (ja) * 1989-07-17 1991-03-04 Olympus Optical Co Ltd 形状記憶アクチュエータ

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6872433B2 (en) 2001-03-27 2005-03-29 The Regents Of The University Of California Shape memory alloy/shape memory polymer tools
JP2006505655A (ja) * 2002-11-04 2006-02-16 ザ・ボーイング・カンパニー 形状記憶合金で強化したポリマー複合体構造およびその製造方法
JP2006055991A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Palo Alto Research Center Inc 応力固有素材及び形状記憶素材を使用したmemsデバイス並びにその製造方法
JP2008057648A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Nec Tokin Corp 配管用ヒータ
KR101053196B1 (ko) * 2009-02-23 2011-08-02 서울대학교산학협력단 양방향성 온도감응센서 및 이의 제조방법
CN110686007A (zh) * 2018-07-04 2020-01-14 湖南大学 基于sma弹簧的主动变刚度空气轴承
CN110686007B (zh) * 2018-07-04 2021-04-02 湖南大学 基于sma弹簧的主动变刚度空气轴承
JP2022166262A (ja) * 2019-07-22 2022-11-01 ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト 自動車を通気するための空気流装置
JP2021017235A (ja) * 2019-07-22 2021-02-15 ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフトDr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft 自動車を通気するための空気流装置
CN111725157A (zh) * 2020-06-20 2020-09-29 西安交通大学 基于形状记忆材料的相变智能冷却结构
CN111725157B (zh) * 2020-06-20 2021-11-09 西安交通大学 基于形状记忆材料的相变智能冷却结构
KR20220144442A (ko) * 2021-04-19 2022-10-27 재단법인 아산사회복지재단 수술 가이드 및 그 제조 방법
CN114214842A (zh) * 2021-12-22 2022-03-22 江南大学 一种具有光电刺激响应双程形状记忆纤维及其制备方法
CN114214842B (zh) * 2021-12-22 2022-10-21 江南大学 一种具有光电刺激响应双程形状记忆纤维及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ghosh et al. Design of multi-state and smart-bias components using shape memory alloy and shape memory polymer composites
US8586176B2 (en) Shape memory alloy fibers and shape memory polymer fibers and films and their composites for reversible shape changes
US6872433B2 (en) Shape memory alloy/shape memory polymer tools
JP6849585B2 (ja) 感熱アクチュエータデバイス
JPH08199080A (ja) 形状記憶複合体
KR100922814B1 (ko) 영구 변형된 코일 스프링을 변형 전 형상으로 회복하는 방법 및 코일 엑츄에이터
CN102016307A (zh) 用于形状记忆合金致动器的过热保护
US20140026554A1 (en) Superelastic shape memory alloy overloading and overheating protection mechanism
WO1990015928A1 (en) A shape memory actuator
WO2014080344A1 (en) Shape memory alloy actuating element with improved fatigue resistance
KR101183650B1 (ko) 다단계 수축 거동이 가능한 형상기억 코일 스프링의 제조방법 및 이에 의해 제조된 다단 수축 형상기억 코일 스프링
EP3191710B1 (en) Heat sensitive actuator device
US6006522A (en) Translational actuator
Troisfontaine et al. Optimal design of micro-actuators based on SMA wires
Rottiers et al. Shape Memory Materials and their applications
KR20100137235A (ko) 복합재료 스트립과 스프링을 갖는 형상기억합금 작동기
JPH09109320A (ja) 形状回復装置
JPH09123330A (ja) 形状回復装置
Bacciotti et al. On the use of shape memory alloys for deployable passive heat radiators in space satellites
Stöckel Status and trends in shape memory technology
JPS6321367A (ja) 形状記憶合金装置
Ghosh et al. Multifunctional smart material system (MSMS) using shape memory alloys and shape memory polymers
JPS6153467A (ja) 形状記憶作動体
JPH0344232B2 (ja)
JP2795465B2 (ja) 二方向形状記憶コイルばねの製造方法